校長室より「おこらいえ」
津波サミットに参加して
地震から302 日目
豪雨から38 日目
輪島市復興まちづくり計画検討委員会
第5回目会合が開催されました
各種民間団体、行政および公募市民によって
構成される会議で
一刻も早い復興の達成を目指しています
今回は
これからのまちづくりの中心となる
高校生のまちづくりに関する活動について
招聘された生徒が提案と意見具申を行いました
本校からは
2年生が「街プロ」の活動報告を行いました
朝市の復興に取り組んでいる
馬場広和さん
宮下パークへの視察の報告も踏まえて
新しい形の朝市を提案しました
こどもの遊び場つくりに取り組んでいる
濱田勢生さんと宮下維織さん
自分たちで自らグラウンドを整備する姿に
委員のみなさんは好感を持たれたようです
放課後の学校の様子です
サッカー部は練習場所を使えない日は
ビデオで戦略の研究をしています
輪島高校は昨年度
中間テストを廃止し
そのかわり教科ごとの単元テストを
充実させています
明日は英語のパフォーマンステストです
生徒が教室に残って練習しあっています
ビジネスコースは日曜日に検定試験を控え
電卓検定の練習です
水害のため前回受験できなかった分
必死に練習しています
3年生は受験にむけて補習に取り組んでいます
先生方も学びます
若手教員育成プログラム「若プロ」です
テーマは職場での人間づくりです
同僚性の構築や
ネガティブ・ケイパビリティについて
学びました
先日参加した「世界津波サミット」に参加した
生徒の感想を掲載します
長井彩綺
私は、世界津波の日高校生サミットに参加して得た経験から価値のあるものを沢山学ぶことができました。他県の高校生だけでなく、様々な国からの同世代の高校生と交流できたことが何より1番新鮮で、とても思い出深く心に残っています。1日目の分科会では、まず初めに各高校のグループでスライド発表をしました。使用言語がすべて英語だったので英語のリスニングを常に聴いているような感覚でした。発表の英語をすべて理解することは不可能で、難しいことが多かったですが、理解したいという真摯な思いを持ち聞き取る努力をすることが1番大切だと感じました。スライド発表の後は、各高校のメンバーを入れ替え、グループを作り災害について話し合いました。自己紹介から始まり、それぞれに意見を出し合いました。お互いに英語を聞き取ることが出来ず、最初は不穏な空気が漂っていましたが、ジェスチャーなどを用いたり、文にしなくても単語を出したり笑顔で話しかけることに注意を向けたことで少しずつ明るい空気に変わっていきました。英語をうまく話せなくても、私の話を聴こうと真摯に向き合ってくれたことが何より1番嬉しかったです。
分科会の後の開会式では、輪島高校は災害からの未来についてのプレゼンを発表するという大きな役目が課せられていました。こんなに壮大なステージで、沢山の観客の前で英語で発表することは初めての経験だったので不安もありましたが、私の中では今までで1番良い発表をすることが出来たのでよかったです。しかし、他の高校生の発表を聴いていると、自分たちの発表をもっとこうすればよかった等の、改善点も沢山見えてきました。他校の発表から災害についての知識だけでなく、スライドを作る上での改善点も知ることが出来たので、今後に活かしていきたいです。このサミットを通して、災害についての意識をより深めることが出来ただけでなく、外国人の防災意識の違いなど国の文化の違いを知ることが出来たのも楽しかったです。日本の熊本で行われたサミットでしたが、私の中では世界に行ったような感覚で、国境を超えていろんな人と繋がれたことがとても印象深く嬉しかったです。想像はしていましたが、言語の壁がとても大きくて、改めて英語は難しいなと感じました。もっと英語が話せていたら、話題を広げてより深く、意味のある話を互いにすることができたのだろうなとも思いました。リスニングだけでなくスピーキングも鍛えていくことが大事だと感じたので、もっと英語の勉強に励み、努力していきたいです。
この価値ある体験を胸に刻み、これからも頑張っていきたいと思いました。
稲木茉那
「世界津波の日」高校生サミットに参加して、改めて防災の大切さと、それに対する国際的な協力の重要性を感じました。仲間と協力して発表を準備する中で、チームワークの重要性を実感しました。意見を出し合い、役割を分担することで、より良い成果を生み出すことができたことが嬉しかったです。この経験は、将来の仕事や学校生活でも活かせる貴重なものでした。
初日に行われた開会式では、世界40以上の国や地域から集まった高校生たちが様々な意見を交わしました。特に印象に残ったのは、ブラジルの高校生の「命が何よりも大事」という言葉です。豪雨被災地を訪れて実際の被害を目の当たりにしたからこそ、心から感じた重みのある言葉だと感じました。
また、マレーシアの高校生が「自然災害に対しては国際的な連帯が必要だ」と語っていたのも印象的で、災害への備えは一国だけでなく、世界が協力し合うべき課題だと強く感じました。分科会では、地域や国によって異なる防災対策があることを知り、その多様性に驚かされました。特に、津波だけでなく地震や洪水などの世界で起こった災害も含めて防災を考える視点が強調され、輪島でも取り入れたいアイデアがたくさん見つかりました。各国の対策を知ることで、私たちの地域で実施できる新たなアイデアが浮かび、地域全体の安全を守るための意識が高まりました。
私自身、能登半島地震を経験した一人として、能登半島地震についての発表と共に、輪島高校で取り組んでいる「街プロ」についても紹介しました。
たくさんの国の人々に私たちの活動が伝わったことに誇りを感じました。この経験を活かし、今後も地域や世界の防災意識を高めるために、活動を続けていきたいと感じました。
邑田達紀
今回このサミットに参加して、たくさんの新しい刺激を受けることができました。これまでにも海外の方と会話したことがありましたが、簡単な質問や受け答え程度のコミュニケーションでした。このサミットではそもそもの使用言語が英語なので、常に英語に囲まれて一日を過ごすのは初めての経験でした。
自分の拙い英語をなんとか理解しようとしてくれた海外の皆さんの優しさや、日本人にはない明るさに触れることができました。海外の方、特に同年代程度の方と共に時間を過ごし、コミュニケーションを取ることは自分のとてもいい経験になったので、もし機会があれば積極的に活用してみると自分の見えている視界が変わるきっかけになるかもしれないと感じました。
また、そのディスカッションの内容も興味深く、世界中の自然災害の課題や、それに対する解決策などを知ることができました。日本では地震や台風の被害が大きいように、海外ではハリケーンなどの被害も大きく、日本にはなかなかない干ばつの被害もあることがわかりました。
私達は開会式で震災の経験を交えた発表をするという大きな仕事が与えられていました。1000人を超える人たちの眼の前で発表をするのは初めてでしたが、あまり緊張せずに本番を楽しむことができました。
私は英語があまり得意ではないというところから今まで海外の方と積極的に話したいという思いが強くありませんでした。ですが、今回海外の方とコミュニケーションを取り、一緒に笑いあえたことで今までの私を大きく変えるきっかけとなりました。これらの経験を活かし、様々なことに挑戦していきたいです。
水森かおりさんとともに
地震から301 日目
豪雨から37 日目
マリンタウンで
「ふるまい広場」が開催されました
大勢の人で賑わいました
輪島吹奏楽団と輪島中学校が合同で
演奏しました
私も一緒に演奏させてもらいました
水森かおりさんが
私たちの演奏をバックに
「上を向いて歩こう」を歌ってくださいました
本日深夜23:45よりNHK総合で
ドキュメント番組
「輪島高校 3年生の夏休み」
が放送されます
一生に一度しか訪れない18歳の夏に
いま伝えたいことや
気持ちに遺しておきたい風景について
語ります
震災後
テレビ報道されてきた「被災地としての輪島」
だけでなく
自分たちにとって
「大切な思い出の詰まった輪島」
を語ります
出演するのは
平さん 田端さん 岩波さん 木戸さん 森田さんです
あ
選挙で番組予定変わったみたいですね
海辺の映画館
地震から300 日目
豪雨から36 日目
先日「らく速読」の講話が開講されました
被災した中でも日々の生活の中で
「幸せだな」と思える瞬間のために届けてくださいました
そんな講話の中から
ウォルト・ディズニーは
「本には宝島の海賊が盗んだ財宝よりも
多くの宝物が眠っている」
と読書の楽しみを語っています
マイクロソフトの創始者ビル・ゲイツ氏は
1週間に1冊
電子決済の仕組みを作ったイーロン・マスク氏は
1日10時間
ソフトバンク取締役会長 孫正義氏は
1年で850冊
の読書をしているそうです
またアメリカの情報サイトによると
富裕層の88%が一日30分以上読書をしているのに対し
貧困層の人びとは2%しか読書をしていません
さらに日本でも
月額書籍購入費用について
年収800万円以上の人は 2.910 円
400万円未満の人は 1,914円
1,000円もの開きがあるそうです
時間のない日々に追われ
それでも本を読むための時間を作り出す
ひとつのヒントをいただきました
今朝の北國新聞に興味深い記事が
世界農業遺産「白米千枚田」に
これまた奥能登の風物詩「波の花」
が舞ったというものです
「千枚田」は奥能登の最高峰
「高州山」の地滑りでできた
山の中腹から
眼下の海岸線に向かって拡がる棚田です
「波の花」は
そこからさらに10kmほど
半島の先端部に向かって進んだ所に見られる
厳寒の荒れ狂う日本海で
岩壁に打ちつけられた波が
綿毛のように空を舞う現象です
新聞社に情報提供したのは川口喜仙さん
私の高校時代の同級生です
地元の伝統芸能
田の神様を迎え送る「あえのこと」を伝承
新聞を利用してさまざまな地元の情報を
発信しています
今回全く別の場所の観光資源
しかも限りなく季節外れのふたつの
思いがけないコラボレーション
新しい観光スポットになりそうです
「波の花わたがし」とか
「ふわふわ波の花かき氷」とか
いかがでしょう?
先日の「未成年の主張」で
「海辺の映画館をつくりたい!」
と叫んだナタくん
いよいよ実現へ向けての第一歩です
生まれ故郷のタイで見た
海辺のアウトドアの映画館が忘れられない
と言う彼は
これなら被災者を元気づけられる
とひとりで準備をすすめてきたら
ひとりまたひとりと
協力者が増えてきました
場所は取り壊された家の跡地
馬場崎交流サロンの向い
キロク時計店さんと
コインランドリーてるてるさんの間です
14日目のブロクで紹介した
中村輝人さんがこしらえたスペースです
「世界を変える!」と意気込んで
卒業を待たずに
単身オーストラリアへ渡ったものの
震災復興に力を尽くしたいと
急遽帰国してきた彼です
せっせと地面を鳴らし
人工芝を敷き詰め
人力で素敵な空間を創りました
日暮と同時に
上映されたのは
東日本大震災を描いた
「北のホタル」
ここまで何度もダメになりそうで
あきらめかけて
それでも歯を食いしばって
ここまできたね
小さな映画会だったけど
大きな一歩だね
上映後
みんなに
バーベキューが振る舞われました
スタッフは
ナタ&テルでした
不自由研究のススメ
地震から299 日目
豪雨から35 日目
11月3日に本校体育館で
車いすバスケ体験を行います
申し込み不要でどなたでも参加いただけます
動きやすい服装で
シューズを持ってお越し下さい
12:00~16:00の時間帯で開催しています
ご都合のつく時間にふらっときて
こそっと帰るでもOKです
ぜひ気軽にお越しください
「上から降ってくる復興計画に
そのまま乗っかるな
僕らの街は僕らがつくる」
2年生が「街プロ」に取り組んでいます
このあと1年生も参入していきます
今日は1年生の
「不自由研究発表会」が行われました
この間1年生は「不自由研究」に取り組んできました
課題設定→仮説設定→先行事例研究→
実験計画→分析→まとめ→発表
という一連の流れを体験することが目的です
この中で課題設定の部分には時間がかかるので
その部分だけはまず教員が設定
課題を自分で自由に設定できないので
「不自由研究」です
小岩 遥 さんは
「輪島市に移住者を増やそう」
輪島市に間借り営業できる
フリーススペースを作りたいと考えました
大久保 侑 さんは
「輪島でできる遊び」
KANJAMというスポーツを紹介して
みんなで楽しみたいと考えました
正角 心音 さんは
「たくさんの人が来てくれる朝市!」
東北研修で見てきた閖上朝市を参考に
食べ歩きのできる新しい朝市を考えました
小住 優太 さんは
「なぜ投資が注目されているのか」
金融リテラシーの重要性について調べ
復興に結びつけたいと考えました
田中 朝陽 さんは
「隆起した海を取り戻せ」
海底隆起により漁に出れない漁師を懸念し
その対策について考えました
徳野 喜仁 さんは
「外国人が訪れる街 No.1にするために」
インバウンドで賑わう街を調べ
輪島も外国人観光客でいっぱいにしたいと考えました
坂口 こころ さんは
「イベント企画書」
文化祭の後に後夜祭を企画して
盛り上げたいと考えました
山瀬 大喜 さんは
「水温上昇による魚への影響」
地球温暖化による溶存酸素の減少を調べ
輪島沖の漁獲量の変化を試算しました
辻 姫花さんは
「ドイツ語について」
ドイツ語の歴史や文法について調べました
徳野さんの研究とコラボできるといいですね
前川 翔太 さんは
「輪島大祭復興」
祭りが地域経済にもたらす影響を考え
多くの人が祭りに訪れる取組を提案しました
髙橋 惺 さんは
「数学を生活に役立てよう」
フェルミ推定を用い震災の被害を試算
さらに20年後の輪島市の人口を推定しました
岸 顕 さんは
「スポーツ科学」
タバタ式トレーニングの効果について検証し
ダイエットや筋トレとの関連を言及しました
全員しっかり調べよく考え
素晴らしい発表でした
特に質疑応答が活発に行われていて
頼もしく思えました
稲むらの火
地震から298 日目
豪雨から34 日目
「津波サミット」の最終日
記念植樹を行いました
屋上からくまモンさんが
見守ってくださっています
植樹の次は除幕式
そして閉会セレモニーです
石破首相がビデオメッセージで
「稲むらの火」の話をしてくださいました
時は安政元年(1854年)
紀伊国広村(現在の和歌山県有田郡)を
安政南海地震による津波が襲います
高台に住む庄屋の濱口儀兵衛
地震の揺れを感じたあと
海水が沖合へ退いていくのを見て
津波の来襲に気付きます
村人たちに危険を知らせるため
自分の田にある刈り取ったばかりの稲の束(稲むら)に
松明で火をつけました
消火のために高台に集まった村人たちの眼下で
津波が猛威を振るいます
儀兵衛の機転と犠牲的精神によって
村人たちがみな津波から守られた
というお話です
小泉八雲の英語による作品を
中井常蔵が翻訳・再話したもので
1937年から10年間
国語の教科書に掲載されたそうです
その話はエンディングセレモニーの中でも
紹介され演じられました
熊本県立第一高等学校の
ボランティア同好会の生徒さんが
文化祭で集められた支援金と
応援のメッセージ色紙を
直接会場へ届けてくださいました
第一高校さんは熊本城の敷地の中にある
伝統のある高校です
どうもありがとうございました
フライトまで少々時間があったので
熊本城の復興の様子を見てきました
震災から8年経ってもまだ手付かずの石垣
ようやく始まった補修箇所
20年ほどの計画で
じっくり進んでいくのだそうです
過去にも何度も被災した記録が
その度に立ち上がってこられたのですね