2025年5月の記事一覧
横蝶へようこちょ
地震から 517 日目
豪雨から 253 日目
震災による火災で燃え尽くされた
朝市が立っていた本町通りと
それと平行に走る大町通り
そのふたつの通りを結ぶ
与右衛門(よも)小路
御蔵(おくら)小路
風呂屋(ふろや)小路など
昔ながらの小径
その中に「朝市横蝶」はあります
ここも一歩ずつですが
復興への歩みを進めています
「町家の庭」と「里山」
それぞれをテーマとした
ふたつのゾーンからなります
輪島高校職員の谷川さん
輪島高校同窓会役員の尾坂さんも
庭づくりに携わっていらっしゃいます
こちらは谷川さんが丹精込めて育てられた
準絶滅危惧種のヤマユリ
9年前に植えて4年目に初めて花を咲かし
これまで毎年咲いているそうです
こちらは被災した家から拾われてきた
漆桶を再利用した寄せ植えです
輪島塗職人はこの桶を使って
漆の売買をしています
内部が漆黒に染まっています
こちらも被災家屋から拾われてきた火鉢
震災を経て新しい庭に生まれ変わりつつあります
全国の高校生のみなさん
被災地見学や復興支援にいらっしゃる際には
ぜひご連絡ください
一緒に新しい庭づくり体験してみませんか?
お繋ぎします
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月3日「卒業式」を読んで
「卒業生が退場する前に
親に感謝の言葉を言ってから退場していったのは
すごく素敵でいいなと思いました
コロナの影響などで
これまで卒業式の経験がありませんでしたが
いろんな人が感動する素敵な式なんだなと
初めて思いました
仲良くしてくれた
先輩であり友達である3年生が卒業したのは
とても寂しかったです
卒業するまでの残りの高校生活を
悔いのないよう過ごしたいと思いました」
《匿名希望》
小江戸川越の魅力
地震から 516 日目
豪雨から 252 日
朝市はじめ能登の復興のヒントが
日本全国あらゆる場所に
散りばめられています
今日は
江戸の情緒を今に残し
明治・大正・昭和・平成・令和と
の5つの時代を体験できる
歴史的建造物や文化財が建ち並び
小江戸ともよばれる
川越の街をご紹介します
まずは「川越八幡宮」
境内に足腰健康の神様を祀る
民部稲荷神社があることから
スポーツ選手の必勝祈願の聖地となっています
各部活動の総体での活躍を
祈願してきました
境内には2本の銀杏が寄り添い
1本に結ばれた御神木
「縁結びの木」があります
続いては
写真左手に写る門の扉に
みつば葵の御紋が見られます
こちらは
日光・久能山と並び三大東照宮と称される
「仙波東照宮」です
徳川家康の御霊を祀っています
日々被災地でもがいているだけの身からしてみると
あれだけの江戸の街を築いた家康公は
どんな方だったんだろうかと
畏敬の念しかありません
続いては合格祈願の「三芳野神社」
この細道はどこの細道かわかりますか?
天神様の細道じゃ
そうこれは「とおりゃんせ」で歌われた
細道だそうです
これは「時の鐘」
江戸時代初期に当時の藩主が建てたものが
明治の川越大火で焼失したのち
再建されたもので
「残したい日本の音風景百選」
に選ばれています
そして「蔵造りの町並み」
川越の中心にある趣深い町並みです
こちらも大火に後に採用された
耐火建築群です
「大正浪漫夢通り」
震災前の輪島朝市に似てると思いませんか?
最後は「川越氷川神社」
古墳時代の創建された1500年の歴史ある神社
地元の方が創意工夫した様々なおみくじ
歴史にあぐらをかくのではなく
現在の人々が常に新しいものを
作り続けている
それがこの町の魅力でした
あんたがたどこさ
地震から 515 日目
豪雨から 251 日目
九州復興研修隊からの報告です
昨日は熊本城を散策したあと
城下町で食べ歩きをしました
教頭先生に教えていただいたわくわく座では
プロジェクションマッピングと
ジオラマのコラボレーションで
熊本城の復旧を学びました
その後新幹線で福岡に戻り
太宰府に行く予定でしたが
バスの関係で断念し
福岡タワーに夜景を見に行きました
地上110メートルからの夜景は
とても美しかったです
なかなか計画通りにはいかず
かなりのギリギリを攻めている旅ですが
昨夜から生徒たちはかなり疲れている様子ですが
体調不良などはなくホテルを出発しました
今日はこれから昨日断念した太宰府天満宮に行き
帰路につきます
私はといえば
全国高等学校長会議で大宮に来ています
さすが全国の交通の要
津々浦々から最も集まりやすい場所で
毎年設定されています
以前講話をさせていただいた兵庫県の校長先生
以前筑波の教頭研修でご一緒させていただいた先生
懐かしいお顔にご挨拶させていただきました
兵庫県立伊川谷北高校の神戸秀夫校長先生
兵庫県立須磨友が丘高校の塙守久校長先生
兵庫県立西脇北高校の佐藤太校長先生
兵庫県立篠山東雲高校の富田尚美校長先生
兵庫県立西宮苦楽園高校の宮本美枝子校長先生
茨城県立日立商業高校の菊池幸惠校長先生
兵庫県立西宮高校の谷口聡校長先生
兵庫県立川西緑台高校の牧野徹校長先生
兵庫県立香住高校の森澄実校長先生
兵庫県立播磨農業高校の岩本義裕校長先生
兵庫県立阪神昆陽高校の桑田耕治校長先生
静岡県立富士宮北高校の小谷和之校長先生
静岡県立藤枝東高校の森谷幹子校長先生
兵庫県立東播磨高校の志摩直樹校長先生
どうもありがとうございました
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は7月12日「野球の全校応援」を読んで
「野球の全校応援に来てくださって
ありがとうございました
普通では体験できない貴重な体験ができました
初めての夏の大会の試合ということで
試合前はとても緊張していましたが
スタンドを見上げると
全校生徒が応援してくれていて
どんな結果になろうと必ず最後まであきらめないで
全力で戦おうという気持ちになりました
でも実際には自分のエラーで失点したりして
チームに貢献できずに後悔や悔しさが強かったです
その後悔や悔しさは夏の大会でしか返せないと思います
そのためにどんなにきつい練習にも耐え
今出せる自分の全力のプレイをするよう心がけています
次の夏の大会では
前回よりもっと良い姿を見せれるように頑張ります
今年も応援よろしくお願いします」
《匿名希望》
TAIIKUSAI in the Night
地震から 514 日目
豪雨から 250 日目
昨晩は
福岡第一高校さん
第一薬科大学附属高校さんからのご招待を受け
生徒会役員の生徒たちといっしょに
「夜の体育祭」を見学させていただきました
熱中症が心配なら夜にやっちゃえ!
と始まった企画だそうです
今年度のテーマは「限界突破」
うちの生徒たちも
一緒に競技させていただきました
アンパンマンのキャラに扮装しての
パン食い競争
工夫を凝らした競技が盛りだくさんです
毎年1週間ほどで準備するそうです
生徒の皆さんの集中力と実行力
そして先生方の指導力に驚かされます
仮装パレードにも参加しました
福岡第一高校さんと
第一薬科大学附属高校さんには
全国でもトップクラスの部活動のほかに
「パラマ塾」という
生徒が好きなことをとことん突き詰める
活動があります
その部活動と「パラマ塾」ごとに
創意を凝らした見応えのあるパレードです
フィナーレを飾るのは花火です
さらに今年度はスペシャルゲスト
「限界突破」のテーマにちなんで
「KIINA.」さんが歌ってくださいました
実は「KIINA.」さんは
福岡第一高校の卒業生であり
「パラマ塾」の第1期生です
ロックの塾に入りたかったのですが
訳あって演歌の塾へ
そこで才能を見出され
「氷川きよし」としてデビューすることに
そういった意味では
今回の改名とイメージチェンジ
本来ご自分がやりたかったところへ
戻って来れたのではないでしょうか
ご本人もMCの中でおっしゃっていました
「この高校があったから今の自分がある」
校是である
「生徒一人ひとりの個性を伸ばす」
をまさに体現されています
生徒会の生徒たちはもう一日九州に滞在
被災地復興研修に向かいます
引率の岡本先生からの報告です
まず市電に乗り熊本県防災センターに伺いました
熊本県庁に隣接している建物ですが
県庁前にはかの有名なルフィ
(作者の方が熊本出身だそうです)
の像がありそちらで写真を撮りました
防災センターでは
地震と豪雨の被害から現在に至るまでの
復興の様子を見学することができました
プロジェクターを使った映像やパネル
VRを使った疑似体験などをさせていただきました
歌丸様はじめ職員の方々に説明していただきながら
自分たちの経験を思い出しながら
見学させていただきました
復興の先輩から
「輪島も必ず復興しますよ!」
と力強いお言葉をいただきました
防災センターから徒歩で水前寺公園に行き
美しい庭園を巡りました
そして
西南の役で焼け野原になった
熊本のまちを発展させ
戦いで荒んだ人の心を安定させようと建てられた
出水神社を巡りました
お昼をとり
現在熊本城を散策中です
熊本城(石垣含む)全体の完全復旧は
なんと27年後だそうです!
築地にあって豊洲にないもの
地震から 513 日目
豪雨から 249 日目
昨日から全国校長会が東京で行われています
会議の後
時間があったのでウロチョロしてみました
まずは日本科学未来館
「チ」とのコラボ特別展をやっていました
「チ」は
自らの命をかけてまで
宇宙の真理を追い求めた人々の情熱が
描かれたアニメです
「神がその姿を写した人間が住む地球こそ
宇宙の中心なのだ」
という教会の教えが当時の真理でした。
「地動説」を唱える者は
拷問や火あぶりという厳しい迫害を受けます
この物語には唯一の主人公が存在しません
強いて言えば「地動説」が主人公
多くの人々が命を落としながら
真理を受け継いでいく物語です
命と引き換えに残してくださった災害に対する教訓を
次の世代に引き継ぐ責任を思い出させてくれます
今や周知の事実となった「地動説」
それでも認められるまでに
300年という膨大な年月を必要としています
災害復興と防災教育
こちらも長い目が必要です
「チ」には
「地」「血」「知」の意味が込められています
タイトルの「チ」の特殊なフォントに隠された秘密?
最終巻の8巻だけなぜか表紙が真っ暗?
第1巻で亡くなったはずの少年が?
第7巻の表紙にこれまで登場していない人物が?
さまざまな謎が散りばめられた名作です
常設展示には
能登半島地震のシミュレーションも
あの時こんなことが起こっていたんだと
新たな気づきです
発災以来すっかり信心深くなった私が
次に訪れたのは明治神宮
おみくじには
「ひとしれず 思ふこころの よしあしを
照らし分くらむ あまつちの神」と…
誰にも見られていなくても
正しくあれということかと読み解きます
続いて「MIYASHITA PARK」にも行ってみました
3年生の馬場くんが
「朝市復興の参考にしたい」
と研究している施設です
2階には飲食店が入り
屋上にはみんながくつろげるスペース
学校帰りの高校生が勉強したりしています
ビーチバレーの施設もありました
「風の人」も「地の人」も
みんなで楽しめる朝市にしたいですね
輪島弁でよそから来る人を「風の人」
輪島に住んでいる人を「地の人」
といいます
せっかく来た出張
空き時間の一瞬たりとも無駄にするものかと
今朝は早起きして豊洲市場へ
マグロのセリをしていました
輪島の朝市に卸す魚のセリも
こんなふうに公開すると
いいかもしれませんね
江戸の風情を感じさせる街並み
ゆったり過ごせる飲食スペース
日帰り温泉もありました
ただ朝の5時に行ったのですが
お食事処はほとんど閉まっていました
警備員さんに聞いてみたところ
「昔は開いてたんだけどね
今じゃ客が来ねえから
10時になんなきゃ
みんな開けねえよ
シャッター通りになっちまった」
東京でもそんなことがあるのかと驚いていると
「みんな売り上げは
築地にいた頃の3分の1くれえだよ
家賃も高くてどうしようもねえや
なんで中央区より台東区の方が
家賃高えんだっつうの」
江戸っ子弁丸出しで教えてくれました
築地はどうなっているんだろう?
気になって行ってみました
築地はみんなお店を引き払ったとばかり
思っていたんですが
結構残っているんですね
それに昔ほどではないにしろ
賑わっていました
築地にあって豊洲にないものに気づきました
それは匂いです
築地は1軒進むごとに
卵焼き専門店の匂い
鰹節専門店の匂い
ぬか漬け専門店の匂い
包丁専門店の金臭い匂い
違った匂いが迎えてくれました
ガラス越しのセリ見学とは
やはり伝わるものが違います
匂いって大事ですね
ポルトガルを訪ねた崖くんが言っていました
「ポルトガルと輪島の海の匂いが違う」
匂いも含めて五感で感じるのが旅なんですね
豊洲と築地
もう一度訪れたいのは?
と訊かれると…
朝市を復興させる時に
大事な視点になりそうな気がします
しるもしらぬもあふかたのせき
地震から 512 日目
豪雨から 248 日目
発災以来ずっと寄り添ってくださっている
福岡第一高校さん
世界一の体育祭「夜の体育祭」に
今年は生徒会の生徒を連れて
行ってまいります
以前お伺いした際に
校長先生から未来の教育について
お話を伺いました
「数学や理科など生徒の得手不得手の激しい教科は
全て選択制にしてレベルの高い教育を施し
全員に学ばせるのは
真に全ての生徒に必要な教科に絞るとよい
その教科は国語・英語・歴史である」
歴史や古典を嫌いな生徒から
「なんで昔のこと学ぶ必要があるのか?」
という声を聞きます
私は発災以来
歴史を学ぶことの大切さを
身をもって知ることができました
たとえば
江戸時代の新井白石の随筆『折たく柴の記』
「この日の午時雷の声す
家を出るに及びて
雪のふり下るごとくなるをよく見るに
白灰の下れる也
西南の方を望むに
黒き雲起こりて
雷の光しきりにす。」
これは何のことを書いていると思いますか?
富士山「宝永の大噴火」の様子です
最初の火山灰は白灰であったが
やがて黒灰に変わっていることで
火山灰の成分の変化を読み取ることができます
ここで地学のメガネ
東京大学の発掘調査によると
薄い白い灰の上に黒い火山灰が約2cm積もっていることが
確認されています
ここで物理のメガネ
黒い灰が後から降り積もったということは
黒い灰の粒子は細かく
長時間にわたって大気中を飛散していたことがわかります
ここで保健体育のメガネ
この頃多数の住民が
呼吸器疾患に悩まされていた記録が残っています
再び古典のメガネ
当時の狂歌でこのように歌われています
「これやこの 行も帰るも 風ひきて 知るも知らぬも おほかたは咳」
これは何のパロディかおわかりになりますか?
百人一首にある蝉丸の
「これやこの行くも帰るも別れてはしるもしらぬもあふさかの関」
です
奈良県大和郡山市教育委員会の「豊田家史料」には
宝永噴火の際に採取された火山灰が
紙に包まれて保管されているそうです
そのほか噴火が10日間にわたって続いたこと
火山灰が用水に詰まって水の供給が絶たれたこと
も記録に残っています
このように歴史を紐解くことによって
未経験の災害であっても
どのような準備が必要か予測することができるのです
噴火が収まった後は
富士山への参詣客が殺到したそうです
漁師や百姓が観光業に転職して
収集がつかない状態になりました
もともと参詣客を相手にしていた元締めが
転職に制限を加えるようになったそうです
輪島に例えると
朝市復興後多くの店が乱立し
既存の朝市組合との間にいざこざが起こる
みたいなことでしょうか
そんな日がいつか来るといいなとは思いますが
以前本校で「車いすバスケ」をしてくださった
フォースタートさんがまた来てくださいます
6月20日(金)13:50~です
どなたでも参加できますので
どうぞお越しください
【被災地に電気が灯るまで】第39回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
充電のできる電池「鉛蓄電池」
のしくみについて学び
鉛と酸化鉛
どちらが負極つまり電池のマイナスか
考えてもらう宿題を出しました
それぞれが起こす反応は
Pb + SO42- → PbSO4 + 2e-
PbO2 + 4H+ + SO42- + 2e- → PbSO4 + 2H2O
これを見るとPb の式の右辺に
新たな電子 e− が2個生まれているので
Pb が負極ということになります
「鉛蓄電池」は
低温環境への強さと制御の容易さに加え
メモリー効果がないのが最大の特長です
メモリー効果というのは
充電を繰り返すと容量がだんだん小さくなる現象です
携帯電話なんかでも
あんまり充電が減っていないのに
小刻みに充電すると
バッテリーの寿命が短くなってきますよね
あれです
私は人間のバッテリーも同じであると
最近しみじみ感じており
どんなに夜遅く寝ても
朝の4時には目が覚めて
それから眠れなくなるのです
つまりフル充電までの時間が
極端に短いのです
電気容量が限りなく小さくなっているようです
その証拠に朝の10時頃に充電が切れ
大事な話の最中にコクっと
いきなりブラックアウトすることがしばしばです
困ったもんです
その度に目を閉じて考えていたふりをしていますが
きっとバレていると思います
「鉛蓄電池」は自動車において主流でしたが
現在ではEVの普及に伴って
リチウムイオン電池の方に注目が集まっています
次回から
もっとさまざまな電池について
学んでいきましょう
今日は東京で校長会
その後福岡へ向かいますが
車窓から富士山が見えました
日曜日の死刑囚
地震から 511 日目
豪雨から 247 日目
日曜日
ある死刑囚に言い渡されました
「おまえの死刑執行が今週に決まった
土曜日までに執行される
何曜日かは伝えない
ただし条件をやろう
もし死刑執行の朝に
その日執行されることを言い当てたら
おまえを無罪放免としてやろう」
しばらく考えた死刑囚は
「ありがとうございます
無罪放免ですね!」
その言葉のとおり死刑囚は無罪放免となりました
なぜか?
死刑囚はこう答えたのです
「土曜日に執行されることはありえません
なぜなら土曜日まで執行が伸ばされたら
わたしはその日の朝に
言い当てることができるからです
土曜日の執行があり得ないのであるなら
金曜日もありえません
なぜなら金曜日の朝に
言い当てることができるからです
同じように木曜日水曜日そして今日も
死刑執行はありえません」
先日火災避難訓練を行いました
より実践的な訓練とするため
時刻を伏せて行いました
さらに出火想定場所も予め示さず
放送を聞いて
避難経路を各自で判断するよう指示しました
実施後の生徒アンケートでは
99.5%の生徒が
積極的に取り組むことができたと回答しました
訓練時刻を伝えずに実施したことについても
「実際の火災はいつ起こるかわからないから」
「危機感を持って臨むことができた」
「判断力をつけるのによい訓練だった」
「自分達で考えて動くことができた」
「事前に避難経路をシミュレーションしていた」
など肯定的意見が91.5%を占めました
ただ一方で
「着替え中だったらどうするのか?」
「いつ実施されるのかわからず授業に集中できなかった」
という課題も見つかりました
さらには
「6限目にならなかったから
7限目にあると予想できてしまった」
とさきほどの囚人の話のような感想も
そのほかの感想では
「ベルで放送が聞こえなかった」
放送機器そのものが使えない設定も
考える必要があります
「休み時間にやるのはよくない」
休み時間だからこそ意味があるのです
各自で考えて動く必要があるからです
「時間をちゃんと知らせて欲しいと思った」
時間を知らせないからこそ意味があるのです
次回はその日にやることすら知らせず実施します
正常化バイアスがかかっていたことに
気づいた生徒もいて
意味のある避難訓練になりました
今後もより実践的な避難訓練を計画していきます
511日前のあの日
私が最初にした仕事は
「学校には参集するな!」
規則に反した職務命令を
職員に一斉メールすることでした
危機管理マニュアルには
「震度6強以上の地震の際には
全員学校に直ちに参集すること」
とあります
ところがこれには重大な視点が抜けています
「職員も被災者である!」
ということです
今回の地震はいつもと違う
そう直感した私は
「自分の命と家族を守れ」
このことを最優先するよう指示したのです
間違ったことをしたとは
微塵も思っていません
集まっていたら
最悪誰かが命を落としていたでしょう
「学校に行くべきか迷っていた」
という先生の話を後から聞きました
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は2月9日「ゆでたまごを科学する」を読んで
「イタリアの研究チームが
最適なゆでたまごの作り方を
科学的に解明したという文章に
とても目を惹かれて記事を読みました
温度の伝わり方を
コンピューターシュミレーションするなど
大掛かりな研究をされているようで
完成したゆでたまごにどれほどの費用がかかり
どれぐらいの価値のあるものに仕上がったか
聞いてみたくなりました
さらにリーダーは卵料理が嫌いだと知って
本当に驚きました
「好きこそものの上手なれ」と言う言葉もあり
私は好きな人にしか辿り着けない何かがある
とこれまで信じてきましたが
考え方が大きく変化しました
嫌いな人だからこその
別の目線や視点で見ることの大切さを
学べた気がします
《匿名希望》
和倉温泉に咲く花
地震から 510 日目
豪雨から 246 日目
発災以来ずっと気になっていた場所が
いくつかありまして
今どうなっているのか
今日はそのひとつ和倉温泉にある
とあるお店を訪ねてみました
和倉温泉街も被害が大きく
多くの宿が傾き崩れ解体されていました
そんな中でお目当てのお店は Blossom
私が七尾高校に勤めていた時の生徒
野球部にいた黒川恭平さんが
ご家族で経営されているお店です
和倉温泉でお泊まりする時に
よくお世話になり
美味しいワインとお料理をいただいていました
被災後3ヶ月で壊れたお店を修理して
水道の復旧とともに営業を再開されたとか
あまりに美味しそうで食べるのに夢中で
写真を撮り忘れ
デザートを食べ終わる頃にようやく一枚
デザートはお姉さんの手作りガトーショコラ
これも絶品でした
以前特別にホールのクリスマスケーキを
作っていただいたことを思い出しました
被災後も料理コンテストに挑戦
本当に美味しいお料理でした
店先には多くの方々からの
激励メッセージが飾られていました
能登半島のあちこちで
それぞれの人が
それぞれの場所で
復興に向けて歩んでいます
【被災地に電気が灯るまで】第38回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
充電のできる電池
「鉛蓄電池」を学んでいます
発明以来さまざまな工夫が重ねられ
電極には鉛と酸化鉛
電解液には希硫酸を用いるようになりました
今日は「鉛蓄電池」の仕組みをもとに
化学反応式の書き方を練習してみましょう
鉛の化学式は Pb
酸化鉛は PbO2
希硫酸は H2SO4 です
電離すると
H2SO4 → 2H+ + SO42−
鉛は硫酸イオンとくっついて硫酸鉛となります
Pb + SO42- → PbSO4
電子 e− を加えて両辺の電荷をそろえましょう
Pb + SO42- → PbSO4 + 2e-
酸化鉛も硫酸イオンとくっついて硫酸鉛となります
PbO2 + SO42- → PbSO4
PbO2 の O は水になります
PbO2 + SO42- → PbSO4 + 2H2O
Hはどこからきたのかな?
硫酸が電離した水素イオンです
PbO2 + 4H+ + SO42- → PbSO4 + 2H2O
電子 e− を加えて両辺の電荷をそろえましょう
PbO2 + 4H+ + SO42- + 2e- → PbSO4 + 2H2O
さてここで問題です
PbとPbO2
どっちが正極でどっちが負極かわかりますか?
知識がなくても式を見ればわかりますよ
電子が生まれている方が負極です
答えは次回
白米扇枚田
地震から 509 日目
豪雨から 245 日目
本校の「街プロ」
まなちゃんの「みつばちプロジェクト」
に寄り添ってくださっている
アナウンサーの原田幸子さまより
素敵なお便りをいただきました
21世紀美術館で開かれている
見立て作家である田中達也さんの
ミニチュアライフ展を
見に行かれたそうです
ご当地をテーマにしたミニチュア作品も
輪島をテーマにした「白米"扇"枚田」
扇の蛇腹状の部分を棚田に見立てた作品
見事ですね
ぜひ見てこようと思います
輪島高校野球部は
これまでに二度
夏の大会で決勝戦まで
コマを進めたことがあります
一度目は昭和57年度
決勝戦の相手は星稜高校
2-4で敗れました
そのときのチームのメンバーは
毎朝自主的に学校に集まって
自分たちで朝練をしていたと
聞いています
今朝のグラウンド
朝から元気な声が響きます
春の大会星稜高校に2-3
最後に逆転を許した弱さを克服するため
生徒が自主的に集まって練習しています
地震前までは
稲舟グラウンド(旧輪島実業)で
練習をしていたのですが
震災を機に直していただいたグラウンドに
帰ってきました
輪島まで鉄道が走っていた頃
当時の輪島駅の駅舎は
現在「ふらっと訪夢」として
お店などが入る複合施設となっています
バス停の名称は相変わらず
「輪島駅前」なのはなぜでしょう
ここの二階に
「輪島市学習センター」があります
生徒たちが放課後に集って
学習に励んでいます
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回「どんでん返し」とタイトルがつけられています
「とてつもなく目をひかれた文章がふたつありました
ひとつ目が震災から38日目の記事です
使い捨てのOne Dayコンタクトを
1月1日からの約1ヵ月間
つけっぱなしだったと言うものです。
僕もツーウィークコンタクトのユーザなのでわかるのですが
ワンデイコンタクトは目に張り付いてくるので
とても1ヵ月なんて無理だと思っているし
健康面でも何か問題が生じるのではと思ってしまいます
ですが校長先生曰く
使い捨てコンタクトは1ヵ月問題なく使えるとのことでした
ところがそれから2日後
『ごめんなさい嘘つきました』と言うタイトルから
何があったのか気になって見てみると
『38日目のブログでとんでもない大嘘をつきました』
とあり僕はもしやと思いました
案の定コンタクトレンズのことで
目の調子が悪く
目医者に行ってみると結膜炎を発症していたそうです
結論
やはりコンタクトレンズは
用法守って正しく使いましょうとの事だそうです
不謹慎かもしれませんが
こんな時でも賑やかで面白い人だなと感じました」
《匿名希望》
生徒に「賑やか」と褒められる校長も珍しいですね
でもありがとうございます
最高の褒め言葉です
ずっと校長室に籠っている校長には
なりたくないと思っていますので
読書タイム
地震から 508 日目
豪雨から 244 日目
江戸時代中期の江戸の人口100万人
そのうち成年男子の識字率は70~80%
当時のロンドンの人口86万人で識字率20%
パリの人口54万人に対し識字率10%
寺子屋の果たした役割の大きさについて
以前このブログでも紹介しました
そして江戸末期
開国を迫る欧米諸国は
普通の庶民が本屋で立ち読みしている姿を見て
「この国は植民地化できない」
と植民地化を早々に諦めたそうです
「自国を統治できないような
無能な庶民に替わって
我々が統治してやる」
というのが植民地化の大義名分であったからです
このように日本を植民地化から守り
独立国家としての資質素養を欧米諸国に知らしめたのは
お上ではなく
ほかならぬ一般庶民だったのです
さて今はどうでしょう?
被災地では本屋が姿を消し
立ち読みする場がなくなりました
これは被災地に限ったことではなく
全国においてもみられます
20世紀末2万店あった本屋の数は
今年は半数以下の1万店を切ってしまいました
輪島高校では毎朝の読書タイムを設定しています
何を読んでもいいです
この時間によって
1時間目の授業に
非常に落ち着いた態度で
向かうことができています
今のところ校長の妄想ですが
お昼の後
午後の授業が始まる前にも
実施したいなと考えています
【被災地に電気が灯るまで】第37回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
2種類の金属を導線で繋ぎ液体につけると
電気が流れ出す
これまで学んできたことを
一言で表すとこのようになります
金属や液体を変えることにより
様々な機能を持った電池を作ることができます
今日は世界初の充電式電池
「鉛蓄電池」について学びましょう
鉛蓄電池は
1859年フランス人のガストン・プランテが発明しました
2枚の薄い鉛板と希硫酸を用いたものです
日本でいうと
ハリスがやってきて
「日米修好通商条約」が締結された3年後になります
日本が開国するかすったもんだしている頃
フランスではすでに自動車で用いられる電池が
作られていたわけですね
その後様々な改良が加えられますが
それについてはまた次回
MOTTAINAI
地震から 507 日目
豪雨から 243 日目
ポルトガル研修旅行のオンライン振り返り会
今日はさといちゃんの気づきです
「もったいない文化」が全くない
ホームステイ先のお宅では
大量に料理を作って
大量に廃棄することに
全く躊躇しないのだそう
レストランでも次の料理が運ばれてくると
前の料理が残っていようがいまいが
容赦なく皿が下げられます
「まだ食べてるんですけど」
と言う暇すら与えてくれません
乗り込んでくる客がいようがいまいが
容赦なく閉まってくる地下鉄の扉と一緒です
さて「もったいない」について調べてみました
「勿体(もったい)」という仏教用語があります
今では重々しいとか風格や品位という意味ですが
本来「物のあるべき姿や本来持つ価値」
というような意味でした
この本質的な価値が失われてしまうことを
「もったいない」というのです
つまり本来尊い食べ物であるはずなのに
その価値を無くし
ゴミとなってしまうのが
「勿体ない」です
唯一日本人だけが持っていた
「もったいない」の心
ケニアのノーベル平和賞受賞者
ワンガリ・マータイさんは
2005年に初来日した際に
インタビューの中で出会った
「もったいない」という言葉に感銘し
この美しい日本語を
世界共通語「MOTTAINAI」として
広めることを提唱しました
Reduce(ゴミ削減)
Reuse(再利用)
Recycle(再資源化)という3Rに
かけがえのない地球資源に対する
Respect(尊敬の心)を込めて
「もったいない」
あの頃は
お米一粒
水1滴にも
「MOTTAINAI 」
この気持ちをもっていたことを
思い出しました
ぜひ全世界に広めたいですね
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月6日「ひさびさの調理実習」を読んで
「調理室は地震からずっと水が出ていない
と聞いていました
私たち2年生も
まだ一度も調理実習をしたことがなく悲しいです
3年生が授業で調理室を使っても水が出ないから
玄関先でお皿を洗ったり
そこから調理用の水を運んだりしていました
今では当たり前のように水が使えるようになったことに
感謝したいと思います
水だけじゃなく
電気が通っていること
電波がしっかりあること
道がまっすぐなことなど
日に日に良くなっていっている輪島で
毎日頑張ろうと思います
調理室の水が出るようになったということで
全校のみんなで調理室を
きれいに使おうと思いました」
《匿名希望》
企業が求める人材とは?
地震から 505 日目
豪雨から 241 日目
ポルトガル研修ツアーの振り返り会が
オンラインで昨日行われました
まずはあきらくんの学び
パリの交通事情に驚きました
渋滞の中
車線と車線の間を
バイクがスピードを緩めることなく
超高速で走り抜けていきます
車が車線変更する際も
おそらく動きを察しられないように
いきなりウインカーを出すと同時に
ギュンって割り込みます
いずれも日本でやったら
いきなりドアが開いて
「こらおまえ!なんぼのもんじゃ!」
とケンカになるような運転です
凱旋門の周りにまん丸い道があります
信号のないロータリー式の交差点です
日本でも最近増えてきました
先日名古屋に行った時
駅前に造っていました
パリでは
エッフェル塔の周りのロータリーを
走れるようになると
一人前のドライバーとして認めてもらえるそう
石川県産業教育振興会の総会に参加し
企業が求める高校生像について
お話を聞くことができました
カナカン(株) の芝田様からは
「部活動をしている生徒
挨拶のできる生徒」
株式会社繊維リソースいしかわの飴谷様からは
「みんな金沢に出たがって
地元に残る生徒がいないという悩みを
能登地区の企業からは聞く」
との情報をいただくとともに
求める人材については
「コミニュケーション能力の高い生徒」
澁谷工業株式会社の澁谷様からは
「ものづくりに興味を持つ生徒」
ホクショー(株) の北村様からは
「製造業に魅力を感じている生徒」
(株)タガミ・イーエクスの吉田様からは
「自分を出せる生徒」
北菱電興株式会社の小倉様からは
「新しい価値観を持ち新しいものを生み出す生徒」
橘建設株式会社の橘様からは
「はたらく厳しさを知っている生徒
人生の楽しみ方を知っている生徒」
なんか「街プロ」で育てている力と
一致していますね
【被災地に電気が灯るまで】第36回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
これまでに
ボルタ電堆
ダニエル電池と
電池の原型について学び
人類がさらなる電池のパワーアップ
そして充電ができないかと
夢が広がってきたことを学びました
今日は充電式電池の発明までの歴史を
学びましょう
科学者たちは
電気を溜める方法がないか
探究を深めて行きます
そんな中
オランダのミュッセンブルークは
水を入れたガラス瓶に真鍮の棒を入れると
電気を貯められることを発見しました
1746年
世界初の蓄電地となる「ライデン瓶」を発明しました
電気を貯めたあと
棒の先に触れると強烈な静電気が流れました
ミュッセンブルーク自身
誤って実験中に触ってしまい
意識を失うほどの衝撃を感じて
丸2日間痛みが残ったと記録が残っているくらいです
電気は怖いですよ
私も昔やらかしたことがあります
「写るんです」使い捨てカメラ
一時期そのレトロさが受けて
再発売されていたようですが
私はなぜフラッシュが光るか不思議に思い
分解して調べてみました
フラッシュのボタンを押すと
内部のある端子が別の端子に一定時間触れて
電気を貯めているようでした
ちょっと触ってやれと思って触れた瞬間
「ドカン!」と耳をつんざくような爆発音
「今何か爆発したよな!?」
とそばにいた友人に聞いたらポカン?
「なんのこと?」
どうやらその爆発音は
私の耳にしか聞こえなかったようです
しかも
「おまえ今一瞬浮いたぞ!」
と友人が
強烈な電気が体内を流れると
聴覚が勘違いするほどの電気信号となり
飛び上がるほどの筋肉の収縮が起こることが
わかりました
よいこのみなさんは
決してマネしないでください
ミュッセンブルークのライデン瓶は
今でも静電気の実験で使われています
その後摩擦起電機とライデン瓶を組み込んだ
箱型の装置「エレキテル」が
オランダから江戸幕府に献上され
「べらぼう」で先日壮絶な死を遂げた平賀源内が
その修復に成功しました
読むラジオ読んでね
地震から 505 日目
豪雨から 241 日目
大谷翔平選手のユニフォームが
学校に届きました
以前これをいただいたといいう
金沢市で銀杏塾という学習塾を経営されている
川岸達 塾長様がくださいました
川岸先生は輪島のご出身で
週末などを利用して
実家の片付けにいらっしゃっています
このユニフォームについては
ご自分で所有しているよりも
若者たちの目につく場所に飾った方が
はるかにみんなに元気を届けられる
そう判断なさって
こころよく輪島高校にくださいました
玄関先の賞典ケースに飾ってあります
今日の授業のようすをどうぞ
ビジネスコースの1年生
とにかく元気です
加藤先生の「英語コミニュケーション」
大きな声で復唱しています
勉強の中身を教えるよりも
勉強のしかたに主眼を置いた
普通コース1年生の「数学Ⅰ」
今田先生は「見直しノート」のつくりかた
「見直しノート」はつまづきを集めた
いわば「宝の山」です
通先生は
「エビングハウスの忘却曲線」を用いて
復習の大切さを説きます
普通科2年生は中野先生の「保健」
今日から教育実習生が来て
みんなで自己紹介をしました
にしても
みんな自己PR力の低いこと
このへんが輪高生の弱さです
打たれんくらい出る杭になれ!
ビジネスコースの2年生は
「ソフトウエア」
こちらは部屋がなくて
急遽図書室の中にこしらえた
共用パソコンスペースです
先日出演させていただきました
MROラジオの
「Tad Mitani's Innovation Now」
読むラジオとしてアップしていただきました
どうぞご覧ください
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は2月22日「尊い仕事に就くみなさんへ」を読んで
「自衛隊の方々へのお話でした
私もたくさん助けられていたなと
記憶がよみがえってきました
私の家は地震が起きてから水が出るのに
半年ぐらいかかったと思います
もちろん家で入浴もシャワーもできないので
結構精神的にきていました
周りで避難している人もみんな体を洗えず
ウェットシートで体を拭いている人もいました
そんな中
『自衛隊の人がお風呂を作ってくれた』
という母の言葉を聞いて
私は母についていきました
中に入ると
受付で自衛隊の方々が優しく迎えてくれたのを
今でもはっきりと覚えています
ストーブもあり
お風呂に入るまでの待ち時間を暖かく過ごせました
お風呂も広々としていて
中でおばあちゃんたちがたくさんお話をしていたりと
ひとつのコミュニティーだったと思います
そしてみんなが自衛隊の方々に感謝していました
私と同じように
まだ家に水が出ていない友達もたくさんいて
その子たちと会うこともありました
友達と一緒に温まったり
他の人たちと会話したり
気分も癒されました
それから
自衛隊の方々がお風呂を閉めるまで通い続けましたが
いつも温かくみんな優しくて楽しかったです
感想ノート的なものが置いてあって
私も書かせてもらいました
中には自衛隊の方々への感謝が
たくさん書いてありました
本当に良い思い出です」
《匿名希望》
ウルトラマンAの最後の言葉
地震から 504 日目
豪雨から 240 日目
輪島市を国道249号線沿いに
半島の先端に向かって走ると
御陣乗太鼓の里
南志見があります
「なじみ」とよみます
石碑の左後ろ
折れた鳥居に象徴されるように
地震に引き続き洪水でも
大きな被害を受けた地です
こちらは隆起してできた新しい海岸線
これが全て海の底だったなんて
信じられますか?
洪水で流されてきた木がうずたかく
洪水の凄まじさを物語っています
御陣乗太鼓を奉納していた神社も
なすすべもなくそのままの状態です
それでもそこには
復興に向けて力強く歩き出している
人々の営みが確実にありました
ここは南志見市場
今日はここでフェスティバルを
行っていました
本校からもダンス部の生徒達が
ステージで盛り上げました
「街プロ」のカフェグループが
コーヒーを振る舞っていました
能登高校さんの
書道パフォーマンスの作品も
展示されていました
こちらは「リラク&カイロ眠明」の
山下明美さま
被災民はもとより
支援の方にも
ここちよい安らぎを提供されています
そしてなんと
ウルトラマンA(エース)の北斗星司隊員
高峰圭二氏のトークショーがありました
私の子供時代ドンピシャの
ウルトラマンシリーズです
諸星弾がウルトラセブンに
郷秀樹が帰ってきたウルトラマンに
変身するのとはちょっと異なり
ウルトラマンAは
北斗星司と南夕子の男女ふたりが
リングを併せることによって変身するという
子供ごころになんとも
照れくさいような嬉しいような設定でした
ウルトラマンAは
地球での任務を終え
M78星雲に帰っていくとき
「やさしさを失わないでくれ
弱い者をいたわり
互いに助け合い
どこの国の人達とも
友達になろうとする気持ちを
失わないでくれ
例えその気持ちが何百回裏切られようと
それが私の最後の願いだ」
と言い残します
そのことを髙橋氏の言葉で
今日は直接聞きました
もしかして
知らず知らずのうちに
こころのどこかに
すりこまれていたのかもしれない
そんな思いになりました
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月5日「怖い話」を読んで
「地震からもう430日も経っていることがわかり
月日が過ぎるのはとても早いと思いました
『〇〇万円を全生徒にお配りしたい
我々は指定された金融機関に直接振り込む』
と申し出があったことが書かれていました
お金をもらえるのだったら自分も即申し込むし
すぐ騙されると思います
地震があって
空き巣に入られてるところもあったし
家まで来て
『鉄など売って欲しい』
などと言われたこともあります
少し怖いと思いました
『人生に対する感謝』という言葉が
私はすごくいいと思いました
これまで当たり前と思っていた
授業や友達と遊ぶこと
地震が起きてはじめて気づきました
それは当たり前じゃないことがわかりました」
《匿名希望》
生徒とAIと先生とAIと
地震から 503 日目
豪雨から 239 日目
高坂 健彦 様はじめ
一般社団法人社会応援ネットワーク
のみなさんが取材してくださった模様が
ようつべにあっぷされました
ぜひごらんあそばせ
AIは正解を知るためのツールではなく
それっぽい文章を作るツール
先日そのことを学んだ生徒が
AIの有意義な活用について
試行錯誤を繰り返しています
課題の提出がありました
どう見ても前半と後半の書き振りが異なる
そのことに気づいた担任が確認したところ
やはり後半はAIに作ってもらったとのことでした
書き直して提出された課題
何か違和感がある
担任が国語の先生に確認したところ
「この部分とこの部分はAIっぽいね」
との指摘
担任は考えました
「AIに見てもらおう!」
生徒が使用しているものとは別のAIに
「この文章は高校生が書いたものですか?
それともAIが書いたものですか?」
AIの回答は
「AIが書いたものを
高校生が手直ししたと考えられます
手直しした部分はこことここです」
国語の先生の指摘とピタリ一致するのでした
AIと人間のコラボをめぐる
生徒と先生の知恵の出し合いは
ますます面白くなってきています
【被災地に電気が灯るまで】第35回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
これまでにダニエル電池の仕組みを説明して
この電池をどう改良したいか?
生徒のみなさんに答えを募集しました
集まった答えは
(1)溶液がこぼれるのが嫌だ
そう
当時の人たちも同じことを考えました
液漏れしないように改良されたのが
乾電池です
その仕組みについては
ここでは触れませんので
各自で調べてみてください
(2)繰り返し使えるようにしたい
そう
当時の人たちも同じことを考えました
充電できるように考えられたのが
鉛蓄電池
車のバッテリーに使われています
この仕組みについて
次回から学んでいきましょう
世界平和
地震から 502 日目
豪雨から 238 日目
輪島高校には中間テストがありません
一回のテストよりも
日々の単元テストを重視して
できないポイントを早く見つけ
その改善に繋げて行きます
今日はビジネスコース1年生で
簿記の単元テストが行われました
これは朝の風景です
全員朝早く登校し
しっかりと準備に取り組んでいます
中間テストや期末テストなど
定期考査を廃止する動きは
全国的にも少しずつ増えています
岐阜県美濃市では
小学校1・2年生の通知表を廃止するそうです
「低学年の子にはもっとのびのび育ってほしい」
とのことです
私自身振り返ってみると
小学校の頃の思い出の中に
通知書は出てきません
動物や植物を育てたり
自然の中で飛び回っていたことばかり
あるいはアホなことしたり言ったり
先生に叱られたことばかり
走馬灯のように駆け巡ります
クラス内の順序を伝えることに
なんの意味があるのかなと思っていますので
美濃市のご英断に拍手を送ります
子どもの序列を知りたい
とお考えの保護者も
いらっしゃるかもしれませんが
できないことを責める社会から
できることを褒める社会へ変わるため
ご理解いただきたいと思います
トルコのエルドアン大統領が
「地域や世界的な危機を解決するため
トルコは支援や仲介を求められている」
と述べ
仲介外交において
世界的に存在感を高めています
これまでも
ウクライナとロシアの交渉の舞台を
イスタンブールなどで
何度となく提供したり
アサド政権崩壊後のシリアにおいて
米国から制裁解除を引き出すなど
「和平外交の中心」としての
役割を果たし続けています
輪島高校では現在
トルコの学校あるいは教育機関との共創を
OECDの協力のもと推進しております
大地震で被災した同じ経験を持つ高校生たちと
災害対策や世界平和のため
協力して行きたいと考えています
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は10月29日
「高石高校さんいらっしゃい」を読んで
「昔の人が次の世代の住宅対策として
植林を進めスギを植えましたが
今となっては
花粉によって多くの人が苦しめられています
子孫のためを思って行動を起こしたとしても
かえって苦しめるだけなのかもしれません
でも大事なのは結果ではなく
その行動に込められた先祖の思いだと思います
僕自身も花粉は辛いし
昔の人何やってくれたのと思ったりもしますが
それは自分たちの時代を
少しでも良いものしたいと思ってのことならば
嬉しいことだし心が温まります
僕も将来の日本のためにやれる事はしたいし
その行動が良い結果になるか
悪い結果になるかはわからないけど
少しでも良くしたいと思う気持ちが
伝わってくれれば嬉しいです」
《田中琉碧》
私も今
能登地区の将来の高校の在り方について
いろいろ行動を起こしています
それが本当に最適な選択肢なのか
かえってこの地区の教育を
グチャグチャにしてしまうのかわかりません
それでも前を向いて進んでいます
とても力づけられる感想でした
ありがとう!
強いぞ!ビーバーですぞ!
地震から 501 日目
豪雨から 237 日目
5月15日
輪島高校の創立記念日です
大正12年設立以来102年の時が流れました
設立当時の学校はどんな様子だったのか
調べてみました
当時の新聞は
「同郡ハ県下ノ第三位ヲ占メル大郡デアルガ
ソノ低位ニアル自治ノ振興
殖産興業ノ発展ヲ図ルニハ
中等教育機関ヲ完備セネバナラズ
シカルニ実情ハ郡民ノ一部
資産階級者ハ子女教育ノタメ
郷里ヲ捨テテ
金沢市へ移住スルモノサヘアリ」と
高校がないから
お金持ちはどんどん金沢に引っ越していくと
高等学校設立の必要性を伝えています
住民の熱烈な要望に応える形で
輪島高校が産声をあげました
当時の時間割を見てみましょう
[修身][公民]
[修身]は現在の「道徳」に相当します
身を正しくし立派な行いをすることを教えます
戦前の日本においては
教育勅語を基に
忠君愛国や家族愛などを教える教育として
特に重視されました
[国語][漢文]
[国語]では「講読 」「書取」「作文」「文法」「習字」
の五科目を学びます
[歴史][地理]
[英語]
「読方」「解釈」「聴方」「話方」「発音」「綴字」
「書取」「習字」「作文」「文法」「暗唱」
かなりたくさんの科目があります
戦時中は敵国語として学ばないもの
と思っていましたが
敵国の情報を入手するために
特に力を入れて教育されていたようです
[数学][代数][幾何][三角法]
[一般理科][博物][物理][化学]
博物は生物と地学を合わせたような科目です
こうしてみると理科は今と変わりません
[図画][作業][音楽]
作業は園芸や工作を学びます
[体操][教練][武道]
[教練]とは軍事教育で
射撃や手旗信号のほか戦史などを学びます
[農業][商業][簿記]
先生方の指導方針も示されていました
「予習復習ヲ奨励シ以テ
自学自習ノ習慣ヲ養成ス」
「教材ハ『分量ヨリハ徹底』ヲ期シ
之ヲ精製シテ
基礎的知識ノ徹底ヲ期ス」
「教師間ノ打合会ヲ徹底シ
教材研究教授方式ノ統一ヲ図リ
以テ教授効果ヲ最大ナラシム」
教える内容は変わっても
教師の教える姿勢については
普遍のようです
「他教科トノ連絡ヲ
常ニ密接ニ保ツ」
と現在の教科横断につながる記述もありました
[生徒心得]をみると
当時の風俗が見えて面白いです
「金銭ノ募集ヲスルコトヲ禁ズ」
学校でそんなことする生徒がいたんですね
「劇場及ビ寄席ニ立チ入ルコトヲ禁ズ」
劇場や寄席が
不良の溜まり場だったのでしょうか
それにしても寄席なんかあったのか?
調べてみたらなんと
震災で公費解体した我が家の敷地に
寄席がありました
「眼鏡ヲ使用セントスルトキハ
予メ許可ヲ受クベシ」
眼鏡が許可制って???
目が悪くないのに
おしゃれでする生徒がいたのでしょうか?
現在の
バイク禁止とか
スカート折り曲げて穿いたりとか
きっと未来の高校生からは
「変なの」って思われるんでしょうね
そもそも高校生そのものも
なくなっているかもしれません
現在の学年制が廃止されて
それぞれの子が
それぞれ最も最適な時期に学ぶことのできる
個別最適な学校の時代が
すぐそこまで来ているような気がします
商業教育研究会が行われ
北越製菓株式会社代表取締役
髙﨑憲親氏のご講演を
聴かせていただきました
髙﨑氏は
北越製菓が数年連続業績悪化している時に
26歳で代表取締役社長に就かれ
経営を建て直した方です
「新しいことにチャレンジするとき
何をするにも社内に3%は仲間がいる
残りの97%は決して敵でも反対派でもない
『無関心』や『重い一歩を踏み出せない』だけ
だからまずは3%の仲間で実績を叩き出す
それが97%の興味を引き彼らの背中をそっとおす
これが仲間づくり
経営者にとって最も大切なことは
自分の心と直感を信じる勇気を持ち続けること」
私も先日神戸での講演会の際に
お土産にビーバーを持って行ったら
大喜びされました
さすがの知名度でした
鳳凰の舞う里から
地震から 500 日目
豪雨から 236 日目
今日は地震からちょうど500日目
今年創立102年目を迎える輪島高校
その設立当時
輪島市はまだなく
鳳至郡輪島町に
次の世代を担う若者が集いました
伝説の鳥
鳳が降り立つ地
風至
麒麟・竜・亀とともに
霊獣視された瑞鳥(ずいちょう)
雄を鳳
雌を凰とよびます
首は蛇
尾は魚
あごは燕
くちばしは鶏
背は亀に似て
五色の模様の羽根をもちます
鯤(こん)という大魚が化身した幻の大鳥
「鵬」とは別物のようです
鳳凰は好んで桐の木にとまるといわれます
本校の中庭には大きな青桐の樹が植えられており
校章にも桐があしらわれています
鳳凰の雛をあらわす「鳳雛」という言葉には
輝く希望に溢れた子どもたちという意味があります
「鳳雛」が集う本校に
合唱曲「フェニックス」が届けられました
「フェニックス」はエジプト神話の霊鳥
500年に一度自ら焼かれ
そのたびに幼鳥となってよみがえる
不死の鳥です
各テレビ局でその模様が放送されます
18:00 北陸朝日放送「ふむふむ」
18:09 石川テレビ「石川さんパレット」
18:15 北陸放送「Atta」
18:30 テレビ金沢「テレ金ちゃん」
NHKは未定
ぜひご覧ください
つくば市立みどりの学園義務教育学校
のみなさんとオンラインでつなぎ
一緒に歌いました
輪島市の小学生も集まってくれました
生徒会長の田中さんと
副会長の波座さんがメッセージを
送ってくれました
最後は輪になって大合唱です
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月14日「地震から一年」を読んで
(ただしこの記事は諸事情により削除してあります)
「この日のブログには
あっという間に月日が過ぎたことに対する心情や
たくさんの人に支えられた感謝が綴ってありました
そして紅白歌合戦のステージについても詳しく書かれていて
坂本冬美さんの能登に対しての思いや
歌の裏側などについてたくさん書かれていました
一人ひとりに感謝の気持ちを綴ってあるのが
素晴らしいと思いました
自分も一人ひとりに対して感謝の気持ちを
伝えていこうとと思いました
最後に質問です
ネタがつきないんですか?」
《匿名希望》
ネタがつきかけたら
こうして生徒のみんなからの感想をもらえるので
助けられています
これからは校長個人のブログではなくて
先生方や生徒のみんなから湧き上がった声も
どんどん伝えたいと思いますので
言いたいことがあったら
校長室まで訴えにきてくださいね
みんなで「おこらいえ!」という気持ちを
発信していきましょう!
明日のフェニックス
地震から 499 日目
豪雨から 235 日目
3つある建物のうち
現在2つが危険判定を受けていて
残りの1つの建物に
3学年が集まって授業をしています
図書室を利用したり
パソコン室を普通教室に転用したり
工夫を凝らしてやっています
こちらは
1つの教室を2つに区切って
利用しています
狭いですが
生徒たちは集中して頑張っています
震災後
生徒たちの授業に取り組む姿勢は
驚くほどに変わってきています
居眠りしたり
ボーッとしていたり
そんな生徒はまずいません
数年前は
授業中じっと座っていることができず
廊下に飛び出す生徒が相当数いたのですが
全く見ぬ光景となりました
特に1年生は受験の時期の集団避難により
落ち着いて学習できなかった経験がありますが
その分伸び代は未知数です
乾いたスポンジほど水をよく吸います
どんどん知識を吸収していきましょう
合唱作曲家
弓削田健介さんが
被災地の子どもたちの声を紡いで
つくってくださった合唱曲「フェニックス」
いよいよ明日
お披露目会を行います
輪島の小学生たちも一緒に
全国のお友達ともオンラインで繋いで
今日はその最終リハーサルがありました
昨年の音楽堂での卒業式で
歌のプレゼントをしてくださった
ソプラノ歌手の仲谷響子さん
炊き出しで牛丼を振る舞ってくださった
保護者の崖ご夫妻にもご指導いただき
感動的な歌声となりました
明日は13;15より始まります
ぜひお越しください!
【被災地に電気が灯るまで】第34回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
前回はダニエル電池の仕組みを学びました
中央を仕切った容器の
片方には
硫酸亜鉛水溶液に金属亜鉛を浸し
もう一方には
硫酸銅水溶液に金属銅を浸し
亜鉛と銅を導線でつなぐ
すると
金属亜鉛 Zn が溶け出し
その時生じた電子が導線を伝って銅へ
溶液中の銅イオンがそれを受け取って
銅に変わる
ではこの電池をパワーアップするには
どうしたらいいか?
というのが宿題でした
(1)硫酸銅水溶液についてはどうでしょう?
溶液中の銅イオンが無くなった時点で
電池は寿命ですから
答えは濃い方が良い
(2)硫酸亜鉛水溶液についてはどうでしょう?
金属亜鉛が溶け出すので
初めから亜鉛イオンがたくさんあったのでは
溶ける勢いが弱まるので
答えは薄い方が良い
(3)電極の種類については
ふたつの金属の
イオン化傾向の差が大きいほど
反応が起こりやすいです
イオン化傾向は
Li > K > Na > Mg > Al > Zn > Fe > Cu > Ag
なので
例えば亜鉛 Zn を アルミニウム Al に変える
銅 Cu を銀 Ag に変えるなどです
さて今日の宿題です
この電池の弱点は?
改良を加えるにはどうする?
今日の宿題は化学の知識は必要ありません
例えばこの電池がケータイの電池だとしたら
困ることは何?
という日常生活レベルの宿題です
ぜひチャレンジを
このブログを読んで
考える力を養って欲しいので
解けた人にポルトガルのお土産をあげましょう
答えを紙に書いて
校長室前の封筒に入れておいてください
締切は明日の午後4時です
ポルトガルの思い出
地震から 498 日目
豪雨から 234 日目
石川県の高等学校の校長会が行われ
その席で
今回のポルトガルツアーの報告をしました
「輪島高校は震災を機にOECDと共創しています
OECD(経済協力開発機構)は
ヨーロッパ諸国を中心に
日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟
国際経済や貿易そして開発援助など
加盟国間の分析・検討を行い
さまざまな提言を行っている
パリに本部を置く国際機関です
PISAという学力テストの結果を踏まえ
日本の子供は数的リテラシーは高いが
読解力が低いとか
各国の子どもたちの学力をもとに
教育施策についての提言も行なっています
今被災地では
多くの教育課題が浮き彫りになっています
しかしこれらは地震によって起こったものではなく
地震の前から潜在していたもので
奥能登に限らず日本全国で
さらには今後世界中に広がってくる
大きな課題です
例えば少子化
今の小学校1年生は奥能登全区域で200名弱
4クラスから5クラス分の子どもしかいません
馳浩石川県知事は
奥能登5公立高校を全て残す方針を
打ち出されていますので
何らかの方策が必要です
それから教員不足の問題
能登地区の教員の中には
住むところを失い
金沢加賀地区へ異動を余儀なくされた方が
多くいらっしゃいます
代わりに転勤してくる教員を確保することも難しく
新規採用の先生方が
その役目を担ってくださっています
そういった課題をOECDに相談したところ
ポルトガルの小さな街にそのヒントがある
そういう助言をいただき
今回の研修旅行に繋がったわけです
ポルトガルのモメンタ・ダ・ベイラ
首都リスボンから車で4時間以上揺られる
地方の小さな街
そこでは幼小中高特支が一体となり
地域のHUBとして機能していました
(1)シチズンシップ教育
単なる主権者教育といった枠組みでなく
教科横断型の学習で地域課題の解決を目指します
日本の次期教育課程に盛り込まれることになりそうです
(2)スクールクラスター
幼小中高支の垣根がありません
小学生が中学校で学んだり
高校の先生が中学校で教えたり
さらには高校生が小学生に教えたり
校長室はひとつの部屋に
全校種の校長先生が在室し
情報の共有と
迅速な意思決定を図ります
(3)ウエルビーイング
職員室は教員の休憩の場として徹底しています
バーカウンターとエスプレッソマシン
そしてソファーが設置されていて
授業から帰ってきた先生が一堂に会し
雑談しながら情報共有する場として
機能しています
考えてみるとそうですよね
教員の仕事場は本来
教室でありグラウンドであるはずで
職員室にこもってパソコンに向かうことが
教師の本務ではないはずです
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は8月23日「綿密用意周到派と行き当たりばったり派」を読んで
「地震や洪水などのつらかった記憶や
学校行事やイベントなどの楽しい思い出を
思い出しました
人生史上最も強烈な一年でした
本当に苦しい思いをした一年だったけど
一番楽しい一年でもありました
日常生活のありがたさや
友達の大切さを見に沁みて実感しました
僕たちは「街プロ」で花火を打ち上げました
この日のブログを読むと
とても懐かしく感じたり
昨日のことのように感じたりします
あの時は
花火を打ち上げるためにお金を集めたり
広報することに必死でした
当日を迎えて
打ち上がった花火を見て
頑張ってきてよかったという達成感と
成功してよかったという安堵の気持ちが
こみあげてきてとても感動しました
去年を振り返ってぼくは
最高の一年にすることができたと感じます」
《匿名希望》