工業系列(機械・電気) 日誌
NC旋盤とマシニングセンタのコラボ【工業系列】
厚生労働省の「ものづくりマイスター」から、よく「工順まで考えられる生徒を育成して欲しい」と言われます。2年前に本校では若年者ものづくり大会全国大会のフライス盤部門に出場させていただいた中、工順を考える指導ができていました。最近は自動運転模型自動車(マイコンカー)の部品製作という、別の形で挑戦しています。こちらの方が作る点数が多いので。
横に穴と溝があるのが難所です。小さいので、加工中に材料が破壊されるのも難所となります。
今回はNC旋盤で穴と溝加工ののち、マシニングセンタで形状を削ることで、立体形状の小物の加工に挑戦しました。
まず丸棒をNC旋盤で加工。
普通、旋盤は材料が回り続けて固定された刃物で丸いものをけずれるのですが、このNC旋盤は材料を好きな角度で固定する機能と、回転する刃物を取り付けられて刃物を回転させながら縦横に動かせる機能がついているのでこんなことができます。0度だけでなく90度と-90度と180度の面を加工しました。
マシニングセンタで、直径20ミリの回転工具で加工
同じくマシニングセンタで直径5ミリの回転工具で加工
さらに同じくマシニングセンタで直径2ミリの回転工具で加工。
最初に固定しておいたねじが露になりました。
この部分をかわして加工してあります。
ネジを外すとできあがり。
プログラム作成に10時間、試し加工に3時間。
それさえできれば5分で大量生産できます。
売れるなら打出の小槌状態…でしょうか。
実習の授業では簡単なことしかできませんが、総合的な探究の時間では可能です。
ただ、粘り強さが要ります。
家での学習に例えると、平日5時間、休日は10時間勉強できる粘り強さがあればこんなこともできるようになります。
電気系の資格なら第一種と第二種の電気工事士、機械系なら2級旋盤の技能検定くらい、商業なら簿記の検定に合格するくらいの粘り強さでしょうか。
電気計測実習【工業系列】
「電気って目に見えんさかい、授業で話聞いてもなんか
ようわからんぞいや・・・」
そこで、本校では電気工事の練習だけでなく、電気計測の
実習も行っています。
電圧や電流を測ったり、電気信号の波形を観測したりなど、
色々やってます。
「オームの法則」を確認する 正確に計測して計算し、理論
実習です どおりか確認します
直流安定化電源 電流計(左)と電圧計(右)
ダイヤル抵抗器
電気工事士試験に向けて【工業系列】
工業系列2年生は、機械選択者が「3級技能検定 普通旋盤」、
電気選択者が「第2種電気工事士」の合格を目指し、日々
練習に励んでいます。
今回は電気工事の実技練習の様子をご紹介します。
複線図を描き、施工条件に もし実際の工事で施工不良が
従って加工しましょう あったら大変です!
厳しくチェックします!
制限時間内に完成できるよう もう少しで完成です!
てきぱきと作業します 最後まで確認を忘れないでね!
技能検定・電気工事士試験に向けて【工業系列】
工業系列2年生が技能検定(普通旋盤3級)および第2種電気工事士試験に
向けて動き出しています。
検定や資格は自らを助けてくれる財産です。
また、頑張って合格できれば自信がつきます!
(もし残念な結果であっても、練習を通して得られる教育効果は非常に
大きいと教員一同感じております)
大量合格目指して頑張ろう!
加工の仕方を教わる生徒 寸法の出し方を図示した様子
精度よく出ました!
※電気工事の様子は後日掲載します
県教委事業 高速画像処理による自動運転模型自動車の製作による人材育成【工業系列】
~金沢北陵高校から広がろう~高速画像処理による自動運転模型自動車の製作による人材育成
上記は県教育委員会の事業「専門高校生等における産学連携人材育成事業」に採択されて本校が実施している事業です。三年目の事業で、今年度は車体の改良をテーマに人材育成をしています。
「軽量化」と「高剛性化」を両立させることをテーマとして、よく理解し説明できるのを目標としています。
車体の製作の様子 。今日は、マシニングセンターで
・部品図から加工図に起こし直す作業
・その加工図からCAMでプログラムの作成をする作業
・さらに加工機用にプログラムを修正したり切り貼りする作業
・パソコンから加工機にプログラムを移す作業
・ドライラン(ダイヤル操作に依存する速さ)で所望の軌跡で動くことを実際の加工位置より少し浮かして確認する作業
・ドライラン(実際の加工速さ)で実際位置より少し浮かして確認する作業
・実際の加工位置に下ろして、高さ間違いを確認しながら実際に加工する作業
を行いました。マシニングセンター3級の技能検定受検者3人で加工しました。(技能検定の練習も兼ねています)
実は・・・彼らはこの機械を操作するのはまだ2回目です。ですが、かなり自分たちでできるようになりました。
フレーム4部品中3部品が試作済み。これで、おそらく半分以上に軽くなっています。
(具体的な比較の数値は今後掲載します)
ただ、剛性がない。一部作り直し(設計変更が続く)でしょうね。
【追記】
一般の生徒にこの部品を見せてみました。
「3時間かけて作った」というと、時間がかかっていて驚いていました。
(2個目からは材料を固定してボタンを押すだけなので10分以内でできますが…)
3時間確認作業でミスを回避しながら修正を繰り返し加工することは、普通教科の学習と通じるものがありますね。
また、「いくらで売れる?」と聞かれましたが、工賃だったら3時間なので1.5万円くらいかな?とも伝えました。
ただこれは正確な回答ではありませんね。正確には「売買契約は成立しないと思う」が回答でしょうか。
なぜなら、お客がこの部品を買うメリットがないからです。
旧NCフライスから新マシニングセンタへ実習変更【工業系列】
これまではNCフライス盤で実習を行っていました。今年度からは新たに導入されたマシニングセンタで実習を行います。今、そのために教材研究を行っています。
(指導する側が機械に熟れるための練習を兼ねています)
(R&Dプロジェクト部員にお願いして授業の練習を兼ねて実施しています)
【新しい機械になってできること】
・技能検定3級 マシニングセンタ作業の指導ができるようになる
(今年度は試行的にR&D部員3名程度が受検しますが、来年度は一般生徒でも可能にする予定)
・工具交換、工具長補正についての考え方、工具ごとの確認方法を実習できる。
・CAM(自動プログラム生成)によってできる、長ーいプログラムで加工できる
(複雑な形状も加工できる)
【試し加工中の動画】
らせん状に穴加工
複雑な加工
2年生 第二種電気工事士の補習 【工業系列】
ことしもやります。補習。
去年より手厚く
・先生二人体制
・昼だけでなく、放課後もやります
まだまだ合格点には程遠い。でも解いて間違ったところの正解の根拠探しをして積み上げていくしかありません。
学科試験は10月4日です。
保護者の皆様、しばらくごはん食べる時間が足りないと辛そうにしていますので、素早く昼食とれるような弁当等のお子様への支援をよろしくお願いします。
本校は教室間の移動が多く、早弁が難しいです。
ガス溶接【工業系列】
工業系列の実習テーマのひとつに「溶接」があります。
今回は「ガス溶接」の実習風景です。
ガス溶接は可燃性ガスの「アセチレン」と、支燃性ガスの
「酸素」を使って炎を作ります。この炎で金属を熱し、溶融
して接合させます。
今回は点火と消火それぞれの方法を練習しました。
アセチレンだけで点火するとメラメラとした火が出るだけ
ですが、ここに酸素を加えてゆくと、ゴォーッと音を立てて
炎が吹き上がります!
これが標準炎(作業に使う火炎)ですが、初めての生徒は
少々おっかなびっくり?
←「あれ?酸素が止まらない・・・?」
ガスのコックは左手で
操作します。逆回転させ
たら全開になりますよ!
気をつけましょう!
ものづくりマイスターによる指導・NC編 【工業系列】
NC旋盤の実習風景です。
NC旋盤はプログラムに対して忠実に動作し、正確かつ
高速で加工を行ってくれるとても便利なものです。
言い換えればプログラムをひとつでも間違えると予想外の
動作をしたり、そもそもまったく動作しなくて慌てます。
今回は「正確な加工」の最中にどんなことが起こっている
のかを確認しました。回転数や送り速度、刃物の選択について
『じっくりと』確かめました。
※先生方は「じゃあ『ちょっと』〇〇してみようか」とついつい
言ってしまうのですが『じっくり』〇〇することが大事です。
理屈や結果の違いがよく見えてきます!
← 右と左で何が違うのか!
計測ひとつでも、無駄なく スケールの当て方はどう
正確にできるかな? すべきなのか?
ものづくりマイスターからも 『プロフェッショナル』の
ご指導いただいています。 視点から多くの体験談や、
様々なアドバイスを聞かせて
もらってます。
産学連携人材育成事業(部品製作)でK君がファインプレー【工業系列】
専門高校等における産学連携人材育成事業で、金沢北陵高校は
「~金沢北陵高校から広がろう~
車載カメラと高速画像処理技術を用いた自動運転自動車模型の製作を通した人材育成」
という事業を行います。昨年度は本校で県内のカメラクラス標準機を製作し、他校にも評価してもらいました。
今回はその新作(今年度バージョン)の車体の、部品製作シミュレーションを行いました。
最初はこんなにうまくいかず、「円弧方向が右左逆」「加工面が90度違う面」などのミスが多く、シミュレーション結果が破砕された状態になっていました。
また加工機標準の「干渉チェック機能」でエラー続出し、そのエラー消しに苦労しました。
(今回は3時間程度かかりました)
今回のファインプレーはK君。
上の赤丸のところ。
「先生、材料回して削るので、実際はぶつかっていませんか?」と発言。
先生を含め、他の人たちも最初K君が何言っているかわかりませんでした。
しかし何度かコマ送りでシミュレーション画面を見ながらK君は粘り強く伝えてくれました。
粘り強く伝えてくれたので、やっと全員分かりました(なかなかイメージできませんでした)。
(実際はこの画面よりもう少し刃が突っ込んでいました)
普段は無口タイプです。しかし誰も気づかないことに気づき、適切に発言してくれるK君。
貴重な存在です。