工業系列(機械・電気) 日誌
フライス盤【工業系列】
フライス盤は金属材料に対して「平面加工」や「溝加工」を行う
工作機械です。本校にはフライス盤が4台あります。
本校のフライス盤です バイス(万力)に材料を固定
歴戦の猛者(?)です! して、表面を正面フライス
(フルバック)で切削する様子
やったー!直方体できたよ! これは100×100の鉄板の黒皮を
切削直後でバリがあるので、 削り落としている様子です
面取り等処理を行います これから小さい「定盤」を
手仕上げ加工で作ります!
工業系列以外の生徒向けの技能検定集中講座【工業系列】
本校の強みは、全く違う系列(進学系列、工業系列、ビジネス系列、生活・福祉系列)があることです。同級生で学んでいる内容が全く違い、「学校の中に社会がある」という状態です。
厚生労働省関連の技能検定には実務経験に関する受検資格があります。
高校生が受検する3級は、実務経験として授業を受けていることもカウントできます。
今回、数値制御旋盤3級を進学系列の3年生が受検するので
厚生労働省ものづくりマイスターの先生に授業を正式に依頼して受検することにしました。
(我々教員の補習ではダメなのです。公的な根拠が取れないので)
講習は3時間✖️3日お願いしました。
まず、概要説明から
プログラム講習
基本操作の実習
2日目と3日目は、実際に材料取り付けのための「爪」の取り付けと工具補正を学び
実際の加工を行いました。
実技試験は1/9です。これで受検資格が得られたので冬休みの間に3個 (1個2.5時間)作って
プログラムは家でマスターしてもらって受検に臨みます。
手仕上げ作業【工業系列】
現代では便利な加工機械がたくさんありますが、微細な調整や仕上げ加工では、
やはり人間の「五感」を頼りに手仕上げ作業をする必要があります。
本校では「ものづくりマイスター」の川端先生にご来校いただき、手仕上げ
作業の方法について指導を受けています。
また、単に加工方法を習うだけでなく、ものづくりに際した心構えや、仕事の
意義についても、現場での経験からたくさんお話を伺っています。
一見簡単そうですが・・・ こまめな確認と加工を重ねて
手仕上げは一筋縄ではうまく 完成に近づけていきます
いきません!
万力に材料を固定するときも 手仕上げ作業は「立ち姿勢」も
確認が大事です! 大事です!いい加減な姿勢は
疲れるばかりで進みません!
旋盤の修理【工業系列】
旋盤の起動時にチャックの爪と刃物が接触する事故で、怪我はありませんでしたが機械に大きな損傷がありました。
修理見積もりが50万円でした。業者さんが2日間でケリをつけるには疑わしい部品全ての交換になるので仕方がありません。しかし50万円では中古の旋盤が買えてしまうくらいなので、仕事の合間に1ヶ月ほどかけて直してみることにしました。
ものづくりマイスターの井崎先生にサポートをいただいています。
1番損傷の大きい部分は下の動画のとおりでした。
しかし、その軸の上に別の軸があります。
この軸も損傷を受けているので軸とギヤが分離できない状態です。
つまり、ギヤがこのケースに干渉して軸が抜けない状態です。
中央のギヤと軸が動画の故障の部品です。奥まっていますね。
握り拳3個分くらいのハンマーで2時間ほど叩いて、クサビの工具を自作してこじって軸とギヤを分離させました。
しかし次が大変。まがっている軸に差してあるギヤをどのように分離するかが問題でした。
余っている板材をマシニングセンターで穴をあけ、ギヤに刺さっている軸を抜く治具を自作しました。
自作治具のボルトを回すと、車のジャッキのように数トンの力がかかり、無理やり軸を抜いて行きます。
目標の軸二本が外せました。合間を見つけて3週間かかっています。
確実に損傷しているシャフト2本。2本で約4万円。これだけ済めば46万円のコストダウン。
外した部品です。
ギヤ側の穴にも少し損傷がありますが、やすりがけで直して組み立てる予定です。
作業進捗的には、まだまだ半分もできていない状態です。
冬休み中が勝負かな?
【最後に】
就職先の企業で、機械が故障するたびに業者に直しに来てもらっていては、外払いが嵩み、利益が出なくなります。
故障させないための保全の技術、軽微な故障なら自分たちで対処できる技術が大切です。
基本的な機械要素の構成である旋盤くらい、自分たちで直しましょう。
平滑回路【工業系列】
前回、波形整形回路で交流信号を
↓
半波整流 全波整流
にしました。
この信号だとまだ直流信号にはなっていません。
極性(プラス・マイナス)の時間による変化がまだ存在している
からです。
そこで、負荷に対して並列に「コンデンサ」を接続します。
コンデンサは電気を蓄えることができるパーツですので、上の
写真の波形でいう「山の頂上」から電圧が一気に下がることなく、
ゆっくりと放電して補ってくれます。これを「平滑」といいます。
半波整流だとこんな波形になりました。
コンデンサを大きく→
コンデンサの静電容量を大きくするほど直線に近くなって
いきますが・・・まだ直線には遠いですね(リプルがあります)。
そこで、全波整流にコンデンサを接続すると、
コンデンサを大きく→
※白い波形は入力波形(元の信号)です!整流波形ではありません!すみません!
おおっ、右側の写真ではかなり直流っぽいですね!
きちんと波形を観測することができました!
手仕上げ作業【工業系列】
現代では便利な加工機械がいくつもありますが、最終的な仕上げや
微細な調整などは、やはり「人間の感覚(五感)」を頼りとします。
今回の実習は手仕上げ作業です。まずはヤスリで「面取り」に
チャレンジしました。きれいに角処理ができるかな?
ヤスリで材料の角を削り、 カエリがないように、削った
油砥石などできれいに 跡が残っていないように、
仕上げます 確認を重ねながら作業します
「えっ、どうやってやるん?」 「いいものを作ろう!」という
「こうやってやりんがいや」 意思が大事です!
教え合いが嬉しいですね!
技能検定3級数値制御旋盤作業の取得に向けて【工業系列】
今年は先生を含めて15人が受検します。
画像の通り10人が1度目の総合製作を完了。
製作に2時間半。
2回通しで製作するのに立ち会うため
2.5h/回・人 ✖️ 2回 ✖️ 15人 = 75 h
…10日ぶっ通しの勤務時間に相当。
年間ざっくりと200日勤務とすると、総合製作の立会だけで年間の5%のリソースを使用。
実際は今後2ヶ月半の期間で実施するので、2ヶ月半の間に集中して月間リソースの20%のリソースを使用。
これだけリソースを使いますが、数年この活動を続け、ここで得られたマインドを持って
卒業生が巣立って行ったらこの北金沢地域にどんなインパクトが得られるか、楽しみです。
別件になりますが、電気分野も並行してある試みを実施しています。
地域に貢献する学校として、どれだけ人材育成で貢献できるか楽しみです。
波形整形回路【工業系列】
一般的に電気機器は「直流(DC)」の電気エネルギーで動きます。
家庭用電源(いわゆるコンセント)には「交流(AC)」の電気エネルギーが
届いているので、これを直流にする必要があります。
(電球や電動機など、交流で動作するものもあります)
交流を直流に変換する方法として「波形整形」→「平滑」の手順があります。
今回の実習では「波形整形」の原理について確認しました。
低周波発信機とオシロスコープ、 さあ、波形が映るかな? まずは半波整流の回路です。
ブレッドボードで回路を作り ダイオードと抵抗を直列接続
ます。 するだけの単純な回路です。
この信号が・・・ → こうなる! 元の波形と重ねてみました。
波形の片側だけを取り出すので、
「半波」整流と呼ばれます
次は全波整流の回路です。 半波ではカットされていた 元の波形と重ねてみました。
ダイオードをブリッジ接続 下の部分が上に出てきた! 回路は複雑になりますが、
します。 エネルギーを無駄なく使え
ます。
大切な追記
「あれー!?オレの作った全波整流回路、なんでか半波の出力になりんけど!」
「えー、おれの作ったが、ちゃんと全波で出とるぜー?」
「回路間違えとるんちゃうんか!よう見てみいまん・・・むむむ、回路は
ちゃんと合うとるな・・・なんでや・・・」
(正常) (異常)
原因はダイオードが一本ショートしていたからでした。
ダイオードは電流の流れを一方通行にしてくれるパーツですが、
テスターで確認したところ、なんらかの原因で短絡(ショート)の
状態になっていました。
写真左が正常ですが、右は順方向・逆方向ともに抵抗は1Ωと
表示されました。
正常品と交換することで、ちゃんと全波整流の波形が出ました!
よかったよかった!
鉄くずの回収に来ていただきました【工業系列】
金属加工(切削・溶接)の実習で出た鉄くずなどがたまってきたので、
回収に来ていただきました。
鉄くずといえど、大切な資源です!リサイクルして生まれ変わります!
当日は大型トラックで来て 廃棄物ボックスやドラム缶に
いただきました。 いっぱいの鉄くずです!
たくさん練習した証です。
【動画あり】あたぁ!(ポリテクカレッジその後)【工業系列テーマ研究】
授業中ではなく、放課後の様子です。
本校3年目の教育委員会事業「専門高校等における産学連携人材育成事業」「画像処理による自動運転模型自動車の製作を通した人材育成」で実施しています。
22日に本校で実施するマイコンカー記録会のスタートゲートを先週木曜にポリテクカレッジ石川さんに製作指導を受けに行ったものがようやく形になってきました。
教育委員会事務局の指導主事の先生からは「まず、確かな知識をつけさせて、生徒自身が自分の言葉で技術的なコミュニケーション(考えを伝えること)ができるように今年は指導してくださいと助言をいただいています。
上記のことについて、今年は設計に関することでということでしたが、まだよくわかっていないプログラム分野でも気づいたことを伝えて前に進めようとするところが記録できましたので掲載しておきます。
放課後なので音楽かけたりしている点はご容赦ください。