伏見トピックス

北村幸恵校長 最後の授業

今年度、退官されます北村校長の最後の授業が、修学旅行に参加できなかった2年生と職員に向けて行われました。

石川県小松市は歌舞伎十八番の一つである「勧進帳」の舞台です。準備された勧進帳の映像を観る前に、「助六」や「十八番」「二枚目」などの身近に使っている言葉が歌舞伎から生まれたこととその意味について、また、観るときには「言葉がわからなくても良い、リラックスして見ていても大事な場面は音の抑揚で教えてくれる」ことを教えていただきました。

映像は、太平洋戦争の最中、1943年に東京歌舞伎座で続演された作品。弁慶が7代目松本幸四郎、富樫が5代目市村羽左衛門、義経が6代目尾上菊五郎という近来の白眉とされる配役で、映画にも記録されたものです。

弁慶(松本幸四郎)が、ただの巻物を勧進帳のように読み上げ、富樫(市村羽左衛門)とやり取りする様子。

最後の場面で、弁慶が主君の義経を金剛杖で叩き、疑いを晴らそうとするその様子を見た富樫が、弁慶の嘘を見破りながらもその心情を思い、騙された振りをする場面の富樫の表情と好演。

弁慶が花道で飛び六法を披露し、見逃してくれた富樫に深々と頭を下げる場面。

など、しっかり見るべき重要なポイントを前もって聞いていたので、歌舞伎の面白さを興味深く理解することができました。

授業終了後、生徒たちは北村校長に歌舞伎について詳しく質問をしていました。生徒たちが日本や石川県の文化について興味を持ち、自ら調べさらに学習を深めてほしいと期待しています。