2025年2月の記事一覧
Build back better
地震から 425 日目
豪雨から 161 日目
こちらは石川県教委が準備してくださった
住む家をなくした能登地区の教員のための住宅です
小中学校の先生方16名が入居しています
廃校となった中学校の跡地に立っています
私は正直退職まで校長室に寝泊まりする
覚悟でいたのですが
おかげで風呂に入れる生活ができています
本当に感謝です
湿気がひどくてすぐ壁に青かびが生えます
ペニシリンでも作って商売しようかと考えています
写真手前が駐車場なのですが
田んぼのようなぬかるみ状態
そこで先生方は自然発生的に新しい駐車場を
定め利用するようになりました
隣には新たな棟の建設が始まっています
もともと能登地区には
アパートが不足しており
飯田高校の先生がようやく見つけたのが
輪島のアパートで
輪島高校の先生がようやく見つけたのが
飯田のアパート
60kmほど離れた学校に
お互い1時間以上かけて通勤するなど
相当お間抜けな状態が日常化していたので
その解決策にもなるのかなと思います
春になると仮設校舎の建設が始まり
早ければ秋からの運用を考えています
こちらは旧職員室
最も傾きの激しい2号棟にあります
写真が曲がっているのではありません
部屋がもうゆがんでいるのがわかると思います
先生方がいっせいにこの部屋に入り
仮設校舎へ運ぶべき荷物の
整理を始めました
このブログを読んでくださった
国連開発計画(UNDP)シリア事務所等で活躍された方から
お便りが届きました
”Build back better”という
国連機関の災害復旧支援の合言葉を
教えていただきました
ハード面で被災前より良い施設や生活基盤を作ろう
というのが本来の意味です
「災害復旧は現場復帰が基本
それ以上にする贅沢は許されない」
とする日本の行政のあり方は改めるべきです!
とはいえ金が無尽に湧いて来るわけではないですからね
難しい問題です
もうひとつこの言葉には
「被災した個人やコミュニティが
その経験を共有することが
他の地域の人たちにとって深い学びになる」
という意味も込められているそうです
このブログが他の地域への経験の共有という意味で
役に立てばいいなと
背中を押していただいた思いです
以前本校に勤めていた玉置先生が
赤ちゃんを連れて遊びにきてくれました
玉置先生のご実家は
珠洲で珪藻土の七輪の切り出しをされていて
以前の地震で工場が全壊
復旧して再開していたのですが今回また…
元気な赤ちゃんは現在8ヶ月
被災して避難生活が続く中で
それでもこの世に生を受けました
「珠洲の海で生きる」と書いて
生珠(うみ)ちゃん
とっても素敵な名前です
ココスクとPTO
地震から 424 日目
豪雨から 160 日目
学年末考査3日目
教室では生徒が残って黒板を使って
自主的に教え合いの学習会を開いています
こちらもマンツーマンでの指導
英検の練習です
稲舟地区の危険区域立入禁止の指定がはずれました
発災以来初めて立ち寄ってみました
以前あった道路の脇に
新しく登る道路を建設中です
坂道から見下ろすと
全く手つかずの家がそのまま残っています
坂の上にある輪島市営野球場は
まったく使いものになりません
稲舟地区にはかつて輪島実業高校があり
閉校後は野球部がグラウンドを活用していました
野球部が使っていたグラウンドは
崩落こそしているものの
中央部は使えそうです
稲舟校舎(旧輪島実業校舎)は
亀裂が走り建物が傾き窓も割れていました
こちらは輪島市総合体育館
使えそうもないですね
子供たちが思いきり運動できる場所が
ことごとく壊されています
輪島高校の施設で使えるものがあったら
お貸ししたいと考えています
さて被災した状況で
これまでどおりのPTA活動なんかムリ!
というわけで
「楽しいことだけやろう」
「できる人だけでできることだけやろう」
昨年1年間こんな感じで
PTA活動をやってまいりました
一部の役員が苦労して電話して仲間を募り
無理矢理組織していた各種委員会
これも廃止する
次年度はそんな方針で臨みます
PTAは本来
学校と保護者が協力して
子供たちの健やかな成長を見守り
よりよい学校生活のために
活動すべきもの
それがいつしか
無理矢理役員を引き受けてもらって
一部の役員だけが苦労して
前例踏襲のためだけに
漫然と続けている
そんな組織になっていました
全国を見ても
PTA活動の見直しを進めている学校が
ちらほら見られます
まずは兵庫県川西市の保護者グループ
「ココスクール(Connecting Community School)」
1つの中学校と3つの小学校で編成しました
ニックネームは「ココスク」
こどもたちをココでスクすく育てる
という意味が込められているそうです
役員はなし
参加資格は全保護者と全教職員
活動の方針は
「子どもの命や安全に関わること」
「学校が必要とするときに繋がれること」
のふたつのみだそうです
ただ個人の声だと届かないことが
組織のだとしかるべきところに届く
なのでなくすることだけは避けました
なくなることで
子どもたちにしわ寄せが行くことだけは
避けなければなりません
また東京都のある小学校の
「PTO(Parents Teacher Organization)」
Oには「応援団」という意味もあるそう
「できるときに
できる人が
できることだけやる」
会員が好きな活動を
好きな時に手伝うボランティア制です
これらの先進校の事例を参考に
本校もPTA活動のあり方を
見直していきます
保護者と教職員全員が会員です
「やってくれてありがとう」で済まさず
全員が会員である思いを持った
組織になればいいなと思います
「それでも輪島にいる」
みなさんへのお願いです
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は2月7日「能登の我慢を日本の前提にするな」
のコラムを読んでくれた生徒からです
自分達の学ぶための場所がなくなるのは嫌ですが、市民のためとなると仕方ないような気もしてきます。でも教育長さんたちがなるべくグラウンドのスペースが空くようにしてくださっているのがとてもありがたいです。地震が起きてから関わってくださる人や起きる前から関わってきた人、皆に感謝して受けた恩を忘れずに日々生きていきたいです。やる気があれば工夫のしかた次第でどうにでもなる。《尾崎 煕》
卒業制作ができました
地震から 423 日目
豪雨から 159 日目
学年末考査の2日目
生徒が熱心に質問に訪ねてきます
部屋もないので
寒い廊下で質問対応です
「動物と共生するまちづくりの会」
の石津佐智子さまより
お便りをいただきました
この会は
災害発生時のペット同室避難について活動なさっており
今回
「避難情報発令時、全市民が徒歩で行ける範囲に
最低一か所の『ペット同室避難』可能なスペースを
確保することを求める署名」
4,835筆を明石市に提出されたそうです
議会本会議のあと議長に請願書を提出され
全会派の推薦を得られたとのことです
市長に署名簿を提出し
防災担当部長 環境局長 教育委員会課長にも
訴えかけられたそうです
ここから第一歩を踏み出されることとなりました
大成建設さんとコラボして進めてきた
「転生プロジェクト」
災害ゴミに新たな命を吹き込むプロジェクトです
ビジネスコースの3年生が
卒業制作として取り組んでいたベンチ
完成して校庭に設置されました
被災地の瓦や漁網などを転生させました
表面の網目模様が漁網です
これから校庭でみんなを見守っていきます
【今週のありがとう】
金沢大学 上原 爽世花 さま
「能登写真展」成功裏に終わったことと思います
福田圭一監督はじめ遊学館男バレのみなさん
横断幕ありがとう!これからもよろしく!
For Michael Blayde's Mom
Thank you for the christmas card.Your son is doing well.
石川教育公務員弘済会のみなさま
助成事業への採択ありがとうございます
作曲家 弓削田 健介 様
「フェニックス」素敵な曲ありがとうございます
※このコーナーでは
これまでご支援いただいた方々を紹介させていただいています
それでも輪島にいる!
地震から 422 日目
豪雨から 158 日目
「ぼくらの街はぼくらがつくる」
輪島高校では生徒が
街づくりプロジェクト「街プロ」
に取り組んでいます
先週
一年生4名と三年生3名が
鳥羽市にあるプラスチック再生工場を
見学してきました
今のプラスチックの状況や廃棄物処理の方法など
詳しくみっちり見学させてもらいました
特にまるでアートのようなアップサイクルプラが
分別された破材から高温圧縮で加工される様を
興味津々でみてきました
輪島漁業組合から分けてもらった
廃棄扱いだった漁網が
どんな色合いで生まれ変わるか楽しみです
また先日小松大谷高校で練習試合をした
男子バレーボール部が
横断幕をいただいてきました
これは県内高校のバレーボール部が
春高バレーに出場する小松大谷高校さんに贈った
心をひとつにしたメッセージです
今回被災地のために想いを繋いでくださり
本校へとバトンリレーしてくださいました
このもようは
26日(水)夕方
石川テレビの
「石川さんパレット」で放送されます
今日から学年末考査が始まっています
みんな真剣に取り組んでいます
それからサプライズなお客様
五年前に本校に留学生として通っていた
キーガン君が訪ねてくれました
すっかりたくましく成長された彼は
現在カナダの大学で心理学を学んでいます
本校在学時代
一生懸命勉強していた図書室や
お琴の練習に励んでいた和室など
懐かしそうに見学していきました
それから本日は学校評議員会が開催されました
委員長の橋田宏幸先生より
「それでも輪島にいる」
こどもたちのために
高校ができることは何か
しっかり考えながら
教育活動を行ってほしいとの
お言葉をいただきました
橋田先生は
輪島女子ミニバスチーム
「レッドイーグルス」を率いて
能登から日本一の偉業を成し遂げるなど
その功績が認められて
先日
「いしかわ中日体育賞」を受賞なさいました
「それでも輪島にいる!」
このことばを
これからの輪島高校の
キャッチコピーとさせていただきます
さて国土交通省は
航空大学校において
入学用件に定める158cm の身長制限を
撤廃する方針を固めたそうです
国内の操縦士の約4割を輩出している
航空大学校では
女性パイロットを増やすことを
検討しています
身長が158cm未満でも
操縦装置に手足が届けば問題ない
とのことです
昔身体計測で座高を測っていましたが
それも戦時中にパイロットになれるかどうかを
判断する基準だったと聞いたことがありますが
実際どうだったのでしょう?
一般的な説明としては
内臓が十分発育すれば
胴が長くなる
すなわち胴長短足は順調な成長の証
と言われていましたが
その割に私は
すぐに腹をこわしますので
胴の長さのわりには
内臓が充分に発育していないようです
現在学校の名簿は男女混合ですが
21世紀初頭までは
男女別名簿を使用していました
男子がさきで女子があと
ジェンダー問題から
今の形に落ち着きましたが
当時はその是非について
よく議論されていました
さらに昔は
50音順ではなく生まれ順
つまり生年月日の順に並んでいました
4月26日生まれの私は
いつも3番か4番でした
これはなぜか調べてみましたが
明確な答えが見つかりませんでした
私はこれは
戦時中の徴兵順ではないかと考えています
早く成人した男子から徴兵するためです
どなたかご存じの方教えてください
ところでうちの孫娘のうーちゃんは
身長制限により遊園地の乗り物にまだ乗れません
3連休も終わりですね
地震から 421 日目
豪雨から 157 日目
3日間まるごと豪雪に翻弄され
挙げ句の果てには朝早く余震が来るなど
退屈しない連休ではありました
全国的に見ると
さまざまなイベントが行われているようで
平和でいいなと羨ましくも微笑ましい3日間でした
北海道では「昭和新山国際雪合戦」が開催され
全国から127チームおよそ1200人が参加しました
雪合戦の聖地で熱い戦いが繰り広げられました
また温泉のまち静岡県伊東市では「枕投げ大会」が開催され
全国から集まった48チームが浴衣姿で戦いました
こういったおまぬけなことを真剣にやることが大好きな私は
いつか輪島高校でチームを編成して
挑戦させたいと考えています
こういうおまぬけな大会は世界的にもたくさんあって
教育大国フィンランドにおいて
その傾向は顕著です
まずは「世界ヘビメタ編み物選手権大会」
フィンランドで特に人気のある
ヘビーメタルのライブをバックに
これまたフィンランドで人気の編み物をするという
訳のわからない大会です
そしてなんと第1回大会の優勝者は
日本人だそうで
なかなか日本も教育大国という意味では
負けていません
それから「蚊叩き選手権」
蚊が多い地方で
蚊をやっつけることを大会にして
村おこしをしちゃったという事例です
これらのフィンランドネタは
大好きなポッドキャスト番組
「そんない雑貨店」からの引用です
とっても面白いのでぜひ聴いてみてください
さて先日亡くなられた森永卓郎さんが
週刊誌に連載していたコラムの最終回を
読ませていただきました
命を削って書かれた最期のコラムには
このように書かれていました
「今後は定型的な仕事は
どんどんAIに置き換わる
数多の職業が淘汰される中
最後まで残る仕事とは何か?
それは『アート』だ
職場で新規授業を生み出す創意工夫をはじめ
『創造力』を源にした仕事は全てアートだ」
先述の「枕投げ大会」は
地元の高校生の発想が元になっていますし
「ヘビメタ編み物大会」は
一見無関係なものを組み合わせて
新しい価値を生み出したもの
「蚊叩き大会」は
弱みを強みに変えた好事例です
いずれも見事な「アート」です
屋根の上に軽四7台!
地震から 420 日目
豪雨から 156 日目
ひとしきり雪が激しくなってきました
輪島では単位時間あたりの積雪量
観測史上一位タイを記録しました
雪の重みによる家屋の倒壊が気になります
雪の重さはどれくらいでしょう
さっそく実験してみました
踏み固められていない庭の一角から
30cm四方の穴を開け
その中の雪を採取しました
深さも30cmでした
これを持って体重計に乗りました
ただいまの記録 80.3kg
雪を降ろして再び体重計に
74.3kg(衣服含む)
雪の重さは
80.3 − 74.3 = 6.0 kg
体積も測ってみました
採ってきた雪を溶かして
4Lの梅干し瓶で測ると1本半
つまり6L
水の比重は1
1Lの水の重さが 1.0 kg なので
6Lで 6.0 kg
さきほどの測定の正確性が確認できました
L は ℓ のこと
ある年齢以上のみなさん
今学校ではリットルをLと表記するんですよ
ヤングのみなさん
昔リットルは ℓ と表記していたんですよ
今回は
面積 30 × 30 = 900cm2
大雑把に見繕って
0.1 m2 あたり6kg
1m2あたり 60 kg
の積雪があったと
見積もっておきます
ところで
取り出した雪片は
1辺 30cm3 の立方体です
体積は 30 × 30 × 30 = 27000 cm3 = 27L
これが溶けて6Lの水になったので
凍ることと
空気を含むことにより 4.5 倍に
体積が膨らんでいたことになります
水は凍ると体積が増すという
特殊な性質を持っています
この性質を持つ物質は
水以外には
アンチモンやビスマスぐらいしかありません
そして水は 4℃で密度が最大に
つまり一番重くなります
氷河期の海底や湖底には
4℃の水が安定的に存在していて
陸地がどんなに冷えても
その水に生物が守られて
氷河期でも絶滅せず生き延びたと
考えられています
さあいよいよ家屋の上に
どのくらいの重さの雪があるか
求めてみます
Google マップで屋根の面積を計算です
ふたつの長方形に分けて
12 × 7 + 7 × 6 = 84 +42 = 126 m3
屋根の上の雪は
60 × 126 = 7560 kg ≒ 7.5 t!
以前リフォーム会社の方が
「軽四自動車7台分
7tの重みがかかりますよ」
って言っていたのと
一致しました
今回の雪は比較的
パウダースノーに近い
サラサラの雪でしたが
いつもの北陸地方の雪は
もっと水分を含んだ重い雪なので
さらに注意が必要です
豪雪対策で最も効果的なのは
瓦を軽いものに替えることだそうです
全国から入る復旧支援の方は
まず屋根が真っ黒なのに驚かれます
生まれてこの方
これが普通と思っていましたが
言われてはじめて気づきました
昔ながらの能登瓦は
水田の土を使い
山の薪を燃料に焼成され
漆黒の釉薬で覆われており
真っ黒でずっしり重く
耐寒性に優れます
海に向かって斜面が続く能登半島の海岸線で
高台から集落を隔てて海を見下ろすと
艶やかに光り輝く瓦の表面と
青い海のコントラストに心が奪われます
この光景はNHK朝のテレビ小説「まれ」の
オープニングでも流れていました
おそらく雪が溶けやすいように黒く
日本海から吹き付ける冬の季節風に飛ばされないよう重く
進化してきたものと思われます
今回の地震でも
昔ながらの製法で焼かれたものは
限りなく強く決して割れなかったそうです
伝統をとるか
安全性をとるか
難しい選択です
尊い仕事に就くみなさんへ
地震から 419 日目
豪雨から 155 日目
発災以来長きにわたって
自衛隊の方々のご活躍の場面を
ずっと目の当たりにしてきました
床が歪み
壁がひび割れ
すきま風が入り込む
凍てつくような
傾いた体育館の中で
足の踏み場もないほどに
敷き詰められた
狭い簡易ベッドで
ひととき身を休めながら
ずっと人命救助に
当たってこられた
自衛隊員の姿を見てきたのは
生徒も同じでした
この尊い仕事に自分も携わりたい
と決意したふたりの生徒が
自衛隊に入隊します
石川県自衛隊入隊入校予定者激励会に
参列してまいりました
自衛隊さんにご支援をいただいて以来
イベントには極力参加して
お礼を申し上げることにしています
今日は入隊予定者が
ひとりずつ壇上に上がり紹介されました
主催者である石川県防衛協会の
副会長の里谷光弘様は
本校の建設にもずっと関わってくださっていて
そのご挨拶の中で
「被災民は自衛隊の車が通ると
ずっと手を合わせている」
とおっしゃっていました
先輩隊員からの激励の中に
「自衛隊は掛け算の組織である」
とのお言葉がありました
一人ひとりの力が集まると
単なる足し算ではなく
大きく広がっていくんですね
そして掛け算の怖いところは
ひとりでもゼロがいたら
全てがゼロになってしまうこと
誰ひとりゼロを許してはいけない
厳しい組織でもあります
中部航空音楽隊による激励演奏
フィナーレを飾ったのは
「星条旗よ永遠なれ」
尊い仕事に着くみなさんを送り出しました
憲法九条に関係し
自衛隊のあり方について述べるのは
難しいものがあります
あれは湾岸戦争が激しくなってきた頃の話
自衛隊に入隊したがっている息子を止めて欲しいと
担任をしていた生徒のお母さんにお願いされ
「お母さんは君を人殺しにするために
苦労して育ててくれたんじゃないと思うよ」
と今思えばとんでもないことを口にした思い出があります
何も知らない当時は
自衛隊イコール軍隊イコール戦争と
短絡に結びつけていました
自衛隊の方々の献身的な支援の姿を
ずっと見続けてきて
今では自衛隊の車に手を合わせているひとりとして
自衛隊は国家と国民を守る
本当に尊いお仕事であるとの強い想いを抱き
今日の若者の凛々しい姿を見て
式典のあいだずっと涙を堪えていたのでした
アメリカ軍が行ったある調査があります
帰ってきた兵士の銃を調べました
すると実際に銃を撃った形跡は
ほとんどないのだそうです
隊長が「撃て!」
と命令しているのに関わらずです
実際に撃った形跡があるのは
命令をした隊長のすぐ近くに陣取っていた
ごく少数の兵士の銃だけなのです
戦争という極限状態の中でも
誰も人を殺したくなんかないようです
朝市通りどんなにする?
地震から 418 日目
豪雨から 154 日目
思考力を高める問題が満載の
ダイヤモンド社の「論理的思考問題」
という本にはまっています
その中から1問紹介します
【問題】です
「25頭の競走馬がいます
レースをさせて最速の3頭を決めます
1回のレースで走れるのは5頭までです
タイム計測はできないので
目視で順位を決めます
最低何回のレースをする必要がありますか?」
このあとヒントを小出しに出していきます
本日
「輪島市本町周辺地区まちづくり協議会」
が行われました
本町周辺地区は
地震の際に火災により焼き尽くされた地区で
日本三大朝市のひとつ
輪島朝市がもともと建っていたところです
公費解体もほぼ終わり更地となっています
地区住民 高齢者 子育て世代 高校生
様々な年代の方が集まって
アイデアを出し合いました
あらかじめ3つの案が示されました
A案:「滞在時間の倍増計画」
昼夜問わず買い物や飲食を地元の子供や家族連れが楽しめるようにする
近県の顧客が食文化自然を一日通して楽しめるようにする
全国からの観光客やインバウンドも楽しめるようにする
B案:「風の人と土の人の拠り所」
風の人とは外から来た人 土の人とは地元の人
お互いに関わり合いながら里山里海の豊かな風土を楽しむ
修学旅行や研修旅行を誘致し文化体験を通して復興を学ぶ
C案:「わふうどづくり」
輪島の風土 + 輪島フード + 和風がコンセプト
ものづくりとひとづくりを通して懐かしさと美味しさの街を作る
新規移住者が相談しやすく全体では女性が活躍できる街
どれも素晴らしい案です
ただし今日はこの中から選ぶとか
ブラッシュアップするとかではありません
今日のメンバーで新しい案を作り出します
本校からも生徒10名が参加しました
大人たちに混じって
自分の案を積極的に発信していました
さて冒頭の問題の【第1ヒント】です
まず5つのグループA~Eに分けて
5回の予選レースをします
A~Eのグループ内の順位をつけて
A1 A2 A3 A4 A5
B1 B2 B3 B4 B5
C1 C2 C3 C4 C5
D1 D2 D3 D4 D5
E1 E2 E3 E4 E5
では次以降のレースは
どのように走らせたらよいでしょうか?
【第2ヒント】です
次に5つのレースの1位の5頭で走らせます
ところが
このレースの上位3頭が全体のトップ3とは限りません
なぜなら偶然3頭が同じ予選レースを
走っていた可能性もあるからです
このレースでトップ3に入らない馬を
絞り込むことはできます
仮に
1位A1 2位B1 3位C1 4位D1 5位E1
であったとしましょう
D1とE1ははずれますし
同時にD2以下とE2以下もはずれます
残った候補は
A1 A2 A3
B1 B2 B3
C1 C2 C3
さああと何回走らせればトップ3がわかるでしょうか?
【第3ヒント】です
実はあと1回のレースでトップ3がわかります
走らせる馬をどのように選べばいいでしょうか?
【今週の活動性を高める授業づくり】
このコーナーは
久留米大学の安永悟教授に学んだ
授業づくりのポイントを
お伝えするものです
生徒の聞く姿勢と話す技術を高めつつ
知識の着実な定着も図る方法です
まずは講義型の授業で知識の伝達を図ります
時間にして10分未満程度の講義です
その後4人のグループ内で
全員が学んだことを自分の言葉で語ります
話す順番は
あらかじめメンバーに1から4の番号を振っておいて
「3番から時計回り」
というふうに先生がその都度指示をします
これを繰り返します
生徒は
必ず自分がしゃべらなければならない
ことをわかっているので
話を真剣に聞きます
そしてアウトプットすることにより
知識が定着するのです
一斉講義型の授業では
常にアウトプットしている教師が
実は生徒よりも学んでいる
というおかしなことが起きているのです
クイズの【答え】です
候補として絞られた9頭のうち
A1はトップ決定です
B3はそれよりも早い馬が3頭いるので外れます
C2C3も同様です
最後のレースは
A2 A3 B1 B2 C1の5頭を
走らせればよいのです
ここまでが本に載っていた答え
でもこれにはある問題があります
それは何でしょう
B1とC1が3回目の疾走となり
不公平であるということです
このように答えが見つかったとしても
それで良いのか問いかける
批判的思考力を高めることも
今の教育で求められているものであります
OECDオンラインミーティング実況中継
地震から 417 日目
豪雨から 153 日目
OECDの
オンラインミーティングに参加しています
今日の「おこらいえ」は
いつもと雰囲気を変えて
ミーティングの内容をリアルタイムで
書いていきます
なんと3時間にも及ぶ
長時間ミーティング
生まれて初めてです
9分ほどしかない金魚レベルの集中力の私にとって
未知の領域です
どうなるのでしょう?
まずは
次期学習指導要領の改訂について
文科省の方からの報告です
少子高齢化が進むこれからの日本において
マルチステージの人生が進みます
変化が激しい世界において
テクノロジーを使って
人生を勝ち取るむしろチャンスです
新学習指導要領は
その世界を見据えています
受験知識が抜け落ちたあとで
何が残るかを重視しています
コロナで多くの国の学力が低下した中
日本だけが学力が低下しなかったそうです
それは学習指導要領に沿って
全国で同質な教育が施されたからにほかなりません
ただし教員の過度な働きに支えられた
という側面もあります
今の学習指導要領は
知識技能に支えられた思考力
というイメージが強いです
ところが新しい学習指導要領では
複雑な課題に取り組む中で
知識を身につけることを重視しています
また子どもが
自分で学びを自己調整できるよう考えています
そのために学年を分けること
あるいは授業時間を定めることにも
メスが入る可能性があります
また教師や生徒の負担をどのように減らすか
という視点でも進められているそうです
(1)自分なりの「意味・目的」の大切さ
(2)多様な子供たちの可能性の開花
(3)教師の成長過程のビルトイン
以上3つが実際に改訂を進めている方が
目指しているものだそうです
次に生徒部会からのレポートです
まずは教育課程が作られていく過程を
実際に見学した大学生からです
教育課程の柔軟性が一番気になりました
教育課程に柔軟性があると
余裕のある教育につながります
学校の外での学びにもつながります
では学校は行かなくていいのか?
そうではなくて学校でしかできないこともある
被災した輪島高校では
学校に行って友達にあうという
大きな意味がありました
次に「おさんぽメガネワークショップ」を
主催した大学生からです
教科書の中からでなく日常から学びを生み出す
「おさんぽめがねワークショップ」
特に苦手な教科において
単にドリルを繰り返すよりも
日常生活との結びつきを見つけると
その教科を学ぼうとする
内発的動機付けにつながります
輪島高校でのワークショップも紹介されました
被災地でのおさんぽから
さまざまな学びを体験できたようです
「正解」を前提としない問いかけが
新たな問いを生み出します
教科と教科を繋ぐ力が生まれます
たとえば日本史の知識によると
皇居は桜田門外の変があった場所
これを不動産業に繋げるとなんと
「皇居は事故物件だ・・・」
続いてOECDのMIHOさんから
世界の教育についての報告です
「見方考え方」と「教科横断」
このことは全世界で注目されています
ただしカリキュラムが変わったとしても
実践はなかなか難しいです
イギリスでは問い立ての重要性が議論されています
「なぜ空は青い?」
「動物にも同じように見える?」
エストニアでは「環境と持続可能な開発」がテーマです
学校の自由裁量のもと
おさんぽめがねのような
取り組みが行われています
さまざまな教科の先生といっしょに
お散歩して問いを見つけます
これら他国の例から見えた「教科横断」の落とし穴は
(1)見方考え方を教えてしまう
(2)問い自体を教師が作ってしまう
(3)先生同士の相性が悪いと困る
の3つです
さきほどカリキュラムの自由裁量が必要という
提言がされましたが
実は日本のカリキュラムは
世界的に見ても自由裁量が大きいです
教科書も他の国ではもっと分厚いです
そして「対話の時間」です
対話のルールは次のとおり
(1)あいづちやうなずきで話しやすい雰囲気をつくる
(2)あせって結論をだそうとしない
(3)キーワードにとらわれず自分の言葉で話す
(4)大人に忖度して話してほしいだろうと思われることを云わない
5人のブレイクルームに分かれて
「こんな授業があったらいいな」
をテーマに話し合いました
各グループで出された意見では
授業と授業の合間に休む場所がほしい
どんな授業がいいか話し合う授業がいい
自分が何を学んだか語れるプロセスがある授業がいい
次は「カリキュラム・オーバーロード」の話
(1)Curriculum Expansion
(2)Content Overload
(3)Perceeived Overload
(4)Curriculum Inbalance
の4つの論点があります
うーん
むずかしい・・・
ここで挫折・・・
脳にはキャパがある
必要以上に詰め込んでも意味が無い
ちょうど今の自分にぴったりな話題が
されだしたので復活
香港では宿題オーバーロード
宿題の出し過ぎが問題になったそうです
【泉大津市立小津中学校の事例】
「先生と生徒のワクワクで乗り越える
カリキュラムオーバーロード」
積み上がった書類と
「やらないといけない」という意識から
抜け出して軽やかになりました
4月1日に学校の経営ビジョンを
なんと生徒が先生にプレゼンします
生徒自身が学校の目指す姿を作り上げました
「自芯を持つ
認め合う
やわらかさで0から1をつくる」
生徒の希望から50分の授業を45分に短縮しました
かえって集中力が増しました
授業も5限で終わったり6限で終わったり
生徒の願いをもとにして
教員が授業の形を決めました
生徒達が自分達で
学ぶスペースを創ったりもします
職員室もフリースペースです
「ワクワクしながら
たくさん話し合って
解消していくもの」
それがカリキュラム・オーバーロードの解決方法です
Q:教科横断に相性のいい教科は?
A:国語はどの教科とも繋がる
英語も同様です
Q:高校入試のための学力保障は?
A:経年変化を見ると成績は伸びてきている
長時間やれば成績が伸びる訳ではない
先生が教えた ≓ 生徒が学んだ
【福島県立郡山高校の事例】
「既存の教科でプラスする
データサイエンスコース構想」
今のカリキュラムの弱点は
(1)知識を使う場がない
(2)教科がばらばらで繋がりを学ぶ機会が無い
(3)クリティカルシンキングの鍛え方が弱い
これらの課題を解決するために
新教科を作ると教員の負担が大きくなるので
既存の教科を活かしたクロスカリキュラムを
考えました
(1)新しいコンテンツを作る系
(2)一部を別教科で深掘り系
(3)1年間を通じた連携系
ウクライナからの中学生が
数学の中点を求める問題で
「なぜ中点を求めるの?」
と日本の先生に尋ねたところ
言葉につまりました
この中学生は
数学コンテストで優勝するほどの生徒です
なぜ学ぶのかを理解して学ぶので
深い学びにつながるのです
しかしながら
協力的ではない教員もいらっしゃいます
原因は
① 変化を拒む免疫システム
② 専門外のことを教える不安
③ 教科書を終わらせないといけない不安
④ そもそも効果あるの?問題
⑤ 新しいことしたくない問題
大事なのは
松下幸之助さんの
「やってみなはれ!」
次回の学習要領改訂では
教科横断が大きなテーマとなりそうです
キーワードは「おさんぽメガネ」
教員には
日常生活のあらゆるものを
教科に結びつける力が
求められることになりそうです
先生方は
机に座って仕事ばかりしていないで
外にでていろんなものを見てきましょう
遊べ!
このブログも
机の上だけで書いているものよりも
出張先から書いているものの方が
おもしろいでしょ
さてさて
3時間にもおよぶ
長時間ミーティング
そろそろ終わりです
自分でアウトプットしながらだと
なんとか
もつもんですね
今日は本校から
山上先生(家庭)
山下先生(保健体育)
栃木先生(養護)
も参加してくださいました
熱心な先生方です
お疲れ様でした
仮校舎はどうなる?
地震から 416 日目
豪雨から 152 日目
現在3棟ある建物のうち
危険判定のため2棟が使用できず
1棟の建物に無理矢理詰め込んで
授業をしている状況です
この状況を早期に打破するため
仮設校舎の建築計画が進められています
本日は保護者説明会を開催し
現時点でお伝えできること
現時点で要望していること
について理解を求めました
仮校舎は同じ敷地内
グラウンドに建設の予定です
春に竣工
早ければ秋より運用可能です
現在全学年で使用している旧校舎3号棟は
そのまま3年生が3階を
定時制が1階を使用します
仮校舎は2階建てで
真ん中に廊下を設置し
両側に教室を配置するコンパクトなつくりとし
グラウンドを使用する面積を
最小にする配慮がなされています
このことは
北野喜樹石川県教育長が
「生徒が運動する場所をできるだけ奪うな」
との指示を出してくださっているとのことです
コロナの時に健康福祉部長を務められていた方で
毎日のようにテレビで説明されていたので
ご存じの方も多いかと思います
さすが緊急時の対応に力を発揮くださっています
仮設校舎には
1・2年生が入ることになり
実験室や実習室も設置されています
ただしパソコン室はふたつとも旧校舎3号棟にあるので
もしかすると
旧校舎3号棟をビジネスコースが
仮設校舎を普通コースが使うことになるかもしれません
これについては時間割など諸条件を鑑み
最も最適な使い方を考えていきます
グラウンドを使用せずに
グラウンド脇のアスファルト部分への建設を
要望したのですが
まず寸法が足りませんでした
部室やブルペンを壊してもいいからと要望しましたが
建設に関する法律があって
仮設校舎は現存の校舎から
10m 離して建てなければならないそうです
以上の理由より図に示された
グラウンドの校舎側に建てることとなりました
第一体育館と第二体育館はそのまま使用し
接続する仮設廊下を設置します
旧校舎3号棟への接続も同様です
以下
質疑応答の様子です
Q1:工事の間の部活動は?
A1:工事は必要最低限のスペースでやってもらいます
並行してグラウンドでの部活動はできます
Q2:本校舎の復旧見通しは?
A2:損壊した基礎の横に新たに基礎を打ち
ジャッキアップする計画ですが
工期など詳細については未定です
Q3:もう決定か?変更は無理か?
A3:できないことはないかもしれませんが
再調査などで工期が大幅に遅れます
得策ではありません
Q4:稲舟校舎(旧輪実)を使用することはできないか?
A4:校舎は使い物にはなりませんが
危険立入禁止区域指定が外れたと聞きます
グラウンド使用要望の余地はあるかもしれません
Q5:体育館の使用は?
A5:今のところ使用禁止命令は出ていません
多少床の歪み等はありますが
なんとか使用できる状態です
Q6:学ぶ場を確保するため子どもたちの意見を聞いてほしい
A6:同様のご意見を
小学校の運動場に仮設校舎を建てた後で聞きました
「あなたたちは一度でも子どもたちの意見を聞いてくれましたか!」
もう決まってしまって仕方ないことであったとしても
子どもたちに説明する義務は大人にあると考えます
そうすることにより
自分の力で社会は変えられると考える若者が
世界一低いという現実を変える
第一歩になると思います
このブログを読んで
言いたいことを校長室まで言いにくるよう
明日の朝生徒に伝えます
Q7:学校以外での部活動への移動費の負担が大きいが?
A7:今年度は県より補助をいただいています
引き続き要望してまいります
Q8:習熟度別授業はどうなる?
A8:問題ありません
これまで通りの習熟度をかけることのできる
教室数を確保できます
これまで通りきめ細かな指導ができそうです
Q9:工事の際の騒音は?
A9:時間をずらすなどの要望はしますが
ある程度の騒音はやむを得ません
逆にどんな悪環境でも集中力を発揮できる
生徒の育成を目指します
最後に
「現在輪島市内で唯一使用できる
屋外体育施設が輪島高校グラウンドである
だから自校の体育や部活動のことだけでなく
輪島市民みんなが使用できる手立てを
県と市の枠組みを超えて進めていくべきである」
とのご意見をいただきました
このことについては
まず手始めに
テニスコートを全面人工芝にして
部活動以外の時間帯に
ゲートボール場として
高齢者に提供できないか
市に申入れをしてみようと思います
いんのこまきのおもいで
地震から 415 日目
豪雨から 151 日目
こんなに猛吹雪の中それでも復旧工事は
手を休めることなく進んでいます
本当に頭の下がる思いです
ありがとうございます
現在
神奈川より
スクールカウンセラーの平野先生に
定期的に来ていただいています
生徒だけでなく保護者の方のカウンセリングも
していただけることとなりました
明日第1回目を開催します
おかあさん方
そっと打ち明けるだけで
気持ちが軽くなりますよ
予約は不要です
どうぞふらっと立ち寄ってください
生徒とは会うことのないよう
場所は配慮してあります
詳しくはこちら
輪島の冬の風物詩
曹洞宗のお寺において
「いんのこまき」が行われました
本校で書道を教えてくださっている
川口先生のご実家がお寺で
記念に学校へ持ってきてくださいました
今日は涅槃会
お釈迦様の亡くなられた日の
法要が執り行われました
仏教の三大年中行事のひとつとされます
曹洞宗のお寺では「涅槃団子」が撒かれます
五色に色づけされたこの団子は
地水火風空を表しているとのこと
生きとし生けるもの全てを表し
食べると無病息災
持つと功徳を受けられるとも伝えられています
北信越地方で見られる風習です
お釈迦さまの舎利つまり遺骨を模したもので
その形は地域によって異なります
たとえば富山の涅槃団子は丸い団子ですが
輪島では動物を形どった団子が撒かれます
お釈迦様の涅槃に駆けつけた動物です
干支の動物と言った方が
ピンとくるかと思います
写真左から
へび いぬ とり です
中でもいぬを形どったものが多く撒かれるので
いんのこ(犬の子)まきと言われます
お米でできているそうです
食べられるのか尋ねたら大丈夫なようです
炙って食べる方もいるようですが
多くはお守りとして持ち歩きます
やがて乾燥して粉々になると海に流します
低温湿潤な条件で大事にしていると
崩れずにそのまま小さくなっていくそうです
今回お持ちくださった
聖光寺さま(しょうこっさま)は
漁師町のお寺さんで
「いんのこ」をかたち作るのは女房衆
最後の色付けは漁師の長の仕事と決まっていて
なんぴとたりとも
手を出してはならない領域のようです
赤黄緑の食紅で絵付けをします
緑というといつも思い出すのが
なぜ絵の具の緑はビリジアンなのか問題です
学年にひとりくらい
「私のことキャサリンって呼んで!」
ってのたまうぶっ飛んだ女の子がいるもんですが
そのぐらい異彩を放つビリジアンちゃんです
あなた帰国子女?
って言いたくなるくらいです
どう見ても「みどりちゃん」やろ
でも本人はビリジアンと言い張っています
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は昨年9月7日「春の選抜に向けて」
のコラムを読んでくれた生徒からです
高校野球秋の大会が始まり、大事な初戦となりました。相手はまさかの飯田高校でした。飯田高校も地震に襲われ、なかなか練習ができない日々が続いていました。すると、仙台育英高校さんが輪島高校と飯田高校を仙台へ招待してくれました。その時に掲げた「ONE TEAM」をモットーに頑張ってきました。震災から一緒に頑張ってきた飯田高校と初戦で対戦するのは複雑な気持ちでした。野球というスポーツの大会はトーナメントで負けたら終わりです。だから、お互いにスポーツマンとして最後まで全力で闘い、招待してくださった仙台育成高校さんや輪島市民のみなさん、珠洲市民のみなさんのひとりでも多くの人が笑顔になるように感謝の気持ちをとどけることができたらなと思いました。
この大会は春の選抜に繋がる大事な試合でした。この大会でベスト8に入って21世紀枠を狙っていましたがベスト16で終わってしまいました。今度の夏は必ず甲子園の切符を掴み取ります。《匿名希望》
馳浩知事の決断に思う
地震から 414 日目
豪雨から 150 日目
教室の掲示物を見ると
担任の教育方針や取り組む姿勢がわかります
曲がって張られた掲示物に違和感を持たないようでは
ちょっとした生徒の変化に気づかないでしょうし
期限の過ぎた奨学金の案内などを
いつまでも貼っているようでは
大事なことが先延ばしになってしまいます
心理テストです
コタツを片付けるときあなたはどんなパターンですか?
スパッと片付けますか?
それともズルズルといつまでも出しておきますか?
あるいは一度片付けたものを後からもう一度出すタイプ?
これって恋人と別れた時のパターンと一緒なんだそうです
こたつや恋人はどうあれ
不要な掲示物はスパッとはずす
「掲示物を風景にしない」
このことが大事です
誰も見向きもしないようになった掲示物は
情報ではなく風景です
そこにはもはや意味などありません
さて馳浩石川県知事が
防災服着用をやめると宣言されました
新聞によると
金沢以南の県民からは
「いつまで着てるんだ?気が滅入る」
などの声があるそうです
何事もなく平穏な暮らしをされている方にしてみたら
そう感じるのは仕方ないのか
という気持ちになります
一方で能登の県民にしてみたら
「忘れ去られてしまうのか」
との懸念があるようです
しかし私は逆に
いつまでも防災服を着ていたら
やがてそれが風景となってしまうことに
心配を抱きます
単に
「能登のことを忘れてはいませんよ」
というポーズのためだけに着るのをやめ
スーツを着ていても
「心は常に能登にありますよ」
という知事の強い決意の現れであろうと
私は思っています
先日も馳知事は
タウンミーティングのために輪島までお越しくださり
被災者約20人からの質問に
一つひとつ回答してくださいました
「能登は日本の未来そのもの
本当に困っている人を軸にして
物事を積み上げていく必要がある」
と語ってくださったそうです
また別の報道では
発災時の初期対応について
「フルパワーではなかった」
との見解を明らかにしたとありました
石川県の県職員規定には
「震度〇以上の地震が発生した場合
〇〇職以上の職員は〇時間以内に〇〇へ参集」
などが定められています
にもかかわらず県職員の出勤率が低い
という指摘でしたが
被災した現場から言わせてもらうと
そもそも出勤したくてもできない状況なので
正直やむを得ないと思います
私も発災後まっさきにやった仕事は
「学校に参集するな
自分と家族の命を守れ!」
と規定とは真逆のことを
職員に一斉メールすることでした
当時の道路状況等を今思い出しても
その決断は間違いではなかったと
確信しています
参集したくても参集できない
参集によって命を落とす危険もあった
これが被災地の現実でした
対応の遅れをしばしば指摘されてもいますが
県庁でずっと取材をしている新聞記者によると
知事は被災地のために
いろんなアイデアを出してくださっている
だけど実務レベルにおいて潰されている
のだそうです
学校で必要なものを要望しても
「なぜ必要なのか?」
「どうしても必要なのか?」
をいちいち事細かに説明しなければならない
というのが現実です
「ボランティアが能登に入るのを控えるように」
と知事が発言したことが復興を遅らせた
という指摘もありますが
現場の者に言わせると
これも的外れな指摘です
あの日あの現場に
民間ボランティアが殺到すると
助からない命が
間違いなく増えていました
輪島高校の避難所には
食料の炊きだし支援がなかなか来ず
お風呂の支援もありませんでした
そんな中
このブログを見た多くの方が
「支援に行きたくても行政に止められて行けない」
と直接学校へ電話してきてくださいました
これまた私は即座に
「検問など突破して来てくれ!」
と行政とは真逆のことを言いました
おかげで民間のボランティアの方に
大きく助けられてきました
ですので
今回のように
行政は大きな視点で「被災地に入るな」と
そして実際には
現場の人間が個々に判断して最善の動きをする
というのが被災地での最適な動きであると思います
カタリバさんによる未来トークが行われました
詳しくはこちら
【今週のありがとう】
動物と共生するまちづくりの会 石津 佐智子さま
ますますご活躍のことと思います
藤本育英財団 藤本 由紀子さま
受験生への多大なるご支援本当にありがとうございます
群馬県立沼田高校JRC部のみなさん
温かいご支援忘れないよ もう進路決まった人もいるかな?
国際文化フォーラムの長江春子さま
楽しい本送ってくださりありがとうございました
中村 哲夫様はじめ石川コミュニティーセンターのみなさま
被災地訪問どうもありがとうございました
※このコーナーではこれまで
ご支援いただいた方々を
紹介させていただいています
自然は不思議の宝箱
地震から 413 日目
豪雨から 149 日目
豪雪からほっと一息
「氷が溶けると水になります
では雪が解けると何になるでしょう?」
「答えは春です」
こんなお侠(おきゃん)ななぞなぞがありますが
今日は雪解けお散歩ワークショップです
雪解けをいろいろ科学の目で見てみましょう
まずはこんな不思議
雪は植物の周りから溶けていきます
植物は水を吸うから?
根の周りの水分がなくなると
その上の雪が溶けて吸い込まれていくから?
では植物以外ではどうでしょう?
仮説は否定されました
無生物の電柱の周りから溶けています
日差しを浴びた電柱がその熱を伝えるから?
植物にも体温があるということでしょうか?
ここで昔「美味しんぼ」で読んだ知識を思い出します
トマトに関する話
トマトの原産地はアンデスです
アンデスの気候に近づけてやると
本来持っていた生きる力を取り戻して
美味しいトマトができるのだそう
夏が旬のような気がしますが
日本で育てるには
冷涼なアンデスの気候に近い冬の方がよくて
乾燥した環境に近づけるため
水は極限まで与えない
そうすると茎や葉に細かい産毛が生えてきて
空気中の水分を吸うようになる
産毛には体温調節の機能もあって
健康なトマトの幹の周りは
ひんやりと空気が冷えているのだとか
雪国の植物は
自分の周りを温めて雪を溶かす力を
持っているのかもしれません
次はこんな不思議
凍ったままの雪は真っ白なのに
溶けかかった雪はグレーです
ということは?
空に浮かぶ雲の
真っ白い部分はしっかり凍っていて
グレーの部分は溶けかかっている
溶けたグレーの部分が
雨粒になって落ちてくると考えると
雨雲がグレーであることにも
納得がいきます
無駄な役職廃止!
地震から 412 日目
豪雨から 148 日目
神戸市私立保育園連盟(谷村 誠 会長)様から
生徒一人ひとりにお米が送られました
当連盟のみなさまは
豪雨の際に浸水家屋の復旧作業に参加してくださり
今回は
市内の小中高と幼稚園と保育園に通う子ら全員に
お米を贈ってくださりました
本当にありがとうございます
先日PTA役員会が行われました
みなさんご自分の生活すらままならない中
それでも役員を引き受けてくださり
本当にありがとうございました
特に会長さんには
金沢に生活拠点があるのに
無理にお名前だけでもとお願いし
引き受けていただきました
昨年一年間は
「楽しいことだけやりましょう」
をモットーに
炊き出しなどの活動に力をお借りしました
子供たちのために集まっていただきました
本来のPTA活動ってこうなんだろうなと
子供たちとお母さん方の笑顔を目にして
そう思いました
来年度もこの活動を継続します
一部の役員の方だけが
無理にお仕事をやりくりして
朝早く挨拶運動などに立たなければならないなどの
形骸化した活動は一切やりません
全員が役員で
子どものためにやりたい!
とみなさんの中から湧き上がった活動だけを
無理せずその都度できる方だけで
やっていきます
そのため会則も改めます
書記 会計 理事 評議員 母親代表 監事 顧問など
無駄に多い役職を一掃しシンプルにまとめます
正式には来年度の総会で決定します
北陸地域最大級の
公安系公務員の合同説明会へ行ってきました
自衛隊 警察官 刑務官 海上保安庁 消防
我々の安全な生活を守ってくださっている
尊い職業
その担い手となる高校生に
正しく理解をしてもらいたいと思います
金沢刑務所では受刑者の
所内での号令をかけながらの行進式移動を廃止
また呼び捨てからさん付けへと変わっています
運動会や球技大会などもあるそうです
震災の際にお世話になった方々ばかりです
お礼とご挨拶を兼ねて行ってまいりました
3月11日(消防・自衛隊・刑務)
12日(海上保安庁・自衛隊・警察)には
石川県では初開催となる
職場見学ツアーも企画されています
鳥羽に研修旅行に行っていた生徒たち
無事金沢駅に到着しました
お伊勢参りの旅
地震から 411 日目
豪雨から 147 日目
今日から何人かの生徒が
伊勢へ研修旅行に出かけます
朝の4時半出発
大雪のため道路状況が心配なので
念のため前もって下見をしてきました
朝の3時なのに災害復旧現場には
灯りが煌々とついていました
そのおかげかどうかわかりませんが
除雪車も早くに入ってくれていました
安心して出発できそうです
参加したのは
1年生
浦 勇誠 さん 小町 優真 さん
小住 優太 さん 森下 正幸 さん
3年生
出坂 舞 さん 森田 心優さん 福久 凪 さん
の7名です
大成建設さんのお力添えで
三重県にある(株)REMAREさんを訪れます
廃棄する漁網を甦正させて
さまざまなものを造る会社です
参加する3年生の中には
大学に進学して
建築や街づくりについて学ぶ予定の生徒もいます
1年生の中には
被災地を巡るツアーを企画運営する会社を立ち上げたい
という夢を持つ生徒も
ぜひ実現させてほしいと思います
卒業してからと言わず
在学中にぜひ
おとなりの飯田高校に
在学中に起業した女子高生2人組がいます
彼女らの目のつけどころがすばらしかったです
日焼けして売り物にならないカボチャが
畑にゴロゴロしているのを目にして
何とかならないかと考えました
おばあちゃんに聞いてみると
金沢の業者に卸すとき
売り物にならないのは買ってもらえないとのこと
ホテルやレストランに掛け合ってみると
下ごしらえ済みの野菜を
金沢の業者から購入しているとのこと
彼女らは気づきます
せっかく作ったかぼちゃのうち
きれいなものだけを安く買い叩かれて
切って洗っただけのものを
高く売りつけられていることに
課題は
珠洲に一次調理施設がないことだ
じゃあ私たちでそれをやろう!
これが起業へのきっかけでした
やがて彼女らは大学へ進学し
平日は大学で学び
休日は珠洲に戻って会社経営
そんな道を歩むのでした
震災後どうなっているのでしょう?
現役女子大生による
地元の限界地域を救う挑戦的企業
株式会社ABOBORA(アボボラ)です
カボチャエキスを使った
身体と環境にやさしいネイルオイルなども
開発しています
ぜひ応援してください
輪島高校の1年生たちにも
ぜひがんばってほしいです
研修旅行のほうは
今日の午後会社を視察して
明日は伊勢神宮を訪れ
夜の8時頃に帰ってきます
石川県商業生徒発表会に
ビジネスコースの3年生が出場しました
浦野奏太さん 北濱一斗さん
木村麗人さん 林 祐樹さんが
自分たちが考えた修学旅行誘致プランを
発表しました
能登を元気にするオリジナル弁当!
地震から 410 日目
豪雨から 146 日目
家庭科の山上先生からの報告です
今日は山梨県より「目指せ!!日本まるごとゴミ拾い 特定非営利活動法人 まるごみ」DJ KOUSAKUさんをお招きして特別授業を行っていただきました
生徒は事前に考案したお弁当のおかずを今日の授業のなかでグループ内共有しグループ内でNO.1を選出しました
”小学生に大人気!生姜くせぇ生姜焼き弁当”
”濃厚クリームとろ~り!能登産カニクリームコロッケ”
”能登地鶏の辛みチキン”
どれも美味しそうなだけでなくネーミングセンスも抜群でこのほかにも多くのアイディアが出ました
DJ KOUSAKUさんは生徒たちが上手にchromebookを活用して授業をしている様子に驚かれていました
今後生徒たちが考案したオリジナル弁当が商品化されるのが楽しみです
見てください この表情
きっとお互いに忘れられない学びになったのではないでしょうか
パリで行われた
OECD教師生徒サミットに参加した生徒たちが
門前中学校さんで
その様子を発表してきました
全校生徒42名が聞いてくださいました
参加したのは
長井彩綺さん 三中そらさん
上野緋子さん 谷内友優さん
辻 姫花さん 山下明日凪さん
前名拓実さん 宮腰大地さん
世界各国のお友達ができたこと
お互いの文化を理解できたこと
震災を経験したからこその出逢い
そして未来への希望
世界って意外と近いんだなってこと
半島の先っちょに住んでたって
いくらでも世界と繋がることができること
たくさんのことを学んできました
そのことを
自分たちの言葉で伝えてきました
OECDの「おさんぽめがねワークショップ」の
こともお話ししてきました
夏休みに輪島高校でもやったアクティビティ
お散歩しながら
街の景色を教科のめがねで観ます
たとえば今日のこの会場
教科のめがねで見るとどう見えるかな?
図書館って英語でどういうのかな?
Library
じゃあ本棚は?
Shelf
引き出しは?
Drawer
英語のめがねで見てみました
本棚があるよ
どんな木でできているのかな?
ナラとかオークが多いよ
日本やロシアで採れるものをナラ
北米で採れるものをオークと呼ぶんだって
耐久性に優れ硬くて重く家具作りに向いているよ
乾燥に弱いから
エアコンの風が常に当たるような場所に
置いたらダメらしいよ
生物のめがねで見てみました
「オークの原産ってどこかな?」
「カナダ南部からアメリカらしいよ
南北に広く分布しているから
産地によって木材の特徴が違うみたい」
「温暖な南部で育ったオークは成長スピードが早くて
木目が大きいんだって」
「うちのお父さん大工してるけど
地元の木材使うとその地方に合った家ができるって
「そうか南国の柔らかい木で雪国に家建てても
重さに耐えれないんだね」
「地産地消ってそういうことか」
地理のめがねで見てみました
「このホール丸いね」
「体積計算できるね」
「半径どれくらいかな?」
野球部の生徒が口をはさみます
「20mくらいじゃないかな?」
「どうして?」
「塁間の27mよりちょっと短い気がするから」
体育のめがねが加わり
「じゃあ底面積は半径×半径×円周率だから
20×20×3.14=1,256㎡
高さが10m ほどだから体積は
1,256 ✕ 10 = 12,560㎥」
「リットルに直すと 12,560,000Lか」
数学のめがねで見てみました
「この中の空気ってどのくらいの重さかな?」
「1mol は22.4Lだからモルに直すと
12,560,000 ÷ 22.4 ≓ 560,000 mol」
「空気1mol は22.8gだから
560,000 ✕ 22.8 ≓ 12,800,000 g
つまり約13t!」
化学のめがねで見てみました
ふたたび生物のめがねで
「象1頭の体重は約6tだから
ほぼ象2頭分か!」
「そんなに重いの?」
「もし今この瞬間全員が
ここに生き埋めになったら
どれだけの時間
酸素がもつんだろう?」・・・
こうして
自分で新たな問いを見つける力
そしてさまざまな教科で身につけた知識
それを総動員して考える力
そんな力を身につけた人が
災害が起こったときに
中心となってみんなを救うことのできる人です
そして未来を創造できる人です
そんな人を育てることが
教科横断型教育やSTEAM教育の狙いです
【今日の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は昨年2月27日「卒業おめでとう」
のコラムを読んでくれた生徒からです
去年1月1日に地震があり、今まであたりまえに通っていた学校に通えなくなってしまい、皆が落ち込んでいるときに、輪島高校に勤めている先生方はすぐに行動に移し、私たちの学習できるスペースを確保してくださいました。そのおかげで去年の3年生たちは十分に学習ができたと聞いています。私も羽咋工業高校さんの練習に参加させていただき、新しい出会いもありました。
3年生はとっても大変な時期が多かった年代ですが、それを感じさせないほどの元気よさが、今の私達を元気でいさせてくれました。そんな3年生の卒業式に出れてとてもうれしかったです。校長先生がおっしゃっていた「輪島に残るみんな一緒に新しい街創ろう。一旦輪島を離れるみんな、きっといつか帰っておいで。みんなが驚くような街創ってまっとるし。」の言葉で会場にいた皆が一致団結したと感じました。これからもこの輪島をよりよいものにしていきたいと思います。《池壱心》
フラットアースの根拠
地震から 409 日目
豪雨から 145 日目
輪島と金沢の二拠点生活が続いています
休日は金沢で過ごし
今朝4時に起きて学校へと向かいますと
いろいろ幻想的な風景に出逢います
こちらは雪原にひろがる朝もや
見渡す限り白の世界です
そしてこれは七尾湾からの日の出
水平線上に見えるのは
左側が能登半島
右側が能登島
そして能登島の向こうに
うっすらと見えるのが
なんと立山連峰です
年に数回
条件があったときにだけ見える
奇跡の瞬間です
よく見ると
能登半島と能登島の間の水道
その先にも山並みが見えます
地図で確認すると
長岡から会津の山々
距離にして200km 以上離れたところを見ています
200km 離れた場所の山が果たして見えるのか
気になったので
数学の宮下琢磨先生に計算してもらいました
その結果がこちら
地球を半径6400kmの球と考えると
200km 離れた地点のものは
3126.2mの高さがないと見えない
という結論が導かれました
となると3000m 級の山々の頂上だけが
かろうじて見えるはずで
写真のように堂々とは見えないと思うのですが
どうなんでしょう?
一部でささやかれている
「フラットアース説」
(地球は球でなく平面とする説)
を裏付けるものでしょうか?
それともでっかい蜃気楼でしょうか?
蜃気楼は高低による空気の温度差によって
遠くの景色が曲がって目に届く現象です
七尾湾は和倉温泉が湧いている
比較的温かな海で
上空に冷えた空気が入り込むと
よく蜃気楼の見える場所です
富山湾越しに魚津から見る蜃気楼が有名ですが
実は反対側の能登半島からも
規模は小さいですが割と頻繁に見られます
今回の写真でも
左右の半島と島の先っぽが
浮かび上がって写っているのですが
確認できますか?
それにしても
謎はまずます深まるばかりです
ビジネスコースの2年生が
このブログを読んでコメントを書くという課題に
「国語表現」の授業で取り組んでくれました
毎日少しずつ紹介していきます
題して【今日の生徒の叫び】
地震が起こった1日後の1月2日の学校の状況を今写真で初めて見ました。先生たちの部屋の様子を見て改めて残酷なことだなと思いました。今こうして学校に友達と来れている。そして、みんなで昼休みに友達と弁当を食べているなんてそのときは想像もできなかったことが、今楽しく生活できていることに本当に感謝しかないし、幸せなことだと思いました。
今でもグラウンドはなく体育館での練習をしていますが、こうして練習ができているということだけでも、とても幸せです。これからシーズンインしていく中で、グラウンドがないということを言い訳にせず、自分たち野球部の目標である春大「北信越出場」夏大「甲子園出場」を達成して、どんな状況や環境でもできるということを全国の人たち、そして家族、今まで支援をしてくださった方々に見せて恩返しします。
今、野球ができているのは、親、先生、支援してくれた人たち、応援してくれている人たちのおかげという感謝の気持ちを忘れず、あと1年を切った高校野球を、全力で愉しんでやりたいと思います。《濱田勢生》
「全力で愉しむ」いい言葉ですね!
いろいろの沈黙
地震から 408 日目
豪雨から 144 日目
サッカー部がフットサルの交流戦をしています
飯田高校
七尾高校
羽咋工業
が志賀高校に集まりました
冷凍庫の中みたいな体育館の中で
熱い闘いです
主体的・対話的で深い学び
このことを意識して
教育活動を行ってください
と先生方には日頃お伝えしてはいますが
なにせ
一を聞いて十を誤解する私にとって
対話は何よりも苦手とするところであり
もし今の授業に生徒として参加しろと言われたら
間違いなく保健室登校になっているか
主体的で対話的に振る舞う術だけを身に付けた
ずる賢い生徒に成長していると思います
ですので、対話を重視したグループ活動に
うまく加わることができずにいる生徒を見ると
痛いほどその気持ちがわかるのであります
そこで対話の中の沈黙について考察してみます
沈黙には理由があります
どのように対話の輪から外れていくか
順を追って振り返ってみます
(1)熟考のための沈黙
対話の中に何か引っかかるものがあって
頭の中で整理をしている段階です
この沈黙はむしろ歓迎すべき沈黙で
逆に無理に口を開かせようとしないことが大切です
この辺のさじ加減は
髙橋教頭先生がまことに上手です
校長に判断を求めるため説明する時
私が考え出すと
何も言わなくても即座に話を止め
考えがまとまるのを待ってくださるのです
何か後ろめたいことがある先生だと
(例えば自分が楽をしたいためだけの行事削減の提案)
ここで畳み掛けるように説明してきます
教頭先生はきっと熟考を重ね
ご自分なりの根拠と自信を持って
ご提案をしてくださっている証拠です
(2)置き去りになった沈黙
本当は言いたいことがあったのに
他の人がどんどん話してしまって
話題が違う方向に行ってしまい
話すタイミングを失ってしまった状態です
ファシリテーターを務める先生は
生徒をよく観察し
話を元に戻すとか
その生徒に話を振るなどの
フォローが大切になってきます
(3)対話迷子による沈黙
置き去りの生徒をそのままにしておくと
迷子になってしまいます
何の話をしているかわからず
どう発言して良いか分からず
とりあえず黙っています
この生徒は
ニコニコと笑っているのが特徴です
グループ自体の対話が盛り上がっていても
こんな生徒が増えてくると
やがて収束に向かいます
一旦振り返りをさせるなどの
ファシリテートが必要です
(4)しゃべってはいけない空気が支配する
「これを言うとバカにされるんじゃ?」
「そんなことも知らないの?
とマウント取られそう」
こうならないために
ここは何を行っても安全な場所だということを
ファシリテーターは徹底する必要があります
今共創しているOECDのミーティングでは
このことが徹底されていて
参加する生徒が
思うことを全て話すことができています
教師は対話の時間に沈黙があると
ついつい間を埋めるために
話をしがちです
その沈黙が何のための沈黙なのか見極め
適切な介入をする必要があります
来年はひのえうま
地震から 407 日目
豪雨から 143 日目
連日の大雪で
学校の駐車場も大わらわです
例年ですと
地元の土建会社にお願いして
除雪車に入ってもらっているのですが
被災地復興で出払っているので
お願いするわけにもいきません
そこで朝早くから先生方が総出で除雪作業です
誰もお願いしたわけでもないのに
自然にみなさんで助け合います
今から5年前の教頭時代
朝早くから除雪作業をしているのを横目に
「ごくろうさまでーす!」
と知らん顔で校舎に入っていく若手教員に
「手伝おうという気はないのか!」
と説教していたのにくらべると
これも震災のおかげでしょうか
自然と共助の気持ちが生まれてきている気がします
戸田 尊文 様はじめ
東大阪東ロータリークラブのみなさんが
学校に見えられました
発災当初からずっと寄り添ってくださり
大型スクリーンなど
多くの備品をご支援くださっています
このスクリーンは3月7日の
「街プロ」発表会でも使わせて頂く予定です
どうもありがとうございました
被災地への寄り添いというと
稲垣吾郎さん 草彅剛さん 香取慎吾さんらと
日本財団が共同で運営する基金
「LOVE POCKET FUND」さんが
輪島市に交流施設を建設する費用として
約1億3千万円を支援してくださるとの
新聞発表がありました
ありがとうございます
大阪大学の吉川徹教授より
書籍の寄贈がありました
吉川教授は
地方から都会への学生の流出
に関する研究をなさっています
半島の先端の過疎地にありながら
例年国公立大学へ一定数の合格者を輩出する
飯田高校と輪島高校に関心を持たれ
数年前に両校の卒業生を対象に
調査研究をなさったという経緯もあります
その際に
5年後の自分に宛てた手紙プロジェクトを
企画してくださいました
うちの末娘がちょうどその学年で
つい先日その手紙が5年の時を経て配達され
「こんなことを考えていたんだ」
と感慨深げでした
今回吉川教授にいただいた著作は
「ひのえうま」
2026年は「ひのえうま」にあたります
暦の十干十二支
十二支はご存じ
ね・うし・とら・う・たつ・・・
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
しちゅういんぼうしんしごびしんゆうじゅつがい
とも読みます
十二支は日本のほか
中国や韓国などアジアを中心に
15ケ国で使われており
ベトナムなどでは
ウサギの代わりに猫が入っていたりします
一方十干は
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸
(こうおつへいていぼきこうしんじんき)
日を10日のまとまりで数えるための呼び名で
10日ごとに「一旬(いちじゅん)」と呼びます
上旬・中旬・下旬と呼ぶのは
このことに由来しています
それぞれ
甲(きのえ・木の兄)
乙(きのと・木の弟)
丙(ひのえ・火の兄)
丁(ひのと・火の弟)
戊己(土の・・・)庚辛(金の・・・)壬癸(水の・・・)
とも読みます
十干と十二支を組み合わせて
甲子(きのえね)
乙丑(きのとうし)・・・
といった具合に
それぞれの年に呼び名がつきます
甲子園球場は
大正13年 甲子(きのえね)の年にできたので
その名がついています
今年は乙巳(きのとみ)の年です
ということは来年は丙午(ひのえうま)
前回の「ひのえうま」は昭和41年
この年に生まれた赤ちゃんの数は
その前後の年に比べると
4分の3しかいないそうです
その理由は
ひのえうま生まれの女は
気性が激しく男を不幸にするだの
現代ならば即アウトの差別思考で
子どもをつくるのを控えたことによるものです
著書はこの歴史について深く考察しています
この迷信のルーツは
1666年(寛文のひのえうま)にあるそうです
この年に生まれた八百屋お七は
江戸の町を火事で焼け出され
避難所でいっしょになった男に恋心を抱きます
再び火事になれば男と再開できると目論んだお七は
江戸の町に火をつけ
その罪で火あぶりの刑に処せられます
紅白歌合戦で本校に来てくださった
坂本冬美さんが歌われた
「夜桜お七」
で有名な話です
しかもなんと
冬美さんは昭和41年生まれ
まさに「ひのえうまの女」なのだそうです
実際にお逢いした冬美さんは
気性が荒いどころか
避難民一人ひとりに寄り添ってくださり
そして一緒になって涙を流してくださるなど
本当に心やさしい方でしたので
「ひのえうま」は怒りを禁じ得ない
人権問題レベルの迷信といえます
本書には
このような「ひのえうま」にまつわる
興味深い話題が満載ですので
ぜひご覧ください
【今週のありがとう】
埼玉県の書家 光田 紀美代 さま
私の言葉を素敵な書にしたためていただきありがとうございます
山梨県立都留興譲館高校のみなさま
支援ありがとう!いっしょにがんばろうね!
まるごみJAPAN代表 DJ KOUSAKU 様
能登応援弁当楽しみにしています!!
わじまミラクルずの ガッキーさま
「こども縁日」開催ありがとうございました』
ブルックリン日本語学園 ガルシア奈津子先生
遠くニューヨークでの募金活動ありがとうございました
※このコーナーではこれまで
ご支援いただいた方々を
ご紹介させていただいています
ゆでたまごを科学する
地震から 406 日目
豪雨から 142 日目
ゆでたまごの最適なつくりかたが
科学的に解明されたとの
画期的な発表が
イタリアの研究チームからなされました
これにつきましては
わたしもかねてより研究を進めていたところであり
先を越されてしまったことに
口惜しい思いを禁じえないとともに
同じ研究者として
心から敬意を表します
これまでの研究の歴史を振り返ってみますと
時間を計測している最中に
電話がかかってきたり
待ちきれず途中で食べてしまったり
一所懸命計測して作ったものよりも
晴れ女が何も考えず作ったもののほうが
はるかに美味しかったり
厳しい研究の繰り返しでした
卵は白身と黄身で固まる温度が違います
白身は60℃で固まり始め
65℃くらいで流動性がなくなり
80℃ほどで完全に固まります
一方黄身はおよそ65℃で固まりだし
70℃で完全に固まります
70℃のお湯で30分間加熱すると
白身は完全には固まらず黄身だけ固まった
「温泉たまご」ができあがります
100℃近いお湯で加熱すると
白身は完全に固まります
このとき5分ほどで取り出すと
黄身まで熱が伝わらず固まっていない
「半熟たまご」になります
今回のイタリアチームのつくりかたは
100℃の熱湯と30度のぬるま湯に
交互に2分ずつ16回浸すというものです
実験する前に
温度の伝わりかたを
コンピュータでシミュレーションするなど
かなり本気で研究していて
人類の発展に大きく寄与した研究といえます
しかもこの研究リーダーは
「私は卵料理は嫌いだ」と
おっしゃっています
だから途中で食べたくなる
衝動に駆られることがなかったんですね
なるほど
好きなことを研究するのではなく
好きでもないことを
無理やりやらされる中で
真実に辿り着く研究もあるのですね