校長室より「おこらいえ」
EARTHからD−ESTへ
地震から 496 日目
豪雨から 232 日目
輪島沖浮体式洋上風力発電の特集番組が
5月10日(土)20:54~
テレビ朝日/サタデーステーションで放映されます
21時15分~25分または
21時40分~50分のいずれか10分程度
となりそうです
輪島の復興のひとつ
浮体式洋上風力発電に焦点を当てた内容です
https://www.nedo.go.jp/fuusha/haikei.html
この方式だと
地震が起こったときにも
安定した電気の供給が期待できるとともに
新たな雇用の創出にも繋がりそうです
それに向けて本校では
電験技師の資格取得に向けての
特別講座も開始しています
その様子も報道されるかもしれません
是非ごらんください
昨日
兵庫県立学校の校長会のお招きを受け
「EARTHからD−ESTへ」と題して
講演をさせていただきました
「傷ついた神戸を
元の姿に戻そう
支え合う心と
明日への希望を胸に
響き渡れ僕たちの歌
生まれ変わる神戸の街に
届けたい私たちの歌
幸せ運べるように」
今年1月17日
この地を訪れた時に初めて耳にした
阪神・淡路大震災の時につくられ
今なお歌い継がれているこの歌を
最初に歌わせていただきました
あの時亡くなった方々が
ご自分の命と引き換えに
残してくださった多くの教訓と
あの時生き延びた方々が
今なお差し伸べてくださる
温かい手
そのお陰でこうして
今なお私は生きている
このことは発災以来
片時も忘れたことがありません
その感謝の思いを込めて
お話をさせていただきました
EARTHというのは
Emergency And Rescue Team Hyogo
被災地における学校の早期再開と
子どもたちの心のケアを支援する
兵庫県教育委員会の組織です
今回の能登半島地震においても
発災後すぐに珠洲市に入り
被災地に寄り添った支援を
してくださいました
一方で避難所にもなった本校には
発災後すぐに
災害派遣医療チーム
DMAT(ディーマット)さん
Disaster Medical Assistance Team
が入ってくださいました
医師や看護師そして業務調整員で構成され
大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に派遣される
専門的な訓練を受けた医療チームです
阪神・淡路大震災で
災害医療について多くの課題が浮き彫りとなり
平成17年4月に発足した組織です
今回本校にも
およそ3週間のサイクルで
全国の医療関係者が
入れ替わり立ち替わり入ってくださり
本校校舎内に
輪島市全避難所内で罹患した
コロナやインフルなどの患者を
一手に収容する病棟をいち早く設置し
あの劣悪な環境の下で
日の罹患者総数が20名を超えることがないという
奇跡的な医療行為を実践されています
それを日々目にしていた私は
教育にもこのような全国的組織があれば
との思いから
DEAT(ディート)
Disaster Educational Assistance Team の設立を
東北大学さんを通して提言させていただきました
それを受けて動き出したのが
D−EST(ディーエスト)
(Disaster Education Support Team)です
EARTHさんのようなチームを
全都道府県で設立し
連携を図りながら
災害があった際には
協力して被災地の教育的支援を行います
いわゆるEARTHの全国展開です
現在EARTHさんのような組織は
兵庫県の他に熊本県など5つの県で
組織されています
南海トラフのような
広範囲において被害が想定される地震においても
子どもたちの学びを止めないために
こうした枠組みづくりが急務です
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月7日「半島の最先端から世界の最先端へ」を読んで
「地震から一年が過ぎ
能登半島地震のことを取り上げるニュースが
今ではほとんどありません
ニュースで取り上げて欲しいわけではありませんが
復興のための何か力が欲しいと思っています
そんなとき「おこらいえ」で
「半島の最先端から世界の最先端へ」
と言う記事を見つけました
「新しい芽吹きはいつでも枝の先端から始まる」
といった内容のもので
素敵な考え方だなと感銘を受けました
これまでは自然災害の影響で
自分たちで何か行動を起こさなくても
話題性がありましたが
これからは自分たちで新しい芽吹きを
作っていただければならない
それが今の輪島に求められている
ということを考える
良いきっかけとなりました」
《匿名希望》
自芯を持つ
地震から 495 日目
豪雨から 231 日目
大阪の小津中学校さんへ
学校訪問させていただきました
OECDの2030ティーチングコンパス策定に向け
共創しており
先日のポルトガル研修旅行も
ご一緒させていただきました
とっても魅力的な教育活動をされていて
生徒も先生も生き生きと
輝いていたので
ぜひ紹介させていただきます
まず最上位の方針「学校のコンパス」
に沿って教育活動が行われています
これは生徒が中心になって決めたものです
校長先生やリーダーとなる先生が
異動して方針が変わることのないよう
『仕組み』を作ろうということが
きっかけとなったようです
年度はじめの職員会議では
ふつう校長の挨拶から始まるものですが
ここでは
生徒代表が
「学校のコンパス」つまり
基本方針を説明するのだそうです
学校評価において
「学校の方針を理解している」
と回答される先生が100%です
「学校のコンパス」に沿って
「先生のコンパス」などがつくられます
このほかにも教科ごとにつくられる
「教科のコンパス」もあります
こちらは「先生がワクワクすると木」
生徒から見て先生がワクワクしているとき
先生が実際にワクワクしているとき
このようにして
生徒と教師がわかりあえる
そんなしくみがあります
学校のレイアウトも生徒が考えます
こちらは図書室
落ち着いて学習のできる雰囲気が
個別にくつろげるスペースもあります
漫画コーナーがあったり
熱帯魚が泳いでいたり
これも生徒の探究グループが
地元の業者さんの支援を受けながら
自分たちで設置したものだそうです
職員室は真ん中を廊下が横切り
生徒が訪れやすくなるような
工夫がなされています
そしてフリーアドレス制です
先生方は朝来たら荷物を各自のロッカーに入れ
代わりにパソコンを持って
思い思いの席に着きます
その日の日程によって
関係の先生が集まって座ることができます
「床に物を置かない」など
最低限のルールが守られており
仕事のしやすい空間が実現されています
机の上にものが積み上げてあるのを目にするだけで
忙しそうな気がして気が滅入りますもんね
こちらはもともと職員室でしたが
壁を取っ払って
学習空間に転用した場所です
ストリートピアノが何気なく置いてある教室で
今授業中です
グループで話し合ったり個人で集中したり
それぞれのスタイルに合った
学習空間が実現されています
【被災地に電気が灯るまで】第32回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
前回から時間が経ちました
これまで学んだことの復習をしましょう
亜鉛と銅を導線で繋いで希硫酸に浸すと
亜鉛が陽イオンになって溶け出して
そのとき放出した電子が
導線を伝わって銅へ流れ出すh
これが電池の原型である
ボルタの電堆という装置である
ところがこの装置では
銅へ流れてきた電子を
溶液中の水素イオンが受け取って
水素の泡が銅にくっついてしまい
すぐに寿命が尽きてしまう
じゃあ溶液中から水素イオンをなくしちゃえ!
ということで
溶液を希硫酸 H2SO4 から
硫酸銅水溶液 CuSO4 に変えるといい
ところがこの装置には問題があって
それはどういう問題でしょうか?
というのが前回の宿題でした
生徒のみなさん
このコーナーでは思考力がつくように
問題を出しているので
飛ばし読みしないでぜひ考えてみてくださいね
そして
「えっ本当に?」
といった疑いの目を持って
読んでくださいね
この装置の困ったところ
それは銅イオンが
直接亜鉛から電子を受け取ってしまい
電子が流れないということです
Zn → Zn2+ +2e−
Cu2+ + 2e− → Cu
この問題をどう解決したらよいか
考えてみてください
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は1月16日「もうすぐ学校に来れるよ!」を読んで
「私は『おこらいえ』を
2024年の1月3日から読み続けています
私たちは県外や外国の方を含め
様々な支援を受けていたことを改めて知り
輪島に住み学校に通えていることに
よりいっそう感謝をしようと思いました
支援してくださった方々へ
感謝の気持ちを伝えたり
何か恩返しできるようにしたいです
この日のブログには
18日の登校日に向けて準備していることが
書かれていました
震災後少し連絡ができていても
対面で友達と会えなかった時間は
すごく寂しかったです
先生方は生徒が学校に通えるように
片付けをして机椅子などを並べて
準備を進めてくれたのには感謝しかありません
久々に友達に会えた感動を忘れられません
スクールカウンセラーの浅井先生と
話した生徒の話も載っていました
一人ひとりの生徒の話を読むと
前向きな気持ちになれました
進路実現まで残り1年もないので
ここに載っていたみんなのように
前向きに勉強したいと思います
一年経った今は
倒壊した家も解体され少なくなり
新しい家が立つようになってきたり
道路も整備されてきたことで
いろんな人々に支えられていると実感しています
今後いろいろなことに感謝し
恩返しできるような大人になりたいと思います
《匿名希望》
本当にその通りですね
私も最近は
支援の車両に頭を下げたり
道を譲ったりしています
これくらいしかできませんが
感謝の思いを伝えたいと思っています
イヤーワームが…!
地震から 494 日目
豪雨から 230 日目
おんなじ音楽が
ずっと頭の中をグルグルする現象を
ear(耳)worm(虫)現象といいます
ずっと虫がゴソゴソいる感じです
何にでも名前がついているもんですね
他にも…
《ファントム・バイブ・シンドローム》
幻想振動症候群ともいいます
携帯のバイブがなったので
着信かな?
と思って見ても
あれ?かかってない?
これもあるあるですね
《シミュラクラ現象》
3つの点が集まった図形が
人の顔に見える現象です
(∵)←これが顔に見える
《セルフ・ハンディキャッピング》
テスト勉強中に部屋の大掃除をしたくなる
しまいには部屋の模様替えまで始める現象です
万一成果を出せないときに備えて
前もってハンディをつけておくことで
心理的安心を図ろうとしているのだそうです
私もこの歳になっても
何か重大な決断を迫られている時に限って
無駄に掃除をしています
さて今回のイヤーワームは
「My Heart Will Go On」
パリからの帰りの便で見た
「タイタニック」のテーマ曲です
今にも落ちそうなほどに揺れる
飛行機の中で見たので
恋愛感情に似たドキドキ感で
心に残っているのでしょうか
これも「吊り橋効果」と名前がついています
ところでタイタニック沈没には
会社ぐるみの保険金詐欺事件という
見方があります
タイタニック号沈没にはさまざまな
不自然な点があります
事故のあった処女航海時に
(1)氷山があるのに
かなり高速で航行していたこと
(2)出航直前にオーナー始め関係者が
突如下船していること
(3)出港前に緊急救助要請をしていたこと
(4)燃料である石炭を
予定航行日をはるかに下回る7日分しか
搭載していなかったこと
しかもリンや硫黄の不純物を含む
粗悪石炭であったこと
(5)報告されている氷山との衝突箇所が
潜水調査結果と齟齬があること
(6)出航直前に多額の保険に加入していること
ところでタイタニック号には
姿かたちのそっくりな姉妹船
オリンピック号があります
このオリンピック号
タイタニック号に先駆けて
運行を開始していたのですが
数回事故を起こしていて
もう使い物にならないくらいでした
衝突事故も起こしていて
その衝突箇所が
沈没している
タイタニック号と言われている船の
傷跡と一致しているのです
これらのことを総合して考えられることは
タイタニック号出航の直前に
オリンピック号とすり替えて
初めから氷山に衝突して沈没させるつもりで
航行したということです
これならば
定員をはるかに下回る人数分しか
用意されていなかった
救命ボートに
船長が我先に乗った理由もわかります
ただ唯一の誤算は
要請していた救助隊の到着が
4時間もかかってしまったことでした
ただ
乗客に支払う補償金の額
この後運行会社が倒産していること
などを考えると
あまり信憑性のない説である
とは言われています
とはいえ
興味深いストーリーではあります
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は3月5日「怖い話」を読んで
「震災が起きたときに
いろんな方法でお金を騙し取ろう
としている人がいることが恐ろしいです
去年の地震が起きたときにも
不審な人物を見かけたと言う情報がありました
なぜ地震が起きて
被災地の方は困っているのに
助けてあげようという気持ちではなく
人を騙そうとするのかがわかりません
どんな情報でも鵜呑みにするのではなく
少しでも疑いを持つことが大事だと
改めて気づきました
そして発災後
各学校が教育委員会を中心にして
情報共有していたこともわかりました
これを真似することも大事だと思いました
例えば地域住民で小さなコミュニティーを作って
そのコミュニティーをどんどん大きくして
震災が起きた際には
不審者などの情報を
全体で共有していくことが
これからは必要になっていくと思います
普段から地域住民とコミニケーションを取ったり
地域の行事に参加したりする事が
災害時には役立つと思うの
地域の方に挨拶することから始めてみようと思います
《立野 一樹》
雲ひとつない五月晴れ
地震から 493 日目
豪雨から 229 日目
改修の終わったグラウンドで
思いっきり体育の授業ができるようになりました
今日はハンドボール投げの測定です
震災でボロボロになっていた中庭も
少しずつ整備されてきています
【今日のじょーおこらいえ】
生徒が校長ブログを読んで書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は令和6年1月3日「立ち上がれ!輪高」を読んで
「地震当初電波がつながらなくて
それまで学校の状況がわからず心配でした
3日にようやくスマホが見れるようになり
友達と連絡を取り合い「おこらいえ」を読みました
その時初めて学校の状態を知って
現状と酷さに絶句しました
輪島全体がそんなことになったかと思うと
悲しく言葉が出ませんでした
私は3月半ばまで学校に行けず
金沢で過ごしていたので
学校の状況が全然わからず
この先が不安でしたが
「おこらいえ」を通して知ることができ
とても助かりました
1月3日の投稿では
「生徒の皆さんは学校再会のその日まで
自分で学び続けてください」
という言葉がありとても印象に残りました
初めてこんなに長い期間学校に行けず
勉強を自分でやらなければならない
という状態になって
学び続けることが
気持ちの面などで難しくなった時期がありました
その時にこのブログの中の
「決して学ぶことを止めてはならない
自分で学び続ける」
と言う言葉を思い出しました
地震が起きて自由な時間が増え
だからこそ勉強することが億劫になり
学習することを怠っていましたが
この言葉を見て勉強しようと思えるようになりました
高校生が勉強する事は当たり前だと思うけど
その当たり前のことや
日常がなくなったとき勉強しようと思えたことが
良かったと感じています
どんな状況の中でも
自分のやるべきことを見つけ
実行することが大切だと思えた瞬間でもあります
地震が起きて
私たちの日常は大きく変わって
これまでのようにいかないことが
本当にたくさんできました
でもこれからもいつも通りに
勉強して生活していきたいと思います
《浜谷 美耶》
グラウンドが帰ってきました
地震から 492 日目
豪雨から 228 日目
グラウンドの改修工事が終わり
野球部の練習が再開されました
関係の方々に心からお礼申し上げます
私が研修旅行中に行われていた
春の北信越大会
星稜高校さん相手に8回まで2−1でリードしながら
最後逆転負けしてしまいました
その後星稜高校さんは
強豪校をコールドで破るなど快進撃を続け
夏のシード権を獲得しています
練習場所がなくても
工夫しながらできることをしっかりやれば
ここまで戦えるということを
身をもって証明してくれました
最後にひっくり返された
自分たちの弱さがどこにあったのか
夏に向けてしっかりと考えて
帰って来たグラウンドへ感謝の心を持ち続け
戦って欲しいと思います
実はこれからが本当の厳しい戦いです
夏の大会で不甲斐ない戦いをしようもんなら
あの改修は何だったんだ?
世間の風は一気に逆向きに吹いてくるでしょう
帰国してから聞いた話では
星稜−輪島戦に関して
新聞報道は
「星稜本調子出せず!」
といった書きぶりだったそうですね
たかだか地方大会の2回戦なので
取材バリューはさほど高くはないでしょうが
結果のみで論ずることなく
調子が出なかったのではなく
調子を出させなかった要因は何だったのか
そのあたりをしっかりと取材していただけると
新聞社への信頼度が一層高まります