校長室より「おこらいえ」

ポルトガルへ行こう

地震から 454 日目

豪雨から 190 日目

 

私の壮大なる妄想

世界平和について

 

トランプ プーチン 習近平と

大国の指導者はどいつもこいつも自国のことしか考えず

こいつらの暴走を止めるには

今こそ唯一の被爆国である日本が中心となって

国際協働を推し進めるべきであると思います

 

ヨーロッパあるいは中近東

どの辺の国と友好関係を築くのが良いでしょうか

 

まずはトルコ

1890年に発生したエルトゥールル号事件で

日本人の救助活動によって69名の乗組員が救助されて以来

1985年イラン・イラク戦争での日本人脱出のための航空機提供

2011年東日本大震災への救援など

親日国として知られます

 

現在輪島高校ではOECDや東京学芸大の協力のもと

トルコの教育省との連携を深めています

今年トルコから高校生を招き

日本の科学技術を学ぶ教育旅行を計画しており

現在資金繰りに奔走中です

 

次に

江戸時代にも交流が盛んであったポルトガル

ポルトガルは国の戦略として

シティズンシップ教育に力を入れています

保・幼・小・中・高・特別支援が一体となり

過疎地域における地方創生や

公平性を確保した学校の自由裁量の在り方にも取り組むことで

学校を地域のハブとして機能させる

いわゆる学校クラスターを形成させています

 

輪島高校でも被災直後は

保・幼・小・中・高・病・隊が一体となった

学校クラスターを形成していました

 

今年のゴールデンウィークを利用して

ポルトガルへ研修旅行に出かけます

現在希望する生徒を募集中です

 

ポルトガルの「シティズンシップ教育」から

日本の「歴史総合」や「公民」といった教科横断的な学習

あるいは学年や校種を超えた教育エコシステムの改革など

そういったものを学びたいと考える

教育あるいは医療などで地域に貢献したいという生徒を募集します

 

申し込み方法など詳細については

保護者あて一斉メールにてお知らせしてあります


野球部が

宮城・新潟遠征に出かけています

昨日交流会を開いていただきました

本日は3試合を行います

 

第一試合 輪島対仙台育英

 

 

 

 

 

 

朝方は風も強く小雨でしたが

第一試合を終えました

0−2でノーヒットノーランを喫しました

試合序盤は表情も固く輪島らしさは隠れていましたが

中盤からは笑顔と勢いがありました。

 

12時 金沢桜丘対仙台育英

14時半 輪島桜丘合同チーム対仙台育英

の予定です


【被災地に電気が灯るまで】第8回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

先日の第7回では

鉄が塩酸に水素の泡を出しながら反応すること

銅は塩酸と何の反応も起こさないことを説明し

鉄と銅をいっしょに塩酸に浸けるとどうなるか?

問題提起をしました

 

答えは

 

鉄は塩酸に水素の泡を出しながら反応しやがて溶けてなくなり

銅は塩酸と何の反応も起こさない

です

 

ごめんなさい

当たり前ですね

 

ところがふたつの金属をくっつけて浸けると

今度は銅の周りに水素の泡が発生し始めます

そして鉄はやがて溶けてなくなります

 

何が起こったのでしょうか?

 

鉄を亜鉛という別の金属に変えても

全く同じことが起こります

 

ところでピラミッドの中から

不思議な遺物が発掘されたことがあります

陶器製の壺の中に銅と亜鉛の棒が

突っ込まれています

 

呪術的なものでしょうか?

それとも?

 

この正体はまた次回

不思議な出会い

地震から 453 日目

豪雨から 189 日目

 

Posttraumatic growth という言葉があります

大きな心の傷を負ったものは

その後大きな心の成長を遂げる

というものです

 

その中のひとつに

人智を超えた神秘的なものへの心の変化があります

私自身そういったものや人との出逢いを

数多く経験してきました

 

アナウンサーの原田幸子さんとの出逢い

彼女は東日本大震災で被災し

石川県へ避難して来られました

後ろ髪を引かれる思いで

福島の放送局をあとにしました

心無い言葉を投げつけられ

かなりつらい思いをされたそうです

 

話は変わって

私自身は初詣中に被災し

神社の裏山に駆け上がりました

朝市の火災を知り深夜に戻ろうとしたのですが

それを必死で止めたのが

いっしょにいた末娘です

翌朝帰り道で

土砂に埋もれたり

道路の裂け目に落ちたりした車を何台も見かけましたので

あのときの末娘の行動が私の命を救ったと思っています

 

その末娘

「輪島でみんながつらい中必死で頑張っているのに

 自分だけ金沢の大学で何の心配もなく

 勉強していていいんだろうか?」

相当悩み心を病むほどになっていました

 

そこで

同じようなご経験をされた原田アナに

娘の気持ちを聞いてあげてほしいとお願いしたところ

その後親身になって何度か逢ってくださいました

 

おかげで先日無事大学院を修了し

名古屋で就職することになりました

 

今日は引っ越しのため名古屋に向かっています

 

その原田アナが先日被災地を訪れてくださいましたので

隆起した海岸線

燃え尽くされた朝市などを案内して最後に

朝市通りにポツンと焼け残った我が家の中も

見ていただきました

 

家に入った瞬間足元にひらりと一枚の紙切れ

これです

 

 

 

 

 

 

末娘が高校生の時にもらった表彰状

地元の「北國新聞」の記事を読んでの

感想文コンクールの賞状です

 

今まで何度も出入りしていた玄関口

こんなものが落ちていたら絶対に気づくはずなのに

 

原田アナが来るのを待っていたかのように

しかも当時末娘が読んだ記事が

「石川と被災地をつなぐ」

東日本大震災の記事でしょう

何かに導かれるかのような

不思議な出会いでした


さて賞状をくださった北國新聞さん

そこが発行する「アクタス」という情報誌があります

今月号に大変興味深い記事を見つけました

養老孟司氏へのインタビューです

 

江戸幕府が倒れたのは

安政の地震への幕府の対応のまずさであるとし

ときの政権にとって天災対策が最も重要である

と語っていらっしゃいます

 

現在の日本において

原型復旧が基本で災害前より良くなっちゃあいけない

というケチな役人の考えを批判されています

 

よくぞ言ってくださいました

養老氏に心から拍手を送るとともに

よくぞ書いてくださいました

北國新聞さんにも感謝です

 

被災民から直接には言いづらいです

なにしろ奥ゆかしいもので

 

もし今度日本のどこかで同じことが起こったら

今度は自分も声を大にして叫んでやろうと思います


【被災地に電気が灯るまで】第7回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

先日の第6回では

人類がついに塩酸を手に入れたこと

そしてこの塩酸が電池の発見に

重要な意味を持っていることを説明しました

 

先日説明したように

塩酸に鉄を浸けると

鉄の表面に水素の泡がつくのが観察できます

 

一方銅は塩酸に浸けても泡はでませんし変化しません

 

では問題です

鉄と銅をいっしょに同じ酸に浸けるとどうなるでしょう?

答えは明日

新人さんいらっしゃい

地震から 452 日目

豪雨から 188 日目

 

新しく輪島高校へいらっしゃる先生方が

本日学校に集まってくださいました

 

大学出たての新規採用者が5人もいます

全教員数が30名足らずの小さな高校ですので

まさに6人にひとりが新採者という

高齢化社会においては稀有な存在です

 

しかしこれは本校に限ったことではありません

奥能登の高校はすべて同じ状況です

教員のなり手がいないのでしかたありません

 

それにしても今日の5人は

100キロ以上の波うった道のりを超えて

よく来てくださいました

 

いきなり縁もゆかりもない被災地への赴任

今おそらく日本一過酷な環境の職場

 

そんな5人にこんな話をしました

「あなた方は選ばれし5人です

 誰がこんな職場で働こうなんて思うでしょう

 どんな悲惨な環境の下でも

 あなた方なら教育への情熱を失うことがない

 県教委はそう判断したからこそ

 あなた方をここへ遣わしたのです

 どうか誇りを持ってください」

 

教員生活のスタートを

この学校で切れるということは

自ら考え自ら行動をおこす

主体的な教員になるための第一歩に

きっとなるはずです


さてもうひとつ困った問題が

英語の教員がどうしてもひとり足りません

講師の人材も不足しているので

どうしようもありません

 

こうした問題はこれから日本の各地で

いやもう既に始まっています

 

「できない言い訳考える暇があったら

 どうやったらできるか考えろ」

常にそう言い続けていますので

知恵の出しどころです

 

ピンチをチャンスに変える名案です

英語以外の教員が英語を担当するのです

 

教科を教えるのではなく

教科で教えるのです

 

教科の知識を伝えることではなく

生徒の学びの心に火をつけるのが

教師の本当の役割だとしたら

もちろん英語科の教師の方がいいに決まっているけれど

英語じゃなくてもできることはあるはずです

 

教科横断やSTEAM教育を一気に進める

チャンスであると思うようにします 


【被災地に電気が灯るまで】第6回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

先日の第5回までに

人類と金属との出会い

そして人類と酢の出会いについて説明しました

 

酢はラテン語で「酸っぱいもの」を意味する

「acetum」と呼ばれていました

現在でもイタリア語で酢のことを「aceto」といいます

やがて英語で「acid」 に変わり

中国でも同じようなものを

「酸」と呼んでいました

 

では金属と酢が出会うとどうなるのでしょう

長いこと金属を酢に漬けておくと金属が錆びます

そして金属の表面には水素の小さな泡がつきます

 

酢には金属を変化させる力がある!

このことを利用しようとしたのが錬金術師です

酢を使って鉄を金に変えられないかと考えたのです

 

ある錬金術師は

海水にミョウバンを混ぜたものに

不純物として銀を含む金を漬けると

緑色の煙を上げながら

不純物の銀が取り除かれ

美しい純金を得ることができることを

発見しました

 

そしてこの時残った液体に金属を漬けると

酢に漬けたときよりも早く

金属は泡を出しながら変化していくのです

つまりこの液体は強力な酢といえます

 

この液体は「hydrochloric asid」とのちに名付けられます

「hydro」は水素

「chloric」は緑色を表します

葉緑体の色素クロロフィルのクロロです 

そして中国では

海水つまり塩からできた酸

「塩酸」と名付けられました

 

人類はこの塩酸を手に入れることにより

さらに一歩前進したのでした

 

これがどのように電気に結びついていくのか

続きはまた明日

能登応援弁当

地震から 451 日目

豪雨から 187 日目

 

山梨から千葉へ「街プロ」ツアーに出かけている

生徒4人の様子を

山上佳織先生がお伝えくださいます

 

今日は朝4時に起床し

株式会社せんどう潤井戸プロセスセンターにやってきました

こちらは千葉県を中心に24店舗展開している

スーパーせんどうのお惣菜やお弁当の工場です

 

 

 

 

 

 

能登半島地震の際には1月7日に1000食分の食材を

輪島の避難所に届けてくださったそうです

その後は収益の一部を輪島の復興支援金とするための

能登応援弁当を販売しているとのこと

第一弾の輪島のふぐ唐揚げ弁当は6000食完売し

次の能登応援弁当のアイディア出しを

輪島高校の高校生もお手伝いすることになりました

 

 

 

 

 

 

地震から一年以上が経過しても

継続して能登を応援してくださっていることを知り

今私たちにできることは

お弁当がより良くなるように

せんどうさんといっしょに考えること

 

能登がもっと住みやすくなるよう

わたしたち自身も

努力し続けていきたいと思う旅となりました

 

 

 

 

 

 

まるごみ実行委員会及び関係者のみなさま

ハードスケジュールでしたが

とても楽しい学びの多いツアーをありがとうございました


さて先日鳥取県議会で国内初となる

「性的ディープフェイク」を禁止するなどとした

県青少年健全育成条例」が可決されました

 

「ディープフェイク」とは

AIを活用して作られた

フェイクの映像や音声を指します

 

トランプ大統領があたかも実際に喋っているような

動画の作成もできてしまいます

 

他人の顔写真を

ポルノ動画などに性的な目的で加工・悪用するものを

「性的ディープフェイク」といいます

SNSに投稿された顔写真が悪用されるケースもあります

これらの顔写真をもとにまずAIが

対象者の顔の特徴を学習します

そして既存のポルノ動画などから

動きや表情が合うものが選ばれ合成されます

その出来栄えは

生成された映像は被害者本人でさえ

「本当に自分なのでは」と思ってしまうほどだそうです

 

生徒のみなさんに注意してもらいたいこと

(1)面白半分で他人の写真を加工しない

  友人の顔を使った画像を作ることは

  重大な人権侵害問題です

(2)自分の顔写真を投稿しない

  「顔写真を投稿する=ネット上でコピーされ得る」

  という意識を持ちましょう

  このブログでも名前付きで顔写真を掲載するときは必ず

  誰か判別できないレベルに画質を落としています

(3)被害に遭ったら相談しましょう

  被害に遭った児童生徒等が最も怖れるのは

  誰にも言えないことです

  学校は安心して相談できる環境を整え

  被害者に寄り添います


【被災地に電気が灯るまで】第5回

 発電と電池の仕組みについて学び

 エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

先日の第4回では

人類が偶然金属の作り方を手に入れた話をしました

そしてこの金属が電池や発電装置に

重要な意味を持つのですが

 

もうひとつ

電池や発電機に重要な意味を持つものがあります

今日はその発見の歴史を

 

狩猟生活から農耕生活へ

その日暮らしではなく

食べ物を貯蔵できるようになった我らが祖先

 

しっかりふたをして貯蔵していたブドウの実

ひさびさに開けてみるとなにやら香しい匂いが

 

匂いにつられて呑んでみると

おいしくて

なにやら楽しい気分にもなるではありませんか

そう

お酒との出逢いです

 

これはおいしいや

大事に呑もうとそのまま取っておくと

今度は変な匂いがしてきて

呑んでみると酸っぱくて呑めたものではありません

でもほんの少し料理に入れてみると

味の決め手となっておいしくいただけます

そう

酢との出逢いです

 

こうして金属と酢を手にした我らが祖先

いよいよここから電気との出逢いになっていくのですが

 

それはまた明日

淡路高校さんいらっしゃい

地震から 450 日目

豪雨から 186 日目

 

本日朝刊でご覧になれますが

次年度の石川県の教職員人事が発表されました

 

昨年の人事異動で被災地の教育のため自ら志願し

輪島高校に来てくださった坂下先生が

元の学校に戻られることとなりました

小さなお子さんにさみしい思いをさせながら

一年間本当に生徒のため尽くしてくださいました

 

本日HAB(北陸朝日放送)の「ふむふむ」で

坂下先生の奮闘ぶりが放送されます

時間は18:15~19:00の間です

心からの感謝を込めて拝見しようと思います

みなさんもぜひご覧ください


兵庫県立淡路高等学校から

4人の生徒さんが訪ねて来てくださり

本校生徒と交流を深めました

 

 

 

 

 

 

 

輪島高校からは

「未成年の主張」を開催したグループ

   花火を打ち上げたグループ

「猫も人も食べれるお菓子」を開発したグループ

が発表しました

 

 

 

 

 

 

 

淡路高校さんからは

選択授業「防災と心のケア」で学んだことを

発表していただきました

 

 

 

 

 

 

淡路高校さんは

阪神淡路大震災の震源地から

最も近い高校なのだそう

「語り部活動」や「炊き出し訓練」など

震災を風化させないための

さまざまな取り組みをしていらっしゃいます

 

防災ポーチの作り方を教わりました

 

 

 

 

 

 

 

また全国でも珍しいパティシエコースがあります

生徒さんがつくったスイーツをいただきました

 

 

 

 

 

 

 

地震で隆起した海岸の観察に出かけました

 

 

 

 

 

 

無残に崩れ落ちた山肌と

隆起して新しくできた

まばゆいほどに真っ白なビーチ

地獄と天国が同居しているような風景です

 

被災した住宅の見学も行いました

 

 

 

 

 

 

被災地の生徒による

被災地の案内ツアーにも

次年度は力を入れていきます

ご希望の方はぜひ学校までご連絡ください


1年生4名が山梨県の武田神社を訪れています

 

 

 

 

 

 

 

 

都留興譲館高校

駿台甲府高校

山梨英和高校

まるごみ実行委員会や有志の皆様とともに

能登復興祈願竹灯籠作りに挑戦しました

 

 

 

 

 


その後皆さんと共に夕食を神社で食べました

その中に1年生が考案した

能登応援弁当「小学生に大人気 生姜くせ〜生姜焼き」

がありました

株式会社まもかーる様が調理してくだった生姜焼きは

豚肉が柔らかくほんのり甘い生姜焼きで

小学生に大人気間違いなしの美味しさでした

 

 

 

 

 

 

 


その他にもナンプラーの代わりに

いしる入りのグリーンカレーや

いしるを使ったイカと大根の煮物もありました

地元婦人会の創作メニューもたっぷり並び

皆でワイワイ食べました

 

 

 

 

 

フィナーレでは

12月に輪島高校に支援金を届けてくださった

都留興譲館高校PTA会長様が

涙ぐみながら「応援しています」

とエールを送ってくださり

皆様の暖かさにふれ感動と感謝の一日でした


【被災地に電気が灯るまで】第4回

発電と電池の仕組みについて学び

エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー

 

先日の第3回では

人類が火と出逢うことにより

「調理」という新たな技術を手に入れたこと

について説明しました

 

その辺の石ころを並べてかまどをつくり

今夜のごちそうをつくっていた我らが祖先

かまどを形作っていた石のひとつから

どろどろ

なにやら赤い物が流れてきます

「気色わる!」

「なにこれ??」

「そういえばこの石だけなんか赤っぽかったよね」

「なんか気味悪いから今夜はもう寝よ」

おひらきとあいなりました

 

たまたま拾った鉄鉱石を加熱することで

真っ赤に燃えたぎった鉄が流れてきたのです

 

翌朝

「やれやれ夕べの片付けしよ」

「なんか夕べ気味の悪い赤いどろどろあったよね」

「あれ???」

「夕べの赤いどろどろが!」

「なんだか黒いカチコチに!」

「これなんか見たことあるよね!」

そう隕鉄との再会です

 

かくして柔らかくて加工しやすい特別な石つまり金属を

自らつくる方法を見つけた我らが祖先

この不思議な石の発見が

このあとの人類の歴史を大きくかえることになろうとは

このときは知る由もないのでした