校長室より「おこらいえ」

ミライシコウ金沢

地震から 440 日目

豪雨から 176 日目

 

金沢大学が主催する

第3回ミライシコウ金沢

高校生探究成果発表会および高校生国際会議

が開催されました

 

金沢大学は旧制第四高等学校

「しこう」と呼ばれていました

一高は現在の東京大学

二高は東北大学

三高は京都大学です

「未来志向」「未来思考」「未来至高」「未来四高」

きっとさまざまな意味が込められているのだろうなと

 

北陸の高校以外にも仙台や東京などから

海外からもシンガポールの高校生が集まり

互いの研究成果を発表しあい

国際社会が抱える諸問題について

理解を深めました

 

①文化・芸能・歴史

②家庭・衣食住・経済

③地域課題・観光

④教育

⑤国際会議

⑥保健・多様性・共生

⑦環境・防災

⑧化学・生物

⑨物理・ものづくり

⑩数学・情報

の10分野に分かれます

本校が参加したのは⑤国際会議

英語のみで行われるセクションです

OECDパリサミットに参加した

2年生7名が発表しました

地震がきっかけでできた

海外の高校生との縁

さまざまな交流を通しておこった

故郷輪島への思いの変化を発表しました

「パリへはどんなことを期待して渡ったのですか?」

との質問にも堂々と答えていました

 

いっしょに参加した1年生7名も

いろんなセクションの発表を見てまわりました

 

金沢大学附属高校さんからは

輪島塗の保全や輪島の復興に関する発表も行われました

以前発表会でお見かけしてお声かけし

いっしょにOECDのサミットに

オンラインで参加もしてもらっているグループです

 

同じく金沢大学附属高校さん

物理分野で

「二階から目薬を成功させる極意と効果に関する研究」

の発表がありました

「二階から目薬」とは

思うようにいかずもどかしいこと

回りくどくて効果がないことのたとえです

この諺の真偽を物理的に検証する研究です

私も以前同様の研究を指導していたことがあって

いろいろ計算と実験を繰り返していたなと

懐かしく思い出していました

国語と物理

学際的な研究ですね

 

金沢錦丘高校さんからは

「災害時にも使える手軽な小水力発電機構の提案」

水が流れる場所であれば

どこにでも設置できる発電機を開発しました

これまた同様の研究を以前指導していたことがあり

男子トイレで定期的に流れる洗浄用の水

あれを発電に利用できないか考えたアイデアでした


野球部は高岡商業で練習試合です

今年の開幕戦

土のグラウンドで全く練習できていなかった選手たちは

生き生きとプレイしていました

 

 

 

 

 

 

敗れはしたものの 

野球ができる喜びを体全身に漲らせ

本当に楽しそうです

相手の素晴らしいプレイには

敵味方なく「ナイスプレイ!」

これが高校野球本来の姿なのだろうと

嬉しくなりました

 

富山県は高校野球人気が高く

練習試合には近所のおじいちゃんが

大勢ネット裏に集まる土地柄です

帰り際におじいちゃんから

「輪島ようやった!また来られ!のう!」

と声をかけていただいていました

「HAB」で紹介されました

地震から 438 日目

豪雨から 174 日目

 

先日の「街プロ」発表会

北陸朝日放送で紹介されました

https://www.youtube.com/watch?v=OLPvNkYNW8s&list=PLifVGdqsTJWi9DF7nQZHYVtEiB7thUI6b&index=15

 

社会応援ネットワークの

高比良 美穂 様 高坂 健彦 様

そして防災教育学会会長の諏訪 清二 先生が

訪ねてきてくださいました

 

諏訪先生は全国で初めて

防災に関する学科が設置された

兵庫県立舞子高等学校で

環境防災科の初代科長を務められた方で

現在でも複数の大学で講義を担当されているほか

全国でご講演などなさって

防災教育にご尽力していらっしゃいます

 

いろいろインタビューをしに来てくださったのですが

防災教育の大先輩からは

実に多くのことを学ばせていただきました

 

社会応援ネットワークさんからは

さまざまな出版物もいただきました

 

 

 

 

 

 


先日高校入試も終わり

現在先生方は採点作業に取りかかっています

 

石川県には

簡易提供制度というのがあって

受験生が教科別の得点と合計点の情報を

口頭で知ることができます

 

以前この係をしていたことがあります

不合格の生徒にも知る権利があります

そのときの伝える側のつらいこと

結果を聞きそのメモをとり

うつむいてじっと涙をこらえ

15歳にしておそらく初めての挫折の経験

そんな生徒でも

終わったあとは

「ありがとうございました」

って頭を下げていくのです

 

「ありがたくなんかないやろ」って

後ろ姿を見送りながら

「もしこの子の答案を自分が採点ミスしていたら・・・

 正解なのにペケをつけていたら・・・

 その一問のために不合格になっていたのだとしたら・・・」

とてつもなく恐ろしい気持ちになるのでした

 

ひとりの人間の将来を変えてしまうかもしれない

入試の採点にはそんな大きな意味があるのです

 

ですので先生方は1問1問丁寧に

決して間違いのないよう

15年間その子が歩んできた人生を思いながら

採点をしています

おさんぽメガネ振り返り

地震から 437 日目

豪雨から 173 日目

 

本日は入試の2日目です

受験生たちは今日もがんばりました

 

校内放送の係の先生が

放送室からこんなものを発掘してきました

 

 

 

 

 

 

原田真二さんの「シャドーボクサー」

フォーリーブスさんの「ヘイベイビー」

吹奏楽部顧問の高森まどか先生は

「これが噂のLPというものですか!」

違います

これはシングルレコードといって

LPはもっと大きいです

世代間ギャップをまざまざと感じました


先日本校で実施された

「街プロ」発表会

先生方には教科のメガネで発表を見ていただきました

総合的な探究の時間を中心として

いかに各教科の内容を有機的に結びつけていくか

今本校の教育における最も大きな課題です

 

先生方からのレポートをまとめました

 

 おさんぽメガネふりかえり.pdf

 

生徒が興味関心を持って進めている探究活動から

どう教科の学習につなげていくのか

アイデアが満載です


これまた先日大阪城で実施された

OECD「おさんぽメガネ」ワークショップ

能登半島からは輪島高校(能登スクール)

東京都からは特別支援学校の立川学園(立川チーム)

大阪府からは小津中学校が参加しています

 

以下引率の山上佳織先生からのレポートです

 

「2日目は能登スクールメンバーからの

 立川チームともっと対話したい!というリクエストにより

 オープンニング前に自由参加による朝活からスタートしました

 

 

 

 

 

 

 ラジオ体操をした後

 手話クイズで交流を深めます

 実は能登スクールメンバーは

 初日から自主的に手話の下調べをしていました

 先生から調べてと言われたからではなく

 交流したいから調べていました

 なんとそれは

 2日目の朝活が終わってからも続いていました

 

 

 

 

 

 

 おさんぽメガネワークショップ手話チーム振り返りでは

 立川メンバーから

 手話を「教え甲斐があった」

 という意見の付箋があり胸が熱くなりました

 その後の2年生の街プロ発表では

 なんと4人で手話で登場です

 

 

 

 

 

 立場や年齢だけでなく

 様々な壁を超えてつながろうとする

 生徒たちの目は輝いていました

 教師、生徒ともに充実した2日間でした」


本校の卒業生で

現在上越教育大学4年生の浦野結太さんから

卒業論文が届きました

 

 

 

 

 

 

「震災後における著名人の慰問が

 子どもたちの自身の将来展望に与える影響」

本校生徒達へのアンケートをインタビューが

まとめ上げられています

 

「誰よりもつらい思いをしたみんなは

 きっと誰よりも強くなれる」

の言葉をくださった本田圭佑さん

 

サプライズライブを決行してくださった

ゆずさん

 

本校も舞台となった「まれ」で主演

役柄上はみんなの先輩にあたる土屋太鳳さん

 

みなさんがきてくださったときの

生徒の心の動きに関するものです

 

調査期間中ではないとき

たとえば卒業式のスマイルアップさん

たとえば大晦日の坂本冬美さんなどは

今回の調査には含まれていません

 

著名人の慰問により前向きになった生徒が62%

「嬉しくて前向きになるエネルギーをもらった」

など被災民の心のケアに

大きな役割を果たしていることがわかりました

やるっきゃない

地震から 436 日目

豪雨から 172 日目

東日本大震災から14年目

 

今日は3月11日

日本人にとって忘れられない日です

 

本日高校入試が行われている本校でも

金色の国旗玉を黒い布で覆い隠した弔旗で

お亡くなりになった方のご冥福をお祈りしています

 

 

 

 

 

 

新聞各紙にも「東日本大震災14年」の記事が

 

14年たっても3万人近くの方が

避難生活をされているようです

 

読売新聞では

汚染土の受け入れ意向に関する調査を行っています

それによると条件附きで受け入れるとした県が5県

容認できないとする県が5県

石川県は無回答でした

容認できないとする沖縄県知事は

「電力供給されている受益者間で解決する問題」

と説明されています

米軍基地を自県だけで抱えておられますので

当然の見解であろうと思います

放射能汚染土の問題も

沖縄の米軍基地の問題も

ひとつの県に押しつけるのではなく

日本全体で考えていくべき問題です

 

北陸中日新聞では

能登半島にある志賀原発の再稼働について

論じていました


本日午後8時よりNHK「うたコン」にて

おおみそかに坂本冬美さんが

本校で歌ってくださった模様が

放送されました

 

曲は「風に立つ」

思い出しました

「そうさ人生やるっきゃないさ」

この歌詞に力づけられたこと

でも「きゃ」って何?

気になって調べてみました

どうも方言の一つ

東京弁のようです

やるしかない→やるしきゃない→やるっきゃない

促音化するのは東京弁によく見られる特徴です

かっこいいですね

べらんめえ

 

もともとは土井たか子氏が

女性初の社会党委員長に就任した時に発した言葉で

1986年の日本新語・流行語だそうです

 

実は我が家でも

毎年「平野家の流行語大賞」を選出していて

例えば2002年は「モキモキ!」でした

これは母親が落ち込んでいるときに

3歳くらいの娘が

慰めようと抱きしめながら発した言葉です

以来

娘たちが泣いている時には

「モキモキ!」と言って抱きしめてやると

不思議と泣き止むのでした

 

赤ちゃんが泣き止まないときに

「ふーっ」て顔に息を吹きかけてやると

ピタリと泣き止む

て言うのを昔

「伊藤家の食卓」と言う番組でやっていましたが

我が家の娘らにも効果がありました

 

「我が家の流行語大賞」

20年分くらい記録に残してあったのですが

今回の震災でどっか行っちゃいました

小さいお子様のいるご家庭の皆さん

これ楽しくて思い出に残るのでオススメです

 

昔「スチュワーデス物語」で

堀ちえみさんが

「やるっきゃない!やるっきゃない!」

「教官!」

ってやってましたね

今なら

「キャビンアテンダント物語」ですね

スチュワーデスという言葉も

使われなくなって久しいです

 

先日のブログで

「保母」って書いたら

三女から

「今は保育士って書かないと!」

とお叱りをうけました

 

もうひとつ次女から聞いた「保育園あるある」ネタ

「どこの保育園にも『社長』の異名をとる

 大物感を漂わせる園児がいる」

もしかして「関西の保育園あるある」かもしれません

それでも正解のある問い

地震から 435 日目

豪雨から 171 日目

 

今朝は学校の電話が繋がらなくて

各方面にはご迷惑をおかけしました

なんでもNTT側の電圧が下がったのが原因らしく

そんなこともあるんですね

 

明日から入試が始まります

「何が起こるかわからないぞ

 高校入試に向けて

 一生懸命勉強してきた子らの努力が

 正当に評価できるよう細心の注意で臨め」

という神様からの忠告と捉え

職員一同緊張感を持って臨みます

 

試験中に余震が襲って来る可能性もあります

試験続行が不可能なくらい

すなわち元日レベルの余震に襲われたら

原則として直ちに輪島中学校に全員を避難させ

そこでお子様の引き渡しを行います

輪島中学校以外の受験生につきましても

高校職員が責任を持って

輪島中学校まで誘導いたします


さて

正解のない問いに立ち向かう力

これが現在の学校教育で重要視されていますが

全ての問いに正解がないわけではない

歴然とした正解のある問いも存在する

という認識は持つ必要があります

 

「当行は1+1=2であるとは限りません

 たとえば預金する際には

 1+1=1になったりしますし

 お引き出しになる際には

 2ー1=0になったりします」

こんな銀行イヤですよね

 

創造性豊かな人材が歓迎されない職場もあります

医療現場です

医療の世界は

経験による確実な臨床実験の上に成り立っており

「この薬とこの薬をいっしょに飲めば

 なんだか治るような気がする!」

なんて医者は迷惑この上ないのです

以前あるお医者様から伺った話です

 

最近SNSでこんな投稿が話題になっていました

 

「ごんぎつね」の感想にまつわる25年前の思い出の投稿

 

忘れた方のためにあらすじを振り返ると

イタズラ狐「ごん」と村の青年「兵十」の物語

ごんはある日イタズラ心で兵十のウナギを盗みます

そのウナギは兵十が病気の母親のために獲ったものだと

母親の葬儀を目にしたごんが気づきます

申し訳なく思ったごんは

栗やマツタケを兵十の家にこっそり届けるように

ある日そんなごんの姿をみつけた兵十は

恨みを込めて撃ち殺してしまいます

倒れたごんのそばに栗やマツタケが落ちているのを見た兵十は

届けていたのがごんだと気づきます

筒口からは青く細い煙が…

という物語です

 

この時の兵十の気持ちについて投稿者は

「殺さなければもっと栗やマツタケを食べれたのに」

 

これに対して先生のコメントが

「がっかりです

 もっとしっかり読みなさい」

 

これに対して

「小学生の感想なんだから自由に書かせろ」

「これだと国語嫌いになる」

「凝り固まった頭の先生だ」

などと一気に炎上

 

多くは正解のない国語の教材の中でも

この作品は明確な正解のある作品だと

私は思いますがいかがですか

 

先生を批判された方に言いたいのは

あなたが亡くなる時に

あなたの子どもが

「もっと生きたらもっと小遣いをくれたのに」

って思ったとしたら

あなたはどんな気持ちがしますか

あなたはそんな子ども育てたいですか

ってことです

 

私の次女は保育士をしています

そんな娘から聞いた興味深い話

いい子だった子が

突然友達を叩いたり噛みついたりを

繰り返すようになることがあるそうです

そんな時決まって数日後に

お母さんの妊娠が明らかになるのだそうです

不思議ですね

宿ったばかりの妹や弟に

おかあさんを取られるような気がするのでしょうか

 

実はごんぎつねの投稿者さんも

この時おかあさんの妊娠がわかって

さみしくてわざとあんな感想を書いたのだと

明らかにしています

そして先生とは信頼関係があったということも

 

教員は生徒のことを考えてコメントしています

表面だけ見て直ちに批判することは

是非やめていただきたいと思います

 

「あの場面は絶対スクイズやろ!」

監督の采配を批判する方がいらっしゃいます

直前の練習試合の大事な場面でスクイズ失敗して

心に傷を持ったまま試合に臨んでいる選手に

スクイズのサインを出せない時もあるのです


【今週の生徒の叫び】

校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた

コメントを紹介するコーナー

 

今日は11月21日「卒業」

のコラムを読んでくれた生徒からです

 

「私はまだ卒業はしないけど今の3年生を見ていたら

 高校の3年間なんて

 あっという間に終わってしまうのだと思いました

 私たち2年生から3年生を見るともう大人だなと思います

 自分のやりたいことを見つけ一生懸命頑張っている

 3年生は私たち後輩の良い見本であるそう思います

 災害で環境が不安定な中でも必死に登っている

 3年生はすごく頑張っているなと思います

 話は変わりますけど

 私の友達にとりあえず短大へ行く人がいます

 何をしに行くのか聞きますけど

 全然理由になっていない答えが返ってきたりするので

 この人は時間とお金を無駄にするなと思いました」