校長室より「おこらいえ」

山中毅選手の栄光のプール

53日目

 

輪島高校の卒業生には

ふたりのオリンピック選手がいます

 

最近ではピョンチャンオリンピックに

スケルトン競技で出場した

小口(旧姓大向)貴子選手

 

古くは昭和31年メルボルンオリンピック

なんと現役3年生の山中毅選手が

銀メダルを獲得したのです

 

当時の山中選手が練習していたと言われるプールが

鴨が浦という海辺にあります

なんと岩をくり抜いて作ったプールです

中には天然の海水が…

波が荒れれば危険で使えなくなるプールです

岩と岩の間に縄を張ってコースを作り

ストップウォッチがないので

ヒモに石をくくりつけて

タイムを測っていたそうです

 

自分の物理の記憶が正しければ

40cmの振り子が8回ふれれば

たしかちょうど10秒になったはず

 

今日はそのプールを

震災後どうなったか訪ねてみました

 

途中の道は完全にがけ崩れで進めません

 

 

 

 

 

 

岩づたいに歩いて行くことにしました

 

 

 

 

 

 

とはいえ実はここはもともと海の底

今回の地震で海底が4mも隆起して

現れた部分です

幼い頃輪島で過ごしたみなさん

亀岩まで歩いて行けるようになりましたよ

たくさんの干からびた

ヒトデやイソギンチャク

かわいそうに

 

今回のは

何百年に一度の地震ではなく

何万年に一度の地殻変動なのでは?

地学基礎の問題にあった気がします

 

ようやく辿り着いた

伝説のプールがこちら

 

 

 

 

 

 

こちらも隆起の影響か

中には水が全くありませんでした 

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

母にTwitterを見せた

「自分たちよりも若い人たちが

 こんなにも支えあって日本を守ろうとしているなんて」って

感動して泣いてた

私たちがやっていることは間違いじゃない

意味のあることなんだ 

手書きって想いが伝わりますね

52日目

 

兵庫県たつの市立御津小学校の皆さんから

かわいい寄せ書きをいただきました

 

 

 

 

 

 

小さい子の描くお母さんの前髪って

左上の子の絵みたいに

いつだってぺちゃんこなんですよね

昔なんでかなと思っていたんですけど

ある時ふと気づいたんです

小さい子はいつもお母さんを見上げていて

下から見ると

お母さんの頭って前髪しか見えなくて

ぺちゃんこに見えるんですよね

子供ってほんとうによく見ています

 

この絵は避難所に飾っておきますね

たくさんの人を元気にしてくれると思います

 

3月末になると先生方の異動が始まります

生活拠点がないため

輪島を後にしなければならない先生もいて…

かといって代わりに輪島に入る先生もなかなか…

そんな中

現在輪島高校に勤めているある先生から

手紙をいただきました

言葉で言うより想いが伝わる

不思議な力が手書きの手紙にはありますよね

 

嬉しい内容だったので

手打ちですが紹介します

「…前略…

 今回わたしは子どもたちとしばらく

 輪島を離れていますが

 数年後この子たちが大きくなったとき

 『輪島でよかった』と思ってもらえるよう

 復興に力を注ぎたいと考えています

 友人や知り合いが奥能登を離れていったり

 色んな葛藤や不安も感じましたが

 自分が輪島にできることを

 少しでも返していきたいと思っています

 どれだけ輪島高校の力になれるかわかりませんが

 精一杯働きたいと思います

 わたしは輪島が好きなんです

 『輪島高校で働きたい!』

 ということが伝われば…」

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

今、日本には電気が足りない

そればっかりはどうしようもない

それを補うのは、みんなの元気だ!

笑顔だ!にっこり笑って!

そしたら、こんな状況だって余裕だよ

おはようございます!

 

「PRAY FOR JAPAN」は

東日本大震災発生のわずか12分後から届き始めた

祈りのメッセージを集めたWebサイトを

書籍化したものです

震災当夜

停電中の一時避難所にいた

20歳の大学生によって

立ち上げられたものだそうです

毎日その中からひとつずつ紹介しています

卒業式ここで行います

51日目

 

3月1日の卒業式

今日は会場の下見と打ち合わせに行って来ました

 

学校の体育館は未だ自衛隊の駐屯基地

文化会館も資材置き場となっているということを聞き

今年の卒業式は金沢市の音楽堂で

執り行うこととしています

 

金沢駅東口を出て右側

 

 

 

 

 

 

玄関入って右手コンサートホールへ

 

 

 

 

 

 

エスカレーターで2階へ進みます

 

 

 

 

 

 

お弁当持参の場合は

ロビーでいただくこともできますが

金沢駅周辺には美味しい店がたくさん

発災以来ずっと避難食の方もいらっしゃるでしょう

たまには贅沢なさってください

 

 

 

 

 

 

そして会場がこちら

 

 

 

 

 

 

輪島からの送迎バスも出します

詳しくはこのあとご連絡します

 

例年通知簿に同封してお送りしていますが

郵便事情のこともあり

このホームページあるいは

一斉メールでお知らせします

 

今日はひとりぜひお会いしたい方がいて

金沢市内の避難所の方にも足を運びました

 

以前輪島高校の避難所にいて

その後次の避難先へと変わって行った方から

手紙が届いたので尋ねてみました

 

 

 

 

 

 

手紙の消印は2月8日

10日ほどしてようやく届いた手紙には

輪島高校が学校として運用されることを知り

真っ先に手を挙げて

学校を空けてくださろうとしたこと

その後避難所を変わってほしいとお願いされる度に

他の方が移るのは大変だからと

率先して手を上げてきたことが綴られていました

現在なんと5カ所目の避難先だそうです

 

その度

食事がもらえないなどの

様々な困難を抱えながら

病院に通うことのできない方への

お薬の世話をしてくださったり

言葉のわからない外国人被災者の

話し相手になってくださったり

していたようです

 

さぞかし大変だったろうなと思ったら

その度に素敵な出会いがあって

楽しんでいらっしゃるとのこと

素敵な考え方ですね

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

避難所で、4人家族なのに

「分け合って食べます」と

3つしかおにぎりをもらわない人を見た

凍えるほど寒いのに

毛布を譲り合う人を見た 

生きるということ

50日目

 

これまでさまざまな偶然が積み重なって

今日まで生きています

 

1月1日

末娘が2日からバイトがあるからと

夕方実家をあとにして

金沢へ送っていくことにしました

あのとき家にとどまったままだったら・・・

 

発災後、即、裏山へ駆け上がりました

寒さと暗さで不安になる中

たまたま近くに避難所が開設されて

そこに潜り込むことができたけれど・・・

 

大津波警報が解除され

真夜中車で帰ろうとしたとき

末娘が必死に止めそれに従いましたが

無理に帰ろうとしたら

きっと崖に落ちるか何かに衝突して・・・

 

なにより震災が

授業中に起こっていたとしたら・・・

考えるだけで恐ろしくなります

 

「生きる」って不思議です

だからこそ「生」って言う字には

これまで生きてきた人が

いろんな思いを込めて

さまざまな読み方が生まれたのでしょう

 

「生花を生甲斐にした生え抜きの生娘

 生絹を生業に生計立てた

 生立は生半可でなかった

 生憎、生前は生まれてこの方

 生涯通して生粋の生だった」

 

15回登場する「生」の字は

全て読み方が異なります

 

今日もさまざまな方から

支援の手を差し伸べていただいています

ライオンズクラブを介して

香川県立多度津高校の

海洋食品科食品科学コースのみなさんから

学校で商品開発された

チーズケーキ缶詰を送っていただきました

以前から非常食としてのご飯の缶詰を備蓄されるなど

防災意識の高い取組をされています

チーズケーキはほっとします

本当にありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

以前,多額のご寄付をくださいました

横浜の有限会社カイトさんが

今度は直接お越しになり

避難者と、学校に通う子どもたちに

お菓子の詰め合わせと焼き芋のプレゼントです

焼き芋は800食ほど一瞬でなくなったそうです

みんな大喜びでした

支援物資もたくさんいただきました

 

 

 

 

 

 

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

亡くなった母が言っていた言葉を思い出す

「人は奪い合えば足りないが分け合うと余る」

しめやかに

四十九日

 

痛かったでしょう

重たかったでしょう

熱かったでしょう

凍えたでしょう

怖かったでしょう

 

どうか安らかに

 

心からご冥福をお祈りします

 

あなたの分まで

力を合わせて

生きていきます

おだやかな休日が来ました

48日目

 

吹き荒れた春一番も止み

おだやかな春を思わせる長閑な土曜日

 

内閣府副大臣の古賀篤様はじめ

文部科学省の方々が視察に来られました

 

避難所も含め

現在小中高で共用している施設を

視察していただきました

 

ひび割れて傾いた教室棟

液状化を起こして使い物にならないグラウンド

ドアが開かず窓を割って出入りしたボイラー室

中に入ると気分が悪くなるくらい傾いた体育館

あちこちに落とし穴の空いた駐車場

野球のマウンドのように迫り上がった武道場

 

4月に入ったら

できるところから教育活動が再開できるよう

最大限の支援をお願いしました

 

石川県教育長はじめ県の方々も同席し

現在の輪島市の教育環境について

また今後求められる支援について説明しました

 

今後の昼食の提供をどうするか

生活拠点のない中でどう教員を確保するか

避難所提供と学校再開をどう両立させていくか

課題は山積みですが

文科省、教委、学校、連絡を密に取り合って

一刻も早い学校活動の復興に向けて

協力していくことを確認しました

 

困り事がありましたら

随時上げていきますので

なんでもおっしゃってください

直接中央省庁にあげていくことが大切です

 

東日本大震災の際に得られた教訓として

何かで目にしました

「災害現場には

 現地で指示のできる

 優秀なリーダーを派遣する

 そして全てを任せる

 必要と判断したことは全てやれ

 と指示する

 それが法に触れるようなことであれば

 法改正する

 それが一国の首相の責任」

だそうです

頼もしい教訓です

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

ぜんぜん眠っていないであろう旦那に

「大丈夫?無理しないで」とメールしたら

「自衛隊なめんなよ

 今無理しないでいつ無理するんだ?

 言葉に気をつけろ」と返事が

臨界状態を迎えて

47日目

 

全ての物質は原子でできています

原子のひとつぶひとつぶを見ると

中心にある原子核のまわりを電子が廻っています

原子核はプラスの電気を持つ陽子と

電気をもたない中性子からできています

 

原子核が壊れる

つまり核分裂がおこると

中性子が飛び出して

となりの原子核にぶつかって

新たな核分裂をひきおこします

そうするとまた別の中性子も飛び出して

さらに・・・

そうやってどんどん新しい中性子が飛び出して

核分裂を起こし続ける状態を

「臨界状態」といって

原子力発電が大きなパワーを生み出す源となっています

ただ「臨界状態」が制御不能な状態になってしまうと

「臨界事故」につながり甚大な被害をもたらします

そうならないように「制御棒」を使って

「臨界状態」をコントロールしています

 

朝、一本の電話がかかってきます

その案件を解決するために別の部屋に向かうと

そこで声をかけられ新たな案件が…

最初の案件が解決しないまま

新たな案件を抱え別の部屋に向かうと

廊下で出逢った人からさらに新たな案件が・・・

まさに「臨界状態」です

誰か「制御棒」を・・・

 

今日、福井県の 山内 悟 先生より

福井県教育委員会が薦める

~あなたの扉を開ける72冊~

の書籍を贈っていただきました

このような時だからこそ

心にしみる一冊が必ずあると思います

生徒に紹介したいと思います

 

 

 

 

 

 

 

小松のおばちゃんさんからは

可愛いグッズの贈り物

「可愛いものを見たいしさわりたい」

と生徒がテレビで言っているのを見て

贈ってくださいました

どんなものが喜ばれるかなと

きっと選んでくださったんだろうな

と想像するだけで・・・

 

 

 

 

 

 

松任谷由実さんのダンデライオンが

頭の中には流れています

「 ♪ ふるさとの両親がよこす手紙のような

 ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる ♪ 」

事故の報告

46日目

  

先日、校舎内で危ない事故がありました

天井板がはずれ、コンクリート屑が落ちてきたのです

 

本校は

1・2年生の教室がある1号棟

3年生の教室がある3号棟

そしてそれを繋ぐ2号棟がコの字形に立っています

 

今回の地震で真ん中の2号棟が傾き

1号棟および3号棟とのつなぎ目が

はずれてしまっています

 

 

 

 

 

 

かなり傾いている様子がわかります

建物検査では

1号棟と3号棟は安全

2号棟は直ちに倒壊の危険はないものの注意

との調査結果をいただいています

 

それを受けて

それぞれ安全な1号棟で小学生

3号棟で中学生を受け入れ

授業を再開しています

 

今回の事故は

2号棟と3号棟のつなぎ目の1階でおこりました

 

この部分は大きくひび割れており

発災直後からコンクリート屑が落ちてきていたので

1階天井部分に下からベニア板で補修を施すと同時に

注意喚起を促していました

 

さらに、その上を通行すると屑が落ちるので

2階の連結部分は

踏まずにまたいで通るよう指示していました

 

 

 

 

 

 

 

今回外れたのは補修してあった部分の

横の天井板

おそらく余震で外れたものと思われます

 

 

 

 

 

 

その際ベニア板の上にたまっていた

コンクリート屑が

天井板がはずれてできた穴から

落ちてきたものです

 

この場所は中学生の動線上にあるのですが

けが人がなく本当によかったです

中学校保護者のみなさま

ご心配をおかけしました

 

ただちに動線の変更を行い

当分の間該当箇所を通行止めにすると同時に

業者に修繕を依頼しました

 

一見安全に見えても

実は危険な箇所は

おそらく他にもたくさんあると思われます

 

危険のないよう,、教育委員会とともに

施設の観察・点検を一層丁寧に行ってまいります

 

以上のことについて

先日ある新聞社による報道がありました

読者からの苦情等の電話が殺到し

学校運営に支障をきたすということがありました

 

さまざまなご意見がおありかと思いますが

緊急以外のご意見はどうかメールでお願いします

お返事は本ブログにてお答えします

ひとつひとつのご意見に対して

お返事できないこともあります

どうかご容赦願います

 

さまざまな方面からの

愛情のあるご意見であることは

充分理解しております

スムーズな復興に向けての歩みのため

ご理解とご協力をお願いします

中三生とその保護者のみなさまへ(輪高生もご覧ください)

大事な高校受検を控えた大切な時期に

このような状況になり

不安な毎日をお過ごしのことと思います

また、先の見通せぬ中

高校選びに関してもどうしていいか

わからない状況なのではとお察しいたします

 

その一助になればとの思いで

高校選びのポイントに関するチャートを作りました

これは本校独自に、現時点で考えられる選択肢をまとめたもので

県教委から正式に発表されたものではないことをお含みいただいた上で

あくまでも参考ということでご覧いただければと思います

 

15日より願書受付が始まりますが

この後、志願変更の期間も設けてあります

今一度進路について再考し

適切な進路選択をされますようお願いいたします

 

本校在校生について

一家転住等による今後の転学を考える際の参考にもなるかと思います

 

 

 

思いやりの心で学習を

45日目

 

金沢近辺に2時避難している

1、2年生向けの学習施設である

文教会館に行ってきました

 

オンライン授業の休み時間が各校で異なり

落ち着いて学習できないという

訴えがあったので様子を見てきました

 

先日、生徒指導の冨水先生から

それぞれお互いの学習環境を思いやり

休み時間であっても

節度のある過ごし方をするようにと

注意を喚起しましたので

今日はしっかりと

お互いを思いやって授業を受けていました

 

 

 

 

 

 

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

物が散乱しているスーパーで

落ちているものを律儀に拾い

そして列に黙って並んで

お金を払って買い物をする

運転再開した電車で混んでいるのに

妊婦に席を譲るお年寄り

この光景を見て外国人は絶句したようだ