校長室より「おこらいえ」

OECDオンラインミーティング実況中継

地震から 417 日目

豪雨から 153 日目

 

OECDの

オンラインミーティングに参加しています

今日の「おこらいえ」は

いつもと雰囲気を変えて

ミーティングの内容をリアルタイムで

書いていきます

 

なんと3時間にも及ぶ

長時間ミーティング

生まれて初めてです

9分ほどしかない金魚レベルの集中力の私にとって

未知の領域です

どうなるのでしょう?


まずは

次期学習指導要領の改訂について

文科省の方からの報告です

 

少子高齢化が進むこれからの日本において

マルチステージの人生が進みます

変化が激しい世界において

テクノロジーを使って

人生を勝ち取るむしろチャンスです

新学習指導要領は

その世界を見据えています

受験知識が抜け落ちたあとで

何が残るかを重視しています

 

コロナで多くの国の学力が低下した中

日本だけが学力が低下しなかったそうです

それは学習指導要領に沿って

全国で同質な教育が施されたからにほかなりません

ただし教員の過度な働きに支えられた

という側面もあります

 

今の学習指導要領は

知識技能に支えられた思考力

というイメージが強いです

 

ところが新しい学習指導要領では

複雑な課題に取り組む中で

知識を身につけることを重視しています

 

また子どもが

自分で学びを自己調整できるよう考えています

そのために学年を分けること

あるいは授業時間を定めることにも

メスが入る可能性があります

 

また教師や生徒の負担をどのように減らすか

という視点でも進められているそうです

 

(1)自分なりの「意味・目的」の大切さ

(2)多様な子供たちの可能性の開花

(3)教師の成長過程のビルトイン

以上3つが実際に改訂を進めている方が

目指しているものだそうです


次に生徒部会からのレポートです

 

まずは教育課程が作られていく過程を

実際に見学した大学生からです

 

教育課程の柔軟性が一番気になりました

教育課程に柔軟性があると

余裕のある教育につながります

学校の外での学びにもつながります

では学校は行かなくていいのか?

そうではなくて学校でしかできないこともある

被災した輪島高校では

学校に行って友達にあうという

大きな意味がありました

 

次に「おさんぽメガネワークショップ」を

主催した大学生からです

 

教科書の中からでなく日常から学びを生み出す

「おさんぽめがねワークショップ」

特に苦手な教科において

単にドリルを繰り返すよりも

日常生活との結びつきを見つけると

その教科を学ぼうとする

内発的動機付けにつながります

 

輪島高校でのワークショップも紹介されました

被災地でのおさんぽから

さまざまな学びを体験できたようです

 

「正解」を前提としない問いかけが

新たな問いを生み出します

教科と教科を繋ぐ力が生まれます

たとえば日本史の知識によると

皇居は桜田門外の変があった場所

これを不動産業に繋げるとなんと

「皇居は事故物件だ・・・」


続いてOECDのMIHOさんから

世界の教育についての報告です

 

「見方考え方」と「教科横断」

このことは全世界で注目されています

ただしカリキュラムが変わったとしても

実践はなかなか難しいです

 

イギリスでは問い立ての重要性が議論されています

「なぜ空は青い?」

「動物にも同じように見える?」

 

エストニアでは「環境と持続可能な開発」がテーマです

学校の自由裁量のもと

おさんぽめがねのような

取り組みが行われています

さまざまな教科の先生といっしょに

お散歩して問いを見つけます

 

これら他国の例から見えた「教科横断」の落とし穴は

(1)見方考え方を教えてしまう

(2)問い自体を教師が作ってしまう

(3)先生同士の相性が悪いと困る

の3つです

 

さきほどカリキュラムの自由裁量が必要という

提言がされましたが

実は日本のカリキュラムは

世界的に見ても自由裁量が大きいです 

教科書も他の国ではもっと分厚いです


そして「対話の時間」です

対話のルールは次のとおり

(1)あいづちやうなずきで話しやすい雰囲気をつくる

(2)あせって結論をだそうとしない

(3)キーワードにとらわれず自分の言葉で話す

(4)大人に忖度して話してほしいだろうと思われることを云わない

 

5人のブレイクルームに分かれて

「こんな授業があったらいいな」

をテーマに話し合いました

 

各グループで出された意見では

授業と授業の合間に休む場所がほしい

どんな授業がいいか話し合う授業がいい

自分が何を学んだか語れるプロセスがある授業がいい


次は「カリキュラム・オーバーロード」の話

(1)Curriculum Expansion

(2)Content Overload

(3)Perceeived Overload

(4)Curriculum Inbalance

の4つの論点があります

うーん 

むずかしい・・・

ここで挫折・・・

 

脳にはキャパがある

必要以上に詰め込んでも意味が無い

ちょうど今の自分にぴったりな話題が

されだしたので復活

 

香港では宿題オーバーロード

宿題の出し過ぎが問題になったそうです


【泉大津市立小津中学校の事例】

「先生と生徒のワクワクで乗り越える

 カリキュラムオーバーロード」

積み上がった書類と

「やらないといけない」という意識から

抜け出して軽やかになりました

 

4月1日に学校の経営ビジョンを

なんと生徒が先生にプレゼンします

 

生徒自身が学校の目指す姿を作り上げました

「自芯を持つ

 認め合う

 やわらかさで0から1をつくる」

生徒の希望から50分の授業を45分に短縮しました

かえって集中力が増しました

 

授業も5限で終わったり6限で終わったり

 

生徒の願いをもとにして

教員が授業の形を決めました

生徒達が自分達で

学ぶスペースを創ったりもします

 

職員室もフリースペースです

 

「ワクワクしながら

 たくさん話し合って

 解消していくもの」

それがカリキュラム・オーバーロードの解決方法です

 

Q:教科横断に相性のいい教科は?

A:国語はどの教科とも繋がる

  英語も同様です

 

Q:高校入試のための学力保障は?

A:経年変化を見ると成績は伸びてきている

  長時間やれば成績が伸びる訳ではない

  先生が教えた ≓ 生徒が学んだ


【福島県立郡山高校の事例】

「既存の教科でプラスする

 データサイエンスコース構想」

 

今のカリキュラムの弱点は

(1)知識を使う場がない

(2)教科がばらばらで繋がりを学ぶ機会が無い

(3)クリティカルシンキングの鍛え方が弱い

 

これらの課題を解決するために

新教科を作ると教員の負担が大きくなるので

既存の教科を活かしたクロスカリキュラムを

考えました

 

(1)新しいコンテンツを作る系

(2)一部を別教科で深掘り系

(3)1年間を通じた連携系

 

ウクライナからの中学生が

数学の中点を求める問題で

「なぜ中点を求めるの?」

と日本の先生に尋ねたところ

言葉につまりました

この中学生は

数学コンテストで優勝するほどの生徒です

なぜ学ぶのかを理解して学ぶので

深い学びにつながるのです

 

しかしながら

協力的ではない教員もいらっしゃいます

原因は

① 変化を拒む免疫システム

② 専門外のことを教える不安

③ 教科書を終わらせないといけない不安

④ そもそも効果あるの?問題

⑤ 新しいことしたくない問題

 

大事なのは

松下幸之助さんの

「やってみなはれ!」


次回の学習要領改訂では

教科横断が大きなテーマとなりそうです

キーワードは「おさんぽメガネ」

教員には

日常生活のあらゆるものを

教科に結びつける力が

求められることになりそうです

 

先生方は

机に座って仕事ばかりしていないで

外にでていろんなものを見てきましょう

遊べ!

 

このブログも

机の上だけで書いているものよりも

出張先から書いているものの方が

おもしろいでしょ


さてさて

3時間にもおよぶ

長時間ミーティング

そろそろ終わりです

 

自分でアウトプットしながらだと

なんとか

もつもんですね

 

今日は本校から

山上先生(家庭)

山下先生(保健体育)

栃木先生(養護)

も参加してくださいました

熱心な先生方です

お疲れ様でした

仮校舎はどうなる?

地震から 416 日目

豪雨から 152 日目

 

現在3棟ある建物のうち

危険判定のため2棟が使用できず

1棟の建物に無理矢理詰め込んで

授業をしている状況です

 

この状況を早期に打破するため

仮設校舎の建築計画が進められています

 

本日は保護者説明会を開催し

現時点でお伝えできること

現時点で要望していること

について理解を求めました

 

 

 

 

 

仮校舎は同じ敷地内

グラウンドに建設の予定です

春に竣工

早ければ秋より運用可能です

 

現在全学年で使用している旧校舎3号棟は

そのまま3年生が3階を

定時制が1階を使用します

 

仮校舎は2階建てで

真ん中に廊下を設置し

両側に教室を配置するコンパクトなつくりとし

グラウンドを使用する面積を

最小にする配慮がなされています

 

このことは

北野喜樹石川県教育長が

「生徒が運動する場所をできるだけ奪うな」

との指示を出してくださっているとのことです

コロナの時に健康福祉部長を務められていた方で

毎日のようにテレビで説明されていたので

ご存じの方も多いかと思います

さすが緊急時の対応に力を発揮くださっています

 

仮設校舎には

1・2年生が入ることになり

実験室や実習室も設置されています

 

ただしパソコン室はふたつとも旧校舎3号棟にあるので

もしかすると

旧校舎3号棟をビジネスコースが

仮設校舎を普通コースが使うことになるかもしれません

これについては時間割など諸条件を鑑み

最も最適な使い方を考えていきます

 

グラウンドを使用せずに

グラウンド脇のアスファルト部分への建設を

要望したのですが

まず寸法が足りませんでした

部室やブルペンを壊してもいいからと要望しましたが

建設に関する法律があって

仮設校舎は現存の校舎から

10m 離して建てなければならないそうです

 

以上の理由より図に示された

グラウンドの校舎側に建てることとなりました

 

第一体育館と第二体育館はそのまま使用し

接続する仮設廊下を設置します

旧校舎3号棟への接続も同様です

 

以下

質疑応答の様子です

Q1:工事の間の部活動は?

A1:工事は必要最低限のスペースでやってもらいます

   並行してグラウンドでの部活動はできます

 

Q2:本校舎の復旧見通しは?

A2:損壊した基礎の横に新たに基礎を打ち

   ジャッキアップする計画ですが

   工期など詳細については未定です

 

Q3:もう決定か?変更は無理か?

A3:できないことはないかもしれませんが

   再調査などで工期が大幅に遅れます

   得策ではありません

 

Q4:稲舟校舎(旧輪実)を使用することはできないか?

A4:校舎は使い物にはなりませんが

   危険立入禁止区域指定が外れたと聞きます

   グラウンド使用要望の余地はあるかもしれません

 

Q5:体育館の使用は?

A5:今のところ使用禁止命令は出ていません

   多少床の歪み等はありますが

   なんとか使用できる状態です

 

Q6:学ぶ場を確保するため子どもたちの意見を聞いてほしい

A6:同様のご意見を

   小学校の運動場に仮設校舎を建てた後で聞きました

   「あなたたちは一度でも子どもたちの意見を聞いてくれましたか!」

   もう決まってしまって仕方ないことであったとしても

   子どもたちに説明する義務は大人にあると考えます

   そうすることにより

   自分の力で社会は変えられると考える若者が

   世界一低いという現実を変える

   第一歩になると思います

   このブログを読んで

   言いたいことを校長室まで言いにくるよう

   明日の朝生徒に伝えます

 

Q7:学校以外での部活動への移動費の負担が大きいが?

A7:今年度は県より補助をいただいています

   引き続き要望してまいります

 

Q8:習熟度別授業はどうなる?

A8:問題ありません

   これまで通りの習熟度をかけることのできる

   教室数を確保できます

   これまで通りきめ細かな指導ができそうです

 

Q9:工事の際の騒音は?

A9:時間をずらすなどの要望はしますが

   ある程度の騒音はやむを得ません

   逆にどんな悪環境でも集中力を発揮できる

   生徒の育成を目指します

 

最後に

「現在輪島市内で唯一使用できる

 屋外体育施設が輪島高校グラウンドである

 だから自校の体育や部活動のことだけでなく

 輪島市民みんなが使用できる手立てを

 県と市の枠組みを超えて進めていくべきである」

とのご意見をいただきました

 

このことについては

まず手始めに

テニスコートを全面人工芝にして

部活動以外の時間帯に

ゲートボール場として

高齢者に提供できないか

市に申入れをしてみようと思います

いんのこまきのおもいで

地震から 415 日目

豪雨から 151 日目

 

 

 

 

 

 

 

こんなに猛吹雪の中それでも復旧工事は

手を休めることなく進んでいます 

本当に頭の下がる思いです

ありがとうございます


現在

神奈川より

スクールカウンセラーの平野先生に

定期的に来ていただいています

生徒だけでなく保護者の方のカウンセリングも

していただけることとなりました

明日第1回目を開催します

 

おかあさん方

そっと打ち明けるだけで

気持ちが軽くなりますよ

予約は不要です

どうぞふらっと立ち寄ってください

生徒とは会うことのないよう

場所は配慮してあります

詳しくはこちら

0219_自由相談日のご案内.pdf


輪島の冬の風物詩

曹洞宗のお寺において

「いんのこまき」が行われました

本校で書道を教えてくださっている

川口先生のご実家がお寺で

記念に学校へ持ってきてくださいました

 

 

 

 

 

 

今日は涅槃会

お釈迦様の亡くなられた日の

法要が執り行われました

仏教の三大年中行事のひとつとされます

 

曹洞宗のお寺では「涅槃団子」が撒かれます

五色に色づけされたこの団子は

地水火風空を表しているとのこと

生きとし生けるもの全てを表し

食べると無病息災

持つと功徳を受けられるとも伝えられています

 

北信越地方で見られる風習です

 

お釈迦さまの舎利つまり遺骨を模したもので

その形は地域によって異なります

たとえば富山の涅槃団子は丸い団子ですが

輪島では動物を形どった団子が撒かれます

お釈迦様の涅槃に駆けつけた動物です

干支の動物と言った方が

ピンとくるかと思います

写真左から

へび いぬ とり です

中でもいぬを形どったものが多く撒かれるので

いんのこ(犬の子)まきと言われます

 

お米でできているそうです

食べられるのか尋ねたら大丈夫なようです

炙って食べる方もいるようですが

多くはお守りとして持ち歩きます

やがて乾燥して粉々になると海に流します

 

低温湿潤な条件で大事にしていると

崩れずにそのまま小さくなっていくそうです

 

今回お持ちくださった

聖光寺さま(しょうこっさま)は

漁師町のお寺さんで

「いんのこ」をかたち作るのは女房衆

最後の色付けは漁師の長の仕事と決まっていて

なんぴとたりとも

手を出してはならない領域のようです

 

赤黄緑の食紅で絵付けをします

 

緑というといつも思い出すのが

なぜ絵の具の緑はビリジアンなのか問題です

 

学年にひとりくらい

「私のことキャサリンって呼んで!」

ってのたまうぶっ飛んだ女の子がいるもんですが

そのぐらい異彩を放つビリジアンちゃんです

あなた帰国子女?

って言いたくなるくらいです

どう見ても「みどりちゃん」やろ

でも本人はビリジアンと言い張っています


【今週の生徒の叫び】

校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた

コメントを紹介するコーナー

 

今日は昨年9月7日「春の選抜に向けて」

のコラムを読んでくれた生徒からです

 

 高校野球秋の大会が始まり、大事な初戦となりました。相手はまさかの飯田高校でした。飯田高校も地震に襲われ、なかなか練習ができない日々が続いていました。すると、仙台育英高校さんが輪島高校と飯田高校を仙台へ招待してくれました。その時に掲げた「ONE TEAM」をモットーに頑張ってきました。震災から一緒に頑張ってきた飯田高校と初戦で対戦するのは複雑な気持ちでした。野球というスポーツの大会はトーナメントで負けたら終わりです。だから、お互いにスポーツマンとして最後まで全力で闘い、招待してくださった仙台育成高校さんや輪島市民のみなさん、珠洲市民のみなさんのひとりでも多くの人が笑顔になるように感謝の気持ちをとどけることができたらなと思いました。

 この大会は春の選抜に繋がる大事な試合でした。この大会でベスト8に入って21世紀枠を狙っていましたがベスト16で終わってしまいました。今度の夏は必ず甲子園の切符を掴み取ります。《匿名希望》

馳浩知事の決断に思う

地震から 414 日目

豪雨から 150 日目

 

教室の掲示物を見ると

担任の教育方針や取り組む姿勢がわかります

 

 

 

 

 

 

曲がって張られた掲示物に違和感を持たないようでは

ちょっとした生徒の変化に気づかないでしょうし

期限の過ぎた奨学金の案内などを

いつまでも貼っているようでは

大事なことが先延ばしになってしまいます

 

心理テストです

コタツを片付けるときあなたはどんなパターンですか?

スパッと片付けますか?

それともズルズルといつまでも出しておきますか?

あるいは一度片付けたものを後からもう一度出すタイプ?

 

これって恋人と別れた時のパターンと一緒なんだそうです

 

こたつや恋人はどうあれ

不要な掲示物はスパッとはずす

「掲示物を風景にしない」

このことが大事です

誰も見向きもしないようになった掲示物は

情報ではなく風景です

そこにはもはや意味などありません

 

さて馳浩石川県知事が

防災服着用をやめると宣言されました

新聞によると

金沢以南の県民からは

「いつまで着てるんだ?気が滅入る」

などの声があるそうです

何事もなく平穏な暮らしをされている方にしてみたら

そう感じるのは仕方ないのか

という気持ちになります

 

一方で能登の県民にしてみたら

「忘れ去られてしまうのか」

との懸念があるようです

 

しかし私は逆に

いつまでも防災服を着ていたら

やがてそれが風景となってしまうことに

心配を抱きます

 

単に

「能登のことを忘れてはいませんよ」

というポーズのためだけに着るのをやめ

スーツを着ていても

「心は常に能登にありますよ」

という知事の強い決意の現れであろうと

私は思っています

 

先日も馳知事は

タウンミーティングのために輪島までお越しくださり

被災者約20人からの質問に

一つひとつ回答してくださいました

「能登は日本の未来そのもの

 本当に困っている人を軸にして

 物事を積み上げていく必要がある」

と語ってくださったそうです

 

また別の報道では

発災時の初期対応について

「フルパワーではなかった」

との見解を明らかにしたとありました

 

石川県の県職員規定には

「震度〇以上の地震が発生した場合

 〇〇職以上の職員は〇時間以内に〇〇へ参集」

などが定められています

にもかかわらず県職員の出勤率が低い

という指摘でしたが

被災した現場から言わせてもらうと

そもそも出勤したくてもできない状況なので

正直やむを得ないと思います

 

私も発災後まっさきにやった仕事は

「学校に参集するな

 自分と家族の命を守れ!」

と規定とは真逆のことを

職員に一斉メールすることでした

当時の道路状況等を今思い出しても

その決断は間違いではなかったと

確信しています

 

参集したくても参集できない

参集によって命を落とす危険もあった

これが被災地の現実でした

 

対応の遅れをしばしば指摘されてもいますが

県庁でずっと取材をしている新聞記者によると

知事は被災地のために

いろんなアイデアを出してくださっている

だけど実務レベルにおいて潰されている

のだそうです

 

学校で必要なものを要望しても

「なぜ必要なのか?」

「どうしても必要なのか?」

をいちいち事細かに説明しなければならない

というのが現実です

 

「ボランティアが能登に入るのを控えるように」

と知事が発言したことが復興を遅らせた

という指摘もありますが

現場の者に言わせると

これも的外れな指摘です

あの日あの現場に

民間ボランティアが殺到すると

助からない命が

間違いなく増えていました

 

輪島高校の避難所には

食料の炊きだし支援がなかなか来ず

お風呂の支援もありませんでした

 

そんな中

このブログを見た多くの方が

「支援に行きたくても行政に止められて行けない」

と直接学校へ電話してきてくださいました

 

これまた私は即座に

「検問など突破して来てくれ!」

と行政とは真逆のことを言いました

おかげで民間のボランティアの方に

大きく助けられてきました

 

ですので

今回のように

行政は大きな視点で「被災地に入るな」と

そして実際には

現場の人間が個々に判断して最善の動きをする

というのが被災地での最適な動きであると思います


カタリバさんによる未来トークが行われました

 

 

 

 

 

 

詳しくはこちら

 https://cms1.ishikawa-c.ed.jp/wazifh/blogs/blog_entries/view/75/b50bb0993463f720ffec311c2844d8c0?frame_id=210


【今週のありがとう】

 

動物と共生するまちづくりの会 石津 佐智子さま

ますますご活躍のことと思います

 

藤本育英財団 藤本 由紀子さま

受験生への多大なるご支援本当にありがとうございます

 

群馬県立沼田高校JRC部のみなさん

温かいご支援忘れないよ もう進路決まった人もいるかな?

 

国際文化フォーラムの長江春子さま

楽しい本送ってくださりありがとうございました

 

中村 哲夫様はじめ石川コミュニティーセンターのみなさま

被災地訪問どうもありがとうございました

 

※このコーナーではこれまで

 ご支援いただいた方々を

 紹介させていただいています
 

自然は不思議の宝箱

地震から 413 日目

豪雨から 149 日目

 

豪雪からほっと一息

 

「氷が溶けると水になります

 では雪が解けると何になるでしょう?」

「答えは春です」

こんなお侠(おきゃん)ななぞなぞがありますが

今日は雪解けお散歩ワークショップです

 

雪解けをいろいろ科学の目で見てみましょう

 

まずはこんな不思議

雪は植物の周りから溶けていきます

 

 

 

 

 

 

植物は水を吸うから?

根の周りの水分がなくなると

その上の雪が溶けて吸い込まれていくから?

 

では植物以外ではどうでしょう?

 

 

 

 

 

 

仮説は否定されました

無生物の電柱の周りから溶けています

 

 

 

 

 

 

日差しを浴びた電柱がその熱を伝えるから?

 

植物にも体温があるということでしょうか?

 

ここで昔「美味しんぼ」で読んだ知識を思い出します

トマトに関する話

トマトの原産地はアンデスです

アンデスの気候に近づけてやると

本来持っていた生きる力を取り戻して

美味しいトマトができるのだそう

夏が旬のような気がしますが

日本で育てるには

冷涼なアンデスの気候に近い冬の方がよくて

乾燥した環境に近づけるため

水は極限まで与えない

そうすると茎や葉に細かい産毛が生えてきて

空気中の水分を吸うようになる

産毛には体温調節の機能もあって

健康なトマトの幹の周りは

ひんやりと空気が冷えているのだとか

 

雪国の植物は

自分の周りを温めて雪を溶かす力を

持っているのかもしれません

 

次はこんな不思議

 

 

 

 

 

 

凍ったままの雪は真っ白なのに

溶けかかった雪はグレーです

ということは?

 

 

 

 

 

 

空に浮かぶ雲の

真っ白い部分はしっかり凍っていて

グレーの部分は溶けかかっている

 

溶けたグレーの部分が

雨粒になって落ちてくると考えると

雨雲がグレーであることにも

納得がいきます

無駄な役職廃止!

地震から 412 日目

豪雨から 148 日目

 

神戸市私立保育園連盟(谷村 誠 会長)様から

生徒一人ひとりにお米が送られました

 

当連盟のみなさまは

豪雨の際に浸水家屋の復旧作業に参加してくださり

今回は

市内の小中高と幼稚園と保育園に通う子ら全員に

お米を贈ってくださりました

本当にありがとうございます


先日PTA役員会が行われました 

みなさんご自分の生活すらままならない中

それでも役員を引き受けてくださり

本当にありがとうございました

 

特に会長さんには

金沢に生活拠点があるのに

無理にお名前だけでもとお願いし

引き受けていただきました

 

昨年一年間は

「楽しいことだけやりましょう」

をモットーに

炊き出しなどの活動に力をお借りしました

 

子供たちのために集まっていただきました

本来のPTA活動ってこうなんだろうなと

子供たちとお母さん方の笑顔を目にして

そう思いました

 

来年度もこの活動を継続します

一部の役員の方だけが

無理にお仕事をやりくりして

朝早く挨拶運動などに立たなければならないなどの

形骸化した活動は一切やりません

 

全員が役員で

子どものためにやりたい!

とみなさんの中から湧き上がった活動だけを

無理せずその都度できる方だけで

やっていきます

 

そのため会則も改めます

書記 会計 理事 評議員 母親代表 監事 顧問など

無駄に多い役職を一掃しシンプルにまとめます

正式には来年度の総会で決定します


北陸地域最大級の

公安系公務員の合同説明会へ行ってきました

 

 

 

 

 

 

自衛隊 警察官 刑務官 海上保安庁 消防

我々の安全な生活を守ってくださっている

尊い職業

その担い手となる高校生に

正しく理解をしてもらいたいと思います

 

 

 

 

 

 

金沢刑務所では受刑者の

所内での号令をかけながらの行進式移動を廃止

また呼び捨てからさん付けへと変わっています

運動会や球技大会などもあるそうです

 

震災の際にお世話になった方々ばかりです

お礼とご挨拶を兼ねて行ってまいりました

 

 

 

 

 

 

3月11日(消防・自衛隊・刑務)

12日(海上保安庁・自衛隊・警察)には

石川県では初開催となる

職場見学ツアーも企画されています 


鳥羽に研修旅行に行っていた生徒たち

無事金沢駅に到着しました

 

 

 

 

 

 

お伊勢参りの旅

地震から 411 日目

豪雨から 147 日目

 

今日から何人かの生徒が

伊勢へ研修旅行に出かけます

 

朝の4時半出発

大雪のため道路状況が心配なので

念のため前もって下見をしてきました

 

 

 

 

 

 

朝の3時なのに災害復旧現場には

灯りが煌々とついていました

そのおかげかどうかわかりませんが

除雪車も早くに入ってくれていました

安心して出発できそうです

 

 

 

 

 

 

参加したのは

1年生

浦 勇誠 さん 小町 優真 さん 

小住 優太 さん 森下 正幸 さん

3年生

出坂 舞 さん 森田 心優さん 福久 凪 さん

の7名です

 

大成建設さんのお力添えで

三重県にある(株)REMAREさんを訪れます

廃棄する漁網を甦正させて

さまざまなものを造る会社です

 

参加する3年生の中には

大学に進学して

建築や街づくりについて学ぶ予定の生徒もいます

 

1年生の中には

被災地を巡るツアーを企画運営する会社を立ち上げたい

という夢を持つ生徒も

ぜひ実現させてほしいと思います

卒業してからと言わず

在学中にぜひ

 

おとなりの飯田高校に

在学中に起業した女子高生2人組がいます

彼女らの目のつけどころがすばらしかったです

 

日焼けして売り物にならないカボチャが

畑にゴロゴロしているのを目にして

何とかならないかと考えました

おばあちゃんに聞いてみると

金沢の業者に卸すとき

売り物にならないのは買ってもらえないとのこと

ホテルやレストランに掛け合ってみると

下ごしらえ済みの野菜を

金沢の業者から購入しているとのこと

 

彼女らは気づきます

せっかく作ったかぼちゃのうち

きれいなものだけを安く買い叩かれて

切って洗っただけのものを

高く売りつけられていることに

 

課題は

珠洲に一次調理施設がないことだ

じゃあ私たちでそれをやろう!

これが起業へのきっかけでした

 

やがて彼女らは大学へ進学し

平日は大学で学び

休日は珠洲に戻って会社経営

そんな道を歩むのでした

震災後どうなっているのでしょう?

 

現役女子大生による

地元の限界地域を救う挑戦的企業

株式会社ABOBORA(アボボラ)です

カボチャエキスを使った

身体と環境にやさしいネイルオイルなども

開発しています

ぜひ応援してください

 

輪島高校の1年生たちにも

ぜひがんばってほしいです

 

研修旅行のほうは

今日の午後会社を視察して

明日は伊勢神宮を訪れ

夜の8時頃に帰ってきます


石川県商業生徒発表会に

ビジネスコースの3年生が出場しました

 

 

 

 

 

 

浦野奏太さん 北濱一斗さん

木村麗人さん 林 祐樹さんが

自分たちが考えた修学旅行誘致プランを

発表しました

能登を元気にするオリジナル弁当!

地震から 410 日目

豪雨から 146 日目

 

家庭科の山上先生からの報告です

今日は山梨県より「目指せ!!日本まるごとゴミ拾い 特定非営利活動法人 まるごみ」DJ KOUSAKUさんをお招きして特別授業を行っていただきました
生徒は事前に考案したお弁当のおかずを今日の授業のなかでグループ内共有しグループ内でNO.1を選出しました
”小学生に大人気!生姜くせぇ生姜焼き弁当”
”濃厚クリームとろ~り!能登産カニクリームコロッケ”
”能登地鶏の辛みチキン”
どれも美味しそうなだけでなくネーミングセンスも抜群でこのほかにも多くのアイディアが出ました
DJ KOUSAKUさんは生徒たちが上手にchromebookを活用して授業をしている様子に驚かれていました
今後生徒たちが考案したオリジナル弁当が商品化されるのが楽しみです

見てください この表情 
きっとお互いに忘れられない学びになったのではないでしょうか

 

 

 

 

 

 


パリで行われた

OECD教師生徒サミットに参加した生徒たちが

門前中学校さんで

その様子を発表してきました

 

全校生徒42名が聞いてくださいました

 

参加したのは

長井彩綺さん 三中そらさん

上野緋子さん 谷内友優さん

辻 姫花さん 山下明日凪さん

前名拓実さん 宮腰大地さん

 

 

 

 

 

 

世界各国のお友達ができたこと

お互いの文化を理解できたこと

震災を経験したからこその出逢い

そして未来への希望

世界って意外と近いんだなってこと

半島の先っちょに住んでたって

いくらでも世界と繋がることができること

 

たくさんのことを学んできました

そのことを

自分たちの言葉で伝えてきました

 

OECDの「おさんぽめがねワークショップ」の

こともお話ししてきました

 

夏休みに輪島高校でもやったアクティビティ

 

お散歩しながら

街の景色を教科のめがねで観ます

 

 

 

 

 

 

たとえば今日のこの会場

教科のめがねで見るとどう見えるかな?

 

図書館って英語でどういうのかな?

Library 

じゃあ本棚は?

Shelf

引き出しは?

Drawer

英語のめがねで見てみました

 

本棚があるよ

どんな木でできているのかな?

ナラとかオークが多いよ

日本やロシアで採れるものをナラ

北米で採れるものをオークと呼ぶんだって

耐久性に優れ硬くて重く家具作りに向いているよ

乾燥に弱いから

エアコンの風が常に当たるような場所に

置いたらダメらしいよ

生物のめがねで見てみました

 

「オークの原産ってどこかな?」

「カナダ南部からアメリカらしいよ

 南北に広く分布しているから

 産地によって木材の特徴が違うみたい」

「温暖な南部で育ったオークは成長スピードが早くて

 木目が大きいんだって」

「うちのお父さん大工してるけど

 地元の木材使うとその地方に合った家ができるって

「そうか南国の柔らかい木で雪国に家建てても

 重さに耐えれないんだね」

「地産地消ってそういうことか」

地理のめがねで見てみました

 

「このホール丸いね」

「体積計算できるね」

「半径どれくらいかな?」

野球部の生徒が口をはさみます

「20mくらいじゃないかな?」

「どうして?」

「塁間の27mよりちょっと短い気がするから」

体育のめがねが加わり

「じゃあ底面積は半径×半径×円周率だから

 20×20×3.14=1,256㎡

 高さが10m ほどだから体積は

 1,256 ✕ 10 = 12,560㎥」

「リットルに直すと 12,560,000Lか」

数学のめがねで見てみました

 

「この中の空気ってどのくらいの重さかな?」

「1mol は22.4Lだからモルに直すと

 12,560,000 ÷ 22.4 ≓ 560,000 mol」

「空気1mol は22.8gだから

 560,000 ✕ 22.8 ≓ 12,800,000 g

 つまり約13t!」

 化学のめがねで見てみました

 

ふたたび生物のめがねで

「象1頭の体重は約6tだから

 ほぼ象2頭分か!」

 「そんなに重いの?」

 

「もし今この瞬間全員が

 ここに生き埋めになったら

 どれだけの時間

 酸素がもつんだろう?」・・・

 

こうして

自分で新たな問いを見つける力

そしてさまざまな教科で身につけた知識

それを総動員して考える力

そんな力を身につけた人が

災害が起こったときに

中心となってみんなを救うことのできる人です

 

そして未来を創造できる人です

 

そんな人を育てることが

教科横断型教育やSTEAM教育の狙いです


【今日の生徒の叫び】

校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた

コメントを紹介するコーナー

 

今日は昨年2月27日「卒業おめでとう」

のコラムを読んでくれた生徒からです

 

 去年1月1日に地震があり、今まであたりまえに通っていた学校に通えなくなってしまい、皆が落ち込んでいるときに、輪島高校に勤めている先生方はすぐに行動に移し、私たちの学習できるスペースを確保してくださいました。そのおかげで去年の3年生たちは十分に学習ができたと聞いています。私も羽咋工業高校さんの練習に参加させていただき、新しい出会いもありました。 

 3年生はとっても大変な時期が多かった年代ですが、それを感じさせないほどの元気よさが、今の私達を元気でいさせてくれました。そんな3年生の卒業式に出れてとてもうれしかったです。校長先生がおっしゃっていた「輪島に残るみんな一緒に新しい街創ろう。一旦輪島を離れるみんな、きっといつか帰っておいで。みんなが驚くような街創ってまっとるし。」の言葉で会場にいた皆が一致団結したと感じました。これからもこの輪島をよりよいものにしていきたいと思います。《池壱心》

フラットアースの根拠

地震から 409 日目

豪雨から 145 日目

 

輪島と金沢の二拠点生活が続いています

休日は金沢で過ごし

今朝4時に起きて学校へと向かいますと

いろいろ幻想的な風景に出逢います

 

こちらは雪原にひろがる朝もや

 

 

 

 

 

 

見渡す限り白の世界です

 

そしてこれは七尾湾からの日の出

 

 

 

 

 

 

水平線上に見えるのは

左側が能登半島

右側が能登島

そして能登島の向こうに

うっすらと見えるのが

なんと立山連峰です

年に数回

条件があったときにだけ見える

奇跡の瞬間です

 

よく見ると

能登半島と能登島の間の水道

その先にも山並みが見えます

 

地図で確認すると

 

 

 

 

 

 

長岡から会津の山々

距離にして200km 以上離れたところを見ています

 

200km 離れた場所の山が果たして見えるのか

気になったので

数学の宮下琢磨先生に計算してもらいました

その結果がこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

地球を半径6400kmの球と考えると

200km 離れた地点のものは

3126.2mの高さがないと見えない

という結論が導かれました

 

となると3000m 級の山々の頂上だけが

かろうじて見えるはずで

写真のように堂々とは見えないと思うのですが

どうなんでしょう?

 

一部でささやかれている

「フラットアース説」

(地球は球でなく平面とする説)

を裏付けるものでしょうか?

 

それともでっかい蜃気楼でしょうか?

 

蜃気楼は高低による空気の温度差によって

遠くの景色が曲がって目に届く現象です

七尾湾は和倉温泉が湧いている

比較的温かな海で

上空に冷えた空気が入り込むと

よく蜃気楼の見える場所です

富山湾越しに魚津から見る蜃気楼が有名ですが

実は反対側の能登半島からも

規模は小さいですが割と頻繁に見られます

今回の写真でも

左右の半島と島の先っぽが

浮かび上がって写っているのですが

確認できますか?

 

それにしても

謎はまずます深まるばかりです


ビジネスコースの2年生が

このブログを読んでコメントを書くという課題に

「国語表現」の授業で取り組んでくれました

 

毎日少しずつ紹介していきます

題して【今日の生徒の叫び】

 

 地震が起こった1日後の1月2日の学校の状況を今写真で初めて見ました。先生たちの部屋の様子を見て改めて残酷なことだなと思いました。今こうして学校に友達と来れている。そして、みんなで昼休みに友達と弁当を食べているなんてそのときは想像もできなかったことが、今楽しく生活できていることに本当に感謝しかないし、幸せなことだと思いました。

 今でもグラウンドはなく体育館での練習をしていますが、こうして練習ができているということだけでも、とても幸せです。これからシーズンインしていく中で、グラウンドがないということを言い訳にせず、自分たち野球部の目標である春大「北信越出場」夏大「甲子園出場」を達成して、どんな状況や環境でもできるということを全国の人たち、そして家族、今まで支援をしてくださった方々に見せて恩返しします。

 今、野球ができているのは、親、先生、支援してくれた人たち、応援してくれている人たちのおかげという感謝の気持ちを忘れず、あと1年を切った高校野球を、全力で愉しんでやりたいと思います。《濱田勢生》

 

「全力で愉しむ」いい言葉ですね!

いろいろの沈黙

地震から 408 日目

豪雨から 144 日目

 

サッカー部がフットサルの交流戦をしています

 

 

 

 

 

 

飯田高校

七尾高校

羽咋工業

が志賀高校に集まりました

 

 

 

 

 

 

冷凍庫の中みたいな体育館の中で

熱い闘いです


主体的・対話的で深い学び

このことを意識して

教育活動を行ってください

と先生方には日頃お伝えしてはいますが

なにせ

一を聞いて十を誤解する私にとって

対話は何よりも苦手とするところであり

もし今の授業に生徒として参加しろと言われたら

間違いなく保健室登校になっているか

主体的で対話的に振る舞う術だけを身に付けた

ずる賢い生徒に成長していると思います

 

ですので、対話を重視したグループ活動に

うまく加わることができずにいる生徒を見ると

痛いほどその気持ちがわかるのであります

 

そこで対話の中の沈黙について考察してみます

沈黙には理由があります

どのように対話の輪から外れていくか

順を追って振り返ってみます

 

(1)熟考のための沈黙

対話の中に何か引っかかるものがあって

頭の中で整理をしている段階です

この沈黙はむしろ歓迎すべき沈黙で

逆に無理に口を開かせようとしないことが大切です

この辺のさじ加減は

髙橋教頭先生がまことに上手です

校長に判断を求めるため説明する時

私が考え出すと

何も言わなくても即座に話を止め

考えがまとまるのを待ってくださるのです

何か後ろめたいことがある先生だと

(例えば自分が楽をしたいためだけの行事削減の提案)

ここで畳み掛けるように説明してきます

教頭先生はきっと熟考を重ね

ご自分なりの根拠と自信を持って

ご提案をしてくださっている証拠です

 

(2)置き去りになった沈黙

本当は言いたいことがあったのに

他の人がどんどん話してしまって

話題が違う方向に行ってしまい

話すタイミングを失ってしまった状態です

ファシリテーターを務める先生は

生徒をよく観察し

話を元に戻すとか

その生徒に話を振るなどの

フォローが大切になってきます

 

(3)対話迷子による沈黙

置き去りの生徒をそのままにしておくと

迷子になってしまいます

何の話をしているかわからず

どう発言して良いか分からず

とりあえず黙っています

この生徒は

ニコニコと笑っているのが特徴です

グループ自体の対話が盛り上がっていても

こんな生徒が増えてくると

やがて収束に向かいます

一旦振り返りをさせるなどの

ファシリテートが必要です

 

(4)しゃべってはいけない空気が支配する

「これを言うとバカにされるんじゃ?」

「そんなことも知らないの? 

 とマウント取られそう」

こうならないために

ここは何を行っても安全な場所だということを

ファシリテーターは徹底する必要があります

今共創しているOECDのミーティングでは

このことが徹底されていて

参加する生徒が

思うことを全て話すことができています

 

教師は対話の時間に沈黙があると

ついつい間を埋めるために

話をしがちです

その沈黙が何のための沈黙なのか見極め

適切な介入をする必要があります