学校日誌
見えない「気圧」を感じる【3年 地学基礎】
地学基礎で、「気圧とは何か」を体感的に学ぶ実験授業を行いました。
気圧は私たちの周りに常に存在しているにもかかわらず、普段その存在を意識することはほとんどありません。
そこで、生徒たちは身近な道具を使った3つの実験を通して、見えないけれど確かに存在する「空気の重さ」や「圧力」を実感しました。
【実験1:新聞紙で割り箸を叩き割る】
机の上に割り箸を置き、その上から新聞紙をかぶせ、手刀で一気にバシッ!
なんと、あっけなく割り箸が真っ二つに!
これは、新聞紙を上から大気が押さえつけているためです。
力に自信のない女子生徒でも見事に割り箸を折ることができ、大盛り上がり。
【実験2:ペットボトルつぶし】
空のペットボトルに熱湯を入れて振り振り…
そのあと冷水で一気に冷やすと、ボゴッ!という音とともにペットボトルがぺしゃんこに!
気圧が全方向からかかっていることを実感。
【実験3:ペットボトルシャワー】
ペットボトルに小さな穴をあけ、水を満タンにしてフタを閉めると…
あれ?水が出ない!
でも、フタを開けた瞬間、一気にシャーッと水が噴き出す!
気圧が水の流れを左右していることを実感しました。
この仕組みは、キャンプやBBQなど水道のない場面で応用可能で、科学の知識が生活に役立つことも学びました。
これらの体験を通して、生徒たちは気圧の存在を感覚的に捉え、科学的な見方・考え方を深めることができました。
今後の授業では、大気の構造や気象の変化についても学びを深めていきます。
<生徒の振り返り>
「女の子でも簡単に割ることができて、見えないだけで空気の負荷があるんだとわかりました。」
「どれだけ高いところまで行けばポテチは爆発するのか気になった」
味噌作りに挑戦しました!【3年 フードデザイン】
先週、今週とフードデザインの授業では「味噌」を仕込みました!
発酵食講師の岩井先生をお招きし、豆から味噌になるまでを説明頂き、実際に体験しました。
体験の様子をご覧下さい^^
~フードデザイン2(木曜日クラス)バージョン~
麹を計ったり・・・
豆を手でつぶしたり・・・
丸めたり・・・
~フードデザイン1(火曜日クラス)バージョン~
こねこねこねこね…無心でみんな豆をつぶします。
袋に名前を書いて・・・
できたものは箱に詰めます。
完成!!!!
楽しく、麹菌の働きや、みそができるまでの工程を理解することができました!
できあがるのは12月、美味しい味噌になりますように^^
岩井先生、ありがとうございました!
アーティファクトの創造【1年 生物基礎】
生物基礎の授業において、生徒たちが自らの学びを深めるための探究活動に取り組んでいます。
その一環として、授業の締めくくりに「アーティファクト」の創造を行いました。
「アーティファクト」とは、授業で得た知識や、自分なりに考えたことをもとにして、学習を駆動する質問(駆動質問)に対する自分なりの答えをスライドにまとめた成果物です。
1章の駆動質問は「生物とは何か? 生物をどのように定義するか?」です。
一般に、「生物とは◯◯である」といった明確な定義は存在しません。
そのため、生徒たちはこれまで学んできた内容をもとに、生物の共通性や多様性、細胞の仕組みなどに着目しながら、それぞれの視点から生物とは何かをじっくり考えました。
この活動の過程で、生徒は授業ごとに記録してきたポートフォリオを見返しながら、自分の思考の流れを振り返るとともに、クラス全員のポートフォリオをAIに読み込ませて作成したクラス全体の「概念地図」(Miroを使用)も活用しました。
「概念地図」には、クラス全体としてどんな知識や関心が広がっているのかが可視化され、知識がバラバラでなく「まとまった概念」として整理されています。
「概念地図」は、自分の考えを組み立てるうえでのヒントとなりました。
このような探究活動を通して、生徒たちは単なる知識の習得にとどまらず、「学んだことを使って、自分の考えを創造する」という学びの本質にふれる経験をしています。
眼球の解剖【3年 生物】
生物の授業で、豚の眼球の解剖を行いました。
豚の眼球はヒトの眼とよく似た構造をしており、教科書で学んだ内容を実際に観察することで理解を深めることができます。
実習中には、「こんなんなっとるんやー!」「すごっ!」といった驚きの声があがり、生徒たちは興味津々の様子で取り組んでいました。
黒くなくなる黒目(瞳孔)や真っ黒な眼球内部、きれいな水晶体など、一つひとつを自分の目で確かめながら、眼球の精巧さをリアルに感じていました。
水晶体で文字が拡大される様子
命をいただいて学ぶことの意味を考えるよい機会ともなりました。
〈生徒の振り返り〉
目の解剖では水晶体の機能や黒目の正体についてなど、ただ教科書を読んでいるだけでは知り得なかった目の触覚などを知るいい機会となりました
神経の反応と「全か無かの法則」を体感的に学ぶ【3年 生物】
生物の授業で、神経の働きについて学びました。
humanbenchmarkという反応速度測定ツールを使って、自分の反応速度を測定しました。
画面が赤から緑に変わる瞬間に素早くタッチすることで、「見てから反応するまでの時間」を測定できます。
この活動を通して、生徒たちは「眼で見て、脳で判断し、筋肉を動かす」という一連の神経の働きを、時間という具体的な数値で実感しました。
続いて、「同じ速さで、できるだけ優しくタッチする」という課題に取り組みました。
これは全員が失敗。
この結果から、「なぜ反応の強さをコントロールできないのか?」という問いが生まれました。
ここで学んだのが、「全か無かの法則」です。
神経細胞は、一定の強さ(閾値)を超える刺激が加わると、興奮が最大で発生しますが、それ以下の刺激には全く反応しません。
つまり、神経の興奮には「加減」がありません。
では、「すべて同じ強さの興奮でしか反応できない」神経が、どうやって刺激の強さの違いを伝えているのでしょうか?
この疑問に答えるために、Googleが提供するモールス信号シミュレーターでの活動を行いました。
たとえ一つ一つの音(信号)が同じでも、その打つ回数や間隔を変えることで、複雑な情報を伝えることができます。
同じように、神経も興奮の頻度を変化させることで、刺激の強弱を伝えていることを体感的に学びました。
<生徒の振り返り>
「ニューロンの興奮のところで、刺激の大きさと興奮の大きさが比例しないということが、とても大事だとわかりました。興奮はゼロかマックスで、強弱の表現は頻度でしていると知って驚きました。」
「一度に何個でも興奮は伝えられるんですか?」
生徒たちは、体験を通して「反応の速さ」だけでなく、神経の仕組みそのものに対する理解を深めていきました。
石川県金沢市吉原町ワ21番地