送辞
寒さも和らぎ、うららかな春の香りを感じるようになりました。
卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。
在校生一同心よりお祝い申し上げます。
今、皆様はこの加賀高校での三年間をどのように振り返っていらっしゃるでしょうか。多くの人との出会いの中で貴重な体験をし、お一人お一人さまざまな思い出を築き上げてこられたことと思います。
常に私たち後輩の前を歩き、お手本となってくださった先輩方の背中は、私たちにかけがえのないものを残してくださいました。
体育大会では、クラスや学年の壁を越えて一つになることの楽しさや力の限りを尽くすことの素晴らしさを教えていただきました。
文化祭では、中心となって模擬店やステージの準備に熱心に取り組んでいらっしゃいました。
当日の模擬店は、とても賑わい、ステージでは、バンド演奏などで会場を沸かせてくださいました。先輩方がいなければ、あれほどの盛り上がりはなかったと思います。
今、先輩方のお姿を振り返ったときに、先輩方は私たちの知らないところで学校のために動いてくれていたのだと実感します。
生徒会活動や部活動の中心が一、二年生に移ってから、私たちは先輩方の存在がいかに大きいものだったかを知りました。
先輩方が力強く私たちを導いてくださったおかげで、私たちは安心して生活できていたのだと思います。私たちはそんな先輩方の後輩でいられたことを誇りに思っています。
先輩方がこれから歩いて行く道の中で、もしかしたら大変こともあるかもしれません。そんな時は加賀高校や私たち後輩のことを思い出してください。この加賀高校で培われた力は、きっと先輩方の支えとなるはずです。
先輩方が卒業され、この加賀高校にいらっしゃらなくなることは、とても心細いですが、先輩方から教えていただいたことを胸に、私たち後輩が力を合わせて、加賀高校の伝統や良さを守っていきます。
最後になりましたが、先輩方のご健康と益々のご活躍を心からお祈りし、送辞とさせていただきます。
令和二年三月三日
在校生代表 長内 信帆吏
答辞
雪の少ない冬も終わり三月、私たちは今日卒業の日を迎えました。
本日は、私たちのために、このようなすばらしい式を挙げていただきありがとうございます。
加賀高校でバスケットボール部に入りたいと入学してからはや三年が経とうとしています。思い起こせば三年前、ワクワクしながら入学式に臨んだのを覚えています。なぜか不思議と不安がなくどんな友達ができるか・部活動はどうなのかなど期待が大きかったです。
一年の担任は、中巳出先生と大茂先生でした。私たちが中学の延長のような気分になっているときには、「高校生としての自覚を持ちなさい。」と強く指導をしてくださいました。また、高校生活に悩んだり迷ったりした時は親身になって寄り添ってくださいました。
私の高校生活の中で、大きなウエイトを占めていたのが部活動でした。なかなか思い通りの結果が出せず、悔しい思いをしたことも多々ありました。しかし、どんな時も、顧問の小田原先生や前田先生・先輩・後輩そして互いに支え合っていた仲間がいてくれたお陰で、最後までやり遂げることができました。公式戦で初勝利をあげたときは本当にうれしかったです。部活動での思い出は、喜び・悲しみ・感動がいっぱい詰まったかけがえのない宝物になりました。
高校生活にも慣れてきた、二年生。担任は持ち上がりで、中巳出先生と大茂先生でした。一番の思い出に残っているいのはやはり修学旅行です。東京なんていつでも行けるのではと少し物足りなさ感じていましたが、いざ行ってみると、友達同士で見たり、感じたりする東京の景色は言葉では言い表せないほど素晴らしいものでした。スカイツリーやディズニーランドで過ごした時間はまさに夢のようなひとときとなりました。そして、友達との関係やクラスの絆がより強くなりました。
いよいよ最終学年の三年生。担任はまた中巳出先生と大茂先生でした。三年連続同じ担任の先生。正直勘弁してくれという気持ちもありましたが、それだけ自分たちのことを考えてくれているのだなと思うとうれしくなりました。
三年生での思いでは、体育大会や球技大会です。普段の学校生活では見られないほどの情熱を感じました。体育大会では、声を振り絞って応援しました。最後だという思いも強いのか、クラスが団結して優勝を目指していました。
九月、私たちが今まで経験したことのないような緊張感がありました。それは、みんながそれぞれの進路に向かって、必死になっていたからです。大げさかもしれませんが、これからの人生が決まってしまう大きな局面でした。特に履歴書作成では何度も何度も書き直したことが思い出されます。面接練習では、普段言い慣れない言葉遣いが大変難しく、緊張のあまり思っていることの半分も言えなかったこともありました。そんな時も、友達と励ましながら、そして、先生方のアドバイスを聞きながら一生懸命取り組みました。そのような経験があったからこそ、本番ではうまく話すことができました。
在校生のみなさん、普段から言葉遣いには気をつけましょう。ある程度敬語が使えないと将来社会人となったときに苦労します。挨拶も大切です。毎朝校長先生や教頭先生、生徒指導の先生方が校舎前で挨拶をされていますが、「おはよう。」という言葉は人とコミュニケーションをとるための基本です。高校生にもなって恥ずかしいと思うかもしれませんが、恥ずかしがらずに大きな声で言いましょう。挨拶や・コミュニケーション能力は社会人としては当然身につけていなければならないことです。いざ言い始めると気持ちのいいものです。いざ、就職や進学をする時期になってそのことに気が付きました。在校生のみなさん、加賀高校の先生方はしつこく・粘り強く私たち生徒と向き合ってくださいます。私があきらめそうになったり、くじけそうになったりしたときも、決してあきらめません。私が思うに、これほどしつこい・よく言うと生徒のことを考えてくれる先生はいませんでした。ですから、みなさんも、先生を利用してください。先生方は必ず答えてくださいます。
中巳出先生、私たちを信じてくださりありがとうございます。たまに言う先生の優しい言葉が好きでした。
大茂先生、一人一人のよい部分を引き出してくださりありがとうございます。先生の空気の読めない冗談が大好きでした。
また、私はこの三年間でかけがえのないものを得ることができました。それは、友達です。よいことも悪いことも何でも言い合える、相手のことを思いやれる友達というものはなかなかできないものです。そのような一生涯付き合える友達をつくることができました。これは、私の宝です。
そして、保護者の皆様、今までありがとうございました。私たちの一番近くで見守り、支えてくださいました。学校への送迎や弁当など数え上げればきりがありません。時には言い合いし辛く当たったこともありました。しかし、いつも私たちを見捨てず励ましてくださいました。いくら感謝してもし尽くせません。皆様の思いをしっかり胸に刻み、感謝の気持ちを忘れずこれから生きていきます。
私たちは今日卒業の日を迎えますが、残念ながらいろいろな事情で一緒に卒業できなかった人もいます。その人達の分まで私たちは頑張らなければならない義務があると思います。加賀高校卒業生という誇りを胸に。
令和四年は加賀高校創立五十周年です。その頃は私たちも成人しており、記念式典には同窓生として胸を張って参加したいと思います。
いよいよお別れの時が近づいてきました。本当ならまだ卒業したくありません。しかしそういう訳にもいきません。加賀高校の未来を在校生のみなさんに託します。最後になりましたが、今までお世話になりました校長先生をはじめとして、諸先生方、友人、家族、在校生のみなさんに改めて感謝するとともに、加賀高校のさらなる発展を卒業生一同心よりお祈り申し上げ、答辞とさせていただきます。
長い間、本当にありがとうございました。
令和二年 三月三日
石川県立加賀高等学校卒業生代表 林 潤太郞
新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、3月2日(月)から3月24日(火)まで臨時休業となりました。
一昨日の安倍首相の要請を受け、県立学校において上記の措置をとることになりました。
このような臨時休業の措置はきわめて異例であり、それだけ事態は深刻で、いつ・どこで・誰が感染してもおかしくない状況であることを知ってください。今が感染の流行を早期に終息させるために、きわめて重要な時期であることを踏まえ、多くの子どもたちが日常的に、長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点からの措置であります。この政治的判断による措置に対して、世の中では賛否両論様々な意見が飛び交っています。政治や社会のこと、違う立場の人たちのことも考え、筋道を立てて自分の意見を持つことも大事です。
休業期間は長期にわたります。この期間の過ごし方についてお伝えします。
まず一つ目として、外出はできるだけ控え、基本的には自宅で過ごすようにしてください。自宅でも咳エチケットや手洗い等を徹底してください。自分の体は自分で守ってください。アルバイトの許可を受けている人は不特定多数の人と対面することがありますので、この期間、アルバイトは控えてください。
二つ目は、この期間を利用して、じっくりと読書に向き合って下さい。それと各教科からの学習課題もあります。しっかりと取り組んで下さい。
三つ目は、自分をコントロールする力を身につけてください。生活習慣のコントロール、感情のコントロール、スマホ利用のコントロールなどです。
これら3つのことを心がけて下さい。
「勝者の資格」、「弱者が勝者になるために」、「野村ノート」・・・最近では「師弟」(宮本慎也氏との共著)、「野村メモ」など野村克也氏の本をこれまでけっこう読んできた。なかなか勝てない時、指導に迷った時、本棚の背表紙を見て思わず読み返したこともあった。〝ノムさん〟の本を読んで腹に落ちたことばは数知れず。人としてどうあるべきか、社会人としてのあり方など不思議と心に真っ直ぐ届いた。生徒にそのまま伝えたこともあった。悲報を知り、これらの本を手に取ると赤ペンや蛍光ペンでなぞってあるところがたくさんあった。
〇聞く力は偉大なり むさぼるように聞く 身を乗り出して聞く 顔を輝かして貪欲に聞く(「勝者の資格」)
〇ご縁のある人・モノ・土地はよほど大きな理由でもない限り粗末にしては駄目だよ。(「勝者の資格」)
〇「先生は〝考察の三原則〟というものを教えてくださいました。第一は目先にとらわれないで長い目で見ること。第二は物事の一面ではなく、全面的・多面的に観察すること。第三は枝葉末節にこだわることなく、根本的に考察すること」(「弱者が勝者になるために」)
〇「本気になると世界が変わる、自分が変わる。変わってこなかったらまだ本気になっていない証拠だ」これは私の畏敬する詩人、坂村真民さんの言葉である。(「弱者が勝者になるために」)
〇人生という2文字から私は4つの言葉を連想する。「人として生まれる」(運命)、「人として生きる」(責任と使命)、「人を生かす」(仕事、チーム力)、「人を生む」(繁栄、育成、継続)(「野村ノート」)
〇振り返れば、ミーティング中などにしっかりとメモを取るタイプは大成していった選手が多いように感じる。・・・・古田敦也や宮本慎也のような真面目なタイプは、「メモ魔」と呼んでもいいくらいにメモを取っていた。(「野村メモ」)
〇監督として、いつも念頭に置いていた戒めがある「先入観は罪、固定観念は悪」(「野村メモ」)
〇「失敗と書いて、〝せいちょう〟と読む」と自分に言い聞かせ、果敢にいろいろなことに挑戦しては失敗し、それを自分自身の成長の糧としてきた。失敗を成長の糧とするには、何よりも自分の「欠点」としっかりと向き合わなければならない。(「野村メモ」)
〇神が人間に耳を二つ、口を一つ創られたのは、話す倍だけ人の話を聞けという啓示ではないか。実際に人間は普段の生活で情報のインプットとアウトプットを行うとき「聞く50%」「話す30%」「読む15%」「書く5%」程度が標準だという。つまり、心をつくるのは、誰から何を聞くかが大事なのだ。(「師弟」)
〇今までやってきたことを変える。これは大変な勇気を必要とする。(「師弟」)
〇人間は可能性の動物である。機能的に発達するようにできている。ただし、発達には3種類のタイプがある。①ある程度まですぐに伸びるが、やがて止まってしまう②平行線でもがんばり続け、急激に伸びる③ゆっくり上達しているため、よく見ないと気づかない(「師弟」)
キリがないので、これぐらいにしておこう。〝ノムさん〟のことばにどれだけ助けられたか、どれだけ勇気をもらったか、どれだけ学んだか。ご冥福をお祈りいたします。
今日は3年生の終業式がありました。以下の話をしました。(一部修正)
今日は3年生の終業式です。県内の多くの公立高校では、同じように3年生の学年集会を開いて、これからの心構えについて話をしています。今日は皆さんに質問をします。「社会人になるにあたっての自覚、心構えについて話をしてください。きちんと文章で答えてください。単語だけではダメです」(*この後、数人に指名して、それぞれのことばで答えてくれました。)
私が社会に出たのは35年前です。前日までは学生。4月1日初出勤、生徒から「先生!」と呼ばれ、22歳の若輩者に対して、50代の先生方からも「先生」と呼ばれ、敬語で話しかけてくれる。スイッチが完全に切り替わりました。これが社会人になるということか。責任感とか使命感が沸々と高まったことを覚えています。今日は皆さんに心がけてほしいことを簡単にまとめたプリントを作ってきましたので配ります。
令和元年度 第3学年 終業式
1 社会人や進学に向けての自覚とは何か。
2 仕事を任せられるか
〇あたりまえのことを一生懸命にやる 「凡事徹底」
→遅刻をしない、期限を守る
→約束事を守ることができるかどうか=誠実
→仕事を任せられる
3 一緒に仕事をしたいと思われるか
①特に朝、「おはようございます」と明るくあいさつをします
②呼ばれたら「はい」と返事をします
③はきものをそろえ、席を立ったらいすを入れます
→この3つは最低限のしつけ、コミュニケーションの基本中の基本
4 真剣だと知恵が出る 中途半端だと愚痴が出る いい加減だと言い訳ばかり 本気でやっているから誰かが助けてくれる
5 やる気に左右されない
6 石の上にも三年
・3年間とにかくひたすら仕事に向き合う。ノウハウがある程度は身につく。
明日からの自宅研修期間は4月からの新しい生活に向けての準備期間です。自分を磨いてください。本をたくさん読んでください。
このあと、進路指導課、生徒指導課、3年担任から今後の心構えや「3つのA(あいさつ、あやまる、ありがとう)」、生徒・保護者・職員・来賓みんなが気持ちよく卒業式を迎える、アップデートなどの話があり、生徒たちはしっかりと目で聴いて、心に届いているようでした。
昨日、第5回石川県総合学科高等学校生徒成果発表会が白山市松任学習センターコンサートホールで行われた。県内の総合学科を有する9校による発表会である。本校からは代表として福祉系列3年生3名が発表した。タイトルは「あなたに届け ~手話と交流を通して~」である。手話を交えながら本校の紹介をした後、聴覚障がい者と関わりコミュニケーションの取り方を模索した活動について発表した。聴覚障がい者の音のとらえ方を文字にしたスライドや文化祭での手話歌の動画の場面では、会場全体から視線が注がれた。異なる価値観や立場の人たちとコミュニケーションを取っていくことは、多様性の時代において、さらに大切になってくるため、この取組は意義深いものであることは間違いない。
下記は発表校のタイトルである。( )内は閉会時の県教育委員会担当指導主事からの各発表に対する講評(要約)である。
1 加賀高校 「あなたに届け ~手話と交流を通して~」
(加賀市には手話言語条例があり、地域の特性を活かした良い発表でした。)
2 寺井高校「ジェンダー・LGBTについて考える」
(向き合っていかなければならないテーマ。学び続けることが大切)
3 松任高校「石川の文化と歴史 ~私たちにできること」
(地元の街の活性化のためにも大きな声での挨拶が大事)
4 北陵高校「好印象を与える会話 ~聞き上手になるためには?~」
「イヌの喜怒哀楽 ~感情をどのような表情と行動で表すのか~」
(仮説を立て、合っているかどうか検証していく、この方法が大切)
5 津幡高校「課題研究の成果 ~自分たちの進路と関連づけて~」
(原稿を見ずに自分の言葉で説明していたのは立派。言いたいことが頭の中で消化されているからできる)
6 志賀高校「志賀高にんがしい広場★3年目の挑戦~商業・福祉の連携を通して~」
(商業と福祉を互いに補完しながら進めたのが良かった)
7 七尾東雲高校「観光による地域活性化 ~七尾の観光を盛り上げよう!~」
(七尾市内での就職を決めたのは、学習を通して地元の魅力に気づいたからなのかもしれない)
8 輪島高校「私たちと輪島朝市」
(先輩たちの活動を継承し、さらに発展させようとするのが良かった)
9 飯田高校「おからプロジェクト ~大浜大豆のおからを使った商品開発~」
(地元の特産品に注目し、またフードロスを絡めたのが良かった。)
総合学科の高校がこのような取組の成果発表を通して、互いに切磋琢磨し、生徒たちの豊かな人間性の育みに資することを願っている。
最新更新日:2024/7/22(月)
更新履歴
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・歳時記「天道清貴さん来校」
加賀高校公式LINEスタンプ完成!
令和2年度の新入生から制服がリニューアルしました。
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