校長室より「おこらいえ」

においの記憶

地震から323 日目

豪雨から59 日目

 

人の記憶の中で

最もさやかだけど

最も長く残るのは

匂いの記憶だそうです

 

昔の彼女と同じ香水をつけている人と

ふとすれ違った時

なんともいえない

せつない気持ちになったりします

 

先日奥野先生にいただいたカニを茹でた汁で

鍋をしました

 

今は隆起してしまって

二度と泳げない海

 

その匂いがしました

 

子供の頃の思い出が溢れてきて

 

鍋で泣けるなんて


地震と豪雨の被害

復旧がなかなか進まないこと

先の見通しが不明瞭な

不安の中で暮らし続けること

誰にとっても大きな負担です

 

スクールカウンセラーの

平野美香先生に入っていただき

生徒に寄り添っていただいています

 

メッセージをいただきましたので

ご紹介します

 

「しんどいと感じた時に

 短時間でも過ごすことのできる

 ホッとする居場所をつくること

 

 これに関しては

 ひとつの校舎が使用できない状況で

 ますます手狭になり

 物理的に場所を確保することが難しく

 またやるべきことが多い日の中で

 時間を取ること自体難しいことです

 

 でも今すでに

 保健室と栃木先生が

 みんなをひととき休ませることのできる

 場所になっています

 

 飛び続けて疲れてしまったとき

 ちょっとだけ羽を休め

 また飛び続ける力を得られる場所があることは

 小さなことのようでも

 大きな安心につながると思います

 

 心理職の仕事としては

 「危ない状態か判断すること」

 「必要な支援につなぐ」

 とともに

 そのホッとできる場・休める時間を提供して

 エンパワーすることも大切だと考えています

 お話を聴くことも

 その延長線上にある行為だと思っています

 

(本当は先生方にあてていただいたメッセージだったので

    生徒向けに一部言い回しを変えて掲載しました)


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『無理はせなあかん

 でも無茶はしたらあかん』

【意味】

頑張りすぎてはいけない

ちっちゃい「ぁ」?

地震から322 日目

豪雨から58 日目

 

最近ずっと気になることがあって

 

「ふくちぁん餃子」

なんて読むの問題に直面しています

 

「ふくちぁん餃子」は大阪の餃子専門店で

最近石川県にも急激に店舗数を増やしています

「ちゃん」ではなくて

ちっちゃい「ぁ」なんですよね

きっとなにかこだわりがおありのことと思います

なんて読むのかもっぱらの悩みのタネです

 

そういえば昔

「バャリース」の

ちっちゃい「ャ」にも

悩まされた時期があります

 

きっとBireley's を

それっぽく読ませるための

工夫なんだろうな

と自分なりに結論を出しました

 

気になって検索してみると

今は「バヤリース」

大きい「ヤ」なんですね

知らなかった

しかも「オレンヂ」ではなく「オレンジ」!

文字づかいってこうして新しく

なっていくんですね

 

ベルトをバンド

ベストをチョッキ

特急サンダーバードを特急雷鳥と

ついつい言ってしまう私にとって

ついていくのに精一杯です

 

昔使われていた文字で

現在使わないものに

「ぱ」のように

「さ」にまるをつけた

「さ゜」という文字があります

多くは江戸時代に使われていました

さてなんて読むでしょう

不思議発見!

 

ヒント

「お父さ゜ん」

 

答えは

「いつもすまないねえ」

「それは言いっこなしだよ

 おとっつぁん」の

「つぁ」でした

毎年恒例の

地震から321 日目

豪雨から57 日目

 

毎年この頃になると歯が欠けます

欠けた歯を治しに行くのが

毎年の恒例行事になっています

 

うらやましくないですか?

 

カニの解禁です

 

毎年の反省を活かすこともなく

待ってましたとばかりに

思いっきりガリッとやるもんですから

今年もやってしまいました

 

奥野拓海先生がとれたてのズワイと香箱を

しこたまくださいました

 

 

 

 

 

 

香箱とはズワイガニのメスで

身もさることながら

内子に旨みがギュッと詰まっています

 

子供の頃

料理屋をやっている友達の家へ遊びに行くと

「おやつはゆでたまごとガンチ

 どっちがいい?」

と聞かれたものです

ガンチとは輪島弁でカニのこと

つまり、卵1個とカニ1杯が

同じ値段だったのです

飽きるほどカニを食べていた私たちは

すかさず「ゆでたまご!」

 

それが今では

金沢でもちょっと気の張る料理屋へ行くと

1杯1万円ほどしますから

それで計算すると

今回は数十万円ほどの品を

いただいたことになります

 

錦織圭選手がおいしいとつぶやいた途端

高級魚になったノドグロと同じですね 

 

最近お茶受けとしてすっかり高級感の増した

「枯露柿」も能登のおいしいもののひとつです

昔砂糖が高級だったころ

甘いおやつの代表といえば柿だったので

「菓」はくさかんむりに果と書くそうです

「美味しんぼ」で言っていました

 

 

 

 

 

 

こちらが「枯露柿」を作っている家

家の中全体に柿が干してあります

風通しが良いように窓は取っ払ってあります

じっくりじっくりと渋みを甘みに変えます

 

のと里山海道の柳田から少し北上したところ

下り車線左側に見えます

 

奥野先生のおとうさまは漁師をされています

地震による隆起で海底の地形が変わり

漁場が変わった心配があり

漁ができるか危ぶまれていました

たくさんいただいたので大漁だったのか

あるいはあまり獲れなかった中

貴重なものを分けてくださったのかわかりませんが

おいしくいただきました

 

奥野先生も跡を継いで漁師

という選択肢もあったのですが

教職の道を選ばれました

教員よりもはるかに高収入の道を捨て

未来をつくる道を選ばれただけあって

生徒への熱い想いは人一倍です

 

今回の被災においても

何度も二次避難先を訪ねたり

転校してしまった生徒をずっと

気にかけていらっしゃいます

 

こんな教師の姿を見ていると

この地区の教育は大丈夫!

心強く感じます

パラグラフ・ライティングとは

地震から320 日目

豪雨から56 日目

 

 私は、日本の教育にパラグラフ・ライティング(以下P.W.)を取り入れるべきであると考えます。OECDの調査などで日本の子どもたちの表現力の低さが指摘されています。小さいうちからパラグラフ・ライティングを系統的に教えることにより、多くの場面で活躍する人材を育成することができます。

 P.W.とは、論理的な文章を書くためのスキルです。私も含め多くの日本人は、パラグラフを意識して文章を書いていません。パラグラフがしっかり構成されている文章と、そうでない文章とでは、伝わり方が歴然と異なります。

 英語文化圏の国々では、P.W.を系統的に教えています。エレメンタリースクールからハイスクール、ユニバーシティと発達段階に応じて適切な指導がなされます。こうして論理的で伝わりやすい文章の書き方を身につけていくのです。

 パラグラフとは、数行からなる文章のかたまりのことです。日本でいう段落のようなものですが、そこには一定のルールが存在し、段落とはやや意味合いが異なります。そのルールに則ってパラグラフを構成することによりわかりやすい文章を書くことができるようになります。

 パラグラフの初めには、そのパラグラフで最も言いたい「トピック・センテンス」を書きます。パラグラフの芯となる文章で、パラグラフの要約文という認識で書くとよいです。パラグラフの冒頭文さえ読めば、パラグラフ全体の内容が大まかに分かります。

 「トピック・センテンス」に続けて、その内容を詳しく説明する「サブ・センテンス」を書きます。「トピック・センテンス」のより詳細な言い換え,具体例,根拠など,各話題を補佐する役割を持つ文章を話題文の後に続けます。このことにより読み手はパラグラフの内容をより細かく知ることができます。

 ひとつのパラグラフにはひとつの内容しか書いてはいけません。つまり「サブ・センテンス」は、「トピック・センテンス」をより詳しく説明するものに限られるということです。そうでないと読み手を混乱させるような複雑な文章になってしまいます。

 接続詞を極力使わないのもP.W.の特徴です。「そして」「また」「しかし」などの接続詞を多用すると文章が冗長になります。接続詞がなくても伝わるように書くのがP.W.の目的であるともいえるからです。

 P.W.のルールに則った文章は、「トピック・センテンス」だけを飛ばし読みするだけで、文章の全体像を掴むことができます。お気づきでしょうか。実はここまでの文章は、パラグラフ・ライティングのルールに則って書かれています。どうぞ初めから「トピック・センテンス」だけを拾い読みしてみてください。

 

いかがですか

とはいえ全ての文章を

P.W.で書けばいいかというと

決してそうではありません。

 

最初に「犯人はこいつだ」と

トピックセンテンスを持ってきてある

ミステリーなんて

おもしろくもなんともないですもんね 

 

最初に犯人を明かしておいて

警部補とのやりとりを

おもしろおかしく描く

「古畑任三郎」のような

パターンもありますけどね


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『無人島に何を持っていくか?って

 そもそもなんで無人島へ行かなあかんねん?』

【意味】

ものごとの本質を問い直す言葉

木曜日は探究の日

地震から319 日目

豪雨から55 日目

 

金融教育の出前講座を行いました

講師にお迎えしたのは

”4年後に責任を持つ大学” 環太平洋大学の

大池 淳一 准教授

簿記やシスアドのほか

家庭菜園 岡山検定 ハワイスペシャリストなど

46もの資格をお持ちの魅力溢れる方でした

 

対象生徒はビジネスコース1年生

初対面の生徒の心もがっちりつかみ

岡山県立興陽高校さんと繋げてくださいました

双方の地元の品を使ったバスソルトの開発に

共同で取り組むことになりました

 

 

 

 

 

 


ビジネスコース3年生は

卒業制作を手がけることとしました

被災地の災害ゴミを転生させて

公園のベンチなどを製作します

 

 

 

 

 

 

被災地には多くの瓦 木材 魚網などが

発災時そのままになっています

これらの災害ゴミに新しい命を吹き込みます

粉々に粉砕し成形し直し

生まれ変わらせます

 

 

 

 

 

 

マリンタウンにベンチやテーブルを設置して

市民がくつろげるスペースにします

 

大成建設さんや輪島市さんからの協力を得て

卒業の記念に想い出と共に残していきます

 

今日はファーストアイデア作成と

完成イメージのスケッチをしました


2年生は「街プロ」の振り返りの会

 

 

 

 

 

 

これまでの活動の総括

そしてこれからどうするか

グループごとに話し合いました

 

 

 

 

 

 

これから「街プロ」に取り組む1年生が

先輩の活動の様子を見学します

「フィッシュボール」という

アクティブラーニング(以下AL)の手法を用いました

 

ALとは

生徒の活動主体の授業形態のことで

海外の教育先進国では盛んに行われていますが

日本に取り入れる際に

「言葉だけ先走りして

 活動させることが目的化してしまうこと」

を危惧して

あまり使わないようにしようとされた教育用語です

 

さまざまな授業形態があり

「フィッシュボール(金魚鉢)」はそのひとつです

金魚鉢の中を泳ぐ魚たちを外から眺めるように

活動をする生徒をその他の生徒が観察します

 

 

 

 

 

 

2年生が研究グループごとに話し合う様子を

1年生が気になるグループの周りで

メモを取りながら観察します

興味を持ったらその研究を次年度引き継ぎます

2年生も跡継ぎをつくろうと必死に討論します

 

双方にとって意義のある活動です


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『信号が青になる幸せをもっと味わえ』

【意味】

幸せは日常のあちこちに散らばっている

赤の時間が長いほど青になる瞬間は嬉しい

とくにせっかちな大阪人にとってはひとしお

私は以前一度伊丹空港行きの飛行機に

乗ったことがありますが

着陸した瞬間

飛行機がまだ動いてるのにみんな立ち上がり

上の荷物を降ろして通路に並んだので

さすが大阪やなと感心しました

お引っ越し大作戦

地震から318 日目

豪雨から54 日目

 

出来ない言い訳探す暇があったら

どうやったらできるか考えろ

自分の座右の銘であります

 

先生方も生徒たちもしっかりとそれを

実践してくださっています

 

校舎の1号棟の危険が指摘されたので

なんとか安全に学習できる場所へ移動

できる場所でできることを実践していきます

 

短時間で効率よく引っ越しできるよう

夕べも先生方は遅くまで綿密な打合せです

 

 

 

 

 

 

 

まずは柔剣道場をきれいに空っぽに

ここも教室として使用するためです

 

 

 

 

 

 

 

剣道場は臨時の音楽室となります

 

 

 

 

 

 

 

パソコン室も普通教室にする必要があります

コンピュータおよび配線を一掃

 

 

 

 

 

 

 

パソコンは図書室へ運び臨時のPC室です

配線は支援員の表野さんが大活躍

 

 

 

 

 

 

 

教室への机の移動もスムーズに

 

 

 

 

 

 

 

各自の私物も忘れ物のないようにと

 

 

 

 

 

 

 

一部の部屋には間仕切りを入れて

少人数用の講義室に分割

 

 

 

 

 

 

 

机がそっぽ向いて並んでいる美術室にも

このあと仕切りを入れます

 

 

 

 

 

 

 

廊下をピカピカに磨き上げた

3年生の岩波さんは

「校長先生!おこらいえにアップして!」

 

 

 

 

 

 

たしかにピカピカです

 

受験生は短時間で作業を済ませ

寸暇を惜しんで自習です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなで力を合わせ

予定よりも早く引っ越しが終わりました

午後から授業が再開されます


ALTのマイケル先生のおかあさまが

ケンタッキーから

メッセージを届けてくださいました

 

 

 

 

 

 

To the students:

We are thinking about you.

I really hope things are getting better each day.

Everyday is just a little easier than the day before.

Wishing & hoping for you all to keep looking to a bright future!

Your dreams and your hopes-work toward getting then.

I care. 

Lots of love!

ありがとうございます


吹奏楽部の生徒たちが

小学校の鼓笛隊の指導に出かけました

 

 

 

 

 

詳しくはこちら

https://cms1.ishikawa-c.ed.jp/wazifh/blogs/blog_entries/view/75/a2a009d30aa141502977778ea12ca14f?frame_id=210


 

 

 

 

 

 

ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」です

 

この作品はドラクロワ32歳の時の作品で

ナポレオン失脚後の

シャルル10世の権威主義に反抗するため

描かれました

 

中央のフランス国旗を掲げた女性は

マリアンヌ「自由の女神」です

 胸がはだけているのは

「母性」「祖国への愛」

を表現したかったからといわれています

フランス国民の総意として

フランス革命が起こったことを表現しています

 

ここでも化学にまつわる話をひとつ

 

近代化学の父と言われる

ラボアジエはこの頃の化学者です

妻の父が徴税請負人をしていて

税金取立ての仕事を手伝いながら

化学の研究をしていました

 

抜けなく全員から税を徴収するため

パリからの出入りを禁止したりしました

 

そのことをヒントに

外部との出入りがなければ

化学反応の前後で総質量の変化はないはずだと

「質量保存の法則」を確立します

 

厳しい税の取り立てで

民衆の怒りを買った彼は

マリーアントワネットらとともに

斬首されることとなります

 

彼は処刑前に弟子たちに

最後の研究を指示します

 

自分は首を落とされたあと

できる限りの瞬きをするから

それを記録に留めておくように

とのものでした

最期まで科学者を貫きました

 

実際に弟子の手記には

瞬きしたとの記録が残っているそうです

死後の筋肉の痙攣だろうとは

いわれています

 

「自由の女神」 マリアンヌの周りには

社会階級も年齢層もばらばらな

多くの民衆が描かれています

特に彼女の右にいる少年は

「未来の世代」を表しています

 

街の復興を未来の世代に託している

今の気持ちと重なります

 

ちなみに左端のシルクハットの男性は

ドラクロワ自身だといわれています。


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『バケツに穴あいたら

 こぼれんもんを入れんかいな』

【意味】

穴が開いたバケツでも植木鉢として使える

何事も工夫が大事!

なんか今日の引っ越しにぴったりですね

化学の視点で歴史を見ると

地震から317 日目

豪雨から53 日目

 

輪島高校校舎は

1.2年生の教室がある1号棟

職員室がある2号棟

3年生の教室がある3号棟が

コの字型に建っています

 

1月に建物の応急危険度判定

3月に被災度区分判定を行い

その結果2号棟は3度の傾斜が認められたため使用禁止

職員室などの施設を別室に移動して

教育活動を行っていました

 

さらに安全な学校生活を送れるように

時間をかけて

より精度の高い建物基礎調査を行ってきましたが

その結果によると

1号棟の建物下にある基礎杭に

一部損傷が認められました

 

そのため

明日以降1号棟の使用を原則禁止とします

直ちに倒壊などの危険があるわけではありません

安全を期して

1・2年生の教室を3号棟に移動して

授業を行います

 

明日の午前中に一斉に移動をし

午後から通常授業を再開させます

 

限られたスペースですが工夫をして

切り抜けようと考えています

 

保護者のみなさまにおかれましては

なにとぞご理解のほどお願いいたします


1年生の谷内陽斗さんは

総合的な探究の時間「不自由研究」で

被災地における学校のトイレ環境について

研究をしていました

その結果をプレゼンしに校長室に来てくれました

 

 

 

 

 

 

学校のトイレは需要を満たしているのか?

フェルミ推定を用いて試算してみました

男女別に生徒数

1回の使用時間

一日の使用回数などを

抽出によるアンケートを行い

便器の数

休み時間の長さなどのファクターを加え

試算したところ

トイレの数に制限はあるものの

一応需要を満たしているとの結論を得ました

 

ただし今回別の調査により

2号棟の地下の下水にも損傷が認められたため

さらに使用できるトイレの数が減ってしまったのです

 

谷内さんはすかさず試算しなおしたところ

トイレが足りないことがわかりました

 

そこで今度は

休み時間を何分にしたら解決できるかを

シミュレーションしてみました

 

その結果現在10分の休み時間を

15分に延長すれば解決するという

結論にたどりつきました

 

明日から授業を5分短縮して

休み時間を15分にします

生徒の研究結果に基づいた

数学的な時程の変更です


「皇帝ナポレオン一世と皇妃ジョセフィーヌの戴冠」

 ルイ・ダビッドの作品です

実物はルーブル美術館にあるので

パリ研修に参加する生徒は

ぜひ見てきてほしいです

 

 

 

 

 

 

私は歴史の中の化学を授業中語るのが好きで

ナポレオンにまつわるとっておきのネタがあります

 

鉛筆の芯の材料黒鉛とダイヤモンド

どちらも炭素のみでできている物質ですが

全然別の物質です

このような物質を同素体といいます

 

高校の授業ではこのほかに

赤リンと黄リン

酸素とオゾン

斜方硫黄と単斜硫黄とゴム状硫黄

について学びますが

実はそれ以外にも存在します

 

「スズ」という金属は

柔らかく加工しやすいので

徳利を始め様々な食器に使われています

 

「スズ」には何種類もの同素体が存在します

温度などの条件によって形を変えますが

低温の状態だと非常に脆い形になります

 

ナポレオンは連戦連勝

次々と周辺諸国を制圧していきますが

ロシアとの戦いにおいては敗走しています

 

ナポレオン軍兵士の軍服のボタンは

スズでできていました

つまりシベリアの寒さで

ボタンがボロボロになってしまっていたのです

 

ナポレオンに化学の知識があれば

世界の歴史が変わっていたかもしれません 


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『座る場所変えてみたらどうや?』

【意味】

悩んだときは視点を変えてみる

名画探訪

地震から316 日目

豪雨から52 日目

 

昨日訪れた大塚国際美術館

世界26カ国

190余りの美術館が所蔵する名画約1000点を

原寸大で陶板に模写し焼成した作品が

全長約4kmの展示ルートに沿って

展示されています


 

 

 

 

 

 

クリムトの

「接吻」

 

1873年にウィーン万博に出品された

尾形光琳の「紅白梅図屏風」に影響を受け

金箔を施した作品に仕上がっています

 

ウィーン生まれのクリムトは

26歳の若さで描いた「旧ブルク劇場の観客席」で

第一回皇帝賞を受けました

 

その後受けた

「医学、哲学、法学をテーマに」という

ウィーン大学の天井画の依頼に対し

裸婦や死神を描きやり直しを命じられます

しかしクリムトは

「頭の固いレガシーはだまれ」と一蹴

無視してこの作品を仕上げますが

結局契約は破棄されます

 

クリムトは伝統主義で保守的な

古き良き時代を愛するウィーンに愛想を尽かし

独自の画風を確立させていくのです


 

 

 

 

 

 

 印象派の巨匠ルノワールの

「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」

 

賑やかな舞踏会の様子が

明るい色彩と独特の柔らかな筆致で

表現されています

黒を使わずに鮮やかな純色のみで表現する

「虹色のパレット」と呼ばれる

ルノアールの色づかいが

見事に再現されています

 

フランスの労働者階級に生まれたルノワールは

磁器工房の絵付けで

絵に関する才能を発揮していましたが

産業革命の影響で職を失い

カフェの壁の装飾や

日用品に絵付けする仕事などで

細々と食いつないでいきます

 

貧しい中でも「美しさ」を追求し続けた

ルノワールの作品は

美しいものへの愛情と情熱に包まれています


 

 

 

 

 

 

ルーベンスの名画

「キリスト昇架」

 

フランダースの犬で

ネロとパトラッシュが最後に見た絵です

 

実物はアントウェルペン聖母大聖堂に飾られています

この作品がきっかけとなり

バロック様式の絵画が知られることになります

 

三面鏡のような作りとなっていて

開閉ができる扉の裏側にも

絵が描かれているそうです

 

聖堂のあるアムステルダムの駅は

東京駅のモデルとなりました


 

 

 

 

 

 

ファン・エイクの

「ヘントの祭壇画」です

 

実物はベルギーの古都ゲントにある

聖バーフ大聖堂に飾られています

 

中央には玉座に座るキリスト

その周囲には聖母マリアや

洗礼者ヨハネらが配置されています

細部まで非常に精緻に描かれており

宗教的なテーマが強調されています

 

ファン・エイクは謎の多い画家で

この作品も兄が手がけたものを

引き継いで仕上げたとされていますが

その兄も実在したのか疑問視されているそうです


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『一円を笑う者は百円で大爆笑や』

鳴門紀行

地震から315 日目

豪雨から51 日目

 

鳴門教育大学に招かれて

講演会をしてきました

 

 

 

 

 

 

鳴門教育大学は1981年に創立された

教員養成のための大学で

教員就職率全国トップを誇ります

大学院生の4分の1が現職教員で

今回の講演にも

多くの現職教員の方が参加してくださいました

その学ぶ姿勢に尊敬です

 

 

 

 

 

 

招聘してくださった阪根教授のゼミ生は

今回の被災に際して

現場まで視察と支援に来てくださり

その際設置してくださった

「おもちゃの王国」を

再現展示してくださっていました

 

オンライン授業用のスタジオもありました

 

 

 

 

 

 

奥能登5高校の復興再建には

教員不足の解消といった大きな問題が

立ちはだかっています

物理化学生物地学あるいは

地理日本史世界史

さらには音楽美術書道

全ての学校に

全ての科目の教員を配置することが

極めて困難です

オンライン授業をうまく取り入れながら

その解決を図っていくことが求められます

このようなスタジオを

各校に設置していくことで

新しい時代の教育のスタイルが

構築できると感じました


帰りのバスまでの待ち時間に

鳴門の渦潮を見にいきました

 

 

 

 

 

 

太平洋が満潮になると

紀伊水道を通って

淡路島の北東側つまり

大阪湾に海水が流れ込みます

 

その海水はさらに

明石海峡を通って

淡路島の北西側

つまり瀬戸内海へ

 

ここまで到達するのにおよそ5時間かかります

この頃には太平洋は干潮を迎え

水位が低くなっているので

瀬戸内海に流れ込んだ海水は勢いよく

淡路島の南西

つまり鳴門海峡を通って

太平洋へと還って行きます

 

これが渦潮発生のメカニズムです

 

 

 

 

 

 

春先の潮の干満が大きくなる頃

最も渦の発生が盛んになり

20〜30mのものも見られるそうです

 

 

 

 

 

 

その渦に飲まれてしまったら最後

二度と上がってこれず

なので鳴門海峡の海底が

どのようになっているのか

未だ目にした人はいないのだそうです

 

地震いや地殻変動の時にも思い知らされましたが

自然の力の大きさに畏れるばかりです

 

ナルト巻きってもしかして

ここから名付けられたのかな

気になって調べてみたらビンゴ!


このように潮の流れが速く

また晴天が続くことから

塩分濃度の高い清澄な海水に恵まれた鳴門は

昔から塩づくりの盛んな地でした

製塩業はおよそ400年前の慶長4年に始まったとされ

60年ほど前まで大きな塩田風景が広がっていたそうです

鳴門教育大学も塩田の跡地に建てられたので

液状化が懸念され防災教育にも力を入れているそうです

 

流下式の製塩で能登半島に伝わる揚浜式とは

また違った製塩法ではあります


そのあと大塚国際美術館へも足を運びました

世界中の名画の陶板レプリカを展示してあります

 

 

 

 

 

 

大正時代

製塩業で財をなした大塚武三郎氏が

薬の開発にも乗り出します

点滴液を足がかりとして

オロナイン オロナミンなどの新薬を販売します

大塚製薬の誕生です

 

薬の名前には「ン」で終わるものが多いです

これは次々と日本の新薬が開発された時代は

それまで右から左へ書いていた

日本語の横書き表記を

欧米のアルファベット表記に揃えて

左から右へと変えていた時代なので

消費者が間違えないようにと

最後を「ン」にしたそうです

キャベジン バファリン…なるほど

 

やがて食品部門にも参入し

薬品包装の技術を生かし

レトルトカレーを開発します

ボンカレーです

点滴液を甘く味付けして売り出します

ポカリスエットです

この時食品会社のタブーにも挑戦しています

イメージカラーに青を採用したのです

青い食べ物がないことから

(せいぜいエビの卵くらい)

青は食欲を減退させる色として

食品会社が忌み嫌ったからです

こんなとこにも新しい街づくりへの

ヒントがありますね

 

かくのごとく

次々と新製品を世に送り出した大塚製薬が

社会貢献のためにと造ったのが

この大塚国際美術館です

 

 

 

 

 

 

レプリカとはいえ

圧倒的な迫力です


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『月が欠けてくときに文句言うか?!』

【意味】

つべこべ文句ばっかり言うな

いざ鳴門へ

地震から314 日目

豪雨から50 日目

 

明日開催される

鳴門教育大学の大学祭「鳴潮祭」にお招きいただき

「学校が避難所になったら

 〜能登半島地震からの教訓〜」

と題して講演をさせていただけることとなりました

 

同学の阪根ゼミ

おもちゃの王国プロジェクトの皆さんは

被災地にお越しになり

子どもの居場所づくりのために

レールブロックを寄贈くださり

その使い方もレクチャーしていただきました

「街プロ」のグループのひとつが

活用させていただいています


昨夜は途中大阪で1泊して

OECD「教師生徒サミットinパリ」に参加する

生徒のみなさんと

オンライン会議をしました

 

 

 

 

 

 

ホテルの窓からの景色です

ここも大阪の陣で焼き尽くされた場所です

こんなに見事に復活

 

この景色を

秀吉や淀君がご覧になったら

どんなふうに思うのだろう

被災後日本各地から招待され訪れるたび

こんなことばかり考えるようになりました

 

歴史の大きな流れの中

そこで生きてきた方々に

思いを馳せることが本当に多くなりました

 

歴史を勉強し直したいと

この歳で学ぶことの本当の楽しさを

再認識しています

 

同じことを生徒たちも

一人ひとりがしっかりと考えるように

なってきていると思います

 

発災前は先生方に

「授業中寝ている生徒を起こしていると

 他の生徒の学びの時間を奪うことになるから

 起こす必要はない

 自分が教室に入って起こして回るから

 それよりも生徒が寝ないような

 魅力ある授業作りをしてくれ」

と日頃話していました

 

授業中寝ている生徒を

起こして回るのが校長の仕事でした

 

それだけ実は授業中寝ている生徒が

多かったのです

 

ところが今は授業中寝ている生徒はゼロです

集会でもうつむいている生徒がいません

全員がしっかりと顔を上げて

話す人の顔を見ています

 

発災後しばらく気を遣っているのだろう

と思っていたのですが

もう一年が経とうとする今でも

その様子は変わりません

 

つらい思いをして

学ぶことの本当の意義を

一人ひとりが考えるようになったと

そう信じています


高速バスで鳴門へ向かいます

 

 

 

 

 

 

車窓からは神戸の街並み

ここも奇跡の復活を遂げた都市

犠牲になられた方に心の中で手を合わせ

 

 

 

 

 

 

明石海峡大橋を渡って淡路島に入ります

 

淡路島は洲本市に入りました

 

 

 

 

 

 

どこかで聞いたことのある

懐かしい匂いのする地名だなとしばし熟考

思い出しました

確か私が大学生の頃流行った

ファミコンのRPG「なんとか殺人事件」

の舞台となった場所です

当時家庭教師として勉強を教えていた子が

一生懸命語ってくれました

だから懐かしい匂いがしたんですね

そのゲーム何て名前だったかな?

 

車窓いっぱいに広がる畑

 

 

 

 

 

 

今は時期が違うかもしれませんが

淡路島は玉ねぎの産地

私も一度いただいたことがありますが

本当に大きくて甘いんですよね

播磨灘・大阪湾・紀伊水道

3つの海に囲まれた淡路島

海のミネラルを豊富に含んだ

肥沃な土壌で育てられた玉ねぎは

甘さと栄養分がギュッと凝縮しているそう

 

眼下に渦潮が広がります

 

 

 

 

 

 

もうすっかり日も暮れてよく見えないので

明日帰りにしっかり見ようと思います


苦しいときこそ笑わなあかん!

今日の「大阪人の格言」

『下向いても地べたしかないぞ』

【意味】落ち込んでもいてもしょうがない

エラーした阪神の選手に向けられた

「さっさと顔上げんかい!

 いつまで甲子園の土見とんねん?

 プロのくせに持って帰る気か!」

大阪のおっちゃんのヤジはおもろいです