校長室より「おこらいえ」
西陵高校さんありがとう
26日目
3日ぶりに授業です
午前中に2時間
対面とオンラインのハイブリッドで
行いました
体育では山下友子先生がヨガを・・・
避難所生活が長引き
腕があがらなくなっていた生徒がいて
50代の先生から
「私とおんなじだね」
とからかわれながら・・・
でも授業の終わりには
ちゃんと上がるようになっていました
嬉しいお知らせもひとつ
名古屋の西陵高校の生徒さんから
励ましの贈り物をいただきました
2年5組の生徒さんが
集めてくださったもののようで
衣料やコスメ、小物などを
送ってくださいました
「マフラーあったかい」
「リップめっちゃ欲しかってん!」
みんな大喜びで持って帰りました
絵本もたくさんいただいて
こちらは学校内に設置されている
子ども向け施設「カタリバ」
の方に置かせていただきました
闇があるから光がある
そして闇から出てきた人こそ
ほんとうに光のありがたさがわかる
つらいことがあっても
私は負けなかった
いつかはこの状況から
抜け出せる日が来ると
信じていたから
一時的に悪そうに見えても
あわてることはない
すこしばかり悪いことが続いても
あきらめてはいけない
夜明け前が一番暗い
そうすこしすれば夜は明ける
もう
幸せの芽が
出はじめている
そんな心強いメッセージも
いただきました
西陵高校のみなさん
本当にありがとう
今日も一歩ずつ
25日目
大雪が予測されたため
昨日に引き続き生徒の登校は取りやめです
できることから一歩ずつ
歩みを止めずに前進しています
避難所のシャワーがいよいよ使えます
発災以来頭を洗っていない方がほとんどです
先日新聞に
受刑者にリンスの差し入れが認められるようになった
という記事が載っていましたが
我々はある意味
受刑者以下の生活を強いられているのだなと
複雑な気持ちに…
25日ぶりに綺麗になった方からは
「本当にありがたい」
小さな幸せを噛み締めていました
輪島高校では現在、
高校の再開を目指すと同時に
校舎を小中学校の仮校舎として
活用する準備も進めています
カタリバさんも含め
幼小中高連携した学びの場を
提供できそうです
小中学生が安全に通れるように
玄関の段差を修繕しました
現在、輪島市では郵便が止まっていて
学校宛の郵便物は届きません
が、郵便物は郵便局で止まっているだけで
取りに行けば受け取ることができる
ということを今日知りました
というわけで早速郵便局へ
すると、とっくに届いているはずだった
うれしいお便りをいくつか見つけました
まずは金沢大学附属高等学校の生徒会長さんより
何か援助をしたいけど…という申し入れ
うちの学校の生徒会長に伝えますね
本当にありがとうございます
続いては東京で教員をされている毛利泉先生より
地震避けステッカーの贈り物
寄席文字橘右之吉師匠の筆によるものです
実はすでにメールでもいただいていて
避難所に貼ってあります
どうもありがとうございます
発災当時から大きな力を発揮している携帯キャリア
被災者の大きな心の支えとなると同時に
DMATや自衛隊と連携して復旧活動に
大きな力を発揮しています
docomo、KDDI、ソフトバンクや楽天モバイル
多くの移動基地局を
集中させてくださっています
今回の能登半島は陸の孤島化しているので
船上基地局も投入されているようです
沿岸から輪島の電波を確保してくれています
本校の中庭にもDMAT専用のアンテナが
現在、金沢大学の一部をお借りして
能登地区の5校から
金沢地区へ二次避難している
高校生が学ぶことのできる
場所を作る準備を進めています
大学生の学習支援ボランティアも
多数参加してくれそうです
また、その際、
金沢大学までの交通費も
支援されることが決まりましrた
転学や他の高校で学ぶという選択肢も
お示しましたが
実際かなりハードルが高く
このシステムを利用するのが
最適であるとお勧めします
現時点で転学が決まった生徒は4名です
一日中何やってんだか?
24日目
昔から
ものをどこかにおき忘れることが得意で
1日の勤務時間のうち2割くらいは
あれどこやった?
これどこに置いた?
などとものを探す時間に充てていました
震災後その時間が肌感覚で4割くらいに
増えている気がします
一日中何やってんだか?
って感じです
普段からの
使ったものは元に戻す
という習慣が大切だなと実感
いろんな取材の方から
「あれはいつでしたか?」
と尋ねられることが多いのですが
確かブログに書いたな…
ってこのコラムを見直すことも
生徒に情報を…という気持ちで
始めたこのブログ
意外なところで役に立ってます
日記って大事だなってこれも実感
今朝は雪が積もりました
大雪が予測されていたので
生徒の登校はなしにしました
教務主任の橋場先生が早々と出勤
七尾からの遠距離通勤です
途中、輪島に入る直前で
10cmほどの積雪があったそうですが
それ以外は除雪されていて
車は比較的順調に流れています
ただしアイスバーンにはお気をつけください
道路情報をお伝えしました
今日は輪島市の教育長さんが
避難民のみなさんへご挨拶に見えました
この後、2月から3月にかけて
輪島高校の教室を市内の小中学校として
活用する計画です
現在市内の小中学校は
避難所になっており
校舎として使用できません
また、中学生は白山ろく少年自然の家に
集団で移動してそこで学校を開いていますが
そこに参加できず
輪島に残っている中学生もいます
その子たちのために
輪島高校を小中学校の仮校舎として活用します
現在輪島高校に避難している方は
最初市役所に避難していたけど
役場としての機能を再開するため
ここに移動をお願いした方々で
再三の移動のお願いになるわけですが
子供達の学ぶ場所の確保のために
ご理解ご協力をお願いします
俄然、盛り上がってきました
23日目
何でもかんでも気の持ちようで
昔から
寒い時には「涼しい!」
暑い時には「あったかい!」
忙しくなってきたら
「盛り上がってきた!」
と言うようにしています
ここ数日、俄然盛り上がってきました
文科省から保護者あてに
「転学に関するリーフレット」が
公開されました
(本校ではメール配信しました)
「転学」
「籍を置いたまま他校で学習」
このことについて柔軟に対応するよう
文科省から全国の学校に
伝えていただきました
ただ、このことについて
小中学校に比べ高校間の転学には
高いハードルがあることを忘れてはいけません
「ハードルは高ければ高いほどくぐりやすい」
と言われますが
今回に限って言えば
くぐると「未履修問題」という罠が待っています
せっかく転校してきたのに…
科目の組み合わせにより
どうがんばっても
卒業に必要な単位が揃わない
という可能性があるということです
つまり
好きな学校に
行けるわけではないということ
また「籍を置いたまま他校で学習」するパターンは
いつでも自分の都合のいい日に
輪島高校に戻ることができるわけではない
ということもぜひ頭の片隅に…
今は午後10時
ついさっきまで事務員の浦美穂さんが
残ってお仕事をされていました
責任感の強い彼女もやっぱり被災者です
住む場所を無くした彼女は
ずっと車中泊をしています
中学生のお子さんは集団で
白山ろく少年自然の家へ
小学生のお子さんは
単身小松市内の小学校へ
心細くて「行きたくない」って
泣いているのだとか
なんか心が張り裂けそうになります
でもきっとだいじょうぶ
お母さん見守ってるよ
強く大きく成長できるできると思います
金沢方面へ二次避難している生徒が学ぶ場所として
金沢大学をお借りすることができそうです
準備ができ次第ご案内します
生徒のみなさんへ大切なお知らせ
22日目
大学入試共通テストを終えた3年生は
個別記述(二次試験)に向けて
金沢市内の高校の一室をお借りして
学習に励んでいます
受け入れてくださった
高校の関係者の皆さん
ほんとうにありがとうございます
また、土日には
金沢市内のホテルの一室を借りて
同様に学習部屋としています
県教育委員会の
全面的なバックアップを受けています
ありがとうございます
学校では少しずつ授業を組んでいます
23日(火)の予定は
1年生…1限 化学基礎、2限 数学
2年生…1限 生物&物理、2限 化学
です
積雪が見込まれるので
始業を遅らせて2時間だけの対応です
気をつけて登校してください
オンラインでの配信も
徐々に増やしていきますので
Chromebookをまだ取りに来ていない人は
学校までとりに来てください
金沢方面に二次避難をしている12年生
学習する場所の確保ができそうです
しばらくお待ちください
羽咋方面に二次避難している人は
羽咋高校の授業に入って
勉強することも可能です
希望する方はご相談ください
一人ひとりが
事情に応じて学ぶことのできる環境を
何とか整えて行きたいと考えます
要望やアイデアがあれば
ぜひおっしゃってください
100%希望に添うことはできませんが
①他の高校へ転学する
②輪島高校に籍を置いたまま他高校で学ぶ
などのシチュエーションが考えられます
準優勝盾が語るもの
21日目
避難所開設の頃の話です
準備に来ていた市の職員のひとりが
玄関を入ったところにあった
中のトロフィーたちが無惨に崩れ落ちた
表彰ケースをじっと見つめていました
ポツリとひとこと「俺たちの盾が…」
彼の名は浅井朱文(旧姓)
古くからの高校野球ファンなら
輪島高校の投手として
聞いたことのある名前かも
棚の中には輪島高校の
輝かしい部活動の歴史が
飾ってありました
その中でひときわ輝く
ふたつの準入賞盾
それは本校の100年の歴史の中で
かつて二度
甲子園へあと一歩と迫った証です
盾に描かれている図柄は
スクイズをウエストするシーン
打者と捕手が必死にボールに
飛びついているシーンです
あれ?
何か違和感持ちませんか?
スクイズ外す時って
捕手は投球と同時に
立ち上がりますよね
なのに打者と一緒に
飛びつくなんて…
これはサインプレーではなくて
三塁走者がスタートを切ったのを見て
投手が咄嗟の判断でウエストした
高度なプレイを描いたものでしょう
江夏の「奇跡の21球」を彷彿とさせます
よほどバッテリー間に信頼がないと
できないプレーです
よく見ると
背景には
でっかいキャッチャーミットが
描かれています
「どんな球でも俺が止めてやる!」
心の叫びが聞こえるようです
浅井投手は
この盾を手にした当時の
中心選手です
その時決勝戦で戦ったのは
箕島高校と延長18回の死闘を繰り広げた
あの星稜高校でした
「全国制覇した箕島が日本一
それに惜しくも敗れた星稜が2番目
俺たちは日本で3番目に強いチームだ」
と何とも都合のいい理屈を展開していました
この根拠のない自信こそ
輪島の人間の強さです!
きっと立ち上がります!
少し落ち着いてきたので
来週棚の中を整理しようと
思います
浅井選手らの思いを繋ぐ
現在のチームも
「できることから練習を開始します!」
先週、冨水諒一監督から
報告を受けました
男子バレーボール部も
できることから活動開始です
体育館は自衛隊の基地となっていて
いや、そもそも床が斜めに傾き
使用することができないので
20日(土)は翠星高校さんで
合同練習をさせていただきました
わざわざ輪島高校の控え室まで
準備してくださり感謝感謝です
感無量だと語る生徒も…
翠星高校の先生方や生徒の
温かさに触れた1日でした
21日(日)は星稜高校さんと
星稜高校の先生は
「今は大変だと思いますが
一人ひとりが自分のできることを考え
一生懸命にやっていきましょう」
とおっしゃってくださいました
また、今日は
金沢方面へ二時避難している生徒たちに
ひとり一台パソコンを配りました
この後オンライン授業の際に使用します
現場からお伝えします
20日目 土曜日
本来ならば学校は休みなので
朝から少し余裕があります
避難所をうろちょろしてみました
朝早くから
トイレ掃除をしてくださっている方が…
お名前をお聞きしたのですが
「みんなやってることなので…」と
ほんとうにあリがとうございます
輪島高校避難所には
ペット同伴の方の部屋を
1室設けています
ペットも大切な家族
気兼ねすることなく
過ごしてもらっています
生徒たちが学校に置いて行って
被災した辞書やひざ掛けなど
まとめて置いてあります
いつでも取りに来てね
持ち主が迎えに来てくれるのを
待っています
こんなにグチャグチャだった図書室も
このとおり
先生方が1週間かけて
もとどおおりにしてくださいました
トレーニング場には
プライバシー保護のための
間仕切りが入りました
まだ入っていない避難場もありますが
市は各避難場の事情に合わせて
順番に進めています
これをご覧になって
「なぜ輪島高校だけ!」
と苦情を言うのはおやめください
例えば他の避難場にあって
輪島高校にないものもあります
それぞれの避難民が
思いやりの心を持って
過ごしていただければと思います
「俺は被災者だぞ!」
と市の職員に食ってかかる人を見ました
市の職員だって被災者です
ゴミの分別も進んでいます
避難民の方々が
みんなで助け合いながら
ルールも自分たちで決めて
綺麗な環境を保っています
大切な連絡は
ホワイトボードで取り合っています
開所当時は2ヶ所しかなく
除染作業に追われていた
仮設トイレも今ではこんなに
子どもたちが集える
ティーンズラボさんも
素敵なスペースになりました
今日は年に3回の特別な日
1月19日
19 × 19 = 361 ≒ 366
つまり1/19(1月19日)今日をもって
1年の1/19(19分の1)が過ぎたことになります
1年のうちこんな日は他にも2つあるそうです
これまでの日々をあと18回繰り返すと
新しい年を迎えるんですね
なんだか短いような長いような
その日その日の暮らしも
それはそれでいいもんです
人の温かい気持ちに触れることが
多くなりました
今日は生徒が登校して2日目
3時間授業を行いました
1時間目は
2年生は松本昭子先生の国語
松本先生は文部科学省から認められた優秀教員で
新しい時代への教育について日頃深く研究されており
本校の探究学習の中心的役割を担っています
今日は語彙力アップのための教材を準備してくれました
1年生は校長自身の化学
大学入学共通テストの問題に挑戦です
宇宙ステーション内の
酸素供給システムに関する問題で
今回避難所に設置された
循環式手洗い機と絡めて説明しました
2時間目は
12年生合同で矢田勇先生の防災教育
矢田先生は
本校のお笑い担当の先生で
学校から帰る時には
「お疲れさま」というと
ホントに疲れた気がしてイヤだということで
「お元気さまー!」と言って帰っていきます
今回いろんな方に助けられたけど
今度助ける側にまわったら
どんなことが喜ばれるか考えよう
というテーマでした
NHKから取材のカメラが入っていましたが
「紅白歌合戦」をイジったりして
取材クルーも苦笑いでした
3時間目は
やはり12年生合同で
奥野拓海先生による「やる気アップ法」
こんなときだからこそ
未来を見据えて歩いていこうというテーマです
生徒からは「なんだかワクワクしてきた!」
奥野先生からは
「学校に出て来れていないみんなも前を向いて行こう!」
との力強いメッセージが
来週からは徐々に時間割も組んで行きますね
オンライン授業も計画していきます
学校にChromebookを置いている人は
取りに来てください
携帯画面ではやりにくいですよ
金沢地区に避難している人には
今度の日曜日に届けます
詳しくはClassroomでお知らせしたので見てね
久しぶり!どうしてた?
18日目
生徒の登校を再開しました
最後に会ったのは12月28日かな
みんなで豚汁食べたよね
ティーンズラボで
クリスマスパーティーもしたっけ
いろんな話が飛び交います
今日登校できたのは26名
およそ1割の生徒たちです
ほとんどの生徒が
すでに市外へ二次避難をしています
久しぶりの再会に
「おまえ老けたなあ」
前回ドラム缶風呂でお世話になった
「にちにち好日」さんが
再会のお祝いのお菓子を
差し入れしてくださいました
避難所にもひとつうれしいお知らせが
岩手県の北良株式会社さんが
循環式のシャワーを設置してくださいました
避難所の衛生環境が気になります
とっても助かります
場所は生徒玄関
昨日先生方が倒れたロッカーを
一気に片付けてくださいました
なんだか教員同士の絆が
一層強くなったような気が
いろんなタイプの先生がいます
0を1にするのが得意な人
1を99にするのが得意な人
99を100にするのが得意な人
100を0にするのが好きな人
鳴かぬななら…
鳴くまで待とうホトトギス
鳴かんでいいよホトトギス
鳴くのと変えようホトトギス
自分で鳴くわホーホケキョ
石橋を叩いて渡る人
石橋を叩いても渡らない人
石橋を叩き過ぎて壊す人
石橋をわざと壊して造る人
そもそも石橋に気づかず泳ぎ出す人
いろんな先生がいて
いろんな意見を出し合いながら
一歩一歩前へ進んでいます
被災した実家で勉強し続けている
ひとりの受験生が
教材をとりに学校へ来ました
受験校も絞れたのか
赤本も持っていきました
まだ電気が復旧していないんだそうです
まさに蛍の光窓の雪
蛍捕まえるだけで大変やろ
そんな暇あったら勉強せえ
といろいろつっこむ人もいますが
実は「蛍雪」の言葉の生まれた
中国のある地方の蛍は
日本の蛍の200倍の明るさがあって
10匹ほどで充分勉強できる明るさが得られるとか
空飛ぶ仙人がいるという地方の話なので
どこまで本当なんだか
ふたつの大切
17日目
避難生活が始まって以来
ずっと心がけていることがふたつあって
ひとつめは挨拶
震災前はずっと毎朝校門で
生徒に挨拶するのが日課でした
素敵な笑顔で返してくれる子
ブスっとニコリともしない子
親とケンカでもしたのかな?
と思いを馳せたり
避難所は最初の頃
みなさんギスギスした雰囲気で
疲れ切っているのもあるのでしょうが…
これではいけないと思い
挨拶をしまくることにしました
じいじ、ばあば、自衛隊、犬
とにかく、おはようございます
今では
声をかけていただくことの方が
多くなりました
そしてふたつめは
「はきものをそろえる」
曹洞宗永平寺の道玄禅師の教えです
はきものをそろえると、心もそろう
心がそろうと、はきものがそろう
ぬぐときにそろえておくと
はくときに心がみだれない
だれかがみだしておいたら
だまってそろえておいてあげよう
そうすればきっと
世の中の人の心もそろうでしょう
今では避難民の方一人ひとりの
心もそろって
こんな感じです
今日の感染状況
コロナ6
インフル4
胃腸炎2