校長室より「おこらいえ」
励ましメール
生徒のみなさん
多くの方がみんなのことを見守ってくださって
応援してくださっています
愛知県でフリーランス・ライターをしていらっしゃる
福永文子さんからメッセージが届きましたので
シェアしますね
3年生の皆さんは週末からの共通テスト、そして大学受験と、未来を決める大事な時期だと思います。
皆さんは目の前やご家族、家の大変さでなかなか受験に集中できるような心境ではないかもしれません。
でも、だからこそ、皆さんの未来に視線をぐっと、広げてください。
受験に真摯に臨むことで、必ず皆さんの未来が切り開かれます。
あの地震を生き残った皆さんならば、やりたいこと、できることを必ず実現できます。
もちろん、もう進路が決まっている皆さんも同じです。
ご自分の命と周りの人たちの命を大切にして、進むべき道をしっかりとかき分けて歩んでください。
奇跡の医療チームDMAT
10日目の朝です
本校には市内の全ての避難所から
体調不良の方を一カ所にまとめ
集中的にケアする棟を設けています
DMATを中心とした
専門医、看護師、保健師など
専門スタッフが協力しあって運営しています
罹患していないの被災者の方や
ボランティアの方々とは
一切接触しない完璧な動線を確保しています
現在の収容者数は
コロナ16名
インフルエンザ1名
胃腸炎(ノロではない)3名
この劣悪な環境の中
これだけの人数で収まっているのは
奇跡といっていいと思います
昨晩も2名の看護師さんが
泊まり込みで看護にあたってくださっています
一睡もできていないみたいで
疲れもピークにきているようですが
「みなさん大変だから・・・」と
笑顔で対応してくださっています
昔の戦友より
このブログ
多くの方が読んでくださっているみたいで
たくさんの激励のお言葉をいただいています
本当に大きな力となります
やすらぎ小松にお勤めの桐生裕三先生が
石川県出身の哲学者である
西田幾多郎先生の言葉を送ってくださいました
「非常時なればなるほど
我々は一面において落ち着いて
深く遠く考えねばならぬと思う」
桐生先生とは昔、甲子園を賭けて戦った仲です
当時、後にドラフト1位でプロに入団する投手を擁するうちのチームを
1回戦で0-1で破った監督です
勝負師、桐生監督らしいお言葉です
生きていてよかった!
今日は本来なら始業式の日
本当は来れる生徒がひとりでもふたりでも
始業式を決行するつもりではいたのですが
校舎の安全が保証できない限り
やはり生徒を集めるのはためらわれます
でも、ひとりで頑張っている受験生に
友達の顔を見て安心してもらいたくて
ひとりじゃないって思ってもらいたくて
顔を合わせる場面を設定しました
本校から今年共通テストを受けるのは38名
このうち、
住むところを失い親戚を頼って輪島を離れた生徒や
今だに道路が分断されていて出てこれない生徒がいたりして
今日集まったのは13名でした
2週間ぶりに逢う生徒を前にして
あれも言おうこれも言おうと
たくさん準備していたのですが
顔を見た瞬間、結局出た言葉は
「よう生きとったな!」
それだけ…
でも生徒の目は輝いていました
きっと大丈夫
確信しました
みんなで「愛は勝つ」を歌いました
昨年暮れ、惜しくも亡くなった
KANさんが遺したこの曲は
東日本大震災の際に
チャリティソングとして
多くの人の心を打ちました
そしてなんと、本校進路指導主事の
矢知先生が受験生の時の曲なのです
これを歌おうと思いたったのは昨夜
今朝早く、件の「奇跡の一軒家」に忍び込んで
タンスの下敷きになっていた
思い出のギターを引っ張り出して来ました
それから共通テストについての話をしました
聞いてみると
文房具もない生徒がほとんどだったので
職員室や進路指導室の瓦礫の下から
ありったけの鉛筆や消しゴムを拾い集めました
輪島高校は
共通テストの会場がある金沢市まで
車で2時間
毎年バスをチャーターし
ホテルもみんなで予約して
団体受験をしています
こんな状況ではありますが
今年も予定通り行きます
道路状況が悪く
普段の2〜3倍の時間がかかりますが
「緊急車両用通行許可証」を
県教育委員会がもらってくれました
これでスムーズに通れます
いろんな方が応援してくださっています
ありがたい限りです
力を発揮することが
全ての人への恩返しです
今日という一日は・・・
8日目も終わろうとしています
バタバタしていた割に
何をしたかと考えると???
調理室に忍び込み
奇跡的に無傷の電子レンジを数台発掘しました
少しでも温かいものを食べていただこうと
さっそく各フロアに設置しました
なんだかとってもいいことをした気分
と、ひとり悦に入っていると突然バチッ
一斉に使用したため
ブレーカーが落ちたようです
泣く泣く引き上げました
みんなを期待させてごめんなさい
ブレーカーを入れ直すため
自衛隊が駐屯している体育館に潜入
目の前に映画のような光景が広がります
グラウンドにも多くの重機が…
自分が高校生時代野球の練習をしていた
グラウンドがこんな姿になるとは…
震災前はこんな感じでした
グラウンド全体にうっすらと
氷が張った早朝のグラウンドです
今日も炊き出しをしていただきました
うっすら雪化粧の中
あったかいご馳走が嬉しいです
昨日お世話になった「Japan 元気塾」さん
今日は帰途についていたのですが
途中積雪のための倒木による通行止めで
ふたたび戻って来て
今日もうどんをご馳走してくださいました
よくよく見ると
味付けがちゃんと関西風
やはり地方によって
変えていらっしゃるのでしょう
細やかな心配りに感心しきりです
同じく昨日からお世話になっている
「Humanity First」さん
パキスタンやモンゴルの連合軍です
今日はキーマカレーをご馳走してくださいました
今日新たに加わったのは
大宮で天ぷら屋を営む「周平」さん
天丼をこしらえてくださいました
初めて炊き出しを行ったそうで
15時間もかけてお越しくださったんだとか
深夜になると
感染症病棟に段ボールベッドが
運び込まれます
市の職員や保健師さんたちで
必死の組み立てです
とにかく今日も一日が終わります
いろいろ走り回ってクタクタです
今日という日は自分にとっては
ただの一日だったけど
瓦礫の下で亡くなった方にとっては
どうしても生きたいと願った
一日だったんだろうなと思うと
この疲れこそが生きている証で
なんだか尊く感じます
明日は久しぶりに生徒に逢えます