校長室より「おこらいえ」

群青のフェニックス

地震から 389 日目

豪雨から 125 日目

 

その曲との出逢いは

確か教頭として輪島高校に赴任した年だったような

  

「ああ 

 あの街で生まれて君と出会い

 たくさんの想い抱いて

 一緒に時を過ごしたね」

 

合唱大会で3年生が歌ってくれました

 

「今旅立つ日

 見える景色は違っても

 遠い場所で 君も同じ空

 きっと見上げてるはず」

 

歌詞を気に留めることもなく

美しく懐かしい旋律に

引き込まれていきました

 

「またねと手を振るけど

 明日も会えるのかな

 遠ざかる

 君の笑顔今でも忘れない」

 

あとで調べてみたら曲名は「群青」

 

「あの日見た夕日

 あの日見た花火

 いつでも君がいたね

 当たり前が幸せと知った」

 

東日本大震災の時に作られた曲と知りました

 

「自転車をこいで

 君と行った海

 鮮やかな記憶が

 目を閉じれば

 群青に染まる」

 

そう思って聴きかえすと

歌詞のひと言一言が

胸に突き刺さってきます

 

「あれから二年の日が

 僕らの中を過ぎて

 三月の風に吹かれ

 君を今でも想う」


この曲が生まれたのは、福島第一原子力発電所から半径20km圏内にある福島県南相馬市。

南相馬の子どもたちが東日本大震災によって離ればなれになってしまった仲間を思って、つぶやいたり、 書き留めた言葉を、小高中学校の小田美樹先生がまとめて、曲をつけた作品だそうです。

震災後、全国に避難していった友だちが原発事故で小高に戻れないなど、たくさんの不安が生徒たちにのしかかり、わずか6、7名の2年生も、心を痛め、音楽の授業では歌が歌えなくなっていたそうです。音楽の小田美樹先生も・・・。

ある日、小高中を離れた生徒がどこにいるのか、大きな日本地図に生徒の顔写真を貼り付けながら、子どもたちが「遠いね」「でも、この地図の上の空はつながってるね」など話しながら、詩づくりが始まったそうです。子どもたちの思いを綴った日記や作文、他愛もないおしゃべりから、小田先生は子どもたちの想いを書き留めていき、それをつなぎあわせて、「群青」ができあがったそうです。

(以上、合唱作曲家弓削田健介さんのブログより)

 

「響けこの歌声

 響け遠くまでも

 あの空の彼方へも

 大切な全てに届け」

 

子どもたちが

離ればなれになったともだちを思って

作られた曲だったんですね

 

「涙のあとにも

 見上げた夜空に

 希望が光ってるよ

 僕らを待つ群青の街で」

 

曲のクライマックスでは

感情が

例えは悪いかもしれませんが

津波のように押し寄せてきます


「ああー

 きっとまた会おう

 あの街で会おう

 僕らの約束は

 消えはしない

 群青の絆」

 

群青はスクールカラーだそうです

 

「また

 会おう

 群青の街で」

 

 

 

弓削田健介さんが先日学校にいらっしゃって

生徒の気持ちを

生徒の想いを

訊いていってくださいました

 

その言葉を一つひとつ紡いだ

新しい合唱曲ができあがりました

 

「フェニックス」

 

地震に叩きのめされ

洪水に打ちひしがれ

それでも立ち上がる

今の自分たちを象徴する

そんな曲に仕上がっています

 

「ほしのシャワーにつつまれて

 きみはよみがえる

 こころのそらで

 よぶこえがする

 さみしさにたちむかう

 ゆうきとひびきあって

 ひとりじゃないよ

 おもいだして…」

CSH研究発表会

地震から 388 日目

豪雨から 124 日目

 

SSH・NSH研究発表会が行われました

 

SSHとはスーパーサイエンスハイスクール

理数教育に特化した高校で

文部科学省から指定されています

石川県では

金沢泉丘・七尾・小松の3校が指定されています

 

NSHとはニュースーパーハイスクール

国際的に活躍する人材の育成を目指して

石川県教育委員会から指定された高校で

SSH3校に

金沢二水・金沢桜丘を加えた5校です

 

今日の発表会は

全国の中学・高校の先生方をお招きし

合同でその成果を発表しあうものでした

 

今回はそこに

クリエイティブリカバリースーパーハイスクールCSH

(勝手に名付けました)

輪島高校からも「街プロ」代表の生徒が

特別に参加して発表しました

 

代表生徒は2年生の宮腰さんと邑田さん

「高校生観光大使&都会留学」

のアイデアについて発表しました

 

 

 

 

 

 

現在「地域みらい留学」

という枠組みは既に存在します

 

130校を超える

日本各地にある魅力的な公立高校から

住んでいる都道府県の枠を超えて

自分の興味関心にあった高校を選択し

高校3年間をその地域で過ごす

国内進学プログラムです

 

美しい自然や豊かな文化に溢れた魅力ある地域で

立場や世代を超えた多様な人々に囲まれながら

高校生活を過ごします

 

少人数かつ地域に開かれた教育の中

多様な経験と挑戦の機会があることで

高校生ひとりひとりの個性と自立心が

育まれるプログラムです

 

現在能登高校がこのシステムを利用して

全国からの入学生を受け入れています

 

今回ふたりが提案した「都会留学」は

この逆の発想です

 

能登の高校生が都会の高校生活を体験し

地域と都会の交流を深め

漠然とした都会への憧れを

明確にする狙いがあります

 

都会で活躍する場を見つける生徒もいるだろうし

あるいはもっと世界へ羽ばたく生徒もいる

生まれ故郷の良さを再認識し戻ってくる生徒

あらゆる可能性を広げるプログラムです

 

ふたりが

スポンサーとなり得る地元企業への

ヒアリング調査を行なったところ

「都会留学に賛同する

 一口◯◯万円出す

 見返りは必要ないので

 将来地域のために還元してほしい」など

6割以上の賛同が得られました

 

数値計画として

3名採択された場合の

交通費・宿泊費・広告費・通信費など

◯◯◯◯万円の必要経費を試算し

そのための資金繰り計画

賛同企業からの出資や

テレビ局制作企画料など

具体的にまとめ上げました

 

同じ会場では

七尾高校さんから

能登半島地震による海底隆起の影響で増えた

ウニを利用した炭の開発の発表がありました

 

ウニが増えるんなら

美味しいウニをたくさん食べれていい

と考えるのは早計です

ウニはそのへんの海藻を食べ尽くし

いわゆる磯焼けという現象を起こす

実は厄介ものです

磯焼けを起こすとサザエやアワビが姿を消します

 

しかも増えるのはほとんどがムラサキウニ

さほど美味しくないウニです

ムラサキウニ100匹に1匹の割合で

バフンウニが取れますが

これが美味しいんです

さらにさらに

バフンウニ100匹に1匹の割合で

あかがぜが取れますが

これがたとえようのないくらい

最高の味です

 

がぜというのは方言でウニのこと

つまりあかがぜは赤ウニのこと

能登半島だけでなく日本各地の半島に残る方言です

 

言葉は中心部から地方へと

時間をかけて

まるで池の真ん中に石を投げ入れると

その波紋が周りに広がっていくように

伝わっていきます

 

だから日本の半島の先端の言葉を調べると

昔の京言葉がわかります

 

たとえば能登半島の先端

珠洲の方言「げっさんな」

一度聞くと「ゲスの穴」に聞こえて

なんだか汚い言葉に感じますが

本来の意味は感嘆の言葉

「げに さ あらんや」という雅言葉です

 

輪島の海士町では

「おしっこをする」ことを

「ションベンまる」といいます

「おまる」の語源がここに見られます

 

また海士町の言葉には鼻濁音がありません

鼻濁音とは鼻に抜ける「がぎぐげご」

通常の「ガギグゲゴ」とは違い

nga ngi ngu nge ngo って感じで発音します

「午後」と発音してみてください

最初の「ゴ(go)」が鼻濁音じゃないほう

続く「ご(ngo)」が鼻濁音です

 

日本語では一般的に

語頭の「ゴ」は鼻濁音じゃない方で

たとえば「五円玉」の「ゴ」

 

語中の「ご」は鼻濁音

たとえば「仕事」の「ご」

 

と使い分けています

 

九州弁には鼻濁音がありません

海士町の祖先は九州から来られた方なので

その言葉を受け継いでいるものと思われます

 

さてさて話をあかがぜに戻して

 

私は一度だけあかがぜをいただいたことがあります

 

ご主人自ら漁もされ

採れたばかりの美味いもんを食べさせてくれる

輪島の「連」という居酒屋での経験です

 

おすすめの店です

今は工房長屋の仮店舗でやっています

全国の皆さん

是非是非お越しください

 

金沢二水高校さんからは

色弱者に配慮した授業の工夫について

発表がありました

 

聴衆の高校生からの質疑応答も

大変しっかりしていました

 

県立工業・大聖寺・野々市明倫・羽咋からも

ポスターセッション発表がありました

 

どの学校もしっかりした発表で

各校の探究学習の成果があらわれています

日本の未来は明るいです!

とちあいか

地震から 387 日目

豪雨から 123 日目

 

見てください

この驚きの大きさのいちご

 

 

  

 

 

 

とちぎの「とちあいか」

500円玉と比べて見てください!

こどもの拳ほどの大きさがあります

 

送ってくださったのは

栃木県の「ひとみいちご農園」の

人見(旧姓石田)峰洋様

 

彼は私が七尾高校に勤めていた頃

3年間担任をさせてもらった生徒です

進学校での指導経験がなく

右往左往する頼りない担任でしたが

担任が誰だろうが関係なく

自分達でしっかりと考えて行動する

なんともたくましいクラスで

その中心となって活躍してくれた生徒です

 

「街プロ」の生徒とコラボして

何かできないかなと考えています


本日NHKの「うたコン」で

紅白歌合戦で

坂本冬美さんが

輪島から歌ってくださったときの

舞台裏をお見せします

19:57 からの放送です

ぜひご覧になってください


おかげさまでこのブログ

多くの方にご覧になっていただけるようになりました

 

輪島高校では多くの先生方が

自らの生活を犠牲にしてまで

生徒のためにはたらいてくれています

 

そんな先生方の奮闘ぶりを

シリーズでお伝えしていきます

 

第1回は家庭科の山上佳織先生

自らお子さんを守りながら

学校の中心となって奮闘してくださっています

なぜ被災地で働くのか 山上佳織.pdf


夏に花火を打ち上げた「街プロ」グループ

おばあちゃんが涙して喜んでくれたりしました

まだまだみんなを元気づけたいと

新たな計画をしました

 

イルミネーションイベントを企画しています

生徒からの話をご覧になってください

 

「輪島高校二年生の花火グループです。8月に打ち上げた花火に続き、私達は、3月20日輪島マリンタウンでイルミネーションイベントを開催します。

 今回のイベントは他の「街プロ」やBEYOND the BORDERSとのコラボイベントとなっています。

 そこで資金調達のために現在クラウドファンディングを行っていますが、目標金額にはまだまだ届いていないのが現状です。

もう一度、ふるさと輪島を照らし、明るくするために是非クラウドファンディングのご支援やこの活動の拡散をお願いします。

クラウドファンディング

https://camp-fire.jp/projects/812485/view?list=search_result_projects_popular

インスタグラム

https://www.instagram.com/wajima_hanabi_project?igsh=MTBiNGQwZDQydWc3Zw%3D%3%20D&utm_source=qr

今回のイベントには

海辺の映画館を企画しているナタくんも

コラボしています

新幹線の秘密

地震から 386 日目

豪雨から 122 日目

 

新幹線の座席は

2席のシートと3席のシートが並んでいます

これはあらゆる人数の団体客が

まとまって座れるようにしてあるそうです

4人=2席+2席

5人=2席+3席 つまり横並びに1列

6人=3席+3席

7人=2席+2席+3席

というふうにです

細かい心配りですね

 

3席シートの真ん中の席が

他のシートより広くなっている気がしたので

計ってみたら

両側席が45cm に対して50cm と

確かに5cm広くなっていました

こちらも細かい心配りですね

 

 

 

 

 

 

3席シートのドリンクホルダーの位置は

左側のシートから順に

右右左と1ヶ所だけ逆になっています

これはなぜでしょう?

ちなみに2席シートは右左です

つまり両席の内側についています

おそらく終着駅で

進行方向に座席を反転させる時に

つっかえないように

内側につけてあるのでは?

私の仮説です

 

座席番号に関する私の仮説に

もうひとつあって

飛行機に座席に関するものです

例えば7席シートの場合

AC DEG HK

と謎の飛び飛びアルファベット問題です

 

これは飛行機にはいろいろな大きさがあり

例えば1番小さな4人掛けだと

AC HK

大きさによって

座席の位置が変わるとややこしいので

一番大きなジャンボジェットの

ABC DEFG HJK

を基準にし

機体が小さくなるにつれ

不要な席番号を抜くことによって

例えば

C席は進行方向左通路側

K席は進行方向右窓側

というふうに固定させているのでは?

と飛行機に乗るたびひとり納得しています

Iがないのは数字の1と混同しないためです 

たぶん・・・

 

生活のいろんなところに

探究の「ネタ」はころがっています

何でも無い日常に深い観察眼を持って

見て欲しいと生徒には語っています

ちなみに「ネタ」というのは

「種」をひっくり返した言葉なんだそうです

福男福女

地震から 385 日目

豪雨から 121 日目

 

大学入試共通テストの2日目です

 

 

 

 

 

 

全員体調もよく控室で開始を待ちます

 

 

 

 

 

 

被災地の劣悪な環境の中

頑張ってきた生徒たちだから

きっと落ち着いて力を発揮できると信じています

 

 

 

 

 

 


私は昨日

西宮神社でみんなの合格祈願をしました

 

1月10日の午前6時に大太鼓が鳴り響き

「赤門(あかもん)」が開かれると同時に

本殿を目指して走り出す参拝者たちが報道される

あの神社です

 

こちらがスタートとなる赤門

 

 

 

 

 

 

 そしてゴールの本殿

 

 

 

 

 

 

受験生のみんな

福男福女目指して駆け抜けろ!


阪神・淡路大震災30年

NVNAD被災地交流会に参加しました

 

 

 

 

 

 

阪神・淡路大震災や東日本大震災のほか

中国四川地震 などを通して繋がってきた

ボランティアの方々のシンポジウムです

 

主催者の大阪大学大学院 渥美公秀 教授は

能登半島地震の現状について

新聞社のインタビューで語っていらっしゃいます

「石川県は当初

 受け入れ態勢が整っていないとして

 来県の自粛を呼びかけ

 春になっても取り下げなかった

 ボランティアの力を信じていないのか

 活動を制限し

 単なる労働力として統括しようとした

 個人ボランティアが行きにくい状況が長く続き

 人手不足は継続している

 行政は行政の仕事に専念するためにも

 市民の力を信じてほしい」

 

さらには

これまでに築き上げてきた

かつての被災地が現在苦しんでいる被災地を救援する

「被災地のリレー」

今回の能登半島地震のボランティア不足により

途切れることを危惧なさっています

 

「東日本大震災の被災地で

 津波で流された写真を拾い

 きれいにして返すボランティアがいた

 こうした活動は

 行政や企業ではできない

 行政はボランティアをルールで縛りつけるのではなく

 自由に活動できる環境を整えるべきである」

と結んでいらっしゃいます

 

全く同感です

 

今回輪島高校の避難所には

パンの配給だけと言う状況が長く続き

自衛隊の炊き出しが入るまでに

かなりの日数を要しました

その間民間のボランティアによる

炊き出しが活躍してくださいました

その多くが

行政を通しても行けないから

直接行っていいかと

学校に申し出をしてくださった方々です

許されることではないかもしれませんが

「輪島高校の校長の要請だと言って

 検問を突破して来てくれ!」

とお願いをしました

 

そうやって力づくで来てくださった

ボランティアの力に

輪島高校避難所は支えられていたのです

 

風呂も同じです

自衛隊のお風呂が設置されない

輪島高校を支えてくださったのは

ドラム缶風呂やシャワーを用意してくださった

民間のボランティアの方々なのです

 

東日本大震災を経験された方が

こうおっしゃっていました

「一回きりの物資の支援はボランティアじゃない

 長い間住民のそばにいてくれて

 一緒になってずっとオロオロしてくれる

 それが本当のボランティアだ」


提案です

 

ボランティア団体には

真のプロと言えるような団体が存在します

そんな方々の力を

行政の都合で活用しないのは

本当にもったいないです

 

そこでボランティア団体を

被災地の関係者が評価するのです

ミシュランのように星をつけます

 

三つ星ボランティアには

緊急車両の通行証を付与するのです

 

本当に実力のあるボランティア団体は

煩雑な手続きなしに

即座に被災地に入れる仕組みづくりです


ボランティアに関する問題点についても

赤裸々な報告がありました

 

丹波水害では

カレーの炊き出しが

雨で中止になったとき

食材を買い取るよう被災者に迫る

ボランティアがいたそうです

 

東日本大震災の野田村では

さらにその奥地の現場に届けられるべき支援物資が

この先へは行けないという理由で

置き去りにされたそうです 

 

中国の四川大地震のときは

80,000人の方が亡くなり

今でも30,000人の方が行方不明なんだそうです

規模が違いますね