校長室より「おこらいえ」

奇跡の一軒家

焼け野原となった街を見に行きました

あちこちでまだ煙がくすぶっています

 

一面燃え尽くされた隅っこに

我が家だけポツンと残っていました

 

 

 

 

 

 

東日本大震災の時の

「奇跡の一本松」を思い出します

新聞等で報道されている写真には

写ることのない本当の端っこです

 

でも焼け残ったのは

実は奇跡でもなんでもないのです

 

こんな大火災になった時は

街区の端っこの家に

とにかく水をかけて

なんとかそこで延焼を

食い止めるのだそうです

確かに道を隔てた先には

炎が燃え広がった跡が

見られませんでした

街の全滅から守ってくださった

消防の方々のお力に

心から感謝申し上げます

 

我が家は

水浸しになりながら

なんとかここで炎を食い止めようと

必死で持ちこたえていました

 

そう思うと

自分もしっかりしないと

生徒のために何ができるか考えないと

力が湧いてきます

 

 

 

 

 

 

 

 

家の中に入ってみました

水をたっぷり吸った床を踏むと

ふにゃふにゃでした

 

到底住むことはできないので

いずれ取り壊されます

「本当によくやった」

褒めてやりたいです

 

新婚旅行の思い出の

コアラのぬいぐるみだけ

持ち出して来ました  

始業式で話そうと思っていたこと

1月9日に始業式を行うことができるのか

できたとしても全員揃うのは

難しいだろうから

始業式で話そうと思っていたこと

ここに記します

 

今日はたしか箱根駅伝の復路の日

それどころではない輪島市では

どこの第六走がトップで箱根の山を下るのか

確認しようもありませんが…

 

箱根駅伝は1920年に始まって

今年で第100回

1923年に創立した本校も

今年創立100周年

あれあれ?

3年のずれが?

 

そう

箱根駅伝には

途中3回の中止の歴史があるのです

 

日本が中国に戦争を仕掛けた昭和14年

東京師範学校(現在の筑波大学)の選手のもとに

召集令状いわゆる赤紙が届きます

 

召集令状とは

戦士として戦場に赴けという命令であり

受け取った方の中には

君たちとそう年の変わらない方も…

多くの若者が特攻隊として

「靖国で逢おう」を合言葉に

敵艦に体当たりして

若い命を散らしました

 

靖国神社とは

坂本龍馬や西郷隆盛

この国を作るために

命を落とした方々を祀った神社で

戦争で亡くなったら英霊として

その神に招かれると

信じられていたのです

 

山下りを得意としていた彼は

第六走つまり2日目の第一走を

走ることになっていました

 

ところが召集令状の命令は

まさにその2日目までに

熊本まで来いというもの

 

自分の夢であった箱根は走りたい

でも軍の命令は絶対

箱根を走るのは不可能に思えますが

ある工夫によって

夢であった箱根を走り切ります

 

その工夫とは…

 

どうしても箱根を走りたかった彼は

急きょ第一走と交代し

襷を渡したあとそのまま

熊本行きの列車に飛び乗り

戦地へと赴いていったのだそうです

 

その出来事の翌昭和15年

箱根駅伝の中止が軍部から申し渡されます

ここは戦争に必要な物資を運ぶ重要な道である

兵隊さんがお国のために戦っているときに

そこを走るとは何事か

 

結局昭和17年までの3年間

箱根駅伝は開催されませんでした

 

ところが箱根を走りたいという選手の熱意が

昭和18 年ついに軍部を動かします

戦禍が激しくなって来ている中

そんなことは不可能に思えますが

大会の運営方法に工夫を加えることで

箱根駅伝が復活します

 

その工夫とは

 

スタート地点とゴール地点を

靖国神社に変更したのです

我々はお国のために走るのです

靖国を飛び立ち

そして靖国へと帰って行くのです

そう軍部を説き伏せたそうです

 

どんなに困難な場面であっても

工夫次第で道は拓ける

箱根駅伝にまつわるふたつの話は

このことを教えてくれています

 

今輪島市は復興に向けて歩き始めました

道のりは遥か遠いけれど

工夫を重ね歩んでいきましょう

立ち上がれ!輪高

今、石川県は大変な状況になっています

とりわけ輪島市は地震による倒壊に加え

大火災によって

住む場所を失った生徒がほとんどです

 

1月2日(火)震災後初めて学校に入りました

 

 

 

 

 

 

 

 あまりの酷さに絶句

 

私は教師として真の教育とは何か

常に問い続けて来ました

 

ある時ある先生の教育実践に出会い

その時から

これが真の教育であり

教育の原点だと思うようになりました

それ以来そうありたいと思い

これまでの教員生活を送って来ました

 

これは心の中に思い続けるものであり

決して退職するまで

他人に話すことはないだろうと

思っていたものなのですが

 

その先生の教育実践とは

 

お名前までは覚えていませんが

戦後の焼け野原で子供達を集め

何にもない広場で

教科書もノートも使わずに

どんな時も学ぶことを止めてはならない

そう語りかけ

子供たちに希望を与え続けた先生の

エピソードです

 

教師がチョーク一本で

語りながら板書し続けて

生徒はひたすらそれを書き写す

そんな授業スタイルを

「チョーク&トーク」といって

昭和を代表する時代遅れな教育と

最近では揶揄されることも多いのですが

 

ICT機器など最新の教育機器が

使えないような状況になったとしても

チョーク一本で

どれだけ子供達を惹きつけ

希望を持たせる授業ができるのか

これこそが

「チョーク&トーク」の真髄だと思います

 

このことを常に考えて

自分の授業を磨き続けてきたつもりです

 

輪島市は今

ウクライナの戦場の様相を呈しています

 

でもそんな中でも

決して学ぶことを止めてはならない

それを生徒たちに伝えたい

強く強く心の底からそう思います

 

一日も早い学校の再開を目指します

どんな状況からでも

輪高は立ち上がります

 

生徒のみなさんは

学校再開のその日まで

自分で学び続けていてください

「WAJI活」発表会です

2年生が取り組んできた探究活動

「WAJI活」の発表会です

予選を経て選ばれた5組が発表です

 

寺下さんは

「輪島の防犯対策」

防犯に関するWEBサイトを

作成中だそうです

 

村田さんは

「冬にアイスが食べたくなる理由」

日本が世界に誇る

バラエティー豊かなアイスを紹介しました

 

簏さん、坂下さん、升井さん、干場さんは

「輪島でイベントしよう」

場所探しのため実際に交渉した様子や

イベントのアイデアを紹介してくれました

 

新本さん、浅見さん、石山さんは

「輪島で昆虫食」

コオロギ食のメリットデメリット

コオロギ食を実際に作って試食するそうです

 

橋本さんは

「味の感じ方の違い」

苦手な食べ物を克服する方法を

科学的に考察しました

 

輪島市高校魅力化スタッフの皆さんにも

お越しいただき質問や助言をいただきました

 

それぞれに工夫を凝らした研究と

堂々とした発表でした

 

 

2学期成績赤点続出のわけ

2学期の保護者懇談が始まります

その際、成績表をお渡しします

   

今回、2年生の「公共」で赤点続出です

そこに込められた学校の意図を説明します

   

「公共」とは

現代の諸課題を

追及したり解決したりする活動を通して

平和で民主的な社会の形成者としての資質を

育成することを目指す科目です

 

いわば、未来を生きる若者にとって

今回の教育改革の内容を

最も踏まえるべき科目なのです

 

①     最初のメッセージ

 「定期テストだけで成績は決まらない」

  今年度より中間テストをなくしました

  1学期の期末テストで得点できなくても

  普段の提出物や小テストなどを加味し

  ほとんど赤点をつけませんでした

  ただ、提出物の内容を見ると

  他者の考えをコピーしただけのものが多く

  課題を残しました

 

②     続くメッセージ

 「授業で学んだことをもとに考察する力」

  2学期の期末テストでは

  パソコンと授業プリント持ち込み可とし

  紛争やコロナ対策など

  現実に起こっている問題に対して

  解決に向けた取り組みを考察させました

  ただそれでは

  生成型AIに回答させる恐れもあるため

  授業で学んだことを踏まえないと

  AIに質問できない工夫をしました

  普段の授業に対する取り組みも

  同時に評価できるテストにしたため

  2学期はテストの比重を高く評価しました

  その結果、赤点の生徒が多くなっています

 

今回のテストの前後で

生徒の授業に対する取り組みに

変化が見られるようになりました

 

これまでノートをとらなかった生徒が

ノートをとるようになりました

 

ノートをとっていた生徒も

ただ書くだけでなく

重要な視点や考え方のポイントなど

自らの考えを記述するようになりました

 

輪島高校では

成績表を

生徒に優劣をつけるツールではなく

生徒が自らの立ち位置を確認し

次の成長に向けた指針となるもの

と捉えています

 

今回赤点がつかなかった生徒は

新しい時代に求められる学力が

身についてきていると

ぜひ自信を持ってください

 

今回の赤点は

あくまでプロセスを評価したものです

評価の観点が変わったことも

改めて生徒に説明し指導してまいります

 

保護者のみなさまには

以上の点をご理解いただき

見守りくださいますよう

お願いいたします

将来に備えるお金の話

12月21日(木)

1年生の家庭科の授業で

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社より

岡元慶介氏をお招きし

「投資」に関する特別授業を実施しました

 

株式体験ゲームでは

ひとり10万円を元手に

ゲーム会社の株式を売買しました

株価の上下に生徒は一喜一憂し

歓声を上げる生徒もいました

中には4年後に20万円以上に

資産を増やした生徒もいました

 

投資は決してギャンブルではなく

情報と予測でリスクを下げることができること

そのためには社会の動きに

目を配ることが必要であることを学びました

 

 

女子高校生の可能性を開く

女子高校生と理系女性企業人が

オンラインで進路について語り合う

「理系ブロッサム」が

三菱みらい育成財団主催で

12月16日(土)に行われ

本校から1年生女子3名が参加しました

 

全国から200人近くが参加したこのセミナーでは

理系女性企業人の実際の仕事や働き方について話を聴き

理系の価値や魅力を再発見し

進路選択や将来に役立つ情報を得ることができました

 

女子は文系、男子は理系というイメージを持ちがちで

実際に理系科目の成績を比較すると

確かに日本では男子の方が高いです

ただしこれは男女の脳の性差によるものではないことが

最近の研究でわかってきています

 

実際に女子の方が理科数学の成績が良い国があります

フィンランド、スイス、デンマーク、スウェーデンなど

これらの国にある特徴があるのに気づきますか?

女子カーリングのランキングとほぼ一致するのです

カーリングといえば氷上のチェスと呼ばれるように

理系の頭脳が求められる競技です

 

とすれば

国際ランキング上位の日本女性は

充分に優秀な理系センスを持ち合わせているはずです

 

世界に羽ばたく女性研究者が育ってくれることを願います

 

 

 

 

 

学びウィーク便り vol.4

学びウィークの3日目

学びの心に火をつけるさまざまな取り組みを実施しています

 

1年生全員を対象に

がん教育に関する授業です

 

実際に早期発見により白血病を克服された

和田真由美さんを能美市からお招きし

その体験と

がん検診受診の大切さをお話していただきました

 

輪島市のがん罹患率の高さと

がん検診受診率の低さを学びました

その上で

大切な人にガン検診を知ってもらうには

どうすればいいか

グループ内でアイデアの交換を行いました

ぜひご家庭でもがん検診の重要性について

話し合ってみてください

 

学びウィーク便り vol.3

学びウィークの3日目

学びの心に火をつけるさまざまな取り組みを実施しています

 

大学入試共通テストにおける教科「情報」対策です

現在の高校2年生より

共通テストに教科「情報」が課せられます

初めての経験で全てが手探りの中

講師としてMAZDA Incredible Laboの

松田孝氏をお招きし特別講座を実施しました

講座では特に差がつくと予想される

プログラミングの領域について

実際の問題に挑戦してみました

 

学びウィーク便り vol.2

学びウィークの1日目

学びの心に火をつけるさまざまな取り組みを実施しています

 

司書の山下先生による読み聞かせと

読書の大切さを伝える講座です

ビジネスコースの1年生が対象です

 

 

 

 

 

 

 

進路ガイダンスです

大学、短大、専門学校29校を招きました

普通コースの1、2年生は

希望する学校3校のブースを周って

説明を受けました

ビジネスコースの1、2年生は

働き方に関するワークショップです

 

 

 

 

 

 

 

大学教授を招いてのハイレベル数学講座です

微分積分がどのように実社会に結びついているのか

発電との関係を中心に学びました

1、2年生の希望者を対象に行いました

予想を上回る29人の生徒が参加しました

外部からの一般参加者も4名加わりました