校長室より「おこらいえ」

手書きって想いが伝わりますね

52日目

 

兵庫県たつの市立御津小学校の皆さんから

かわいい寄せ書きをいただきました

 

 

 

 

 

 

小さい子の描くお母さんの前髪って

左上の子の絵みたいに

いつだってぺちゃんこなんですよね

昔なんでかなと思っていたんですけど

ある時ふと気づいたんです

小さい子はいつもお母さんを見上げていて

下から見ると

お母さんの頭って前髪しか見えなくて

ぺちゃんこに見えるんですよね

子供ってほんとうによく見ています

 

この絵は避難所に飾っておきますね

たくさんの人を元気にしてくれると思います

 

3月末になると先生方の異動が始まります

生活拠点がないため

輪島を後にしなければならない先生もいて…

かといって代わりに輪島に入る先生もなかなか…

そんな中

現在輪島高校に勤めているある先生から

手紙をいただきました

言葉で言うより想いが伝わる

不思議な力が手書きの手紙にはありますよね

 

嬉しい内容だったので

手打ちですが紹介します

「…前略…

 今回わたしは子どもたちとしばらく

 輪島を離れていますが

 数年後この子たちが大きくなったとき

 『輪島でよかった』と思ってもらえるよう

 復興に力を注ぎたいと考えています

 友人や知り合いが奥能登を離れていったり

 色んな葛藤や不安も感じましたが

 自分が輪島にできることを

 少しでも返していきたいと思っています

 どれだけ輪島高校の力になれるかわかりませんが

 精一杯働きたいと思います

 わたしは輪島が好きなんです

 『輪島高校で働きたい!』

 ということが伝われば…」

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

今、日本には電気が足りない

そればっかりはどうしようもない

それを補うのは、みんなの元気だ!

笑顔だ!にっこり笑って!

そしたら、こんな状況だって余裕だよ

おはようございます!

 

「PRAY FOR JAPAN」は

東日本大震災発生のわずか12分後から届き始めた

祈りのメッセージを集めたWebサイトを

書籍化したものです

震災当夜

停電中の一時避難所にいた

20歳の大学生によって

立ち上げられたものだそうです

毎日その中からひとつずつ紹介しています

卒業式ここで行います

51日目

 

3月1日の卒業式

今日は会場の下見と打ち合わせに行って来ました

 

学校の体育館は未だ自衛隊の駐屯基地

文化会館も資材置き場となっているということを聞き

今年の卒業式は金沢市の音楽堂で

執り行うこととしています

 

金沢駅東口を出て右側

 

 

 

 

 

 

玄関入って右手コンサートホールへ

 

 

 

 

 

 

エスカレーターで2階へ進みます

 

 

 

 

 

 

お弁当持参の場合は

ロビーでいただくこともできますが

金沢駅周辺には美味しい店がたくさん

発災以来ずっと避難食の方もいらっしゃるでしょう

たまには贅沢なさってください

 

 

 

 

 

 

そして会場がこちら

 

 

 

 

 

 

輪島からの送迎バスも出します

詳しくはこのあとご連絡します

 

例年通知簿に同封してお送りしていますが

郵便事情のこともあり

このホームページあるいは

一斉メールでお知らせします

 

今日はひとりぜひお会いしたい方がいて

金沢市内の避難所の方にも足を運びました

 

以前輪島高校の避難所にいて

その後次の避難先へと変わって行った方から

手紙が届いたので尋ねてみました

 

 

 

 

 

 

手紙の消印は2月8日

10日ほどしてようやく届いた手紙には

輪島高校が学校として運用されることを知り

真っ先に手を挙げて

学校を空けてくださろうとしたこと

その後避難所を変わってほしいとお願いされる度に

他の方が移るのは大変だからと

率先して手を上げてきたことが綴られていました

現在なんと5カ所目の避難先だそうです

 

その度

食事がもらえないなどの

様々な困難を抱えながら

病院に通うことのできない方への

お薬の世話をしてくださったり

言葉のわからない外国人被災者の

話し相手になってくださったり

していたようです

 

さぞかし大変だったろうなと思ったら

その度に素敵な出会いがあって

楽しんでいらっしゃるとのこと

素敵な考え方ですね

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

避難所で、4人家族なのに

「分け合って食べます」と

3つしかおにぎりをもらわない人を見た

凍えるほど寒いのに

毛布を譲り合う人を見た 

生きるということ

50日目

 

これまでさまざまな偶然が積み重なって

今日まで生きています

 

1月1日

末娘が2日からバイトがあるからと

夕方実家をあとにして

金沢へ送っていくことにしました

あのとき家にとどまったままだったら・・・

 

発災後、即、裏山へ駆け上がりました

寒さと暗さで不安になる中

たまたま近くに避難所が開設されて

そこに潜り込むことができたけれど・・・

 

大津波警報が解除され

真夜中車で帰ろうとしたとき

末娘が必死に止めそれに従いましたが

無理に帰ろうとしたら

きっと崖に落ちるか何かに衝突して・・・

 

なにより震災が

授業中に起こっていたとしたら・・・

考えるだけで恐ろしくなります

 

「生きる」って不思議です

だからこそ「生」って言う字には

これまで生きてきた人が

いろんな思いを込めて

さまざまな読み方が生まれたのでしょう

 

「生花を生甲斐にした生え抜きの生娘

 生絹を生業に生計立てた

 生立は生半可でなかった

 生憎、生前は生まれてこの方

 生涯通して生粋の生だった」

 

15回登場する「生」の字は

全て読み方が異なります

 

今日もさまざまな方から

支援の手を差し伸べていただいています

ライオンズクラブを介して

香川県立多度津高校の

海洋食品科食品科学コースのみなさんから

学校で商品開発された

チーズケーキ缶詰を送っていただきました

以前から非常食としてのご飯の缶詰を備蓄されるなど

防災意識の高い取組をされています

チーズケーキはほっとします

本当にありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

以前,多額のご寄付をくださいました

横浜の有限会社カイトさんが

今度は直接お越しになり

避難者と、学校に通う子どもたちに

お菓子の詰め合わせと焼き芋のプレゼントです

焼き芋は800食ほど一瞬でなくなったそうです

みんな大喜びでした

支援物資もたくさんいただきました

 

 

 

 

 

 

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

亡くなった母が言っていた言葉を思い出す

「人は奪い合えば足りないが分け合うと余る」

しめやかに

四十九日

 

痛かったでしょう

重たかったでしょう

熱かったでしょう

凍えたでしょう

怖かったでしょう

 

どうか安らかに

 

心からご冥福をお祈りします

 

あなたの分まで

力を合わせて

生きていきます

おだやかな休日が来ました

48日目

 

吹き荒れた春一番も止み

おだやかな春を思わせる長閑な土曜日

 

内閣府副大臣の古賀篤様はじめ

文部科学省の方々が視察に来られました

 

避難所も含め

現在小中高で共用している施設を

視察していただきました

 

ひび割れて傾いた教室棟

液状化を起こして使い物にならないグラウンド

ドアが開かず窓を割って出入りしたボイラー室

中に入ると気分が悪くなるくらい傾いた体育館

あちこちに落とし穴の空いた駐車場

野球のマウンドのように迫り上がった武道場

 

4月に入ったら

できるところから教育活動が再開できるよう

最大限の支援をお願いしました

 

石川県教育長はじめ県の方々も同席し

現在の輪島市の教育環境について

また今後求められる支援について説明しました

 

今後の昼食の提供をどうするか

生活拠点のない中でどう教員を確保するか

避難所提供と学校再開をどう両立させていくか

課題は山積みですが

文科省、教委、学校、連絡を密に取り合って

一刻も早い学校活動の復興に向けて

協力していくことを確認しました

 

困り事がありましたら

随時上げていきますので

なんでもおっしゃってください

直接中央省庁にあげていくことが大切です

 

東日本大震災の際に得られた教訓として

何かで目にしました

「災害現場には

 現地で指示のできる

 優秀なリーダーを派遣する

 そして全てを任せる

 必要と判断したことは全てやれ

 と指示する

 それが法に触れるようなことであれば

 法改正する

 それが一国の首相の責任」

だそうです

頼もしい教訓です

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

ぜんぜん眠っていないであろう旦那に

「大丈夫?無理しないで」とメールしたら

「自衛隊なめんなよ

 今無理しないでいつ無理するんだ?

 言葉に気をつけろ」と返事が

臨界状態を迎えて

47日目

 

全ての物質は原子でできています

原子のひとつぶひとつぶを見ると

中心にある原子核のまわりを電子が廻っています

原子核はプラスの電気を持つ陽子と

電気をもたない中性子からできています

 

原子核が壊れる

つまり核分裂がおこると

中性子が飛び出して

となりの原子核にぶつかって

新たな核分裂をひきおこします

そうするとまた別の中性子も飛び出して

さらに・・・

そうやってどんどん新しい中性子が飛び出して

核分裂を起こし続ける状態を

「臨界状態」といって

原子力発電が大きなパワーを生み出す源となっています

ただ「臨界状態」が制御不能な状態になってしまうと

「臨界事故」につながり甚大な被害をもたらします

そうならないように「制御棒」を使って

「臨界状態」をコントロールしています

 

朝、一本の電話がかかってきます

その案件を解決するために別の部屋に向かうと

そこで声をかけられ新たな案件が…

最初の案件が解決しないまま

新たな案件を抱え別の部屋に向かうと

廊下で出逢った人からさらに新たな案件が・・・

まさに「臨界状態」です

誰か「制御棒」を・・・

 

今日、福井県の 山内 悟 先生より

福井県教育委員会が薦める

~あなたの扉を開ける72冊~

の書籍を贈っていただきました

このような時だからこそ

心にしみる一冊が必ずあると思います

生徒に紹介したいと思います

 

 

 

 

 

 

 

小松のおばちゃんさんからは

可愛いグッズの贈り物

「可愛いものを見たいしさわりたい」

と生徒がテレビで言っているのを見て

贈ってくださいました

どんなものが喜ばれるかなと

きっと選んでくださったんだろうな

と想像するだけで・・・

 

 

 

 

 

 

松任谷由実さんのダンデライオンが

頭の中には流れています

「 ♪ ふるさとの両親がよこす手紙のような

 ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる ♪ 」

事故の報告

46日目

  

先日、校舎内で危ない事故がありました

天井板がはずれ、コンクリート屑が落ちてきたのです

 

本校は

1・2年生の教室がある1号棟

3年生の教室がある3号棟

そしてそれを繋ぐ2号棟がコの字形に立っています

 

今回の地震で真ん中の2号棟が傾き

1号棟および3号棟とのつなぎ目が

はずれてしまっています

 

 

 

 

 

 

かなり傾いている様子がわかります

建物検査では

1号棟と3号棟は安全

2号棟は直ちに倒壊の危険はないものの注意

との調査結果をいただいています

 

それを受けて

それぞれ安全な1号棟で小学生

3号棟で中学生を受け入れ

授業を再開しています

 

今回の事故は

2号棟と3号棟のつなぎ目の1階でおこりました

 

この部分は大きくひび割れており

発災直後からコンクリート屑が落ちてきていたので

1階天井部分に下からベニア板で補修を施すと同時に

注意喚起を促していました

 

さらに、その上を通行すると屑が落ちるので

2階の連結部分は

踏まずにまたいで通るよう指示していました

 

 

 

 

 

 

 

今回外れたのは補修してあった部分の

横の天井板

おそらく余震で外れたものと思われます

 

 

 

 

 

 

その際ベニア板の上にたまっていた

コンクリート屑が

天井板がはずれてできた穴から

落ちてきたものです

 

この場所は中学生の動線上にあるのですが

けが人がなく本当によかったです

中学校保護者のみなさま

ご心配をおかけしました

 

ただちに動線の変更を行い

当分の間該当箇所を通行止めにすると同時に

業者に修繕を依頼しました

 

一見安全に見えても

実は危険な箇所は

おそらく他にもたくさんあると思われます

 

危険のないよう,、教育委員会とともに

施設の観察・点検を一層丁寧に行ってまいります

 

以上のことについて

先日ある新聞社による報道がありました

読者からの苦情等の電話が殺到し

学校運営に支障をきたすということがありました

 

さまざまなご意見がおありかと思いますが

緊急以外のご意見はどうかメールでお願いします

お返事は本ブログにてお答えします

ひとつひとつのご意見に対して

お返事できないこともあります

どうかご容赦願います

 

さまざまな方面からの

愛情のあるご意見であることは

充分理解しております

スムーズな復興に向けての歩みのため

ご理解とご協力をお願いします

中三生とその保護者のみなさまへ(輪高生もご覧ください)

大事な高校受検を控えた大切な時期に

このような状況になり

不安な毎日をお過ごしのことと思います

また、先の見通せぬ中

高校選びに関してもどうしていいか

わからない状況なのではとお察しいたします

 

その一助になればとの思いで

高校選びのポイントに関するチャートを作りました

これは本校独自に、現時点で考えられる選択肢をまとめたもので

県教委から正式に発表されたものではないことをお含みいただいた上で

あくまでも参考ということでご覧いただければと思います

 

15日より願書受付が始まりますが

この後、志願変更の期間も設けてあります

今一度進路について再考し

適切な進路選択をされますようお願いいたします

 

本校在校生について

一家転住等による今後の転学を考える際の参考にもなるかと思います

 

 

 

思いやりの心で学習を

45日目

 

金沢近辺に2時避難している

1、2年生向けの学習施設である

文教会館に行ってきました

 

オンライン授業の休み時間が各校で異なり

落ち着いて学習できないという

訴えがあったので様子を見てきました

 

先日、生徒指導の冨水先生から

それぞれお互いの学習環境を思いやり

休み時間であっても

節度のある過ごし方をするようにと

注意を喚起しましたので

今日はしっかりと

お互いを思いやって授業を受けていました

 

 

 

 

 

 

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

物が散乱しているスーパーで

落ちているものを律儀に拾い

そして列に黙って並んで

お金を払って買い物をする

運転再開した電車で混んでいるのに

妊婦に席を譲るお年寄り

この光景を見て外国人は絶句したようだ

今日からお昼ももらえるよ

44日目

 

今日から高校は3学期です

 

学校へは1、2年生60名ほどが登校しました

オンラインとのハイブリッドで

始業式を簡単に行いました

久しぶりにこんなに集まったのを見て

大きな元気をもらいました

 

 

 

 

 

 

今日から小中学校高校それぞれに

お弁当も配られました

 

先生方が配膳を担当です

 

 

 

 

 

 

 

みんなそろっていただきます

 

 

 

 

 

 

たくさんのカメラが見守る中

1年生は「こわいよー」

ごめんね

今日だけ日本中のみんなに

元気な姿見せてあげて

 

あと今日は

メガネのJINSさんが

避難者の方へメガネのプレゼントを

してくださいました

 

 

 

 

 

 

測定から出来上がりまで

わずか10分足らず

今日1日で70本も作ったそうです

みんな大喜びでした

本当にありがとうございます

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

駅員さんに

「昨日一生懸命電車を走らせてくれてありがとう」って

言ってる小さい子達を見た

駅員さん泣いてた 

ならぬものはならぬものです

43日目

 

いよいよ明日から新学期が始まります

学校への登校

文教会館への登校

オンラインでの参加

いずれの方法でも出席になります

 

登校する場合は制服でなくてもかまいません

先生方も洗濯がままならないのでスーツは着ません

できることから一歩ずつはじめていきましょう

 

ひとつ注意したいことは

制服以外は全て従来どおりの校則に従うこと

 

どうせしばらく登校しないのだからと

ピアスを開けた生徒や

髪を染めた生徒は

まさかいないと思います

 

「どうしてピアスはいけないのですか?」

震災以前から質問されることはあります

 

ならぬものはならぬものです

白虎隊で知られる会津藩の

什(じゅう)の掟を締めくくる言葉です

 

人が答えられないような質問をして

さも論破したように振る舞う人もいますが

校則のひとつひとつに「なぜだめか?」を

問い詰めていくと

むしろ明確な答えのあるものは

なにひとつありません

 

「なぜ人を殺してはいけないか」

という問いも同じです

答える必要のない問いであるし

答えてはいけない問いであるし

そもそも問いになっていないのです

 

大切なのは

学校はルールを厳密に守ることの大切さを

学ぶ場であるということ

 

ならぬものはならぬ

自分で自分の心に歯止めをかける方法を

学ぶ場であるということ

 

自分の教員生活を振り返ると

ならぬものはならぬもの

を教えきれなかったばっかりに

かわいそうな思いをさせた生徒が何人もいます

あのとききちんと導いてあげれたら

 

学校は

ルールを厳密に守ることを学ぶ場であると同時に

ルールは変えることができるということを

学ぶ場でもあります

 

昨年もケータイのルールを

自分たちで変えることができましたよね

 

納得のいかないルールがあったら

まず自分たちで変える努力をしてみろ

それすらできないものが

自分だけの都合でルールを破るな

 

「どうして髪を染めてはいけないのですか?」

この問いも同じ

でも

みなさんは今

世界中の方から

多くの支援をいただいていることを

忘れないで下さい

もし自分が支援をする立場だったとしたら

「髪を金髪にするお金があるんだったら

 もう食費なんかも必要ないですよね」

と即刻支援を打ち切ります

 

どうか生徒のみなさん

避難民だから多少のルール破りは許してもらえる

もしそんな甘ったれた心を持っていたなら

新学期開始とともに捨て去りましょう

 

今週も週に一度のお楽しみ

金沢へ風呂と洗濯に行ってきました

 

 

 

 

 

七尾湾から望みます

右手には能登島越しに勇壮な立山連峰

左手には能登半島は飯田方面

この景色の向こうに

ひとの住めないような

地獄絵図があるなんて信じられません

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

避難所でおじいさんが

「これからどうなるんだろう」

と漏らしたとき

横にいた高校生ぐらいの男の子が

「大丈夫、大人になったら

 僕らが絶対元に戻します」

って背中さすって言ってたらしい

大丈夫、未来あるよ

災害と政治

42日目

 

36日目のブログで

地震はなにかの天罰でおこったのではないことを

子どもに理解させることの大切さを書きました

 

この「災害は天罰である」という考えは

古くは漢の時代に遡る中国の思想で

「災異説」といいます

 

国に失政があったときに

意思を持った天が

自然災害や異常現象を起こして

君主に警告を与え

それでも改まらなかった場合には

国を滅ぼすと言った

儒教の教えです

 

昨日紹介した

「あさきゆめみし(源氏物語)」の作者

紫式部とゆかりのある

藤原道長は

この「災異説」を利用して

権力を得ようとしました

 

長和3年2月

三条天皇の住まいである内裏が燃えました

わるいことは重なるもので

3月にも失火し

宝物をことごとく消失しました

 

藤原道長は

これは三条天皇の不徳に対する

天の怒りであると

天皇に退位を迫ります

「天道、主上を責め奉る」

 

次の天皇は道長の娘彰子の子であり

即位をすれば自分が摂政として

権力を振るうことができる

そう考えたものと思われます

 

正しく「災異説」に従うと

災害は天の警告だから

君主は反省して

民のための政治を行うべきで

決して退位してすむものではないはずです

 

我が身に置き換えて

子どもたちのために何をすべきかな

猛省の毎日です

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

停電すると、それを直す人がいて

断水すると、それを直す人がいる

勝手に復旧してるわけじゃない

俺らが室内でマダカナーとか言っている間

寒い中、死ぬ気で頑張ってくれてる人がいる

ひさかたのしじまの中で

41日目

 

避難民の方が避難所をあとにし

子どもたちが通い始めて初めての土曜日

 

誰もいない校舎は静まりかえっています

 

ゆったりと

「あさきゆめみし」

を読んでいます

 

昨年

「どうする家康」にはまり

今はもう帰ることのできない

我が家の居間で

大好きな有村架純さん演ずる

「瀬名」の自害に涙していたころのことが

なんだか嘘のようです

 

今年も「光る君へ」を

楽しみにしていたのですが

それはかなわず

 

そんなおり

支援いただいた物資の中に

「あさきゆめみし(源氏物語)」全7巻

が入っていました

 

じっくりと味わうように読んでいます

 

ありがとうございます

 

気になる番組がもうひとつ

門脇麦さん演じる 

「料理は化学です」が口癖の

天才料理人のドラマ

「厨房のありす」です

こちらは1月21日(日)から

スタートしているそうです

 

化学の教員として興味津々なのが

尊敬するサイエンスライターの

佐藤健太郎先生が監修をされていること

いつも佐藤先生のブログや著書を

授業のネタにさせていただいているので

楽しみにしていたのですが

テレビがないため見れません

 

部屋の掲示物など細部に至り

こだわっているそうなので

化学に興味がおありのかたには

ぜひともおすすめです

 

今日の「PRAY FOR JAPAN」

韓国人の友達からさっき来たメール

「世界唯一の核被爆国。大戦にも負けた。

 毎年台風が来る。

 地震だって来る。津波も来る。

 ・・・小さい島国だけど、

 それでも立ち上がってきたのが

 日本なんじゃないの.頑張れ超頑張れ」

ちなみに僕はいま泣いてる。

ごめんなさい 嘘つきました

40日目

 

みなさん

大変です

38日目のブログで

とんでもない大嘘つきました

 

どうも目の調子が悪く

目医者さんに行ってみたら

感染性結膜炎と

アレルギー性結膜炎を併発していて

とんでもない状態になっていると…

 

訂正します

コンタクトレンズは用法を守って

正しく使いましょう

決して使い捨てレンズを

もったいないからといって

使い続けてはいけません

 

37日目のブログで

子どもの姿を見るだけで涙が…

というくだりも

単なる結膜炎だったんですね

 

あとブログを読んだ方から

メガネスーパーさんが

コンタクトの被災者支援やってるよ

との情報もいただきました

 

2月13日(火)から

県内全ての高校で

学校再開するという県教委からの通達を受けました

正式に3学期の始業式を行います

とはいえ、

対面とオンラインのハイブリッド授業や

小中学校の仮校舎が校内にあることなど

これまでと全くかわらないんですけどね

 

とはいえ一区切り

授業のコマ数も徐々に増やし

日常に一歩ずつ近づけていきます

 

13日(火)からは

学校にきた生徒に昼食も準備されます

 

先日

「PRAY FOR JAPAN]

という本をいただきました

これは東日本大震災のときに

世界中から寄せられた思いをまとめたもので

ひとつひとつのメッセージに込められた思いが

今読んでもひしひしと伝わってきて

とても勇気づけられます

この中から1日ひとつずつご紹介します

 

「大丈夫」の漢字には

人が3人集まってるから

安心を感じる言葉なんだって

小走りの思いやり

39日目

 

昔、阿久悠さんのエッセイで

「小走りの思いやり」みたいなのを

読んだ覚えがあります

 

うろ覚えですが

 

横断歩道の手前で車が止まってくれる

歩行者優先だから当然である

が、

止まってくれた車に軽く会釈する

そしてほんの2、3歩でいいから小走りして見せる

それが

自分も急いでいるのに止まってくれた

運転者への心遣いであり

それが

日本人の心だ

 

みたいな内容だったと記憶しています

 

1ヶ月の避難所運営の中で

たくさんの日本人の心を

見せていただきました

 

狭い通路で譲り合ったり

誰が始めるともなくトイレ掃除

ゴミの分別や収集など

おかげでみなさん快適に過ごすことができました

 

近隣の高校では

避難所でもないのにガラスを割って忍び込んだり

自動販売機を壊して中身を奪ったり

勝手に校長室に入り込んで備品を使ったりと

信じられない現状が見られたようですが

おかげさまで輪島高校では

そのようなことは一切見られませんでした

 

みなさんの日本人の心に感謝です

 

どうか次の避難所でも健やかにお過ごしください

1日でも早く元の暮らしに近づきますように

 

今日はまず金沢西高校で勉強している

3年生を訪ねました

受験校も絞り終え

あとは目標に向かって一直線

 

 

 

 

 

 

続いて文教会館で学習している12年生です

 

 

 

 

 

 

落ち着いて学習できる環境を

提供してくださっている関係者の方々に

感謝の気持ちでいっぱいです 

これまでありがとう避難所さん

38日目

 

小中学校の登校2日目です

今日も元気よく登校です

昨日は避難経路を確認したり

初めて見るお友達と

おしゃべりしたりしましたが

少しずつ慣れてきているようで

今日はたくさんの笑顔が

見られるようになりました

 

災害によって子どもたちは

心と体に大きなストレスを受けます

恐怖や不安 家族に対する心配

怒りやイライラ 突然の騒音への怯え

孤立感 生き残ったことへの罪悪感

不眠 悪夢 物忘れ ケガ 無力感

大人でも同じですね

でもこれはあたりまえな反応なので

そのことを自分の言葉で伝えてあげることが必要です

 

長野県からいらっしゃっている

ボランティアの田中さんが

コマ回しの名人だということがわかり

急きょ高校生を集めて

コマ回し体験をしました

初めてという生徒ばっかりでしたが

すぐに回せるようになりました

 

昔の遊びは

電気が来なくてもできていいですね

 

日本こままわし協会では段位が定められていて

技ができれば

それぞれの級や段が与えられるそうです

最高位の六段は

「夜叉車」「砂時計」「背面鞭」など

10種類ができれば認められます

 

 

 

 

 

 

高校生が技をマスターしたら

今度は小学生に教えてあげようと思います

  

今日コンタクトレンズが破れました

使い捨てではあったのですが

替えもないため1月1日からつけっぱなしでした

「使い捨てレンズは1ヶ月問題なく使える」

実証されました

レンズ会社からすると

あまり推奨できる使い方ではないかもしれません

だとすれば

今回のような災害時

被災したサブスク契約者に

レンズを無償で届け続けるといった

システムは作れませんかね

きっと多くの人が助かると思います

 

これまで隔離病棟にいらっしゃった

コロナ陽性の方も元気になられ

本校を後にしました

1ヶ月続いた教室での

避難生活が終わりました

空いた視聴覚室には

卓球台やトレーニング器具を運び

ミニ体育館にします

みんなの学校始まります

37日目

 

今日から小中学生も通い始め

幼小中高みんなが通う学校の始まりです

 

多くのカメラが見守る中

ドキドキ初めての登校です

 

 

 

 

 

 

子どもたちが集まって来るのを

見つめるだけで

なんだか涙が溢れてきます

発災以来ずっとこんな調子で

目の周りがただれてきています

 

カタリバにはちっちゃい子が元気いっぱい

 

 

 

 

 

 

 

小学校1年生から順番に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6年間でずいぶん成長するんですね

6つの小学校から集まっているので

初めてのお友達もたくさんです

仲良しになれるといいね

 

特支の子も大好きな先生と

 

 

 

 

 

 

保健室もあるから保護者も安心ですね

 

 

 

 

 

 

 

続いて中高も中1から順に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日から小中高同じ学び舎に集うことを知った

長崎県の佐世保中央高校の

中島数美教頭先生からは

文学全集を贈っていただきました

小学校で活用させていただきます

 

 

 

 

 

 

 

同じく神戸高校の星野智英実先生と

3年7組のみなさんからも

素敵な贈り物をいただきました

体育館が使えないので

狭いところでもできる

ミニピンポン台がナイスアイデアですね

 

 

 

 

 

 

心のこもったメッセージも

一人ひとりからいただきました

 

 

 

 

 

 

本当にありがとう

大変なときは「大」きく「変」わるチャンスなんです

36日目

 

今日のタイトル

島本麻衣子さんのすてきな言葉に出逢いました

http://eyes-woman.com/

 

明日から始まる小中学校受け入れに向けて

準備です

 

一年生の教室には

こんなにちっちゃい机と椅子が

運び込まれました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小学生は2階と3階に

上がってもらいますが

階段が吹き抜けになっていて

とっても危険です

急きょネットを張って

落下防止です

 

 

 

 

 

 

今回大人でさえ怖かった地震

小学生はなおのことだったと思います

 

子どもたちの苦しみや悲しみは

はかり知れないものがあります

 

災害を経験した子どもたちが

このつらい時期を乗り越えるためには

我々大人が正しい知識を持ち

子どもたちの傷ついた心を理解して

愛情のこもったケアをしていくことが

大切です

 

今回の地震と火災は

子どもたちから

大切な人

家と部屋

仲良しのペット

お気に入りのぬいぐるみ

大好きな毛布

いろんなものを奪いました

 

子供達の小さな胸は

その時の恐ろしさで

今でもいっぱいです

 

だからこそ

今回高校に小中学校を受け入れることに

踏み切りました

お兄さんやお姉さんと

同じ学校に通えること

少しでも安心できますように

ご家族もきっとその方が安心でしょう

 

災害の後

子どもたちは

「おとなしくて良い子」

のように見えることがあるそうです

 

子どもたちの悲しみや苦しみを

見落とすことのないように

しっかりと寄り添って

いきたいと思います

 

まずは地震と津波のメカニズムを

科学的にそして具体的に

説明する必要があります

何かの罰なんかではないこと

そこを理解させないと

苦しみからは抜け出せません

 

そして東日本大震災の際に

表現されていない感情を表現させる手助けとして

子どもたちに自分の感情や体験を

話し合わせたり

絵を描かせて表現させる

手法が用いられましたが

現在ではこれは

全くの逆効果であることがわかり

やってはいけないこと

とされているそうです

 

ですので

輪島市の避難所では

避難されている方が

被災時を思い出し

精神を不安定にさせることのないよう

マスコミによる撮影や

インタビューは全て

お断りするという姿勢を

貫いてきました

 

岡山学芸館高校のみなさんが

手作りのモリンガ石鹸を

送ってくださいました

 

 

 

 

 

 

モリンガとは二酸化炭素の吸収力が杉の数倍あり

温暖化対策に有効な樹木なんだそうです

 

農業部のみなさんが

一つひとつ手作りして

温かいメッセージも添えてくださいました

水道が復旧したらぜひ使わせていただきますね

何ヶ月先になるかわかりませんが

その日が来るのを楽しみに待っています

 

今日避難生活が長くなったおばちゃんが

金沢から来たボランティアの方に

「へー、あんたんとこは水道出るが?

 都会やねー」

と感心している様子を見て

思わず噴き出してしまいました

一本のかっぱ巻き

35日目

 

水道の復旧にはまだまだ時間がかかるので

1週間に一度

洗濯と入浴のため

妻と両親が二次避難している

金沢方面へ向かいます

 

そのとき、

あちこちに拡がっている

生徒の様子も見に行きます

 

まずは被災した3年生が

お世話になっている

「彩の庭ホテル」さん

とっても静かに学習できる環境です

 

 

 

 

 

 

こちらの支配人はなんと

輪島高校の卒業生

わたしの後輩の橋上さんでした

シャバは狭いなぁ

 

次に

土日の学習場所として

活用させていただいている

 「ハイアットセントリック金沢」さん

まだ生徒は登校前でした

 

 

 

 

 

 

こちらの料飲部長は

わたしの先輩の九内さんの友達の雲井さんでした

クナイのともだちクモイ♪

ラップで韻を踏んでいるようですが

これまたシャバは狭いなぁ

 

統計学には「6次の隔たり」

という言葉があります

人の知り合いの数は平均44人

44を6回かけると世界の人口を超えます

つまり

「知り合いの知り合いを6人たどれば

 世界中の人と知り合いになれる」

というものです

 

最後に

金沢に避難している

1、2年生の学習の場である

文教会館

 

 

 

 

 

 

以前、輪島高校の避難所の女子トイレに

サニタリーディスペンサーを

設置してくださった

大阪大学のProject IMPACTさんが

こちらにも取り付けてくださるそうです

 

男子バレー部は金沢錦丘高校さんと

合同練習です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼にはおにぎりと豚汁を

振る舞っていただきました

 

久しぶりに愛情のこもった

あったかい食事に

いつもの親のご飯を思い出した

と言う生徒も・・・

 

私もひさしぶりにおいしいもの食べようと

回転寿司に入るまではよかったものの

こんなに高かったっけ?

怖じ気づいて

これから物要りだしなあ

結局カッパ巻き1皿だけ食べて

店を出ました

「一杯のかけそば」ならぬ

「一皿のカッパ巻き」

 

「美味しんぼ」で

寿司職人の腕を診るには玉子を食べろ

と確か海原雄山が言っていましたが

カッパ巻きだけ食べて職人の腕を見切る

食通と思ってもらえなかったかな?

まさかね

きっと変な客と思われたことでしょうね

今日は節分

34日目

 

今日は節分です

 

避難民の方々の二次避難も進み

小中学校仮校舎開設の準備も

順調に行われています

 

私は今年還暦を迎えます

輪島では還暦の年男と厄年を迎えた男が

神社で豆まきを行います

 

今回火災で失われた朝市通り近くの重蔵神社では

延焼を逃れたものの

鳥居や狛犬が壊れ

拝殿も崩れるなど

大きな被害を受けました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年は豆まきの中止も議論されましたが

こんな中だからこそ

市民を元気づけるために

ぜひやろうということで

賑々しく開催されました