校長室より「おこらいえ」
被災地に 響け織りなす 箏の調べ
146日目
本校の格技場に
今も避難生活を続けている方のために
箏曲部の生徒が
お琴の演奏を届けました
本校箏曲部は
4名の3年生と5名の2年生で
活動しています
ところで
昔から思っているのですが
「琴」という漢字
『ほっと一息ついている人の顔』
に見えませんか?
一度そのように見えると
次からそのようにしか見えなくなる
呪いにかかったようです
ほかにも
「益」という漢字も
『酸っぱい顔』
に見えてくるので
おもしろいです
同じ呪いに
カーネルサンダースおじさんネタもあります
『顔の下のリボンは実は手足・・・』
どうです?
そのようにしか見えなくなりませんか?
先日
中国のネット左翼の間で
「茶」という漢字は
『靖国神社の拝殿』にみえる
と騒ぎになりました
そう言われてみると
見えなくもないけど
中国も北朝鮮も韓国もロシアも
みんな仲良くできる
平和な世界が来ないかなと
神様に祈りたくなります
神様といえば
「汁」という字が
『十字架が光り輝いているよう』
に見えるとのことで
海外の日本通キリスト教信者の方に
人気があるそうです
最後に今日出逢った素敵な言葉
なぜか運のいい人の特徴は
「クシャクシャの笑顔」
「言葉が綺麗」
「程よくテキトー」
輪島高等女学校からの縁
145日目
本校は昨年度
創立100周年を迎えました
前身の輪島高等女学校からの歴史も
数えてのものです
本日
都築学園グループ総長 都築 仁子さま
福岡第一高等学校及び
第一薬科大学付属高等学校の青沼 聡一郎 教頭先生
生徒会役員の福島 心愛さんと宮岡 祐太さんが
遠くから震災のお見舞いにお越しくださいました
寒い中
何度も何度も福岡市内に立って集めてくださった
たくさんの支援金を持って来てくださいました
福岡のみなさん
ほんとうにありがとうございました
学校法人 都築学園グループの
創始者でいらっしゃる
都築 貞枝さまが
最初に教鞭をとられたのが
輪島高等女学校だったそうです
そんな縁から本日の訪問となりました
生徒会役員のおふたりから
本校の生徒会役員が受け取りました
学園の母 貞枝さまの足跡を記した書籍
「和して流れず」もいただきました
できたばかりの輪島高女に
東京からひとり赴任されたこと
強制的に入れられた寮の中で
それでも毎日を楽しく過ごされたこと
ご結婚を機に輪島を去られた日のこと
20年ぶりに輪島を訪れた時に
ノボリを立てて当時の教え子に
迎えられたことなど
その足跡が生き生きと
描かれていました
きっとそんな頃の苦労に比べたら
今の復興は
いろんな方に支えられながら進んでいるし
ほんとうに幸せだなと感じます
それから
能登応援コーラスプロジェクトが行われました
仕掛け人は早稲田大学の金山光一教授
事前に動画を提出し
当日は編集した動画を皆で見た後
皆でコメントしあいました
参加者は呼びかけ人の金山教授
アシスタントの秋山さん
輪島高校和太鼓部
輪島市内の小学校5校
神奈川県相模原市若草小学校
ロンドン大学日本語科教授
ロンドン日本人学校の先生
オーストラリアのモナシュ大学の
バオバンドの方等です
編集された動画鑑賞では
小学生の歌声に癒され
海外からの歌声に勇気づけられました
ほかにも
韓国 中国 アメリカ タンザニア
からのメッセージや
相模原市長のコメントもいただきました
生徒たちは
世界中から応援されていることを実感でき
英語で突然話を振られても
しっかり対応できていました
たいへん良い経験となりました
炊き出しの思い出
144日目
全国校長会があって
1泊2日で
大宮まで来ています
昨夜は天ぷら周平さんへ行ってきました
発災後真っ先に
炊き出しに駆けつけてくださいました
直接お会いして
お礼が言いたくて
思い出せばあの時
1日1枚の食パンが食べれればいい方で
そんな中温かい天丼を作っていただいて
みなさん大喜びだったのを思い出します
全国各地から取り寄せた
厳選された素材を
目の前で一つひとつ揚げてくださいました
揚げたてを美味しいうちにいただくので
皿の上には常に天ぷらひとつ
美味しい天ぷら屋さんで
インスタ映えする写真を撮るのと
おいしくいただくことの両立には
無理がありました
花陽浴(はなあび)というお酒も
紹介していただきました
パイナップルの香りがする日本酒
ウソやろと思いながらいただくと
ほんとに
しかもしっかり日本酒の味わい
何これ?と思いながら
絶対お土産に買って行こうと思ったら
滅多に手に入らない逸品とのこと
あの時の感謝を込めて
おいしくいただきました
肝心の校長会の方はというと
北海道函館西高等学校の
古御堂 徹 校長先生が
〜学校経営における防災のあり方〜
と題して発表されました
昨年2023年は北海道南西沖地震から
30年目の節目の年でした
あの時も奥尻島を中心に
大きな津波の被害がありました
その地震の際かどうか忘れましたが
確かトンネル崩落事故も
あったように記憶しています
崩落したトンネルのあった場所
アイヌ語で「もろい岩」という意味だと聞いて
ゾッとしたものです
地名の語源を調べると
防災に役立つとの研究もなされています
例えば大阪の「梅田」
田んぼを埋め立てて造ったので
「埋め田」が由来です
いざ地震がおこれば
脆いことが予測されます
注意が必要です
今回の古御堂先生のご発表によると
北海道内のいくつかの高校が連携して
既存の避難訓練の見直しや
防災教育の体系化などされているそうです
2019年には
「世界津波の日」高校生サミットが
北海道で開催されました
今年度は熊本で開催されますが
本校からも参加する予定です
みなさんからいただいている
お見舞いや義援金を
その旅費など生徒の学びのために
充てさせていただきます
壊れた備品の修理や買い替えに
使う方法もありますが
レーガン元大統領の言葉を借りて
「教育は我が国最大の天然資源です」
私自身被災してから
物欲が全くなくなった
ということもあります
今までは新しいものが出るたび
真っ先に飛びついていたのですが
今では何か買おうとしたときに
どうせ地震が起こったら
姿形なくなるし
そんなことにお金を使いたくないな
と二の足を踏みます
でも
人を育てることに使ったら
それは確実に次の世代に何かを
残してくれる
こんな有意義な使い道はありません
北海道の高校さんからは
たくさんのことを
学ぶことができそうです
ぜひ交流させていただきたいと
考えています
よろしくお願いいたします
ダルビッシュ選手の逸話
143日目
パドレスのダルビッシュ有選手が
日米通算200勝を達成しました
おめでとうございます
ダルビッシュ選手の逸話で
私がちょこちょこ生徒に話しているものがあります
それは
20歳の時
不甲斐ない登板の後
ホテルで落ち込んで
40歳になった自分がホームレスになって
お金もない
ご飯も食べられない状況を
想像した話です
その時
神様がいきなり現れて
『20歳の時のことを覚えてるか?
あの頃に戻りたいか?
1回だけチャンスやる
その代わり
できること全部やらなかったら
またここに戻すぞ』
それ以来
自分は神様のお陰で
未来から戻って来たことに
そして
その時自分がやらなければならないことを
全てやるようになったのだそうです
その気持ちが
今回の偉業に繋がっているのですね
WBCに時に見せた
若手を惹きつけるリーダーシップも
手本にすべきものでした
スケールの小さな話にはなりますが
私自身このことを実行しています
例えば夏休みに入る前
一旦夏休みの最後の日を
想像するのです
「あれもすべきだった
これもできなかった
あーあ
明日から夏休みにならないかな
夏休みの初日に戻りたいな」
ふと現実に帰ると
実際に夏休みの初日!
目の前がパッと薔薇色に
でもまた同じことを繰り返して
結局本当の最後の日に
さらに落ち込むことには
なるのですが
ここがダルビッシュ選手とは違うところです
でもまあ
今日という日は
これからの人生の中で
一番若くてなんでもできる日です
毎日そう言い聞かせて
できることを精一杯やっています
被災地のみなさん
何かひとつできたら
その日の自分を
褒めましょうね
県の復興計画
142日目
能登半島地震からの復興計画が
県により示されました
「能登が示す、ふるさとの未来」
をスローガンに
「創造的復興の実現に向けた羅針盤」
と位置付けられています
「創造的復興」とは
「単に被災前の姿に復元するのではなく
元々あった課題を踏まえ
未来思考に立って
以前よりも良い状態へ持っていく」
こと
13の分野で
プロジェクトが立ち上げられましたが
そのうちのひとつ
「能登に誇りと愛着が持てるような
『学び』の場づくり」
に着目しました
国内外の生徒と課題解決型学習を進める
創造的復興計画の推進を目指します
まさに「街プロ」で取り組んでいるもので
今後一層前向きに進んでいく
大きな支えとなりそうです
東日本大震災の復興計画では
結果的に被災地から都市部へ出た人たちを
復興の主体として巻き込めなかった
という反省があるそうです
私が卒業式でいつか帰って来いと呼びかけた
「一旦輪島を離れるみんな」の
力が必要なようです
復興プランには
関係人口の拡大を視野に
「都市と地方を行き来する
2地域居住の推進」
なども盛り込まれています
今日は
避難訓練を行いました
例年だと
時刻や被災箇所を直前まで知らさずに行うなど
より実際を想定した訓練を
目指していましたが
今年はそんなリアルは追及しませんでした
何よりも自分達自身
イヤというほど体験しているし
悲しいことを思い出すかもしれない
形通り避難場所の確認に留めました
とはいえ
余震の心配はまだまだ続くし
学校の危険箇所の修繕も進んでいません
一人ひとりが自分の命を守る
意識が必要です
最後にいいお話
先日3年生の岸野望さんが
崖の下に倒れていた方を発見
動けなくなっていたところを
助け上げて避難所まで
連れて行ってあげたそうです
崖に落ちて2時間以上経過
警察犬も出動準備しており
倒れた方も
このまま誰にも見つけられずに…
との思いもあったそうです
元気になられた今日
お礼に学校までお越しくださいました
おかえり!まれちゃん
141日目
高校総体総文の壮行式を行いました
練習場所もままならぬ中
それぞれの部活動で
工夫を凝らしながら
練習を重ねて来ました
運動部で出場するのは
陸上 男子バレー 男子バスケ
ソフトテニス サッカー 卓球
バドミントン 剣道
です
一方文化部は
吹奏楽 美術 箏曲 和太鼓
アントレプレナー同好会の
みなさんです
それぞれに力を発揮して来てください
野球部が力強いエールを送ってくれました
そしてなんと
そんなみんなの激励に
今日はドラマの設定では本校卒業生
まれちゃんがかけつけて下さいました
お姉さんの土屋炎伽さん
弟さんで声優の土屋神葉さん
といっしょに
3人姉弟でおこしくださいました
ありがとうございます
質問に丁寧にお答えくださり
握手してもらった男子生徒はメロメロ
女子生徒も「かわいい~」の連発でした
まれちゃんはドラマの設定では
祭り好きで太鼓の名手
和太鼓部の生徒といっしょに
見事なばちさばきを披露してくれました
話題のフォトブック「たおリズム」に
メッセージを書いて
贈ってくださいました
正面玄関に
大切に飾らせていただきます
昨年誕生した赤ちゃんも
連れてきてくださいました
さすが大物の片鱗です
可愛い笑い声で
女子高生たちを
とりこにしていました
選手たちは大きな力をいただきました
きっと活躍してくれることと思います
世界農業遺産千枚田の田植えです
140日目
爽やかな風そよぐ5月
透き通るような日本海を背に
JRC部の生徒たちが
田植えボランティアに参加しました
JRC部とは
Junior Red Cross(青少年赤十字)
地域のボランティア活動に
積極的に参加しています
千枚田は
奥能登で一番高い山
高州山の地滑りによってできた
特殊な地形を利用して作った
美しい棚田で
一枚の平均が1.6坪と
非常に小さな田んぼの集まりです
こんな逸話が残っています
ある若者が本当に千枚あるか
数えてみたそうな
起伏が激しく
汗だくになってきたので
途中で着ていた蓑を
脱ぎ捨てたんじゃと
実際に数えると999枚で1枚足らない
何度数えても1枚足らない
日も暮れてきたので
あきらめて帰ろうと
途中で脱ぎ捨てた蓑を拾い上げると
なんとその下に1枚の田んぼが
隠れておったんじゃ
そのくらい1枚1枚が小さな田んぼです
地震直前には実際1,004枚の
田んぼがあったそうです
地震で崩れたところもあるかも
私が子供の頃は2,146枚あったと記憶しています
震災後初めて千枚田に足を運びました
途中凄惨な地震の爪痕を目の当たりに
道路が大きく波打っています
こんな大きいまんまるい石
どっから来たんだろ
水平線に見えるのは
「観音崎」という岬です
観音様が仰向けに横たわっている
その横顔に見えることから
「観音崎」という名前なのですが
地震ですっかり崩れてしまって
観音様には見えません
青酸カリの話
139日目
とある大学で青酸カリが紛失
もしくは記載漏れとの報道がありました
今日のブログには
「死」に関する記述があります
嫌な人は読まないでください
また私の記憶を頼りに書いたもので
実際に実験した訳ではありませんし
出典が明らかではない情報も多いです
話のネタ程度に読んでいただけると
私も大学の頃
青酸カリを日常的に使用する
研究室にいましたので
多少の知識があります
報道によると
紛失した総量は50g
160人分の致死量に相当するのだとか
あれあれ?
青酸カリの致死量はたしか0.1g
500人分では?と思い
いろいろ調べてみると
文献によって
0.1gから0.3g
うーん開きがあるのですね
0.1gで耳かき半分くらいだったから
0.3gだと耳かき山盛りか
青酸カリを用いたミステリーには
いろいろありますが
口紅に忍ばせておいて
塗った瞬間
ウッてなるパターン
でもこれはありえません
耳かき山盛の白い粉に塗れた口紅
見ればおかしいって気づくでしょ
万が一慌てていてきづかなかったにしても
耳かき山盛りって
どんな口のデカさですか
オバQか
そう考えると
コーヒーカップのふちに…
これも実際にはありえませんね
そもそも
青酸カリ中毒のメカニズムを知れば
皮膚についたくらいでは
死なないことがわかります
青酸カリ中毒の死因は
窒息です
えっ?
薬を飲んでどうして窒息?
青酸カリが胃に入ると
シアン化水素というガスが発生します
コーラを飲むと
シュワシュワと炭酸ガスが発生して
ゲップが出るのと同じしくみです
化学的には「弱酸の遊離」といいます
発生したシアン化水素ガスが
肺に入り赤血球のヘモグロビンに
ピタッとくっつきます
ヘモグロビンは
酸素を全身に送る役割をしていますが
それができなくなるわけです
つまり窒息死
即死ではなく
苦しむ時間が長いと予測されます
青酸カリを飲まされた被害者が
口から血をタラリ
窒息死ならこれもないでしょ
いえいえ
これはあり得るのだそうです
酸素不足を感知した脳が
肺に向かって
「酸素が足らん!もっと吸え!」
肺は
「ちゃんと吸ってますけど」
「嘘つけ!サボるな!」
「サボってませんて」
こんなやりとりがあるかどうかは
わかりませんが
やがて理不尽な要求に肺胞が破裂
私の研究室の冷蔵庫には
生卵が常備されていました
胃で発生したシアン化水素を
吸収する性質があるそうで
青酸中毒が疑われる場合は
直ちに飲ませろと
言い伝えられていました
あと研究室には
いつもほんのり
アーモンドの香りが漂っていました
そう
アーモンドの香りの素は
微量に含まれている青酸
救急救命する際に
口元からアーモンド臭がしたら
人工呼吸はやめて
心臓マッサージだけにするそうです
もしも青酸中毒だった場合
いっしょにシアン化水素を
吸ってしまう恐れがあるからです
そんなこんなの青酸カリ
あと解毒剤の話とか
コアラの大好きなユーカリの話とか
まだまだ授業のネタとしては
事欠きませんが
今回の件
盗まれたのではなく
処分したのを記載漏れした
であることをお祈りします
震災が結ぶ絆
137日目
令和9年
石川県を会場に
全国高等学校総合文化祭が
開催されます
生徒準備委員による活動も開始されました
https://ishikawa-koubunren.jp/news/entry-10917.html
現在
県内の高校で分担して
日本全国各都道府県を形どった灯篭を製作して
全国からの高校生のみなさんを
おもてなしする準備をすすめています
輪島高校が担当するのは
何かの縁でしょうか
阪神淡路大震災を経験された兵庫県
今回も多くの方から支援をいただいております
淡路島も作っています
今回被害の大きかった
美術室に置かれていましたが
崩れたものの下敷きになりながらも
なんとか原型を留めていましたので
少々骨組みを組み直しました
全国の高校の文化部のみなさん
お待ちしています
お楽しみに
今日も内灘高校へ生徒が集まって来ます
ビジネスコースの3年生で
テストが行われました
本校では昨年度より
中間テストを廃止しましたが
科目によっては
必要に応じてテストを実施しています
輪島高校から先生が問題用紙を運び
内灘高校でも本校と同じ緊張感です
輪島高校の2人の同級生
136日目
5月15日
今日は創立記念日
生徒はお休みです
大正12年に
産声をあげた本校は
昨年100周年記念式典を
挙行いたしました
大正12年は関東大震災があった年です
つまり輪島高校と関東大震災は同級生
その日台風が日本近海を通過していて
強風に煽られ火が燃え広がった
いわゆる複合災害だったそうです
今回の輪島の被災も
火災発生時に
津波の引き潮により
川の水が干上がり
消火が叶わなかった複合災害です
地盤隆起でいうと
関東大震災の2mの2倍の4m
この規模の地殻変動は
6000年ぶりなんだそうです
そう考えると
地質学上においても
とんでもない歴史に立ち会えたんだなと
もっとも隕石の衝突で滅んだ
恐竜さんにはかないませんが
人類の歴史でいうと
天災が原因で滅んだ文明は
ポンペイたったひとつしか
ないんだそうですね
人災が原因で滅んだ文明は
山ほどあるのに
そう考えるとなんだか悲しくなります
と同時に
関東大震災の年に生まれて
100年を経て
新たな100年の始まりを
能登半島地震でスタートした
本校ではありますが
再び立ち上がる勇気が湧いてきます
もうひとり輪島高校の同級生がいます
それはプラネタリウムくんです
世界初の近代的な
光学式のプラネタリウムは
同年ドイツで誕生しています
一昨日
能登半島でオーロラが見られたそうです
能登半島唯一のプラネタリウムを持つ天文台
「満天星」でも観測されました
天文台「満天星」は
「まんてんぼし」と読みますが
漢字検定準1級試験では
「どうだんつつじ」と読みます
私は退職したら
オーロラを見に行く旅行を
夢見ていたのですが
北欧やカナダまで行かなくても
生まれたこの場所で
見ることができるんですね
驚きです
チャレンジウォークの頃
135日目
例年でしたらこの頃
本校の伝統行事
チャレンジウォークを開催しています
心地よい初夏の風を感じながら
世界農業遺産である千枚田までの
海辺の道を歩きます
それぞれの力に合わせて
千枚田を超えて先を目指す生徒もいます
なのでチャレンジウォークです
チャレンジウォークについて
過去の生徒が
後輩に向けて書いた
作文があります
「チャレンジウォークとは
ずばり自己目標達成の練習です
この先
いろんなことで悩んだり
つらい思いをして
自分の目標を叶えるため
努力しなければいけないことが
増えてきます
『歩く』ことでそのことを練習するのです
ただそういう難しいことは
頭の隅に置いて
楽しく歩けばいいと思います
〈中略〉
コースを歩いているうちに
おもしろいものを見つけたら
友達と一緒に笑ってください
『あんなものもあったね』
3年生になっても覚えているかも
しれません
こんなふうに考えるだけでも
たのしいことがいっぱいあります」
この作文を書いてくれた彼女は
現在小説家として活躍しています
このころからその片鱗が
垣間見えますね
ところでこのチャレンジウォークは
私が高校3年生のときに
始まりました
当時は「夜間歩行」といって
懐中電灯の灯りだけを頼りに
一晩かけて50kmほどの行程を
ひたすら歩き続けるものでした
そのハードさゆえに反対する声もあり
校庭の銅像に
「夜間歩行反対!」という
プラカードをかける輩まで
出てくる始末
後で聞いた話ですが
先生方は
「こんなことをするのは
平野に違いない!」
と噂していたそう
名誉のために行っておきますが
決してそのようなことはしていません
なぜなら
「夜間歩行」が大好きだったからです
その証拠に
当日みんなを盛り上げようと
懐中電灯ではなく
わざわざ「御用提灯」を仕立てて
持っていったくらいですから
みんなは大爆笑で喜んでくれました
ただこのあと
恐ろしい試練が待っていようとは
このときは知る由もありませんでした
この重い提灯を
50km運ばなければならない現実
しかも蝋燭が消えないようにそっと
はじめ喜んでくれたみんなも
そのうち見向きもしないようになりました
このことまで考えが及びませんでした
このとき得た人生の教訓は
「後先考えずに一瞬のウケを狙ってはいけない」
進学について考える
134日目
Benesseさんから
大学入試に関するお話を聞きました
最近では
「年内入試」というシステムを使って
大学へ進学する生徒が増えています
これは従来推薦入試とかAO入試とか
呼ばれていたもので
12月までに合格を決めてしまうものです
2000年頃には3割程度だった
推薦入試での大学入学生は
一昨年以降一般入試生を上回り
今では半数以上の大学生が
「年内入試」で合格を勝ち取った方です
詳しくは
2023年3月頃のこのコラムで
特集しましたので
生徒や保護者の皆さんは
ぜひご一読ください
ただそこで評価される力は
従来の推薦入試などとは異なります
例えば「年内入試」のひとつ
「総合型選抜」で求められるのは
◯大学で何を学びたいかという明確な意識
◯グループディスカッションをする力
◯協調性やコミュニケーション能力
◯目標を達成するためのプロセス
などです
さて それらの力を育むためのプロセスは
①経験
探究活動や行事を通じ
視野をより広げる
②内省
心が動いたことや
なぜ心が動いたのか振り返る
③展望
より深く自分を知り
よりよい生き方を考える
さらにある大学教授は
次のように語っています
「探究学習などについては
入試を意識して綺麗な結論にこだわり過ぎた取り組みは
必ずしもよい評価とはなりません
結果・成果だけではなく
何に関心があり
問題解決のためにどのように試行錯誤をし
失敗も含めてそこから何を学び
それを踏まえて大学で何をしたいかを
明確に言語化することが必要です」
いかがですか?
いま「街プロ」で取り組んでいること
そのものではありませんか?
「街プロ」は
大学入試のためにやっているものでは
決してありません
そして
高校の3年間で完結するものでもありません
「街プロ」でやったことに魅力を感じ
大学でさらに学んで深めたいと実感した生徒は
大学合格後にさらに伸びます
「学びウィーク」って何?
132日目
巷では中間テストが行われている頃
でも本校には中間テストがありません
昨年度廃止しました
その期間中設定したのが「学びウィーク」
「学びウィーク」では
午前中4時間授業を行ったあと
午後は各自で必要な学習を自学します
昨年度は3回実施しました
5月と10月と12月
1年生の保護者の皆さんは
「そんなんで大丈夫?」
と不安になるでしょう
このブログでも
その時の様子を紹介していますので
ぜひご覧ください
「学びウイーク」の大きな目的は
次の2つです
(1)「やらされる勉強」からの脱却
「学びウィーク」では各自で
学習する教科をコーディネートします
あるクラスでは
やりたい教科ではなく
やらなければならない教科を選べ
と指導しています
教員に質問しに行ってもいいけど
教員は質問に直接は答えません
あくまで学ぶ方法を教えます
(2)「テストがあるから勉強する」からの脱却
昨年の「学びウィーク」の後
前年度との家庭学習時間を比較しました
すると驚くべき結果が見られました
特に1年生において顕著で
中間テスト中(昨年度)は平均4時間
学びウィーク中(今年度)は2時間
これは致し方ありませんが
注目すべきはその後です
昨年、中間テストが終わったら1時間に激減
テストが終わったら途端に学習しなくなりました
ところが今年「学びウィーク」が終わった後は
2時間半と逆に微増しているのです
学び方が身についた
効果を実感できました
また、Benesseのスタディーサポート
(学びのためのアンケート調査)
の結果においても、
授業の予習復習および宿題以外の
学習時間が増えているとの分析がなされました
わずかずつですが
自分で学ぶ姿勢が身についてきていました
「中間テストがなくなって勉強しなくなるのでは?」
「自学の制度は輪高生には時期尚早では?」
との不安の声を一部の保護者からいただいていますが
そうならないよう指導してまいりますので
ご理解をお願いします
また、ご家庭での学習状況を
お知らせいただけると改善に繋がります
よろしくお願いします
そのほか
大学教授等による特別講義や
有名塾講師等による講演など
「学ぶ心に火をつける」
さまざまな仕掛けを用意しています
「学びウイーク」は明日から始まります
青葉の頃
131日目
青葉フィルハーモニー管弦楽団さんより
音楽活動に使ってほしいと
義援金のお申し入れがありました
青葉フィルさんは
東急田園都市線・青葉台を拠点に
活動していらっしゃる
アマチュア管弦楽団です
来る7月15日(月)14時より
横浜市青葉区民文化センター フィリアホール
において定期演奏会を開催されるそうで
その収益金を送ってくださるそうです
ありがとうございます
今回ご連絡をくださった
角谷 陽児さんは
6歳の頃からバイオリンを始めて60年
途中バイオリンを
お猪口に持ち替えた期間が長かったそうです
その分味のある
大人にしか出せない演奏が楽しめるのでは
と期待しています
詳しくはこちら
大地の子
130日目
内灘高校には
今朝も金沢近郊に避難している生徒たちが
通って来ています
ひとりまたひとりと輪島に帰り
今では20人くらい
この後も
仮設住宅などの環境が整い次第
生徒たちは帰って来ます
私の父方の祖父は昭和の初め
中国は青島(チンタオ)にあった
日本人学校の校長をしていました
多くの日本人が暮らし
豊かな生活を送っていたようです
祖父も
父を含めた5人の子と妻で
幸せに暮らしていました
ところが状況が一変します
ソ連が宣戦布告し
侵攻を開始したのです
ひとりまたひとりと日本へ帰り
生徒が減っていきます
最後に全校の生徒が
父の兄弟5人だけとなったところで
学校を閉じることとなりました
「ここは危険だから
お前たちは先に北京に向かい
そこで待ちなさい
私は残務が終わり次第追いかける」
祖母は5人の子を連れて
一旦北京駅に降り立ちますが
「死ぬなら一緒に」
思い直して
もう一度折り返しの列車に
乗り込んだのです
そのときです
天皇陛下の玉音放送が流れたのは
一瞬の判断で乗り込んだ列車が
北京から青島へ向かう
最後の列車となりました
もしその時一瞬の躊躇があったら
家族が再び逢うことがなかったし
日本に帰れることはなかった
父は残留孤児として過ごすことに
だとすれば
今私はこの世に存在していません
映画のような
でも実際にあった話です
じいちゃん
あの時あなたはどんな気持ちで
子供たちを日本へ送り返していたのですか
あなたの孫は
全く逆の立場で
引き上げてくる子供達を
待っています
青島日本中学校校舎
青島日本中学校校歌
遠くに行くには?
129日目
「早く行きたかったらひとりで行きなさい
遠くへ行きたかったらみんなで行きなさい」
というアフリカのことわざがあります
はるか昔アフリカで生まれた我々の祖先は
みんなで遠くへ向かって歩き出し
子孫を増やしながら
世界中へと拡がっていきました
「鳴かぬなら自分で鳴くわホトトギス」
私は昔から他人の話を
全く聞かないタイプの人間でした
でも今
みんなで行くことの大切さを
この年になってはじめて
しみじみと感じています
他の人の意見を聞くのは
時間がかかります
反対意見が出てきたら
説得するためにさらに時間がかかります
まして反対に説得されることばかりです
だから
ひとりでする方がはるかに早いです
以前
尊敬する先輩の先生から
「一番間違いなく確実な
仕事のやり方を教えてやる」
と云われたことがあります
それは
「誰にも頼らずひとりでやれ」
以来
大事な仕事は誰にも頼らず
ひとりでやっていたつもりでしたが
結局誰かが尻拭いをしてくれ
結果として迷惑をかけることが
多かったような気がします
いろんな人の意見を聞けば
いろんな角度から検討できますし
よりよいやり方が見つかったりもするし
だからこそ
遠くへ遠くへ行けそうな気がします
木曜日の7限目は「街プロ」の時間
みんなで話し合って
遠くへ遠くへ行きましょう
2年生は多くの生徒が
自分が取り組む
まちづくりのテーマを決め
動き出しています
近いうちにグループごとに
活動資金調達のための
コンペを行う予定でいます
多くの皆さまからいただいた
貴重なお見舞い金は
この活動に使わせていただきます
差し当たって必要なモノを買うより
「人づくり」
長岡藩の「米百俵」の精神です
1年生はオリエンテーションです
これから1年間どんな活動をしていくのか
イメージを膨らませました
話し合いにポジティブな生徒もいれば
ネガティブな生徒もいます
数学者マルシャル・ロサダは
「3対1の法則」を提唱しています
ビジネスチームに成功をもたらすためには
「メンバー間の
ポジティブな相互作用と
ネガティブな相互作用の比率」が
最低でも「2.9013:1」でなければならない
というものです
一つのネガティブな意見や行動の
悪影響を打ち消すのに、
3倍の量のポジティブな
意見や行動が必要になるそうです
ポジティブとネガティブの割合が
このラインを下回ると
チームの仕事ぶりは急速に落ち込みます
上機嫌を周囲に振りまいて
みんなの機嫌を良くしてくれる人には
感謝をしましょう
逆に自分の感情のままに
不機嫌やイライラを振りまいている人は
チームに対して
大きなマイナスを及ぼしています
ネガティブとまではいかなくても
辛くて悲しくて
まだ動き出す気になれない
という人もいるでしょう
そんな人は
無理しなくていいよ
ゆっくり
自分と向き合う時間にしてください
太鼓の絆とお笑いと
128日目
帝京安積高校の和太鼓部の先生から
励ましのお便りをいただきました
毎年夏に御殿場で行われている
全国高校和太鼓選手権で
同じステージに
立たせていただいている仲です
学校のある郡山市は
東日本大震災のとき
建物の倒壊だけでなく
放射能汚染にも苦しめられたそうです
ほぼ全壊した校舎から
先の見えない中での
活動再開
瓦礫の撤去などをしながらの活動
そんな中で出演依頼を全て引き受け
日本一の栄冠を勝ち取るまでの頑張り
震災をきっかけとして
大きく飛躍した歴史が
綴られていました
輝かしいまでの笑顔
自分たちにとって
大きな励みとなります
坂本 雄一 先生
部員の皆さん
夏にお逢いできることを
楽しみにしています
もう一件
大阪の高校生からの支援の申出が・・・
「今 不足しているものは何ですか?」
と訊かれたので
「笑い」
と答えたら
即座に
「ほな笑かしに行きますわ!」
と夏休みに漫才しに来てくれるのだそう
ほんま大阪の高校生はおもろいです
インターネットコオロギの謎?
127日目
今日は内灘高校に来ています
金沢近郊に2次避難している生徒の
オンライン授業の場として
校舎の一部を使わせていただいています
オンライン授業なら
避難先でもできるのですが
やはり友人どうし
直接顔を合わせることが大切です
こんな研究があります
金沢工業大学での
コオロギに関する研究です
そこで飼育されているコオロギは
1匹ずつ透明なケースの中で
育てられています
餌が充分に与えられ栄養状態がよく
運動する空間が限られているため
運動不足になりがちで
自然界のコオロギに比べて
体が肥大化し
その分力も強いそうです
1匹ずつ隔離されているので
直接の交流はありませんが
ガラス越しにお互いの姿と声を
確認することができます
その生活環境がSNSでの
交流と似ているので
「インターネットコオロギ」と
呼ばれるようになりました
インターネットコオロギは
野生のコオロギには見られない
独特の特徴を持ちます
(1) ケンカにおいて手加減ができない
オスどうしの縄張りで
野性のコオロギは
相手が縄張りを出て行ったら
そこで攻撃の手を止めますが
インターネットコオロギは
どこで攻撃の手を止めてよいのかわからず
執拗に攻撃し続けて
相手を喰い殺してしまうのだそうです
(2) 恋愛においての引き際がわからない
オスからメスへの求愛で
野性のコオロギは
何度かアプローチしてもダメな場合
次のメスを探し出しますが
インターネットコオロギは
自分が嫌われていることを理解できず
執拗に求愛し続けて
それでも相手が
自分の思いどおりにならないと豹変し
相手を喰い殺してしまうのだそうです
やはり直接会う機会を
積極的に設定することが
学校に求められているようです
また今日は
輪島漆芸技術研修所の卒業式が
行われました
本来3月に行われるはずだった式
本日ようやく
金沢市のしいのき迎賓館で
挙行されました
輪島には帰れないということで
卒業製作を断念した方も
いらっしゃいます
そんな中
卒業製作を仕上げられた
14名の漆人(うるしびと)が
飛び立っていかれました
「綺麗な姿で卒業していきなさい」と
小森邦博所長が集められたお見舞いで
お着物をしつらえてくださったそうです
送辞で送り出した余門さん
答辞を述べられた日野さんは
ともに私の近所で
火災で大切なお宅を失った方です
同じく近所には
人間国宝の前大峰先生 前史雄先生のお宅もあり
多くの貴重な宝物が焼失しました
しかし
困難の中で
卒業を迎えられた卒業生をはじめ
若い職人の方々が
この文化と伝統を
きっと後世に伝えてくれるものと
信じています
カ行で生きる
124日目
ゴールデンウイークまっただ中
例年妻の実家の田植えをしていますが
珠洲市にある実家と田んぼも被災したので
今年の田植えはなしです
日本海を見下ろす高台にある田んぼで
お昼に食べるおにぎりのおいしいこと
ウグイスの声も聞こえるんです
GWのはじめの頃は
たどたどしく鳴いていますが
終わりの頃には
上手に鳴けるようになっています
復興したら
田植えとおにぎり体験ツアーを
企画してみたいです
全国のみなさんにもぜひ
体験していただきたいです
さて学校では
学務員の谷川毅さんが
校庭にニゲラの苗を植えてくださいました
根付くことができれば
6月頃に青い花を咲かせてくれるそう
楽しみです
ニゲラの花言葉は「未来」
なんだか今にぴったりですね
谷川さんからは
懇意にしていらっしゃるという
星 みちこ さんの詩も
紹介していただきました
カ行で生きる
かざらず
かまえず
かたよらず
きばらず
きどらず
きめつけず
くさらず
くじけず
くるしまず
けろけろ
いまの
こころを
生きる
・・・カ行の日あり
苦行の日あり
でこぼこのグラウンドでは
野球部が練習
教室では
受験生が学習に
それぞれ励んでいます
避難所では落ち着いて
学習できないだろうし
学習塾もやっていないし
でも与えられた環境で
今できることを精一杯やれば
きっと結果はついてくる
がんばれ!
今夜はNHKで19:30からゆずさんも
歌でエールを送ってくださいます
「ライブエール」お楽しみに!
転生したら風鈴だった件
123日目
僕らの街は僕らが創る
毎週木曜は「街プロ」の日です
今日は東京から大成建設さんを迎え
街づくりのヒントをいただきました
体育館に集まりワークショップです
リサイクルとアップサイクル
能登地震の災害ゴミは現時点で
体育館 2,700棟分と
試算されているそうです
捨てられる資源を
再利用するのがリサイクル
今よりさらに有用なものに
生まれ変わらせるのが
アップサイクルの考え方です
「街プロ」では
観光、教育、漁業、スポーツなど
10のグループに分かれて
それぞれ興味ある分野から
街づくりにアプローチしています
一人ひとりが4コマ漫画を描く
今日のワークショップ
1コマ目は
「転生させたいモノを決めよう」
2コマ目は
「そのモノの気持ちになって
どんな転生をしたいか考えよう」
3コマ目は
「そのモノの転生した姿を
描いてみよう」
4コマ目は
「転生したモノが
どんなふうに過ごしているかを
想像しよう」
生徒から出たアイデアは
倒木でキリコや太鼓
あるいは公園の遊具
瓦で道路
倒壊家屋でサッカーゴール
素敵だなと思ったのは
焼け跡で焼け残った
茶碗を集めて崩して成形し
風鈴に蘇らせるいうアイデア
被災地の思いを
「音」で残したいのだそう
大成建設さんの技術で
形になるのであれば
素晴らしいことだと思います
みなさんは
災害ゴミを生まれ変わらせるとしたら
どんなアイデアがありますか?
さて明日から4連休
輪島高校では
4日とも学校を開放して
学習場所として
生徒の皆さんに活用してもらう
準備をしています
昨年度は
教員の多忙化改善の視点から
土日祝日は
学校を閉めていました
今年度は
未だ避難所生活を
余儀なくされている
生徒もいる中
少しでも落ち着いた学習環境を
提供したいとの
先生方の熱い思いから
特別に実現に至ったものです
ですので
他の高校の生徒さんや保護者の方は
「輪島高校がやっているのだからぜひうちも」
と思わないでいただきたいし
本校においても
これからずっと続くとは
思わないでいただきたいです
花壇の花が満開です
震災前にちょこっと植えた苗が
花壇いっぱいに…
名前は忘れました
避難所にも
筍の芽をあしらった
おしゃれなオブジェが…
今日のワークショップで学びました
Learning by Doing
オランダの教育方針です
令和の五者とは?
122日目
NHK「クローズアップ現代」で
生徒の様子が放送されました
地震から4ケ月
この間生徒が何を考え
そしてどうあろうとしたか
何人かの生徒にクローズアップ
少しずつ前を向いていく様子が
頼もしく感じました
また、先日行われた入学式の模様が
1日(水)18:10よりNHKの福井ローカルで
2日(木)朝5:00台に「おはよう日本」全国版で
放送される予定です
さて、昔から「教師は五者たれ」
という言葉があります
「学者のように学べ」
「医者のように生徒を診よ」
「役者のように生徒を魅了せよ」
「易者のように生徒の未来を見よ」
「芸者のように生徒に寄り添え」
というものです
このような先生方の
献身的な努力に支えられて
世界的にも類を見ない高い水準の
令和の日本型教育が
展開されている反面
授業以外の業務が
教員に大きくのしかかっています
教師を授業に集中させるため
その他の業務を外部委託している
諸外国に比べて
教師の成り手不足を招いていますし
最近では五者に加え
カウンセラーやロイヤーなど
かつてなかった役割まで
求められるようになっており
事態は深刻になっています
とはいえ
教師は未来を創る仕事である
ということは変わらない事実であり
その思いに支えられ
つらい日々もしあわせな日々に
「辛い」という漢字に
一本書き加えるだけで
「幸せ」になるように
先述の五者はいささか昭和の匂いがしますが
それでも永劫変わることのない
教育の「不易」であると思います
令和の教員はどんな五者であるべきか
教育の「流行」について
私は普段こんなこと心がけています
教師たる者
1.Collector であれ
身の回りの様々な素材から
教材をつくりだせ
そのためにアンテナ高く
あらゆるデータを吸収しまくる
教師たる者 コレクターであれ
2.Coordinator であれ
生徒の学ぶ意欲をかき立てるのは
教師の学ぶ意欲
吸収した素材を分析し
創造へと編み上げる
教師たる者 コーディネーターであれ
3.Creator であれ
二度と同じ授業はしない
毎回必ずひとつは
新しい何かを携えて教室へ
新しいものを創造し続ける
教師たる者 クリエイターであれ
4.Presenter であれ
シンプルで強くわかりやすく
オリジナリティーに溢れた発信を
生徒の表現力を高めるには
教師のプレゼン能力を高めろ
教師たる者 プレゼンターであれ
5.Planner であれ
授業中生徒が寝るのは
面白くない教師が悪い
自己反省の厳しい者だけが
よりよい次のプランを可能に
教師たる者 プランナーであれ
吸収→分析→創造→発信→反省→
この3C2Pのサイクルを
常に意識してやってきました
5月4日をお楽しみに!
121日目
以前も来てくださった
心のケアアドバイザーの
冨永良喜 先生にお越しいただき
1年生と3年生を対象に
「自分のストレスを知り対処法を学ぼう」
の特別授業をしていただきました
今回は
日本心理臨床学会元理事長の
鶴 光代 様
立命館大学のカウンセラー
桝蔵 美智子 様
同じく立命館大学 大学院教員の
前原 寛子 様
にも同行いただき
気になる生徒の観察をお願いしました
中には最初から最後まで
突っ伏して寝ている生徒も
きっとまだそんな話を聴く
精神状態ではなかったんですね
辛かったら参加しなくていいよ
と声かけすべきでした
配慮が足りませんでした
今日のチェックリストの結果分析は
今後の指導に活かしていきます
先日
「ゆず」のおふたりが学校へ来て
ライブをしてくださいました
115日目の配信で
「もうひとつサプライズがあったけど
それはまた後日」
と書いた件です
情報解禁されるまで書くなと
止められていましたので…
まあタイトルで気づく人も
いらっしゃったでしょうけど
被災地の生徒へ歌でエールをと
NHKの
「君の声が聴きたい」
とのコラボ企画です
5時間目の授業が始まったことにして
しばらくしてゆずさんによる
放送室乗っ取りアナウンスで
コンサートを知らせると
「えー!!」と校舎から大きな歓声が
生徒全員ライブ会場の体育館へ駆けつけます
内灘に避難している生徒にも
オンラインで見えるようにしておきました
何人かの生徒が
ゆずさんに当時の様子や思いを語りました
そのあと「友〜旅立ちの時〜」を
歌っていただきました
と収録はここまで
そのあとは
「夏色」を全員で大合唱
「栄光の架橋」で涙する生徒も
忘れられない思い出になりました
今回の様子は
5月4日(土)午後7:30より
NHK総合 BSP4K BS8K
「君の声が聴きたい presents
ライブ・エール2024」
で放送されます
ぜひご覧ください
詳しくは
高校野球 春の大会です
119日目
初夏を思わせる心地よい風
高校野球の春の大会に来ています
一冬超えて一層たくましくなり
はち切れんばかりのユニフォーム
先発のマウンドは濱田くん
安定のピッチングを見せています
6回までピシャリ0点に
6回の裏
宮下くんのタイムリーで
1点先制すると
続く濱田くんの内野ゴロの間に
2点目です
続く7回には
森高くん 平くんの連打のあと
田屋くんがきっちりスクイズを決めます
お母さん方の応援にも熱が入ります
守備の乱れから失点したものの
濱田くんの球威は
最後まで衰えず
3ー1で初戦を飾ることができました
今回出場している選手のうちふたりが
避難先から別の高校の野球部に通い
練習に参加させていただいています
ご理解をしてくださっている
関係高校の校長先生 監督さんはじめ
多くの先生方
ありがとうございます
選手のみんなも
一緒に練習させてもらって
本当にありがとう
今日久しぶりに仲間と一緒に
プレイすることができました
そのうちのひとり秋田くんは
1月4日の本ブログで紹介した
配給場所を回っていろんな人に
パンを配っていた彼です
今日お母さんにお会いしました
その当時
もう自分は
野球なんてやっている場合じゃないと
諦めていたそうです
諦めないで本当によかったな
3月に招待してくださった
仙台育英高校のみなさんからの
励ましのメッセージを
保護者会の方が
わざわざ届けてくださいました
仙台育英高校も
今日は春の大会を戦っているみたいです
公務員としての誇り
117日目
本校は今年度
金融教育の研究指定校になっています
被災したこんな状況で
辞退してはとの声もある中
「こんなときだからこそ
できることがきっとある」
と研究主任の山上佳織先生の
力強いお言葉
今日は
金沢市長を勤められた山野 之義 氏をお迎えし
1年生全員を対象に
「まちづくりへの挑戦
〜輪島復興に向けて〜」
と題して講話をいただきました
山野氏からの問いかけに
生徒の徳野さんが
すかさず手を挙げて答えます
山野氏からは
「大勢の中で
真っ先に手を挙げて発言できる君は
きっとみんなをリードできる人になれる」
山野氏は市長時代
金沢市の中高生に対して次のように
おっしゃっていたそう
「環境さえ許せば
どうぞ金沢を出て行ってください
環境さえ許せば
どうぞ日本を出て行ってください
そしていつの日か
金沢に戻って来てください
どうしても戻って来れなくても
金沢を思い続けてください」
なんだか今の輪島の生徒たちに
伝えたいことそのもの
「素敵な街づくりのために
高校生ができることは何だろう?」
生徒が答えます
「ゴミ拾い」
山野氏はここからも話を広げます
「ある有名企業の創業者の逸話
毎日せっせとひとりでゴミ拾いを
していたところ
周囲の人はそんなたくさんのゴミ
ひとりで拾っていても仕方ないだろう
今の被災地のゴミも同じ状況
でもその人は云いました
『ひとつ拾えばひとつ綺麗になる』」
その話題の豊富さに
生徒もどんどん引き込まれます
一緒に小坂小学校の
久野 恭子先生も
ボランティア休暇で
来てくださいました
小坂先生のご専門は音楽
校内の清掃や
災害ゴミの撤去など
献身的に働いてくださった他に
ストリートピアノで
即興ライブです
生徒からのリクエストに
何でも弾いてくださり
一緒に歌う生徒も
私もギターとカホンで加わり
セッションしました
おふたりには放課後にも
若手教員研修をしていただきました
石川県では優秀な若手教員を育成すべく
若手教員育成プロジェクト
(通称若プロ)を展開しており
その一環です
若手教員の
心の悩みを聴いていただき
それぞれのお立場から
適切なアドバイスを
いただきました
実家が金沢で単身赴任の
山崎裕貴先生
今回帰省し損ねて輪島で被災
翌日からずっと車中泊で
学校再開に向けて
力を尽くしてくれていた先生です
「正直心折れていました
公務員だからという誇りだけで
踏ん張ってきました
市長として心折れそうな時
支えとなったものは
何ですか?」
山野氏からは一言
「家族です」
思わず目頭が熱くなりました
同時に
その家族すら失った方の
気持ちを思うと
なんともやるせない気持ちに
花いちりん描く会
116日目
毎週木曜日の7限目は
総合的な探究の時間
「WAJI活(街プロ)」
僕らのまちは僕らが創る
をコンセプトに
今被災地のために
今の自分に何ができるか?
一人ひとり自分なりの
課題を探しています
本日別の会議で本校を訪れていた
文科省の方やNPOカタリバさんも
活動をご覧になり
一人残らず真剣に自分ごととして
取り組んでいると
驚いていらっしゃいました
神戸の「花いちりん描く会」代表の
立岡佐智央さまより
お花のカレンダーと
手記「花と百字文」を
届けていただきました
立岡さま曰く
「花いちりん描く会」は
阪神淡路大震災を超えて
大地に咲いた野の花のような
いわば震災を超えてしぶとく
生き残った花だそうです
「花と百字文」は
会員の方が手作りで編まれた体験談
カレンダーと手記は
無料で追加発送してくださるそうで
希望の方は学校までご連絡ください
とりまとめてお願いしたいと思います
また 元県職員でいらっしゃる
宅美 克基 様からは
「能登半島地震による隆起状況写真」
を送っていただきました
圧巻なのは全ての撮影地で
震災前の写真との比較ができること
学術的にも非常に価値の高いものです
ウルトラマンと栄光の架け橋と
115日目
2人のウルトラマンが
炊き出しに来てくださいました
ウルトラマンダイナのつるの剛士さん
ウルトラマンガイアの吉岡毅志さんです
自分はウルトラセブンから
帰ってきたウルトラマン
ウルトラマンエース
の世代ですが
そのあといろんなウルトラマンが
登場しているのですね
保護者の方が繋いでくださりました
他にも多くの方に来ていただき
一緒に牛丼を振る舞ってくださいました
食後にはギターで歌のプレゼントも
詳しくは本校HP
「輪高生の活動記録ブログ」
をご覧ください
このブログを今年度担当してくださるのは
山崎瑞稀さん
以前本校に勤めていらっしゃった方です
しばらく別のお仕事をされていたのですが
震災を機に戻ってきてくださいました
地元のことをよくご存知で
頼りになる方です
ブログの更新も迅速かつ正確です
ぜひご覧ください
今日はもうひとつ
サプライズがあったのですが
そちらの紹介はまた今度
世界は意外に単純で
心配事には心配事が
笑顔には笑顔が
感謝には感謝が
集まるようになっているそうです
今日もそんな1日でした
たくさんの笑顔と感謝
元気と希望と夢が集まってきました
輪島塗の音色
114日目
先日の入学式の際のバイオリンの話が
NHK名古屋さんにより紹介されました
https://www.nhk.or.jp/nagoya/lreport/article/004/27/
動画が見れない場合はこちらから
たのしみは
113日目
北陸は福井に生きた
幕末の国学者橘曙覧
「たのしみは…」で始まり「…とき」で終わる
52の短歌を収めた「独楽吟」
その中で
「たのしみはまれに魚烹て児ら皆が
うましうましと言いて食う時」
と詠んでいます
児らに限らず
自分が作ったものを
おいしいおいしいと食べてもらうことは
本当にうれしいものです
全日本司厨士協会北陸地方本部のみなさんが
今日のお昼に生徒全員に
フレンチの炊き出しをしてくださり
生徒ら皆が
うましうましといただきました
メニューは
「オードブルバリエ」
「野菜のポタージュスープ」
「ハンバーグステーキ
能登牛ホホ肉赤ワイン煮込み添え」
「パン」
「苺のムース」
学校で味わえる本格フレンチに感動
元気をいただきました
グループリーダーを務めてくれたのが
私の幼馴染の「ゆうじろう」
金沢の「VICTORIA GROVE」で
料理長を務めています
子どもの頃から
女の子にモテモテだった
イケメンシェフです
そんなゆうじろうに縁のあるみなさんが
集まってくださいました
ゆうじろうが料理のイロハを叩き込まれ
親父と慕う元浦安ブライトンホテル料理長
堀内進様
田辺稔様は
珠州ビーチホテル再建のご経験もお持ちで
現在ANAクラウンプラザホテル金沢で
料理長を務めていらっしゃいます
金沢製菓調理専門学校の
小石 幸一郎 教頭先生
遠く福井県からも
グラン・シェフ クーゼーの 久世 康史 様
キッチン・オーの 大崎 新仁 様
クッキングスタジオ おかじまの 岡島 周二 様
金沢から
アニバーサリークラブ フラワーガーデンの
吉田 貴也 様と 長松寿宗 様
国際ホテルの元料理長 山口 進 様
町屋cafe くりの樹の 小鍛治 裕樹 様
旬菜焼はざまのオーナーシェフ 狭間 新一 様
いずれもいつか行ってみたい
素敵なお店のみなさんです
多くの方に支えられ
豊かなランチタイムになりました
次回は24日(水)
PTAのみなさんによる牛丼です
配膳などのお手伝いをしてくださる方を
募集しています
今年の輪島高校PTAのコンセプトは
「楽しいことだけやろう!」
メールでもご案内しておりますので
お手伝いしてくださる方は
フォームよりお知らせ願います
オール金沢大学で被災地支援
112日目
発災以降
金沢大学さんが
さまざまな支援活動 調査活動を
してくださっています
「里山里海創造WG」
創造的復興に向けた構想の立案を行います
「合同調査チームKUD」
文理医融合のチームから情報発信を行います
「こころのケアKEYPAT」
心の不調を心理面から支援します
「医療支援」
被災者の健康維持に中長期的視野から行います
「教育・ひとづくり」
学習環境の整備と帰還期復興期の地域再生を行います
本校もずっとお世話になっています
「被災地支援」
学生や職員によるボランティア派遣を行います
今日はその報告会にお邪魔しました
(1)震災遺構
今回の地震は複合災害であり
全ての現象が一度に見られた
まれに見るケースです
地盤隆起 地盤沈下 液状化
津波 断層変異 大火災
地盤災害 盛土崩壊 強振動
これらのものを震災遺構として残し
後世への災害教育の教材として
活用する取り組みがあります
(2)津波痕跡
今回の津波は
近い津波で早い津波でした
その割に失われた命が少なかったのは
普段からの避難訓練の
賜物なのだそうです
(3)心のケアKEYPAT
被災民の心のケアと精神医療を行うチームです
「同僚に言葉に傷ついた」
「職場での配慮がない」
などの悩みが多かったそうです
(4)学びの支援
ずっと本校もお世話になってきた
文教会館での学習環境整備
学生さんによる学習支援
食事の提供もいただきました
学生さんによるボランティア支援
「ボラさぽ」の発表もありました
学内のさまざまな部局・組織が連携して
オール金沢大学で
我々に寄り添ってくださり
震災からの復旧・復興及び支援に
全力を尽くしてくださっています
本当にありがとうございます
恩返し、恩送り
110日目
岩手県の盛岡商業高等学校のみなさんから
あたたかいご支援をいただきました
13年前の東日本大震災の際に
全国の皆様からいただいた励ましに
心強い思いをしたからとのこと
本当にありがとうございます
盛岡商業高校さんとは
平成30年の「朝市全国サミット」で
ご一緒させていただきました
盛岡には神子田朝市があり
ゆるきゃらの「あさどりくん」とも
記念写真を撮りました
東日本大震災から
どのように復興しているのか
ぜひ見せていただきたいです
本校には、毎朝の読書タイムがあります
落ち着いた雰囲気で1限目を
迎えることが出来ます
今年度は
避難先から通って
オンラインで授業を受けている
内灘高校と時程をそろえるため
1限目のはじまりが遅くなっています
そのため例年よりも
じっくりと読書をすることが
できています
若いうちにいっぱい本を読んでおくのだぞ
自分も若い頃よく言われたものですが
この歳になって
その理由がわかりました
まず目を凝らさないと字が見えない
薄暗いところでは全く読めない
2ページ前に登場した人物を忘れる
その度に戻って確かめる
だから若い頃の5倍は時間がかかる
座って読むと腰が痛い
寝転がって読むと首が痛い
あと言語を理解するときに
分泌されるホルモンには
その副作用として
ある年齢までは覚醒作用
ある年齢を超えると誘眠作用
があるそうです
だから小学生は本を読むと
目がらんらんとしてくるのですが
高校生くらいになって
教科書を読むと
眠くなるんですね
この情報は昔ある本で読んだのですが
出典が明らかではありません
妙に納得できる説ではあります
3ページ目には大概寝てます
とかく読書には体力が要るのでした
子どもも大人も一緒に前を向いて
109日目
アメリカから
アリゾナ日本企業懇話会の
ビバリー・ワシャチェック
ディーン・ワシャチェックご夫妻が
お見えになりました
何かお手伝いがしたいということだったので
それなら生徒の話し相手になってくださいと
お願いしました
3年生の「総合英語」の授業
内灘高校ともオンラインで繋いで
生徒から今回の地震について
プレゼンテーションしました
2年生の「WAJI活(街プロ)」の時間
この時間では
「僕らのまちは、僕らがつくる」
をテーマに
輪島の再生について取り組んでいます
輪島市高校魅力化プロジェクトの
藤川恵里さんの
ファシリテーションにより
ワールドカフェの手法を用いて
話し合いました
「観光」「教育」「漁業・農業」「スポーツ」
「祭」「医療」「輪島塗」「子育て」
など10のカテゴリーに分かれて
自分の興味ある
街の再生に取り組みます
毎週木曜日の2:55から3:40
保護者や地域の方もぜひ
ご自由にお越しください
専門のお立場から
アドバイスくださってもよし
高校生からぜひ行政に働きかけてほしい
といった要望でもよし
先日来てくださった
震災学の専門家から教えていただきました
学校を中心とした地域の方々が
話し合える場所というのは
心のリハビリ
ショックから立ち直るのに
とても有効なのだそうです
未来が見えないという方
ぜひ高校生とお話をしに来ませんか
一緒に入って
ウンウンって頷いているだけでも
ぼーっと聞いているだけでも
リフレッシュになりますよ
明日に向かう勇気になりますよ
ぜひお気軽に
子どもがこうして
しっかりと前を見つめて
歩き出している逞しい姿を
ぜひ保護者の方にも
見ていただきたい
そう思います
夜にはPTAの役員会をしました
例年なら
会長はじめ役員を選出して
役員が伝を辿って電話して仲間を募り
専門委員会を組織して
年間行事を決めて…
という具合ですが
今日決めたことは
「みんなで楽しいことしよう!」
それだけ!
朝の街頭指導や自転車マナー指導
祭礼時の見回りなども一切なし!
子供が喜ぶこと
大人が楽しいこと
それだけ!
専門委員会組織もなし
一部の役員だけ苦労するPTAにはしない
一応名前だけの会長はこのあと決めるけど
みんなが被災者こんな状態だから
みんなが会長
行事や会議の案内は全員に送りますが
参加は自由
いつでもどなたでも
来たい時だけ来て
楽しいことだけ参加して
少しずつ仲間の輪が広がれば
PTA本来の活動を
取り戻せる気がします
今年はチャイムを鳴らしません
108日目
今年度の新しい取り組みとして
チャイムを鳴らさないこととしました
自分で時間管理をする力を
つけさせるためです
震災を経験して
待つだけでは物事が進まないことを
実感できた今だからこそ
一気に意識改革が進むと判断しました
時間通りに授業を開始するために
まず教員の職員室を出る時間が
早くなりました
チャイムが鳴ってから
「きりーーつ、れーー、ちゃくせーーき」と
けだるそうに始まる雰囲気がなくなりました
時間通りに授業を始めることを
生徒に求める以上
時間通りに終わることを
生徒は求めます
教員の移動時間も必要です
授業の組み立ても
当然変わります
良い授業の直後には
生徒がたくさん質問に来ます
質問の数は
それだけ生徒の意欲を高めたという
バロメーターです
ですので質問対応の時間との兼ね合いが
課題です
生徒に応じて
この生徒はモヤモヤさせておいて
自分で考えさせた方が効果的なのか
あるいは即座に答えておかないと
意欲が一気に低下するタイプなのかを
見極める力が
教員に求められます
心理学には
「ツァイガルニク効果」
という法則があります
終えてしまった事柄よりも
途中で中断された事柄の方が
より記憶に残るというものです
授業の最後には綺麗にまとめをしなければ
というのは
案外教員側のみの
自己満足に過ぎないというのが
私の持論です
授業の様子をお伝えします
1年生の地理総合です
担当は寺田知絵先生
国土地理院のデータにアクセスして
災害マップや避難経路を学びます
自らの経験と照らし合わせて
より実践的な授業となりました
ストリートビューには
被災前の風景が映し出されます
失ってしまった我が家を見つめ
「まだ建っとる!」
意外と笑顔です
この生徒は現実を受け入れ
次に向かってのあゆみを
始めているのでしょう
ハザードマップを調べて
「やっぱりな、ここ危なかったもん」
避難経路を調べて
「嘘やこれ!全然使えんかったし」
想定された経路が
実際には全く使えなかった
想定と現実を複合的に捉えることで
ハザードマップ作成に新たな視点を
加えることのできる
実践的な教材です
1年生ビジネスコースの体育です
担当は中野智貴先生と山下友子先生
「ともともコンビ」です
被災による一家転住の影響を
最も大きく受けたクラスで
わずか13人しかいませんが
その人数でできること
工夫を凝らしてやっています
今日は大縄跳びと8の字飛び
思いっきり飛び跳ねていました
いろんなこと
107日目
不便な被災地生活をしていると
いろんな生活の知恵に出会います
水道が満足に使えないと
ウエットティッシュに
お世話になることしきりです
ただ
1枚だけ欲しいのに
次の1枚もついて来て
「イー〜っ#」
ってなることがしばしばです
そんな時そんな日は
あらかじめ輪ゴムを巻いておくと
次の1枚がくっついて来なくなります
お試しあれ
今日、ニューヨークにある
ブルックリン日本語学園の
ガルシア奈津子先生より
お便りが届きました
ブルックリン日本語学園には
日本にルーツを持つ子どもたち
幼稚部から高等部まで
およそ180人が通っています
今回そのうち初等部の4、5年生が
能登半島地震の被災者のために
何かしようと
ニューヨークで募金活動を
してくださっているようです
遠い国から
本当にありがとうございます
この様子は
16日(火)朝の
石川テレビで放送されるそうです
北陸放送の原田幸子アナからも
素敵なお便りをいただきました
「今日、すごい命に出会いました!!
カタツムリです。
カタツムリは長距離移動することができないので、
その地域ごとに固有種が存在することになります。
石川県で見られる「ノトマイマイ」。
雨あがりの青空に向かって、グッと
首を持ち上げました。
その姿が、未来に向かって道を切り拓こうとする
そんな風に見えたのです。」
へー、この地方のカタツムリに
ノトマイマイって名前がついているんですね
カタツムリは日本全国同じだと思っていました
そういえば
シンガポールへ行ったとき
むこうで見かけたカタツムリは
さきっぽがとんがっていて
まるでバイ貝が這っているようでした
でもたぶんおいしくはないんだろうな
たまにグラウンドの水たまりでみかける
わかめのようなやつ
あれもおいしくはないそうですね
I’d rather be a sparrow than a snail
サイモンとガーファンクルは
地べたを這うカタツムリよりも
空を舞うスズメになりたいと唄いますが
青空に向かってクビを持ち上げる
カタツムリもいいですね
なんだか
「井の中の蛙大海を知らず」
のことわざには実は続きがあって・・・
というくだりを思い出しました
「井の中の蛙大海を知らず
されど空の青さを知る」
カタツムリでさらに思い出したのですが
昔ナメクジが空を飛んでいるのを
見かけたことがあります
正確にいうと
粘液をまるで蜘蛛の糸のように使って
風に乗って木から木へと移動していたのです
蜘蛛でさらに思い出したのですが
今回同じく被災した飯田高校の
窓に巣を張るある種の蜘蛛は
夕方になると
毎日せっせと店じまいをするのです
巣の糸を1本ずつ外して
くるくると器用に丸めてポイ
そのしぐさがなんともユーモラス
きれいに片付けて
翌朝律儀に新たな巣を張るのでした
震災でどうなったかな?
元気かな?
娘が小さい頃持った疑問
「どうしてクモって自分の巣に
かからないのかな?」
そう言われてみると???
気になって調べてみたら
縦糸って粘着性がないんですね
横糸だけがねばねばしています
なるほど
よく観察してみると
蜘蛛は自分の巣を歩くとき
たしかに縦糸の上しか歩いていません
そのとき娘が
自分で編み出した答えは
「わかった!
心の足で歩いているからだ!」
アンパンマン見過ぎの娘でした
なんや?心の足って?
でも すぐさまネットで調べた父親に比べて
自分で答えを見つけた娘
こどもって偉いですね
話をナメクジに戻して
ナメクジに関係した
「三すくみ」という言葉があります
ナメクジは食われるから蛙を恐がり
蛙は食われるから蛇を怖がり
蛇はナメクジを畏れる
三者が揃うととお互いにすくんで
身動きがとれなくなることを表します
それにしてもなぜ蛇がナメクジを???
そこには私の専門
化学が関係しているのです
蛇の皮膚はビオレで洗ったように弱酸性です
一方ナメクジは
空を飛ぶ原動力ともなった
皮膚の粘液がアルカリ性
酸とアルカリが反応して水ができる
いわゆる中和反応は発熱反応です
1モルあたり57キロジュールの
大きな熱を発生させます
簡単にいうとナメクジの粘液が皮膚に触れると
蛇はやけどをしてしまうのです
そのことを経験的に知っている蛇は
ナメクジの姿を見ると逃げ出すのでした
なんか久々に授業したくなったな
「みる」の5段活用
106日目
今年度は年度当初から
通常ではありえない業務に奔走し
今日ようやく
生徒の授業を
みにいくことができました
生徒を「みる」ときには
5段活用を意識しています
「見る」朝一番に生徒玄関で
挨拶しながらぼんやりと
全体を大きく捉えて
「視る」朝の朝礼では
気になる生徒を探しながら
一人ひとり細やかに
「観る」授業では育てたいイメージを持ち
変化や成長を感じながら
そして良い面を探しながら
「診る」問題を起こしそうな生徒を
その原因を探りながら
「看る」調子の悪そうな生徒に
その回復を促しながら
そういえば去年は
生徒全員への個人面談も
この時期始めていたな
ひとりずつ校長室へ呼んで
エレベータートークを活用して
一人ひとり自己PRさせていたっけ
エレベータートークというのは
たまたまエレベーターで乗り合わせたときの
平均時間が15秒
その15秒で自分をPRするトークスキルです
シリコンバレーで実際にあった
サクセスストーリーから生まれた言葉です
優れたホテルマンは顧客の名前を
全て頭に入れていて
常に名前を添えて挨拶するそうですね
自分もそうあらねばと思いながら
生徒の名前を覚えるのが
特に最近苦手です
「あれ?きみのなまえ 何だっけ?」
「田中ですけど・・・」
「いやいや、そうじゃなくって下の名前
田中くんなのはもちろん知っているよ」
とせこい技を駆使しながら
生徒会役員の認証式を校長室で行いました
生徒会長 平 匠 さんをはじめ
当選者全員にひとりずつ
認証状を手渡しました
まだまだ日常にはほど遠い現状ですが
一歩ずつ前進していくための
原動力となってくれるメンバーです
心強い限りです
今日はグラウンド改修のための
測量が入りました
発災当初から
自衛隊車両の駐屯基地となって
液状化していたものを
元に戻す必要があります
現在市内の小中学校のグラウンドには
仮設住宅の建設が進んでおり
本校のグラウンド改修が済めば
小中学生の体育などにも
開放しようと考えています
輪島中学校のテニスコートも
使用できない状況なので
高校のテニスコートを
供用していく予定です
しばらく休部していた剣道部においては
技術指導に中学校の先生のお力をお借りし
地域の方のお力をお借りしながら道場を探し
復活の道を辿っています
これまで遅々として進まなかった
中高連携や
部活動の地域移行が
この震災を機に
一気に進みそうな予感がします
夢とうつつのはざまで
105日目
平日は
瓦礫の中の学校での教育活動
週末は家族の避難先でのお風呂など
という生活が続いています
おそらくこの先ずっと続きます
水が使えたり
いろんなお店が遅くまで開いていたりと
夢のような週末を過ごし
日曜日の昼食の後
学校へ戻ります
夢とうつつのはざまを
行ったり来たり
のと里山海道
昔は能登海浜道路といっていましたが
それすらなかった私の若い頃は
車で金沢まで3時間半かかっていたし
夜遅くまでやってるコンビニなんて
もちろんなかったし
その頃に戻ったと思えば
正直どうってことないのですが
若い先生方
特に金沢加賀地区から赴任された方は
きっととても辛い日々を
送っているんだろうなと
金沢から輪島への道中
窓からの風景を眺めていると
だんだん現実に引き戻され
同時に「よし!やるぞ!」
と戦闘モードに入ってきます
輪島市街地に入るほんの手前に
手弱女桜(たおやめざくら)が
見事な花を咲かせています
平安時代にこの地に赴任した地頭の随士が
京都の伏見稲荷に赴いた際に
持ち帰った幼苗が根付いたものだそうです
まんが日本昔ばなしのようなこの風景
ご覧ください
桃源郷ってこんなところをいうのかな
まんが日本昔ばなしといえば
その主題歌
「お尻を出した子一等賞」の歌詞に
いろんな解釈がなされていますが
自分が一番好きなのは
「競争社会において
周囲の同調圧力に屈せず
恥をかくことを畏れずに
人前でお尻を露出するくらい
大胆で抜きん出た発想と
度胸と行動力を持つ者は
集団を牽引する存在になる!」
というものです
この桜は夜になると
ライトアップされますが
妖しいまでに艶めかしい姿となります
これまた昔
「桜の花がパッと咲いた美しさを
歌うのがAKB
その花が散る美しさを
歌うのが乃木坂
その花が綺麗なのは下に死体が
埋まっているからという美しさを
歌うのが欅坂」
と例えていたコピーライターさんが
いらっしゃいましたが
この桜にはまさに
欅坂が歌う美しさがあります
桜って風が吹くと
はかなく散りそうなイメージですが
実は咲き始めて1週間
次の世代を残す営みが終わるまでは
どんな強い風にも
決して散らないそうですね
そんな強さと
散る時は一斉に散っていく
そんな潔さが
多くの日本人に愛される所以です
この手弱女桜
違った角度から撮影すると
夢とうつつが一枚の写真に
「さまざまのこと思ひ出す桜かな」
思いはかなう
102日目
「この世は
思ったとおりになるのだそうで
『思ったとおりにならないよ』
と思っている人が
思ったとおりにならなかった場合
思ったとおりになっているので
やっぱりそれは
思ったとおりになっているのだそうで」
ワンピースの作者
尾田栄一郎先生が
コミックの後書きに
書いていらっしゃいます
「思いは叶う」
このことを「WAJI活」の中で
体験してもらいたいと考えています
「WAJI活」
WAJIMAの魅力を再発見
「総合的な探究の時間」の中で
これまで取り組んでいました
今年は
自分たちの思いを
直接まちづくりに活かせる
絶好の機会であると捉えています
僕らの街は僕らが創る
「街プロ」
今日は
「どんなまちにしたいか?
どんなまちなら帰って来たいと思うか?
どんなまちなら人が集まるか?」
みんなでアイデアを出し合いました
自分がやりたいこと
見つかった人は
「医療・福祉」
「農業・漁業」
「教育・こども」…
などカテゴリーごとに
グループづくりです
走り出せる生徒は走り出せ
まだそんな気になれない生徒は
ゆっくりでいいよ
それぞれのペースで
それぞれの未来を
思い描こう
失敗したってかまわない
「努力して成功すると自信になる
努力しないで結果が出ると驕りになる
努力しないで結果が出ないと後悔が残る
努力して結果が出なくても経験が残る」
これは山里亮太さんのお母さんの言葉です
安心、絆、チャレンジ
101日目
「自分は〇〇がトラウマなんですよ」
この言い方は間違っているそうです
なぜなら原因がわかっているのは
トラウマとは言わないから
今日は
トラウマからの回復と
トラウマからの成長について学び
実践しました
あの日から3ヶ月が過ぎ
自分から見ると
生徒たちはとても元気で強くて
教員の方が元気づけられているような
でも元気な行動に隠された心の傷や
元気な生徒が目立つだけで
静かに耐えているだけの生徒もいる
そんな小さいことを見落としてはならない
富永 良喜先生をお招きし
大災害と子どもの心のケアにどう向き合うべきか
いっしょに学びました
先生は阪神淡路大震災での心のケアを皮切りに
神戸児童連続殺傷事件では
「心のキャッチボール」を実践され
東日本大震災の時にも
多くの方が心の傷から立ち直るための
支えをなさってこられた方です
私自身
最近になり急に
地震や火事の夢で起こされるようになり
これはフラッシュバックで
心が壊れる前触れなのか
それとも立ち直るまでの
正常なステップのひとつなのか
とても気にはなっていたので
興味深く聞かせていただきました
まず今の状況に向き合います
「眠れないときどんな工夫をしているか?」
グループで話し合い 全体の前で発表しました
ちなみに「ゲームをする」というのだけは
逆効果で全くお薦めできないそうです
そのあと ストレスへの向き合い方について学びました
ストレスに対応するには
安心→絆→チャレンジ
の段階があるそうです
(1)安心
災害直後に感じていた恐怖や
大切なものを失った喪失感
時間の経過とともに薄らいでいます
特に発災後数日間のことは
思い出そうとしても
思い出せないくらいです
どうやって生き延びたのか?
何を食べていたのか?
それすら記憶はあいまいです
「忘れる力」ってありがたいと実感
(2)絆
こうして
トラウマ反応や喪失反応が
軽減されてくると
代わりに
不自由な生活が長引くことによる
生活ストレス反応が大きくなってきます
そのことに向き合うためには
安心して語れる場をつくり
被災体験に直接触れないテーマの表現を行うことが
重要になってきます
今この段階に来ています
(3)チャレンジ
避けようとしていることに
少しずつ向き合うことで
思い出として肯定的に整理される
「どうしたらトラウマから立ち直るか?」
この問いに対して「好きなことをしまくる」
と答えた生徒がいました
このような段階を経て
震災のショックから立ち直ることができます
11日(木)7限目には
僕らの街は僕らが創る「街プロ」を始めています
奇しくも震災のトラウマからの脱却を図るための
プログラムになっているということを
今日のお話を聞いて確信できました
先日の「のと未来トーク」では
学校を中心とした地域住民が語り合える場
の重要性が指摘されました
「街プロ」をまさにそんな場にしたい
保護者のみなさま
地域のみなさま
ぜひ学校にお越しください
一緒に討論に入っても結構ですし
生徒たちの活動を見守るといった参加でも結構です
カタリバさんが
全日本チームが直接着ていたという
グラウンドコートを
サッカー部に贈ってくださいました
できることからできる場所で
100日目
新年度が始まって2日目
生徒会の執行部の生徒たちが
朝早くから玄関に立ち
挨拶運動を始めました
さすが学校を変えたいと
進んで立候補してくれたメンバーです
大きな声で爽やかに声掛けをしていました
午前は実力テストを行いました
避難所の中めげずに勉強してきた
成果を試します
新しいオンラインシステムを導入して
金沢近郊への避難者の登校する
内灘高校ともつなぎます
その頃 内灘高校では
久しぶりに学校に通う生徒たちが
一生懸命です
午後には
先輩が新入生を迎える対面式が行われ
新入生代表として田上遥(たがみはる)さんが
ご挨拶をしました
放課後は部活道
仮設住宅建設中の陸上競技場の代わりに
陸上部は廊下をひたすら走ります
卓球場が避難所になっているので
卓球台を視聴覚室に運び入れて
同じく練習場が避難所になっている和太鼓部も
まとまった場所が必要なのでこちらは音楽室で
代わりに吹奏楽部が教室へ移動
場所を譲り合って使っています
避難所のナースステーションとなっていた
和室に箏曲部が戻って来れました
傾きが少なく唯一かろうじて使用できる
第二体育館は
バレー、バスケ、サッカーなど
いろんな部でローテション組んでます
今日はバドミントン部と野球部
できる場所を探して
できることを探して
けなげに取り組んでいます
自分たちは決して
かわいそうな子なんかじゃない!
そんな声が聞こえてくるような
体育館入り口には
避難民の方が新入生に
寄せ書きしてくださった
横断幕が
心のこもった贈り物ありがとうございます
シンガポールのゴメス真理子先生から
励ましのお便りをいただきました
以前シンガポールから高校生を連れて
輪島の街に来てくださった時
朝市などを案内したのですが…
当時の高校生たち
街がこんな姿になってるなんて
想像すらできないでしょうね
僕らの街は僕らが創る!プロジェクト
「街プロ」
(響き的には
町野町の方が始めた「町プロ」と
被っちゃいました)
今週木曜日にスタートします
先日の「のと未来トーク」のとき
高校生と地域の大人が
いっしょに語り合う場が必要だという
強い意見がありました
毎週木曜日の7限目
そんな時間にしたいと考えています
地域の未来について
高校生と語り合いたいという方
高校生が何を感じ
何を求めているのか知りたいという方
そんな難しいこと考えてないけど
ふらっと覗いてみたい方
ゆる〜い感じでまずはスタートします
ぜひお越しください
性別、年齢一切不問です
どんどんお越しください
未来からの留学生たちへ
今日は99日目
ご存じでしたか?
今年は昭和99年です
昨年創立100周年を迎えた輪島高校に
101年の歴史の中で最も少ない
76人の入学生を本日迎えました
輪島高校を選んでくれた
入学生のみなさん
輪島高校を信頼して送り出してくださった
保護者のみなさま
おめでとうございます
そしてありがとうございます
学校の様子をご覧ください
ほんとうにズタズタです
でもこれでも先生方先輩方が
みんなを迎えるために
一生懸命片付けをして
今日の日を
準備してくださいました
さてみなさんは
日本で一番過酷な環境で
高校入試に備え準備をしてきました
去る1月17日
白山市の施設へ集団避難避難する
みなさんを乗せたバスを見送る
お母さん方の涙を
テレビで拝見しました
生まれて初めてこんなに長い時間
親子バラバラに過ごす
お互いにさぞ不安なことだったと思います
でもそんな中でしっかりと
前を見つめ
努力を重ねて
たくましくなって今日の日を迎えました
輪島高校では
そんなみんなのことを
未来の世界からやってきた留学生
と考えています
今 たまたまタイムスリップして
この悲惨な世界に
辿り着いてしまいました
でも帰って行くべき
輝かしい未来の世界があります
未来の世界はどんな世界でしたか?
いつの日かその未来の世界へと帰っていくのです
その時が来るまで
今できることを
精一杯やっていきましょう
未来を生きるために必要なことを
輪島高校で3年間しっかりと学んでください
最近夢を見るようになりました
地震の夢
火事の夢
そしてもう帰ることのできないはずの
元の家に帰って行く夢
そんな夢で夜中に何度も
目が覚めるようになりました
これまで夢を見ることもできないくらい
毎日疲れ果てていたのに
少し前に進んだ証しだと思います
止まっていた時間が動き始めた
なんだかそんな気がします
これから暖かくなってきます
復興もこれから一気に進んでいくでしょう
「自分の未来は自分で決めよう」
今日の入学式にあたり
式場を花で飾ってくださったのは
卒業式にも来てくださった
フラワースクールミュゲの
水上詩子さん
今回はいっぱいの青い胡蝶蘭を
あしらってくださいました
青い胡蝶蘭の花言葉は
希少、尊敬、愛情
誰にも経験できない希少な悲しみの中でも
尊敬と愛情をとの思いを込めてくださいました
それから本校卒業生で
平昌オリンピックのスケルトン競技に出場された小口貴子さんが
入学生全員にバームクーヘンを贈ってくださいました
また式後には
ガルガンチュア音楽祭のアンサンブルメンバーによる
演奏のプレゼントをいただきました
ヴァイオリン、チェロ、ピアノの3重奏です
リトアニア語の「ありがとう」を教えてもらいました
「アチュー!」
のと未来トーク in 輪島
98日目
これからの能登をどうしていくか
まちに住む皆でかんがえるイベント
「のと未来トーク」が
NPO法人「カタリバ」さんの主催で
本校を会場に行われました
石川県創造的復興プラン骨子案にもとづき
高校生からシニアの方まで
100名近い参加者で
おおいに話し合いました
それぞれの立場からさまざまな意見が・・・
いくつかをご紹介します
(1)なりわいの再建と仕事
〇他へ避難している人が少しでも早く帰ってこれる体制を
〇従来なんとなく存在する輪島門前町野という心の壁を取っ払っていきたい
〇水道と山水の活用というダブルスタンダード
(2)暮らしやインフラ
〇こんな環境だからこそ見直された物々交換の魅力
〇不便なところに価値がある
(3)地域文化の継承
〇溜池、お祭り、輪島塗、食文化、芸術、今ある全てのものが財産
〇輪島塗に価値があるというよりそれを育んだ環境に価値がある
(4)学校や子どもの居場所
〇子供を真ん中に置いていない企画はダメ
〇我慢をさせない未来を作るよと子どもたちに約束を
〇卒業後輪島を出る高校生の帰る場所として
〇地域も学校もズタズタな今こそ学校を拠点とした地域と話し合う場を
(5)安全安心な地域づくり
〇平時では想像できない団結力を今回見せた
〇輪島市民はみんなが防災のセミプロ
(6)創造的復興リーディングプロジェクトの創出
〇避難所と輪島での2拠点居住支援の施策を
〇伊丹からの飛行機誘致
〇既存のシステムを破壊する勇気
視点を未来に向けるために
お越しいただいたアドバイザーの方からは
次のような元気の出るメッセージを
いただきました
宇宙ロケット開発に何度も失敗している現場で
こんな意見が出された
「開発者を乗せたらいい」
つまり当事者意識がないとプロジェクトは成功しない
上から降ってきた復興計画に乗っかるだけでは
自分たちが望まぬ町になってしまう
自分の心を整理するだけで精一杯な今
一人ひとりの置かれた環境を整えるだけで精一杯な今だからこそ
うしろ髪ひかれ街を去った仲間を再び迎えるために
住民からの意思表示をする力が必要である
自分はフランスの三つ星レストランでの修業時代
「輪島は負けてない
山もあり海もある
大嫌いで一度飛び出したふるさとだけど
世界中から人を呼べる街にできる」
と思った
そして戻ってきたこの町で
ミシュランレストランを創り上げた
今ミシュランの星を返上してでも
キッチンカーからでも立ち上がる!
のと里山空港を世界の玄関口にしたい
能登の最寄りのマックは羽田空港
伊丹からも航空機の誘致を
創造的復興を果たし能登全体を聖地に
この街にあるクラフト輪島塗は世界の最高峰
シンプルな美しさを追い求める総持寺もある
日本中の全デザイナーが助けたいと思っている街
山村漁村の不便な暮らしが
逆に魅力になる可能性に満ちた町
3人の子どもをこの町で育てながら
実は苦しさを感じていた
それは変化に乏しく一発逆転しにくい環境
今回の地震で子どもたちが4割減った
今まで苦しんでいたことからの脱却をもう一度
街の再生を子どもと一緒にやっていく
自然と文化の共生が世界のテーマである今
そのことを従来行ってきたこの地は
周回遅れから世界のトップランナーへなれる
そのために
この街で出しゃばる人をつぶさない
褒めて伸ばす土壌作りが
この街の課題である
今回の意見は次回の県の会議に提出されます
蕾
97日目
1月11日のブログで紹介した
胡蝶蘭の鉢植え
昨年迎えた創立100周年記念で贈られたもの
今回の被災で倒れてきた棚の下敷きになって
傷だらけになったもの
今朝蕾を見つけました
命の尊さ
どんな場面であっても
精一杯花を咲かそうとする
そのけなげな姿に
勇気づけられます
静かな被災地では
93日目
金沢方面へ避難している生徒の
学習環境を確保するため
内灘高校の施設の一部を
お借りできることとなりました
内灘高校では
被災した能登地区の高校から生徒が集まり
それぞれの学校からの
オンライン授業を受けるほか
体育の授業や部活動にも
参加できます
内灘高校では
退職された校長先生方が
寄り添ってくださることとなり
安全面が確保されるほか
学習面でもご指導いただけ
心強い限りです
金沢駅からのスクールバスの運行や
公共交通機関の交通費負担の
準備も進められています
石川県教育委員会が全力をあげ
バックアップしてくださっています
新学期からは
町野や門前方面からのバスも
ルートを変えながらではありますが
運行できるとの話も聞いています
東日本大震災の際には
2ヶ月で20万人動員された
全国からのボランティアも
今回は7000人
「静かな被災地」と例えられるほど
遅々として進まぬ復興ではありますが
現場の人間は
できることから工夫を凝らし
着実に前へ進んでいます
オンライン授業に対応するための
新しいオンラインシステムを
県教委が準備してくださいました
今日は先生方への研修会です
これまでのオンラインでは
黒板の字が見えにくかったり
先生の声が聞きとりにくかったり
今回導入したのは
先生を自動追尾しながら
黒板のアップもしてくれたりする
最新のデバイスです
コロナのときは
全国的に一気にオンライン授業が
すすみましたが
今回も同じです
全国に先駆けた
いろんなチャレンジができそうで
逆にチャンスです!
また午後には
新入生オリエンテーションを行いました
みなさん親元を離れ
集団避難所での受験勉強を
乗り越えて入学してきた
逞しい
そして凛々しい顔をしていました
校長挨拶では
先日来て下さった Keisuke Honda の
サインボールを見せ
「辛い思いをした者は
きっと誰よりも強くなれる」
のことばをそのまま伝えました
そのときの Keisuke Honda の様子はこちら
杉原千畝 命のビザ
92日目
杉原 千畝は
第二次世界大戦中のリトアニアに赴任していた
日本領事館領事代理で
ナチスドイツに迫害されていた
ユダヤ人を救うため
大量のビザを発行したことで知られます
ユダヤ人が脱出するルートは
日本を経由して第三国に航るしかない状況下でしたが
日本政府はそれを認めていませんでした
助けを求めて押しかける大量のユダヤ人
千畝は自らのクビをかけて
独断で6,000通ものビザを書き続けたのでした
今日は発災からちょうど3ヶ月
そして新年度の始まりの日です
現時点でおよそ30名の生徒が
転学の手続きを提出しています
全校生徒のおよそ15%にあたります
住む場所を失い
転学を余儀なくされた生徒たち
教務主任の橋場将之先生を中心に
1月からずっとその書類作成に追われていました
今回は震災という特殊な状況下のもと
本来ならば認められにくい公立高校どうしの転学について
柔軟な対応を迫られています
高校を転学するには
(1)在籍校に転学希望を申し出る
(2)高校は教委に打診する
(3)教委は転学先の高校について定員やカリキュラムを調べ
条件がそろっていれば
(4)転学先高校と在籍校に話を進めるよう指示する
(5)当該校の校長同士で協議し
(6)在籍校は成績等の資料を転学先へ送付する
(7)転学先は成績やこれまでの履修科目を調べ
卒業の可能性があるか判断する
特に未履修にならないか慎重に調べ上げる
(8)転学試験を課す場合もある
(9)転学が認められたらさまざまな書類作成
(10)健康診断票や制服や体操服の手配なども
このような手順で一人ひとり丁寧に手続きをします
多くの生徒は4月1日付けで転学します
現在 そろそろ日をまたごうとしています
一人ひとりの書類に
最後のはんこを
たった今捺し終えました
「新しい学校でうまくやっていけるかな?」
「友達できるかな?」
「みんなに受け入れてもらえるかな?」
一人ひとりの顔を思い浮かべながら
一枚捺すごとにさみしさがこみ上げます
杉原千畝もきっと
ユダヤ人の避難先での幸せを祈りながら
一枚一枚ビザを書き続けたのだろうな
そんなことふと考えました
部活道の3つのA
90日目
輪島高校では部活を部活道といいます
単に技術やスキルを身につけるだけでなく
人として大切なことを身につける場所
を目指しています
元校長先生である赤田英明先生の命名です
「3つのA」
あいさつのできる
あきらめない
あいされる
をモットーに日々自分磨きです
できることからひとつずつ
始めています
そしていろんな方々から
支援の手を差し伸べていただいています
サッカー部は
金沢医科大学高松球技場で
卒業生の引退試合を行いました
結果は5ー0で現役チームの勝ち
サッカーを続ける卒業生もいます
思い出に残る一日となりました
バドミントン部は
県立工業高校で
能登地区の被災した学校が集まり
合同練習会です
県高体連バドミントン専門部が企画
筑波大学バドミントン部のみなさんが
来てくださいました
竹原慧監督はじめ
アクアバドミントンの漆崎真子コーチ
一流の方々から直接ご指導をしていただきました
野球部は
仙台育英高校さんが
本校と飯田高校を招待してくださり
27日〜29日の日程で
ホームステイしながら
合同練習や練習試合をしました
ほんとうにありがとうございます
道具がない 場所がない 集まれない
でもあきらめない
男子バレーボール部は
クラウドファンディングで
資金集めを始めました
支援されるのを待つだけでなく
自分たちで行動を起こしました
おばあちゃんと一緒に
倒壊した家の下敷きになった部員が
自力でノコギリで脱出する一部始終を撮影した
生々しい動画もアップされています
https://camp-fire.jp/projects/view/749046
第二体育館の照明の修繕も始まりました
4月から部活動で活用できます
実はありがたいこと
89日目
春の嵐です
春先には突然こんな日が訪れます
被災地にとって
この世の終わりかと思うくらい
こたえます
やがてあれから3ヶ月
新しい仕事に就くと
3日 3ヶ月 3年目に
辞めたい時期が来る
なんて言われますが
このブログ
できるだけ暗い話はやめて
明るい未来を語るようにしてきた
つもりではいるのですが
正直…
なんてこと考えているうちに
TikTok で素敵な投稿を見つけました
実はありがたいこと
①ご飯が食べられること
②帰る場所があること
③体が元気に動いてくれること
④仕事ができる状態があること
⑤愛してくれる人がいること
⑥選べる選択肢があること
⑦生活できるお金があること
⑧安心して暮らせる場所があること
⑨今生きていること
ありがたいこと
有り難いこと
こうして見てみると
発災当時は
⑤と⑨しか無かったな
それに比べたら
①や③や④
ほんとは有り難いことが
今は有り易い
教育委員会のお力で
4月から②も解消されます
登山の途中
ふと来た山道を振り返ると
雄大な景色が目の前に現れ
もうこんなに登ったんだ
そんな思いになることがあります
このことをふと思い出させてくれる
TikTok あさひさんの投稿でした
僕らの街は僕らが創る「街プロ」
88日目
金沢地区へ2次避難しているみなさん
学習環境の確保ができました
かほく・津幡~野々市・白山地区に
避難している生徒は
4月以降当面の間 内灘高校へ通うことになります
詳しい内容につきましては
一斉メールでお伝えしますのでご確認ください
高校魅力化プロジェクトの皆さんが来校し
次年度の探究学習の目玉
未来の向けて輪島を創造しよう
輪高生による街づくりプロジェクト
『街プロ』について
作戦会議を行いました
プロジェクトメンバー 教員それぞれにとっても
生徒同様探究活動です
まずNPO法人「じっくらーと」代表小浦様より
先日生徒が参加した
「マイプロジェクト」全国サミットの
報告がありました
優れた発表に触れて
生徒の心に火がついたようです
新年度に入ったら
福祉 交通 教育 …
それぞれ自分がやってみたい
カテゴリーに分かれ
興味関心のある街づくりに取り組みます
仲のいい友達同士だとすぐ行き詰まるので
学年をまたいで交流したり
他校の生徒とオンラインで繋いだりします
さまざまなコンテストへの出場や
大学入試総合型選抜も視野に入れます
アイデアがどんどん膨らみます
未来のことを考えると
なんだかワクワクしてきます
自分のこれまでの経験からの知見を以下に
(1)似たものが3人寄っても文殊の知恵にはならない
「3人寄れば文殊の知恵」といいますが
3人いれば誰かがアイデアを出すだろう
という人任せな態度ではダメだし
3人いるからといって
1人が何かを思いつく確率が上がるわけでもない
誰かの考えに2人が無批判に追従するだけでは
単なる1人の思いつきに過ぎず…
特に本校生徒は
幼小中と固定された人間関係の中で育っており
仲良しグループの中では
意見を言う者と追従する者の関係が
できあがってしまっています
そんな中で話し合いをしたところで
インブリーディングを繰り返して
衰退していったメディチ家のようになるだけ
敢えてこれまで話したことのないメンバー同士の
グルーピングが求められます
(2)最初に会議ありきでは必ず失敗する
自分は昔から
長い会議 長い挨拶 長い説明
が大嫌いで
若い頃 職員会議を無くそうとして
立ち上がったことがあります
多くの賛同者を得てこれからというとき
「会議をなくすためにどうしたらいいか
会議をしますので…」
と言ったら全員離れていきました
絵に描いたようなバカですね
まずは走り出すこと
(3)「夢」を「志」へ
自分の「夢」のためだけに動いているとき
困難な場面で多くは簡単に辞めてしまいます
「夢」に
他者に対する役立ちや
社会貢献の要素が加わると
ちょっとやそっとでは諦めない
「志」に変わります
花は咲く
87日目
今日は一日お休みをもらい
輪島吹奏楽団に加えていただいて
クラリネットを抱え
避難所を廻って演奏活動をしてきました
輪島中学校
河井小学校
大屋小学校
穴水彩光苑の4カ所です
みなさん暖かく迎えてくださいました
最初の曲は「希空〜まれぞら」
土屋太鳳さんでお馴染みの
NHKテレビ小説「まれ」の主題歌です
今日は三寒四温でいう温の一日目
春の足音がきこえます
2曲目は「春の童謡メドレー」
♩春が来た春が来たどこに来た
♫春の小川はさらさらゆくよ
♬春のうららの隅田川
東日本大震災の復興支援ソング
3曲目は「花は咲く」
あのときは東北の復興を願って
よく演奏しましたが
今回は自分たちの復興を祈りながら
夜 被災した街に立つと
灯りもなく漆黒の闇に吸い込まれます
そのかわり上を向くと
満天の星空に包まれます
最後の曲は「上を向いて歩こう」
会場のひとつ河井小学校は被害が激しく
現在学校活動を行うことができません
その惨状を目の当たりにしました
校舎は裂けそして傾き
教室の床がこんもりと
運動場では仮設校舎の建設が始まっています
そんな中 被災前に植えたという
チューリップの球根が
花を咲かせる準備をしていました
以前に炊き出しで
焼き芋を振る舞ってくださった
横浜の有限会社カイトさんが
先日再び来てくださいました
首都圏では
「ほとんど放送されなくなったので
復旧が進んでいるのかと思ったけど
全く進んでいないんですね」
とのお言葉
そうか
現地以外では
もう過去のことになっているのか
空に風 桜もようと 能登の風
86日目
新学期の学校の運営について
石川県教育委員会と
奥能登5高校で会議が持たれました
生徒 保護者の皆さんは不安でしょうから
だいたいの内容について速報します
基本的には対面とオンラインの
ハイブリッドで授業を展開します
金沢近辺に避難している生徒が集合して
オンライン授業を受ける仮校舎を
確保できる見込みです
またそこまでの交通機関も
確保できそうです
金沢へ通うことも難しい生徒は
基本的には避難所で
オンライン授業を受けてもらいますが
近くの高校へ通える生徒が
複数いる場合は
その高校に場所提供をお願いしてみます
ただし現時点での確約はできません
輪島高校及び仮校舎では
体育の授業もできる見込みです
さまざまな制約の中での
高校生活のスタートとなりそうですが
その中で真の学力
本当の強さを身につけてほしいと思います
できない言い訳を考えることは
誰にでもできます
どうやったらできるかを
みんなで追求しましょう
今年の3年生は
どん底ともいえる学習環境の中
しっかりと現実と向き合い
奇跡の逆転合格を勝ち取った生徒が
何人もいます
きっとできる
信じています
北海道で
通訳をしながら学生をしていらっしゃる
信岡 晴美さまより
「論文とエッセーの中間」
を送っていただきました
通訳なるものは
英語を日本語に
日本語を英語
翻訳する事だけでなく
「さっぽろ雪まつりについて説明してください」
と外国人に言われて
外国語で説明できる人の事
とのこと
自分も普段同じようなことを考えていて
英語でケンカができて
英語で仲直りできる
そんな力が欲しいなと
詩人の伊藤比呂美さんは
インタビューの中で
自ら実践された興味深い授業について
お話をされています
中原中也の詩を英訳する課題です
お題は「サーカス」
〈ゆあーん ゆよーん ゆやゆよーん〉
をどう訳すか?
ブランコの揺れる様子をイメージして
「Swing Swung Swinging」
素敵なのは
「You Your Yours」
(あなた あなたの あなたのもの)
沖縄の古倉小学校の皆川志保先生より
素敵なお便りをいただきました
「輪島の方々は春に桜が見たいだろうな」
と桜を散りばめた
子どもたちと一つひとつ
心を込めて作ってくださったカードです
先日志賀町へ支援に行かれた際に
ご自身で作られた曲を
みんなで歌ったそうです
志賀町防災ボランティアセンターの
Facebook をご覧ください
今日のタイトルは
皆川先生が送ってくださった
封筒に書かれていたものです
若鮎跳ねて甲子園
85日目
とにかく新年度に向けてスタートです
時は待ってはくれません
これまで小中学校に利用していた校舎を
高校用に復元です
先生だけではどうしようもないので
生徒のみなさんに声をかけて
ボランティアに来てもらいました
30人くらいが集まってくれました
自分たちの学ぶ環境を
自分たちで整えます
昔野球部の顧問をしていた頃に
和歌山県の日高中津分校へ
練習試合にお邪魔したことがあります
唯一分校で甲子園を果たした学校です
和歌山県は日高川のほとりにある
小さな分校の
甲子園までの道のりを記した
「若鮎跳ねて甲子園」
という冊子をその時いただきました
そこには
赴任されたばかりの垣内監督が
何にもない環境の中
河原の石拾いから始めて
グラウンドを創り上げたことが
記されていました
まさに今の自分たちは
そんな感じです
ゼロどころかマイナスからのスタートですが
みんなで力を合わせて「一歩前進」です
まずは生徒玄関の整頓です
ロッカーが倒れ中の履き物が散乱です
ひとり分ずつ袋に入れてあげました
まるで神経衰弱か貝合わせでもしているよう
ペアが見つかると「あったー!」
3か月ぶりにペアとなった靴たちも嬉しそう
それから体育館に駐屯している自衛隊さんに
少し空けていただき
入学式に使う椅子などを運び出しました
入学式は4月8日(月)
本校の第二体育館で行います
電灯が落ちかかっていますが
3月28日(木)修繕を入れます
床はホコリで真っ白
こすってもこすってもとれませんが
1年生を気持ちよくお迎えするために
みんなで力を合わせて綺麗にしています
お昼には
「ラトリエ・ドゥ・ノト」さんらの
支援者用炊き出しを
振る舞ってあげました
これは被災者に遠慮して
満足に食事をとることのできない
ボランティアの方々のために
ワンコインで美味しい料理を提供しようと
始められたものです
「少しばかりのお金を払っているのだから
支援の方も遠慮なく食べてくださいね」
という発想が素晴らしいですね
今日はカキフライ
終業式の日を迎えました
82日目
今年度最後の日を迎えました
【終業式】
卒業式を終えたあとで
こんなこと言ってくれた卒業生がいます
「誰も経験できないような辛い思いをしたけど
一生逢うこともなかっただろう人に
逢うことができた』
昨日の本田圭佑選手もそのひとりです
「誰よりも辛い思いをしたみんなは
きっと誰よりも強くなれる」
そうおっしゃってくださいました
一歩ずつ一歩ずつ進もう
走り疲れたら歩けばいいし
歩き疲れたら休めばいい
やがて休み疲れたら
どうせまた走りたくなる
だから
昨日よりも一歩でも進んだら
自分を褒めてあげよう
【生徒指導より】
「地震にあったことは不運だったけど
決して不幸じゃない!
自分の生き方は自分で決めろ!」
力強いエールが送られました
【離任式】
被災直後から
自分の生活もありながら
学校のために
尽くしてくださっている先生のうち
8名の先生が転勤されることとなりました
4分の1の先生が変わることとなります
今回の石川県立高校の
特に能登地区の人事は
災害復興と職員の通勤の確保
が最優先課題となっています
発災直後から
自分と一緒に学校に寝泊まりして
陣頭指揮をとってくださっていた
大坪克哉教頭先生も
家から通える学校へ
「夜明けの来ない夜はない」
生徒へ語りかけてくださいました
【小中学校もさようなら】
高校校舎での最後の授業が終わりました
元気いっぱいの声を
学校中に響かせてくれてありがとう
先生と輪島市の方が一緒に
ちっちゃな机と椅子を運び出しました