校長室より「おこらいえ」
野球が繋ぐ笑顔の輪
地震から 457 日目
豪雨から 193 日目
岡山から金光学園高校の野球部のみなさんが
来てくださいました
6月に岡山まで招待してくださり
それ以来の再会となります
被災地の様子を案内しました
保護者のみなさんが
肉まんをごちそうしてくださいました
明日は遊学館高校さんと星稜高校さんと練習試合
そしてあさって輪島高校と練習試合です
【今日のじょーおこらいえ】
校長ブログを読んで生徒が書いてくれた感想を
紹介するコーナー
今回は卒業式の日のブログを読んで
「私は卒業式の時にこの話を聞いてとても感動しました
東日本大震災で新一年生たちの新しいランドセルは
一度も使うことなく津波に流されてしまって
そんな一年生たちには新しいランドセルが贈られたのに
お母さんが土砂の中から見つけた傷だらけのランドセルを
六年間使い続けたこの子は
本当に家族思いで純粋なんだと思いました
私は正直地震なんて他人事にしていました
自分たちのところには
そんな大きな地震なんてこないだろうと思っていたし
輪島は地震が少ない街ではないので
少し位の揺れなんで何十回も経験してきて
地震をなめている部分もありました
でも実際に自分たちが経験して
たくさんのものを失って
自然災害の恐ろしさを知りました
だからこそ
ご飯が食べれる嬉しさや
水が出るありがたさに気づけたんだと思います
能登半島地震を経験していない私だったら
ランドセルの話を聞いても
ただ聞き流すだけだったと思います
この地震を経験したからこそ
この子の気持ちが本当にわかるし
経験した人だけに得られるものもあると思うし
この得たものが今後何かにつながっていくんじゃないかな
と思いました
これからももっと一日一日を大切にして
過ごしていきたいと思いました」
卒業式の校長式辞
ちゃんと聴いていてくれたんですね
ほんとうに感想にも書いてあるように
地震を経験したからこそ得られた
心の成長ですね
【被災地に電気が灯るまで】第10回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
第9回では人類がそもそもどのように
電気の存在を知り得たかという話をして
ガルバーニのカエルの実験の話をしました
今日はイタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタの話
彼が研究を始めた頃
人々は電気についてよくわかっておらず
動物の体の中にあるものと思われていました
ガルバーニの実験で
2種類の金属を繋いだものを死んだカエルに繋ぐと
電気が発生して筋肉が動いたからです
ボルタはカエルの代わりに鶏肉で試してみました
亜鉛の板と銅の板で鶏肉を挟み
ふたつの金属を線で繋ぐと
やはり電気が発生しました
ボルタは今度は自分の舌で試してみました
やはり結果は同じ
しかも金属が溶けたような味がしました
そこでボルタが考えたことは
動物ではなく金属が電気を起こす原因ではないか
ということです
今度は肉の代わりに塩水にひたした紙で試すと
やはり電気は起こりました
電気を起こすのは金属と塩などの成分だったのです
このことは「ボルタの電堆」として
教科書には世界初の電池として紹介されていますが
そのことに異を唱える学者さんも少なくありません
それはなぜか?
また次回
100日経っても死なないワニ
地震から 456 日目
豪雨から 192 日目
松本先生の国語の授業では
校長ブログ「おこらいえ」を読んでの課題作文に
取り組んでくださいました
提出された成果物を見ると
本当に一人ひとりいろんなことを考えていて
新しい気づきがたくさんあり
こちらのほうが驚かされます
「おこらいえ」は輪島の海士町の言葉で
驚きなどを表す感嘆詞
「おこらいえ」の最上級は
「じょーおこらいえ」なので
新コーナー「じょーおこらいえ」として
紹介させていただきます
【今日のじょーおこらいえ】
「僕はこの『おこらいえ』を読んで
あの地震から1年経ったんだなと改めて感じました
“たくさんの方に支えられたことだけは
決して忘れてはならないことです”
と言う文章が心に残っており
確かに自分も地震の時に
親戚や近所の人そして家族に支えられており
改めて支えられた感謝を忘れてはいけないなと
気づかされました
校長先生の『おこらいえ』には
大切なことを改めて考えさせてもらえるような内容のほかに
豆知識のようなことも書かれており
とても見ていて面白いです
たとえば灯油を入れるときのポンプの正式名称が
『おしょうゆちゅるちゅる』だと紹介されていたので
自分でも調べてみたところ
本当に『おしょうゆちゅるちゅる』という名前で驚きました
校長先生は今年で定年退職なさると言う事でしたが
定年退職なされても『おこらいえ』を続けて欲しいなと思います
親戚に“輪島高校に通っています”と話すと
高確率で校長先生の『おこらいえ』楽しみにしている
と言ってくれています
僕も朝のホームルームで時間があるときは
まとめて読んだりしていてとても楽しみにしています」
《匿名希望》
うれしい感想ほんとうにありがとう
そう本当は今日で退職の予定でした
12月22日のコラムに伏線張ってあったの
気づいた方いらっしゃいますか?
今日の最終回に向かっての構想もあったのですが
なんやかんやで来年もう一年
輪島高校の校長をすることになりました
どうぞご贔屓に
「贔屓」には4つも貝がありますね
「財」や「販」に「貯」など
貝編を部首に持つ漢字には
お金にまつわる字が多いのですが
「贔屓」してもらうには
どんだけお金がかかるんや?
って感じです
さて
「贔」のように同じ漢字を重ねて書く字を
「畳字」といいます
では問題です
畳字を思いつく限りあげてください
「品」「晶」「姦」
など思いついたでしょうか
他にも「焱」「淼」「鑫」「蟲」
などのほか
「龘」「鱻」「驫」「麤」
もう何がなんやらです
「木」には「林」「森」のような二畳字や三畳字のほか
五・六・八・九畳字も存在するようです
褒められたので嬉しくなって豆知識を披露しました
あと2週間!!
地震から 455 日目
豪雨から 191 日目
大阪万博まで2週間!
オープニングのテーマは『銀河のMATSURI』
輪島高校の和太鼓部の生徒が
万博大屋根リングの中心の輪島塗の地球儀をめがけて
狼煙の灯台から
25時間太鼓を打ち始めます
首脳サミットG7が開催されたグランドプリンスホテル広島にて
『銀河のMATSURI』の決起祭が先日開催され
『太古の太陽の夜明け』が立ち上がりました
主催者の芸術家大志さんからLINEが届きました
「太古の太陽の夜明け
グランドプリンスホテル Hiroshimaロビーにて
銀河のMATSURIの決起祭が始まりました
120年前のパリ万博の彫刻『太陽の輝き』の前で
55年ぶりに大阪万博が蘇ることを宣言
内なる太陽が、強く燃えた。
岡本太郎が言っていた。
『人間は太陽だった。
本来の自分を取り戻すこと。
それが祭りである』と。
その後、広島の仲間達と、映像を見せながら、今回の万博の趣旨を伝えた。
初めて、俺に会い、俺の話を聞いた、高校生達は、
俺が何を始めたのかを、その真意をしっかりと掴んでいた。
高校生達は、もうそこにいた。
高校生達は、涙を流し、私も涙を流した。
たくさんの仲間がもう待っててくれる。
みんな、本当は知っている。」
https://www.youtube.com/watch?v=bmvQazjVFf8 銀河のMATSURIのプロモーション映像(開幕祭編)
【被災地に電気が灯るまで】第9回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
第8回までは発電装置の発見の歴史を辿ってきましたが
今回はもう一度時を遡って
そもそも人類が電気の存在そのものに
どうやって気付いたのか学びましょう
古代ギリシャのタレスは
紀元前600年頃
「琥珀(こはく)」を布などでこすると
糸くずなどを引きつけるようになる
ということを発見しました
いわゆる静電気です
「琥珀」は太古の木の樹液いわゆる樹脂の化石で
ギリシャ語で「エレクトロン」といいます
タレスはこの不思議な力を
「エレキトリック」と名づけました
1752年
アメリカの科学者ベンジャミン・フランクリンは
雷の中で凧上げをする実験をしました
雷の正体を突き止める有名な実験です
「エレキトリック」が凧糸を伝わって
ビンの中に溜まることが観察されました
こうして
雷の正体が「エレキトリック」である
ということを突き止めたのです
1780年頃
イタリアの解剖学者ガルバーニは
死んだカエルの足に
2種類の金属を繋いだものをあてると
死んだカエルの筋肉が
まるで生きている時と同じように動くことを発見します
彼は「エレキトリック」は
もともと動物の体内にあるもので
それにより動いたのではないかと考えました
この考えは間違いだったのですが
数年後の電池の発明につながっていきます
その話はまた明日
ポルトガルへ行こう
地震から 454 日目
豪雨から 190 日目
私の壮大なる妄想
世界平和について
トランプ プーチン 習近平と
大国の指導者はどいつもこいつも自国のことしか考えず
こいつらの暴走を止めるには
今こそ唯一の被爆国である日本が中心となって
国際協働を推し進めるべきであると思います
ヨーロッパあるいは中近東
どの辺の国と友好関係を築くのが良いでしょうか
まずはトルコ
1890年に発生したエルトゥールル号事件で
日本人の救助活動によって69名の乗組員が救助されて以来
1985年イラン・イラク戦争での日本人脱出のための航空機提供
2011年東日本大震災への救援など
親日国として知られます
現在輪島高校ではOECDや東京学芸大の協力のもと
トルコの教育省との連携を深めています
今年トルコから高校生を招き
日本の科学技術を学ぶ教育旅行を計画しており
現在資金繰りに奔走中です
次に
江戸時代にも交流が盛んであったポルトガル
ポルトガルは国の戦略として
シティズンシップ教育に力を入れています
保・幼・小・中・高・特別支援が一体となり
過疎地域における地方創生や
公平性を確保した学校の自由裁量の在り方にも取り組むことで
学校を地域のハブとして機能させる
いわゆる学校クラスターを形成させています
輪島高校でも被災直後は
保・幼・小・中・高・病・隊が一体となった
学校クラスターを形成していました
今年のゴールデンウィークを利用して
ポルトガルへ研修旅行に出かけます
現在希望する生徒を募集中です
ポルトガルの「シティズンシップ教育」から
日本の「歴史総合」や「公民」といった教科横断的な学習
あるいは学年や校種を超えた教育エコシステムの改革など
そういったものを学びたいと考える
教育あるいは医療などで地域に貢献したいという生徒を募集します
申し込み方法など詳細については
保護者あて一斉メールにてお知らせしてあります
野球部が
宮城・新潟遠征に出かけています
昨日交流会を開いていただきました
本日は3試合を行います
第一試合 輪島対仙台育英
朝方は風も強く小雨でしたが
第一試合を終えました
0−2でノーヒットノーランを喫しました
試合序盤は表情も固く輪島らしさは隠れていましたが
中盤からは笑顔と勢いがありました。
12時 金沢桜丘対仙台育英
14時半 輪島桜丘合同チーム対仙台育英
の予定です
【被災地に電気が灯るまで】第8回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第7回では
鉄が塩酸に水素の泡を出しながら反応すること
銅は塩酸と何の反応も起こさないことを説明し
鉄と銅をいっしょに塩酸に浸けるとどうなるか?
問題提起をしました
答えは
鉄は塩酸に水素の泡を出しながら反応しやがて溶けてなくなり
銅は塩酸と何の反応も起こさない
です
ごめんなさい
当たり前ですね
ところがふたつの金属をくっつけて浸けると
今度は銅の周りに水素の泡が発生し始めます
そして鉄はやがて溶けてなくなります
何が起こったのでしょうか?
鉄を亜鉛という別の金属に変えても
全く同じことが起こります
ところでピラミッドの中から
不思議な遺物が発掘されたことがあります
陶器製の壺の中に銅と亜鉛の棒が
突っ込まれています
呪術的なものでしょうか?
それとも?
この正体はまた次回
不思議な出会い
地震から 453 日目
豪雨から 189 日目
Posttraumatic growth という言葉があります
大きな心の傷を負ったものは
その後大きな心の成長を遂げる
というものです
その中のひとつに
人智を超えた神秘的なものへの心の変化があります
私自身そういったものや人との出逢いを
数多く経験してきました
アナウンサーの原田幸子さんとの出逢い
彼女は東日本大震災で被災し
石川県へ避難して来られました
後ろ髪を引かれる思いで
福島の放送局をあとにしました
心無い言葉を投げつけられ
かなりつらい思いをされたそうです
話は変わって
私自身は初詣中に被災し
神社の裏山に駆け上がりました
朝市の火災を知り深夜に戻ろうとしたのですが
それを必死で止めたのが
いっしょにいた末娘です
翌朝帰り道で
土砂に埋もれたり
道路の裂け目に落ちたりした車を何台も見かけましたので
あのときの末娘の行動が私の命を救ったと思っています
その末娘
「輪島でみんながつらい中必死で頑張っているのに
自分だけ金沢の大学で何の心配もなく
勉強していていいんだろうか?」
相当悩み心を病むほどになっていました
そこで
同じようなご経験をされた原田アナに
娘の気持ちを聞いてあげてほしいとお願いしたところ
その後親身になって何度か逢ってくださいました
おかげで先日無事大学院を修了し
名古屋で就職することになりました
今日は引っ越しのため名古屋に向かっています
その原田アナが先日被災地を訪れてくださいましたので
隆起した海岸線
燃え尽くされた朝市などを案内して最後に
朝市通りにポツンと焼け残った我が家の中も
見ていただきました
家に入った瞬間足元にひらりと一枚の紙切れ
これです
末娘が高校生の時にもらった表彰状
地元の「北國新聞」の記事を読んでの
感想文コンクールの賞状です
今まで何度も出入りしていた玄関口
こんなものが落ちていたら絶対に気づくはずなのに
原田アナが来るのを待っていたかのように
しかも当時末娘が読んだ記事が
「石川と被災地をつなぐ」
東日本大震災の記事でしょう
何かに導かれるかのような
不思議な出会いでした
さて賞状をくださった北國新聞さん
そこが発行する「アクタス」という情報誌があります
今月号に大変興味深い記事を見つけました
養老孟司氏へのインタビューです
江戸幕府が倒れたのは
安政の地震への幕府の対応のまずさであるとし
ときの政権にとって天災対策が最も重要である
と語っていらっしゃいます
現在の日本において
原型復旧が基本で災害前より良くなっちゃあいけない
というケチな役人の考えを批判されています
よくぞ言ってくださいました
養老氏に心から拍手を送るとともに
よくぞ書いてくださいました
北國新聞さんにも感謝です
被災民から直接には言いづらいです
なにしろ奥ゆかしいもので
もし今度日本のどこかで同じことが起こったら
今度は自分も声を大にして叫んでやろうと思います
【被災地に電気が灯るまで】第7回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第6回では
人類がついに塩酸を手に入れたこと
そしてこの塩酸が電池の発見に
重要な意味を持っていることを説明しました
先日説明したように
塩酸に鉄を浸けると
鉄の表面に水素の泡がつくのが観察できます
一方銅は塩酸に浸けても泡はでませんし変化しません
では問題です
鉄と銅をいっしょに同じ酸に浸けるとどうなるでしょう?
答えは明日
新人さんいらっしゃい
地震から 452 日目
豪雨から 188 日目
新しく輪島高校へいらっしゃる先生方が
本日学校に集まってくださいました
大学出たての新規採用者が5人もいます
全教員数が30名足らずの小さな高校ですので
まさに6人にひとりが新採者という
高齢化社会においては稀有な存在です
しかしこれは本校に限ったことではありません
奥能登の高校はすべて同じ状況です
教員のなり手がいないのでしかたありません
それにしても今日の5人は
100キロ以上の波うった道のりを超えて
よく来てくださいました
いきなり縁もゆかりもない被災地への赴任
今おそらく日本一過酷な環境の職場
そんな5人にこんな話をしました
「あなた方は選ばれし5人です
誰がこんな職場で働こうなんて思うでしょう
どんな悲惨な環境の下でも
あなた方なら教育への情熱を失うことがない
県教委はそう判断したからこそ
あなた方をここへ遣わしたのです
どうか誇りを持ってください」
教員生活のスタートを
この学校で切れるということは
自ら考え自ら行動をおこす
主体的な教員になるための第一歩に
きっとなるはずです
さてもうひとつ困った問題が
英語の教員がどうしてもひとり足りません
講師の人材も不足しているので
どうしようもありません
こうした問題はこれから日本の各地で
いやもう既に始まっています
「できない言い訳考える暇があったら
どうやったらできるか考えろ」
常にそう言い続けていますので
知恵の出しどころです
ピンチをチャンスに変える名案です
英語以外の教員が英語を担当するのです
教科を教えるのではなく
教科で教えるのです
教科の知識を伝えることではなく
生徒の学びの心に火をつけるのが
教師の本当の役割だとしたら
もちろん英語科の教師の方がいいに決まっているけれど
英語じゃなくてもできることはあるはずです
教科横断やSTEAM教育を一気に進める
チャンスであると思うようにします
【被災地に電気が灯るまで】第6回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第5回までに
人類と金属との出会い
そして人類と酢の出会いについて説明しました
酢はラテン語で「酸っぱいもの」を意味する
「acetum」と呼ばれていました
現在でもイタリア語で酢のことを「aceto」といいます
やがて英語で「acid」 に変わり
中国でも同じようなものを
「酸」と呼んでいました
では金属と酢が出会うとどうなるのでしょう
長いこと金属を酢に漬けておくと金属が錆びます
そして金属の表面には水素の小さな泡がつきます
酢には金属を変化させる力がある!
このことを利用しようとしたのが錬金術師です
酢を使って鉄を金に変えられないかと考えたのです
ある錬金術師は
海水にミョウバンを混ぜたものに
不純物として銀を含む金を漬けると
緑色の煙を上げながら
不純物の銀が取り除かれ
美しい純金を得ることができることを
発見しました
そしてこの時残った液体に金属を漬けると
酢に漬けたときよりも早く
金属は泡を出しながら変化していくのです
つまりこの液体は強力な酢といえます
この液体は「hydrochloric asid」とのちに名付けられます
「hydro」は水素
「chloric」は緑色を表します
葉緑体の色素クロロフィルのクロロです
そして中国では
海水つまり塩からできた酸
「塩酸」と名付けられました
人類はこの塩酸を手に入れることにより
さらに一歩前進したのでした
これがどのように電気に結びついていくのか
続きはまた明日
能登応援弁当
地震から 451 日目
豪雨から 187 日目
山梨から千葉へ「街プロ」ツアーに出かけている
生徒4人の様子を
山上佳織先生がお伝えくださいます
今日は朝4時に起床し
株式会社せんどう潤井戸プロセスセンターにやってきました
こちらは千葉県を中心に24店舗展開している
スーパーせんどうのお惣菜やお弁当の工場です
能登半島地震の際には1月7日に1000食分の食材を
輪島の避難所に届けてくださったそうです
その後は収益の一部を輪島の復興支援金とするための
能登応援弁当を販売しているとのこと
第一弾の輪島のふぐ唐揚げ弁当は6000食完売し
次の能登応援弁当のアイディア出しを
輪島高校の高校生もお手伝いすることになりました
地震から一年以上が経過しても
継続して能登を応援してくださっていることを知り
今私たちにできることは
お弁当がより良くなるように
せんどうさんといっしょに考えること
能登がもっと住みやすくなるよう
わたしたち自身も
努力し続けていきたいと思う旅となりました
まるごみ実行委員会及び関係者のみなさま
ハードスケジュールでしたが
とても楽しい学びの多いツアーをありがとうございました
さて先日鳥取県議会で国内初となる
「性的ディープフェイク」を禁止するなどとした
県青少年健全育成条例」が可決されました
「ディープフェイク」とは
AIを活用して作られた
フェイクの映像や音声を指します
トランプ大統領があたかも実際に喋っているような
動画の作成もできてしまいます
他人の顔写真を
ポルノ動画などに性的な目的で加工・悪用するものを
「性的ディープフェイク」といいます
SNSに投稿された顔写真が悪用されるケースもあります
これらの顔写真をもとにまずAIが
対象者の顔の特徴を学習します
そして既存のポルノ動画などから
動きや表情が合うものが選ばれ合成されます
その出来栄えは
生成された映像は被害者本人でさえ
「本当に自分なのでは」と思ってしまうほどだそうです
生徒のみなさんに注意してもらいたいこと
(1)面白半分で他人の写真を加工しない
友人の顔を使った画像を作ることは
重大な人権侵害問題です
(2)自分の顔写真を投稿しない
「顔写真を投稿する=ネット上でコピーされ得る」
という意識を持ちましょう
このブログでも名前付きで顔写真を掲載するときは必ず
誰か判別できないレベルに画質を落としています
(3)被害に遭ったら相談しましょう
被害に遭った児童生徒等が最も怖れるのは
誰にも言えないことです
学校は安心して相談できる環境を整え
被害者に寄り添います
【被災地に電気が灯るまで】第5回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第4回では
人類が偶然金属の作り方を手に入れた話をしました
そしてこの金属が電池や発電装置に
重要な意味を持つのですが
もうひとつ
電池や発電機に重要な意味を持つものがあります
今日はその発見の歴史を
狩猟生活から農耕生活へ
その日暮らしではなく
食べ物を貯蔵できるようになった我らが祖先
しっかりふたをして貯蔵していたブドウの実
ひさびさに開けてみるとなにやら香しい匂いが
匂いにつられて呑んでみると
おいしくて
なにやら楽しい気分にもなるではありませんか
そう
お酒との出逢いです
これはおいしいや
大事に呑もうとそのまま取っておくと
今度は変な匂いがしてきて
呑んでみると酸っぱくて呑めたものではありません
でもほんの少し料理に入れてみると
味の決め手となっておいしくいただけます
そう
酢との出逢いです
こうして金属と酢を手にした我らが祖先
いよいよここから電気との出逢いになっていくのですが
それはまた明日
淡路高校さんいらっしゃい
地震から 450 日目
豪雨から 186 日目
本日朝刊でご覧になれますが
次年度の石川県の教職員人事が発表されました
昨年の人事異動で被災地の教育のため自ら志願し
輪島高校に来てくださった坂下先生が
元の学校に戻られることとなりました
小さなお子さんにさみしい思いをさせながら
一年間本当に生徒のため尽くしてくださいました
本日HAB(北陸朝日放送)の「ふむふむ」で
坂下先生の奮闘ぶりが放送されます
時間は18:15~19:00の間です
心からの感謝を込めて拝見しようと思います
みなさんもぜひご覧ください
兵庫県立淡路高等学校から
4人の生徒さんが訪ねて来てくださり
本校生徒と交流を深めました
輪島高校からは
「未成年の主張」を開催したグループ
花火を打ち上げたグループ
「猫も人も食べれるお菓子」を開発したグループ
が発表しました
淡路高校さんからは
選択授業「防災と心のケア」で学んだことを
発表していただきました
淡路高校さんは
阪神淡路大震災の震源地から
最も近い高校なのだそう
「語り部活動」や「炊き出し訓練」など
震災を風化させないための
さまざまな取り組みをしていらっしゃいます
防災ポーチの作り方を教わりました
また全国でも珍しいパティシエコースがあります
生徒さんがつくったスイーツをいただきました
地震で隆起した海岸の観察に出かけました
無残に崩れ落ちた山肌と
隆起して新しくできた
まばゆいほどに真っ白なビーチ
地獄と天国が同居しているような風景です
被災した住宅の見学も行いました
被災地の生徒による
被災地の案内ツアーにも
次年度は力を入れていきます
ご希望の方はぜひ学校までご連絡ください
1年生4名が山梨県の武田神社を訪れています
都留興譲館高校
駿台甲府高校
山梨英和高校
まるごみ実行委員会や有志の皆様とともに
能登復興祈願竹灯籠作りに挑戦しました
その後皆さんと共に夕食を神社で食べました
その中に1年生が考案した
能登応援弁当「小学生に大人気 生姜くせ〜生姜焼き」
がありました
株式会社まもかーる様が調理してくだった生姜焼きは
豚肉が柔らかくほんのり甘い生姜焼きで
小学生に大人気間違いなしの美味しさでした
その他にもナンプラーの代わりに
いしる入りのグリーンカレーや
いしるを使ったイカと大根の煮物もありました
地元婦人会の創作メニューもたっぷり並び
皆でワイワイ食べました
フィナーレでは
12月に輪島高校に支援金を届けてくださった
都留興譲館高校PTA会長様が
涙ぐみながら「応援しています」
とエールを送ってくださり
皆様の暖かさにふれ感動と感謝の一日でした
【被災地に電気が灯るまで】第4回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第3回では
人類が火と出逢うことにより
「調理」という新たな技術を手に入れたこと
について説明しました
その辺の石ころを並べてかまどをつくり
今夜のごちそうをつくっていた我らが祖先
かまどを形作っていた石のひとつから
どろどろ
なにやら赤い物が流れてきます
「気色わる!」
「なにこれ??」
「そういえばこの石だけなんか赤っぽかったよね」
「なんか気味悪いから今夜はもう寝よ」
おひらきとあいなりました
たまたま拾った鉄鉱石を加熱することで
真っ赤に燃えたぎった鉄が流れてきたのです
翌朝
「やれやれ夕べの片付けしよ」
「なんか夕べ気味の悪い赤いどろどろあったよね」
「あれ???」
「夕べの赤いどろどろが!」
「なんだか黒いカチコチに!」
「これなんか見たことあるよね!」
そう隕鉄との再会です
かくして柔らかくて加工しやすい特別な石つまり金属を
自らつくる方法を見つけた我らが祖先
この不思議な石の発見が
このあとの人類の歴史を大きくかえることになろうとは
このときは知る由もないのでした
合格体験記
地震から 449 日目
豪雨から 185 日目
本校では
大学に合格した卒業生から下級生に向けて
合格体験記を書いてメッセージを送っています
そんなメッセージを紹介します
「1、2年生のうちは、ぜひ進んでたくさんのことを経験してほしいです。
興味範囲を広げて食わず嫌いせずにいろんなことに挑戦してください。
旅行したりゲームしたり楽器を始めてみたり、
勉強とは関係ないことを進んでやってください。
広い知識があれば勉強しているうちに出てくる様々な分野に対応できます。
高校生にしかできないことを目一杯やってほしいです。
もちろんその時期にも勉強もしてほしいです。
ただその時期の勉強は受験のための勉強ではないと思います。
(コツコツやらないといけない英単語などは別ですが)
1、2年生のうちの勉強は自分に合った勉強方法を見つけるため、
勉強の習慣をつけるための勉強だと思います。
多分すごく器用な人ならずっと遊んでても3年の1年間があれば充分です。
勉強にもセンスがあるような気がします。
だけど私は器用じゃなかったので時間が足りなくて3年生後半の勉強漬けの毎日はしんどかったです。
まだたっぷり時間があるうちにいろいろな勉強方法を試して勉強を習慣付けるといいです。
毎日少しの時間でいいので机に向かって集中する時間をとって下さい。
そのために毎日ある小テストを利用してください。
3年生になったら自分の体調管理に力を入れるといいと思います。
でもそれは絶対に風邪をひかない頑丈な体を作るという感じではなく、
もしもの時でも自分のいつもの力を出すためのトレーニングみたいな感じです。
どんなに気をつけても急に体調を壊してしまうことが誰にでもあり得ます。
3年生になって待ち受けているたくさんの模試は、
自分の体調を調整する練習にはうってつけの機会です。
私みたいに緊張ですぐお腹こわす人は
薬を飲むタイミングだったりとかいろいろ実験してみればいいと思います。
余談ですが、共通テスト会場では机の上に置けるものが決まっています。
最初飲み薬は置くことができませんでしたが、
試験監督の先生に相談すると許可が降りました。
自分に必要だと思ったらすぐに相談しに行くといいと思います。
これからまたいろいろな先生方にアドバイスをもらったり、
受験についての情報が増えていきます。
この合格体験記しかり、
でもそれはひとつの失敗談または成功談にすぎないと私は思います。
全部を吸収しようとしないで、
自分に必要だと思うことをしっかり心に留めておくと良いと思います。
私が書いているこの体験記も特に実践しなくてもいいです。
ただ自分に何が必要なのかどう取捨選択していくか知るためには、
やっぱりたくさんの情報と経験が必要です。
たくさんの人の話を聞いて本を読んでください。
高校生活では嫌でも多くの人の考え方に触れます。
それを自分の経験値にしてください。
冒頭にも書いたけれど興味範囲を広げて、
自分の知らないことを貪欲に探して欲しいです。
受験勉強を受かるためだけの勉強にするか、
これからの生活のためのものにするかはその人次第だと思います。
せっかくなら得た知識を財産にしてほしいです。
無理はせずに自分の出せる力を存分に出し切ってください。
応援しています。」
これを書いてくれた卒業生は今年
金沢大学大学院地球社会基盤学地球惑星科学コース
修士論文大会で専攻長賞を受賞しコースを修了しました
【被災地に電気が灯るまで】第3回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第2回では
我ら人類の祖先が隕石の中の隕鉄を
道具として利用し始めたこと
そしてあるものとの出会いにより
鉄を自分で作り出すことができるようになったこと
などを説明しました
そのあるものとは?
天然に存在する金属を道具として使うようになり
マンモスのような大きな獲物でも
容易に切り刻んで食べれるようになった我らが祖先は
食べ物に困ることなく豊かに暮らしていました
ところでマンモスの絶滅の理由のひとつとして
最近新たな発見があったそうです
それは長い鼻の化石の中に花粉が見つかったというものです
つまり花粉症による鼻詰まりという新説です
さて幸せに暮らしていた我らが祖先をある悲劇が襲います
火山の噴火です
流れる溶岩に全て焼き尽くされてしまいます
マンモスなどの獲物たちも真っ黒焦げ
ここからは勝手な想像ですが・・・
食べ物に困ったあるひとりがガブっ
空腹に耐えきれず焼けたマンモスに食らいつきました
「ウマっ!何これ?みんな食べてみ!」
「えっ!?ほんまや!」
かくして焼肉のうまさに気づいた我らが祖先は
火山に近づいてはたいまつのように火を持ち帰り
獲物を焼くという調理の技術を手に入れたのです
このように先史より悲惨な災害に襲われるたびに
人類は新しい技術を手に入れてきたのです
火との出会いがどのように製鉄の技術に結びついていくのか?
その物語はまた明日
ちなみに焼肉と言えば
鶴橋の「空」が大好きです
春も夕暮いとをかし
地震から 448 日目
豪雨から 184 日目
一生懸命頑張っている人の元には
本気で頑張っている人の元には
自然と関係のある人の輪ができて
どんどんその輪が大きくなっていきます
「私たちの街は私たちが創る!」
本校の街づくりプロジェクト「街プロ」に
「みつばちプロジェクト」をひとりで頑張っている
稲木まなちゃんがいます
高校生が頑張ってつくった未来への花粉を
小学生にみつばちさんになってもらって
未来へ届けてもらおうという
世代を繋ぐ関係づくりのプロジェクトです
そんなまなちゃんの元に
今日はアナウンサーの原田 幸子さんと
「枠を超えてワクワク!」
絵本専門士の あかいけ えりこ さんが
尋ねてきてくださいました
絵本の読み聞かせなどを活用して
どんどんその輪が拡がっていくように
アイデアを出し合いました
夢がひろがっていきます
「春はあけぼの やうやうしろくなりゆく山ぎは」
などと申しますが
夕暮れのやうやうあかくなりゆく山ぎはも
いとをかしです
【被災地に電気が灯るまで】第2回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第1回では
我ら人類の祖先が金・銀・銅などの
地球上にそのままの形で存在する金属
いわゆる貴金属に出会ったこと
そしてなぜかそのままの形では
地球上には存在できない「鉄」も
使っていた痕跡があることを説明しました
それではなぜ製鉄の技術を持たない
我らの祖先が「鉄」の存在を知り得たのか?
先ほどの「地球上には存在できない」
がヒントになっています
鉄は空気中で錆びてしまうからです
空気中の酸素と結びついて
サビ(酸化鉄)になってしまうからです
我らが祖先が最初に使った鉄は
空気のないところからやってきたもの
そう
隕石に含まれる隕鉄だったのです
しかし隕石なんてそうそうあるものではありません
我らが祖先は
あるものと出会うことにより
この不思議な「鉄」を
自ら作る方法を身につけることになります
さあそのあるものとは?
続きはまた明日
春の風
地震から 447 日目
豪雨から 183 日目
春の風が表通りを通り抜けていきます
陸上部のみんなは合宿です
飯田高校 能登高校 穴水高校といっしょに
奥能登の高校全ての陸上部が揃って
志賀町陸上競技場を駆け抜けています
いずれの学校もグラウンドを使えないので
みんなひさびさのトラック&フィールドです
以前インターネットコオロギの話題を取り上げましたが
その研究室からのもうひとつの法則
「ふだんつらくてたまにしあわせが一番」
コオロギを4つの環境で育てました
(1)常に充分な餌を与えた
「いつも幸せコオロギ」
(2)充分な餌を与えつつたまに餌を抜く
「いつも幸せたまに逆境コオロギ」
(3)いつもは餌控えめたまにご馳走を与える
「いつもは我慢たまに幸せコオロギ」
(4)常に餌を充分もらえない
「いつも我慢コオロギ」
この中で(3)たまに幸せコオロギが
一番生命力強く育つのだそうです
いつも与えられた環境の中で
できることを工夫しながら活動を続けながら
今日は思いっきり走れる
「いつもは我慢たまに幸せ陸上部」のみんな
今日は思いっきり走って跳んで
練習計画や宿泊等のお世話をしてくださったのは
飯田高校の江波先生
ご本人曰く「志願兵」です
石川県教育委員会では昨年発災後
初めての人事異動の際に
「能登の学校の復興のために
力を尽くしてくれる先生は
どうぞ申し出てください」
という制度があって
その時ご自身の生活を犠牲にして
自ら被災地の学校への異動を
志願してくださった先生です
本当にありがたい話です
能登の生徒のために
トラックでご指導してくださる姿は
神々しくさえありました
【被災地に電気が灯るまで】第1回
新しい「街プロ」にエネルギー研究が多いことを受けて
電池や発電を学ぶコラムを始めます
先日の第0回では
電気には金属が何やら関係がありそうなこと
について触れました
まずは人類と金属の出会いについて学びましょう
猿から進化した我々の祖先は
石を割ったり削ったりして
道具を作ることを覚えました
石の中でも他とは少し様子が違うもの
を見つけます
他の石よりずっしり重く
叩いても割れたりせず
曲げたり伸ばしたりできる不思議な石です
金・銀・銅そして鉄との出会いです
これらの不思議な石は
他の石に比べて加工しやすく重宝しました
金・銀・銅は今でも天然に採掘できますが
鉄そのものは自然界には存在しません
ではなぜ我々の祖先は
天然の鉄を手にすることができたのでしょう?
その秘密はまた明日
どうぞググらずに自分なりの考えを
まとめておいてください
エネルギー問題
地震から 446 日目
豪雨から 半年
「街プロ」企画発表会が行われました
昨年度は
子どもの居場所づくりやグラウンド整備など
とにかく今の状況を打破したい!
という活動が多かったのですが
少し生活も落ち着いてというか
言い方は適切ではないかもしれませんが
悲惨な状況が日常化してきたというか
とにかく未来を見つめる時間軸が伸びた気がします
少し遠いところを視座にした研究が目立ちました
特筆すべきは
エネルギー問題に関する研究が多くみられたこと
なかなか電気が復旧しない中で
困った暮らしがいつまでも続く中で
エネルギーをなんとかしたいという願いが
特に切実だったのでしょう
(1)小型火力発電
焚き火で発生した熱を電気に変換できる
「キャンピングストーブ」は既に商品化されています
薪などを燃焼室で燃やし
発生した熱を電気に変換するしくみです
このグループの工夫は
燃やす燃料に災害ゴミを利用しようと
思いついたところです
(2)サボニウス型風車
これまでのプロペラ型風力発電は
1方向の風しかとらえることができません
全方位の風しかも微弱な風もとらえることができます
乱気流にも対応して継続的に発電できます
音も静かで深夜でも利用できるなど
これを一家に一台導入してはという提案です
(3)バイオガス発電
食品廃棄物や家畜の排泄物などの
有機性廃棄物を発酵させて発生させた
メタンガスなどのバイオガスを燃料として
発電する再生可能エネルギーです
メタンガスはおならの主成分ですが
それ自身は臭いがありません
臭いのは硫化水素やスカトールなどの
腸内悪玉菌のせいで発生するガスによります
おならの臭いを薄めると温泉の匂いに
さらに薄めるとゆでたまごのにおいに
もっと薄めると焼肉の香りになります
全て同じ硫化水素の匂いです
濃度で感じ方がまるっきり変わるって
おもしろいですね
(4)バイオディーゼル燃料
使用済みの菜種油等の植物由来の食用油などを
ディーゼルエンジンで利用できるようにした燃料です
ガソリンを燃料にするエンジンに対して
軽油を燃料とするのがディーゼルエンジンです
ドイツ人ディーゼルが発明しました
ガソリンエンジンは
空気とガソリンを圧縮して
プラグで火花を飛ばして点火します
ディーゼルエンジンは
圧縮して高温となった空気に
軽油を吹きつけて自然発火させる方式です
軽油には硫黄分などの不純物が多く含まれるため
燃やすと黒い煙を吐きます
トラックやバスのエンジンです
(5)積雪発電
青森にあるIT企業「フォルテ」さんの技術
雪から電気とお湯を生み出す仕組みです
融雪にも活用できると期待されています
「スターリングエンジン」という装置を使って行われます
ガスなどで温めた熱源と
エンジン内を通る冷媒(水や不凍液)の温度差で
内部のピストンを動かして発電します
(6)流水発電
水の流れているところなら
どこにでも設置できる小型の水力発電機です
以前課題研究に取り組んでいたグループで
男子トイレの小便器に定期的に洗浄水を流す装置に
この発電機を取り付けようと試みた生徒がいましたが
残念ながら発電量が微弱すぎて
使いものになりませんでした
「流水発電はトイレの洗浄水では使えない」
これも立派な研究成果です
発明王エジソンも
「私は失敗したことがない
ただ一万通りの
うまく行かない方法を見つけただけだ」
と言っていますしね
(7)コンポスト発電
2015年にオランダで「植物発電」が実用化されました
水性植物の根から出る栄養分を
微生物が分解するときに出す電気を利用するものです
微生物の力で生ごみを分解する「コンポスト」で
応用したのがこれです
ざっと7つのグループがエネルギーに関する研究です
ぜひ既存の発電機を活用するだけでなく
自分で新たな発電機や電池を
開発してもらいたいものだと思います
それには発電や電池の原理を学ぶ必要がありますね
これからこのブログで
電池のしくみを説明するコラムをシリーズ化します
エネルギーグループのみんな
ぜひ読んでください
今日は第0回
歯に金属を詰めている人
アルミホイルや金属のスプーンなどを噛んで
キーンって痛みが走ったことないですか?
これが電池の原理です
なぜこれが?
次回より少しずつ勉強していきましょう
WAJIMA NIGHTから新たなステージへ
地震から 445 日目
豪雨から 181 日目
花火を打ち上げた輪高生が仕掛けるイベント
「WAJIMA NIGHT」が開催されました
会場近くの「キリコ会館」のシャッターには
被災前の賑わう輪島の写真で飾られた
大きなモザイク画が見応えたっぷりです
寒空の下
輪高生たちが駐車整理に活躍です
会場近くには多くの仮設住宅が建ち並び
騒音でご迷惑をおかけすることを
生徒たちが1軒1軒ビラを撒いて
ご挨拶に伺いました
会場となる駐車場にもご配慮願い
お車の移動をしていただきました
ありがとうございました
「街プロ」猫も食べれる非常食班の
ブースもありました
MRO「絶好調W」でおなじみの
「エイトMAN」さんの迫力満点のステージ
パワーをいただきました
北陸キッチンカー協会のみなさまも
駆けつけてくださいました
文化祭にも来てくださった「Chanoki」さん
やきめしぎょうざの「アサヒ軒」さん
ボリュームたっぷりやきそばは「BuTaGoRi」さん
トルネードポテトが大人気「庵陽灯(あんやと)」さん
「SINCERE」さんはご自身も阪神淡路で被災されたそう
韓国グルメあれこれ「グラグラ」さん
おなかも心もあたたまりました
夕闇せまるころに
イルミネーションでライトアップ
そしていよいよ野外映画の上映です
タイ出身のナタコーンくんが中心となって
たくさんの友達に協力してもらいながら
実現にこぎつけました
がんばったね!
さあ
こうして少しずつ生徒の夢が叶っている
「私たちの街は街は私たちがつくる」
街づくりプロジェクト「街プロ」は
新たなステージに入りました
1年生が秋から活動に参加しています
3月21日(金)
「企画発表会」が行われます
時間は9:40〜12:30
一般の方もぜひお越しください
生徒の輝く未来を応援していただければと思います
何を目指すのか?
どのようなしあわせを求めるのか
企画段階のものを発表し合います
昨秋の豪雨で壊滅的な被害を受けた町野地区
そこには町野を蘇らせるための
「町野復興プロジェクト」
同じ響きの「まちぷろ」があります
実行委員長の山下祐介様を
メンターとしてお迎えすることになっています
発表内容は
(1)火力発電で非常用電源を作る【エネルギー】
(2)被災地ツアー【起業】
(3)輪島の自然を取り戻そう!【その他】
(4)アップロジェクト【観光】
(5)観光地を復興しよう!!【観光】
(6)サポニウス型風車を作る【エネルギー】
(7)猫と人が食べれるおやつ【医療】
(8)米粉を使った料理【農業】
(9)スポーツで健康【起業】
(10)イゴボールでイベントを開く【イベント】
(11)バイオガス発電【エネルギー】
(12)朝市の復興に向けて【観光】
(13)地域医療【医療】
(14)バイオディーゼル燃料【エネルギー】
(15)空地を利用して風力発電【エネルギー】
(16)AI教材を高校生向けの学習支援として活用できないか【AI】
(17)スターリングエンジンに使う不凍液を冷やすために雪を使う【エネルギー】
(18)流氷を使って発電する【エネルギー】
(19)冬の輪島市運動会!【イベント】
(20)生ゴミをコンポストで発酵し発生した熱で発電【エネルギー】
(21)災害とペット【医療】
(22)スポーツ・イベントで小学校と交流【イベント】
(23)災害後の栄養について【栄養】
昨年度は子どもの居場所づくりや
被災者の交流会など
心のケアに関するものが多かったのですが
内容的にも少しずつ復興に向かっている気がします
エネルギーや観光など
次の世代を見据えたものが増えてきています
(7)や(12)など
先輩の研究を引き継いだものもありますし
(16)のように
OECDとの共創を意識したものもあります
どうぞ専門家の方
タイトルをご覧になって
アドバイスいただけるようなものがありましたら
お待ちしています
ぜひよろしくお願いいたします
輪高生がつくるイベント
地震から 444 日目
豪雨から 180 日目
今日は石川県の公立高等学校の合格発表の日です
氷雨のぱらつく寒い日になりましたが
本校の玄関にも大勢の受験生と家族が集まり
番号を見つけて歓声をあげていました
普通科61名
普通科ビジネスコース16名の合格者がありました
定員割れをしていますが
輪島中の生徒はほぼ来てくれました
また通学のための道路も開通しましたので
近隣の門前中や東陽中からも来てくれました
金沢の中学校へ転学したけど
生活の目処がついて帰ってきた生徒も
「それでもここ輪島にいる」みなさん
高校生活のスタートに向けて
しっかり準備をしましょう
サイゼリアの元社長 堀埜 一成 氏が
コミュニケーションの大切さについて
語っていらっしゃいます
「部下の部下は部下じゃない」
2段飛ばしで指示をすると混乱を招く
ということです
現場でボソッと感想を言ったとしても
言われた部下の部下は命令と受け取ってしまい
見当違いの方向へ走り出してしまうのだそう
私も生徒との接し方に気を配ろうと
気づかされました
「技能を技術にしろ」
見様見真似で伝承されるのが「技能」
文字媒体を通して伝えるのが「技術」です
文章化やマニュアル化の重要性を
説いていらっしゃいます
「不可能限界くらいを目標に設定しろ」
トップが大きいことを言うと
ロマンを感じる人が出てきます
明るい未来を示す言葉を発するのが
リーダーの役割です
業界においては
現実的で達成可能な目標しか設定できない会社は
目標達成すると失速してしまうのだそう
「半島の最先端から
めざせ世界の最先端!」
以上は「PHPビジネスTHE21」総力特集
できるリーダーは必ずやっている「言語化」
を参考にさせていただきました
ほかにも
言語化力を鍛える秘技
「ストラテジック・コスモス(戦略の宇宙)」
の紹介もありました
ぜひ取り入れてみようと思います
昨年東北復興ツアーでお世話になった
多賀城高校の小野敬弘校長先生から
久しぶりにご連絡がありました
当時の新聞記事を送ってくださいました
DB3803B4-E527-42F1-A29E-C0A495A65D8C.jpeg
20日(祝)
「WAJIMA NIGHT」が開催されます
花火を打ち上げた輪高生が
全国各地の学生さんと共催する
楽しいイベントです
(1)イルミネーション
「街プロ」花火班が仕掛けます
綺麗な光が輪島を包みます
(2)キッチンカー
漂う香りに食欲そそる
たくさんのキッチンカーが駆けつけてくれます
(3)体験ブース
ものづくり体験ができます
子どもから大人までどうぞお気軽に
(4)ステージ企画
ダンス部の生徒たちの発表もあります
県内で活躍中のバンドも
(5)野外シネマ
「街プロ」映画班が
屋外の大型スクリーンで映画を上映します
キッチンカーで買ったものを
召し上がりながらどうぞ
場所はマリンタウン
時間は16:00より
入場料無料です
ぜひぜひお越しください
芸術は爆発だ!
地震から 443 日目
豪雨から 179 日目
「芸術は爆発だ!」
かつて岡本太郎さんはそう叫びました
岡本太郎さんといえば「太陽の塔」
1970年の大阪万博のシンボルです
「太陽の塔」(2025年3月18日 (火)18:00)『ウィキペディア日本語版』
過去・現在・未来を貫いて生成する
万物のエネルギーの象徴であり
その内部には
原生生物から人類に至るまでの
生命の進化の過程を表現した
「生命の樹」が飾られています
「吹田日和」https://suitabiyori.com/area/taiyounotou-expo70/
高さ約41mその最上部は現在を
地表面は地球が誕生した46億年前
を表します
そしてこれは自分も知りませんでしたが
地下奥深くには
120億年前の「太古の太陽」のモニュメントがあったそうです
1970年の万博が終了したあと
「太古の太陽」の行方はわからなくなっていました
ところが
多くのゴミといっしょに棄てられたその場所が
最近明らかになったのです
それは大阪湾の「夢洲(ゆめしま)」
そう
なんと今回の万博の会場です
なんということでしょう
「アートは難解なものではなく
誰もが自分自身を表現する手段だ」
「自分の内面に隠れている『爆発』の可能性を信じ
一歩前に歩き出す勇気を持とう」
そんな思いを込めて創られたモニュメントが
半世紀の間大阪湾に眠っていたのです
そしてその場所から2025年
ふたたび「生命の樹」が空へ向かって
伸びていきます
2025大阪万博には
そのことをテーマとしたオープニングが開催されます
「太古の太陽は新時代の祭りの種となる」
全国各地の太鼓を25時間リレーで繋ぎ
大輪の花火が夢洲でフィナーレを飾ります
そのトップを切るのが輪島高校和太鼓部
今回の能登半島地震の震源地すぐそば
狼煙の灯台から復活の太鼓を打ち鳴らします
プロデュースしてくださっているのは
芸術家「大志」さん
動画が公開されましたのでぜひご覧ください
AIと教師
地震から 442 日目
豪雨から 178 日目
エキュメノポリスさんの
AI英会話教材の開発に
生徒たちが関わらせていただいています
エキュメノポリスさんは
早大発の研究開発型スタートアップ企業
大学発ベンチャー表彰2024において
『科学技術振興機構(JST)理事長賞』を受賞
EdTech分野で世界から注目を集めています
現在AI技術を活用した英会話教材の開発に
携わっておられ
その教材を本校が活用しながら
改良のためのアイデアを出す
そういったお手伝いをしています
本日オンラインでミーティングが行われて
小津中学校の生徒の皆さんといっしょに
「AIと未来の教師のあり方」について
意見交換をしました
小津中学さんはかなり先進的な取組をしていらっしゃって
参考になることが多いです
本校は始めたばかりで
生徒達も話せる題材がほとんどありません
AIに対して「怖い」というイメージを持っています
それは教員がAIを取り入れた授業を
積極的にしていないからであって
生徒のせいではありません
学校の今後の努力が求められます
それでも自分達の考えをしっかり構築し
話し合いに参加していました
エキュメノポリスさんが開発した教材は
AIのアバターが英語で会話してくれるものです
人間相手だと文法的な間違いが恥ずかしいものですが
AI相手だとそれがありません
実際AIに
生徒の発話中の文法間違いを分析させると
学習が深まるほど
間違いが多くなってくるのだそうです
つまり間違いを恥ずかしがらずに
発話するようになっている証拠です
生徒に
「AI教材のいいところは?」
と尋ねると
「何を言っても不機嫌にならない!」
と答えてくれました
確かにAIは常に優しい笑顔で答えてくれます
でもものごごろのつかないうちから
それしか経験がないと
他人を傷つけてもわからない子が
育ってしまうのではないかと危惧します
人間かAIかという
二項対立ではなくて
両者のいいところを活かし合うような
使い方の研究が必要です
またある先生から
素晴らしいChat GPTの使い方を学びました
その先生は原稿を書いていて
構想に行き詰まったときに
「続き書いて」と
お願いするのだそうです
答えの文章はそのままでは使えませんが
「ああ!そういう視点もあるか!」
と突破口にはなるのだそうです
先日
テストの採点結果に納得いかない生徒が
Chat GPTに聞いた結果を持って
先生に申し入れにいったケースがありました
ところが
「それは Chat GPT の見解でしょ
先生はあきらかに間違いだと思うよ」
納得いかない生徒は他の先生へ尋ねにいくのですが
やっぱりそれは間違い
ようやく納得のいったその子は
「Chat GPT が間違うことがあるんですね」
Chat GPT は正しい文章を作るツールではなくて
耳障りのいいなめらかな文章を作るツールであることを
しっかりと生徒に認識させる必要があるなと感じました
輪島でおすすめのグルメスポットを訊いてみました
以下AIくんからのお返事です
「輪島には美味しいお食事処がたくさんあります
以下はおすすめのいくつかのお店です
1. **輪島市場** - 新鮮な海の幸が楽しめる市場内の食事処
寿司や刺身焼き魚など多彩なメニューがあります
2. **なまこや** - 地元の名物であるなまこ料理が楽しめるお店
独特の風味が楽しめるので興味があれば是非試してみてください
3. **山本屋** - 輪島の伝統的な和食が楽しめるお店
地元の食材を使用した心温まる料理が揃っています
4. **とれとれ市場** - 新鮮な魚介類を使った料理や地元の特産物も販売しているお店
ランチにぴったりのセットメニューも豊富です
5. **寿司処たかしま** - 新鮮なネタを使った寿司が楽しめるお店
カウンターで職人の技を楽しみながら食事できます
これらのお店はどれも地元の素材を活かした料理を提供しているので
訪れる際はぜひチェックしてみてください!」
残念ながらこれらのお店は輪島にはありません
(よく似た名前のお店が県内にある場合はあります)
東京大学の言語脳科学者 酒井 邦嘉 教授は
「生成AI」という呼称が誤解を生みやすいとし
「合成AI」と呼んでいらっしゃいます
AIには人間の脳のはたらきを再現することはできない
いわゆる「もどき」でしかないということです
生徒のみなさん
AIがやっていることは
新しいものを産み出すつまり「生成」ではなく
既存の文章や画像を組み合わせて
つまり「合成」して
それらしく見せているだけなんですよ
10年以上昔の話になりますが
生徒の探究活動で
「モーツァルトの音楽を再現する」
をテーマに研究したグループがありました
彼らがやったことは
モーツァルトの音楽を徹底的に解析して
たとえば「ド」の音の次に続く音のデータを数値化する
「レ」の次にはどの音に移るパターンが多いか
「ミ」の次は?
そのデータに基づいてランダムに音を並べたら
あら不思議
モーツァルトぽく聞こえたのです
驚くべき研究でした
10年前の日本の高校生が
今の「生成AI」を先駆けて
同じ事をやっていたのですね
先生方
AIを授業に使うか使わないか
二項対立ではなく
どの場面でどういうふうに使うのか考えながら使う
このことがAIにはできない人間の仕事です
ちなみに
今回参加した生徒たちに
「AIにはない人間の先生の魅力とは?」と尋ねたら
「あたたかさ!」
という答えが圧倒的に多く返ってきました
能登探究・マイプロジェクト2025
地震から 441 日目
豪雨から 177 日目
能登探究・マイプロジェクト2025が開催されました
マイプロジェクトとは
認定NPO法人カタリバさんが
連携協力団体さんと協力して
日本全国の高校生に拡げるべく
実施されているとりくみです
高校生が「主体性」を持って
つくりたい未来に向かう
学びのプロセスです
このプロジェクトでは
正解がない中で試行錯誤し探究するプロセスを体験し
自分自身の興味関心を発見し
他者との協働
社会の価値発見
創造に向かうスキルを身につけます
このことは不確かな時代の中でこそ必要な
未来への想像力につながります
会場はのと里山空港内の奥能登行政センター
宮城県からお越しの
一般社団法人まるオフィス
マイプロ経験の高校生大学生が
アイスブレイクをしてくださいました
グループで丸く輪になって手を繋ぎます
ファシリテーターが「前!」と言ったら
全員で「前!」と言いながら前へ一歩ジャンプします
「言うこと一緒やること逆!右!」と言ったら
「右!」と言いながら左へジャンプ
「言うこと逆やること一緒!後ろ!」
で「前!」と言いながら後ろへジャンプ
ワイワイやりながらすっかり仲良しに
「悪魔の聞き方・天使の聞き方」
ふたりペアでお題に沿ってトークをします
話し手と聞き手に分かれます
聞き手はあるときは悪魔になって
腕組みしたり足組んだりふんぞり帰って目も見ずに
思いっきり感じの悪い聞き方をします
そしてあるときは天使になって
笑顔で目を見つめ頷きながら
心を込めて聞きます
感じの良い聴き方を体験したところで
今日のテーマに入っていきます
本校「街プロ」からは
「輪島の子どもたちの遊び場復活」
「輪島にジムをつくろう!」
「災害とペット」
「朝市復興」
のグループが発表し
さまざまな立場の方からアドバイスをいただきました
浅野大介石川県副知事もご参加され
力強いメッセージをくださいました
先日
金沢大学のボランティアグループ「ボラさぽ」さんが
学校周辺の瓦礫撤去に来てくださいました
発災以来何度も足を運んでくださっています
本当にありがとうございます
それから遊学館高校の吹奏楽部のみなさんが
「春の訪れを吹奏楽の響きにのせて」
輪島中学校の体育館で演奏会をしてくださいました
マーチングで全国大会出場を果たす名門の
50名の部員のみなさんの
被災者に演奏で元気を届けたいという願いを
今回実現してくださいました
輪島中学校の吹奏楽部のみなさんも加わり
一緒に素敵な音楽を奏でてくださいました
ミライシコウ金沢
地震から 440 日目
豪雨から 176 日目
金沢大学が主催する
第3回ミライシコウ金沢
高校生探究成果発表会および高校生国際会議
が開催されました
金沢大学は旧制第四高等学校
「しこう」と呼ばれていました
一高は現在の東京大学
二高は東北大学
三高は京都大学です
「未来志向」「未来思考」「未来至高」「未来四高」
きっとさまざまな意味が込められているのだろうなと
北陸の高校以外にも仙台や東京などから
海外からもシンガポールの高校生が集まり
互いの研究成果を発表しあい
国際社会が抱える諸問題について
理解を深めました
①文化・芸能・歴史
②家庭・衣食住・経済
③地域課題・観光
④教育
⑤国際会議
⑥保健・多様性・共生
⑦環境・防災
⑧化学・生物
⑨物理・ものづくり
⑩数学・情報
の10分野に分かれます
本校が参加したのは⑤国際会議
英語のみで行われるセクションです
OECDパリサミットに参加した
2年生7名が発表しました
地震がきっかけでできた
海外の高校生との縁
さまざまな交流を通しておこった
故郷輪島への思いの変化を発表しました
「パリへはどんなことを期待して渡ったのですか?」
との質問にも堂々と答えていました
いっしょに参加した1年生7名も
いろんなセクションの発表を見てまわりました
金沢大学附属高校さんからは
輪島塗の保全や輪島の復興に関する発表も行われました
以前発表会でお見かけしてお声かけし
いっしょにOECDのサミットに
オンラインで参加もしてもらっているグループです
同じく金沢大学附属高校さん
物理分野で
「二階から目薬を成功させる極意と効果に関する研究」
の発表がありました
「二階から目薬」とは
思うようにいかずもどかしいこと
回りくどくて効果がないことのたとえです
この諺の真偽を物理的に検証する研究です
私も以前同様の研究を指導していたことがあって
いろいろ計算と実験を繰り返していたなと
懐かしく思い出していました
国語と物理
学際的な研究ですね
金沢錦丘高校さんからは
「災害時にも使える手軽な小水力発電機構の提案」
水が流れる場所であれば
どこにでも設置できる発電機を開発しました
これまた同様の研究を以前指導していたことがあり
男子トイレで定期的に流れる洗浄用の水
あれを発電に利用できないか考えたアイデアでした
野球部は高岡商業で練習試合です
今年の開幕戦
土のグラウンドで全く練習できていなかった選手たちは
生き生きとプレイしていました
敗れはしたものの
野球ができる喜びを体全身に漲らせ
本当に楽しそうです
相手の素晴らしいプレイには
敵味方なく「ナイスプレイ!」
これが高校野球本来の姿なのだろうと
嬉しくなりました
富山県は高校野球人気が高く
練習試合には近所のおじいちゃんが
大勢ネット裏に集まる土地柄です
帰り際におじいちゃんから
「輪島ようやった!また来られ!のう!」
と声をかけていただいていました
「HAB」で紹介されました
地震から 438 日目
豪雨から 174 日目
先日の「街プロ」発表会
北陸朝日放送で紹介されました
https://www.youtube.com/watch?v=OLPvNkYNW8s&list=PLifVGdqsTJWi9DF7nQZHYVtEiB7thUI6b&index=15
社会応援ネットワークの
高比良 美穂 様 高坂 健彦 様
そして防災教育学会会長の諏訪 清二 先生が
訪ねてきてくださいました
諏訪先生は全国で初めて
防災に関する学科が設置された
兵庫県立舞子高等学校で
環境防災科の初代科長を務められた方で
現在でも複数の大学で講義を担当されているほか
全国でご講演などなさって
防災教育にご尽力していらっしゃいます
いろいろインタビューをしに来てくださったのですが
防災教育の大先輩からは
実に多くのことを学ばせていただきました
社会応援ネットワークさんからは
さまざまな出版物もいただきました
先日高校入試も終わり
現在先生方は採点作業に取りかかっています
石川県には
簡易提供制度というのがあって
受験生が教科別の得点と合計点の情報を
口頭で知ることができます
以前この係をしていたことがあります
不合格の生徒にも知る権利があります
そのときの伝える側のつらいこと
結果を聞きそのメモをとり
うつむいてじっと涙をこらえ
15歳にしておそらく初めての挫折の経験
そんな生徒でも
終わったあとは
「ありがとうございました」
って頭を下げていくのです
「ありがたくなんかないやろ」って
後ろ姿を見送りながら
「もしこの子の答案を自分が採点ミスしていたら・・・
正解なのにペケをつけていたら・・・
その一問のために不合格になっていたのだとしたら・・・」
とてつもなく恐ろしい気持ちになるのでした
ひとりの人間の将来を変えてしまうかもしれない
入試の採点にはそんな大きな意味があるのです
ですので先生方は1問1問丁寧に
決して間違いのないよう
15年間その子が歩んできた人生を思いながら
採点をしています
おさんぽメガネ振り返り
地震から 437 日目
豪雨から 173 日目
本日は入試の2日目です
受験生たちは今日もがんばりました
校内放送の係の先生が
放送室からこんなものを発掘してきました
原田真二さんの「シャドーボクサー」
フォーリーブスさんの「ヘイベイビー」
吹奏楽部顧問の高森まどか先生は
「これが噂のLPというものですか!」
違います
これはシングルレコードといって
LPはもっと大きいです
世代間ギャップをまざまざと感じました
先日本校で実施された
「街プロ」発表会
先生方には教科のメガネで発表を見ていただきました
総合的な探究の時間を中心として
いかに各教科の内容を有機的に結びつけていくか
今本校の教育における最も大きな課題です
先生方からのレポートをまとめました
生徒が興味関心を持って進めている探究活動から
どう教科の学習につなげていくのか
アイデアが満載です
これまた先日大阪城で実施された
OECD「おさんぽメガネ」ワークショップ
能登半島からは輪島高校(能登スクール)
東京都からは特別支援学校の立川学園(立川チーム)
大阪府からは小津中学校が参加しています
以下引率の山上佳織先生からのレポートです
「2日目は能登スクールメンバーからの
立川チームともっと対話したい!というリクエストにより
オープンニング前に自由参加による朝活からスタートしました
ラジオ体操をした後
手話クイズで交流を深めます
実は能登スクールメンバーは
初日から自主的に手話の下調べをしていました
先生から調べてと言われたからではなく
交流したいから調べていました
なんとそれは
2日目の朝活が終わってからも続いていました
おさんぽメガネワークショップ手話チーム振り返りでは
立川メンバーから
手話を「教え甲斐があった」
という意見の付箋があり胸が熱くなりました
その後の2年生の街プロ発表では
なんと4人で手話で登場です
立場や年齢だけでなく
様々な壁を超えてつながろうとする
生徒たちの目は輝いていました
教師、生徒ともに充実した2日間でした」
本校の卒業生で
現在上越教育大学4年生の浦野結太さんから
卒業論文が届きました
「震災後における著名人の慰問が
子どもたちの自身の将来展望に与える影響」
本校生徒達へのアンケートをインタビューが
まとめ上げられています
「誰よりもつらい思いをしたみんなは
きっと誰よりも強くなれる」
の言葉をくださった本田圭佑さん
サプライズライブを決行してくださった
ゆずさん
本校も舞台となった「まれ」で主演
役柄上はみんなの先輩にあたる土屋太鳳さん
みなさんがきてくださったときの
生徒の心の動きに関するものです
調査期間中ではないとき
たとえば卒業式のスマイルアップさん
たとえば大晦日の坂本冬美さんなどは
今回の調査には含まれていません
著名人の慰問により前向きになった生徒が62%
「嬉しくて前向きになるエネルギーをもらった」
など被災民の心のケアに
大きな役割を果たしていることがわかりました
やるっきゃない
地震から 436 日目
豪雨から 172 日目
東日本大震災から14年目
今日は3月11日
日本人にとって忘れられない日です
本日高校入試が行われている本校でも
金色の国旗玉を黒い布で覆い隠した弔旗で
お亡くなりになった方のご冥福をお祈りしています
新聞各紙にも「東日本大震災14年」の記事が
14年たっても3万人近くの方が
避難生活をされているようです
読売新聞では
汚染土の受け入れ意向に関する調査を行っています
それによると条件附きで受け入れるとした県が5県
容認できないとする県が5県
石川県は無回答でした
容認できないとする沖縄県知事は
「電力供給されている受益者間で解決する問題」
と説明されています
米軍基地を自県だけで抱えておられますので
当然の見解であろうと思います
放射能汚染土の問題も
沖縄の米軍基地の問題も
ひとつの県に押しつけるのではなく
日本全体で考えていくべき問題です
北陸中日新聞では
能登半島にある志賀原発の再稼働について
論じていました
本日午後8時よりNHK「うたコン」にて
おおみそかに坂本冬美さんが
本校で歌ってくださった模様が
放送されました
曲は「風に立つ」
思い出しました
「そうさ人生やるっきゃないさ」
この歌詞に力づけられたこと
でも「きゃ」って何?
気になって調べてみました
どうも方言の一つ
東京弁のようです
やるしかない→やるしきゃない→やるっきゃない
促音化するのは東京弁によく見られる特徴です
かっこいいですね
べらんめえ
もともとは土井たか子氏が
女性初の社会党委員長に就任した時に発した言葉で
1986年の日本新語・流行語だそうです
実は我が家でも
毎年「平野家の流行語大賞」を選出していて
例えば2002年は「モキモキ!」でした
これは母親が落ち込んでいるときに
3歳くらいの娘が
慰めようと抱きしめながら発した言葉です
以来
娘たちが泣いている時には
「モキモキ!」と言って抱きしめてやると
不思議と泣き止むのでした
赤ちゃんが泣き止まないときに
「ふーっ」て顔に息を吹きかけてやると
ピタリと泣き止む
て言うのを昔
「伊藤家の食卓」と言う番組でやっていましたが
我が家の娘らにも効果がありました
「我が家の流行語大賞」
20年分くらい記録に残してあったのですが
今回の震災でどっか行っちゃいました
小さいお子様のいるご家庭の皆さん
これ楽しくて思い出に残るのでオススメです
昔「スチュワーデス物語」で
堀ちえみさんが
「やるっきゃない!やるっきゃない!」
「教官!」
ってやってましたね
今なら
「キャビンアテンダント物語」ですね
スチュワーデスという言葉も
使われなくなって久しいです
先日のブログで
「保母」って書いたら
三女から
「今は保育士って書かないと!」
とお叱りをうけました
もうひとつ次女から聞いた「保育園あるある」ネタ
「どこの保育園にも『社長』の異名をとる
大物感を漂わせる園児がいる」
もしかして「関西の保育園あるある」かもしれません
それでも正解のある問い
地震から 435 日目
豪雨から 171 日目
今朝は学校の電話が繋がらなくて
各方面にはご迷惑をおかけしました
なんでもNTT側の電圧が下がったのが原因らしく
そんなこともあるんですね
明日から入試が始まります
「何が起こるかわからないぞ
高校入試に向けて
一生懸命勉強してきた子らの努力が
正当に評価できるよう細心の注意で臨め」
という神様からの忠告と捉え
職員一同緊張感を持って臨みます
試験中に余震が襲って来る可能性もあります
試験続行が不可能なくらい
すなわち元日レベルの余震に襲われたら
原則として直ちに輪島中学校に全員を避難させ
そこでお子様の引き渡しを行います
輪島中学校以外の受験生につきましても
高校職員が責任を持って
輪島中学校まで誘導いたします
さて
正解のない問いに立ち向かう力
これが現在の学校教育で重要視されていますが
全ての問いに正解がないわけではない
歴然とした正解のある問いも存在する
という認識は持つ必要があります
「当行は1+1=2であるとは限りません
たとえば預金する際には
1+1=1になったりしますし
お引き出しになる際には
2ー1=0になったりします」
こんな銀行イヤですよね
創造性豊かな人材が歓迎されない職場もあります
医療現場です
医療の世界は
経験による確実な臨床実験の上に成り立っており
「この薬とこの薬をいっしょに飲めば
なんだか治るような気がする!」
なんて医者は迷惑この上ないのです
以前あるお医者様から伺った話です
最近SNSでこんな投稿が話題になっていました
「ごんぎつね」の感想にまつわる25年前の思い出の投稿
忘れた方のためにあらすじを振り返ると
イタズラ狐「ごん」と村の青年「兵十」の物語
ごんはある日イタズラ心で兵十のウナギを盗みます
そのウナギは兵十が病気の母親のために獲ったものだと
母親の葬儀を目にしたごんが気づきます
申し訳なく思ったごんは
栗やマツタケを兵十の家にこっそり届けるように
ある日そんなごんの姿をみつけた兵十は
恨みを込めて撃ち殺してしまいます
倒れたごんのそばに栗やマツタケが落ちているのを見た兵十は
届けていたのがごんだと気づきます
筒口からは青く細い煙が…
という物語です
この時の兵十の気持ちについて投稿者は
「殺さなければもっと栗やマツタケを食べれたのに」
これに対して先生のコメントが
「がっかりです
もっとしっかり読みなさい」
これに対して
「小学生の感想なんだから自由に書かせろ」
「これだと国語嫌いになる」
「凝り固まった頭の先生だ」
などと一気に炎上
多くは正解のない国語の教材の中でも
この作品は明確な正解のある作品だと
私は思いますがいかがですか
先生を批判された方に言いたいのは
あなたが亡くなる時に
あなたの子どもが
「もっと生きたらもっと小遣いをくれたのに」
って思ったとしたら
あなたはどんな気持ちがしますか
あなたはそんな子ども育てたいですか
ってことです
私の次女は保育士をしています
そんな娘から聞いた興味深い話
いい子だった子が
突然友達を叩いたり噛みついたりを
繰り返すようになることがあるそうです
そんな時決まって数日後に
お母さんの妊娠が明らかになるのだそうです
不思議ですね
宿ったばかりの妹や弟に
おかあさんを取られるような気がするのでしょうか
実はごんぎつねの投稿者さんも
この時おかあさんの妊娠がわかって
さみしくてわざとあんな感想を書いたのだと
明らかにしています
そして先生とは信頼関係があったということも
教員は生徒のことを考えてコメントしています
表面だけ見て直ちに批判することは
是非やめていただきたいと思います
「あの場面は絶対スクイズやろ!」
監督の采配を批判する方がいらっしゃいます
直前の練習試合の大事な場面でスクイズ失敗して
心に傷を持ったまま試合に臨んでいる選手に
スクイズのサインを出せない時もあるのです
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は11月21日「卒業」
のコラムを読んでくれた生徒からです
「私はまだ卒業はしないけど今の3年生を見ていたら
高校の3年間なんて
あっという間に終わってしまうのだと思いました
私たち2年生から3年生を見るともう大人だなと思います
自分のやりたいことを見つけ一生懸命頑張っている
3年生は私たち後輩の良い見本であるそう思います
災害で環境が不安定な中でも必死に登っている
3年生はすごく頑張っているなと思います
話は変わりますけど
私の友達にとりあえず短大へ行く人がいます
何をしに行くのか聞きますけど
全然理由になっていない答えが返ってきたりするので
この人は時間とお金を無駄にするなと思いました」
大仏の呪い
地震から 434 日目
豪雨から 170 日目
OECDワークショップ in 大阪
2日めのアクティビティーです
「タイムマシン・メガネ」
〜AI時代の寺子屋へようこそ〜
未来の教育を考える際に
日本の風土で育った
日本ならではの教育を
見直してみることは効果的です
寺子屋のシステムに学びましょう
寺子屋の歴史は室町時代に遡ります
寺院でおこなわれていた師弟教育が始まりです
当時は寺に寝泊まりする形で勉強していました
江戸時代に最も盛んにおこなわれるようになりました
大都市だけでなく農村部にも寺子屋が増えました
全国各地で呼び名は異なっていたといわれています
明治政府の「学制」に伴う小学校建設により
寺子屋は姿を消しましたが
その直前には1万以上の寺子屋が存在していたようです
当時の日本の人口は3,400万人
現在の4分の1程度ですが
全国の公立小学校数は2万校程度なので
いかに普及していたかがわかります
制度的には現代の小学校に似ていて
早い子では5歳ごろ
一般的には7〜8歳で通い始め
6年ほどで卒業します
登校時間は午前8時ごろ
下校は午後2時ごろです
午後2時は昔の呼び方で「八ツ時」
寺子屋から帰ってはらぺこの子らが食べるのが
「御八ツ」のはじまりです
農民の子どもには「百姓往来」
商人の子どもには「商人往来」
職人の子どもには「番匠往来」など
それぞれ教科書「往来物」が用いられ
個別最適な学びが実践されていました
また
一方的に教師の授業を聞くのではなく
同じ教室にいる仲間たちに
年齢を超えて教えてもらったり教えたりしながら
生徒たちは主体的で対話的な学びを行なってきました
こうした学びが功を奏し
幕末には成人男性の識字率は70%を超えました
当時ロンドンでは20%
パリでは10%未満であったことを考えると
寺子屋の果たした役割は大きかったといえます
親に甘やかされ育った筆子(生徒)に対して
師匠が礼の教育やしつけに苦闘していた
という記述も残っています
ある寺子屋の校訓は「余力学文」
『論語』の「行有余力、則以学文」
(行いて余力あらば、すなわちもって文を学べ)
礼儀作法を心得たものでないと
学ぶ資格はないとしています
細かくは
着座畳に手をつき額をさげて心静に礼いたし席ニ先々よりすわり可申事
(正座して畳に手をついて額をさげ、心静かに一礼して来た順に着席しなさい)
客入来之内ニはものよみ高声無之様ニ可為事
(来客中は大声で素読しないようしなさい)
大小便壱人宛限り可出事
(大便・小便を催した時は、ぞろぞろと行かないで一人ずつ行きなさい)
今の高校生にも言いたいようなこと
またモンスターペアレンツには
喧嘩口論ハ皆自分之悪ゆへ内々親々取上ざる事
(筆子同士のけんか口論は皆本人が悪いから起きるので、親はいちいち取り上げてはならない)
とバッサリ
そして続いては
教科のメガネでお散歩する
「おさんぽメガネ」ワークショップ
例えばエストニアでの教育実践
事なる教科の先生といっしょに
森の中を散歩する授業があります
教師はありとあらゆるものから
教科の問題を組み立てます
数学「このままの速さで歩き続けると
あと何分で目的地に着くかな?」
歴史「今は森だけど昔は沼地だった
どうして変化したかわかる?」
美術「緑は何色あると思う?」
物理「森の中で声を出すと
どんなふうに広がっていくかな?」
今日はこの大阪城バージョンです
私も化学のメガネで参加しました
「大阪城の屋根は緑色だけど何でできていると思う?」
「瓦!」「トタン!」「プラスチック!」
「ブー 銅でした 10円玉といっしょです」
「でも色が違う…化学変化したの?」
「そう!空気中の水と二酸化炭素に反応したよ
炭酸水酸化二銅に変わったよ
緑青ともいうんだ
奈良の大仏さんも同じだよ
ところで奈良に都があったのは
710年から784年
わずか74年でせっかく作った都を捨てています
これはなぜですか?社会の先生」
「ひとつには寺院勢力を排除するためといわれています」
「理科の目で見るともうひとついわれている
呪い説も信憑を増してきます
奈良時代後半に流行した疫病によるものです
ところで電気のない時代にどうやって
大仏に銅のメッキを施したと思いますか?
唯一液体の金属である水銀に銅を溶かします
そして大仏にポッキーのようにコーティングします
やがて水銀が蒸発して
銅だけがメッキとして残るのです
ところで再び社会の先生
水銀が蒸発して都を包むとどうなりますか?」
「水俣病のような公害病が発生します」
「そう!奈良時代後半に起こった疫病とは
水銀中毒であると考えられます」
北陸新幹線の悲しい調べ
地震から 433 日目
豪雨から 169 日目
昨日
東京学芸大学の
鉄矢悦朗研究室のみなさんと
お会いしました
鉄矢教授はデンマーク王立美術院などで学び
都市計画から店舗インテリアの現場まで
幅広く企画・設計などをされながら
「都市と建築の再生」や「市民参加のまちづくり」
について研究なさいました
「モノづくりコトづくりバづくり」をキーワードに
立体・空間デザイン/デザイン教育/ものづくり教育の
研究と実践を行い
「あそびは最高の学び」をモットーに
教育・研究活動をさらに面白く深めていらっしゃいます
1時間にも満たないわずかな出会いでしたが
学生さんたちのユニークな研究についても
ご紹介していただき
研究室の魅力をしっかりと伝えていただきました
「街プロ」にも参考になりそうなお話を
たっぷりとお聞きすることができ
ぜひ本校の探究活動にも
伴走していただきたいと思いました
研究室を現在休学し
氷見市地域おこし協力隊でご活躍中の
佐藤栞さんもご紹介していただきました
(AKB48 の佐藤栞さんではありませんし
モデルの佐藤栞里さんでもありません)
氷見の子どもたちを海外と繋いだり
とっても魅力的な活動をなさっています
明けて今日私は
OECDワークショップに参加するため
大阪へ向かう北陸新幹線に乗っています
北陸新幹線には
物悲しい車内メロディーが流れます
旅のワクワク感とはちょっと違いますが
これは北陸本線サンダーバードでも流れている
谷村新司さんと仲間由紀恵さんが歌う
「北陸ロマン」という曲です
https://www.youtube.com/watch?v=3aGfGqlaX2g
冬の日本海の旅にぴったりですね
敦賀までしか延伸していないので
大阪へ行く時はここで乗り換えです
「ほんとに不便になったね」
「新幹線延びなきゃよかった」
みなさん不満タラタラで乗り換えます
乗り換えが必要な上に
値段まで高くなっているんだから当然ですね
以前駅員さんに食ってかかる人も見受けました
大阪まで伸びるまでの辛抱です
さてさて大阪では
「未来のカリキュラム」を
「散歩という日常」と「教科のメガネ」から問い直す
「おさんぽメガネワークショップ」の開催です
本校から10名の生徒が参加です
初日の今日は
「なんでやねんすごろく」で
虹色エージェンシーを体験です
すごろくを楽しみながら
「子どもの権利条約」を学びます
「なんでやねん」マスに止まったら
子どもが普段感じる理不尽あるあるを読み上げ
みんなで
「なんでやねん!」
このすごろくは
子どもの権利条約関西ネットワークの
子どもたちとおとなが開発したものです
西成のしなやかで強い芯を柱に
地域丸ごと子育ちと子育てを
見守っていらっしゃるみなさんのマインドを
学ぶことができました
本校からは4人の先生
中でも岡本先生は赤ちゃんを連れての参加です
(写真真ん中)
赤ちゃんがいても頑張ってお仕事する
おかあさんの姿を
若いみんなに見てもらいたくて
子育てがキャリアアップの妨げになるような
古いしきたりやシステムは
これっきりにしたくて
というのがねらいです
私は自校の先生が産休に入ったら
産休期間中に一度赤ちゃんを連れて
職員室に来るように伝えています
先生方が赤ちゃんと実際に触れ合うことで
その先生が職場復帰後に
子どもの病気で学校を休むときに
他の先生方が
「あっあの子か!がんばれ」
って休みやすいんです
最後にみんなで記念撮影
先日行われた
輪島市の成人式の模様が
公開されました
昨年震災で開催できなかった
今年21歳を迎えるみなさん
そして今年20歳を迎えるみなさん
それぞれを2日間に分けて行いました
プリンセスプリンセスのドラマー富田京子さん
TUBE のベーシスト角野秀行さんを迎え
輪島吹奏楽団の方々と一緒に
本校吹奏楽部がお祝い演奏をしました
https://www.youtube.com/watch?v=G0GvYbm4_7E
本校の卒業生も何人もいます
おめでとうございます
半島の最先端から世界の最先端へ
地震から 432 日目
豪雨から 168 日目
いきなりの世界地図
しかもいつもの見慣れたものとはちょっと違う
しかしヨーロッパ諸国ではこれがスタンダード
日本はヨーロッパから見ると
世界のはじっこ
辺境の地なんですね
そして我々の住む能登半島
かつて高度成長期時代には
裏日本などとも呼ばれる日本海側に位置し
今回のような災害時には
道路が寸断され陸の孤島となるような場所です
この「裏日本」という表現は
戦前・戦後・高度成長期には普通に使われていました
「差別的な表現」とされ今は使われません
近代日本が発展する過程で
太平洋岸ベルト地帯と呼ばれる
京浜 東海 京阪神 瀬戸内 北九州地区が
政治・経済の中心となりました
これは貿易の中心が太平洋側に移ったことと
日本海の対岸の大国が社会主義国となり
貿易が激減したことによります
かつては日本海側の都市も海運でけっこう栄え
1877年には石川県の人口はグッと上がって
181万人と日本一になりました
このときの2位は新潟県で150万人
裏日本が当時の表日本でした
経済面で見ても
日本銀行金融研究所のデータによると
年収ランキング歴代日本一は
徳川吉宗第8代江戸幕府将軍の1294億円ですが
それに次ぐ第2位は加賀前田藩の1135億円です
現代においてはトランプ大統領が170億円らしいので
加賀藩もなかなかのものです
馳知事の年収がトランプの7倍ってことですもんね
世界の辺境の地日本
そのさいはての半島の先っちょ
かねてより少子高齢化に悩むこの土地で今
度重なる災害において
さまざまな社会課題が浮き彫りになっています
しかしこれは災害によって起こった新たな問題ではなく
日本全国で実際に直面している問題
さらには今後世界のあちこちで起こる問題です
少子高齢化で世界のトップランナーである
この地の高校生たちが
地域課題の解決のために立ち向かっています
本日「街プロ」発表会が開催されます
飯田高校 能登高校 門前高校からも参加があり
お互いの探究成果を発表しあいます
いつの時代も新しい芽吹きは
枝の先端から始まります
世界のはじっこ日本の先っちょ
この半島の最先端から
世界の最先端へとはばたく第一歩です
ところでさっきの地球儀の写真
撮影するときにALTのマイケル先生がいたので
『地球儀』って英語で何っていうの?
って尋ねたら
『glove』
と教えてくださいました
「いやいや『glove』 って地球でしょ
自分が知りたいのは『地球儀』の英語!」
って返したら怪訝な顔を・・・
よくよく聞いてみると
『地球儀』なんてものは
そもそも学校教育では使わないとのこと
なので概念そのものがないんですね
さらに『earth』と『glove』はどう違うの?
と尋ねると
『earth』は土でできたものというイメージで
『glove』は丸いものというイメージらしいです
母なる大地としての地球と
母なる星としての地球といったイメージでしょうか
Sun moon Mars と同列として使うのが『earth』
Sun moon Mars なども含めて使うのが『glove』なんだそうです
さらにもっと広義に球体を表す
『sphere』なんて言葉もあるよ
って教えてくれました
なるほど
気体を表すギリシャ語であり
気圧を表す単位ともなっている atm がついて
『atmosphere』
大気や雰囲気という言葉になったのですね
英単語も単なる暗記ではなく
語源や歴史も絡めて覚えると
さらに理解が深まります
教科を超えて知識をつなげ
既習事項としっかりと結びつける
新たな時代を生きる力を身につける
「街プロ」発表会でした
輪島高校以外の高校の発表です
(2)獅子舞で門前を活性化[門前高校]
地域の伝統芸能を自ら舞うだけでなく
ちびっ子向けのイベントも開催
地域の方の喜びの声も大きく
ついには同好会を発足させたそうです
(3)農業で門前を活性化[門前高校]
地元企業や農家に直接インタビュー
自分たちで野菜を直接育て販売しました
余った野菜の使い道を工夫して
トマトソースを作って調理販売しました
(4)商品開発で門前を活性化[門前高校]
震災で作られなくなった伝統のお菓子「ごらいくん」
みんなの笑顔が見たくて復興させることに
金太郎飴を作って全国展開しました
イベントでどら焼きも完売しました
(7)能登のみんなを音楽で元気づけるには?[飯田高校]
自分たちで楽器を演奏して作曲しました
作曲家 詩人 プロの演奏者の協力を得て
曲を完成させました
3月に石川県立音楽堂でコンサートを行います
(8)スポーツでのとげんき!![能登高校]
震災前と同じようにスポーツをしてみたい
こどもたちとの交流イベントのほか
ソフトテニスやバレーボールイベントも行いました
先生対象の卓球イベントも開催したそうです
(9)お店を活性化させるためには?[能登高校]
能登町のお店の活性化に取り組みました
校内の購買に出店することで店の知名度を上げます
購買の仕組みに工夫を加え持続可能性を探りました
困難にぶつかっても諦めない素晴らしい姿勢です
(10)地域デザイン〜仕事〜[能登高校]
能登町「仕事図鑑」を作りました
地元にどんな仕事があるか知ってもらうためです
現代の蔦重みたいですね「能登細見」
中学校や行政への配布も視野に入れています
ひさびさの調理実習
地震から 431 日目
豪雨から 167 日目
1年生の調理実習が行われました
水が出るようになった調理室は
午前、午後フル回転です
地震でミシンが割れてしまったので
手縫いで仕上げたエプロンを着用して調理しました
今回は炊き出しで大人気の豚汁作りにチャレンジです
なんとこんにゃくがハートになってました
愛情たっぷりの豚汁に心身ともにあたたまりました
以上家庭科の山上佳織先生からの報告でした
3月7日(金)本校を会場に
「ぼくらのまちはぼくらがつくる」
『街プロ』発表会が開催されます
今回被災した奥能登から3校をお迎えして
それぞれの街で取り組んでいる
被災地復興の取り組みを発表し合います
日程は以下のとおりです
10:00 受付
10:30 開会式
10:40 ステージ発表
12:20 昼食
13:20 ポスターセッション
14:20 閉会式
発表の内容がまとまりましたのでお知らせします
1 「朝市復興計画~新しいスタイルの多世代朝市~」輪島高校
2 「獅子舞で門前を活性化」門前高校
3 「農業で門前を活性化」門前高校
4 「商品開発で門前を活性化」門前高校
5 「人も猫も食べれるお菓子」輪島高校
6 「みつばちプロジェクト」輪島高校
7 「能登のみんなを音楽で元気づけるには?」飯田高校
8 「能登健康増進プロジェクト~スポーツでのとげんき!!~」能登高校
9 「能登町のお店を活性化させるためには」能登高校
10 「地域デザイン~仕事~」能登高校
11 「輪島の『楽しい』をつくる」輪島高校
12 「震災を超えて響く花火の音~花火復興プロジェクト~」輪島高校
13 「海辺で映画を見よう」輪島高校
どの学校も工夫を凝らしたアイデアですね
楽しみです
どうぞお越しください
企業様とも繋がってアイデアが現実化することを
願っています
昨日の朝日新聞に
沖縄尚学野球部 比嘉公也 監督の記事を見つけました
監督は
テストで赤点を取った部員には
練習参加を認めずずっと草むしりをさせるそうです
そんなに難しい問題はつくっていない
ふつうにちょっと努力をすればできるのに
点数がとれないということは
やらなくてもいいとか
いやなことから逃げるとか
そういう要素があると
おっしゃっています
沖縄尚学の強さはそんなところにあります
人としての強さというのは
練習以外の
日常生活のあらゆる場面で
培うことができるのです
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は3月21日「春が来て君は綺麗になった」
のコラムを読んでくれた生徒からです
彼は震災により
2年生の途中から本校へ転学してきた生徒です
面接でサッカーが好きと言っていたので
入学前だけど
3月21日にいいことあるから
一度学校においでと伝えてあった生徒です
๒0๒๔年0๓月๒๑日地震から๔๑日目
季節外れの雪が降りました
この日僕ははじめて輪島高校に入りました
いつも学校の前を通ってますが
一度も入ったことがなかったのでドキドキしました
先生に呼ばれただけだったので
どこへ行けば良いかわからず
とりあえず知っている友達を探しました
久しぶりに会う友達がいっぱいいて懐かしい匂いがしました
小中学校以来はじめての全校集会を体験しました
人が多かったですがとてもワクワクしました
そそそそそしてなんと本田圭祐さんが来てくれました
まじで神すぎる
名前を聞いた瞬間興奮しました
昔から憧れお手本にしてきた選手
つい朝までYouTubeで見ていたプロサッカー選手が
目の前にいるので震えが止まりませんでした
そして彼は地震で心が病んでしまった輪島の人々に
「つらいことを体験したみんなだから
日本中の誰よりも強くなれるよ」
と激励の言葉をくれました
しびれるねぇ
この経験を糧に変えて強くなります
《左手 ナタコーン》
怖い話
地震から 430 日目
豪雨から 166 日目
震災直後から
さまざまな支援のお声かけをいただいています
発災直後にあったこんなお話
「被災地の子供たちに贈り物がある
せひ全生徒に配付してほしい
さらなる支援も考えている
一家庭あたり〇〇万円を
全生徒にお配りしたい」
あるところにはあるもんだと感心しきり
「贈り物の中に連絡先を書いておく
希望する家庭は
それぞれで直接申し込んでもらう
我々は指定された金融機関に直接振り込む
学校には一切負担をかけない」
そんなことまでしていただけるのかと
細かい心配りに感謝
もともと人を疑うことを知らない脳天気な性格に加え
発災直後で混乱状態になっていた私は
「これはありがたい!即申し込もう!」
実は奥能登の他の高校にも申し入れがあったようで
ある学校の教頭先生が
「これちょっとおかしくないですか?」
冷静になって考えると確かに・・・
口座番号も含めた個人情報をこんなに無防備に・・・
そこで支援先に対して
「学校が責任持って全生徒に配付するので
一括して学校の講座に入金してほしい」
と申し入れをしたところ
それ以来連絡がありません
この支援先について調べてみたところ
その母体は・・・
怖くて書けません
気づいた教頭先生は部活動でならした先生
数々の修羅場をくぐり抜け身につけた
危機を察知する
その動物的カンはさすがです
そして発災後このように
各学校が教育委員会を中心にして
情報を共有しながら前へ進んでいます
一昨日行われた卒業式で
輪高新聞が配られました
次のようにメッセージを残しました
「誰よりもつらい思いをしたみんなはきっと誰よりも強くなれる」
サッカー界のレジェンド本田圭佑さんが
本校に訪れみんなに投げかけてくださった言葉です。
PTG(心的外傷後成長:Posttraumatic Grouth)という言葉があります。
(1)「他者との関係」他者を思いやる気持ちが強くなります。
そしてつらいときには誰かに頼ってもいいんだと思えるようになります。
(2)「新たな可能性」が生まれます
それまで描いていた人生の道筋とは異なる方向性を余儀なくされます
だからこそ新しい可能性が開けてきます
(3)「人間としての強さ」が芽生えます
つらいことに見舞われてそれでも今まだ自分は生きている
自分が思う以上に自分は強いと実感できます
(4)「精神性的な変容」が訪れます
人間の存在を超えた現象や事柄に向き合うことで
生き方や魂について思いをめぐらせるようになります
(5)「人生に対する感謝」の気持ちが溢れてきます
これまで当たり前と思っていたことが実は奇跡
変わらない平凡な毎日にこそ感謝の気持ちを強く感じるようになります
例えば野球部の生徒たち
無惨に砕かれたグラウンドを目にして自分たちのグラウンドを元通りにしたい
行政にかけあってもそれよりも優先すべきことがありなかなか前には進めません
ついには自分たちでグラウンド整備から始めました
どれだけ石ころを拾っても拾ってもきりがありません
それでもいつかプレイのできる日を夢見て力を合わせます
野球部は練習の前後にグラウンドに挨拶します
それは誰に?野球に神様?それって誰?本当にいるの?
今なら確信を持って答えることができるでしょう
これまで普通に野球ができていたこと
これは本当は奇跡的なことであって
そこに辿り着くまでに多くの方の力があってのことだと
身を持って感じることができたはずです
君たちの子供らが将来挨拶する野球の神様
それは間違いなく君たち自身なのです。
『街プロ』発表会のお知らせ
地震から 429 日目
豪雨から 165 日目
昨日行われた卒業式で
PTA会報「青桐」が配付されました
例年PTA役員の方々に
執筆をお願いしているのですが
今年は役員を選出せず
「全員が役員!
楽しいことだけやりましょう」
をモットーに活動してきましたので
原稿も一般公募して
「ぜひお子様に残したいメッセージを」
としました
例年に増して心のこもったものになりました
私も次のようにメッセージを書きました
「東日本大震災が起こった日は入学式の行われる少し前の日でした
新しいランドセルは手を通されることもなく津波に流されました
土砂の中からそんなランドセルを見つけたお母さんがいました
水道が来ていないので溜め水で懸命に洗いましたがきれいにはなりませんでした
悲しみの新1年生たちには新しいランドセルが贈られ
入学式を迎えることができました
でもその子が入学式の翌日から6年間背負い続けたのは
お母さんが洗ってくれた傷だらけのランドセルだったのです。
能登半島地震が起こったあと初めて高校に生徒が集まる日のことです
水道が来ていないので洗濯ができないことから私服登校を認めました
ただひとり制服で登校した生徒がいました
聞くとお母さんがその制服を持って逃げてくれたのだそうです
他にも大切なものはたくさんあったはずなのに
お母さんが真っ先に心配したのが娘の学校のことだったのです
その話を聞いて生徒と保護者の学校に対する想いを実感し
学校の責任の重さをあらためて考えさせられました
今日はその制服を着る最後の日ですね」
「ぼくらのまちはぼくらがつくる」
輪高生のまちづくりプロジェクト『街プロ』
成果発表会を行います
一般公開いたします
お誘い合わせの上ぜひお越しください
今年1年間
生徒達がとりくんできた
まちづくりの成果を
ステージ発表と
ポスターセッションで披露します
3月7日(金)より
本校の第一体育館で行います
地震で壁はひび割れ
床が窪んだ悲惨な状況の場所ではありますが
危険立入区域には指定されていませんので
その被災状況も合わせて
ごらんになっていただきます
日程は以下のとおりです
10:00 受付
10:30 開会式
10:40 ステージ発表
12:20 昼食
13:20 ポスターセッション
14:20 閉会式
どなたでも参観できます
正面玄関よりお入りください
駐車スペースはございません
あらかじめご了承願います
ステージ発表の際には
質疑応答の時間は設けません
発表グループは
午後のポスターセッションでも
発表しますので
その際に直接ご質問ご意見をお寄せください
なお今回は奥能登の公立高校より
飯田高校(午前中のみ)
能登高校
門前高校
からも参加してもらいます
高校間を超えた交流も予定しています
それぞれの学校が
それぞれの場所で
生まれたまちを甦らせるために
がんばっています
お待ちしています
ぜひお越しください
【今週のありがとう】
東大阪ロータリークラブのみなさま
貴重な備品ありがとうございます 大切に使わせていただきます
谷村誠会長はじめ神戸市立保育園連盟のみなさま
おいしいお米ありがとうございます ご家庭に配付しました
岐阜県 関商工高校 鷲見椿さんとおともだち
「能登新聞」で被災地の状況を伝えてくれてありがとう!
広島県立芦品まなび学園高等学校 祝迫直子先生
ようこそお越しくださいました そして災害支援ありがとうございます
公益財団法人 旭硝子財団のみなさま
奨学金ありがとうございます 未来へ歩き出す大きな支えです
※このコーナーでは
これまでご支援いただいた方々を
順に紹介させていただいています
未来へ向かって飛び立つきみへ
地震から 428 日目
豪雨から 164 日目
卒業式が行われました
会場をお花で飾ってくださったのは
FlowerSchool Muguet の
水上 詩子 さま
昨年の音楽堂での卒業式
今年の入学式に続いて
3回目になります
金沢でフラワースクールを主宰されています
卒業生が胸にあしらう
すずらんとアイビーのコサージュも
全員分を手作りしてくださいました
スズランの花言葉は「幸福の再来」
ヨーロッパでは聖母マリアの花とされます
葉の影に隠れてしまいそうな小さな花が
被災地から立ち上がる小さな希望のようです
またアイビーの花言葉は「友情」「永遠」
アイビーが持つ強い生命力と
しっかりと絡みつくツタの性質が
力強く未来に向かって伸びていく姿を想像させます
卒業生一人ひとりに
エアリーフローラが手渡されました
名古屋市立西陵高等学校の
昨年度の2年5組のみなさんからも
お祝いメッセージカードが届きました
昨年発災後まっさきに
ハンカチとかコスメとか
女子高生ならではのアイデアの
支援をしてくださったクラスのみなさんからです
カードはこちら
仙台育英高校の野球部のみなさんからも
豪華な花の贈り物です
卒業式はどうやら雪の特異日のようでして
北陸では毎年不思議と雪がちらつきます
今朝も早くから係の先生方で駐車場の整理
思い出に残る卒業式にしようと
裏方さんもみんなで力を合わせます
会場である体育館への通路は
未だ崩れたまま
ブルーシートで覆われた通路を通ります
ゆがんだ通路をくぐると
みんなで仕上げた立派な式場へ
夜の体育祭にお招きくださった
福岡第一高等学校の校長先生や
本校にお勤めくださった
春木先生 大坪先生 矢知先生 松村先生 玉置先生
からお祝いのメッセージをいただきました
全校生徒で行う卒業式は
6年ぶりです
つまり今回の卒業生にとっては
中学高校を通して初めての経験です
どうですか?
思い出に残るものになりましたか?
小学校の卒業式に比べると
高校の卒業式は
味気なく感じたかもしれませんね
公費解体を待つだけの我が家の
タンスの下敷きになっていたギター
坂崎幸之助さんに憧れて
高校卒業のときに買った
6弦と12弦のダブルネックのアコギ
この思い出のギターで
卒業生の門出をお祝いしようと
秘密裡に練習してきました
挨拶が下手な私はお歌で勝負です
「あんなにも
すきだった
きみがいた
このまちに・・・」
選んだ曲は玉置浩二さんのメロディー
「あのころは
なにもなくて
それだって
楽しくやったよ」
下手にグダグダしゃべるより
よっぽど気持ちが伝わりそうな気がして
「メロディー
泣きながら
ぼくたちは
しあわせを
見つめてたよ」
のつもりでした
ギターを持ち上げたとたんに
カランカラン
弦にはさんでおいたピックを
ギターの穴に落としてしまいました
しっとりと6弦のフィンガリングで
静かに始まり
サビはピックで12弦のストローク
劇的なアレンジをしたつもりが
始まってもいないのに早くも破綻です
頭の中が動揺したまんま
止めるわけに行かず
案の定いきなり歌詞を間違えました
もうあとは思いついた歌詞を
適当に繋げグダグダでした
このプレッシャーに弱い性格は
どうにもなりませんね
それにくらべ
在校生代表の邑田達紀さんの送辞
卒業生代表の志田心湖(ここ)さんの答辞は
とても立派で心うつものでした
ここちゃんの答辞の中で
心に残ったのは
「嫌われてもいいからと
それでも厳しく指導してくださった先生
ありがとう」
のフレーズです
先生だって人間だから
生徒に嫌われたくはないんですよね
でも信念を持って生徒に接してくださった先生
生徒にはちゃんと伝わっています
私が見ていないところで
若い先生方はこのようにして
生徒に接していてくださったんだなと
思わず教員席の方を見てうるうるしました
式辞の最後に
卒業生みんなに向けて
ここちゃんにちなんだ言葉を贈りました
輪島に残るみんなへ
「それでもここ輪島にいる」
一旦輪島を離れるみんなへ
「それでもこころは輪島にある」
こちらもどうぞご覧ください
だがしの日イベントin能登
地震から 427 日目
豪雨から 163 日目
今日は「だがしの日」
バレンタイン
ハロウイン
海外発祥のお菓子にちなんだイベント数ある中に
唯一日本が発祥のお菓子イベントです
「DAGASHIで世界を笑顔にする会」
のみなさんが訪ねてくださり
こどもたちを笑顔にしてくださいました
本校からもJRC部と野球部の生徒が参加して
運動会や紙芝居など
こどもたちを笑顔にしてきました
輪島高校では3年に一度
生徒会誌「潮鳴」を発行しています
3年間の部活動の活躍など
生徒会がまとめあげます
今年はその発行の年にあたります
巻頭言に次のように書きました
東日本大震災を経験された方からこんな手記が届きました。
『こんな時に産んでごめん』『笑顔のお母さんでいられなくてごめん』ニュースを見ては心をえぐるような情報が入ってきて、心に余裕がなくなり子供にきつく当たってしまい、泣き叫ぶ子供から逃げるようにトイレに逃げ込む日でした。「今が一番いい時よ~」0歳と2歳の娘といると時折そう言われました。『こんなにも苦しくて泣いたり怒ったりしてばかりなのにこの日々が一番いいときなの?じゃあこれからはもっと苦しくなるの?』今でも子どもたちには申し訳なかったなと思います。確かに今思えば本当にかわいい時期だったのです。でも私にとっては一番苦しい時期でした。間違いなく一番苦しい時期でした。
あのとき私が聞きたかった未来の自分からのメッセージを書きます。
「よく毎日をすごしてるね。とりあえずご飯を食べさせて、寝させて、大きな怪我がないように大きな病気にならないように。がんばって守ってるね。部屋はぐちゃぐちゃだし、ご飯もちゃんと作れてないし、今日も怒っちゃったろうね。でもね、毎日ぐじゃぐじゃだけど生きてきてくれたから今があるよ。ありがとう。ギリギリな感じだけどよく乗り越えてるよ。大丈夫。子供たち大きくなったよ。いっぱいいっぱい心配したけど、ちゃんと成長したよ。思っていたよりもいいことたくさんあったよ。出逢いもいろいろあったよ。いつか子供たちがね、大きくなってくるとあなたも余裕が出てくるよ。そうするとね、今はできないこともできるようになるよ。子供もあなたも家族も状況もどんどん変わっていくよ。子供たちが逆に励ましてくれたりするよ。だから、もうちょっと肩の力を抜いても大丈夫。今かなり苦しいと思うから、そんなときになんとかしなくちゃって焦って思わないで。いいタイミングが来るよ。いい出会いに助けられることもあるよ。叱らなきゃ、ちゃんとさせなきゃって思わないでも大丈夫だよ。いいところたくさん見つけてあげて。そして自分もよくやってるねって思ってあげて。あんまり思えないだろうけど思ってあげて。自分が思っているより周りの人はあなたのこと「よくやってるなー」って思ってるからね。がんばってくれてありがとう。子供たちを守ってくれてありがとう。あなたの毎日が今の力になってるよ。ありがとう!」
みなさんには、未来の自分から今の自分にどんなメッセージが届くのでしょうか?
明日は卒業式です
どちらにつこうかな?
地震から 426 日目
豪雨から 162 日目
地震そして洪水に襲われた輪島ですが
少しずつお店も戻ってきて
スーパーなどで買い物をすることも
できるようになってきました
とはいえ夜の7時に閉まってしまうので
先生方の買い物も大変です
部活動の練習は7時近くまで
その後職員室で残務や次の日の準備
そんな生活が日常化していましたが
それでは店が閉まってしまうので
退校時刻が早くなっているような気がします
先生方には
「遅くまで残ってお仕事している先生を
熱心な先生だと評価する時代は終わりました
私は
夜遅くまで学校に残る教員を
時間内に仕事を終えるための
タイムスケジュールのできない無能教師
と評価します」
と伝えてあります
かなり乱暴な言い方ではありますが
教員の命を守るためと
教員の成り手不足を解消するため
あえてそのように伝えてあります
以下の話は耳にしたことのある方も
多いと思います
この図はアメリカ軍が作った図です
帰還した戦闘機のどこに被弾しているかを
プロットしたものです
赤丸が被弾した部分です
このデータを元に
航空機の強化のために補強します
とはいえ機体はできるだけ軽量にする必要があるので
補強部分は最低限にとどめる必要があります
さて
どの部分を補強すればよいでしょうか?
軍が補強したのは
コクピットや主翼の付け根
つまり真っ白な部分です
たくさん被弾した真っ赤な部分ではありません
なぜか?
白い部分は被弾していないわけではありません
被弾した戦闘機は撃墜されて
帰還できなかったのです
私自身若い頃
日付が変わる頃まで仕事に追われ
翌朝は4時くらいに起きて出勤するという
今考えるとなんともバカバカしいことをしていました
帰宅途中に気がついたら
信号機のある交差点のど真ん中に
車を停めて寝ていたり
家に着いたと思って車を降りたら
全く見たこともない山奥だったり
たまたま被弾したのが
翼の先っちょの真っ赤な部分だっただけで
今こうして生きているのは
運良くコクピットを撃たれなかっただけの話です
ですので
今輪島のまちは
午後7時を過ぎると買い物ができない
だから仕方なく教員は早くに退校する
いい流れになっています
とはいえ閉店間際のスーパーのレジは
ごった返しています
生まれつきギャンブルに弱い私は
レジの選び方も本当に下手くそです
並ぶレジ並ぶレジなぜか回転が遅く
「レジどこに並ぶ?」問題に
直面しています
まず基本は
ついている人数の少ないレジに並びます
そんな時に限って前の人が
カートの下にもカゴを積んでいて
わんさか買い物をしていたりします
人数だけではなく
列についている人のカゴの中身も
チェックしなければならないことを学びました
列の人数とカゴの中身
双方をチェックした後に最適なレジに並んでも
なぜか自分の列だけ進みが遅い
ようやく自分の番が来て
レジの方の名札を見たら「見習い中」
やはりベテランレジの列に並ばなければ…
新たな学びです
列の長さとカゴの中身そしてベテランのいるレジへ
あとひとりで自分の番
そのとき前の客と店員が顔馴染みだったらしく
事もあろうに世間話を始めてしまいました
「無駄話をせずに仕事しろ」と言えない
気の弱い私は一緒に相槌を打っていたり
列の人数とカゴの中身ベテラン店員に
列の前におしゃべりそうなおばちゃんがいないこと
今度は完璧です
ことのほかスムーズに進み
よしよしとほくそ笑んでいると
前のお客さんのカゴの中に
バーコードのついていない品があったらしく
「ちょっと確認してきます」
あれあれ店員がどっか行っちゃいました
そうこうしているうちに
遠くのレジでは
「お次お待ちのお客様こちらどうぞ!」の声が
空きレジにヘルプが入ったようです
次回は空きレジの隣に並んでみようと思います
闘いはまだまだ続きそうです
Build back better
地震から 425 日目
豪雨から 161 日目
こちらは石川県教委が準備してくださった
住む家をなくした能登地区の教員のための住宅です
小中学校の先生方16名が入居しています
廃校となった中学校の跡地に立っています
私は正直退職まで校長室に寝泊まりする
覚悟でいたのですが
おかげで風呂に入れる生活ができています
本当に感謝です
湿気がひどくてすぐ壁に青かびが生えます
ペニシリンでも作って商売しようかと考えています
写真手前が駐車場なのですが
田んぼのようなぬかるみ状態
そこで先生方は自然発生的に新しい駐車場を
定め利用するようになりました
隣には新たな棟の建設が始まっています
もともと能登地区には
アパートが不足しており
飯田高校の先生がようやく見つけたのが
輪島のアパートで
輪島高校の先生がようやく見つけたのが
飯田のアパート
60kmほど離れた学校に
お互い1時間以上かけて通勤するなど
相当お間抜けな状態が日常化していたので
その解決策にもなるのかなと思います
春になると仮設校舎の建設が始まり
早ければ秋からの運用を考えています
こちらは旧職員室
最も傾きの激しい2号棟にあります
写真が曲がっているのではありません
部屋がもうゆがんでいるのがわかると思います
先生方がいっせいにこの部屋に入り
仮設校舎へ運ぶべき荷物の
整理を始めました
このブログを読んでくださった
国連開発計画(UNDP)シリア事務所等で活躍された方から
お便りが届きました
”Build back better”という
国連機関の災害復旧支援の合言葉を
教えていただきました
ハード面で被災前より良い施設や生活基盤を作ろう
というのが本来の意味です
「災害復旧は現場復帰が基本
それ以上にする贅沢は許されない」
とする日本の行政のあり方は改めるべきです!
とはいえ金が無尽に湧いて来るわけではないですからね
難しい問題です
もうひとつこの言葉には
「被災した個人やコミュニティが
その経験を共有することが
他の地域の人たちにとって深い学びになる」
という意味も込められているそうです
このブログが他の地域への経験の共有という意味で
役に立てばいいなと
背中を押していただいた思いです
以前本校に勤めていた玉置先生が
赤ちゃんを連れて遊びにきてくれました
玉置先生のご実家は
珠洲で珪藻土の七輪の切り出しをされていて
以前の地震で工場が全壊
復旧して再開していたのですが今回また…
元気な赤ちゃんは現在8ヶ月
被災して避難生活が続く中で
それでもこの世に生を受けました
「珠洲の海で生きる」と書いて
生珠(うみ)ちゃん
とっても素敵な名前です
ココスクとPTO
地震から 424 日目
豪雨から 160 日目
学年末考査3日目
教室では生徒が残って黒板を使って
自主的に教え合いの学習会を開いています
こちらもマンツーマンでの指導
英検の練習です
稲舟地区の危険区域立入禁止の指定がはずれました
発災以来初めて立ち寄ってみました
以前あった道路の脇に
新しく登る道路を建設中です
坂道から見下ろすと
全く手つかずの家がそのまま残っています
坂の上にある輪島市営野球場は
まったく使いものになりません
稲舟地区にはかつて輪島実業高校があり
閉校後は野球部がグラウンドを活用していました
野球部が使っていたグラウンドは
崩落こそしているものの
中央部は使えそうです
稲舟校舎(旧輪島実業校舎)は
亀裂が走り建物が傾き窓も割れていました
こちらは輪島市総合体育館
使えそうもないですね
子供たちが思いきり運動できる場所が
ことごとく壊されています
輪島高校の施設で使えるものがあったら
お貸ししたいと考えています
さて被災した状況で
これまでどおりのPTA活動なんかムリ!
というわけで
「楽しいことだけやろう」
「できる人だけでできることだけやろう」
昨年1年間こんな感じで
PTA活動をやってまいりました
一部の役員が苦労して電話して仲間を募り
無理矢理組織していた各種委員会
これも廃止する
次年度はそんな方針で臨みます
PTAは本来
学校と保護者が協力して
子供たちの健やかな成長を見守り
よりよい学校生活のために
活動すべきもの
それがいつしか
無理矢理役員を引き受けてもらって
一部の役員だけが苦労して
前例踏襲のためだけに
漫然と続けている
そんな組織になっていました
全国を見ても
PTA活動の見直しを進めている学校が
ちらほら見られます
まずは兵庫県川西市の保護者グループ
「ココスクール(Connecting Community School)」
1つの中学校と3つの小学校で編成しました
ニックネームは「ココスク」
こどもたちをココでスクすく育てる
という意味が込められているそうです
役員はなし
参加資格は全保護者と全教職員
活動の方針は
「子どもの命や安全に関わること」
「学校が必要とするときに繋がれること」
のふたつのみだそうです
ただ個人の声だと届かないことが
組織のだとしかるべきところに届く
なのでなくすることだけは避けました
なくなることで
子どもたちにしわ寄せが行くことだけは
避けなければなりません
また東京都のある小学校の
「PTO(Parents Teacher Organization)」
Oには「応援団」という意味もあるそう
「できるときに
できる人が
できることだけやる」
会員が好きな活動を
好きな時に手伝うボランティア制です
これらの先進校の事例を参考に
本校もPTA活動のあり方を
見直していきます
保護者と教職員全員が会員です
「やってくれてありがとう」で済まさず
全員が会員である思いを持った
組織になればいいなと思います
「それでも輪島にいる」
みなさんへのお願いです
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は2月7日「能登の我慢を日本の前提にするな」
のコラムを読んでくれた生徒からです
自分達の学ぶための場所がなくなるのは嫌ですが、市民のためとなると仕方ないような気もしてきます。でも教育長さんたちがなるべくグラウンドのスペースが空くようにしてくださっているのがとてもありがたいです。地震が起きてから関わってくださる人や起きる前から関わってきた人、皆に感謝して受けた恩を忘れずに日々生きていきたいです。やる気があれば工夫のしかた次第でどうにでもなる。《尾崎 煕》
卒業制作ができました
地震から 423 日目
豪雨から 159 日目
学年末考査の2日目
生徒が熱心に質問に訪ねてきます
部屋もないので
寒い廊下で質問対応です
「動物と共生するまちづくりの会」
の石津佐智子さまより
お便りをいただきました
この会は
災害発生時のペット同室避難について活動なさっており
今回
「避難情報発令時、全市民が徒歩で行ける範囲に
最低一か所の『ペット同室避難』可能なスペースを
確保することを求める署名」
4,835筆を明石市に提出されたそうです
議会本会議のあと議長に請願書を提出され
全会派の推薦を得られたとのことです
市長に署名簿を提出し
防災担当部長 環境局長 教育委員会課長にも
訴えかけられたそうです
ここから第一歩を踏み出されることとなりました
大成建設さんとコラボして進めてきた
「転生プロジェクト」
災害ゴミに新たな命を吹き込むプロジェクトです
ビジネスコースの3年生が
卒業制作として取り組んでいたベンチ
完成して校庭に設置されました
被災地の瓦や漁網などを転生させました
表面の網目模様が漁網です
これから校庭でみんなを見守っていきます
【今週のありがとう】
金沢大学 上原 爽世花 さま
「能登写真展」成功裏に終わったことと思います
福田圭一監督はじめ遊学館男バレのみなさん
横断幕ありがとう!これからもよろしく!
For Michael Blayde's Mom
Thank you for the christmas card.Your son is doing well.
石川教育公務員弘済会のみなさま
助成事業への採択ありがとうございます
作曲家 弓削田 健介 様
「フェニックス」素敵な曲ありがとうございます
※このコーナーでは
これまでご支援いただいた方々を紹介させていただいています
それでも輪島にいる!
地震から 422 日目
豪雨から 158 日目
「ぼくらの街はぼくらがつくる」
輪島高校では生徒が
街づくりプロジェクト「街プロ」
に取り組んでいます
先週
一年生4名と三年生3名が
鳥羽市にあるプラスチック再生工場を
見学してきました
今のプラスチックの状況や廃棄物処理の方法など
詳しくみっちり見学させてもらいました
特にまるでアートのようなアップサイクルプラが
分別された破材から高温圧縮で加工される様を
興味津々でみてきました
輪島漁業組合から分けてもらった
廃棄扱いだった漁網が
どんな色合いで生まれ変わるか楽しみです
また先日小松大谷高校で練習試合をした
男子バレーボール部が
横断幕をいただいてきました
これは県内高校のバレーボール部が
春高バレーに出場する小松大谷高校さんに贈った
心をひとつにしたメッセージです
今回被災地のために想いを繋いでくださり
本校へとバトンリレーしてくださいました
このもようは
26日(水)夕方
石川テレビの
「石川さんパレット」で放送されます
今日から学年末考査が始まっています
みんな真剣に取り組んでいます
それからサプライズなお客様
五年前に本校に留学生として通っていた
キーガン君が訪ねてくれました
すっかりたくましく成長された彼は
現在カナダの大学で心理学を学んでいます
本校在学時代
一生懸命勉強していた図書室や
お琴の練習に励んでいた和室など
懐かしそうに見学していきました
それから本日は学校評議員会が開催されました
委員長の橋田宏幸先生より
「それでも輪島にいる」
こどもたちのために
高校ができることは何か
しっかり考えながら
教育活動を行ってほしいとの
お言葉をいただきました
橋田先生は
輪島女子ミニバスチーム
「レッドイーグルス」を率いて
能登から日本一の偉業を成し遂げるなど
その功績が認められて
先日
「いしかわ中日体育賞」を受賞なさいました
「それでも輪島にいる!」
このことばを
これからの輪島高校の
キャッチコピーとさせていただきます
さて国土交通省は
航空大学校において
入学用件に定める158cm の身長制限を
撤廃する方針を固めたそうです
国内の操縦士の約4割を輩出している
航空大学校では
女性パイロットを増やすことを
検討しています
身長が158cm未満でも
操縦装置に手足が届けば問題ない
とのことです
昔身体計測で座高を測っていましたが
それも戦時中にパイロットになれるかどうかを
判断する基準だったと聞いたことがありますが
実際どうだったのでしょう?
一般的な説明としては
内臓が十分発育すれば
胴が長くなる
すなわち胴長短足は順調な成長の証
と言われていましたが
その割に私は
すぐに腹をこわしますので
胴の長さのわりには
内臓が充分に発育していないようです
現在学校の名簿は男女混合ですが
21世紀初頭までは
男女別名簿を使用していました
男子がさきで女子があと
ジェンダー問題から
今の形に落ち着きましたが
当時はその是非について
よく議論されていました
さらに昔は
50音順ではなく生まれ順
つまり生年月日の順に並んでいました
4月26日生まれの私は
いつも3番か4番でした
これはなぜか調べてみましたが
明確な答えが見つかりませんでした
私はこれは
戦時中の徴兵順ではないかと考えています
早く成人した男子から徴兵するためです
どなたかご存じの方教えてください
ところでうちの孫娘のうーちゃんは
身長制限により遊園地の乗り物にまだ乗れません
3連休も終わりですね
地震から 421 日目
豪雨から 157 日目
3日間まるごと豪雪に翻弄され
挙げ句の果てには朝早く余震が来るなど
退屈しない連休ではありました
全国的に見ると
さまざまなイベントが行われているようで
平和でいいなと羨ましくも微笑ましい3日間でした
北海道では「昭和新山国際雪合戦」が開催され
全国から127チームおよそ1200人が参加しました
雪合戦の聖地で熱い戦いが繰り広げられました
また温泉のまち静岡県伊東市では「枕投げ大会」が開催され
全国から集まった48チームが浴衣姿で戦いました
こういったおまぬけなことを真剣にやることが大好きな私は
いつか輪島高校でチームを編成して
挑戦させたいと考えています
こういうおまぬけな大会は世界的にもたくさんあって
教育大国フィンランドにおいて
その傾向は顕著です
まずは「世界ヘビメタ編み物選手権大会」
フィンランドで特に人気のある
ヘビーメタルのライブをバックに
これまたフィンランドで人気の編み物をするという
訳のわからない大会です
そしてなんと第1回大会の優勝者は
日本人だそうで
なかなか日本も教育大国という意味では
負けていません
それから「蚊叩き選手権」
蚊が多い地方で
蚊をやっつけることを大会にして
村おこしをしちゃったという事例です
これらのフィンランドネタは
大好きなポッドキャスト番組
「そんない雑貨店」からの引用です
とっても面白いのでぜひ聴いてみてください
さて先日亡くなられた森永卓郎さんが
週刊誌に連載していたコラムの最終回を
読ませていただきました
命を削って書かれた最期のコラムには
このように書かれていました
「今後は定型的な仕事は
どんどんAIに置き換わる
数多の職業が淘汰される中
最後まで残る仕事とは何か?
それは『アート』だ
職場で新規授業を生み出す創意工夫をはじめ
『創造力』を源にした仕事は全てアートだ」
先述の「枕投げ大会」は
地元の高校生の発想が元になっていますし
「ヘビメタ編み物大会」は
一見無関係なものを組み合わせて
新しい価値を生み出したもの
「蚊叩き大会」は
弱みを強みに変えた好事例です
いずれも見事な「アート」です
屋根の上に軽四7台!
地震から 420 日目
豪雨から 156 日目
ひとしきり雪が激しくなってきました
輪島では単位時間あたりの積雪量
観測史上一位タイを記録しました
雪の重みによる家屋の倒壊が気になります
雪の重さはどれくらいでしょう
さっそく実験してみました
踏み固められていない庭の一角から
30cm四方の穴を開け
その中の雪を採取しました
深さも30cmでした
これを持って体重計に乗りました
ただいまの記録 80.3kg
雪を降ろして再び体重計に
74.3kg(衣服含む)
雪の重さは
80.3 − 74.3 = 6.0 kg
体積も測ってみました
採ってきた雪を溶かして
4Lの梅干し瓶で測ると1本半
つまり6L
水の比重は1
1Lの水の重さが 1.0 kg なので
6Lで 6.0 kg
さきほどの測定の正確性が確認できました
L は ℓ のこと
ある年齢以上のみなさん
今学校ではリットルをLと表記するんですよ
ヤングのみなさん
昔リットルは ℓ と表記していたんですよ
今回は
面積 30 × 30 = 900cm2
大雑把に見繕って
0.1 m2 あたり6kg
1m2あたり 60 kg
の積雪があったと
見積もっておきます
ところで
取り出した雪片は
1辺 30cm3 の立方体です
体積は 30 × 30 × 30 = 27000 cm3 = 27L
これが溶けて6Lの水になったので
凍ることと
空気を含むことにより 4.5 倍に
体積が膨らんでいたことになります
水は凍ると体積が増すという
特殊な性質を持っています
この性質を持つ物質は
水以外には
アンチモンやビスマスぐらいしかありません
そして水は 4℃で密度が最大に
つまり一番重くなります
氷河期の海底や湖底には
4℃の水が安定的に存在していて
陸地がどんなに冷えても
その水に生物が守られて
氷河期でも絶滅せず生き延びたと
考えられています
さあいよいよ家屋の上に
どのくらいの重さの雪があるか
求めてみます
Google マップで屋根の面積を計算です
ふたつの長方形に分けて
12 × 7 + 7 × 6 = 84 +42 = 126 m3
屋根の上の雪は
60 × 126 = 7560 kg ≒ 7.5 t!
以前リフォーム会社の方が
「軽四自動車7台分
7tの重みがかかりますよ」
って言っていたのと
一致しました
今回の雪は比較的
パウダースノーに近い
サラサラの雪でしたが
いつもの北陸地方の雪は
もっと水分を含んだ重い雪なので
さらに注意が必要です
豪雪対策で最も効果的なのは
瓦を軽いものに替えることだそうです
全国から入る復旧支援の方は
まず屋根が真っ黒なのに驚かれます
生まれてこの方
これが普通と思っていましたが
言われてはじめて気づきました
昔ながらの能登瓦は
水田の土を使い
山の薪を燃料に焼成され
漆黒の釉薬で覆われており
真っ黒でずっしり重く
耐寒性に優れます
海に向かって斜面が続く能登半島の海岸線で
高台から集落を隔てて海を見下ろすと
艶やかに光り輝く瓦の表面と
青い海のコントラストに心が奪われます
この光景はNHK朝のテレビ小説「まれ」の
オープニングでも流れていました
おそらく雪が溶けやすいように黒く
日本海から吹き付ける冬の季節風に飛ばされないよう重く
進化してきたものと思われます
今回の地震でも
昔ながらの製法で焼かれたものは
限りなく強く決して割れなかったそうです
伝統をとるか
安全性をとるか
難しい選択です
尊い仕事に就くみなさんへ
地震から 419 日目
豪雨から 155 日目
発災以来長きにわたって
自衛隊の方々のご活躍の場面を
ずっと目の当たりにしてきました
床が歪み
壁がひび割れ
すきま風が入り込む
凍てつくような
傾いた体育館の中で
足の踏み場もないほどに
敷き詰められた
狭い簡易ベッドで
ひととき身を休めながら
ずっと人命救助に
当たってこられた
自衛隊員の姿を見てきたのは
生徒も同じでした
この尊い仕事に自分も携わりたい
と決意したふたりの生徒が
自衛隊に入隊します
石川県自衛隊入隊入校予定者激励会に
参列してまいりました
自衛隊さんにご支援をいただいて以来
イベントには極力参加して
お礼を申し上げることにしています
今日は入隊予定者が
ひとりずつ壇上に上がり紹介されました
主催者である石川県防衛協会の
副会長の里谷光弘様は
本校の建設にもずっと関わってくださっていて
そのご挨拶の中で
「被災民は自衛隊の車が通ると
ずっと手を合わせている」
とおっしゃっていました
先輩隊員からの激励の中に
「自衛隊は掛け算の組織である」
とのお言葉がありました
一人ひとりの力が集まると
単なる足し算ではなく
大きく広がっていくんですね
そして掛け算の怖いところは
ひとりでもゼロがいたら
全てがゼロになってしまうこと
誰ひとりゼロを許してはいけない
厳しい組織でもあります
中部航空音楽隊による激励演奏
フィナーレを飾ったのは
「星条旗よ永遠なれ」
尊い仕事に着くみなさんを送り出しました
憲法九条に関係し
自衛隊のあり方について述べるのは
難しいものがあります
あれは湾岸戦争が激しくなってきた頃の話
自衛隊に入隊したがっている息子を止めて欲しいと
担任をしていた生徒のお母さんにお願いされ
「お母さんは君を人殺しにするために
苦労して育ててくれたんじゃないと思うよ」
と今思えばとんでもないことを口にした思い出があります
何も知らない当時は
自衛隊イコール軍隊イコール戦争と
短絡に結びつけていました
自衛隊の方々の献身的な支援の姿を
ずっと見続けてきて
今では自衛隊の車に手を合わせているひとりとして
自衛隊は国家と国民を守る
本当に尊いお仕事であるとの強い想いを抱き
今日の若者の凛々しい姿を見て
式典のあいだずっと涙を堪えていたのでした
アメリカ軍が行ったある調査があります
帰ってきた兵士の銃を調べました
すると実際に銃を撃った形跡は
ほとんどないのだそうです
隊長が「撃て!」
と命令しているのに関わらずです
実際に撃った形跡があるのは
命令をした隊長のすぐ近くに陣取っていた
ごく少数の兵士の銃だけなのです
戦争という極限状態の中でも
誰も人を殺したくなんかないようです
朝市通りどんなにする?
地震から 418 日目
豪雨から 154 日目
思考力を高める問題が満載の
ダイヤモンド社の「論理的思考問題」
という本にはまっています
その中から1問紹介します
【問題】です
「25頭の競走馬がいます
レースをさせて最速の3頭を決めます
1回のレースで走れるのは5頭までです
タイム計測はできないので
目視で順位を決めます
最低何回のレースをする必要がありますか?」
このあとヒントを小出しに出していきます
本日
「輪島市本町周辺地区まちづくり協議会」
が行われました
本町周辺地区は
地震の際に火災により焼き尽くされた地区で
日本三大朝市のひとつ
輪島朝市がもともと建っていたところです
公費解体もほぼ終わり更地となっています
地区住民 高齢者 子育て世代 高校生
様々な年代の方が集まって
アイデアを出し合いました
あらかじめ3つの案が示されました
A案:「滞在時間の倍増計画」
昼夜問わず買い物や飲食を地元の子供や家族連れが楽しめるようにする
近県の顧客が食文化自然を一日通して楽しめるようにする
全国からの観光客やインバウンドも楽しめるようにする
B案:「風の人と土の人の拠り所」
風の人とは外から来た人 土の人とは地元の人
お互いに関わり合いながら里山里海の豊かな風土を楽しむ
修学旅行や研修旅行を誘致し文化体験を通して復興を学ぶ
C案:「わふうどづくり」
輪島の風土 + 輪島フード + 和風がコンセプト
ものづくりとひとづくりを通して懐かしさと美味しさの街を作る
新規移住者が相談しやすく全体では女性が活躍できる街
どれも素晴らしい案です
ただし今日はこの中から選ぶとか
ブラッシュアップするとかではありません
今日のメンバーで新しい案を作り出します
本校からも生徒10名が参加しました
大人たちに混じって
自分の案を積極的に発信していました
さて冒頭の問題の【第1ヒント】です
まず5つのグループA~Eに分けて
5回の予選レースをします
A~Eのグループ内の順位をつけて
A1 A2 A3 A4 A5
B1 B2 B3 B4 B5
C1 C2 C3 C4 C5
D1 D2 D3 D4 D5
E1 E2 E3 E4 E5
では次以降のレースは
どのように走らせたらよいでしょうか?
【第2ヒント】です
次に5つのレースの1位の5頭で走らせます
ところが
このレースの上位3頭が全体のトップ3とは限りません
なぜなら偶然3頭が同じ予選レースを
走っていた可能性もあるからです
このレースでトップ3に入らない馬を
絞り込むことはできます
仮に
1位A1 2位B1 3位C1 4位D1 5位E1
であったとしましょう
D1とE1ははずれますし
同時にD2以下とE2以下もはずれます
残った候補は
A1 A2 A3
B1 B2 B3
C1 C2 C3
さああと何回走らせればトップ3がわかるでしょうか?
【第3ヒント】です
実はあと1回のレースでトップ3がわかります
走らせる馬をどのように選べばいいでしょうか?
【今週の活動性を高める授業づくり】
このコーナーは
久留米大学の安永悟教授に学んだ
授業づくりのポイントを
お伝えするものです
生徒の聞く姿勢と話す技術を高めつつ
知識の着実な定着も図る方法です
まずは講義型の授業で知識の伝達を図ります
時間にして10分未満程度の講義です
その後4人のグループ内で
全員が学んだことを自分の言葉で語ります
話す順番は
あらかじめメンバーに1から4の番号を振っておいて
「3番から時計回り」
というふうに先生がその都度指示をします
これを繰り返します
生徒は
必ず自分がしゃべらなければならない
ことをわかっているので
話を真剣に聞きます
そしてアウトプットすることにより
知識が定着するのです
一斉講義型の授業では
常にアウトプットしている教師が
実は生徒よりも学んでいる
というおかしなことが起きているのです
クイズの【答え】です
候補として絞られた9頭のうち
A1はトップ決定です
B3はそれよりも早い馬が3頭いるので外れます
C2C3も同様です
最後のレースは
A2 A3 B1 B2 C1の5頭を
走らせればよいのです
ここまでが本に載っていた答え
でもこれにはある問題があります
それは何でしょう
B1とC1が3回目の疾走となり
不公平であるということです
このように答えが見つかったとしても
それで良いのか問いかける
批判的思考力を高めることも
今の教育で求められているものであります
OECDオンラインミーティング実況中継
地震から 417 日目
豪雨から 153 日目
OECDの
オンラインミーティングに参加しています
今日の「おこらいえ」は
いつもと雰囲気を変えて
ミーティングの内容をリアルタイムで
書いていきます
なんと3時間にも及ぶ
長時間ミーティング
生まれて初めてです
9分ほどしかない金魚レベルの集中力の私にとって
未知の領域です
どうなるのでしょう?
まずは
次期学習指導要領の改訂について
文科省の方からの報告です
少子高齢化が進むこれからの日本において
マルチステージの人生が進みます
変化が激しい世界において
テクノロジーを使って
人生を勝ち取るむしろチャンスです
新学習指導要領は
その世界を見据えています
受験知識が抜け落ちたあとで
何が残るかを重視しています
コロナで多くの国の学力が低下した中
日本だけが学力が低下しなかったそうです
それは学習指導要領に沿って
全国で同質な教育が施されたからにほかなりません
ただし教員の過度な働きに支えられた
という側面もあります
今の学習指導要領は
知識技能に支えられた思考力
というイメージが強いです
ところが新しい学習指導要領では
複雑な課題に取り組む中で
知識を身につけることを重視しています
また子どもが
自分で学びを自己調整できるよう考えています
そのために学年を分けること
あるいは授業時間を定めることにも
メスが入る可能性があります
また教師や生徒の負担をどのように減らすか
という視点でも進められているそうです
(1)自分なりの「意味・目的」の大切さ
(2)多様な子供たちの可能性の開花
(3)教師の成長過程のビルトイン
以上3つが実際に改訂を進めている方が
目指しているものだそうです
次に生徒部会からのレポートです
まずは教育課程が作られていく過程を
実際に見学した大学生からです
教育課程の柔軟性が一番気になりました
教育課程に柔軟性があると
余裕のある教育につながります
学校の外での学びにもつながります
では学校は行かなくていいのか?
そうではなくて学校でしかできないこともある
被災した輪島高校では
学校に行って友達にあうという
大きな意味がありました
次に「おさんぽメガネワークショップ」を
主催した大学生からです
教科書の中からでなく日常から学びを生み出す
「おさんぽめがねワークショップ」
特に苦手な教科において
単にドリルを繰り返すよりも
日常生活との結びつきを見つけると
その教科を学ぼうとする
内発的動機付けにつながります
輪島高校でのワークショップも紹介されました
被災地でのおさんぽから
さまざまな学びを体験できたようです
「正解」を前提としない問いかけが
新たな問いを生み出します
教科と教科を繋ぐ力が生まれます
たとえば日本史の知識によると
皇居は桜田門外の変があった場所
これを不動産業に繋げるとなんと
「皇居は事故物件だ・・・」
続いてOECDのMIHOさんから
世界の教育についての報告です
「見方考え方」と「教科横断」
このことは全世界で注目されています
ただしカリキュラムが変わったとしても
実践はなかなか難しいです
イギリスでは問い立ての重要性が議論されています
「なぜ空は青い?」
「動物にも同じように見える?」
エストニアでは「環境と持続可能な開発」がテーマです
学校の自由裁量のもと
おさんぽめがねのような
取り組みが行われています
さまざまな教科の先生といっしょに
お散歩して問いを見つけます
これら他国の例から見えた「教科横断」の落とし穴は
(1)見方考え方を教えてしまう
(2)問い自体を教師が作ってしまう
(3)先生同士の相性が悪いと困る
の3つです
さきほどカリキュラムの自由裁量が必要という
提言がされましたが
実は日本のカリキュラムは
世界的に見ても自由裁量が大きいです
教科書も他の国ではもっと分厚いです
そして「対話の時間」です
対話のルールは次のとおり
(1)あいづちやうなずきで話しやすい雰囲気をつくる
(2)あせって結論をだそうとしない
(3)キーワードにとらわれず自分の言葉で話す
(4)大人に忖度して話してほしいだろうと思われることを云わない
5人のブレイクルームに分かれて
「こんな授業があったらいいな」
をテーマに話し合いました
各グループで出された意見では
授業と授業の合間に休む場所がほしい
どんな授業がいいか話し合う授業がいい
自分が何を学んだか語れるプロセスがある授業がいい
次は「カリキュラム・オーバーロード」の話
(1)Curriculum Expansion
(2)Content Overload
(3)Perceeived Overload
(4)Curriculum Inbalance
の4つの論点があります
うーん
むずかしい・・・
ここで挫折・・・
脳にはキャパがある
必要以上に詰め込んでも意味が無い
ちょうど今の自分にぴったりな話題が
されだしたので復活
香港では宿題オーバーロード
宿題の出し過ぎが問題になったそうです
【泉大津市立小津中学校の事例】
「先生と生徒のワクワクで乗り越える
カリキュラムオーバーロード」
積み上がった書類と
「やらないといけない」という意識から
抜け出して軽やかになりました
4月1日に学校の経営ビジョンを
なんと生徒が先生にプレゼンします
生徒自身が学校の目指す姿を作り上げました
「自芯を持つ
認め合う
やわらかさで0から1をつくる」
生徒の希望から50分の授業を45分に短縮しました
かえって集中力が増しました
授業も5限で終わったり6限で終わったり
生徒の願いをもとにして
教員が授業の形を決めました
生徒達が自分達で
学ぶスペースを創ったりもします
職員室もフリースペースです
「ワクワクしながら
たくさん話し合って
解消していくもの」
それがカリキュラム・オーバーロードの解決方法です
Q:教科横断に相性のいい教科は?
A:国語はどの教科とも繋がる
英語も同様です
Q:高校入試のための学力保障は?
A:経年変化を見ると成績は伸びてきている
長時間やれば成績が伸びる訳ではない
先生が教えた ≓ 生徒が学んだ
【福島県立郡山高校の事例】
「既存の教科でプラスする
データサイエンスコース構想」
今のカリキュラムの弱点は
(1)知識を使う場がない
(2)教科がばらばらで繋がりを学ぶ機会が無い
(3)クリティカルシンキングの鍛え方が弱い
これらの課題を解決するために
新教科を作ると教員の負担が大きくなるので
既存の教科を活かしたクロスカリキュラムを
考えました
(1)新しいコンテンツを作る系
(2)一部を別教科で深掘り系
(3)1年間を通じた連携系
ウクライナからの中学生が
数学の中点を求める問題で
「なぜ中点を求めるの?」
と日本の先生に尋ねたところ
言葉につまりました
この中学生は
数学コンテストで優勝するほどの生徒です
なぜ学ぶのかを理解して学ぶので
深い学びにつながるのです
しかしながら
協力的ではない教員もいらっしゃいます
原因は
① 変化を拒む免疫システム
② 専門外のことを教える不安
③ 教科書を終わらせないといけない不安
④ そもそも効果あるの?問題
⑤ 新しいことしたくない問題
大事なのは
松下幸之助さんの
「やってみなはれ!」
次回の学習要領改訂では
教科横断が大きなテーマとなりそうです
キーワードは「おさんぽメガネ」
教員には
日常生活のあらゆるものを
教科に結びつける力が
求められることになりそうです
先生方は
机に座って仕事ばかりしていないで
外にでていろんなものを見てきましょう
遊べ!
このブログも
机の上だけで書いているものよりも
出張先から書いているものの方が
おもしろいでしょ
さてさて
3時間にもおよぶ
長時間ミーティング
そろそろ終わりです
自分でアウトプットしながらだと
なんとか
もつもんですね
今日は本校から
山上先生(家庭)
山下先生(保健体育)
栃木先生(養護)
も参加してくださいました
熱心な先生方です
お疲れ様でした
仮校舎はどうなる?
地震から 416 日目
豪雨から 152 日目
現在3棟ある建物のうち
危険判定のため2棟が使用できず
1棟の建物に無理矢理詰め込んで
授業をしている状況です
この状況を早期に打破するため
仮設校舎の建築計画が進められています
本日は保護者説明会を開催し
現時点でお伝えできること
現時点で要望していること
について理解を求めました
仮校舎は同じ敷地内
グラウンドに建設の予定です
春に竣工
早ければ秋より運用可能です
現在全学年で使用している旧校舎3号棟は
そのまま3年生が3階を
定時制が1階を使用します
仮校舎は2階建てで
真ん中に廊下を設置し
両側に教室を配置するコンパクトなつくりとし
グラウンドを使用する面積を
最小にする配慮がなされています
このことは
北野喜樹石川県教育長が
「生徒が運動する場所をできるだけ奪うな」
との指示を出してくださっているとのことです
コロナの時に健康福祉部長を務められていた方で
毎日のようにテレビで説明されていたので
ご存じの方も多いかと思います
さすが緊急時の対応に力を発揮くださっています
仮設校舎には
1・2年生が入ることになり
実験室や実習室も設置されています
ただしパソコン室はふたつとも旧校舎3号棟にあるので
もしかすると
旧校舎3号棟をビジネスコースが
仮設校舎を普通コースが使うことになるかもしれません
これについては時間割など諸条件を鑑み
最も最適な使い方を考えていきます
グラウンドを使用せずに
グラウンド脇のアスファルト部分への建設を
要望したのですが
まず寸法が足りませんでした
部室やブルペンを壊してもいいからと要望しましたが
建設に関する法律があって
仮設校舎は現存の校舎から
10m 離して建てなければならないそうです
以上の理由より図に示された
グラウンドの校舎側に建てることとなりました
第一体育館と第二体育館はそのまま使用し
接続する仮設廊下を設置します
旧校舎3号棟への接続も同様です
以下
質疑応答の様子です
Q1:工事の間の部活動は?
A1:工事は必要最低限のスペースでやってもらいます
並行してグラウンドでの部活動はできます
Q2:本校舎の復旧見通しは?
A2:損壊した基礎の横に新たに基礎を打ち
ジャッキアップする計画ですが
工期など詳細については未定です
Q3:もう決定か?変更は無理か?
A3:できないことはないかもしれませんが
再調査などで工期が大幅に遅れます
得策ではありません
Q4:稲舟校舎(旧輪実)を使用することはできないか?
A4:校舎は使い物にはなりませんが
危険立入禁止区域指定が外れたと聞きます
グラウンド使用要望の余地はあるかもしれません
Q5:体育館の使用は?
A5:今のところ使用禁止命令は出ていません
多少床の歪み等はありますが
なんとか使用できる状態です
Q6:学ぶ場を確保するため子どもたちの意見を聞いてほしい
A6:同様のご意見を
小学校の運動場に仮設校舎を建てた後で聞きました
「あなたたちは一度でも子どもたちの意見を聞いてくれましたか!」
もう決まってしまって仕方ないことであったとしても
子どもたちに説明する義務は大人にあると考えます
そうすることにより
自分の力で社会は変えられると考える若者が
世界一低いという現実を変える
第一歩になると思います
このブログを読んで
言いたいことを校長室まで言いにくるよう
明日の朝生徒に伝えます
Q7:学校以外での部活動への移動費の負担が大きいが?
A7:今年度は県より補助をいただいています
引き続き要望してまいります
Q8:習熟度別授業はどうなる?
A8:問題ありません
これまで通りの習熟度をかけることのできる
教室数を確保できます
これまで通りきめ細かな指導ができそうです
Q9:工事の際の騒音は?
A9:時間をずらすなどの要望はしますが
ある程度の騒音はやむを得ません
逆にどんな悪環境でも集中力を発揮できる
生徒の育成を目指します
最後に
「現在輪島市内で唯一使用できる
屋外体育施設が輪島高校グラウンドである
だから自校の体育や部活動のことだけでなく
輪島市民みんなが使用できる手立てを
県と市の枠組みを超えて進めていくべきである」
とのご意見をいただきました
このことについては
まず手始めに
テニスコートを全面人工芝にして
部活動以外の時間帯に
ゲートボール場として
高齢者に提供できないか
市に申入れをしてみようと思います
いんのこまきのおもいで
地震から 415 日目
豪雨から 151 日目
こんなに猛吹雪の中それでも復旧工事は
手を休めることなく進んでいます
本当に頭の下がる思いです
ありがとうございます
現在
神奈川より
スクールカウンセラーの平野先生に
定期的に来ていただいています
生徒だけでなく保護者の方のカウンセリングも
していただけることとなりました
明日第1回目を開催します
おかあさん方
そっと打ち明けるだけで
気持ちが軽くなりますよ
予約は不要です
どうぞふらっと立ち寄ってください
生徒とは会うことのないよう
場所は配慮してあります
詳しくはこちら
輪島の冬の風物詩
曹洞宗のお寺において
「いんのこまき」が行われました
本校で書道を教えてくださっている
川口先生のご実家がお寺で
記念に学校へ持ってきてくださいました
今日は涅槃会
お釈迦様の亡くなられた日の
法要が執り行われました
仏教の三大年中行事のひとつとされます
曹洞宗のお寺では「涅槃団子」が撒かれます
五色に色づけされたこの団子は
地水火風空を表しているとのこと
生きとし生けるもの全てを表し
食べると無病息災
持つと功徳を受けられるとも伝えられています
北信越地方で見られる風習です
お釈迦さまの舎利つまり遺骨を模したもので
その形は地域によって異なります
たとえば富山の涅槃団子は丸い団子ですが
輪島では動物を形どった団子が撒かれます
お釈迦様の涅槃に駆けつけた動物です
干支の動物と言った方が
ピンとくるかと思います
写真左から
へび いぬ とり です
中でもいぬを形どったものが多く撒かれるので
いんのこ(犬の子)まきと言われます
お米でできているそうです
食べられるのか尋ねたら大丈夫なようです
炙って食べる方もいるようですが
多くはお守りとして持ち歩きます
やがて乾燥して粉々になると海に流します
低温湿潤な条件で大事にしていると
崩れずにそのまま小さくなっていくそうです
今回お持ちくださった
聖光寺さま(しょうこっさま)は
漁師町のお寺さんで
「いんのこ」をかたち作るのは女房衆
最後の色付けは漁師の長の仕事と決まっていて
なんぴとたりとも
手を出してはならない領域のようです
赤黄緑の食紅で絵付けをします
緑というといつも思い出すのが
なぜ絵の具の緑はビリジアンなのか問題です
学年にひとりくらい
「私のことキャサリンって呼んで!」
ってのたまうぶっ飛んだ女の子がいるもんですが
そのぐらい異彩を放つビリジアンちゃんです
あなた帰国子女?
って言いたくなるくらいです
どう見ても「みどりちゃん」やろ
でも本人はビリジアンと言い張っています
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は昨年9月7日「春の選抜に向けて」
のコラムを読んでくれた生徒からです
高校野球秋の大会が始まり、大事な初戦となりました。相手はまさかの飯田高校でした。飯田高校も地震に襲われ、なかなか練習ができない日々が続いていました。すると、仙台育英高校さんが輪島高校と飯田高校を仙台へ招待してくれました。その時に掲げた「ONE TEAM」をモットーに頑張ってきました。震災から一緒に頑張ってきた飯田高校と初戦で対戦するのは複雑な気持ちでした。野球というスポーツの大会はトーナメントで負けたら終わりです。だから、お互いにスポーツマンとして最後まで全力で闘い、招待してくださった仙台育成高校さんや輪島市民のみなさん、珠洲市民のみなさんのひとりでも多くの人が笑顔になるように感謝の気持ちをとどけることができたらなと思いました。
この大会は春の選抜に繋がる大事な試合でした。この大会でベスト8に入って21世紀枠を狙っていましたがベスト16で終わってしまいました。今度の夏は必ず甲子園の切符を掴み取ります。《匿名希望》
馳浩知事の決断に思う
地震から 414 日目
豪雨から 150 日目
教室の掲示物を見ると
担任の教育方針や取り組む姿勢がわかります
曲がって張られた掲示物に違和感を持たないようでは
ちょっとした生徒の変化に気づかないでしょうし
期限の過ぎた奨学金の案内などを
いつまでも貼っているようでは
大事なことが先延ばしになってしまいます
心理テストです
コタツを片付けるときあなたはどんなパターンですか?
スパッと片付けますか?
それともズルズルといつまでも出しておきますか?
あるいは一度片付けたものを後からもう一度出すタイプ?
これって恋人と別れた時のパターンと一緒なんだそうです
こたつや恋人はどうあれ
不要な掲示物はスパッとはずす
「掲示物を風景にしない」
このことが大事です
誰も見向きもしないようになった掲示物は
情報ではなく風景です
そこにはもはや意味などありません
さて馳浩石川県知事が
防災服着用をやめると宣言されました
新聞によると
金沢以南の県民からは
「いつまで着てるんだ?気が滅入る」
などの声があるそうです
何事もなく平穏な暮らしをされている方にしてみたら
そう感じるのは仕方ないのか
という気持ちになります
一方で能登の県民にしてみたら
「忘れ去られてしまうのか」
との懸念があるようです
しかし私は逆に
いつまでも防災服を着ていたら
やがてそれが風景となってしまうことに
心配を抱きます
単に
「能登のことを忘れてはいませんよ」
というポーズのためだけに着るのをやめ
スーツを着ていても
「心は常に能登にありますよ」
という知事の強い決意の現れであろうと
私は思っています
先日も馳知事は
タウンミーティングのために輪島までお越しくださり
被災者約20人からの質問に
一つひとつ回答してくださいました
「能登は日本の未来そのもの
本当に困っている人を軸にして
物事を積み上げていく必要がある」
と語ってくださったそうです
また別の報道では
発災時の初期対応について
「フルパワーではなかった」
との見解を明らかにしたとありました
石川県の県職員規定には
「震度〇以上の地震が発生した場合
〇〇職以上の職員は〇時間以内に〇〇へ参集」
などが定められています
にもかかわらず県職員の出勤率が低い
という指摘でしたが
被災した現場から言わせてもらうと
そもそも出勤したくてもできない状況なので
正直やむを得ないと思います
私も発災後まっさきにやった仕事は
「学校に参集するな
自分と家族の命を守れ!」
と規定とは真逆のことを
職員に一斉メールすることでした
当時の道路状況等を今思い出しても
その決断は間違いではなかったと
確信しています
参集したくても参集できない
参集によって命を落とす危険もあった
これが被災地の現実でした
対応の遅れをしばしば指摘されてもいますが
県庁でずっと取材をしている新聞記者によると
知事は被災地のために
いろんなアイデアを出してくださっている
だけど実務レベルにおいて潰されている
のだそうです
学校で必要なものを要望しても
「なぜ必要なのか?」
「どうしても必要なのか?」
をいちいち事細かに説明しなければならない
というのが現実です
「ボランティアが能登に入るのを控えるように」
と知事が発言したことが復興を遅らせた
という指摘もありますが
現場の者に言わせると
これも的外れな指摘です
あの日あの現場に
民間ボランティアが殺到すると
助からない命が
間違いなく増えていました
輪島高校の避難所には
食料の炊きだし支援がなかなか来ず
お風呂の支援もありませんでした
そんな中
このブログを見た多くの方が
「支援に行きたくても行政に止められて行けない」
と直接学校へ電話してきてくださいました
これまた私は即座に
「検問など突破して来てくれ!」
と行政とは真逆のことを言いました
おかげで民間のボランティアの方に
大きく助けられてきました
ですので
今回のように
行政は大きな視点で「被災地に入るな」と
そして実際には
現場の人間が個々に判断して最善の動きをする
というのが被災地での最適な動きであると思います
カタリバさんによる未来トークが行われました
詳しくはこちら
【今週のありがとう】
動物と共生するまちづくりの会 石津 佐智子さま
ますますご活躍のことと思います
藤本育英財団 藤本 由紀子さま
受験生への多大なるご支援本当にありがとうございます
群馬県立沼田高校JRC部のみなさん
温かいご支援忘れないよ もう進路決まった人もいるかな?
国際文化フォーラムの長江春子さま
楽しい本送ってくださりありがとうございました
中村 哲夫様はじめ石川コミュニティーセンターのみなさま
被災地訪問どうもありがとうございました
※このコーナーではこれまで
ご支援いただいた方々を
紹介させていただいています
自然は不思議の宝箱
地震から 413 日目
豪雨から 149 日目
豪雪からほっと一息
「氷が溶けると水になります
では雪が解けると何になるでしょう?」
「答えは春です」
こんなお侠(おきゃん)ななぞなぞがありますが
今日は雪解けお散歩ワークショップです
雪解けをいろいろ科学の目で見てみましょう
まずはこんな不思議
雪は植物の周りから溶けていきます
植物は水を吸うから?
根の周りの水分がなくなると
その上の雪が溶けて吸い込まれていくから?
では植物以外ではどうでしょう?
仮説は否定されました
無生物の電柱の周りから溶けています
日差しを浴びた電柱がその熱を伝えるから?
植物にも体温があるということでしょうか?
ここで昔「美味しんぼ」で読んだ知識を思い出します
トマトに関する話
トマトの原産地はアンデスです
アンデスの気候に近づけてやると
本来持っていた生きる力を取り戻して
美味しいトマトができるのだそう
夏が旬のような気がしますが
日本で育てるには
冷涼なアンデスの気候に近い冬の方がよくて
乾燥した環境に近づけるため
水は極限まで与えない
そうすると茎や葉に細かい産毛が生えてきて
空気中の水分を吸うようになる
産毛には体温調節の機能もあって
健康なトマトの幹の周りは
ひんやりと空気が冷えているのだとか
雪国の植物は
自分の周りを温めて雪を溶かす力を
持っているのかもしれません
次はこんな不思議
凍ったままの雪は真っ白なのに
溶けかかった雪はグレーです
ということは?
空に浮かぶ雲の
真っ白い部分はしっかり凍っていて
グレーの部分は溶けかかっている
溶けたグレーの部分が
雨粒になって落ちてくると考えると
雨雲がグレーであることにも
納得がいきます
無駄な役職廃止!
地震から 412 日目
豪雨から 148 日目
神戸市私立保育園連盟(谷村 誠 会長)様から
生徒一人ひとりにお米が送られました
当連盟のみなさまは
豪雨の際に浸水家屋の復旧作業に参加してくださり
今回は
市内の小中高と幼稚園と保育園に通う子ら全員に
お米を贈ってくださりました
本当にありがとうございます
先日PTA役員会が行われました
みなさんご自分の生活すらままならない中
それでも役員を引き受けてくださり
本当にありがとうございました
特に会長さんには
金沢に生活拠点があるのに
無理にお名前だけでもとお願いし
引き受けていただきました
昨年一年間は
「楽しいことだけやりましょう」
をモットーに
炊き出しなどの活動に力をお借りしました
子供たちのために集まっていただきました
本来のPTA活動ってこうなんだろうなと
子供たちとお母さん方の笑顔を目にして
そう思いました
来年度もこの活動を継続します
一部の役員の方だけが
無理にお仕事をやりくりして
朝早く挨拶運動などに立たなければならないなどの
形骸化した活動は一切やりません
全員が役員で
子どものためにやりたい!
とみなさんの中から湧き上がった活動だけを
無理せずその都度できる方だけで
やっていきます
そのため会則も改めます
書記 会計 理事 評議員 母親代表 監事 顧問など
無駄に多い役職を一掃しシンプルにまとめます
正式には来年度の総会で決定します
北陸地域最大級の
公安系公務員の合同説明会へ行ってきました
自衛隊 警察官 刑務官 海上保安庁 消防
我々の安全な生活を守ってくださっている
尊い職業
その担い手となる高校生に
正しく理解をしてもらいたいと思います
金沢刑務所では受刑者の
所内での号令をかけながらの行進式移動を廃止
また呼び捨てからさん付けへと変わっています
運動会や球技大会などもあるそうです
震災の際にお世話になった方々ばかりです
お礼とご挨拶を兼ねて行ってまいりました
3月11日(消防・自衛隊・刑務)
12日(海上保安庁・自衛隊・警察)には
石川県では初開催となる
職場見学ツアーも企画されています
鳥羽に研修旅行に行っていた生徒たち
無事金沢駅に到着しました
お伊勢参りの旅
地震から 411 日目
豪雨から 147 日目
今日から何人かの生徒が
伊勢へ研修旅行に出かけます
朝の4時半出発
大雪のため道路状況が心配なので
念のため前もって下見をしてきました
朝の3時なのに災害復旧現場には
灯りが煌々とついていました
そのおかげかどうかわかりませんが
除雪車も早くに入ってくれていました
安心して出発できそうです
参加したのは
1年生
浦 勇誠 さん 小町 優真 さん
小住 優太 さん 森下 正幸 さん
3年生
出坂 舞 さん 森田 心優さん 福久 凪 さん
の7名です
大成建設さんのお力添えで
三重県にある(株)REMAREさんを訪れます
廃棄する漁網を甦正させて
さまざまなものを造る会社です
参加する3年生の中には
大学に進学して
建築や街づくりについて学ぶ予定の生徒もいます
1年生の中には
被災地を巡るツアーを企画運営する会社を立ち上げたい
という夢を持つ生徒も
ぜひ実現させてほしいと思います
卒業してからと言わず
在学中にぜひ
おとなりの飯田高校に
在学中に起業した女子高生2人組がいます
彼女らの目のつけどころがすばらしかったです
日焼けして売り物にならないカボチャが
畑にゴロゴロしているのを目にして
何とかならないかと考えました
おばあちゃんに聞いてみると
金沢の業者に卸すとき
売り物にならないのは買ってもらえないとのこと
ホテルやレストランに掛け合ってみると
下ごしらえ済みの野菜を
金沢の業者から購入しているとのこと
彼女らは気づきます
せっかく作ったかぼちゃのうち
きれいなものだけを安く買い叩かれて
切って洗っただけのものを
高く売りつけられていることに
課題は
珠洲に一次調理施設がないことだ
じゃあ私たちでそれをやろう!
これが起業へのきっかけでした
やがて彼女らは大学へ進学し
平日は大学で学び
休日は珠洲に戻って会社経営
そんな道を歩むのでした
震災後どうなっているのでしょう?
現役女子大生による
地元の限界地域を救う挑戦的企業
株式会社ABOBORA(アボボラ)です
カボチャエキスを使った
身体と環境にやさしいネイルオイルなども
開発しています
ぜひ応援してください
輪島高校の1年生たちにも
ぜひがんばってほしいです
研修旅行のほうは
今日の午後会社を視察して
明日は伊勢神宮を訪れ
夜の8時頃に帰ってきます
石川県商業生徒発表会に
ビジネスコースの3年生が出場しました
浦野奏太さん 北濱一斗さん
木村麗人さん 林 祐樹さんが
自分たちが考えた修学旅行誘致プランを
発表しました
能登を元気にするオリジナル弁当!
地震から 410 日目
豪雨から 146 日目
家庭科の山上先生からの報告です
今日は山梨県より「目指せ!!日本まるごとゴミ拾い 特定非営利活動法人 まるごみ」DJ KOUSAKUさんをお招きして特別授業を行っていただきました
生徒は事前に考案したお弁当のおかずを今日の授業のなかでグループ内共有しグループ内でNO.1を選出しました
”小学生に大人気!生姜くせぇ生姜焼き弁当”
”濃厚クリームとろ~り!能登産カニクリームコロッケ”
”能登地鶏の辛みチキン”
どれも美味しそうなだけでなくネーミングセンスも抜群でこのほかにも多くのアイディアが出ました
DJ KOUSAKUさんは生徒たちが上手にchromebookを活用して授業をしている様子に驚かれていました
今後生徒たちが考案したオリジナル弁当が商品化されるのが楽しみです
見てください この表情
きっとお互いに忘れられない学びになったのではないでしょうか
パリで行われた
OECD教師生徒サミットに参加した生徒たちが
門前中学校さんで
その様子を発表してきました
全校生徒42名が聞いてくださいました
参加したのは
長井彩綺さん 三中そらさん
上野緋子さん 谷内友優さん
辻 姫花さん 山下明日凪さん
前名拓実さん 宮腰大地さん
世界各国のお友達ができたこと
お互いの文化を理解できたこと
震災を経験したからこその出逢い
そして未来への希望
世界って意外と近いんだなってこと
半島の先っちょに住んでたって
いくらでも世界と繋がることができること
たくさんのことを学んできました
そのことを
自分たちの言葉で伝えてきました
OECDの「おさんぽめがねワークショップ」の
こともお話ししてきました
夏休みに輪島高校でもやったアクティビティ
お散歩しながら
街の景色を教科のめがねで観ます
たとえば今日のこの会場
教科のめがねで見るとどう見えるかな?
図書館って英語でどういうのかな?
Library
じゃあ本棚は?
Shelf
引き出しは?
Drawer
英語のめがねで見てみました
本棚があるよ
どんな木でできているのかな?
ナラとかオークが多いよ
日本やロシアで採れるものをナラ
北米で採れるものをオークと呼ぶんだって
耐久性に優れ硬くて重く家具作りに向いているよ
乾燥に弱いから
エアコンの風が常に当たるような場所に
置いたらダメらしいよ
生物のめがねで見てみました
「オークの原産ってどこかな?」
「カナダ南部からアメリカらしいよ
南北に広く分布しているから
産地によって木材の特徴が違うみたい」
「温暖な南部で育ったオークは成長スピードが早くて
木目が大きいんだって」
「うちのお父さん大工してるけど
地元の木材使うとその地方に合った家ができるって
「そうか南国の柔らかい木で雪国に家建てても
重さに耐えれないんだね」
「地産地消ってそういうことか」
地理のめがねで見てみました
「このホール丸いね」
「体積計算できるね」
「半径どれくらいかな?」
野球部の生徒が口をはさみます
「20mくらいじゃないかな?」
「どうして?」
「塁間の27mよりちょっと短い気がするから」
体育のめがねが加わり
「じゃあ底面積は半径×半径×円周率だから
20×20×3.14=1,256㎡
高さが10m ほどだから体積は
1,256 ✕ 10 = 12,560㎥」
「リットルに直すと 12,560,000Lか」
数学のめがねで見てみました
「この中の空気ってどのくらいの重さかな?」
「1mol は22.4Lだからモルに直すと
12,560,000 ÷ 22.4 ≓ 560,000 mol」
「空気1mol は22.8gだから
560,000 ✕ 22.8 ≓ 12,800,000 g
つまり約13t!」
化学のめがねで見てみました
ふたたび生物のめがねで
「象1頭の体重は約6tだから
ほぼ象2頭分か!」
「そんなに重いの?」
「もし今この瞬間全員が
ここに生き埋めになったら
どれだけの時間
酸素がもつんだろう?」・・・
こうして
自分で新たな問いを見つける力
そしてさまざまな教科で身につけた知識
それを総動員して考える力
そんな力を身につけた人が
災害が起こったときに
中心となってみんなを救うことのできる人です
そして未来を創造できる人です
そんな人を育てることが
教科横断型教育やSTEAM教育の狙いです
【今日の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は昨年2月27日「卒業おめでとう」
のコラムを読んでくれた生徒からです
去年1月1日に地震があり、今まであたりまえに通っていた学校に通えなくなってしまい、皆が落ち込んでいるときに、輪島高校に勤めている先生方はすぐに行動に移し、私たちの学習できるスペースを確保してくださいました。そのおかげで去年の3年生たちは十分に学習ができたと聞いています。私も羽咋工業高校さんの練習に参加させていただき、新しい出会いもありました。
3年生はとっても大変な時期が多かった年代ですが、それを感じさせないほどの元気よさが、今の私達を元気でいさせてくれました。そんな3年生の卒業式に出れてとてもうれしかったです。校長先生がおっしゃっていた「輪島に残るみんな一緒に新しい街創ろう。一旦輪島を離れるみんな、きっといつか帰っておいで。みんなが驚くような街創ってまっとるし。」の言葉で会場にいた皆が一致団結したと感じました。これからもこの輪島をよりよいものにしていきたいと思います。《池壱心》
フラットアースの根拠
地震から 409 日目
豪雨から 145 日目
輪島と金沢の二拠点生活が続いています
休日は金沢で過ごし
今朝4時に起きて学校へと向かいますと
いろいろ幻想的な風景に出逢います
こちらは雪原にひろがる朝もや
見渡す限り白の世界です
そしてこれは七尾湾からの日の出
水平線上に見えるのは
左側が能登半島
右側が能登島
そして能登島の向こうに
うっすらと見えるのが
なんと立山連峰です
年に数回
条件があったときにだけ見える
奇跡の瞬間です
よく見ると
能登半島と能登島の間の水道
その先にも山並みが見えます
地図で確認すると
長岡から会津の山々
距離にして200km 以上離れたところを見ています
200km 離れた場所の山が果たして見えるのか
気になったので
数学の宮下琢磨先生に計算してもらいました
その結果がこちら
地球を半径6400kmの球と考えると
200km 離れた地点のものは
3126.2mの高さがないと見えない
という結論が導かれました
となると3000m 級の山々の頂上だけが
かろうじて見えるはずで
写真のように堂々とは見えないと思うのですが
どうなんでしょう?
一部でささやかれている
「フラットアース説」
(地球は球でなく平面とする説)
を裏付けるものでしょうか?
それともでっかい蜃気楼でしょうか?
蜃気楼は高低による空気の温度差によって
遠くの景色が曲がって目に届く現象です
七尾湾は和倉温泉が湧いている
比較的温かな海で
上空に冷えた空気が入り込むと
よく蜃気楼の見える場所です
富山湾越しに魚津から見る蜃気楼が有名ですが
実は反対側の能登半島からも
規模は小さいですが割と頻繁に見られます
今回の写真でも
左右の半島と島の先っぽが
浮かび上がって写っているのですが
確認できますか?
それにしても
謎はまずます深まるばかりです
ビジネスコースの2年生が
このブログを読んでコメントを書くという課題に
「国語表現」の授業で取り組んでくれました
毎日少しずつ紹介していきます
題して【今日の生徒の叫び】
地震が起こった1日後の1月2日の学校の状況を今写真で初めて見ました。先生たちの部屋の様子を見て改めて残酷なことだなと思いました。今こうして学校に友達と来れている。そして、みんなで昼休みに友達と弁当を食べているなんてそのときは想像もできなかったことが、今楽しく生活できていることに本当に感謝しかないし、幸せなことだと思いました。
今でもグラウンドはなく体育館での練習をしていますが、こうして練習ができているということだけでも、とても幸せです。これからシーズンインしていく中で、グラウンドがないということを言い訳にせず、自分たち野球部の目標である春大「北信越出場」夏大「甲子園出場」を達成して、どんな状況や環境でもできるということを全国の人たち、そして家族、今まで支援をしてくださった方々に見せて恩返しします。
今、野球ができているのは、親、先生、支援してくれた人たち、応援してくれている人たちのおかげという感謝の気持ちを忘れず、あと1年を切った高校野球を、全力で愉しんでやりたいと思います。《濱田勢生》
「全力で愉しむ」いい言葉ですね!
いろいろの沈黙
地震から 408 日目
豪雨から 144 日目
サッカー部がフットサルの交流戦をしています
飯田高校
七尾高校
羽咋工業
が志賀高校に集まりました
冷凍庫の中みたいな体育館の中で
熱い闘いです
主体的・対話的で深い学び
このことを意識して
教育活動を行ってください
と先生方には日頃お伝えしてはいますが
なにせ
一を聞いて十を誤解する私にとって
対話は何よりも苦手とするところであり
もし今の授業に生徒として参加しろと言われたら
間違いなく保健室登校になっているか
主体的で対話的に振る舞う術だけを身に付けた
ずる賢い生徒に成長していると思います
ですので、対話を重視したグループ活動に
うまく加わることができずにいる生徒を見ると
痛いほどその気持ちがわかるのであります
そこで対話の中の沈黙について考察してみます
沈黙には理由があります
どのように対話の輪から外れていくか
順を追って振り返ってみます
(1)熟考のための沈黙
対話の中に何か引っかかるものがあって
頭の中で整理をしている段階です
この沈黙はむしろ歓迎すべき沈黙で
逆に無理に口を開かせようとしないことが大切です
この辺のさじ加減は
髙橋教頭先生がまことに上手です
校長に判断を求めるため説明する時
私が考え出すと
何も言わなくても即座に話を止め
考えがまとまるのを待ってくださるのです
何か後ろめたいことがある先生だと
(例えば自分が楽をしたいためだけの行事削減の提案)
ここで畳み掛けるように説明してきます
教頭先生はきっと熟考を重ね
ご自分なりの根拠と自信を持って
ご提案をしてくださっている証拠です
(2)置き去りになった沈黙
本当は言いたいことがあったのに
他の人がどんどん話してしまって
話題が違う方向に行ってしまい
話すタイミングを失ってしまった状態です
ファシリテーターを務める先生は
生徒をよく観察し
話を元に戻すとか
その生徒に話を振るなどの
フォローが大切になってきます
(3)対話迷子による沈黙
置き去りの生徒をそのままにしておくと
迷子になってしまいます
何の話をしているかわからず
どう発言して良いか分からず
とりあえず黙っています
この生徒は
ニコニコと笑っているのが特徴です
グループ自体の対話が盛り上がっていても
こんな生徒が増えてくると
やがて収束に向かいます
一旦振り返りをさせるなどの
ファシリテートが必要です
(4)しゃべってはいけない空気が支配する
「これを言うとバカにされるんじゃ?」
「そんなことも知らないの?
とマウント取られそう」
こうならないために
ここは何を行っても安全な場所だということを
ファシリテーターは徹底する必要があります
今共創しているOECDのミーティングでは
このことが徹底されていて
参加する生徒が
思うことを全て話すことができています
教師は対話の時間に沈黙があると
ついつい間を埋めるために
話をしがちです
その沈黙が何のための沈黙なのか見極め
適切な介入をする必要があります
来年はひのえうま
地震から 407 日目
豪雨から 143 日目
連日の大雪で
学校の駐車場も大わらわです
例年ですと
地元の土建会社にお願いして
除雪車に入ってもらっているのですが
被災地復興で出払っているので
お願いするわけにもいきません
そこで朝早くから先生方が総出で除雪作業です
誰もお願いしたわけでもないのに
自然にみなさんで助け合います
今から5年前の教頭時代
朝早くから除雪作業をしているのを横目に
「ごくろうさまでーす!」
と知らん顔で校舎に入っていく若手教員に
「手伝おうという気はないのか!」
と説教していたのにくらべると
これも震災のおかげでしょうか
自然と共助の気持ちが生まれてきている気がします
戸田 尊文 様はじめ
東大阪東ロータリークラブのみなさんが
学校に見えられました
発災当初からずっと寄り添ってくださり
大型スクリーンなど
多くの備品をご支援くださっています
このスクリーンは3月7日の
「街プロ」発表会でも使わせて頂く予定です
どうもありがとうございました
被災地への寄り添いというと
稲垣吾郎さん 草彅剛さん 香取慎吾さんらと
日本財団が共同で運営する基金
「LOVE POCKET FUND」さんが
輪島市に交流施設を建設する費用として
約1億3千万円を支援してくださるとの
新聞発表がありました
ありがとうございます
大阪大学の吉川徹教授より
書籍の寄贈がありました
吉川教授は
地方から都会への学生の流出
に関する研究をなさっています
半島の先端の過疎地にありながら
例年国公立大学へ一定数の合格者を輩出する
飯田高校と輪島高校に関心を持たれ
数年前に両校の卒業生を対象に
調査研究をなさったという経緯もあります
その際に
5年後の自分に宛てた手紙プロジェクトを
企画してくださいました
うちの末娘がちょうどその学年で
つい先日その手紙が5年の時を経て配達され
「こんなことを考えていたんだ」
と感慨深げでした
今回吉川教授にいただいた著作は
「ひのえうま」
2026年は「ひのえうま」にあたります
暦の十干十二支
十二支はご存じ
ね・うし・とら・う・たつ・・・
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
しちゅういんぼうしんしごびしんゆうじゅつがい
とも読みます
十二支は日本のほか
中国や韓国などアジアを中心に
15ケ国で使われており
ベトナムなどでは
ウサギの代わりに猫が入っていたりします
一方十干は
甲乙丙丁戊己庚辛壬癸
(こうおつへいていぼきこうしんじんき)
日を10日のまとまりで数えるための呼び名で
10日ごとに「一旬(いちじゅん)」と呼びます
上旬・中旬・下旬と呼ぶのは
このことに由来しています
それぞれ
甲(きのえ・木の兄)
乙(きのと・木の弟)
丙(ひのえ・火の兄)
丁(ひのと・火の弟)
戊己(土の・・・)庚辛(金の・・・)壬癸(水の・・・)
とも読みます
十干と十二支を組み合わせて
甲子(きのえね)
乙丑(きのとうし)・・・
といった具合に
それぞれの年に呼び名がつきます
甲子園球場は
大正13年 甲子(きのえね)の年にできたので
その名がついています
今年は乙巳(きのとみ)の年です
ということは来年は丙午(ひのえうま)
前回の「ひのえうま」は昭和41年
この年に生まれた赤ちゃんの数は
その前後の年に比べると
4分の3しかいないそうです
その理由は
ひのえうま生まれの女は
気性が激しく男を不幸にするだの
現代ならば即アウトの差別思考で
子どもをつくるのを控えたことによるものです
著書はこの歴史について深く考察しています
この迷信のルーツは
1666年(寛文のひのえうま)にあるそうです
この年に生まれた八百屋お七は
江戸の町を火事で焼け出され
避難所でいっしょになった男に恋心を抱きます
再び火事になれば男と再開できると目論んだお七は
江戸の町に火をつけ
その罪で火あぶりの刑に処せられます
紅白歌合戦で本校に来てくださった
坂本冬美さんが歌われた
「夜桜お七」
で有名な話です
しかもなんと
冬美さんは昭和41年生まれ
まさに「ひのえうまの女」なのだそうです
実際にお逢いした冬美さんは
気性が荒いどころか
避難民一人ひとりに寄り添ってくださり
そして一緒になって涙を流してくださるなど
本当に心やさしい方でしたので
「ひのえうま」は怒りを禁じ得ない
人権問題レベルの迷信といえます
本書には
このような「ひのえうま」にまつわる
興味深い話題が満載ですので
ぜひご覧ください
【今週のありがとう】
埼玉県の書家 光田 紀美代 さま
私の言葉を素敵な書にしたためていただきありがとうございます
山梨県立都留興譲館高校のみなさま
支援ありがとう!いっしょにがんばろうね!
まるごみJAPAN代表 DJ KOUSAKU 様
能登応援弁当楽しみにしています!!
わじまミラクルずの ガッキーさま
「こども縁日」開催ありがとうございました』
ブルックリン日本語学園 ガルシア奈津子先生
遠くニューヨークでの募金活動ありがとうございました
※このコーナーではこれまで
ご支援いただいた方々を
ご紹介させていただいています