校長室より「おこらいえ」
卒業制作ができました
地震から 423 日目
豪雨から 159 日目
学年末考査の2日目
生徒が熱心に質問に訪ねてきます
部屋もないので
寒い廊下で質問対応です
「動物と共生するまちづくりの会」
の石津佐智子さまより
お便りをいただきました
この会は
災害発生時のペット同室避難について活動なさっており
今回
「避難情報発令時、全市民が徒歩で行ける範囲に
最低一か所の『ペット同室避難』可能なスペースを
確保することを求める署名」
4,835筆を明石市に提出されたそうです
議会本会議のあと議長に請願書を提出され
全会派の推薦を得られたとのことです
市長に署名簿を提出し
防災担当部長 環境局長 教育委員会課長にも
訴えかけられたそうです
ここから第一歩を踏み出されることとなりました
大成建設さんとコラボして進めてきた
「転生プロジェクト」
災害ゴミに新たな命を吹き込むプロジェクトです
ビジネスコースの3年生が
卒業制作として取り組んでいたベンチ
完成して校庭に設置されました
被災地の瓦や漁網などを転生させました
表面の網目模様が漁網です
これから校庭でみんなを見守っていきます
【今週のありがとう】
金沢大学 上原 爽世花 さま
「能登写真展」成功裏に終わったことと思います
福田圭一監督はじめ遊学館男バレのみなさん
横断幕ありがとう!これからもよろしく!
For Michael Blayde's Mom
Thank you for the christmas card.Your son is doing well.
石川教育公務員弘済会のみなさま
助成事業への採択ありがとうございます
作曲家 弓削田 健介 様
「フェニックス」素敵な曲ありがとうございます
※このコーナーでは
これまでご支援いただいた方々を紹介させていただいています
それでも輪島にいる!
地震から 422 日目
豪雨から 158 日目
「ぼくらの街はぼくらがつくる」
輪島高校では生徒が
街づくりプロジェクト「街プロ」
に取り組んでいます
先週
一年生4名と三年生3名が
鳥羽市にあるプラスチック再生工場を
見学してきました
今のプラスチックの状況や廃棄物処理の方法など
詳しくみっちり見学させてもらいました
特にまるでアートのようなアップサイクルプラが
分別された破材から高温圧縮で加工される様を
興味津々でみてきました
輪島漁業組合から分けてもらった
廃棄扱いだった漁網が
どんな色合いで生まれ変わるか楽しみです
また先日小松大谷高校で練習試合をした
男子バレーボール部が
横断幕をいただいてきました
これは県内高校のバレーボール部が
春高バレーに出場する小松大谷高校さんに贈った
心をひとつにしたメッセージです
今回被災地のために想いを繋いでくださり
本校へとバトンリレーしてくださいました
このもようは
26日(水)夕方
石川テレビの
「石川さんパレット」で放送されます
今日から学年末考査が始まっています
みんな真剣に取り組んでいます
それからサプライズなお客様
五年前に本校に留学生として通っていた
キーガン君が訪ねてくれました
すっかりたくましく成長された彼は
現在カナダの大学で心理学を学んでいます
本校在学時代
一生懸命勉強していた図書室や
お琴の練習に励んでいた和室など
懐かしそうに見学していきました
それから本日は学校評議員会が開催されました
委員長の橋田宏幸先生より
「それでも輪島にいる」
こどもたちのために
高校ができることは何か
しっかり考えながら
教育活動を行ってほしいとの
お言葉をいただきました
橋田先生は
輪島女子ミニバスチーム
「レッドイーグルス」を率いて
能登から日本一の偉業を成し遂げるなど
その功績が認められて
先日
「いしかわ中日体育賞」を受賞なさいました
「それでも輪島にいる!」
このことばを
これからの輪島高校の
キャッチコピーとさせていただきます
さて国土交通省は
航空大学校において
入学用件に定める158cm の身長制限を
撤廃する方針を固めたそうです
国内の操縦士の約4割を輩出している
航空大学校では
女性パイロットを増やすことを
検討しています
身長が158cm未満でも
操縦装置に手足が届けば問題ない
とのことです
昔身体計測で座高を測っていましたが
それも戦時中にパイロットになれるかどうかを
判断する基準だったと聞いたことがありますが
実際どうだったのでしょう?
一般的な説明としては
内臓が十分発育すれば
胴が長くなる
すなわち胴長短足は順調な成長の証
と言われていましたが
その割に私は
すぐに腹をこわしますので
胴の長さのわりには
内臓が充分に発育していないようです
現在学校の名簿は男女混合ですが
21世紀初頭までは
男女別名簿を使用していました
男子がさきで女子があと
ジェンダー問題から
今の形に落ち着きましたが
当時はその是非について
よく議論されていました
さらに昔は
50音順ではなく生まれ順
つまり生年月日の順に並んでいました
4月26日生まれの私は
いつも3番か4番でした
これはなぜか調べてみましたが
明確な答えが見つかりませんでした
私はこれは
戦時中の徴兵順ではないかと考えています
早く成人した男子から徴兵するためです
どなたかご存じの方教えてください
ところでうちの孫娘のうーちゃんは
身長制限により遊園地の乗り物にまだ乗れません
3連休も終わりですね
地震から 421 日目
豪雨から 157 日目
3日間まるごと豪雪に翻弄され
挙げ句の果てには朝早く余震が来るなど
退屈しない連休ではありました
全国的に見ると
さまざまなイベントが行われているようで
平和でいいなと羨ましくも微笑ましい3日間でした
北海道では「昭和新山国際雪合戦」が開催され
全国から127チームおよそ1200人が参加しました
雪合戦の聖地で熱い戦いが繰り広げられました
また温泉のまち静岡県伊東市では「枕投げ大会」が開催され
全国から集まった48チームが浴衣姿で戦いました
こういったおまぬけなことを真剣にやることが大好きな私は
いつか輪島高校でチームを編成して
挑戦させたいと考えています
こういうおまぬけな大会は世界的にもたくさんあって
教育大国フィンランドにおいて
その傾向は顕著です
まずは「世界ヘビメタ編み物選手権大会」
フィンランドで特に人気のある
ヘビーメタルのライブをバックに
これまたフィンランドで人気の編み物をするという
訳のわからない大会です
そしてなんと第1回大会の優勝者は
日本人だそうで
なかなか日本も教育大国という意味では
負けていません
それから「蚊叩き選手権」
蚊が多い地方で
蚊をやっつけることを大会にして
村おこしをしちゃったという事例です
これらのフィンランドネタは
大好きなポッドキャスト番組
「そんない雑貨店」からの引用です
とっても面白いのでぜひ聴いてみてください
さて先日亡くなられた森永卓郎さんが
週刊誌に連載していたコラムの最終回を
読ませていただきました
命を削って書かれた最期のコラムには
このように書かれていました
「今後は定型的な仕事は
どんどんAIに置き換わる
数多の職業が淘汰される中
最後まで残る仕事とは何か?
それは『アート』だ
職場で新規授業を生み出す創意工夫をはじめ
『創造力』を源にした仕事は全てアートだ」
先述の「枕投げ大会」は
地元の高校生の発想が元になっていますし
「ヘビメタ編み物大会」は
一見無関係なものを組み合わせて
新しい価値を生み出したもの
「蚊叩き大会」は
弱みを強みに変えた好事例です
いずれも見事な「アート」です
屋根の上に軽四7台!
地震から 420 日目
豪雨から 156 日目
ひとしきり雪が激しくなってきました
輪島では単位時間あたりの積雪量
観測史上一位タイを記録しました
雪の重みによる家屋の倒壊が気になります
雪の重さはどれくらいでしょう
さっそく実験してみました
踏み固められていない庭の一角から
30cm四方の穴を開け
その中の雪を採取しました
深さも30cmでした
これを持って体重計に乗りました
ただいまの記録 80.3kg
雪を降ろして再び体重計に
74.3kg(衣服含む)
雪の重さは
80.3 − 74.3 = 6.0 kg
体積も測ってみました
採ってきた雪を溶かして
4Lの梅干し瓶で測ると1本半
つまり6L
水の比重は1
1Lの水の重さが 1.0 kg なので
6Lで 6.0 kg
さきほどの測定の正確性が確認できました
L は ℓ のこと
ある年齢以上のみなさん
今学校ではリットルをLと表記するんですよ
ヤングのみなさん
昔リットルは ℓ と表記していたんですよ
今回は
面積 30 × 30 = 900cm2
大雑把に見繕って
0.1 m2 あたり6kg
1m2あたり 60 kg
の積雪があったと
見積もっておきます
ところで
取り出した雪片は
1辺 30cm3 の立方体です
体積は 30 × 30 × 30 = 27000 cm3 = 27L
これが溶けて6Lの水になったので
凍ることと
空気を含むことにより 4.5 倍に
体積が膨らんでいたことになります
水は凍ると体積が増すという
特殊な性質を持っています
この性質を持つ物質は
水以外には
アンチモンやビスマスぐらいしかありません
そして水は 4℃で密度が最大に
つまり一番重くなります
氷河期の海底や湖底には
4℃の水が安定的に存在していて
陸地がどんなに冷えても
その水に生物が守られて
氷河期でも絶滅せず生き延びたと
考えられています
さあいよいよ家屋の上に
どのくらいの重さの雪があるか
求めてみます
Google マップで屋根の面積を計算です
ふたつの長方形に分けて
12 × 7 + 7 × 6 = 84 +42 = 126 m3
屋根の上の雪は
60 × 126 = 7560 kg ≒ 7.5 t!
以前リフォーム会社の方が
「軽四自動車7台分
7tの重みがかかりますよ」
って言っていたのと
一致しました
今回の雪は比較的
パウダースノーに近い
サラサラの雪でしたが
いつもの北陸地方の雪は
もっと水分を含んだ重い雪なので
さらに注意が必要です
豪雪対策で最も効果的なのは
瓦を軽いものに替えることだそうです
全国から入る復旧支援の方は
まず屋根が真っ黒なのに驚かれます
生まれてこの方
これが普通と思っていましたが
言われてはじめて気づきました
昔ながらの能登瓦は
水田の土を使い
山の薪を燃料に焼成され
漆黒の釉薬で覆われており
真っ黒でずっしり重く
耐寒性に優れます
海に向かって斜面が続く能登半島の海岸線で
高台から集落を隔てて海を見下ろすと
艶やかに光り輝く瓦の表面と
青い海のコントラストに心が奪われます
この光景はNHK朝のテレビ小説「まれ」の
オープニングでも流れていました
おそらく雪が溶けやすいように黒く
日本海から吹き付ける冬の季節風に飛ばされないよう重く
進化してきたものと思われます
今回の地震でも
昔ながらの製法で焼かれたものは
限りなく強く決して割れなかったそうです
伝統をとるか
安全性をとるか
難しい選択です
尊い仕事に就くみなさんへ
地震から 419 日目
豪雨から 155 日目
発災以来長きにわたって
自衛隊の方々のご活躍の場面を
ずっと目の当たりにしてきました
床が歪み
壁がひび割れ
すきま風が入り込む
凍てつくような
傾いた体育館の中で
足の踏み場もないほどに
敷き詰められた
狭い簡易ベッドで
ひととき身を休めながら
ずっと人命救助に
当たってこられた
自衛隊員の姿を見てきたのは
生徒も同じでした
この尊い仕事に自分も携わりたい
と決意したふたりの生徒が
自衛隊に入隊します
石川県自衛隊入隊入校予定者激励会に
参列してまいりました
自衛隊さんにご支援をいただいて以来
イベントには極力参加して
お礼を申し上げることにしています
今日は入隊予定者が
ひとりずつ壇上に上がり紹介されました
主催者である石川県防衛協会の
副会長の里谷光弘様は
本校の建設にもずっと関わってくださっていて
そのご挨拶の中で
「被災民は自衛隊の車が通ると
ずっと手を合わせている」
とおっしゃっていました
先輩隊員からの激励の中に
「自衛隊は掛け算の組織である」
とのお言葉がありました
一人ひとりの力が集まると
単なる足し算ではなく
大きく広がっていくんですね
そして掛け算の怖いところは
ひとりでもゼロがいたら
全てがゼロになってしまうこと
誰ひとりゼロを許してはいけない
厳しい組織でもあります
中部航空音楽隊による激励演奏
フィナーレを飾ったのは
「星条旗よ永遠なれ」
尊い仕事に着くみなさんを送り出しました
憲法九条に関係し
自衛隊のあり方について述べるのは
難しいものがあります
あれは湾岸戦争が激しくなってきた頃の話
自衛隊に入隊したがっている息子を止めて欲しいと
担任をしていた生徒のお母さんにお願いされ
「お母さんは君を人殺しにするために
苦労して育ててくれたんじゃないと思うよ」
と今思えばとんでもないことを口にした思い出があります
何も知らない当時は
自衛隊イコール軍隊イコール戦争と
短絡に結びつけていました
自衛隊の方々の献身的な支援の姿を
ずっと見続けてきて
今では自衛隊の車に手を合わせているひとりとして
自衛隊は国家と国民を守る
本当に尊いお仕事であるとの強い想いを抱き
今日の若者の凛々しい姿を見て
式典のあいだずっと涙を堪えていたのでした
アメリカ軍が行ったある調査があります
帰ってきた兵士の銃を調べました
すると実際に銃を撃った形跡は
ほとんどないのだそうです
隊長が「撃て!」
と命令しているのに関わらずです
実際に撃った形跡があるのは
命令をした隊長のすぐ近くに陣取っていた
ごく少数の兵士の銃だけなのです
戦争という極限状態の中でも
誰も人を殺したくなんかないようです