校長室より「おこらいえ」
調理室に水が来た!
地震から 378 日目
豪雨から 114 日目
先日一年ぶりに調理室が通水しました
家庭科の山上先生からの報告です
水が出た瞬間「おおーぉ〜」という歓声があがりました
当たり前のことができる喜びを生徒たちと分かち合いました
この間いろいろ工夫して調理した経験は
彼らにとって生きる力になると信じています
授業後「先生〜ありがとう〜」と笑顔に去る後ろ姿に
教職のやりがいを感じました
これまで長い間調整してくださった
教育委員会の方々
本当にありがとうございました
今日は成人式2日目
今年成人になられた方々です
私が校長になって
初めて卒業証書を手渡した生徒たちです
教頭時代1年生の時に授業を担当しました
明るくて元気で楽しい学年でした
2年生になる時に転勤となりますがその時
「校長になって来年帰って来てね」
と言ってくれた生徒たちです
約束どおり卒業式の日に
送り出すことができたのです
みんな凛々しいイケメンですね
「先生俺約束守ってます」
と声かけしてくれた生徒が…
彼は卒業時に
「俺ユーチューバーになります!」
頑張ってます
「時事ネタれいれい」で検索を
輪島高校の当時の担任の担任の先生方からの
ビデオメッセージも流れました
みんなとっても綺麗です
今日も昨日に引き続き
プリプリの京子ちゃんと
TUBEの角野さんと一緒に演奏です
演奏前に京子ちゃんから
「頑張ろうね」ってメンバーにガッツポーズ
被災地に来てくださる著名人の方は
どの方も偉ぶったところが全くなく
皆さん本当に優しくお声をかけてくださいます
一年越しのおめでとう
地震から 377 日目
豪雨から 113 日目
輪島市では今日から二日間にわたって
「20歳の集い」が開催されます
今日は
本当は昨年開催されるはずだった方の分
一年越しの開催となりました
式典前のアトラクションで
輪島高校吹奏楽部が
輪島吹奏楽団や市内3つの中高と合同で
お祝いの曲をプレゼントしました
TUBEのベーシスト角野秀行さん
プリンセスプリンセスのドラマー富田京子さんが
一緒に演奏してくださいました
今回繋いでくださったのは「海さくら」さんです
本物の演奏をバックに
新成人たちが
「ガラスのメモリーズ」と
「ダイヤモンド」を歌いました
写真右奥が角野さんと富田さんです
私もクラリネットで参加しました
式典後は場所を変えて
おふたりと海さくらさんから新成人に
お酒が振る舞われました
r
成人式が初めて行われたのは
終戦の翌年昭和21年(1946年)のこと
国全体が敗戦による混乱と虚脱感で
明日への希望を見いだせずにいた中
次代を担う若者たちを
勇気づけ励まそうと企画した「青年祭」
その催しのオープニングセレモニーが「成年式」
つまり「成人式」なのです
このことは
蕨市公式ウェブサイト
「成人式発祥の地のまち蕨」に詳しいです
一昔前「荒れる成人式」が問題となっていました
飲酒運転で暴走したり
市長挨拶の途中でステージに乱入したりと
上から押し付けの式典への反発なのか
単に目立ちたいだけなのか
北九州市はド派手成人式が有名ですが
ド派手にしてから
成人式が荒れないようになったそうです
逆転の発想ですね
あるレンタル衣装さんの発想だそうですが
素晴らしいアイデアです
当初は周囲から眉を顰められたそうですが
今では世界四大コレクションのひとつ
「ニューヨーク・ファッション・ウィーク」
で紹介されるほどに
荒れた成人式とはいえ
盗んだバイクで走り回り
校舎の窓ガラス壊して回った世代に比べると
かわいいもんです
若者の犯罪数
感覚的には増えているような気がしますが
実は激減していて
逆にパワハラが圧倒的に多いのは
60代の盗んだバイクで走り回った世代だったり
カスハラが圧倒的に多いのが
70代のヘルメット被ってデモしていた世代だったりします
それでもそんな無茶しても髪を切れば
今のようにエントリーシート何枚も書く必要もなく
当時はちゃっかり就職できたわけです
就職氷河時代に不採用を連発していたのが
当時人事権を握っていたヘルメット世代の方なので
何か理不尽さを感じます
年金が少ないと新幹線に火をつけた老人もいましたね
テレビのインタビューで
「年金が全てローンに消えてしまって足りない」
と嘆く老人を見ましたが
未分不相応の買い物して
勝手にローン組んだのはあなたでしょ
現役時代に自分が収めた分より多くの金を
一生懸命働いている若者から搾取しておいて
何を言う
という気がします
これから年金を受け取る入口に立っている私は
こんなこと考えています
自分は命があって寝る場所があって食べ物があれば
他には何の贅沢も要りません
1年間の被災地での家のない暮らしを経験して
今そのことを実感しています
だからご同輩
自分たちの年金少しだけ我慢して
子育て世代への手厚い支援
あるいは教育や研究にもっと予算を回しませんか
こういった世の中の理不尽に向かって
対策に取り組むことのできる
そんな若者を育成したい
これも「街プロ」の目的だったりします
12日(日)は
今年度成人を迎える方をお祝いします
求められるアナログ思考
地震から 376 日目
豪雨から 112 日目
上から降ってくる復興計画にそのまま乗っかるな
僕らの街は僕らが創る
輪高生による街づくりプロジェクト「街プロ」
昨日のNHKさんも含め
最近多くのマスコミの方に
取り上げていただくことも増え
生徒にとって大きな励みとなっています
ありがとうございます
このブログをしっかり読んでくださっていると見えて
具体的な質問をしてくださる方が多く
一つひとつ丁寧にお答えしなければと思い
誠心誠意対応させていただいております
一方で
「おい この輪島高校の『街なんとか』取材して来いよ」
「なんすか?それ?」
「知らねえよ よそで扱ってるからさ
うちだけ載せねえ訳にいかねえだろ」
「わかりましたよ やれやれ」
そんな会話があったのか知りませんが
明らかにテンションの低い取材の方もチラホラ
そんな方が決まってする質問ふたつ
(1)始めたきっかけはなんですか?
その答えはこのブログにずっと書いてますが
たくさんありすぎて一言では言い尽くせません
あえて一言で言うなら
「やりたいから」
(2)何を目指していますか?
あらかじめゴールを設定してしまっては
生徒の可能性を奪います
あえて一言で言うなら
「何も目指していません」
本日の毎日新聞に
石井洋二郎東京大学名誉教授の
インタビュー記事が掲載されていました
「求められるアナログ思考」
と題したその記事には
『思考方式がデジタル化している』
若者たちの思考の移り変わりを
まず心配していらっしゃいます
前述の
マスコミのふたつの質問は
まさにそのことを象徴しています
『ある情報が役に立つか立たないか
二項対立で物事を捉える』
とりあえず「きっかけ」と「ゴール」を聞けば
それで記事にはなりますもんね
下調べもせずにとりあえず取材に来て
短時間で切り上げたい
そんな意図が見え見えで
一気にインタビューに応じる気の失せる
質問なのでした
とはいえ多くの取材の方は
しっかり被災地に寄り添って
今でも記事にしてくださり本当に感謝です
氏は続けます
『デジタル時計は
1時から急に1時10分になるけど
そこに“間”がない
0でも1でもない“間”が思考の本質で
ものを考えるとは“間”を埋めること
0と1の間で迷ったりためらったりする
粘り強いアナログ的な思考が
今は求められている』と
考える過程を省く
世の中に関心を持つことなく諦める
こうした態度を乗り越えて
「自分たちでも社会は変えられる!」
ということを実感させること
これが「街プロ」を
始めたきっかけであり
目指すゴールです
凡人・賢人・達人と偉人
地震から 375 日目
豪雨から 111 日目
家をなくして
学校の設備もほとんど使えなくて
それでも前を向いて
不平不満を口にせず
いますべきことに取り組む生徒がいます
目指せ冬休み◯◯時間!
自分で目標を定め
それに向かって学習する取り組み
今日その目標達成者への
表彰式が行われました
最高の生徒で80時間
大晦日やお正月も含めて
1日7時間ほど頑張ったことになります
本当によく頑張りました
こんな言葉を贈りました
「凡人は不満を嘆く
賢人は不満に学ぶ
達人は不満を活かす
偉人は不満すら楽しむ」
今日は木曜日
今年も木曜日は「街プロ」の日です
今日はNHKの撮影も入りました
放送をお楽しみに
写真はナタくんです
海辺の映画館をつくろうと
ひとりで頑張っています
何度も諦めかけながら
それでも確実に前に進んでいます
昨年末に公費解体後の空き地での
上映会を実現
そして今回ついに
マリンタウンでの上映会にこぎつけました
現在悩んでいるのは
ブルーシートを敷いたとしても
お客さんのお尻が痛いこと
クッションや座布団を大募集しています
壊れた家の中に不要になったものないですか
ぜひ輪島高校までお持ちください
あるいはご連絡くだされば取りに伺います
ナタくんの夢の実現のために
どうかお力をお貸しください
ビジネスコース3年生の卒業制作です
被災地の瓦礫を転生させて
校庭に置くベンチを制作しています
お世話になった
でも傷だらけの校舎に
自分たちの心のこもった置き土産
1年生からも希望者が加わっています
大成建設さんのご支援を受けながら進めています
前回3つのグループごとにデザインしたベンチの
1/20スケールのモデルが届きました
今日はそれを手に
どんなコンセプトで設置するのか
キャッチーなコピーを考えました
NHKで
能登半島地震1年 被災地からの声 復興の行方
が放送されます
10日(金)午後7:30 <東海北陸7県向け>
の予定です
ぜひご覧ください
【今週の6ケ国転校生ナージャの発見】
ナージャにとって
昼食時間も驚きの発見の連続です
ナージャは日本の給食の大きな欠点を指摘します
それは多様性を許さないこと
彼女はベジタリアン
肉エキスさえ許されないので
日本の給食で口にできるのは牛乳だけ
一年間お昼は牛乳だけで過ごしたそうです
私も今回の震災で
小学校の給食制度のあり方に
疑問を持ったことがあります
輪島高校校舎に市内の小中学校
全ての生徒が通っていた頃
ヤクルトさんが
差し入れを持ってきてくださいました
ヤクルト1000
全員×1週間分です
私はありがたく受け入れたのですが
小学校からは拒否
乳製品アレルギーが問題のようです
結局高校生と先生方にお配りしたものの
捌ききれず大量廃棄処分に
ヤクルトさん
私の無知が故に
せっかくのご好意が悲しい結果となり
申し訳ありません
実はこの謝罪
本ブログに一度アップしたのですが
せっかくくださったヤクルトさんを
がっかりさせるような記事は
わざわざアップする必要がないのでは?
というある先生からのご指摘を踏まえて
即刻削除したものではあります
持って帰らせて
おうちの人の監督の下で飲むとか
何か方法がなかったかな?
ずっと悩んでいます
でもきっとこれまで
いたたまれない事故などがあって
今の制度になっているはずなので
よくよく調べてから
提案すべきことがらなのかなと
感じています
しかしながらこのあたりも
多様性を許さない日本の給食制度に
問題があるのかもしれません
フランスでは
小学校にカフェテリアがあるのですが
利用する生徒はほとんどなく
みな家へ帰って家族と一緒に
食べるのだそうです
両親にも長い昼休みがあって
その時間は家に帰ります
イギリスでは弁当と給食を選ぶことができ
アメリカではメニューを見て
給食を食べるか食べないか選択できるのだそうです
昼食ひとつ見ても
各国の事情が垣間見れて楽しいです
コミュニケーションあれこれ
地震から 374 日目
豪雨から 110 日目
豪雨からはや110日目ですか
ところで
警察の電話番号を110番に
消防署の電話番号を119番にした理由
高校生のみんな
どうしてだと思いますか?
ヒントは今の電話とは違う
昔のダイヤル式電話に関係があります
これ
地震でダメになった我が家にあったので
拾ってきました
どなたか欲しい方おいでます?
高くお譲りします
さてどうやって使うかわかります?
高校生諸君に説明してあげるね
1から0まで数字が丸く並んでいる内側に
大きな円盤がついているよね
これをダイヤルというんだ
ダイヤルには10個の穴が空いていて
それぞれ1から0に対応している
穴に指を入れてダイヤルを回転できるんだ
スマホだとかけたい番号に
タッチするだけでいいけど
ダイヤルでかけるには
その番号の穴に指を入れて
時計回りに回す
おーっと
時計回りがわからないか
デジタル式の時計しか目にしたことないと
仕方ないね
時計回りって右回りのことだよ
上のある物が右の方へ来るように回転させる
それが右回りすなわち時計回り
えっ
右ってどっち?
広辞苑を調べてみろ
確かちゃんと左の逆って書いてあるはずだ
左を調べると右の逆って書いてある
とにかくダイヤルの右下には
ストッパーがついていて
そこで止められるまで
ダイヤルを回して指を離す
そうするとバネの力で
ダイヤルは元の位置に戻る
1はストッパーまで距離が短いのに対して
9や0は遠いよね
つまり戻るまでに時間がかかるんだ
警察や消防に連絡する時は
一刻を争う時だから
まずはすぐに戻る1を二つ並べて
最後の一つは
戻るまでに時間のかかる0や9
かけた人が一息ついて落ち着くように
してあるんだって
ふー
いかがです
育った年代が少し違うだけで
当たり前と思っていることが
相手にとっては
必ずしも当たり前ではない
これが授業の難しさ
一般的にいうと
コミュニケーションの難しさです
活字になるとさらに
ややこしくなったりします
私の苦い経験です
友達と遊んでいた娘から
「少し帰りが遅くなる」とメール
返信のメールの最後に
あんまり遅くならないように
と言うつもりで軽く
「はよ帰って来いや」
と付け加えました
「や」にアクセントを置いて
読んでもらうつもりでした
ところがまもなく娘が帰宅して
カンカンに怒っています
「せっかく楽しく遊んでいたのに」
どうやら「来い」にアクセントを置いて
読んでしまったようです
「あなたが悪いんじゃない」
このフレーズも
読み方を変えるだけで
全く意味が変わります
語尾を下げて読むと
あなたは悪くないと
庇った意味になりますが
語尾を上げて読むと
あなたが悪いと
責める意味になります
部活動の練習で
「やる気のないやつは出て行け!」
やる気を出せと言う意味で叱っても
受け取る方にしてみたら
「出て行け」と言われたことだけ
心の傷となって残ります
保護者は当然不信感を抱きます
家庭と学校のトラブルは
ほとんどがこのような
ささいなすれ違いから生じます
末娘が輪島高校を卒業するのと入れ替えに
私は教頭として赴任しました
先生方が職員室で生徒のことを話すとき
「あいつら」「やつら」
と呼んでいるのを耳にしました
18年間大切に育ててきた娘がこんなふうに
「やつら」呼ばわりされていたのかと思うと
悲しくなりました
でもよく考えてみると
自分も若い頃は
「あいつらバカだよねー」
確かに口にしていました
決して悪気はありません
親しみを込めてのものです
でもたとえ生徒との間に
信頼感が生まれた後であったとしても
保護者がそれを耳にしたら
やはり違和感を覚えます
自分で子供を育ててみて
はじめてわかった事でした
我々教員は
普段から言葉遣いに
細心の注意を払う必要があります
今日の昼休み
先生方を臨時に招集して
このような注意喚起をしました
あんまり偉そうに
他人のこと言える立場ではないのですが
若い頃先輩の先生から
こんなことを教わりました
「生徒を殴りたいと思うほど
怒りがこみ上げてきたら
その生徒を
校長先生の子供だと思いなさい
よくぞ殴ってくれたと
あとで校長先生に感謝されると思ったら
その時は遠慮なく殴れ」
今は決して殴ってはいけませんが
この教えは今にも通じるものがあります
どうか先生方
よくぞ言ってくれたと
校長に感謝されるような
叱り方をしてください