校長室より「おこらいえ」
いずこも同じ秋の夕暮れ
256日目
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ
こんな歌にぴったりの写真を
MROのアナウンサーの原田幸子さんから
送っていただきました
とはいえまだまだ暖かい日が続きますね
It's warm for September
今度またMROラジオに
出演させていただけることになっているので
この半年の生徒の頑張りを
お話しようと思っています
さてさて
生徒の皆さんと
保護者のみなさんに
お知らせです
2学期になってから
日課を震災前のものに戻していましたが
道路事情が悪く
路線バスが定刻通りに走れないことから
来週火曜日より
全日程を10分遅らせることとしました
混乱させて申し訳ありません
また自家用車での送迎時に学校近辺が混雑するため
離れた安全な場所での下車をお願いしたところ
翌日から全ての保護者が徹底してくださいました
まことにありがとうございます!
今週末は和太鼓部が
岩手県の宮古市から招待を受け
「みやこ秋まつり」にて
ばちさばきを披露してきます
和太鼓部は引く手あまたで大活躍です
今回もいい経験ができますね
宮古の復興のようすも
しっかり見てきて欲しいと思います
また14日(土)~15日(日)の日程で
ビジネスコースの3年生4名が
大阪での「能登笑顔プロジェクト」に参加します
関西大学高等部の文化祭で
北陸物産展のお手伝いをしてきます
本場の笑いを持って帰ってきます
今日は木曜日
「街プロ」のある日でした
私は別のオンライン会議で
見に行くことができませんでしたが
どんな様子だったのでしょうか?
国立教育政策研究所の小松郁夫氏は
「学習者の興味関心から立ち上がった
トピック(話題や言語活動)の題材に
多面的・多角的名学習活動が有機的につながる
トピック学習的な活動が保障される
時間と方法が確保されることが重要である」
とおっしゃっています
まさに「街プロ」が目指すものだ!
と思いました
先生方は生徒の取り組みをただ眺めるのではなく
ご自分の教科の視点からぜひともアドバイスして
導いてあげてください
1988年イギリスにおいて教育改革法で
全国共通教育課程が制定されました
このときモデルとしたのが
日本のカリキュラムだったそうです
先日このコラムで書きましたが
フィンランドの教育課程も
日本のカリキュラムが元となっています
このように日本の優れた教育システムは
各国の参考とするところです
今回この被災地で行われている教育を
OECD(経済協力開発機構)の力を借りて
世界に発信していこうという試みに
今取り組んでいます
まさに半島の最先端から
めざせ世界の教育の最先端!
とはいえ実は
「街プロ」のような取り組みをしている学校は
全国にあって
優れた実践例もたくさんあります
今こそ日本が胸を張って
教育を世界にPRする時期が来ていると感じます
エレベータートーク再開
254日目
Save the Children さんが
「2024年能登半島地震子どもアンケート
〜震災から半年 いま伝えたい子どもたちの声〜」
7月に実施されたアンケートの結果を
送ってくださいました
2000人を超える子どもたちが
どんなことを思い
どんなことを考えているのか
未来を語る時に
絶対に子どもたちを抜きにしてはいけません
ぜひとも多くの人たちに見てもらいたいと
主催者に許可を得てリンクを張らせていただきました
https://www.savechildren.or.jp/scjcms/sc_activity.php?d=4535
https://www.savechildren.or.jp/news/publications/download/report-notochildrenvoice2024.pdf
回答者の内訳は小4から高4
輪島高校には定時制もあるため
高校4年生がいます
性別は
その他 無回答が2%
性別違和を感じる人は10%
左利きの人やAB型の人の割合と同じ
と言われているので
言えずに悩んでいる子もいるのでしょう
「大人に伝えたいことは何ですか?」
の問いかけに
最も多く41%の子どもたちが答えたのは
なんだと思いますか?
「感謝の気持ち」なんです
次に「自分たちのまちの復興のこと」
しっかりと未来を見つめています
誰に伝えたいですか?
の問いに最も多かったのは総理大臣!
自民党総裁選に出馬の先生方
ぜひ被災地の子どもたちの声に耳を傾けてください
「地震が起きても人が傷つかない世の中にしてください」
「この思いと心の傷は一生なくなりません 悲しい思いを知ってほしいです」
「これが東京や大阪でおこったのなら こんなに復興が遅いわけないでしょう」
「輪島市は見捨てられたんですか?帰る場所がないのは嫌です」
学校では去年まで普通にやっていたこと
でも今年はできていないこと
たくさんあります
そんなこと
ひとつずつ戻していきますね
まずは
校長面談「エレベータートーク」
去年の3年生には4月からやってたんですが
今年は昨日からスタートです
「エレベータートーク」とは
あるベンチャー企業の若手起業家が
投資家を待ち伏せて
偶然乗り合わせたふりをしたエレベーターの中での
わずか15秒間の間にプレゼンして
見事資金調達に成功した
シリコンバレーでのサクセスストーリーが
元になっています
校長室でプレゼンしてみろと
順番にひとりずつ呼んで
全員の気持ちを聞きます
そんな今日の一コマ
「校長!教室にポット置いてください」
「なんで?」
「学校でカップヌードル食いたいッス」
「家で食べたら?」
「他にも食いたい友達います」
「ポットぐらい自分で持って来たら?人に頼るな」
「いいんっスか?」
「逆に聞くけどなんでダメなの?」
「担任が怒ります」
「そうかな?なんでダメって言うと思う?」
「危ないから?火傷するから?」
「もし仮に誰かが火傷しても
その事故を予見できるかどうかが裁判の争点になる
高校生にもなったらポットのお湯は熱いことくらい
判断できるはずだから
もし誰かが火傷してもその責任は高校にはないと
司法判断されると思うよ
だからそれは担任が反対する理由にはなり得ないと思うな」
「自分がやったら他のみんなもやり始めて収集つかなくなるから?」
「それはあるね
全ての教室で一斉にポットを使うと
電気容量オーバーでブレーカーが落ちるよ」
「じゃあルールを決めて順番に使うとかしたら…」
「そう!他にもいくつか問題があるよ
それらを全部洗い出して
その解決策も全部考えついたらまたおいで」
「わかりました!話してよかったっス!」
目を輝かせて帰って行きました
どんな答えを持ってくるか楽しみです
今日は二百二十日
震災から数えて253日目
立春から数えて220日目
立春は年によって変わるけど
だいたい2月4日頃
そこから数えて210日目を二百十日
その10日後を二百二十日といいます
昔の農家の人々が
この頃に台風が襲ってくるのを
経験的に知っていたのです
こうして合い言葉のように
台風の被害を戒め
言い伝えてきたのです
残念ながら地震がいつ来るかということは
台風のように予測がつきませんが
だからこそしっかりと備える必要があります
今学校では
固定すべき棚の調査と固定作業を進めています
1月の地震で終わったとは言い切れませんから
見て下さい
この素晴らしい景色
職員仮設住宅からの眺めです
毎朝こんな気持ちのいい場所からの出勤です
おそらく条件が合えば
遠く立山連峰を望むことができるはず
立山からの良い気を
全て吸い込むような
パワースポットです
今日の夕方18:09より
文化祭の模様が石川テレビで
放送されます
今日もいろいろ
253日目
株式会社 楽ドラさんの代表取締役
山田 元子(かれん)様が
能登被災地5高校で
速読の講話とレッスンを
してくださいます
本校へは
10月23日(水)の午後に来てくださいます
書籍「らく速読」を生徒全員に
プレゼントしてくださるそうです
皆様からのご支援をお願いしています
よろしければご協力下さい
https://rakudora.sukumane.biz/sukumane/form/detail/1686
2年生「文学国語」の授業では
読者の興味関心を惹きつける
創作活動を行いました
指導されたのは川端葵先生
図書室に生徒たちの作品が
展示されています
豊かな創造力と表現力に驚かされます
金沢大学のボランティアチーム
「ボラさぽ」のみなさんが
来てくださいました
グラウンドの石拾いと整備
瓦礫や壊れたブロックの撤去
枝の剪定や草刈りなど
一日かけて学校を綺麗にしてくださいました
次回は9月14日(土)に来てくださいます
どうもありがとうございます
今朝出勤途中で見た驚くべき光景
写真真ん中のパワーショベルを見てください
これおそらく60度以上ある断崖絶壁ですよ
こんなんあり?
命がけの作業です
尊敬します
はたらきアリの法則
252日目
はたらきアリの法則というのがあって
アリは働き者に見えるけど
実際に働いているのは
全体のおよそ3割程度だ
というものです
全く働こうともしないのが1割
残りの6割は
とりあえず働いているふりをしています
3割の働き者だけを集めて
新しい優秀な集団を作っても
やがてその割合は
3:6:1に行き着くのだそうです
実は何にもしない1割にも
それなりに大きな役割があって
仮に群れ全員が同じ方向を向いて
働いていたら
不測の事態が起こった時に
群れが全滅してしまう
そうなった時に生き残った1割が
新しい群れを作っていくのです
人間社会も何だかよく似ている気がします
私は若い頃は
なんやかんやといろんなところに
いちゃもんつけては
なんとかサボることばっかり考えていた1割でしたが
今こうして生き残って
自分でも信じられないほど
3割の仲間入りをしています
さて
先日行われた文化祭の振り返りを
若手の先生方で行いました
石川県教育委員会の
教員養成プログラムは
全国に自慢できるほどのシステムです
若手教員養成プロジェクト
通称「若プロ」の大きな柱として
各学校が主体的に研修を推進しています
今回の振り返りは
その研修の一環としてのものです
文化祭の振り返り
多忙な先生方なので
最も効率良いのは
オンラインを使ってのアンケート集約ですが
これまでの経験から
この手法の問題点は
1割の先生が提出してくれないこと
きちんと回答してくださる先生が3割
残りの6割はとりあえず提出だけしておこう
と分かれることです
6割の先生にはさらに2つのタイプがあって
「よかった 最高 問題なし」
と無批判に誉めてくれるタイプ
もうひとつのタイプは
ほとんどどうでもいいような細かいことに
ネチネチ小さな文字でびっちり
問題点の指摘だけをしてくるタイプ
係としては
「あなた気づいていたんですよね
そこで何かしてくださったんですか?」
と言いたくなり
係の精神衛生上非常に良くないタイプです
そこで今回はあえて対面での振り返り
でも
「あそこがダメ
ここもダメ」
というありがちな反省会では
次やるのがイヤになってしまいます
次に繋がるような
「大好き反省会」を
OECDから教えていただいたので
それを実践してみました
次の事柄について
1分間自分だけで考え
1分間グループでシェア
それをKJ法で繰り返します
KJ法というのは
付箋を用いてお互いの考えを深め合う
話し合いの手法です
Drop:次回簡略化できること
Add:今回足りなくてプラスすればいいこと
Improve:次回発展できそうなこと
Self care:今回自分が頑張ったこと 思いっきり自画自賛
Ubuntu:他の人の頑張りを見つける
Keep:次回もぜひ継続すればいいこと
Identity:今回の文化祭を通して自分が一番変わったこと
これらの頭文字をとって
「DAISUKI(大好き)ふりかえり」です
今回の研修にはもうひとつ狙いがあって
それは私が目指していた
授業スタイルの伝承です
239日目に登場したフィンランドの校長先生
「フィンランドでは
1時間の授業中に
7分以上しゃべる教師は
無能と評価されます」
できるだけコンパクトに
説明をまとめ上げ
生徒の活動時間を
充分に確保することが
求められているのです
今回講師を務めた私がやったことは
最初のルール説明とタイムキープのみ
一方受講者は休む間もなく
頭をフル回転させていたはずです
「授業中いかに教員が楽をして
生徒の頭を疲れさせるか」
これが私が授業を組み立てるときの
大きなテーマでした
ただしこのタイプの授業には
入念な準備の時間が必要となります
それでも一度作ってしまえば
それは生涯使える財産となるので
若い先生方には
自分だけの授業を
一つひとつ作っていって欲しいと思います