校長室より「おこらいえ」
天気予報とそのしくみ
167日目
梅雨入り間近
157日目に予告した
天気予報のしくみです
地上に目に見えない
でっかいルービックキューブがあると
想像してみてください
1ピースごとのキューブそれぞれについて
その中の温度・気圧・水蒸気量
を測定します
そうして
まず同じ高度での
隣同士の気圧を比較します
気圧の高い方から低い方へ
風が吹くので
一定時間内での横方向の
水蒸気の移動を予測できます
と同時に上下のキューブでの
温度差を比較すると
暖かい空気は上へ行くので
縦方向の水蒸気の移動も
予測できます
このように一定時間後の
空気の状態を計算させることで
天気を予測するのです
キューブを小さく
そして時間の刻みを短く
設定することにより
より正確な予報が可能となります
気象衛星からの
可視画像や赤外画像を
解析することで
本来人間が
近づけないようなところからでも
計算の元になる
データを集めることができます
可視画像とは
文字通り人の目に見えるままの画像
雲の厚いところは白く
雲のないところは黒く映ります
水蒸気量の測定ができます
赤外画像とは
赤外線の多いところを黒く
少ないところを白くなるよう
コンピュータ処理した画像です
温度の高いものからは
より多くの赤外線が放出されます
地表に近いほど温度が高いので
低い雲ほど多くの赤外線を放出します
このことにより
どのくらいの高度に
雲があるかを分析できます
このような作業を経て
予想天気図を作ります
そして過去のよく似た天気図を集めて
そのうち何%雨が降っていたかで
降水確率を計算します
決して予報官が
下駄を投げているわけではありません
地表だけではなく
上空の天気図も作ります
高層天気図といいます
台風は強烈な渦の
上昇気流を作ります
この渦は上空の空気の薄いところへ
向かって進みます
台風の進路予想の
手がかりのひとつとなります
「台風はいいな
進路が決まっていて」
と進路に悩む3年生が
昔つぶやいていたのを思い出しました
街プロ7 学生の不安とその解消
167日目
校舎の一部の水道・ガスが復旧せず
理科の実験や調理実習など
行うことができていません
そんな状況の中
NPO法人
日本茶インストラクター協会の
古谷 正寿さん
古谷 江里子さんをお招きして
講義「お茶学びの時間」
実習「おいしいお茶を楽しもう」
を行いました
みんなでポリタンクを使って
水を運び込みました
出来上がった和菓子は
内灘高校で学習している生徒たちにも
届けられました
以下は担当の山上佳織先生からのレポートです
本日の授業資料、お茶3種類、お菓子を無事に内灘高校の生徒へ届けることができました。
「センセ〜久しぶり〜」という明るい声にホッとしました。
それと同時に、一回り大きく成長している生徒の姿に気づき、アレから半年も顔を合わせていなかったことに胸が締めつけられました。
お菓子は、3年生全員(フードではない生徒にも)に分けました。「美味しい〜」と嬉しそうに頬張っていました。
午前の対面授業では、生徒たちはとても張り切っていました。
講義のまとめでは、3名の生徒が自ら手を挙げ、お茶の種類や効能について理解できたことを発表していました。
お茶に対する教養や興味が深まったようでした。
断水、ガスなしの状況ですが、実技ができました。
ありがとうございました。
サッカー部が
チャリティーイベントに参加しました
リヴァプールFCの遠藤航選手
U-23日本代表のチェイス・アンリ選手との
交流です
100人ほどの中から
舩崎くんがじゃんけん大会で優勝
遠藤選手のスパイクを獲得しました
今日の「街プロ」
【福祉③】学生の不安とその解消
殴った傷は時間が癒すけど
心の傷は一生治らない
震災以前からですが
暴言・暴力・無視や
SNSを利用したいじめなど
気に病んでいます
現在輪島市にはティーンラボがあるけど
門前・町野・三井地区にも作りたい
高校を卒業したら
輪島を出て行く人が多いけど
また戻って来たいと思えるような
学生生活を送れる街にしたい
街プロ アイデア6 街づくりプロジェクト福祉
166日目
最近このブログを読んでくださっている
同世代の方から
ところどころに散りばめられる
選曲のセンスがドンピシャです
などの言葉をいただきます
♪ソーダ水の中を貨物船が通る
そんな風景の見える内灘高校に
今も16人の生徒が
帰る目処の立たないまま
通って来ています
潮風香る教室はすっかり初夏
エアコンのついていない教室なので
窓を開けっぱなしにしています
エアコン工事が間に合わず
突然暑くなってきたので
急きょ図書室をオンライン用の部屋として
使用させていただけることとなりました
内灘高校の校長先生 先生方 生徒のみなさん
本当にありがとうございます
今日の「街プロ」
【福祉②】街づくりプロジェクト福祉
若者と高齢者が共に協力しながら
過ごせる街にしたいと考えています
他人とコミュニケーションをとらないと
高齢者の認知機能が低下することも
心配しています
生活環境が少し落ち着いてくると
世代間のギャップが見え始めます
現在の避難所でも
お互いの顔を見てコミュニケーションとりたい
高齢者世代と
それでもプライバシーは守りたい
子育て世代
お互いの価値観をぶつけ合うだけでは
問題は解決しません
私はいわゆる「新人類」と呼ばれる世代です
当時自分はその言葉に対し
自分が理解できないものを
ことごとく拒否する
若い世代に歩み寄ることを諦めた
傲慢な老人たちによる
勝手なカテゴリーであると猛烈に反発し
自分は決してそんな年寄りにはなるまいと
誓ったものですがどうでしょう
知らず知らずのうちに
そうなってはいないか振り返る日々です
まずは老人ホームでの活動になるのでしょうか?
実体の見えづらい在宅の方への
アプローチについても検討できるといいですね
地域包括支援センターなどへの
相談も考えられますね
がんばれ!
新潟の北信越大会で競歩していた
岩波さん
インターハイ行きを決めました!
陸上競技場が潰れ
地震で波打った道路しかない状況の中
それでも全力を尽くして練習した結果です!
街プロ アイデア5 福祉の視点から見た輪島の課題
165日目
新潟で開催される
第63回北信越高等学校陸上競技対抗選手権大会へ
3年生の岩波和紗さんが出発しました
岩波さんは14日(金)14:05より
競歩に出場します
続いて迷い猫のお知らせです
数日前から新顔の猫が
職員玄関先に顔を出してます
とても人懐っこいので
どなたか飼われていたものと
思われます
きっとご心配されているでしょう
右耳の先端が切れているのが特徴です
お心当たりの方は
輪島高校までご連絡ください
0768-22-2105
今日の「街プロ」
【福祉①】福祉の視点から見た輪島の課題
多くの人が幸せに暮らせる輪島を目指し
個人で研究しています
現在でも多くの家屋が倒壊したまま
水道や電気が復旧していないところも
人々の心には無力感や鬱気分
避難生活が長引くことで
怒りやトラブルも増えてきて
被災者に今一番必要なものは?
輪島の人が幸せになるようなものとは?
哲学的な問いに向かって頑張っています
松下幸之助さんはおっしゃっています
どんなに悔いても過去は変わらない
どれほど心配したところで
未来もどうなるものでもない
いま現在に最善を尽くすこと
特にふたつめは身をもって
感じているのでは?
半年前には想像もできなかった
現在を生きていますもんね
未来は心配するものじゃなくて
思い描くもの
街プロ アイデア4 病院にヨギボーを置こう!
164日目
今日の「街プロ」
【医療】病院にヨギボーを置こう!
このグループは
輪島の医療をテーマに
探究しています
子どもがたくさんいる街を
思い描いています
そうなると
小児科などの医療の充実が
求められます
スポーツも活発にしたいです
となるとスポーツ専門医も欲しいです
幸い「ごちゃまるクリニック」の
小浦先生は
地域医療そして子どもの居場所づくりに
ご活躍されていますので
まずはそこを訪ねて
現状を勉強してみるといいですね
新たな課題あるいは視点に出逢えます
病院の待ち時間も課題であると
考えています
アメリカのある空港であった実話です
乗客からのクレーム対応です
預けた荷物がレーンに出てくるのが遅い
という多くのクレームがありました
普通なら
荷物を下ろす人員を増やすなどして
時間短縮の方法を探るのでしょうが
空港はそのクレームに対して
徹底的にリサーチします
すると
荷物が遅いせいで
地下鉄に遅れたなどの
トラブルが一切ないことに
気づきました
単に「待たされる」という事実に
不満があるようです
そこで空港が考えたアイデアは
飛行機を降りてから
荷物受け取り場までの動線を
わざと遠回りさせて
時間がかかるようにしたのです
すると乗客からのクレームは
一切なくなったそうです
徹底的にリサーチすることで
思いもよらない解決法に出会うものです
エレベーターの前に
鏡を設置してあるのも
同じ理由だそうですね
エレベーター待ちの間
鏡を見て身だしなみチェックできることで
乗客のイライラを緩和させるそうです
このグループは
病院の待合室に
ヨギボーを置くことで
リラックスしながら
待てるしくみを考えました
明日は木曜日
「街プロ」のある日です
外部からの支援やアドバイザーの方も
お越しいただけるほか
マスコミの取材も多く入ってきます
マスコミの方は
社会の隅々まで熟知されているので
逆にインタビューして
アイデアを引き出すくらい
逞しい生徒が出てくることを
期待します
豊中市の田中嘉一様が
ご自身が制作されたアクリル画を
贈ってくださいました
NHKの番組をごらんになって
送ってくださいました
タイトルは「きっと何とかする。」
尼崎美術展の入選作だそうです
ありがとうございます
また本日
卒業生の合格体験記ができました
2次避難所としておせわになった
金沢市 彩の庭ホテルさん
共通テストに向けて
学用品などを送ってくださった
山越先生と塩田先生
いろんな方への感謝のことばが
綴られています
合格体験記
それは最後まであきらめずに
目標に向かって邁進した
卒業生の生の声
街プロ アイデア3 イケメン漁師の会
163日目
今日も花の話から
生徒玄関先に小さな花壇があります
教頭時代に
ラベンダーとカモミールを植えました
転勤する時に
生物の担当の伊奈岡先生に
「あとは頼む」と託して去りました
伊奈岡先生は輪島高校のさかなクン
海洋生物がご専門ですが
1年後私が校長として帰ってきた時には
立派に育てあげてくれていました
今回の震災で
花壇は地割れをおこし
もうダメかなと
思っていたのですが
昨日紹介した胡蝶蘭同様
可憐な花を咲かせています
植物の生命力には感動するねと
輪島高校の文科大臣
矢田先生と話ししています
背景に写っている時計は
4時10分を指したままです
同じ花壇に
学務員の谷川さんが
綺麗な花を植えてくださいました
今日の「街プロ」
【一次産業】農業と漁業
今日紹介するのは
とにかく元気な女の子のグループです
「イケメン漁師の会作って盛り上げようぜ!」
「ヨッシャー!」
ってノリで
女豹の若く
あるいは胡蝶蘭のように
気高く猛々しく
ところがです
先日の発表会では
借りてきた子猫ちゃん
あるいはカモミールの小花のように
繊細で奥ゆかしく
確かに輪島の漁師は
ワイルドでイケメンです
目のつけどころはいいですね
どんな探究になるのか楽しみです!
街プロ アイデア2 海辺の映画館
162日目
11日目に紹介した
倒れた棚の下敷きになって
ズタズタになっていた胡蝶蘭が
今朝花をつけました
けなげに咲いています
わずか1輪ですが
ひとしきりうれしそうに揺れています
153日目にご紹介した横浜でのイベントに
来場してくださった横浜市の酒井さまから
生徒たちに向けてお手紙とお土産をいただきました
ありがとうございました
今日の「街プロ」
【仕事②】海辺で映画を見よう
この研究は左手ナタコーンさんの
個人研究になります
輪島にしかない観光スポットを作りたい彼は
タイの出身です
子どものころタイで見た
路上映画が忘れられなくてとのことです
輪島にある
沈みゆく夕陽の美しい
袖ケ浜のビーチにスクリーンを置いて
まずは土日の夕刻に上映です
袖ケ浜には
隆起を起こした
新しい海岸がひろがっています
そこを利用するのも
新しい手かもしれません
最初は無償でスタートさせて
募金箱を設置するそうです
発表を聴いたメンターの方からは
「映像機材関係のスポンサーが付きそう
話題を呼んで予想以上に人が来た時の
交通誘導や安全点検も必要ですね」
とのコメントをいただきました
このブログでは
生徒の探究の進捗状況をひとつずつ紹介しますが
全体像については
こちらの生徒によるメモをご覧ください
マルハラって何?
161日目
昨日
池上彰さんの番組で
「マルハラ」について
解説なさっていました
メールのやりとりの中で
上司からの「了解。」
これがハラスメントなんだそうです
どこが問題かわかりますか?
読点「。」です
何か言い切られているようで
冷たい感じがして
受け取った方は辛いようです
「モーニング娘。」
確かにこの場合
私たちはやってやる!
なんだか力強さを感じます
これに対し
伊集院光さんは
「上司は知らずに使っているのだから
気になりますと伝えてみては?」
とおっしゃっていました
確かに陰で何でもかんでも
「◯◯ハラ」というのはどうかと思います
と同時に上司の方も
それを言い出しにくい雰囲気を
醸し出していないか
振り返る必要があります
そういえば最近は交通違反取締りも
ずいぶん様変わりしてきました
私自身若い頃
飲酒運転 麻薬運転 集団暴走以外の
大概の違反で
国庫におおいに貢献してきましたが
「はい!そこの黒いセダン!
路肩寄せて止まりなさい!」
後ろからパトカーに怒鳴られ
その度に
「俺だけじゃねえだろ!」
今思えば見当違いな抵抗をしながら
免許証を提示していたものです
ところが先日目にした取り締まりでは
「白のワゴンを運転されている方
申し訳ございません
お車を路肩に寄せて停めていただけますか?
気をつけてくださいね
そう
ゆっくりゆっくり
はい
ご協力ありがとうございます❤️」
こんな感じでした
確かにこれだったら
「うっかりスピード出てしまいました
次から気をつけます
ごめんなさい」
と素直になれそうな気がします
ところでこのブログ
これまで
「。」を使っていなかったということに
お気づきの方いらっしゃいますか?
街プロ アイデア1 コンパクトシティ
160日目
「僕らの街は僕らが作る」街プロ
7日(金)
最初の発表会を行いました
自分たちがそれぞれ
どんな視点で
どんな街づくりに取り組んでいくのか
発表しあいました
毎日少しずつ紹介します
ご助言してくださる方
ご支援してくださる方
大募集中です
ご連絡お待ちしています!
【仕事①】コンパクトシティで輪島を復興
パリ(フランス)
メルボルン(オーストラリア)
バンクーバー(カナダ)
ポートランド(アメリカ)
これらは世界五大コンパクトシティと
呼ばれています
コンパクトシティとは
郊外に居住地域が広がるのを抑え
できるだけ生活圏を小さくした街のこと
五大コンパクトシティ
最後の一つは
なんとお隣の富山
富山市では絵に描いたような
ドーナツ化現象が問題となっていました
ほとんどの人ががマイカーを使っており
公共交通機関が衰退し
車がないと生きていけません
このままではダメだとして
公共交通機関の整備に乗り出します
まずは廃線になる予定だった
JR線を利用して
路面電車を作りました
そして県内全域から
市の中心部に人を集める秘策に
乗り出します
まずは県内全域から富山駅までのバス
お年寄りはどこから来ても100円
ただし条件があって
富山駅で降りた場合のみ
ひとつ手前のバス停で降りたら通常料金
このことにより
どこに用事があっても
一旦富山駅前に
人を集めることに成功します
もうひとつの条件は
小さい子供を連れていること
自分の孫でなくて
近所の子でもOK
小さい子がいると
なんでも買ってあげたくなったり
一緒にご飯食べたくなります
お年寄りだけだと
もったいないしうち帰って食べよ
ってなりますもんね
このことで市の中心部に
お金を落とさせることに成功します
次に外国人は無料
富山県では立山登山に
多くの外国人が来ていました
ところが山に登るだけでは
県はそう潤いません
このことにより
登山が終わった後他府県へ流れていた
インバウンドの獲得に成功します
さらにさらにお花を持っているとタダ
単に華やかだから
というのが当初の理由だったそうですが
駅前の花屋さんが売れることがわかると
オシャレな都会の花屋さんが
どんどん出店するように
なったのだそうです
以上のネタは
以前武田鉄矢の「今朝の三枚おろし」
で聞いたネタです
記憶違いがあったらごめんなさい
アイデアと工夫で街を甦らせた富山
大いに参考になる点がありそうです
心字池に架かるみっつの赤い橋
159日目
たとえば
日本一の和英辞典があったとして
和英辞典は日本にしかないものなので
それはすなわち世界一
ということになります
先日 縁あって
たくさんの義援金を
福岡から届けてくださった
都築学園の
福岡第一高等学校さんと
福岡薬科大学付属高等学校さん
創設者の都築貞枝先生が
最初に教鞭をとられたのが
輪島高校の前身の
輪島高等女学校だったという縁で
お越しくださいました
貞枝先生が輪島に赴任しなければ
もしかしたら都築学園は
なかったかもしれないし
もちろん今回の出逢いもなかった
そう考えると
人の縁の不思議を感じます
太宰府天満宮
心字池に架かる
みっつの赤い橋は
ひとつめが過去で
ふたつめが今
そして…
過去から未来へと
確実に時は繋がっていく
今回の地震で実感しています
さてその2校で
昨日体育祭が行われました
今年3回目を迎える「夜の体育祭」
熱中症が怖ければ夜にやればいい
できない理由を並べ立てるのではなく
どうやったらできるかを追求する
見習うべき姿勢です
開会式では都築仁子校長先生が
「飛行機は追い風では飛べません
向かい風に向かって行くから
飛び立てるのです」
なんだか今の自分たちに向けられた
言葉のようにも感じました
そして
「日本一の体育祭にしましょう」と
輪島高校ともオンラインでつなぎ
生徒会の役員たちの姿が
会場の大型スクリーンに映し出され
直接お礼を言うことができました
レッド ブルー イエローの
3つのグループで
競い合いますが
応援合戦では
レッドの応援のときは
ブルーもイエローも
真っ赤なペンライトを振るなど
学校一体となって盛り上げます
そしてスポーツが好きな生徒も
そうじゃない生徒も
全ての生徒が楽しめる工夫が
なされていました
まさに日本一の体育祭
そう実感しました
体育祭は日本にしかない文化です
最後に校長先生がご挨拶なさいました
「世界一の体育祭でしたよ」
アカシアの花咲く丘で
158日目
遠くに聞こえる潮騒と
小鳥のさえずり
時折響いてくる列車の音
窓を開けると
心地よい海の匂いのする
内灘の学び舎に
まだ帰る家のない
高校生たちが
通ってきています
暮らせる目処のついた生徒から
輪島に戻って来てはいるものの
まだ16名の生徒が残っています
輪島高校の他には
飯田高校の生徒がひとりだけ
学校ごとに別々の教室を使っていましたが
ひとりだとさみしいので
いっしょに輪島高校の教室で
オンライン授業を受けています
今ではすっかり仲良しです
夏が来ます
金沢大学さんが
エアコンを設置してくださることに
なっています
本当にありがとうございます
今は淋しくて辛いだろうけど
この場所のこの学び舎のこの教室は
懐かしい匂いのする風景として
心の中に残っていくのだろうな
そんなことふと思いました
地震の授業
157日目
余震から2日が過ぎ
「この後まだ余震は来るんか?
理科の先生ならわかるやろ」
とムチャ振りされています
えー
地震の波にはふたつありまして
速い波と遅い波
速い波は最初に到着するので
Primary wave 略してP波
Primaryは
プライムタイムや
アマゾンプライムのプライムで
第一のという意味があります
プライムタイムというのは
一番視聴率の取れる時間帯
という意味ですからね
P波は進行方向に対して
縦に伸び縮みしながら進みます
お相撲さんが
どすこいどすこいと
突っ張るイメージです
突っ張られた方の力士は
顔が前後につまり横方向に
揺れますよね
すなわちP波が届くと
横揺れが起こります
P波に続いて
遅い方のSecondary wave
略してS波が届きます
Secondary は
二塁手や秒を表すセカンド
1時間を最初に60分割して
ミニマライズつまり細かくしたのが
分つまりミニット
ミニットをさらに2回目に60分割したのが
セカンダリーミニット
すなわち秒です
S波は進行方向に対して
横方向にうねりながら進みます
スタンドの応援のウエイブが
まさにそれです
ウエイブを一人ひとり見ると
横には移動せず上下してますよね
つまりS波が届くと縦に揺れます
まとめると
P波は縦波横揺れ
S波は横波縦揺れ
このややこしさが
受験生を悩ませます
1秒間に進む距離は
P波が7km S波が4km
いずれにしても新幹線の100倍以上で
恐るべきスピードです
例えば震源から28km離れた地点まで
P波は4秒 S波は7秒で到着し
3秒の時間差が生まれます
この時間差を他に2地点
合計3地点で計測できれば
震源地を特定することができます
するとあらゆる地点への
地震の到着時刻を
割り出すことができるのです
これが緊急地震速報の仕組みです
とここまでは理科の教員として
わかるのですが
さすがに余震予知までは…
さーて来週のおこらいえは
「どうして未来の天気がわかるの?」
天気予報のしくみです
じゃんけんぽん
うふふ
「おはよう日本」の力
156日目
今朝 NHKの「おはよう日本」で
「街プロ」で一生懸命努力している
ふたりの輪高生が紹介されました
まずは邑田 達紀さん
祭りの力で復興を成し遂げたいそう
続いて明後心咲さん
自分自身さみしい思いをしたので
同じ思いをしている子どもたちに
寄り添える場所を作りたいそう
それを見た多くの方から
支援の声が届いています
この番組は
誠実なディレクターさんが
ずっと寄り添って
とても丁寧な作り方をされているので
多くの方の心を動かしたのだと思います
心のケアなど精神看護を専門とする
「らいず訪問看護ステーション」さん
本校の相談課と連絡を取りながら
生徒の様子を観ていただこうかと
考えています
東日本大震災をきっかけとして設立された
「一般財団法人 教育支援グローバル基金」さん
経済的支援や研修活動を行なっています
「街プロ」との関わりの中で
ご一緒させていただきたいと思います
宇都宮のボランティア団体
「ムリーヤ」さん
8月に体育祭に招待してくださるのだそう
輪島高校チームとして出場します
また 番組とは関係ありませんが
愛知県豊岡市のバレーボール関係の方
バレーボール部に対して
ユニフォームやボール代として
使って欲しいということです
私自身は今日
商業高校の校長会に出席しました
本校は
輪島実業高校商業科の流れを汲む
ビジネスコースが設置されているので
普通高校ながら
商業高校会に加盟しています
松任高校の中町玲子校長先生から
声をかけていただきました
「みんな少しずつ慣れてきましたよ」
そう震災によりおよそ30人の生徒が
転校してしまいましたが
松任高校さんには
最も多く受け入れていただき
4人の生徒がお世話になっているのです
校長先生は一人ひとりの様子を
教えてくださいました
しっかりと見守ってくださる
いい校長先生に出会えたね
帰りには金沢北陵高校さんの
グラウンドを見に行ってきました
中村 悟 校長先生が敷地内を
案内してくださいました
目の前に広がる雄大な眺めに思わず
「見晴らしのいい学校ですね」
「いいえ 見晴らしが良くなったんです」
近づいてみると目の前の山が崩れ落ちて
視界がひらけたようです
こんなに離れた金沢でも
こんなに被害があったのですね
学校に帰ると
先日招待してくださった
仙台育英高校野球部保護者会の皆さんが
かっこいいパネルをつくって
送ってくださっていました
うちの選手たちって
こんなにかっこよかったんだと感動
特に監督と部長が男前です
すわ余震
155日目
今朝ほど
能登沖を震源とする
2度の余震が観測されましjた
生徒やその家族の被害の連絡は
今のところなく
通常通りの学校活動を行っています
校舎にも
大きな被害は確認されませんでしたが
傾きが少し大きくなった棟があります
生徒が学習活動をする棟ではありませんので
ご心配なく
自分でタイトルに書いておいて
なんですけど
「すわ地震」の「すわ」って何?
「すわ火事」「すわ雷」とは
言わないですよね
地震の枕詞?
今日の余震で
正月のこと思い出しました
「紅白歌合戦」から「ゆく年くる年」に
切り替わる瞬間が昔から好きです
「赤組優勝おめでとう!」
クラッカーバーン!
花吹雪キラキラ…
・・・
「ゴーン」
・・・
「ここ永平寺では…」
このギャップ
そしてこの静寂
蝋燭の炎が映ります
なんとも言えない
厳かな気持ちになる瞬間です
年が明けると初詣に行きます
今年は能登で一番大きい神社
気多大社へ詣でました
おみくじをひくと「大吉」
これまでの苦労が花咲く!
みたいなことが
書かれていたような気がします
その数分後です
「テロンテロン
テロンテロン
緊急地震速報!…」
大きな揺れが襲います
「火を消せ!」
屋台に向かって叫びます
津波警報が発令
すぐさま裏山へと駆け上り
避難所で一晩明かすことになりました
「ゆく年くる年」で
蝋燭の炎が映し出された24時間後
目に飛び込んできたのは
我が家に迫り来る炎の映像でした
あの時ひいたおみくじに
「大凶!お前の街が消えてなくなる」
と書かれていたとしても
きっと一笑に伏すことでしょう
でもほんとうにそれがおこった
災害は忘れた頃に…
自分の気持ちの緩みを実感させられた
一日でした
被災地の夜空に感動のドローン
153日目
ビジネスコースの3年生が
横浜に来ています
神奈川県商業教育研究会さんが
輪島高校と飯田高校から
生徒2名と引率教員1名を
それぞれ招待してくださいました
「高校生能登応援商店街
supported by MARK IS みなとみらい」
と銘打ったこのイベントには
両校の他に
これまでに被災から復興を果たしている
宮城県 兵庫県 熊本県からも参加です
神奈川県で商業を学ぶ高校生のみなさんと
連携や交流を図りながら
各校で開発した商品を販売し
商業科で学ぶ特長を活かした
能登復興活動を行います
本校からは
輪島塗のお椀などを販売しています
場所は
みなとみらい駅から直結の
MARK IS みなとみらい1階
1日(土)の10:00〜16:00
2日(日)の10:00〜17:00
お近くの方はぜひお立ち寄りください
地震が起こって以来ずっと
小さな港町の孤立集落で
おばあさんとふたりで過ごし
救出を待ちきれず
おばあちゃんへの助けを求めて
6日目に瓦礫の山をひとり乗り越えて
戻ってきた細谷彩香さんの
トークショーも行われました
横浜では現在開港祭が催されていて
夜にはドローンショーのリハーサルが
行われていました
奇しくも例年なら
輪島市民まつりが開催されている日です
日本一の花火が打ち上げられていた日です
昨年も2万5千発もの花火が…
このレベルの花火大会は
他にもあると思いますが
圧巻なのはその時間の短さ
つまり単位時間あたりの打ち上げ数が
日本一なのです
開始から終了まで
花火が空に輝いていない瞬間が
ありません
まあ しゃわしねえこと
(せわしないの輪島弁)
無風状態だと
先にあげた花火の
煙幕が凄すぎて
そのあとの花火が見えないという
お間抜けな一面も実はあります
ぜひ全国のみなさんに
ご覧になっていただきたいのですが
今年は中止となっています
花火がダメでも
ドローンでならできないかな
心をひとつに復興に立ち向かう
勇気になるのにな
そんなことふと思ったりしました
被災地の焼け跡の夜空に輝く
鎮魂と復興のドローンショー
ドローン会社の方
やっていただけないでしょうか?
部活道
152日目
本校では部活動を「部活道」といい
人としての生きる道としています
先先代の赤田英明校長先生の
命名によるものです
現在
県内各地を会場に
高等学校総合体育大会
総合文化祭が行われています
今日は生徒たちの活躍を見に来ています
和太鼓部は
金沢市民芸術村で
プロ奏者を招いて
講習会の開催です
講師を務めてくださったのは
プロ奏者の成田千恵子さん
太鼓は単純だからこそ奥が深い
指先の動きひとつ
ばちさばきひとつで
大きく音色が変わります
だからこそ基本が大事
基礎からみっちり
教えていただきました
卓球部は小松市総合体育館で
熱戦を繰り広げています
2年前からコーチをお願いしている
林平さん
現在は金沢市にお住まいで
毎週末輪島までお越しになって
指導をしてくださっています
ほんとうにありがとうございます
卓球には
ストレート勝ちは相手に失礼
どこかで失敗して
1点をプレゼントするという
なんとも優しい
暗黙のルールがあるようです
以前あまりにも力の差がありすぎて
うっかりストレート勝ちしてしまった
福原愛選手が
相手に謝っているのを
テレビで見たことがあります
高校ではどうなんでしょう
金沢21世紀美術館では
絵画や書そして彫刻など
高校生の作品が展示されています
輪島高校の生徒の作品たちです
中央には最優秀賞を獲得した
寺下さんの作品が飾られています
こちらは
3年後に石川県で開催される
全国高等学校総合文化祭に向けて
県内すべての高校で手分けをして
準備を進めている
各都道府県の形をした灯篭です
写真一番手前が
輪島高校が担当する兵庫県
こうやって見ると
「北海道はでっかいどー」
と言われる由縁がよくわかります
なにしろ東西に500km
これは東京〜鳥取間に匹敵します
500kmといえば
The ALFEE が
「たとえ500マイル離れても」
と歌いますが
500マイルは約800km
こちらは東京〜札幌間より
少し短いくらい
大学生の時
アルフィーのオールナイトニッポンに
アルフィーの替え歌を録音して送ったら
番組中に流してもらえたことを
思い出しました
その時録音したカセットテープ
あったはずだけど
それも今は瓦礫の下
剣道部は久々の出場です
ここ数年部員がいなくて
エントリーしていなかったのですが
今回被災により
日本航空高校石川から転学してきた
2年生の上田彪人さんを中心に
1年生が集まり出場となりました
上田さんは快進撃を見せ
1 2回戦を突破
優勝した第一シードの選手に
3回戦で敗れてしまいました
吹奏楽部は奥能登高校合同バンドとして
「我は海の子」と「希空」を
演奏しました
門前、日本航空石川、能登、飯田高校のみんなと
息の合った演奏を聴かせてくれました
東京から日本航空高校石川の
青木校長先生もわざわざ
足をお運びくださっていました
指揮を務めてくださったのは
飯田高校の錦木ゆかこ先生
あと
これは前日の開催で
聴きに行けなかったのですが
箏曲部が優秀賞をいただきました
活動する場所もないまま迎えた
総文・総体でしたが
それでもそれぞれ学ぶことは
大きかったと思います
つみきのいえ
151日目
朝市界隈にある
焼け残った我が家
そこに潜って
整理をする日々が続いています
電気が点かず薄暗いので
天気がいい日の
朝日が差し込む
学校が始まるまでの数十分と
勤務時間が終わった後の
夕陽が差し込む数十分
公費解体の申請をしているので
その時一斉に処分してもらえば
そんなもんですが
解体の対象となるのは家屋のみ
家財道具などは
解体が始まるまでに
自分で処分しないといけません
割れた茶碗や
濡れてシワクチャの本
一つひとつに
ありがとう
思いを込めて
綺麗にしてあげて
サヨナラしています
倒れた本棚をヨイショと起こすと
中の本たちがドッサー
いつか読もうと思って買ったものの
読む暇がなく
そのままにしておいたものもたくさん
さすが読みたいと思って
買った本たちばかり
こんな面白い本屋さんあるか?
でも消防車の水を吸ったものが多く
ページを捲るとベリベリ
ミルフィーユみたいにポロポロ
みなさん
おすすめです
特にお目当ての本がある訳でもなく
なんか面白いのないかなーと
本屋をうろつく時は
自分の本棚
眺めてみてください
自分の好みにぴったりの本が
たくさん見つかりますよ
そうやって
倒れた家財を一つひとつめくっていくと
知らなかった我が家の歴史に
出会います
こどもたちがつくった
幼稚園の時の作品
お母さんの誕生日に贈った
こどもたちの手紙
あの頃忙しくて
ほとんど家にいなかったな
知らない間に
こんなしあわせなひとときを
過ごしていたんだな
子供たちがいい子に育ったのは
お母さんがこんなに
がんばってくれていたんだ
一冊の絵本が見つかりました
「つみきのいえ」
うみのみずがだんだんあがってくる
ふしぎなまちのいえにすむ
おじいさんのおはなしです
みずがあがってきて
これまですんでいたいえが
しずみそうになると
そのうえに
あたらしいいえをたてます
そうやって
つみきのように
どんどんいえはうえにのびていくのです
おばあさんをなくし
ひとりぐらしのおじいさんは
つぎのあたらしいいえをたてているとき
うっかりたいせつなだいくどうぐを
おとしてしまいます
どうぐは
したのしたのいえへと
どんどんしずんでいきます
おじいさんは
せんすいふくをきて
どうぐをとりにもぐります
おじいさんのめのまえにひろがるのは
おばあさんがなくなったころのいえ
こどもたちがすだっていったころのいえ
…
こどもたちがうまれたころのいえ
そして…
修学旅行が結ぶ縁
150日目
よく修学旅行なんかで
多くの高校が利用させていただいている
日本旅行さんより
以下のようなプロジェクトを立ち上げたとの
ご報告をいただきました
【能登笑顔プロジェクト】
能登震災の被害を受けた
学校と生徒を応援したい! |
クラウドファンディング - つなぐむ (en-jine.com)
リンク先はこちら
https://nta.en-jine.com/projects/nta-notoegao?p_token=d5229fd1a7f040c8bb5250f2876dd1aa
21美にまつわるエトセトラ
149日目
MROの原田幸子アナから
またまた素敵なお便りをいただきました
金沢21世紀美術館へ行ってこられたとのこと
新世界『透明標本展』が開催されていました
まるで鉱物のような標本が
不思議な光を放ちます
また現在
「第44回石川県高等学校総合文化祭
高等学校総合美術展」
が開催されています
本校から出品した
寺下りなさんの作品が
なんと最優秀賞を獲得しました!
タイトルは
「ネクストステージッ!!!」
最新テクノロジーの結晶と
絶滅危惧種の動物たち
AIの進化は我々に何をもたらすのか?
鑑賞する者の心のありようによって
いろいろな解釈のできる
不思議な作品です
中央左に大きく描かれた手相にも
秘められた意味があるそう
手相占いの本を片手に鑑賞すると
作者の真意がわかるかも
この作品は来年度のポスターの図案として
採用されるそうです
作品は5月31日(金)までご覧になれます
将来に備えるお金の話
148日目
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の
岡元 慶介 氏と 井上 正吾 氏をお迎えして
金融教育の特別授業を行いました
本校は今年度
金融教育の研究指定を受けています
1970年の金利は 8% でしたが
現在の金利は 0.02%
わかりやすくいうと
100万円預けた場合
昔は1年後に108万円になっていたものが
現在では100万200円にしかならないのです
さらに言えば
預けたお金が2倍になるのに
昔は9年だったのに
今は3600年かかるそうです
もっと身近な例で言うと
千円で16個買えたハンバーガー
今は5個しか買えません
そんな時代だからこそ
お金について
正しい知識を身につける必要があります
講義のあとは投資体験ゲームを体験しました
とあるゲーム会社の実際の株価を用いて
10万円を元手に株を売買してみました
大切なのは投資はギャンブルではないということ
情報と予測でリスクを下げることが可能です
金融商品を選ぶときの
(1)預けたお金げ減ったりしないか
(2)どれだけ利益が期待できるか
(3)預けたお金を自由に引き出せるか
などのポイントについても学びました
また投資に適したお金の条件
〇 時間をかけてでも増やしたいお金
✕ 生活に必要なお金
✕近いうちに使う予定があるお金
も教えていただきました
私自身
高校生の時こんな授業受けたかったな
と思いました
朝のホームルームでは
輪島警察署の方がお見えになり
生徒に直接
交通安全について
その遵守を求めて行かれました
やはり専門家に話していただくと
生徒の心に沁みますね
学校の教員が全てを担うには
無理があるので
場面に応じて
外部の方のお力を
積極的にお借りしたいと思います
放課後には
Colaboさんがワークショップを
開いて下さいました
東京を拠点に10代女性を支える活動を
していらっしゃる団体で
今回被災後4回も本校を
訪れてくださっています
今回はモール人形とアロマワックスサシェ作り
カフェスペースでのんびりくつろぎながら
素敵な作品を仕上げていました