校長室より「おこらいえ」
春も夕暮いとをかし
地震から 448 日目
豪雨から 184 日目
一生懸命頑張っている人の元には
本気で頑張っている人の元には
自然と関係のある人の輪ができて
どんどんその輪が大きくなっていきます
「私たちの街は私たちが創る!」
本校の街づくりプロジェクト「街プロ」に
「みつばちプロジェクト」をひとりで頑張っている
稲木まなちゃんがいます
高校生が頑張ってつくった未来への花粉を
小学生にみつばちさんになってもらって
未来へ届けてもらおうという
世代を繋ぐ関係づくりのプロジェクトです
そんなまなちゃんの元に
今日はアナウンサーの原田 幸子さんと
「枠を超えてワクワク!」
絵本専門士の あかいけ えりこ さんが
尋ねてきてくださいました
絵本の読み聞かせなどを活用して
どんどんその輪が拡がっていくように
アイデアを出し合いました
夢がひろがっていきます
「春はあけぼの やうやうしろくなりゆく山ぎは」
などと申しますが
夕暮れのやうやうあかくなりゆく山ぎはも
いとをかしです
【被災地に電気が灯るまで】第2回
発電と電池の仕組みについて学び
エネルギー問題の解決を目指すこのコーナー
先日の第1回では
我ら人類の祖先が金・銀・銅などの
地球上にそのままの形で存在する金属
いわゆる貴金属に出会ったこと
そしてなぜかそのままの形では
地球上には存在できない「鉄」も
使っていた痕跡があることを説明しました
それではなぜ製鉄の技術を持たない
我らの祖先が「鉄」の存在を知り得たのか?
先ほどの「地球上には存在できない」
がヒントになっています
鉄は空気中で錆びてしまうからです
空気中の酸素と結びついて
サビ(酸化鉄)になってしまうからです
我らが祖先が最初に使った鉄は
空気のないところからやってきたもの
そう
隕石に含まれる隕鉄だったのです
しかし隕石なんてそうそうあるものではありません
我らが祖先は
あるものと出会うことにより
この不思議な「鉄」を
自ら作る方法を身につけることになります
さあそのあるものとは?
続きはまた明日
春の風
地震から 447 日目
豪雨から 183 日目
春の風が表通りを通り抜けていきます
陸上部のみんなは合宿です
飯田高校 能登高校 穴水高校といっしょに
奥能登の高校全ての陸上部が揃って
志賀町陸上競技場を駆け抜けています
いずれの学校もグラウンドを使えないので
みんなひさびさのトラック&フィールドです
以前インターネットコオロギの話題を取り上げましたが
その研究室からのもうひとつの法則
「ふだんつらくてたまにしあわせが一番」
コオロギを4つの環境で育てました
(1)常に充分な餌を与えた
「いつも幸せコオロギ」
(2)充分な餌を与えつつたまに餌を抜く
「いつも幸せたまに逆境コオロギ」
(3)いつもは餌控えめたまにご馳走を与える
「いつもは我慢たまに幸せコオロギ」
(4)常に餌を充分もらえない
「いつも我慢コオロギ」
この中で(3)たまに幸せコオロギが
一番生命力強く育つのだそうです
いつも与えられた環境の中で
できることを工夫しながら活動を続けながら
今日は思いっきり走れる
「いつもは我慢たまに幸せ陸上部」のみんな
今日は思いっきり走って跳んで
練習計画や宿泊等のお世話をしてくださったのは
飯田高校の江波先生
ご本人曰く「志願兵」です
石川県教育委員会では昨年発災後
初めての人事異動の際に
「能登の学校の復興のために
力を尽くしてくれる先生は
どうぞ申し出てください」
という制度があって
その時ご自身の生活を犠牲にして
自ら被災地の学校への異動を
志願してくださった先生です
本当にありがたい話です
能登の生徒のために
トラックでご指導してくださる姿は
神々しくさえありました
【被災地に電気が灯るまで】第1回
新しい「街プロ」にエネルギー研究が多いことを受けて
電池や発電を学ぶコラムを始めます
先日の第0回では
電気には金属が何やら関係がありそうなこと
について触れました
まずは人類と金属の出会いについて学びましょう
猿から進化した我々の祖先は
石を割ったり削ったりして
道具を作ることを覚えました
石の中でも他とは少し様子が違うもの
を見つけます
他の石よりずっしり重く
叩いても割れたりせず
曲げたり伸ばしたりできる不思議な石です
金・銀・銅そして鉄との出会いです
これらの不思議な石は
他の石に比べて加工しやすく重宝しました
金・銀・銅は今でも天然に採掘できますが
鉄そのものは自然界には存在しません
ではなぜ我々の祖先は
天然の鉄を手にすることができたのでしょう?
その秘密はまた明日
どうぞググらずに自分なりの考えを
まとめておいてください
エネルギー問題
地震から 446 日目
豪雨から 半年
「街プロ」企画発表会が行われました
昨年度は
子どもの居場所づくりやグラウンド整備など
とにかく今の状況を打破したい!
という活動が多かったのですが
少し生活も落ち着いてというか
言い方は適切ではないかもしれませんが
悲惨な状況が日常化してきたというか
とにかく未来を見つめる時間軸が伸びた気がします
少し遠いところを視座にした研究が目立ちました
特筆すべきは
エネルギー問題に関する研究が多くみられたこと
なかなか電気が復旧しない中で
困った暮らしがいつまでも続く中で
エネルギーをなんとかしたいという願いが
特に切実だったのでしょう
(1)小型火力発電
焚き火で発生した熱を電気に変換できる
「キャンピングストーブ」は既に商品化されています
薪などを燃焼室で燃やし
発生した熱を電気に変換するしくみです
このグループの工夫は
燃やす燃料に災害ゴミを利用しようと
思いついたところです
(2)サボニウス型風車
これまでのプロペラ型風力発電は
1方向の風しかとらえることができません
全方位の風しかも微弱な風もとらえることができます
乱気流にも対応して継続的に発電できます
音も静かで深夜でも利用できるなど
これを一家に一台導入してはという提案です
(3)バイオガス発電
食品廃棄物や家畜の排泄物などの
有機性廃棄物を発酵させて発生させた
メタンガスなどのバイオガスを燃料として
発電する再生可能エネルギーです
メタンガスはおならの主成分ですが
それ自身は臭いがありません
臭いのは硫化水素やスカトールなどの
腸内悪玉菌のせいで発生するガスによります
おならの臭いを薄めると温泉の匂いに
さらに薄めるとゆでたまごのにおいに
もっと薄めると焼肉の香りになります
全て同じ硫化水素の匂いです
濃度で感じ方がまるっきり変わるって
おもしろいですね
(4)バイオディーゼル燃料
使用済みの菜種油等の植物由来の食用油などを
ディーゼルエンジンで利用できるようにした燃料です
ガソリンを燃料にするエンジンに対して
軽油を燃料とするのがディーゼルエンジンです
ドイツ人ディーゼルが発明しました
ガソリンエンジンは
空気とガソリンを圧縮して
プラグで火花を飛ばして点火します
ディーゼルエンジンは
圧縮して高温となった空気に
軽油を吹きつけて自然発火させる方式です
軽油には硫黄分などの不純物が多く含まれるため
燃やすと黒い煙を吐きます
トラックやバスのエンジンです
(5)積雪発電
青森にあるIT企業「フォルテ」さんの技術
雪から電気とお湯を生み出す仕組みです
融雪にも活用できると期待されています
「スターリングエンジン」という装置を使って行われます
ガスなどで温めた熱源と
エンジン内を通る冷媒(水や不凍液)の温度差で
内部のピストンを動かして発電します
(6)流水発電
水の流れているところなら
どこにでも設置できる小型の水力発電機です
以前課題研究に取り組んでいたグループで
男子トイレの小便器に定期的に洗浄水を流す装置に
この発電機を取り付けようと試みた生徒がいましたが
残念ながら発電量が微弱すぎて
使いものになりませんでした
「流水発電はトイレの洗浄水では使えない」
これも立派な研究成果です
発明王エジソンも
「私は失敗したことがない
ただ一万通りの
うまく行かない方法を見つけただけだ」
と言っていますしね
(7)コンポスト発電
2015年にオランダで「植物発電」が実用化されました
水性植物の根から出る栄養分を
微生物が分解するときに出す電気を利用するものです
微生物の力で生ごみを分解する「コンポスト」で
応用したのがこれです
ざっと7つのグループがエネルギーに関する研究です
ぜひ既存の発電機を活用するだけでなく
自分で新たな発電機や電池を
開発してもらいたいものだと思います
それには発電や電池の原理を学ぶ必要がありますね
これからこのブログで
電池のしくみを説明するコラムをシリーズ化します
エネルギーグループのみんな
ぜひ読んでください
今日は第0回
歯に金属を詰めている人
アルミホイルや金属のスプーンなどを噛んで
キーンって痛みが走ったことないですか?
これが電池の原理です
なぜこれが?
次回より少しずつ勉強していきましょう
WAJIMA NIGHTから新たなステージへ
地震から 445 日目
豪雨から 181 日目
花火を打ち上げた輪高生が仕掛けるイベント
「WAJIMA NIGHT」が開催されました
会場近くの「キリコ会館」のシャッターには
被災前の賑わう輪島の写真で飾られた
大きなモザイク画が見応えたっぷりです
寒空の下
輪高生たちが駐車整理に活躍です
会場近くには多くの仮設住宅が建ち並び
騒音でご迷惑をおかけすることを
生徒たちが1軒1軒ビラを撒いて
ご挨拶に伺いました
会場となる駐車場にもご配慮願い
お車の移動をしていただきました
ありがとうございました
「街プロ」猫も食べれる非常食班の
ブースもありました
MRO「絶好調W」でおなじみの
「エイトMAN」さんの迫力満点のステージ
パワーをいただきました
北陸キッチンカー協会のみなさまも
駆けつけてくださいました
文化祭にも来てくださった「Chanoki」さん
やきめしぎょうざの「アサヒ軒」さん
ボリュームたっぷりやきそばは「BuTaGoRi」さん
トルネードポテトが大人気「庵陽灯(あんやと)」さん
「SINCERE」さんはご自身も阪神淡路で被災されたそう
韓国グルメあれこれ「グラグラ」さん
おなかも心もあたたまりました
夕闇せまるころに
イルミネーションでライトアップ
そしていよいよ野外映画の上映です
タイ出身のナタコーンくんが中心となって
たくさんの友達に協力してもらいながら
実現にこぎつけました
がんばったね!
さあ
こうして少しずつ生徒の夢が叶っている
「私たちの街は街は私たちがつくる」
街づくりプロジェクト「街プロ」は
新たなステージに入りました
1年生が秋から活動に参加しています
3月21日(金)
「企画発表会」が行われます
時間は9:40〜12:30
一般の方もぜひお越しください
生徒の輝く未来を応援していただければと思います
何を目指すのか?
どのようなしあわせを求めるのか
企画段階のものを発表し合います
昨秋の豪雨で壊滅的な被害を受けた町野地区
そこには町野を蘇らせるための
「町野復興プロジェクト」
同じ響きの「まちぷろ」があります
実行委員長の山下祐介様を
メンターとしてお迎えすることになっています
発表内容は
(1)火力発電で非常用電源を作る【エネルギー】
(2)被災地ツアー【起業】
(3)輪島の自然を取り戻そう!【その他】
(4)アップロジェクト【観光】
(5)観光地を復興しよう!!【観光】
(6)サポニウス型風車を作る【エネルギー】
(7)猫と人が食べれるおやつ【医療】
(8)米粉を使った料理【農業】
(9)スポーツで健康【起業】
(10)イゴボールでイベントを開く【イベント】
(11)バイオガス発電【エネルギー】
(12)朝市の復興に向けて【観光】
(13)地域医療【医療】
(14)バイオディーゼル燃料【エネルギー】
(15)空地を利用して風力発電【エネルギー】
(16)AI教材を高校生向けの学習支援として活用できないか【AI】
(17)スターリングエンジンに使う不凍液を冷やすために雪を使う【エネルギー】
(18)流氷を使って発電する【エネルギー】
(19)冬の輪島市運動会!【イベント】
(20)生ゴミをコンポストで発酵し発生した熱で発電【エネルギー】
(21)災害とペット【医療】
(22)スポーツ・イベントで小学校と交流【イベント】
(23)災害後の栄養について【栄養】
昨年度は子どもの居場所づくりや
被災者の交流会など
心のケアに関するものが多かったのですが
内容的にも少しずつ復興に向かっている気がします
エネルギーや観光など
次の世代を見据えたものが増えてきています
(7)や(12)など
先輩の研究を引き継いだものもありますし
(16)のように
OECDとの共創を意識したものもあります
どうぞ専門家の方
タイトルをご覧になって
アドバイスいただけるようなものがありましたら
お待ちしています
ぜひよろしくお願いいたします
輪高生がつくるイベント
地震から 444 日目
豪雨から 180 日目
今日は石川県の公立高等学校の合格発表の日です
氷雨のぱらつく寒い日になりましたが
本校の玄関にも大勢の受験生と家族が集まり
番号を見つけて歓声をあげていました
普通科61名
普通科ビジネスコース16名の合格者がありました
定員割れをしていますが
輪島中の生徒はほぼ来てくれました
また通学のための道路も開通しましたので
近隣の門前中や東陽中からも来てくれました
金沢の中学校へ転学したけど
生活の目処がついて帰ってきた生徒も
「それでもここ輪島にいる」みなさん
高校生活のスタートに向けて
しっかり準備をしましょう
サイゼリアの元社長 堀埜 一成 氏が
コミュニケーションの大切さについて
語っていらっしゃいます
「部下の部下は部下じゃない」
2段飛ばしで指示をすると混乱を招く
ということです
現場でボソッと感想を言ったとしても
言われた部下の部下は命令と受け取ってしまい
見当違いの方向へ走り出してしまうのだそう
私も生徒との接し方に気を配ろうと
気づかされました
「技能を技術にしろ」
見様見真似で伝承されるのが「技能」
文字媒体を通して伝えるのが「技術」です
文章化やマニュアル化の重要性を
説いていらっしゃいます
「不可能限界くらいを目標に設定しろ」
トップが大きいことを言うと
ロマンを感じる人が出てきます
明るい未来を示す言葉を発するのが
リーダーの役割です
業界においては
現実的で達成可能な目標しか設定できない会社は
目標達成すると失速してしまうのだそう
「半島の最先端から
めざせ世界の最先端!」
以上は「PHPビジネスTHE21」総力特集
できるリーダーは必ずやっている「言語化」
を参考にさせていただきました
ほかにも
言語化力を鍛える秘技
「ストラテジック・コスモス(戦略の宇宙)」
の紹介もありました
ぜひ取り入れてみようと思います
昨年東北復興ツアーでお世話になった
多賀城高校の小野敬弘校長先生から
久しぶりにご連絡がありました
当時の新聞記事を送ってくださいました
DB3803B4-E527-42F1-A29E-C0A495A65D8C.jpeg
20日(祝)
「WAJIMA NIGHT」が開催されます
花火を打ち上げた輪高生が
全国各地の学生さんと共催する
楽しいイベントです
(1)イルミネーション
「街プロ」花火班が仕掛けます
綺麗な光が輪島を包みます
(2)キッチンカー
漂う香りに食欲そそる
たくさんのキッチンカーが駆けつけてくれます
(3)体験ブース
ものづくり体験ができます
子どもから大人までどうぞお気軽に
(4)ステージ企画
ダンス部の生徒たちの発表もあります
県内で活躍中のバンドも
(5)野外シネマ
「街プロ」映画班が
屋外の大型スクリーンで映画を上映します
キッチンカーで買ったものを
召し上がりながらどうぞ
場所はマリンタウン
時間は16:00より
入場料無料です
ぜひぜひお越しください
芸術は爆発だ!
地震から 443 日目
豪雨から 179 日目
「芸術は爆発だ!」
かつて岡本太郎さんはそう叫びました
岡本太郎さんといえば「太陽の塔」
1970年の大阪万博のシンボルです
「太陽の塔」(2025年3月18日 (火)18:00)『ウィキペディア日本語版』
過去・現在・未来を貫いて生成する
万物のエネルギーの象徴であり
その内部には
原生生物から人類に至るまでの
生命の進化の過程を表現した
「生命の樹」が飾られています
「吹田日和」https://suitabiyori.com/area/taiyounotou-expo70/
高さ約41mその最上部は現在を
地表面は地球が誕生した46億年前
を表します
そしてこれは自分も知りませんでしたが
地下奥深くには
120億年前の「太古の太陽」のモニュメントがあったそうです
1970年の万博が終了したあと
「太古の太陽」の行方はわからなくなっていました
ところが
多くのゴミといっしょに棄てられたその場所が
最近明らかになったのです
それは大阪湾の「夢洲(ゆめしま)」
そう
なんと今回の万博の会場です
なんということでしょう
「アートは難解なものではなく
誰もが自分自身を表現する手段だ」
「自分の内面に隠れている『爆発』の可能性を信じ
一歩前に歩き出す勇気を持とう」
そんな思いを込めて創られたモニュメントが
半世紀の間大阪湾に眠っていたのです
そしてその場所から2025年
ふたたび「生命の樹」が空へ向かって
伸びていきます
2025大阪万博には
そのことをテーマとしたオープニングが開催されます
「太古の太陽は新時代の祭りの種となる」
全国各地の太鼓を25時間リレーで繋ぎ
大輪の花火が夢洲でフィナーレを飾ります
そのトップを切るのが輪島高校和太鼓部
今回の能登半島地震の震源地すぐそば
狼煙の灯台から復活の太鼓を打ち鳴らします
プロデュースしてくださっているのは
芸術家「大志」さん
動画が公開されましたのでぜひご覧ください
AIと教師
地震から 442 日目
豪雨から 178 日目
エキュメノポリスさんの
AI英会話教材の開発に
生徒たちが関わらせていただいています
エキュメノポリスさんは
早大発の研究開発型スタートアップ企業
大学発ベンチャー表彰2024において
『科学技術振興機構(JST)理事長賞』を受賞
EdTech分野で世界から注目を集めています
現在AI技術を活用した英会話教材の開発に
携わっておられ
その教材を本校が活用しながら
改良のためのアイデアを出す
そういったお手伝いをしています
本日オンラインでミーティングが行われて
小津中学校の生徒の皆さんといっしょに
「AIと未来の教師のあり方」について
意見交換をしました
小津中学さんはかなり先進的な取組をしていらっしゃって
参考になることが多いです
本校は始めたばかりで
生徒達も話せる題材がほとんどありません
AIに対して「怖い」というイメージを持っています
それは教員がAIを取り入れた授業を
積極的にしていないからであって
生徒のせいではありません
学校の今後の努力が求められます
それでも自分達の考えをしっかり構築し
話し合いに参加していました
エキュメノポリスさんが開発した教材は
AIのアバターが英語で会話してくれるものです
人間相手だと文法的な間違いが恥ずかしいものですが
AI相手だとそれがありません
実際AIに
生徒の発話中の文法間違いを分析させると
学習が深まるほど
間違いが多くなってくるのだそうです
つまり間違いを恥ずかしがらずに
発話するようになっている証拠です
生徒に
「AI教材のいいところは?」
と尋ねると
「何を言っても不機嫌にならない!」
と答えてくれました
確かにAIは常に優しい笑顔で答えてくれます
でもものごごろのつかないうちから
それしか経験がないと
他人を傷つけてもわからない子が
育ってしまうのではないかと危惧します
人間かAIかという
二項対立ではなくて
両者のいいところを活かし合うような
使い方の研究が必要です
またある先生から
素晴らしいChat GPTの使い方を学びました
その先生は原稿を書いていて
構想に行き詰まったときに
「続き書いて」と
お願いするのだそうです
答えの文章はそのままでは使えませんが
「ああ!そういう視点もあるか!」
と突破口にはなるのだそうです
先日
テストの採点結果に納得いかない生徒が
Chat GPTに聞いた結果を持って
先生に申し入れにいったケースがありました
ところが
「それは Chat GPT の見解でしょ
先生はあきらかに間違いだと思うよ」
納得いかない生徒は他の先生へ尋ねにいくのですが
やっぱりそれは間違い
ようやく納得のいったその子は
「Chat GPT が間違うことがあるんですね」
Chat GPT は正しい文章を作るツールではなくて
耳障りのいいなめらかな文章を作るツールであることを
しっかりと生徒に認識させる必要があるなと感じました
輪島でおすすめのグルメスポットを訊いてみました
以下AIくんからのお返事です
「輪島には美味しいお食事処がたくさんあります
以下はおすすめのいくつかのお店です
1. **輪島市場** - 新鮮な海の幸が楽しめる市場内の食事処
寿司や刺身焼き魚など多彩なメニューがあります
2. **なまこや** - 地元の名物であるなまこ料理が楽しめるお店
独特の風味が楽しめるので興味があれば是非試してみてください
3. **山本屋** - 輪島の伝統的な和食が楽しめるお店
地元の食材を使用した心温まる料理が揃っています
4. **とれとれ市場** - 新鮮な魚介類を使った料理や地元の特産物も販売しているお店
ランチにぴったりのセットメニューも豊富です
5. **寿司処たかしま** - 新鮮なネタを使った寿司が楽しめるお店
カウンターで職人の技を楽しみながら食事できます
これらのお店はどれも地元の素材を活かした料理を提供しているので
訪れる際はぜひチェックしてみてください!」
残念ながらこれらのお店は輪島にはありません
(よく似た名前のお店が県内にある場合はあります)
東京大学の言語脳科学者 酒井 邦嘉 教授は
「生成AI」という呼称が誤解を生みやすいとし
「合成AI」と呼んでいらっしゃいます
AIには人間の脳のはたらきを再現することはできない
いわゆる「もどき」でしかないということです
生徒のみなさん
AIがやっていることは
新しいものを産み出すつまり「生成」ではなく
既存の文章や画像を組み合わせて
つまり「合成」して
それらしく見せているだけなんですよ
10年以上昔の話になりますが
生徒の探究活動で
「モーツァルトの音楽を再現する」
をテーマに研究したグループがありました
彼らがやったことは
モーツァルトの音楽を徹底的に解析して
たとえば「ド」の音の次に続く音のデータを数値化する
「レ」の次にはどの音に移るパターンが多いか
「ミ」の次は?
そのデータに基づいてランダムに音を並べたら
あら不思議
モーツァルトぽく聞こえたのです
驚くべき研究でした
10年前の日本の高校生が
今の「生成AI」を先駆けて
同じ事をやっていたのですね
先生方
AIを授業に使うか使わないか
二項対立ではなく
どの場面でどういうふうに使うのか考えながら使う
このことがAIにはできない人間の仕事です
ちなみに
今回参加した生徒たちに
「AIにはない人間の先生の魅力とは?」と尋ねたら
「あたたかさ!」
という答えが圧倒的に多く返ってきました
能登探究・マイプロジェクト2025
地震から 441 日目
豪雨から 177 日目
能登探究・マイプロジェクト2025が開催されました
マイプロジェクトとは
認定NPO法人カタリバさんが
連携協力団体さんと協力して
日本全国の高校生に拡げるべく
実施されているとりくみです
高校生が「主体性」を持って
つくりたい未来に向かう
学びのプロセスです
このプロジェクトでは
正解がない中で試行錯誤し探究するプロセスを体験し
自分自身の興味関心を発見し
他者との協働
社会の価値発見
創造に向かうスキルを身につけます
このことは不確かな時代の中でこそ必要な
未来への想像力につながります
会場はのと里山空港内の奥能登行政センター
宮城県からお越しの
一般社団法人まるオフィス
マイプロ経験の高校生大学生が
アイスブレイクをしてくださいました
グループで丸く輪になって手を繋ぎます
ファシリテーターが「前!」と言ったら
全員で「前!」と言いながら前へ一歩ジャンプします
「言うこと一緒やること逆!右!」と言ったら
「右!」と言いながら左へジャンプ
「言うこと逆やること一緒!後ろ!」
で「前!」と言いながら後ろへジャンプ
ワイワイやりながらすっかり仲良しに
「悪魔の聞き方・天使の聞き方」
ふたりペアでお題に沿ってトークをします
話し手と聞き手に分かれます
聞き手はあるときは悪魔になって
腕組みしたり足組んだりふんぞり帰って目も見ずに
思いっきり感じの悪い聞き方をします
そしてあるときは天使になって
笑顔で目を見つめ頷きながら
心を込めて聞きます
感じの良い聴き方を体験したところで
今日のテーマに入っていきます
本校「街プロ」からは
「輪島の子どもたちの遊び場復活」
「輪島にジムをつくろう!」
「災害とペット」
「朝市復興」
のグループが発表し
さまざまな立場の方からアドバイスをいただきました
浅野大介石川県副知事もご参加され
力強いメッセージをくださいました
先日
金沢大学のボランティアグループ「ボラさぽ」さんが
学校周辺の瓦礫撤去に来てくださいました
発災以来何度も足を運んでくださっています
本当にありがとうございます
それから遊学館高校の吹奏楽部のみなさんが
「春の訪れを吹奏楽の響きにのせて」
輪島中学校の体育館で演奏会をしてくださいました
マーチングで全国大会出場を果たす名門の
50名の部員のみなさんの
被災者に演奏で元気を届けたいという願いを
今回実現してくださいました
輪島中学校の吹奏楽部のみなさんも加わり
一緒に素敵な音楽を奏でてくださいました
ミライシコウ金沢
地震から 440 日目
豪雨から 176 日目
金沢大学が主催する
第3回ミライシコウ金沢
高校生探究成果発表会および高校生国際会議
が開催されました
金沢大学は旧制第四高等学校
「しこう」と呼ばれていました
一高は現在の東京大学
二高は東北大学
三高は京都大学です
「未来志向」「未来思考」「未来至高」「未来四高」
きっとさまざまな意味が込められているのだろうなと
北陸の高校以外にも仙台や東京などから
海外からもシンガポールの高校生が集まり
互いの研究成果を発表しあい
国際社会が抱える諸問題について
理解を深めました
①文化・芸能・歴史
②家庭・衣食住・経済
③地域課題・観光
④教育
⑤国際会議
⑥保健・多様性・共生
⑦環境・防災
⑧化学・生物
⑨物理・ものづくり
⑩数学・情報
の10分野に分かれます
本校が参加したのは⑤国際会議
英語のみで行われるセクションです
OECDパリサミットに参加した
2年生7名が発表しました
地震がきっかけでできた
海外の高校生との縁
さまざまな交流を通しておこった
故郷輪島への思いの変化を発表しました
「パリへはどんなことを期待して渡ったのですか?」
との質問にも堂々と答えていました
いっしょに参加した1年生7名も
いろんなセクションの発表を見てまわりました
金沢大学附属高校さんからは
輪島塗の保全や輪島の復興に関する発表も行われました
以前発表会でお見かけしてお声かけし
いっしょにOECDのサミットに
オンラインで参加もしてもらっているグループです
同じく金沢大学附属高校さん
物理分野で
「二階から目薬を成功させる極意と効果に関する研究」
の発表がありました
「二階から目薬」とは
思うようにいかずもどかしいこと
回りくどくて効果がないことのたとえです
この諺の真偽を物理的に検証する研究です
私も以前同様の研究を指導していたことがあって
いろいろ計算と実験を繰り返していたなと
懐かしく思い出していました
国語と物理
学際的な研究ですね
金沢錦丘高校さんからは
「災害時にも使える手軽な小水力発電機構の提案」
水が流れる場所であれば
どこにでも設置できる発電機を開発しました
これまた同様の研究を以前指導していたことがあり
男子トイレで定期的に流れる洗浄用の水
あれを発電に利用できないか考えたアイデアでした
野球部は高岡商業で練習試合です
今年の開幕戦
土のグラウンドで全く練習できていなかった選手たちは
生き生きとプレイしていました
敗れはしたものの
野球ができる喜びを体全身に漲らせ
本当に楽しそうです
相手の素晴らしいプレイには
敵味方なく「ナイスプレイ!」
これが高校野球本来の姿なのだろうと
嬉しくなりました
富山県は高校野球人気が高く
練習試合には近所のおじいちゃんが
大勢ネット裏に集まる土地柄です
帰り際におじいちゃんから
「輪島ようやった!また来られ!のう!」
と声をかけていただいていました
「HAB」で紹介されました
地震から 438 日目
豪雨から 174 日目
先日の「街プロ」発表会
北陸朝日放送で紹介されました
https://www.youtube.com/watch?v=OLPvNkYNW8s&list=PLifVGdqsTJWi9DF7nQZHYVtEiB7thUI6b&index=15
社会応援ネットワークの
高比良 美穂 様 高坂 健彦 様
そして防災教育学会会長の諏訪 清二 先生が
訪ねてきてくださいました
諏訪先生は全国で初めて
防災に関する学科が設置された
兵庫県立舞子高等学校で
環境防災科の初代科長を務められた方で
現在でも複数の大学で講義を担当されているほか
全国でご講演などなさって
防災教育にご尽力していらっしゃいます
いろいろインタビューをしに来てくださったのですが
防災教育の大先輩からは
実に多くのことを学ばせていただきました
社会応援ネットワークさんからは
さまざまな出版物もいただきました
先日高校入試も終わり
現在先生方は採点作業に取りかかっています
石川県には
簡易提供制度というのがあって
受験生が教科別の得点と合計点の情報を
口頭で知ることができます
以前この係をしていたことがあります
不合格の生徒にも知る権利があります
そのときの伝える側のつらいこと
結果を聞きそのメモをとり
うつむいてじっと涙をこらえ
15歳にしておそらく初めての挫折の経験
そんな生徒でも
終わったあとは
「ありがとうございました」
って頭を下げていくのです
「ありがたくなんかないやろ」って
後ろ姿を見送りながら
「もしこの子の答案を自分が採点ミスしていたら・・・
正解なのにペケをつけていたら・・・
その一問のために不合格になっていたのだとしたら・・・」
とてつもなく恐ろしい気持ちになるのでした
ひとりの人間の将来を変えてしまうかもしれない
入試の採点にはそんな大きな意味があるのです
ですので先生方は1問1問丁寧に
決して間違いのないよう
15年間その子が歩んできた人生を思いながら
採点をしています
おさんぽメガネ振り返り
地震から 437 日目
豪雨から 173 日目
本日は入試の2日目です
受験生たちは今日もがんばりました
校内放送の係の先生が
放送室からこんなものを発掘してきました
原田真二さんの「シャドーボクサー」
フォーリーブスさんの「ヘイベイビー」
吹奏楽部顧問の高森まどか先生は
「これが噂のLPというものですか!」
違います
これはシングルレコードといって
LPはもっと大きいです
世代間ギャップをまざまざと感じました
先日本校で実施された
「街プロ」発表会
先生方には教科のメガネで発表を見ていただきました
総合的な探究の時間を中心として
いかに各教科の内容を有機的に結びつけていくか
今本校の教育における最も大きな課題です
先生方からのレポートをまとめました
生徒が興味関心を持って進めている探究活動から
どう教科の学習につなげていくのか
アイデアが満載です
これまた先日大阪城で実施された
OECD「おさんぽメガネ」ワークショップ
能登半島からは輪島高校(能登スクール)
東京都からは特別支援学校の立川学園(立川チーム)
大阪府からは小津中学校が参加しています
以下引率の山上佳織先生からのレポートです
「2日目は能登スクールメンバーからの
立川チームともっと対話したい!というリクエストにより
オープンニング前に自由参加による朝活からスタートしました
ラジオ体操をした後
手話クイズで交流を深めます
実は能登スクールメンバーは
初日から自主的に手話の下調べをしていました
先生から調べてと言われたからではなく
交流したいから調べていました
なんとそれは
2日目の朝活が終わってからも続いていました
おさんぽメガネワークショップ手話チーム振り返りでは
立川メンバーから
手話を「教え甲斐があった」
という意見の付箋があり胸が熱くなりました
その後の2年生の街プロ発表では
なんと4人で手話で登場です
立場や年齢だけでなく
様々な壁を超えてつながろうとする
生徒たちの目は輝いていました
教師、生徒ともに充実した2日間でした」
本校の卒業生で
現在上越教育大学4年生の浦野結太さんから
卒業論文が届きました
「震災後における著名人の慰問が
子どもたちの自身の将来展望に与える影響」
本校生徒達へのアンケートをインタビューが
まとめ上げられています
「誰よりもつらい思いをしたみんなは
きっと誰よりも強くなれる」
の言葉をくださった本田圭佑さん
サプライズライブを決行してくださった
ゆずさん
本校も舞台となった「まれ」で主演
役柄上はみんなの先輩にあたる土屋太鳳さん
みなさんがきてくださったときの
生徒の心の動きに関するものです
調査期間中ではないとき
たとえば卒業式のスマイルアップさん
たとえば大晦日の坂本冬美さんなどは
今回の調査には含まれていません
著名人の慰問により前向きになった生徒が62%
「嬉しくて前向きになるエネルギーをもらった」
など被災民の心のケアに
大きな役割を果たしていることがわかりました
やるっきゃない
地震から 436 日目
豪雨から 172 日目
東日本大震災から14年目
今日は3月11日
日本人にとって忘れられない日です
本日高校入試が行われている本校でも
金色の国旗玉を黒い布で覆い隠した弔旗で
お亡くなりになった方のご冥福をお祈りしています
新聞各紙にも「東日本大震災14年」の記事が
14年たっても3万人近くの方が
避難生活をされているようです
読売新聞では
汚染土の受け入れ意向に関する調査を行っています
それによると条件附きで受け入れるとした県が5県
容認できないとする県が5県
石川県は無回答でした
容認できないとする沖縄県知事は
「電力供給されている受益者間で解決する問題」
と説明されています
米軍基地を自県だけで抱えておられますので
当然の見解であろうと思います
放射能汚染土の問題も
沖縄の米軍基地の問題も
ひとつの県に押しつけるのではなく
日本全体で考えていくべき問題です
北陸中日新聞では
能登半島にある志賀原発の再稼働について
論じていました
本日午後8時よりNHK「うたコン」にて
おおみそかに坂本冬美さんが
本校で歌ってくださった模様が
放送されました
曲は「風に立つ」
思い出しました
「そうさ人生やるっきゃないさ」
この歌詞に力づけられたこと
でも「きゃ」って何?
気になって調べてみました
どうも方言の一つ
東京弁のようです
やるしかない→やるしきゃない→やるっきゃない
促音化するのは東京弁によく見られる特徴です
かっこいいですね
べらんめえ
もともとは土井たか子氏が
女性初の社会党委員長に就任した時に発した言葉で
1986年の日本新語・流行語だそうです
実は我が家でも
毎年「平野家の流行語大賞」を選出していて
例えば2002年は「モキモキ!」でした
これは母親が落ち込んでいるときに
3歳くらいの娘が
慰めようと抱きしめながら発した言葉です
以来
娘たちが泣いている時には
「モキモキ!」と言って抱きしめてやると
不思議と泣き止むのでした
赤ちゃんが泣き止まないときに
「ふーっ」て顔に息を吹きかけてやると
ピタリと泣き止む
て言うのを昔
「伊藤家の食卓」と言う番組でやっていましたが
我が家の娘らにも効果がありました
「我が家の流行語大賞」
20年分くらい記録に残してあったのですが
今回の震災でどっか行っちゃいました
小さいお子様のいるご家庭の皆さん
これ楽しくて思い出に残るのでオススメです
昔「スチュワーデス物語」で
堀ちえみさんが
「やるっきゃない!やるっきゃない!」
「教官!」
ってやってましたね
今なら
「キャビンアテンダント物語」ですね
スチュワーデスという言葉も
使われなくなって久しいです
先日のブログで
「保母」って書いたら
三女から
「今は保育士って書かないと!」
とお叱りをうけました
もうひとつ次女から聞いた「保育園あるある」ネタ
「どこの保育園にも『社長』の異名をとる
大物感を漂わせる園児がいる」
もしかして「関西の保育園あるある」かもしれません
それでも正解のある問い
地震から 435 日目
豪雨から 171 日目
今朝は学校の電話が繋がらなくて
各方面にはご迷惑をおかけしました
なんでもNTT側の電圧が下がったのが原因らしく
そんなこともあるんですね
明日から入試が始まります
「何が起こるかわからないぞ
高校入試に向けて
一生懸命勉強してきた子らの努力が
正当に評価できるよう細心の注意で臨め」
という神様からの忠告と捉え
職員一同緊張感を持って臨みます
試験中に余震が襲って来る可能性もあります
試験続行が不可能なくらい
すなわち元日レベルの余震に襲われたら
原則として直ちに輪島中学校に全員を避難させ
そこでお子様の引き渡しを行います
輪島中学校以外の受験生につきましても
高校職員が責任を持って
輪島中学校まで誘導いたします
さて
正解のない問いに立ち向かう力
これが現在の学校教育で重要視されていますが
全ての問いに正解がないわけではない
歴然とした正解のある問いも存在する
という認識は持つ必要があります
「当行は1+1=2であるとは限りません
たとえば預金する際には
1+1=1になったりしますし
お引き出しになる際には
2ー1=0になったりします」
こんな銀行イヤですよね
創造性豊かな人材が歓迎されない職場もあります
医療現場です
医療の世界は
経験による確実な臨床実験の上に成り立っており
「この薬とこの薬をいっしょに飲めば
なんだか治るような気がする!」
なんて医者は迷惑この上ないのです
以前あるお医者様から伺った話です
最近SNSでこんな投稿が話題になっていました
「ごんぎつね」の感想にまつわる25年前の思い出の投稿
忘れた方のためにあらすじを振り返ると
イタズラ狐「ごん」と村の青年「兵十」の物語
ごんはある日イタズラ心で兵十のウナギを盗みます
そのウナギは兵十が病気の母親のために獲ったものだと
母親の葬儀を目にしたごんが気づきます
申し訳なく思ったごんは
栗やマツタケを兵十の家にこっそり届けるように
ある日そんなごんの姿をみつけた兵十は
恨みを込めて撃ち殺してしまいます
倒れたごんのそばに栗やマツタケが落ちているのを見た兵十は
届けていたのがごんだと気づきます
筒口からは青く細い煙が…
という物語です
この時の兵十の気持ちについて投稿者は
「殺さなければもっと栗やマツタケを食べれたのに」
これに対して先生のコメントが
「がっかりです
もっとしっかり読みなさい」
これに対して
「小学生の感想なんだから自由に書かせろ」
「これだと国語嫌いになる」
「凝り固まった頭の先生だ」
などと一気に炎上
多くは正解のない国語の教材の中でも
この作品は明確な正解のある作品だと
私は思いますがいかがですか
先生を批判された方に言いたいのは
あなたが亡くなる時に
あなたの子どもが
「もっと生きたらもっと小遣いをくれたのに」
って思ったとしたら
あなたはどんな気持ちがしますか
あなたはそんな子ども育てたいですか
ってことです
私の次女は保育士をしています
そんな娘から聞いた興味深い話
いい子だった子が
突然友達を叩いたり噛みついたりを
繰り返すようになることがあるそうです
そんな時決まって数日後に
お母さんの妊娠が明らかになるのだそうです
不思議ですね
宿ったばかりの妹や弟に
おかあさんを取られるような気がするのでしょうか
実はごんぎつねの投稿者さんも
この時おかあさんの妊娠がわかって
さみしくてわざとあんな感想を書いたのだと
明らかにしています
そして先生とは信頼関係があったということも
教員は生徒のことを考えてコメントしています
表面だけ見て直ちに批判することは
是非やめていただきたいと思います
「あの場面は絶対スクイズやろ!」
監督の采配を批判する方がいらっしゃいます
直前の練習試合の大事な場面でスクイズ失敗して
心に傷を持ったまま試合に臨んでいる選手に
スクイズのサインを出せない時もあるのです
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は11月21日「卒業」
のコラムを読んでくれた生徒からです
「私はまだ卒業はしないけど今の3年生を見ていたら
高校の3年間なんて
あっという間に終わってしまうのだと思いました
私たち2年生から3年生を見るともう大人だなと思います
自分のやりたいことを見つけ一生懸命頑張っている
3年生は私たち後輩の良い見本であるそう思います
災害で環境が不安定な中でも必死に登っている
3年生はすごく頑張っているなと思います
話は変わりますけど
私の友達にとりあえず短大へ行く人がいます
何をしに行くのか聞きますけど
全然理由になっていない答えが返ってきたりするので
この人は時間とお金を無駄にするなと思いました」
大仏の呪い
地震から 434 日目
豪雨から 170 日目
OECDワークショップ in 大阪
2日めのアクティビティーです
「タイムマシン・メガネ」
〜AI時代の寺子屋へようこそ〜
未来の教育を考える際に
日本の風土で育った
日本ならではの教育を
見直してみることは効果的です
寺子屋のシステムに学びましょう
寺子屋の歴史は室町時代に遡ります
寺院でおこなわれていた師弟教育が始まりです
当時は寺に寝泊まりする形で勉強していました
江戸時代に最も盛んにおこなわれるようになりました
大都市だけでなく農村部にも寺子屋が増えました
全国各地で呼び名は異なっていたといわれています
明治政府の「学制」に伴う小学校建設により
寺子屋は姿を消しましたが
その直前には1万以上の寺子屋が存在していたようです
当時の日本の人口は3,400万人
現在の4分の1程度ですが
全国の公立小学校数は2万校程度なので
いかに普及していたかがわかります
制度的には現代の小学校に似ていて
早い子では5歳ごろ
一般的には7〜8歳で通い始め
6年ほどで卒業します
登校時間は午前8時ごろ
下校は午後2時ごろです
午後2時は昔の呼び方で「八ツ時」
寺子屋から帰ってはらぺこの子らが食べるのが
「御八ツ」のはじまりです
農民の子どもには「百姓往来」
商人の子どもには「商人往来」
職人の子どもには「番匠往来」など
それぞれ教科書「往来物」が用いられ
個別最適な学びが実践されていました
また
一方的に教師の授業を聞くのではなく
同じ教室にいる仲間たちに
年齢を超えて教えてもらったり教えたりしながら
生徒たちは主体的で対話的な学びを行なってきました
こうした学びが功を奏し
幕末には成人男性の識字率は70%を超えました
当時ロンドンでは20%
パリでは10%未満であったことを考えると
寺子屋の果たした役割は大きかったといえます
親に甘やかされ育った筆子(生徒)に対して
師匠が礼の教育やしつけに苦闘していた
という記述も残っています
ある寺子屋の校訓は「余力学文」
『論語』の「行有余力、則以学文」
(行いて余力あらば、すなわちもって文を学べ)
礼儀作法を心得たものでないと
学ぶ資格はないとしています
細かくは
着座畳に手をつき額をさげて心静に礼いたし席ニ先々よりすわり可申事
(正座して畳に手をついて額をさげ、心静かに一礼して来た順に着席しなさい)
客入来之内ニはものよみ高声無之様ニ可為事
(来客中は大声で素読しないようしなさい)
大小便壱人宛限り可出事
(大便・小便を催した時は、ぞろぞろと行かないで一人ずつ行きなさい)
今の高校生にも言いたいようなこと
またモンスターペアレンツには
喧嘩口論ハ皆自分之悪ゆへ内々親々取上ざる事
(筆子同士のけんか口論は皆本人が悪いから起きるので、親はいちいち取り上げてはならない)
とバッサリ
そして続いては
教科のメガネでお散歩する
「おさんぽメガネ」ワークショップ
例えばエストニアでの教育実践
事なる教科の先生といっしょに
森の中を散歩する授業があります
教師はありとあらゆるものから
教科の問題を組み立てます
数学「このままの速さで歩き続けると
あと何分で目的地に着くかな?」
歴史「今は森だけど昔は沼地だった
どうして変化したかわかる?」
美術「緑は何色あると思う?」
物理「森の中で声を出すと
どんなふうに広がっていくかな?」
今日はこの大阪城バージョンです
私も化学のメガネで参加しました
「大阪城の屋根は緑色だけど何でできていると思う?」
「瓦!」「トタン!」「プラスチック!」
「ブー 銅でした 10円玉といっしょです」
「でも色が違う…化学変化したの?」
「そう!空気中の水と二酸化炭素に反応したよ
炭酸水酸化二銅に変わったよ
緑青ともいうんだ
奈良の大仏さんも同じだよ
ところで奈良に都があったのは
710年から784年
わずか74年でせっかく作った都を捨てています
これはなぜですか?社会の先生」
「ひとつには寺院勢力を排除するためといわれています」
「理科の目で見るともうひとついわれている
呪い説も信憑を増してきます
奈良時代後半に流行した疫病によるものです
ところで電気のない時代にどうやって
大仏に銅のメッキを施したと思いますか?
唯一液体の金属である水銀に銅を溶かします
そして大仏にポッキーのようにコーティングします
やがて水銀が蒸発して
銅だけがメッキとして残るのです
ところで再び社会の先生
水銀が蒸発して都を包むとどうなりますか?」
「水俣病のような公害病が発生します」
「そう!奈良時代後半に起こった疫病とは
水銀中毒であると考えられます」
北陸新幹線の悲しい調べ
地震から 433 日目
豪雨から 169 日目
昨日
東京学芸大学の
鉄矢悦朗研究室のみなさんと
お会いしました
鉄矢教授はデンマーク王立美術院などで学び
都市計画から店舗インテリアの現場まで
幅広く企画・設計などをされながら
「都市と建築の再生」や「市民参加のまちづくり」
について研究なさいました
「モノづくりコトづくりバづくり」をキーワードに
立体・空間デザイン/デザイン教育/ものづくり教育の
研究と実践を行い
「あそびは最高の学び」をモットーに
教育・研究活動をさらに面白く深めていらっしゃいます
1時間にも満たないわずかな出会いでしたが
学生さんたちのユニークな研究についても
ご紹介していただき
研究室の魅力をしっかりと伝えていただきました
「街プロ」にも参考になりそうなお話を
たっぷりとお聞きすることができ
ぜひ本校の探究活動にも
伴走していただきたいと思いました
研究室を現在休学し
氷見市地域おこし協力隊でご活躍中の
佐藤栞さんもご紹介していただきました
(AKB48 の佐藤栞さんではありませんし
モデルの佐藤栞里さんでもありません)
氷見の子どもたちを海外と繋いだり
とっても魅力的な活動をなさっています
明けて今日私は
OECDワークショップに参加するため
大阪へ向かう北陸新幹線に乗っています
北陸新幹線には
物悲しい車内メロディーが流れます
旅のワクワク感とはちょっと違いますが
これは北陸本線サンダーバードでも流れている
谷村新司さんと仲間由紀恵さんが歌う
「北陸ロマン」という曲です
https://www.youtube.com/watch?v=3aGfGqlaX2g
冬の日本海の旅にぴったりですね
敦賀までしか延伸していないので
大阪へ行く時はここで乗り換えです
「ほんとに不便になったね」
「新幹線延びなきゃよかった」
みなさん不満タラタラで乗り換えます
乗り換えが必要な上に
値段まで高くなっているんだから当然ですね
以前駅員さんに食ってかかる人も見受けました
大阪まで伸びるまでの辛抱です
さてさて大阪では
「未来のカリキュラム」を
「散歩という日常」と「教科のメガネ」から問い直す
「おさんぽメガネワークショップ」の開催です
本校から10名の生徒が参加です
初日の今日は
「なんでやねんすごろく」で
虹色エージェンシーを体験です
すごろくを楽しみながら
「子どもの権利条約」を学びます
「なんでやねん」マスに止まったら
子どもが普段感じる理不尽あるあるを読み上げ
みんなで
「なんでやねん!」
このすごろくは
子どもの権利条約関西ネットワークの
子どもたちとおとなが開発したものです
西成のしなやかで強い芯を柱に
地域丸ごと子育ちと子育てを
見守っていらっしゃるみなさんのマインドを
学ぶことができました
本校からは4人の先生
中でも岡本先生は赤ちゃんを連れての参加です
(写真真ん中)
赤ちゃんがいても頑張ってお仕事する
おかあさんの姿を
若いみんなに見てもらいたくて
子育てがキャリアアップの妨げになるような
古いしきたりやシステムは
これっきりにしたくて
というのがねらいです
私は自校の先生が産休に入ったら
産休期間中に一度赤ちゃんを連れて
職員室に来るように伝えています
先生方が赤ちゃんと実際に触れ合うことで
その先生が職場復帰後に
子どもの病気で学校を休むときに
他の先生方が
「あっあの子か!がんばれ」
って休みやすいんです
最後にみんなで記念撮影
先日行われた
輪島市の成人式の模様が
公開されました
昨年震災で開催できなかった
今年21歳を迎えるみなさん
そして今年20歳を迎えるみなさん
それぞれを2日間に分けて行いました
プリンセスプリンセスのドラマー富田京子さん
TUBE のベーシスト角野秀行さんを迎え
輪島吹奏楽団の方々と一緒に
本校吹奏楽部がお祝い演奏をしました
https://www.youtube.com/watch?v=G0GvYbm4_7E
本校の卒業生も何人もいます
おめでとうございます
半島の最先端から世界の最先端へ
地震から 432 日目
豪雨から 168 日目
いきなりの世界地図
しかもいつもの見慣れたものとはちょっと違う
しかしヨーロッパ諸国ではこれがスタンダード
日本はヨーロッパから見ると
世界のはじっこ
辺境の地なんですね
そして我々の住む能登半島
かつて高度成長期時代には
裏日本などとも呼ばれる日本海側に位置し
今回のような災害時には
道路が寸断され陸の孤島となるような場所です
この「裏日本」という表現は
戦前・戦後・高度成長期には普通に使われていました
「差別的な表現」とされ今は使われません
近代日本が発展する過程で
太平洋岸ベルト地帯と呼ばれる
京浜 東海 京阪神 瀬戸内 北九州地区が
政治・経済の中心となりました
これは貿易の中心が太平洋側に移ったことと
日本海の対岸の大国が社会主義国となり
貿易が激減したことによります
かつては日本海側の都市も海運でけっこう栄え
1877年には石川県の人口はグッと上がって
181万人と日本一になりました
このときの2位は新潟県で150万人
裏日本が当時の表日本でした
経済面で見ても
日本銀行金融研究所のデータによると
年収ランキング歴代日本一は
徳川吉宗第8代江戸幕府将軍の1294億円ですが
それに次ぐ第2位は加賀前田藩の1135億円です
現代においてはトランプ大統領が170億円らしいので
加賀藩もなかなかのものです
馳知事の年収がトランプの7倍ってことですもんね
世界の辺境の地日本
そのさいはての半島の先っちょ
かねてより少子高齢化に悩むこの土地で今
度重なる災害において
さまざまな社会課題が浮き彫りになっています
しかしこれは災害によって起こった新たな問題ではなく
日本全国で実際に直面している問題
さらには今後世界のあちこちで起こる問題です
少子高齢化で世界のトップランナーである
この地の高校生たちが
地域課題の解決のために立ち向かっています
本日「街プロ」発表会が開催されます
飯田高校 能登高校 門前高校からも参加があり
お互いの探究成果を発表しあいます
いつの時代も新しい芽吹きは
枝の先端から始まります
世界のはじっこ日本の先っちょ
この半島の最先端から
世界の最先端へとはばたく第一歩です
ところでさっきの地球儀の写真
撮影するときにALTのマイケル先生がいたので
『地球儀』って英語で何っていうの?
って尋ねたら
『glove』
と教えてくださいました
「いやいや『glove』 って地球でしょ
自分が知りたいのは『地球儀』の英語!」
って返したら怪訝な顔を・・・
よくよく聞いてみると
『地球儀』なんてものは
そもそも学校教育では使わないとのこと
なので概念そのものがないんですね
さらに『earth』と『glove』はどう違うの?
と尋ねると
『earth』は土でできたものというイメージで
『glove』は丸いものというイメージらしいです
母なる大地としての地球と
母なる星としての地球といったイメージでしょうか
Sun moon Mars と同列として使うのが『earth』
Sun moon Mars なども含めて使うのが『glove』なんだそうです
さらにもっと広義に球体を表す
『sphere』なんて言葉もあるよ
って教えてくれました
なるほど
気体を表すギリシャ語であり
気圧を表す単位ともなっている atm がついて
『atmosphere』
大気や雰囲気という言葉になったのですね
英単語も単なる暗記ではなく
語源や歴史も絡めて覚えると
さらに理解が深まります
教科を超えて知識をつなげ
既習事項としっかりと結びつける
新たな時代を生きる力を身につける
「街プロ」発表会でした
輪島高校以外の高校の発表です
(2)獅子舞で門前を活性化[門前高校]
地域の伝統芸能を自ら舞うだけでなく
ちびっ子向けのイベントも開催
地域の方の喜びの声も大きく
ついには同好会を発足させたそうです
(3)農業で門前を活性化[門前高校]
地元企業や農家に直接インタビュー
自分たちで野菜を直接育て販売しました
余った野菜の使い道を工夫して
トマトソースを作って調理販売しました
(4)商品開発で門前を活性化[門前高校]
震災で作られなくなった伝統のお菓子「ごらいくん」
みんなの笑顔が見たくて復興させることに
金太郎飴を作って全国展開しました
イベントでどら焼きも完売しました
(7)能登のみんなを音楽で元気づけるには?[飯田高校]
自分たちで楽器を演奏して作曲しました
作曲家 詩人 プロの演奏者の協力を得て
曲を完成させました
3月に石川県立音楽堂でコンサートを行います
(8)スポーツでのとげんき!![能登高校]
震災前と同じようにスポーツをしてみたい
こどもたちとの交流イベントのほか
ソフトテニスやバレーボールイベントも行いました
先生対象の卓球イベントも開催したそうです
(9)お店を活性化させるためには?[能登高校]
能登町のお店の活性化に取り組みました
校内の購買に出店することで店の知名度を上げます
購買の仕組みに工夫を加え持続可能性を探りました
困難にぶつかっても諦めない素晴らしい姿勢です
(10)地域デザイン〜仕事〜[能登高校]
能登町「仕事図鑑」を作りました
地元にどんな仕事があるか知ってもらうためです
現代の蔦重みたいですね「能登細見」
中学校や行政への配布も視野に入れています
ひさびさの調理実習
地震から 431 日目
豪雨から 167 日目
1年生の調理実習が行われました
水が出るようになった調理室は
午前、午後フル回転です
地震でミシンが割れてしまったので
手縫いで仕上げたエプロンを着用して調理しました
今回は炊き出しで大人気の豚汁作りにチャレンジです
なんとこんにゃくがハートになってました
愛情たっぷりの豚汁に心身ともにあたたまりました
以上家庭科の山上佳織先生からの報告でした
3月7日(金)本校を会場に
「ぼくらのまちはぼくらがつくる」
『街プロ』発表会が開催されます
今回被災した奥能登から3校をお迎えして
それぞれの街で取り組んでいる
被災地復興の取り組みを発表し合います
日程は以下のとおりです
10:00 受付
10:30 開会式
10:40 ステージ発表
12:20 昼食
13:20 ポスターセッション
14:20 閉会式
発表の内容がまとまりましたのでお知らせします
1 「朝市復興計画~新しいスタイルの多世代朝市~」輪島高校
2 「獅子舞で門前を活性化」門前高校
3 「農業で門前を活性化」門前高校
4 「商品開発で門前を活性化」門前高校
5 「人も猫も食べれるお菓子」輪島高校
6 「みつばちプロジェクト」輪島高校
7 「能登のみんなを音楽で元気づけるには?」飯田高校
8 「能登健康増進プロジェクト~スポーツでのとげんき!!~」能登高校
9 「能登町のお店を活性化させるためには」能登高校
10 「地域デザイン~仕事~」能登高校
11 「輪島の『楽しい』をつくる」輪島高校
12 「震災を超えて響く花火の音~花火復興プロジェクト~」輪島高校
13 「海辺で映画を見よう」輪島高校
どの学校も工夫を凝らしたアイデアですね
楽しみです
どうぞお越しください
企業様とも繋がってアイデアが現実化することを
願っています
昨日の朝日新聞に
沖縄尚学野球部 比嘉公也 監督の記事を見つけました
監督は
テストで赤点を取った部員には
練習参加を認めずずっと草むしりをさせるそうです
そんなに難しい問題はつくっていない
ふつうにちょっと努力をすればできるのに
点数がとれないということは
やらなくてもいいとか
いやなことから逃げるとか
そういう要素があると
おっしゃっています
沖縄尚学の強さはそんなところにあります
人としての強さというのは
練習以外の
日常生活のあらゆる場面で
培うことができるのです
【今週の生徒の叫び】
校長ブログを読んだ生徒が書いてくれた
コメントを紹介するコーナー
今日は3月21日「春が来て君は綺麗になった」
のコラムを読んでくれた生徒からです
彼は震災により
2年生の途中から本校へ転学してきた生徒です
面接でサッカーが好きと言っていたので
入学前だけど
3月21日にいいことあるから
一度学校においでと伝えてあった生徒です
๒0๒๔年0๓月๒๑日地震から๔๑日目
季節外れの雪が降りました
この日僕ははじめて輪島高校に入りました
いつも学校の前を通ってますが
一度も入ったことがなかったのでドキドキしました
先生に呼ばれただけだったので
どこへ行けば良いかわからず
とりあえず知っている友達を探しました
久しぶりに会う友達がいっぱいいて懐かしい匂いがしました
小中学校以来はじめての全校集会を体験しました
人が多かったですがとてもワクワクしました
そそそそそしてなんと本田圭祐さんが来てくれました
まじで神すぎる
名前を聞いた瞬間興奮しました
昔から憧れお手本にしてきた選手
つい朝までYouTubeで見ていたプロサッカー選手が
目の前にいるので震えが止まりませんでした
そして彼は地震で心が病んでしまった輪島の人々に
「つらいことを体験したみんなだから
日本中の誰よりも強くなれるよ」
と激励の言葉をくれました
しびれるねぇ
この経験を糧に変えて強くなります
《左手 ナタコーン》
怖い話
地震から 430 日目
豪雨から 166 日目
震災直後から
さまざまな支援のお声かけをいただいています
発災直後にあったこんなお話
「被災地の子供たちに贈り物がある
せひ全生徒に配付してほしい
さらなる支援も考えている
一家庭あたり〇〇万円を
全生徒にお配りしたい」
あるところにはあるもんだと感心しきり
「贈り物の中に連絡先を書いておく
希望する家庭は
それぞれで直接申し込んでもらう
我々は指定された金融機関に直接振り込む
学校には一切負担をかけない」
そんなことまでしていただけるのかと
細かい心配りに感謝
もともと人を疑うことを知らない脳天気な性格に加え
発災直後で混乱状態になっていた私は
「これはありがたい!即申し込もう!」
実は奥能登の他の高校にも申し入れがあったようで
ある学校の教頭先生が
「これちょっとおかしくないですか?」
冷静になって考えると確かに・・・
口座番号も含めた個人情報をこんなに無防備に・・・
そこで支援先に対して
「学校が責任持って全生徒に配付するので
一括して学校の講座に入金してほしい」
と申し入れをしたところ
それ以来連絡がありません
この支援先について調べてみたところ
その母体は・・・
怖くて書けません
気づいた教頭先生は部活動でならした先生
数々の修羅場をくぐり抜け身につけた
危機を察知する
その動物的カンはさすがです
そして発災後このように
各学校が教育委員会を中心にして
情報を共有しながら前へ進んでいます
一昨日行われた卒業式で
輪高新聞が配られました
次のようにメッセージを残しました
「誰よりもつらい思いをしたみんなはきっと誰よりも強くなれる」
サッカー界のレジェンド本田圭佑さんが
本校に訪れみんなに投げかけてくださった言葉です。
PTG(心的外傷後成長:Posttraumatic Grouth)という言葉があります。
(1)「他者との関係」他者を思いやる気持ちが強くなります。
そしてつらいときには誰かに頼ってもいいんだと思えるようになります。
(2)「新たな可能性」が生まれます
それまで描いていた人生の道筋とは異なる方向性を余儀なくされます
だからこそ新しい可能性が開けてきます
(3)「人間としての強さ」が芽生えます
つらいことに見舞われてそれでも今まだ自分は生きている
自分が思う以上に自分は強いと実感できます
(4)「精神性的な変容」が訪れます
人間の存在を超えた現象や事柄に向き合うことで
生き方や魂について思いをめぐらせるようになります
(5)「人生に対する感謝」の気持ちが溢れてきます
これまで当たり前と思っていたことが実は奇跡
変わらない平凡な毎日にこそ感謝の気持ちを強く感じるようになります
例えば野球部の生徒たち
無惨に砕かれたグラウンドを目にして自分たちのグラウンドを元通りにしたい
行政にかけあってもそれよりも優先すべきことがありなかなか前には進めません
ついには自分たちでグラウンド整備から始めました
どれだけ石ころを拾っても拾ってもきりがありません
それでもいつかプレイのできる日を夢見て力を合わせます
野球部は練習の前後にグラウンドに挨拶します
それは誰に?野球に神様?それって誰?本当にいるの?
今なら確信を持って答えることができるでしょう
これまで普通に野球ができていたこと
これは本当は奇跡的なことであって
そこに辿り着くまでに多くの方の力があってのことだと
身を持って感じることができたはずです
君たちの子供らが将来挨拶する野球の神様
それは間違いなく君たち自身なのです。
『街プロ』発表会のお知らせ
地震から 429 日目
豪雨から 165 日目
昨日行われた卒業式で
PTA会報「青桐」が配付されました
例年PTA役員の方々に
執筆をお願いしているのですが
今年は役員を選出せず
「全員が役員!
楽しいことだけやりましょう」
をモットーに活動してきましたので
原稿も一般公募して
「ぜひお子様に残したいメッセージを」
としました
例年に増して心のこもったものになりました
私も次のようにメッセージを書きました
「東日本大震災が起こった日は入学式の行われる少し前の日でした
新しいランドセルは手を通されることもなく津波に流されました
土砂の中からそんなランドセルを見つけたお母さんがいました
水道が来ていないので溜め水で懸命に洗いましたがきれいにはなりませんでした
悲しみの新1年生たちには新しいランドセルが贈られ
入学式を迎えることができました
でもその子が入学式の翌日から6年間背負い続けたのは
お母さんが洗ってくれた傷だらけのランドセルだったのです。
能登半島地震が起こったあと初めて高校に生徒が集まる日のことです
水道が来ていないので洗濯ができないことから私服登校を認めました
ただひとり制服で登校した生徒がいました
聞くとお母さんがその制服を持って逃げてくれたのだそうです
他にも大切なものはたくさんあったはずなのに
お母さんが真っ先に心配したのが娘の学校のことだったのです
その話を聞いて生徒と保護者の学校に対する想いを実感し
学校の責任の重さをあらためて考えさせられました
今日はその制服を着る最後の日ですね」
「ぼくらのまちはぼくらがつくる」
輪高生のまちづくりプロジェクト『街プロ』
成果発表会を行います
一般公開いたします
お誘い合わせの上ぜひお越しください
今年1年間
生徒達がとりくんできた
まちづくりの成果を
ステージ発表と
ポスターセッションで披露します
3月7日(金)より
本校の第一体育館で行います
地震で壁はひび割れ
床が窪んだ悲惨な状況の場所ではありますが
危険立入区域には指定されていませんので
その被災状況も合わせて
ごらんになっていただきます
日程は以下のとおりです
10:00 受付
10:30 開会式
10:40 ステージ発表
12:20 昼食
13:20 ポスターセッション
14:20 閉会式
どなたでも参観できます
正面玄関よりお入りください
駐車スペースはございません
あらかじめご了承願います
ステージ発表の際には
質疑応答の時間は設けません
発表グループは
午後のポスターセッションでも
発表しますので
その際に直接ご質問ご意見をお寄せください
なお今回は奥能登の公立高校より
飯田高校(午前中のみ)
能登高校
門前高校
からも参加してもらいます
高校間を超えた交流も予定しています
それぞれの学校が
それぞれの場所で
生まれたまちを甦らせるために
がんばっています
お待ちしています
ぜひお越しください
【今週のありがとう】
東大阪ロータリークラブのみなさま
貴重な備品ありがとうございます 大切に使わせていただきます
谷村誠会長はじめ神戸市立保育園連盟のみなさま
おいしいお米ありがとうございます ご家庭に配付しました
岐阜県 関商工高校 鷲見椿さんとおともだち
「能登新聞」で被災地の状況を伝えてくれてありがとう!
広島県立芦品まなび学園高等学校 祝迫直子先生
ようこそお越しくださいました そして災害支援ありがとうございます
公益財団法人 旭硝子財団のみなさま
奨学金ありがとうございます 未来へ歩き出す大きな支えです
※このコーナーでは
これまでご支援いただいた方々を
順に紹介させていただいています
未来へ向かって飛び立つきみへ
地震から 428 日目
豪雨から 164 日目
卒業式が行われました
会場をお花で飾ってくださったのは
FlowerSchool Muguet の
水上 詩子 さま
昨年の音楽堂での卒業式
今年の入学式に続いて
3回目になります
金沢でフラワースクールを主宰されています
卒業生が胸にあしらう
すずらんとアイビーのコサージュも
全員分を手作りしてくださいました
スズランの花言葉は「幸福の再来」
ヨーロッパでは聖母マリアの花とされます
葉の影に隠れてしまいそうな小さな花が
被災地から立ち上がる小さな希望のようです
またアイビーの花言葉は「友情」「永遠」
アイビーが持つ強い生命力と
しっかりと絡みつくツタの性質が
力強く未来に向かって伸びていく姿を想像させます
卒業生一人ひとりに
エアリーフローラが手渡されました
名古屋市立西陵高等学校の
昨年度の2年5組のみなさんからも
お祝いメッセージカードが届きました
昨年発災後まっさきに
ハンカチとかコスメとか
女子高生ならではのアイデアの
支援をしてくださったクラスのみなさんからです
カードはこちら
仙台育英高校の野球部のみなさんからも
豪華な花の贈り物です
卒業式はどうやら雪の特異日のようでして
北陸では毎年不思議と雪がちらつきます
今朝も早くから係の先生方で駐車場の整理
思い出に残る卒業式にしようと
裏方さんもみんなで力を合わせます
会場である体育館への通路は
未だ崩れたまま
ブルーシートで覆われた通路を通ります
ゆがんだ通路をくぐると
みんなで仕上げた立派な式場へ
夜の体育祭にお招きくださった
福岡第一高等学校の校長先生や
本校にお勤めくださった
春木先生 大坪先生 矢知先生 松村先生 玉置先生
からお祝いのメッセージをいただきました
全校生徒で行う卒業式は
6年ぶりです
つまり今回の卒業生にとっては
中学高校を通して初めての経験です
どうですか?
思い出に残るものになりましたか?
小学校の卒業式に比べると
高校の卒業式は
味気なく感じたかもしれませんね
公費解体を待つだけの我が家の
タンスの下敷きになっていたギター
坂崎幸之助さんに憧れて
高校卒業のときに買った
6弦と12弦のダブルネックのアコギ
この思い出のギターで
卒業生の門出をお祝いしようと
秘密裡に練習してきました
挨拶が下手な私はお歌で勝負です
「あんなにも
すきだった
きみがいた
このまちに・・・」
選んだ曲は玉置浩二さんのメロディー
「あのころは
なにもなくて
それだって
楽しくやったよ」
下手にグダグダしゃべるより
よっぽど気持ちが伝わりそうな気がして
「メロディー
泣きながら
ぼくたちは
しあわせを
見つめてたよ」
のつもりでした
ギターを持ち上げたとたんに
カランカラン
弦にはさんでおいたピックを
ギターの穴に落としてしまいました
しっとりと6弦のフィンガリングで
静かに始まり
サビはピックで12弦のストローク
劇的なアレンジをしたつもりが
始まってもいないのに早くも破綻です
頭の中が動揺したまんま
止めるわけに行かず
案の定いきなり歌詞を間違えました
もうあとは思いついた歌詞を
適当に繋げグダグダでした
このプレッシャーに弱い性格は
どうにもなりませんね
それにくらべ
在校生代表の邑田達紀さんの送辞
卒業生代表の志田心湖(ここ)さんの答辞は
とても立派で心うつものでした
ここちゃんの答辞の中で
心に残ったのは
「嫌われてもいいからと
それでも厳しく指導してくださった先生
ありがとう」
のフレーズです
先生だって人間だから
生徒に嫌われたくはないんですよね
でも信念を持って生徒に接してくださった先生
生徒にはちゃんと伝わっています
私が見ていないところで
若い先生方はこのようにして
生徒に接していてくださったんだなと
思わず教員席の方を見てうるうるしました
式辞の最後に
卒業生みんなに向けて
ここちゃんにちなんだ言葉を贈りました
輪島に残るみんなへ
「それでもここ輪島にいる」
一旦輪島を離れるみんなへ
「それでもこころは輪島にある」
こちらもどうぞご覧ください