校長室便り
菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
2月もあと2日となりました。今は二十四節季でいうと「雨水」のころとなります。空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ、やさしく照らす春の陽光に薄緑に色づく草木が見られるころ、土の中や木々の枝から新しい命が芽生えるころとされます。実際、まだ、凍るような朝はありますが、長くは続かず、時折、やわらかな陽がさすことも増えてきました。子どもたちのようすを見ていても、今までの物足りなさをとりもどすかのように、雨の合間を探っては運動場でボールを追う姿、ブランコで風をきる姿が増えています。
冒頭に触れた二十四節季では、この後、「啓蟄(けいちつ)」、「春分(しゅんぶん)」と続きます。「啓蟄」は土の中で冬ごもりをしていた虫たちが目覚めるころ、「春分」は自然をたたえ、生物を慈しむ日であり、また、昔から、多くの出会いや別れがあり、新生活の始まりなど変化がおこるころとされています。
3月に入ると第一週から公立高校、中旬以降は中学校・小学校と本格的な卒業式シーズンとなります。さて、この「卒業」ですが、学生にとって卒業は一つの節目(区切り)ではありますが、終わり(ゴール)ではありません。それまでの学びや生活に一区切りをつけて、今度は別の学びや生活がはじまる、その節目です。今までの学びをより確実なものとし、これからの学びに向かおうとする意識が強まる時期となります。実際、鳳至小においても、どの教科でもこの1年の学習が次の学年の学びに少しでもつながるよう、弱点の補強に努めています。また、「六年生を送る会」や「卒業式」等の準備を利用して、今年一年で培った、目標を共有しそれに向けて力を合わせる力や想いを行動に表す力を、再確認しようとしています。このことは、先人が「雨水」のころになると、雨の降る様子からその年の農業の準備をしたとういうことに似ているような気がします。
第五十二回の卒業証書授与式が挙行される3月17日(金)は「啓蟄の末候:菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」にあたります。厳しい冬を越したさなぎが蝶へと生まれ変わるころという意味ですが、春となり命あるもの全てが、いきいきと光り輝くことをも表しています。一人一人の児童が、時間をかけ、次につなげるべく積み上げてきた学びにより、光を放つことができるよう、職員一同、気を引き締めて子どもたちをサポートしていきます。
保護者、地域の皆様におかれましては、本校の教育活動に、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。
二十四節季(にじゅうしせっき)
夏至と冬至、春分と秋分を基点として、太陽の動きをもと1年間を24等分し
たもので、それぞれが約15日間。
七十二候(しちじゅうにこう)
二十四節季をさらに「初候」「次候」「末候」に3等分した5日間を表した
暦。農業や漁業、日々の生活の目安とされる。
学校長 山岸茂樹
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
1   | 2   | 3   | 4   | 5   | 6 1 | 7   |
8   | 9   | 10   | 11 1 | 12   | 13   | 14   |
15   | 16   | 17   | 18   | 19   | 20   | 21   |
22   | 23   | 24 1 | 25 1 | 26   | 27   | 28 1 |
29 1 | 30 1 | 1   | 2   | 3 1 | 4   | 5   |