日誌

校長室便り

6年生のみなさん ご卒業おめでとうございます(卒業式式辞)

平成二十九年四月五日に、この体育館で入学の呼名を受けてから卒業証書を手にした今日まで、数えること、実に二千百七十三日。一日一日を確実に積み上げ、無事、小学校の教育課程を修了された三十四名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

卒業生のみなさん、私がこの鳳至小学校に赴任したのは、皆さんが三生の学習を始めるころでした。今となってしまえば、『黒歴史』と言えますが、わずかの間とはいえ、学ぶルールがおろそかになってしまった時期がありました。教室を落ち着かせるため、保護者のみなさんに授業入っていただきもしました。それでも、自分たちのあるべき姿を見つめ直し、それを一つ一つ行動に表していくようになると、2学期には集団のルールを意識した生活を取り戻すことができました。四年生の運動会のころには、下の学年の手本となれるよう努力を惜しまない集団になりました。五年生になり、学校の代表としての活動が増えると、アイディアの豊富さや気配りの良さといった皆さんの長所が様々な場面で発揮されるようになりました。中でも、それぞれの学年が戸惑うことなく感謝の気持ちを伝えることができた「六年生を送る会」の運営は見事なものでした。

そして、最上級生となった今年度。四月六日の入学式準備以降、どの場面を切り取ってみても、頼もしく、そして甲斐甲斐しく、学校のために力を尽くすみなさんの姿を思い出すことができます。

三年ぶりに行われた輪島市民祭りでは、マリンタウンでの発表の前に学校から漁協までパレードをし、マリンタウンでの発表が終わったら、今度は新橋通から学校までをパレードしました。途中、休憩や待ち時間を挟みはしますが、この行程は昨年の倍の六時間に及ぶものであり、体力的にもメンタルの面でも、キツくなることが予想されました。しかし、当日は、終始、ハツラツとしたパフォーマンスを見せてくれる皆さんの姿がありました。演奏はもちろんのこと、手足の上げ下げや位置にまで気を配ったドリルや行進は、見る者を感動させてくれました。休み時間や放課後も使って自主練するなど、ひたむきに金管鼓隊に取り組む六年生の意識の高さ、よりよい発表にするためのアイディアを出し合い、質を高めていこうとする六年生の粘り強さがあったからこその感動でした。

運動会では、EXダンスと応援合戦の見直しを手がけてもらいました。元気さや躍動感を引き出すために採用したEXダンスでは、六年生が率先して声出すことで、運動会のスタートから活気に満ちた雰囲気をつくることができました。応援合戦では、しばらく途絶えていた、六年生応援団のメンバーが、演じるパフォーマンスの内容を考え下級生に指導するという、良き伝統を復活させてくれました。それぞれの団が一体となり、意気込みや相手との違いをアピールしようと工夫を凝らす様子は、観る者の心を楽しく、そして、熱くしてくれました。運動会全体で見ても児童全員が楽しむことができる一日にしたいという六年生の想いの強さに引っ張られ、どの学年もその良さを表現した競技や演技ばかりでした。六年生ってすごいなと心の底から思いました。

活躍は行事ばかりではありません。今年度は石川県道徳教育推進事業の研究発表会が本校で開かれ、輪島市内を中心に多くの先生方が皆さんの授業の様子を見ていかれました。その先生方が共通して話されたのが、皆さんの話し合う雰囲気の良さと、内容の深さです。コミュニケーション力という言葉がよく使われます。これは単に自分の思いを述べることだけではありません。言葉だけでなくその様子にも注意を払い、相手の思いを読み取ろうとすることまでをも求めています。皆さんが授業中に見せるコミュニケーション力の高さは特筆すべき素晴らしさです。学校でも、皆さんの発言の仕方やグループでの話し合いの姿を、下級生の学びの中にも取り入れようと学習参観を行いました。参観後の下級生からは、自分たちの授業に取り入れたいポイントがたくさん挙げられています。

 私が知る4年間だけでも、ものすごく成長しているのがわかります。そして、この1年、素晴らしい活躍だったと振り返ることができます。では、皆さんが成長し活躍できたその要因はどこにあったのでしょうか?

私は皆さんの成長と活躍の背景に、皆さんの持つ“素直さ”と“進取の精神”があると思っています。自分を向上させるためには、自分自身を客観的に捉え、改善のためのアドバイスには素直に耳を傾けようとする態度が必要です。また、自分をレベルアップさせるためには、難しいと思えることでも取り入れ 自分の力に変えようとする“進取の精神”、言い換えれば、チャレンジ精神も必要となります。

卒業生の皆さんは、幾度となく、困難を自分たちの手で乗り切ってきました。そして、そこには、状況を素直に見つめ直し、解決の手がかりがひらめくと、少々ハードルが高くても協力してやりきる姿がありました。皆さんには素直さと強いチャレンジ精神が宿っています。だから、中学校以降の学びでも、勇気をもって前に進んでください。

一方、卒業生のみなさんがその素直さと進取の精神を身につける環境を作ってくれたのは、皆さんのご家族であり、地域の皆様、鳳至の風土、今までに出会った先生方であることも振り返ることができると思います。だからこそ、皆さんを育ててくれたあらゆる人や機会に、感謝を忘れないでください。そして、今度は、皆さん自身の力で、新しくできる友人や家族、仲間が、皆さんとともに成長できる環境を整えていってください

 保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。凛凛しく健やかに成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。ただ、まだまだ、子どもたちには、皆様のお力添えが必要なことは言うまでもありません。子どもたちが良き社会人となるまで、今後も、見守っていただくことを重ねてお願い申し上げます。

結びに、

人は、『夢』を実現させようと努力を繰り返す中で、『自由』という言葉の本当の意味を知ることになります。そして、『夢』に向かって進もうとすればするほど、「感謝」・「挨拶」・「笑顔」の大切さを学びます。誰かのせいにしたり、出来ない言い訳ばかりならべたところで、「良くなること」は一つもありません。卒業生の皆さん一人一人が、自分自身と社会を誠実に見つめ、解決のための一歩を踏み出せる大人へと成長されることを願いまして、式辞と致します。

  令和五年 三月十七日  輪島市立鳳至小学校  校長 山岸茂樹

 

 

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菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

2月もあと2日となりました。今は二十四節季でいうと「雨水」のころとなります。空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ、やさしく照らす春の陽光に薄緑に色づく草木が見られるころ、土の中や木々の枝から新しい命が芽生えるころとされます。実際、まだ、凍るような朝はありますが、長くは続かず、時折、やわらかな陽がさすことも増えてきました。子どもたちのようすを見ていても、今までの物足りなさをとりもどすかのように、雨の合間を探っては運動場でボールを追う姿、ブランコで風をきる姿が増えています。

 冒頭に触れた二十四節季では、この後、「啓蟄(けいちつ)」、「春分(しゅんぶん)」と続きます。「啓蟄」は土の中で冬ごもりをしていた虫たちが目覚めるころ、「春分」は自然をたたえ、生物を慈しむ日であり、また、昔から、多くの出会いや別れがあり、新生活の始まりなど変化がおこるころとされています。

 3月に入ると第一週から公立高校、中旬以降は中学校・小学校と本格的な卒業式シーズンとなります。さて、この「卒業」ですが、学生にとって卒業は一つの節目(区切り)ではありますが、終わり(ゴール)ではありません。それまでの学びや生活に一区切りをつけて、今度は別の学びや生活がはじまる、その節目です。今までの学びをより確実なものとし、これからの学びに向かおうとする意識が強まる時期となります。実際、鳳至小においても、どの教科でもこの1年の学習が次の学年の学びに少しでもつながるよう、弱点の補強に努めています。また、「六年生を送る会」や「卒業式」等の準備を利用して、今年一年で培った、目標を共有しそれに向けて力を合わせる力や想いを行動に表す力を、再確認しようとしています。このことは、先人が「雨水」のころになると、雨の降る様子からその年の農業の準備をしたとういうことに似ているような気がします。

 第五十二回の卒業証書授与式が挙行される3月17日(金)は「啓蟄の末候:菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」にあたります。厳しい冬を越したさなぎが蝶へと生まれ変わるころという意味ですが、春となり命あるもの全てが、いきいきと光り輝くことをも表しています。一人一人の児童が、時間をかけ、次につなげるべく積み上げてきた学びにより、光を放つことができるよう、職員一同、気を引き締めて子どもたちをサポートしていきます。

保護者、地域の皆様におかれましては、本校の教育活動に、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。

 

二十四節季(にじゅうしせっき)

  夏至と冬至、春分と秋分を基点として、太陽の動きをもと1年間を24等分し

  たもので、それぞれが約15日間。

七十二候(しちじゅうにこう)

  二十四節季をさらに「初候」「次候」「末候」に3等分した5日間を表した

  暦。農業や漁業、日々の生活の目安とされる。

               学校長 山岸茂樹

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夢や目標を現実にかえるために

1月10日(火)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあうこともなく、164名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。ここ数年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が取りざたされてきましたが、昨年末からは各地でインフルエンザの発症も報告されています。今年に入って、1月17日には石川県でも3年ぶりにインフルエンザ(集団風邪)で金沢市と白山市の小学校で学級閉鎖の措置がとられたことがニュースで伝えられました。本校でも1年生の3割の児童がインフルエンザに罹患し、19日の午後と20日全日を学級閉鎖としました。新型コロナウイルス感染症との同時流行も懸念され、学校としては、これまでの手洗い・消毒・マスクの着用はもちろんのこと、“通気”にも注意を払い対応していきますので、ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。

 さて、「一年の計は元旦にあり」という諺(ことわざ)があるように、「その年のことは、年の初めの元旦に計画を立てて行うべきである(=物事は初めが大事、しかもしっかりした計画のもと、着実に行えということ) … コトバンクより引用」といわれます。しかし、この諺は、どちらかというと、「年頭に今年は何をするか、目標を定め決意を新たにすること」ばかりが意識され、着実に行っていく(実際に行動を積み重ねていく)ことは忘れられているような気がします。論語にも似たような一文がでてきます。以下にその一文とそれについて岐阜県にある医療法人かがやき総合在宅医療クリニックでプロデュサーとして在宅医療の普及啓発活動を行う ひらたせつこ さんの書いたエッセイ的な解釈を紹介します。

君子欲訥於言 而敏於行

【読み方】

 君子は言(げん)に訥(とつ)にして、行いに敏(びん)ならんことを欲す

【意味】

 優れた人は思いを口にすることが苦手でも、迅速に行動したいと望むものだ。

夢を実現する人

 

 大きな夢を語るリーダーが注目を浴びるけれど語るだけでは何も変わらない。

 変えることができる人は、動く人。

 

 立派な目標をつくっても実際に誰かが動き出さなければそれは幻に過ぎない。

 

 幻を実現するためには最初に動き出す人が必要だ。

 すぐに試してみる。

 すぐに行ってみる。

 すぐに頼んで見る。

 すぐに片付ける。

 すぐにお礼を言う。

 

 ひとつひとつは小さな行動かもしれない。

 けれどもそうして具体的に動き出す人こそが

 幻のようだった夢を現実に変える力を持つ。

  引用文献 『超訳 論語 自分の「器」を磨く』 監修 野村茂夫   

       文 ひらたせつこ  リベラル文庫

 

子ども達には、夢や目標を抱き、その実現に向け、行動を起こすことができる人となることを願います。行動も起こさず「自分にはできない」と簡単に諦めてしまうのではなく、真剣に夢や目標と向き合い、努力を続ける人になってほしいと願います。

2023年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。                        学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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『認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していく』態度の育成

2022年もあと数日で終わろうとしています。今年はコロナ問題を引きずりながらも、北京冬季オリンピック・パラリンピックで活躍する日本選手団の奮闘に一喜一憂したスタートでした。しかし、その感動も冷め切らない2月24日、ロシア軍がウクライナ侵攻を始めたときは、第3次世界大戦に拡大しないかと不安になりました。ロシア軍による侵攻は、かろうじて拡大こそしていませんが、未だに解決の兆しが見えないため不安は消えません。また、ウクライナもロシアも食料やエネルギー資源の輸出国であり、その価格の高騰が世界の経済や金融を混乱させていることも心配です。一方、11月に入ってカタールで開催されたFIFAワールドカップでは日本、韓国、オーストラリアのアジア勢3国の決勝トーナメントベスト16に進出や、モロッコやチュニジア、カメルーンのアフリカ勢によるジャイアントキリングなど、おおいに盛り上がりました。特に日本はワールドカップで優勝も経験しているドイツやスペインといった強国に勝っての進出であることに加え、試合後の選手・森保監督をはじめとするスタッフやサポーターのマナーの良さが世界各国のメディアから称賛されたことで、清々しい気持ちになりました。ただ、ドイツに勝った時には、“ドーハの歓喜”とはやし立てて選手や監督を褒め讃え、コスタリカ戦で敗れたときには聴くに堪えないような言葉も用いて酷評し、スペインに勝った時にはまた、選手や監督を持ち上げる。その様子を揶揄する『掌返し(てのひらがえし)』という言葉もはやりましたが、コスタリカに負けたときには、“批判”というレベルではなく、“誹謗中傷”としかとれないコメントが数多く拡散され、一生懸命にプレーしている選手や監督が気の毒で、残念な気持ちになりました。

 閑話休題。12月10日は「世界人権デー(Human Rights Day)」に定められています。日本でも、その日を最終日とする1週間を人権週間と定め、全国的に人権啓発活動を強化する取組がすすめられています。近代的な人権の考え方が芽生えたのは17世紀後半のイギリスであり、1789年のフランス人権宣言を経て、19世紀から20世紀前半にかけて欧米で人権宣言を含む憲法をつくる国がでてきました。しかし、実際は、それらの憲法でも、人権はその国の一部の人々の権利を保障するものでしかありませんでした。それを証明するかのように、自国民の生き残りのために他国に戦争をしかけたり宗教的解釈のズレから国内の少数民族を虐殺したりと、20世紀半ばになっても人権は踏みにじられ、多くの人々の命が奪われました。第二次世界大戦後、国際連合が結成される中、そこに参加した各国の代表が、人権の侵害を放置したことが虐殺や戦争につながったことを認め、世界の平和と安全を守るためにも各国が協力して人権を守る努力をしなければならないとして、1948年12月10日に国際連合の総会で『世界人権宣言』が採択されました。以上が「世界人権デー」の由来です。

先述したロシア軍によるウクライナ侵攻は、ウクライナの人々に対するプーチン政権による重大な人権侵害行為です。また、ロシア兵にしてみても自分の生きる権利を危険にさらして戦っており、人権が侵害されてることは変わりません。サッカーでみられた“誹謗中傷”も選手や監督にとっては謂われのない人権侵害です。

 鳳至小学校では、各クラスで人権について考えてもらう際に、次のような話をしました。

世の中に、自分と全く同じ人はいません。似ているところはあっても、似ているだけで同じではありません。「自分と違う相手のことをまず認める」ことから人とのつきあいは始まります。自分と違うから相手を嫌いになったり攻撃したりするのではなく、その自分とは違う相手と、「どうしたら楽しく遊ぶことができるか」「どうしたら力を合わせることができるか」「どうしたら、協力して解決することができるか」を考えることが大切です。これは人類が一生、取り組んでいかなくてはならない課題(=テーマ)です。鳳至小学校の生活目標は、『自分がされて嫌なことは、人にしない。言わない』ですね。実はこの生活目標を守ることが人権を守る第一歩です。友達に意地悪をして困らせたり、自分より小さかったり弱かったりする人をいじめたり、相手がどう思うかも考えずに、大したことではないと勝手に判断して友達の遊びを邪魔したりすることは人権を守らない行動です。自分が困った・いじめられたという立場になったら、どんな気持ちになるのか。そこを考えて行動しましょう。人間(私たち)は、認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していくのです。

子ども達は、これから変化の激しい社会を生き抜いていかなくてはなりません。変化の中では、様々な人々との共生やチームワークが求められます。そのためには『認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していく』態度は不可欠です。子ども達には、“人生100年時代”をたくましく、しなやかに生き抜いていくことができるよう、今後も学校生活の中で『認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していく』ことについて考える場面や機会を増やしていきます。

 さて、4月からの毎日の学習や委員会活動、運動会等の行事を振り返ると、児童それぞれが成長に欠かせない経験を積む中で、達成感や充実感を深めることができた9ヶ月間でした。そして、その成就感は、子ども達の努力はもちろんのこと、実は、地域や保護者の方々のお力添えがあったからこそ、作り上げることができたものです。改めて皆様のご協力とご支援に感謝申し上げます。ありがとうございました。

来る2023年も、この良き地に育つ鳳至小の子ども達が、さらにその可能性を拡げられるよう、職員が一丸となってサポートすることをお誓いして、年末のご挨拶とさせていただきます。

         学校長 山 岸  茂 樹

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2023年度に向けて、準備が始まります!

4月の入学・始業式以来、2022年度も3分の2が過ぎようとしています。鳳至小では11月14日に金管鼓隊の引継式が行われ、来年度の市祭パレードをゴールとした、5年生と4年生による新しい“チーム鳳至”の活動が始まりました。前号の学校便りにも触れましたが、子ども達にとって、今年度の残り3分の1の学校生活は、「2023年度への準備」が始まる期間となります。例えば、今まで学校の“顔”として頑張ってきた6年生は、残り数ヶ月の小学校生活で、さらに自主性に磨きをかけることを重視した活動が増えます。なぜなら、中学校における学校生活は、学習にしても行事や部活動にしても、どれだけ自分自身が意欲を持って行動を起こすかで、達成感や充実感はもちろんのこと、その後の進路まで違ってくるからです。これまで6年生の後ろを追ってきた5年生は、学校のリーダーとしてやらなくてはならない役職や立場を次々と経験することになります。その中では、下級生を良き方向に導くために、時には献身的な努力が求められること、自分のことと学校全体のことを並行してすすめる難しさなど、真のリーダーとなるためには避けて通れない“学び”に取り組みます。4年生は金管鼓隊のような学校の代表としての活動が増えます。その中で、今まで以上に、「自分一人の我が儘が通らないこと」を気づかされます。そして、自分のためだけではなく、誰かのためにも頑張らなくてはならないことを学んでいきます。同じように、3年生、2年生、1年生も一つ学年が上がることで、役割や責任が増えていきます。『立場が人を育てる』と言われるようにそれぞれの児童が、初めてその立場に置かれ、成長につながる役割や責任を経験していくことになります。

一方、学年が一つ上がると、それだけ、授業で学ぶ内容も難しくなります。上の学年で勉強する内容は、それまでに蓄えてきた知識や考え方を少しずつ発展させたものです。だから、これまでの学習の定着度が、新しい学習を理解できるかどうかを左右することになります。新しい学習を確実に理解し、更に、次につなげていくためには、今やっている勉強が身についているか、再度、確かめる必要があります。

ある大学の研究室と出版社が行った調査では、一般誌から工業系などの専門書まで300冊の書籍の中で使われていた漢字を分類すると8474字、その8474字の中で使われる割合が高い漢字が、2474字ありました。また、この2474字の漢字を理解していれば、ほぼ99%の本が読めることがわかりました。さらに、この2474字について調べたところ、小学校6年間で学ぶ1026字と中学校で学ぶ1110字の2136字がすべて含まれていました。残りの338字は高校までに学ぶこことも確認されました。小中学校、そして高校での学びが、その後の読書や学びを支えているのです。

これは、ここ数年、次の4月から鳳至小学校に入学するお子さんを持つ保護者の方にお話ししているものです。経験にしても学習にしても、今の『学び』は必ず、子ども達の将来にいきてきます。学校としては、「今できる経験」、「今できる学習」をしっかりサポートしていきたいと考えます。特に、12月には、それぞれの学年で学んだことがどれくらい身についているかを調べる輪島市統一の学力テストも予定されていることから、学力の定着に力を入れていきます。ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。

          学校長 山 岸  茂 樹

 

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求められる『読解力』とその向上を目指すために

10月17日(月)、児童による自治活動のリーダーとなる各委員長の任命式並びに学級委員の後期任命式がありました。また、21日(金)に行われた全校集会では、それぞれの学年が後期の学級目標を発表しました。“後期”という言葉が記されることでもわかるように、2022年度の教育活動も後半を迎えたことになります。それと同時に、子どもたちには、次の学年への進級・進学を意識した“準備”の取組が増えてきました。次のステージへの準備として、どうしても欠かすことが出来ないのが『学力』面での準備です。現学年で勉強してきた教科の学習は理解できているのか。学年が上がり内容が難しくなっても、対応できるか…。

鳳至小学校では学校として教師側がよりよい授業づくりについて研究を重ねるとともに、確かな学力を身につけるための基盤として、子どもたちの『聴く』姿勢づくりと『読解力』を養う取組をすすめてきました。

『読解力』。字面で見れば「読んで(その意味を)理解す力」となりますが、では、どこまでの理解が要求されるのでしょう。文部科学省から出されている読解力向上プログラムには次のように定義されています。

読解力 : 自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に

      社会に参加するために、書かれているテキスト(=文章)を理解

      し、利用し、熟考する力。

ならば、この「理解し、利用し、熟考する力」というのはどの程度のことを示すのでしょう。先日、4年生が算数科で以下のような「がい数(概数)=おおよその数、だいたいの数」を用いた見積もり方の違いを考える問題に取り組みました。これを例に、具体的に求められる「読解力」について考えて見ます。

①  【お兄さん】

ノート、コンパス、マーカーペンを買いたい。お金は1000円しか持っていない。

 ノート   : 値段は145円 → 200円(がい数)として計算

 コンパス  : 値段は290円 → 300円(がい数)として計算

 マーカーペン: 値段は428円 → 500円(がい数)として計算

             ↓

※実際の値段を切り上げした「がい数」にして、見積もりをした。

②  【お母さん】

歯みがき、せんざい、リンスを買いたい。1000円以上買えば駐車料金が無料になる。

 歯みがき  : 値段は246円 → 200円(がい数)として計算

 せんざい  : 値段は375円 → 300円(がい数)として計算

 リンス   : 値段は518円 → 500円(がい数)として計算

             ↓

※実際の値段を切り下げした「がい数」にして、見積もりをした。

①お兄さんは1000円しかもっていないから合計金額が1000円を超えては困る。だから、切り上げをした『がい数』(=実際より高い値段)を用いて見積もりをすることで、合計金額が1000円を超えないことを確かめた。

②お母さんは買い物の合計金額が1000円以上になれば駐車料金が無料になるので、切り下げをした『がい数』(=実際より低い値段)を用いて見積もりをすることで、合計金額が1000円以上になることを確かめた。

①②より、目的に合わせて見積もりをだすために「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」を使い分けているということに気づき、それを説明(表現)することができるということが、この授業のねらい(到達目標)でした。言い換えると、合計代金が「1000円を超えていない」・「1000円以上になる」ことを確かめるために「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」を使い分けたことを読み取り、それを適切に表現することまでを求めています。この問題で子どもたちは、①ではお兄さんが切り上げによる「がい数」を用いて見積もりをしたこと、②のお母さんが切り下げによる「がい数」を用いて見積もりをしたことまではほぼ全員が理解していました。しかし、「1000円を超えない・超えるを確かめるために切り上げ・切り捨てを使い分けている」ことを明確に表現できている子どもは多くはありませんでした。ここまで読んで、算数というより、国語の問題のようだとは感じませんか。そうなんです。算数といっても、国語的な要素は大きいのです。なぜ、お兄さんは切り上げた「がい数」で見積もりをしたのか?なぜ、お母さんは切り下げた「がい数」で見積もりをしたのか?「1000円を超えないこと」「1000円以上になること」を確かめるためにという理由の部分が抜けてしまうのです。お兄さんが切り上げをした「がい数」を用いた意図、お母さんが切り下げをした「がい数」を用いた意図までを読み取っていない(気付かない)ので到達してほしい目標に達しないという状況です。論理的に考えるという点で見れば算数かもしれませんが、国語力が問われる課題です。国語的な文章を読み取る力がないと正答には辿り着かないのです。学校では『読解力』の向上を図るため、授業等で行っている「声に出して読む」、「線を引きながら読む」、「言葉の意味を問い返す」、「図・表・グラフの等の資料を関連づけて自分の考えを作る」、「朝読書」、「短作文」等の活動を注意深く継続しながら①文章や図・表・グラフの意味を正しく理解する力、②作者の意図を読み取ったり要約したりする力、③読みとったこと・考えたことを表現する力を伸ばしていきたいと考えます。また、読解力を高めることにより、今後、子ども達が中学校、高校、大学、実社会…と、ステージアップすればするほど必要となる自主学習力(=自分で学ぼうとする力)も高めていくことができればと考えます。一方、『読解力』の向上には、日々の『読書』の積み重ねの効果が大きいことは言うまでもありません。時節柄、“読書の秋”という言葉も言われます。ご家庭でも読書についてご指導いただけたら幸いです。ご理解とご協力をお願いします。             学校長  山 岸  茂 樹

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運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

はじめに、新聞報道でもありましたように、複数名の教職員が新型コロナウイルスに感染してしまい臨時休校の措置をとらざるを得ない状況をつくってしまったことに、心よりお詫び申し上げます。日頃より、地域や保護者の皆様に感染予防のお願いをしてきた立場であるにもかかわらず、子どもたちの貴重な学びの時間を奪うことになってしまったことに深く反省いたしております。今回の事態を真摯に受け止め、教職員の生活様式を見つめ直しながら、改めて、感染予防対策を徹底し、子どもたちの安全・安心を守ることを最優先に考え、教育活動を進めていくことをお約束申し上げます。

 

10日(土)は“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。私も鳳至小に赴任して4年目になりますが、子どもたちは卒業していった先輩方の姿を目標にしながら、年々レベルアップしています。今年も6年生のリーダーシップ、それをサポートする5年生のひたむきさ、そして、それぞれの学年の特徴がいかされ、達成感や充実感にあふれた運動会となりました。

 

○従来の「ラジオ体操」以上に、弾むようにそして楽しみながらウォームアップできた「EXダンス」。

○途中であきらめることなく、全員がゴールテープを切るまで粘り強く全走りきることが出来た「徒競走」。

○それぞれの団ごとに児童が演じる内容を決めることで、演じる子ども・観客ともワクワクした「応援合戦」。

○赤白に分かれた低・中・高各学年がプライドをぶつけたそれぞれの「団体競技」。

○全身を使うメリハリのある振り付けのままに、2曲を踊りきるというスタミナ面の強さにも驚かされた低学年の「FUGESHI SOUL BROTHERS(ふげし ソウル ブラザーズ)」。

○踊りだけでなく、入退場やかけ声にもとことんこだわった中学年の「鳳至ソーラン」。

○“笑顔”をテーマに、フラッグを使ったり思い思いのシャツに着替えたりしながら優雅に、繊細に、そしてリズミカルに踊りきった高学年「WARAWARA~笑笑V(^o^)V」。

○最後まで勝負にこだわってバトンをつないだ「選抜紅白対抗リレー」。

 どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組を通して、それぞれの子どもが自分や学年の役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもちろんのこと、クラスも鳳至小学校全体も大きく成長させることができたと感じています。そして、鳳至っ子のよき伝統である「本番の強さ」「いざというときに、頑張りきることのできる頼もしさ」がしっかり受け継がれていることを嬉しく思いました。「仲間と力を合わせ、素直に頑張ることのできる誠実さ」は素晴らしい財産だと感じました。

先月の学校便りでも書きましたが、学校では10月以降も宿泊体験(6年)や学年集会、マラソン大会、道徳教育発表会など、子どもの学習の成果を発表する行事がいくつも予定されています。子どもたちの“実りの秋”を充実したものとするべく、鳳至小学校職員一同、全力で子どもたちをサポートしていきます。保護者や地域の皆様におかれましては、これまで通り、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

学校長 山 岸  茂 樹

 

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実りの秋を迎えるにあたって …まずは、手洗い・消毒・マスクの徹底から

 40日間にわたる夏休みが終わりました。振り返って見ると、今年の夏休みは例年以上に『安心』・『安全』について考えさせられる機会が多くありました。コロナについての行動制限がない夏ということで、折に触れ、観光や帰省にかかわる報道もされていましたが、学校には7月20日の1学期終業式が終わった翌日から、コロナ感染にかかわる連絡が入るようになりました。お盆を挟んだ学校閉庁期間の8月10日~17日の8日間では、鳳至小学校に子どもが通う22世帯でコロナ罹患がみられました(児童本人が発症していなくても、家族の誰かが発症していれば、数に含めてあります)。鳳至小学校に子どもが通う世帯数が126世帯ですから、実に、17%の家庭でコロナ感染がみられたことになります(自宅療養や行動制限には気苦労も多かったことでしょう)。 また、7月25日からの平日10日間、プール開放を行いましたが、10日間のうち7日、熱中症アラートが発令されました。そのため、本来なら2時間、プール遊びが楽しめるところが、アラートが出された7日間は30分削られて1時間半のプール遊びになってしまいました(危険な日射しの中、プール当番としてお世話いただいた保護者の皆様、ありがとうございました)。更に8月17日・20日の大雨では、河川の氾濫や土砂災害の恐れから、避難勧告がだされた地域がみられたことも記憶に新しいところです。

 従来、夏休み中の子どもたちへの安全指導としては、海での遭難や事故について気をつけたり、観光客も増えることから交通事故やトラブルに巻き込まれたりしないことに気をつけさせることが定番でした。現在は、いわゆる“定番”の注意事項以上に、コロナ予防や熱中症予防に気を配らなければならなくなっています。また、2014年の広島豪雨以来注目を集めるようになった“線状降水帯”がもたらす大雨についても注意しなくてはなりません。今までとは質の違う“脅威”から自分たちの生活を守るためにはどのような備えが必要か、安心できる生活を送るため日常的に何をしていくか、不慮の出来事に見舞われたときにどのように行動すべきか…。より、身近に考えさせられた夏休みでした。

  今日(8月30日)から2学期が始まりました。『実りの秋』という言葉がありますが、2学期は子どもたちが学習してきたことを生かして活躍する経験をいくつも積むことができる機会が準備されている学期です。そしてその活躍を友達と評価し合ったり、第三者に評価してもらったりすることで自信や意欲を深め、更に次の目標を定め邁進しようとする時期です。学校としては子どもたちの学びを職員全員でサポートしていきたいと考えます。そして、そのためには、子どもの学びを止めないことが重要ポイントとなります。ですから、2学期についても1学期同様、手洗い・消毒・マスク着用の徹底を重要視していきます(マスクについては、熱中症のことも考慮しながら、適宜、子どもたちには指示をだしていきます)。また、子どもたちが自信をつけるためには、地域や保護者の皆様からのお声かけが不可欠です。コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用すること消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。2学期もまた、学校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。 

               学校長   山 岸  茂 樹

 

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「読書」と「時間を管理する力」

・今の小学生は100歳以上生きる可能性が高い

・AI(=人工知能)やICT(=情報通信技術)のめざましい進展は、

 世の中の仕組みを大きく変える

おおよそ、人は生きている間は何らか学び続けているわけですが、上記のように、人間の寿命が延び、その間の変化が激しくなるということは、今まで以上に学び続ける必要性が強まるということになります。では、これからの社会を生きる子どもたちにはどんな力が必要か。小学生は今のうちから、どんな力を身につけなくてはならないのか。

文部科学省は、学校で、子どもたちの『生きる力(生き抜く力)』を育むことを基本理念に学習指導要領(=学校で、先生は、いつ、どんなことを教えるかを定めた計画書)を定めています。『生きる力』とは、おおまかにいうと、知・徳・体のバランスのとれた力のことを表します。因みに、知・徳・体を解説すると以下のようになります。

 知 … 基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、

     表現することにより、様々な問題に積極的に対応し、解決する力

 徳 … 自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や 感動する

     心などの豊かな人間性

 体 … たくましく生きるための健康や体力など

 

確かに、これらの力を、一人一人の子どもに身につけさせていかなくてはならないことは間違いありません。

しかし、ここで気をつけるべきことがあります。それは、『生きる力』を育むためには、「集中力」「持続力」「判断力」によって裏打ちされる、勤勉さや粘り強さ、我慢する態度が不可欠であるということです。

もっと言えば、小学生という発達段階における「勉強」の意義は、知識を身につけることと同等かそれ以上に、「集中力」「持続力」「判断力」を培うことにあると考えられます。なぜなら、小学生のころ得た知識は忘れてしまうこともありますが、集中力・持続力・判断力は、「粘り強さ」や「最後までやり遂げようとする態度」、「場面に応じて適切な行動を選ぶ力」など、その人の長所(良い面)として残っていくからです。昔から大人が子どもに「勉強しろ」と言い続けてきたのは、知識の獲得もさることながら、この「集中力」「持続力」「判断力」を身につけさせることで、勤勉さや粘り強さ、我慢する態度といった、人としての特性が磨かれるのを願ってのことと言えます。

 では、“学ぶ”ためにはどうするか。学ぼうとする時には、「読む」「覚える」「書く」「話す・聞く・伝える」といった行動が必要になります。学校の授業はこれらの行動を組み合わせて計画されています。ただ、「覚える」、「書く」、「話す」・「聞く」・「伝える」ことは、「読む」ことができないと始めることができません。そう考えると、「読む力」が学びに占めるウェートは大きく、且つ、学びの第一歩とも言えます。

一方、“学び”には時間も必要です。だから、1日の中に、“学び”に必要な時間を設定しなくてはなりません。自分自身で生活全般を見通し、ある時間帯に学ぶ時間を設定するとともに学びを実行する力=「時間を管理する力」を身につける必要もでてきます。

 これから、子ども達は40日余りの夏休みに入ります。お盆があったりお祭りがあったりと、何かと子ども達が楽しみにしている行事も多い長期の休みです。学校としては、楽しむべきことは大いに楽しみ、そして、“学ぶ”ことも忘れないで欲しいと考えています。特に、“学ぶ”ために必要な「読むこと」=読書に力を入れて欲しいと願います。また、「学ぶ」時間を生み出すために「時間を管理する力」が身につくよう訓練して欲しいと願います。

鳳至の子ども達には、元気さや人なつっこさ、行事を成功させようとする一生懸命さ、スポーツや習い事に打ち込もうとする強い気持ちなど良い姿が沢山あります。同時に、2行までの文章は読んでも、2行半になると、読むことを面倒くさがる姿、取りかかりが遅く、いたずらに時間を浪費してしまう等の場面も少なからず見られました。この現状を併せてみても、夏休みに子ども達が学びに向かうための姿勢づくりをすることは意義があります。学校でも、夏休みは「読書」に力を入れ、学びに必要な「時間を管理する力」を身につける訓練をすることを終業式や学級活動の中で話をしました。ご家庭でもご指導とご協力をよろしくお願いします。

         学校長  山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

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“金管鼓隊”の取組を通して、子どもたちが学んだこと

5月29日(日)に文化会館で行われた能登麦屋節全国大会を皮切り、8日間にわたる『輪島市民まつり2022』が開催され、鳳至小学校としても、3年ぶりに、5・6年生63名による金管鼓隊が、マリンタウンを会場とする「倭の島交流大パレード」と「マーチングドリル演奏」に参加しました。また、マリンタウンでの演目に参加する前には、鳳至小学校→上町通り→住吉神社→いろは橋→輪島漁協前のコースを、そして、演目の後には、新橋まちなか通り→杉平菓子店前→上町通り→鳳至小学校のコースをパレードさせて頂きました。

 この金管鼓隊は、昨年の12月に新チームとして結成され、まず、“校歌”と“ファンファーレ”、そしてその2つをつなぐ“間奏”の練習に取り組むことからスタートしました。そして、2月には「6年生を送る会」で初めて発表演奏を経験しました。今年度に入ってからは、4月に「1年生を迎える会」で発表しました。そして、ゴールデンウィーク明けから、新曲“やってみよう”の練習が加わり、5月後半になると、市民まつり本番を意識した、全曲を通した練習や運動場でのドリル練習、道路を使ったパレード練習に取り組むようになりました。私は、新チーム結成当初は校長室に聞こえてくる演奏の音で進捗状況を計っていましたが、2月頃からは、時には練習現場に足を運こび、時には校長室の窓越しから、その時々の仕上がり具合を窺っていました。そして、発表やドリル・行進練習を重ねる度に、子どもたちが、演奏が上達してきたという手応えを感じている様子と同時に、自分達の演奏を聞いて下さる保護者や地域の皆様の思いの深さを感じる様子を目にするようになりました。初めは、「コロナ禍で窮屈な思いをしている、輪島市の皆さんを笑顔にしたい」という思いからのスタートであったことは間違いありません。私は、これだけでも誇るべき子どもたちだと自慢できます。しかし、子どもたちそれぞれが、拍手してくださる方々のようすや涙を流してよろこんでくださる地域の方々に気がつく中で、自分たちで長い時間練習して(子どもたちの5月以降の練習時間だけでも、延べ1575分=26時間25分)作り上げた演奏や真剣に頑張る姿が、人とのつながりを広め、人の心を動かし、明日への元気につなげる活動となったいく…ことを直接的にも間接的にも感じているようでした。漠然としていた価値観が実感を帯びたイメージとなり、自分たちの新たな可能性に気づきはじめているように思います。

 現在すすめられている教育改革の中では、地域との関わりを直接体験することで、優しさや思いやり、人間性を高めることが重視されています。また、そこで学んだことを活用し、自身がリーダーシップを発揮し、人を育てる原動力となることも期待されます。金管鼓隊での経験を通して、子どもたちは、改めて、この“鳳至地区のあたたかさ”、“地域の良さ”に触れています。そして、今、感じ・理解している地域の良さが、子どもたち自身の地域創生や新たなライフワークの在り方を築いていくことにもつながっていくのだと思います。

 終わりになりますが、金管鼓隊の活動を通して、学校が保護者や地域の皆様のご協力とご支援に支えられていることを再認識しています。パレード練習では“鳳至っ子見守り隊“の皆様に街頭での交通整理をしていただきました。漁協の皆さんには、演奏場所の確保や駐車場・トイレの手配をしていただきました。地域の皆様にもパレードコースでの駐車にご配慮いただくとともに、練習の度に応援していただきました。輪島市民まつり実行委員会の皆様や輪島市企画進行課の皆様、輪島警察署の皆様にも大変お世話になりました。学校の活動は保護者、地域の皆様のご理解とご協力があってこそと、心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。

                    学校長 山岸茂樹

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続・子ども達の未来のために:「聴く力」の養成

ゴールデンウィーク明けの5月6日、子ども達には、久しぶりに友だちと顔を合わせることができた喜びの笑顔がありました。連休に入る前には、制限解除がもたらすコロナウイルス感染症の拡大も心配されていましたが、今のところ、日常の活動を止めることなく学習をすすめることができています。連休明けの学校の様子を見てみると、1年生はアサガオの栽培(生活科)、2年生は水彩絵の具の使用開始(図工科)、3年生は町探検(社会科)、4年生はセブンボールリレー(体育科)、5年生は初めての裁縫セット(家庭科)、6年生はツバメ調査(総合的な学習)と、それぞれの学年が新しい学習に取り組んでいました。また、交通安全教室や輪島市民祭りに向けた5・6年生による金管鼓隊の練習など、過去3年間は、時期変更や規模の縮小を余儀なくされた行事や活動にも取り組めています。これも、保護者や地域の皆様が、手洗いや消毒、マスクの着用など感染予防対策を徹底して頂いているお陰と、心より感謝いたしております。

 閑話休題。学校でも社会でも、子どもたちは様々な“学び”を積み重ねていきます。では、子どもたちが“学び”をすすめる中で何を大切にしていかなくてはならないのか。学校は、文部科学省が定める『学習指導要領(=各学校が、子どもの発達段階に応じて指導する内容を定めたもの)』という計画書をもとに学習をすすめます。この『学習指導要領』を見ると、子どもたち一人一人に「考える力」を身につけさせることを重要視していることがわかります。実際、鳳至小学校でも、「考えること」に焦点をあてた教育活動に取り組んでいます。そして、子どもたち一人一人に「考える力」を身につけてもらうためには、前号での学校便りでも書いたように「読解力」を育てていくことが重要と考えていますが、そのためにも、まず、子ども一人一人に「注意深く、最後までしっかり聴く」という態度を育てて行く必要があると教職員全体で共通理解を図っています。そして、仲間や大人の話をしっかり聴き、理解した上で自分の考えと比較してみる、自分の考えと相手の考えの優れている点を見つけ出せる、いくつかの考えをまとめてよりよい意見を作り出す…。そんな力につなげていきたいと考えます。そこで、まず、ご家庭でも「子どもの目を見てじっくり話しをする」ことを心掛けていただけないでしょうか。そのことから、子ども達に「聴く」態度を育てていきたいと考えます。また、「聴く」から「訊く(きく)=感じたことを尋ねながら聴く」ことができるようになれば、子ども達はさらに思考を深めることができるようになります。学校と家庭・地域が同じ目標で子どもたちを育てていくことは子どもたちに、より大きな効果をもたらします。子ども達の将来のため、ご家庭でもご協力をお願いします。

               学校長  山 岸  茂 樹

 

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子ども達の未来のため、『読解力』の向上をすすめます!

元気いっぱいの1年生22名を迎えたから約3週間が過ぎました。学校の中には、新しい学年を頑張ろうとする子どもたちのやる気がみなぎっています。そして、この子どもたちの新鮮なやる気を大切にして教育活動をすすめていこうと、私たち教職員も緊張の毎日です

さて、4月18日には県基礎学力調査(4年生:国語・算数、6年生:社会)が、19日には6年生を対象とする全国学力学習状況調査(国語・算数・理科)が行われました。この2つのテストは

【県基礎学力調査】

 児童生徒の基礎的・基本的な知識・技能や活用力の定着状況、及び学習・生活状況について把握・分析し、学校における児童生徒への教科指導の改善を図る。併せて、教員の指導状況等を把握し、指導改善に役立てる。

【全国学力・学習状況調査】

 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。さらに、そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証サイクルを確立する。

ために実施されています。つまり、子どもが今まで学んできたことについて、①何が身についていて、何が不十分なのか?②その理由は何か?③今後、教師は何に気をつけ、どんな手立てで子ども達を指導していくか?を各学校が確認し、日常的な教師の指導に反映させるためのテストということになります。自校採点の結果を見ると、問題全体の正答率は上がっています。しかし、どの教科も初めて見る文章を限られた時間内に正確に読み取ることができず、「決められた時間内に問題を解くことが苦手」「指定された文字数で説明したり自分の考えを順序立てて文章や式で表したりする問題の正答率が下がる」という傾向も見られました。実はこのような「文章の意味が読み取れない」=「読解力(どっかいりょく)の不足」に関わる事例は、教育現場のみならず様々な生活場面で問題視されているところです。以前にも紹介しましたが『読解力』について、文部科学省から出されている読解力向上プログラムには次のように定義されています。

読解力 

: 自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力

この定義に当てはめて考えると、読解力が不足するということは、単純に目の前の問題が解けないということ

だけでなく、社会に参加することまでを難しくするということになります。とすれば、子ども達が未来を生き抜く力を培う場である学校で、『読解力』を高める活動に取り組むことは必須のことです。そこで本校では、授業等で行っている「声に出して読む」、「線を引きながら読む」、「言葉の意味を問い返す」、「図・表・グラフの等の資料を関連づけて自分の考えを作る」、「朝読書」、「短作文」等の活動を注意深く継続しながら①文章や図・表・グラフの意味を正しく理解する力、②作者の意図を読み取ったり要約したりする力、③読みとったこと・考えたことを表現する力を伸ばしていきたいと考えます。そして、ここで、一つお願いがあります。

 『読解力』をつけるためには、「読むことを面倒くさいと思わない」ことも大切な条件です。読むことを嫌がらない。読むことは当たり前。さらに、読むことが習慣化しているとなれば最高です。鳳至小学校では、毎月、10日・20日・30日を“読書の日”並びに“ノーゲームディ”に設定しています。また、夏休みや冬休みなどの長期休業期間も読書を推奨しています。これについてご家庭でもご協力を仰ぎたいと思います。さしあたって、学校が設定している“読書の日”に子どもたちに読書を促すことをお願いします。読解力がつくことで自主学習力も自然と高まります。自主学習力が高いということは、職業についても、自分で工夫できる人材として大事にされます。ご理解とご協力をよろしくお願いします。 

 学校長 山 岸 茂 樹

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2022年度 鳳至小学校がめざす子どもの姿

教育界に於いて2021年度はGIGAスクール構想の取組が全国的に進められた年でした。この取組は、子ども一人一人が情報端末(=chromebook)を持ち、効率的かつ実用的に学習することで、よりその子に適した学びとなることや学びの深まりを目指したものです。しかし、その先には、現代社会が抱える人手不足や食糧不足、温室効果ガス(CO2)の排出、高齢化、地域間格差等の諸問題を乗り越え、いきいきと快適に暮らすことが出来る社会(=Society5.0)の主体となる人材の育成があります。そんな中、子ども達には、次の5つの力を伸ばしていくことが求められると考えます。

○一生学び続ける力(課題を見つけ、その解決に向けてやりがいを持って探求していく力)

○社会人基礎力(建設的に取り組む力、考え抜く力、チームで働く力)

○自己存在感並びに他者を支えて行こうとする心・態度・実践力

○コミュニケーション能力

○自己管理能力

この5つの力は義務教育の9年間をかけて基盤を作り、その後の生活でさらに発展させていくべき力です。鳳至小学校としては、子どもの発達段階を考え、上記の5つの力を付ける土台を築くため、今年度も、「主体性」や「協働性」、「達成感」、「自己肯定感」をキーワードに教育活動をすすめていきます。

そこで、2022年度は、本校教育目標、「創造性豊かで頼もしい人づくり」 の下、以下のように重点事項を設定致しました。

【令和4年度 重点事項】

①学ぶ楽しさを理解するとともに、友達と学び合う子どもたちに

②お互いのよさを認め、協力し合える子どもたちに

③大きな声であいさつし、自分を表現できる子どもたちに

④自分自身を見つめ、よりよい自分へと挑戦する子どもたちに

この重点事項に基づいた教育活動につきましては、学校・学年だよりの発行はもちろんのこと、コロナ禍ではあっても感染予防に十分配慮しながら、授業参観や行事等、機会を捉えて学校に足を運んでいただき、お子様の姿でご確認下さい。また、子ども達の社会性を育てるためには、保護者の皆様・地域の皆様にお力添えが、より一層、必要になるとも考えております。重ねてご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。

学校長 山 岸  茂 樹

 

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この1年を振り返る

3月18日(金)、春の花の咲き出しを促す催花雨(さいかう)の中、第51回の卒業証書授与式が行われました。コロナウイルスの影響もあり、一昨年度・昨年度とご来賓や保護者の参加が制限された卒業式でしたが、今年度は4年ぶりに制限のないフルバージョンの卒業式ができました。今年度は鳳至小学校単独で行う行事は全て予定通り行うことができた一年であり、式中、卒業生・在校生それぞれが、この一年を振り返る場面では、「当たり前と思えることが当たり前にできることの喜び」を強く感じさせられました。

 

【主体的で対話的な深い学び】

 「人生100年時代」を意識し、自主学習力を高める」ために「文章を正確に読み取ったり相手の話をしっかり聴いたりしながら、自分の考えを再構築出来るようになる」ことを目指しました。そのため、読解力の向上につながる授業づくりを意識し、特に、教師から子ども達に投げかける“問い”を工夫することやクラス全員の子どもが授業に巻き込まれていく(=学習課題の解決のため、一人一人の子どもが学習活動に主体的に取り組む)よう教師がファシリテートすることを考えました。学期がすすむごとに、自分の考えをより具体的に表現できる子や、初めは答えられなかったが活動や友だちの考えを聴くうちに答を導き出すことができる子が増えてきました。また、自主的に学習に向かう子どもも増えています。

【活動の見える化(発信力)】 

   自分で気がついていない良さや秘めた能力を意識できることで、より意欲的に活動する子どもを更に増やして行くため、引き続き、学級便りの発行やHPの更新を中心に、活動の「見える化」を意識しました。また、コロナ禍であっても、できるだけ多くの方々に子どもたちの頑張る姿を見ていただけるよう、日常の感染対策を徹底しながら、行事の実施を目指しました。何度も練習し磨き抜いた技を披露する活動の中で、発表を成功させることが出来た経験や、他学年や保護者・地域の皆様から称賛された経験は、子ども一人一人の達成感や充実感を高めるとともに、学ぼうとする態度や、もっと上手くなりたいという前向きな気持につながっていきました。

【自己肯定感から「さらなる意欲へ」】

 昨年同様、「キャリアパスポート」として、学校行事や体験活動の度に、子ども自身が自分や仲間、活動全体を振り返る活動や、子どもの頑張ったこと、成長が見られたことについて、保護者の皆様に感想や意見、評価を書いていただく取組をすすめました。このことは、子ども同士の認め合いや自分も頑張ろうという意欲につながり、活動の質を向上させることになりました。苦労したり失敗したりすることもありましたが、「仲間との協力・協働」や「誰かのために」を、再度、意識することで、粘り強さが見られるようになり、結果的には、期待以上の成果をあげてくれました。「やればできた」という成功体験は自信となり、“更なる意欲”にも発展しています。特に、この一年間の6年生の頑張る姿は、下級生の「今度は自分達が頑張る」という覚悟につながっています。

【社会人基礎力】

  今の子ども達が、今後、著しく変わることが確実視される社会の中で、自己の幸せをつかみ、社会に貢献できる人材となるためには、社会変化に対応できるよう『常に学び続け、仲間と協力し、身につけた知識を生かすことができる力』が必要となります。また、立ちはだかる壁を乗り越える、『しなやかなたくましさ(七転び八起きの力)』も必要となるでしょう。その基盤となる力は、この素晴らしい鳳至という地で養われた感性や様々な人々との出会いから培われます。学校や地域が連携できる恵まれた環境で子どもを育て、いずれ、明るい未来を照らす人となってくれるよう、今後もこの教育活動にさらに磨きをかけていきたいと思います。そして、来年の卒業式でも、子どもたちの清々しい笑顔を見たいと思います。今年度もたくさんの方々に、ご支援とご協力を頂いた事に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

令和4年度も子ども達が活躍する姿にご期待下さい。 

 学校長  山 岸  茂 樹

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6年生のみなさん ご卒業おめでとうございます(卒業式式辞)

 深い鉄紺色に染まっていた海も次第に明るさを取り戻し、柔らかな風が吹く度に、桜のつぼみも色づく季節となりました。春の花々が咲き出すことを促す催花雨の降る今日大安吉日に、小学校六年間の教育課程を修了された、三十八名の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

また、本日、第五十一回の卒業証書授与式を挙行するにあたり、輪島市総務部参事 出坂 正明 様、輪島市教育委員 左古 隆 様 、PTA会長 山田 忠和 様にご臨席を賜りましたこと、並びに、多数の皆様に温かいメーセージを頂戴しましたことに心よりお礼申し上げます。

  さて、卒業生の皆さん。私は皆さんの4年生・5年生・6年生と三年間の様子を見てきたわけですが、率直に、「よくぞ、ここまで、頼もしく成長してくれた」と感心しています。個人の都合や感情によって起こるトラブルが先に立ち、落ち着いて学ぶことが難しかった集団が、中学年のリーダー、そして高学年と、役割や責任の重みが増すにつれ、自分だけに都合がよい「マイルール」は影を潜め、懸命に上級生としての責任を果たそうと努力する集団に変わっていきました。特に、最上級生となった6年生での活躍は目を見張るばかりでした。入学式の準備、委員会の運営、鳳至オリンピックでの下級生のお世話、運動会、マラソン大会、・・・。この一年のどの場面を切り取ってみても、皆さんの頑張る姿を思い出すことができます。

そして、みんなが頑張るからこそ、ドラマもうまれました。赤・白、二つの団に分かれて競技した運動会で、初め白団リードから徐々に赤団が追い上げ、終盤は一進一退、最後の成績発表で、まさかの両団同点。勝敗が決しないという結末は、鳳至小学校の歴史では初めてのことです。運動会を成功させよう、全員が楽しむことができる運動会にしよう、保護者や地域のみなさんに自分たちのハツラツとした姿を見てもらおう。6年生一人ひとりの想いが学校全体に勢いをつけ、全校が一体となって、準備し練習した結果の、赤白両団が優勝というドラマは、学校を鼓舞し続けた六年生全員の頑張りを讃えるご褒美だったと思います。

金管鼓隊は、昨年よりも長い距離を、隊列を崩すこともなく、最後まで、しっかりとした演奏でパレードすることができました。そして、その影には、各パートの6年生が5年生を熱心に教える姿や行進やドリルの正確な位置取りに粘り強く取り組む姿がありました。金管鼓隊の成功は、6年生のリーダーシップと責任感によるものです。また、鳳至の街並みを行進する金管鼓隊の姿で、たくさんの地域の方々を勇気づけることもできたと思います。

その他にも、校則の見直しや、いしかわっ子駅伝交流大会での入賞など、今まで学校の歴史に記されたことのなかった出来事を、いくつも成し遂げることができました。

  皆さんの成長を振り返ると、「誰かの為に頑張ることでより多くの成果をあげる」、「違いを認められるようになってきた」、「やると決めた時の結束力の強さとノリの良さ」、といった表現が浮かんできます。4年生のころの皆さんからは、「仲間のため、学校のため、6年生のため…」、誰かのために頑張らなければならない時に、練習以上の力を発揮する場面を、何度も見せてもらいました。5年生の後半からは、何事もみんなで取り組み、失敗もみんなでカバーしようとする『団体戦』の意識を高める中で、「仲間の良さ」や「自分とは違う価値観」を認める合うことができるようになりました。6年生になると、何が何でもみんなの成功を目指したい、信頼される学年になりたい、どうせやるのだから、今までの先輩方にも他の学校には負けたくないという想いを全員で共有し、一致団結して学校をリードする頼もしい学年へと進化しました。『6年生を送る会』で、1年生から5年生のどの学年の発表からも、6年生を慕う気持ちが溢れていたのは、6年生が学校を引っ張る姿に、憧れと感謝を抱いていたからこそです。皆さんが学校のために頑張ってきた想いや態度は、必ず、下級生に引き継がれていくものと確信しています。

 一方、卒業生のみなさんが成長する環境を整えてくれたのは、皆さんのご家族であり、地域の皆様、今までに出会った先生方であることも、皆さんは気がついています。だからこそ、皆さんと関わってくださったあらゆる方々に、感謝することを忘れないでください。そして、これからは、みなさん自身の力で、新しくできる友人や仲間が、ともに成長できる環境を作っていってください

  保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。凛凛しく健やかに成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。ただ、まだまだ、子どもたちには、皆様のお力添えが必要なことは言うまでもありません。子どもたちが良き社会人となるまで、今後も、見守っていただくことを重ねてお願い申し上げます。

 結びに、

 人は、『夢』を実現させようと努力を繰り返す中で、『自由』という言葉の本当の意味を知ることになります。そして、『夢』に向かって進もうとすればするほど、「感謝」・「挨拶」・「笑顔」の大切さを学びます。出来ない言い訳ばかりで「良くなること」は一つもありません。卒業生の皆さん、一人一人が、自分自身と社会を真摯に見つめ、解決のための一歩を踏み出せる大人へと成長されることを祈念しまして、式辞と致します。

      令和四年 三月十八日  輪島市立鳳至小学校

                 校長 山岸茂樹

 

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仲間と力を合わせて目標達成に挑む  -『6年生を送る会』から -

学校の最大行事である令和3年度の卒業証書授与式が間近に迫っています(=3月18日挙行予定)。

しかし、大切な門出を祝う時期であるにもかかわらず、現在もコロナウイルス(COVID-19)問題は、全国各地でイベントの中止や縮小を余儀なくさせています。

 さて、2月18日(金)、本校では『6年生を送る会』が開催されました。どの学年の発表も見応えがあり、また、この1年の成長を感じることができたものでした。どの学年も『チームワーク』が育ってきていることを、一番、嬉しく思いました。器材の配置や準備にお互いが声をかけ合う場面、台詞を忘れてしまう子がいてもみんなでカバーする場面をいくつも見ることができました。声を合わせるため、踊りを合わせるため、種目や演奏を成功させるために、何度も何度も繰り返し練習してきたことがわかる発表ばかりでした。在校生(=1~5年生)の「6年生に感謝の気持ちを伝えよう」という想い、そして、卒業生(=6年生)の下級生の気持ちに応えたい、今の自分たちがあるのは、保護者や地域の皆さん、先生方など、今まで自分たちに関わってくれた全ての方々のお陰という熱い想いを感じとることができました。また、在校生の演技を見る6年生の目は温かく、6年生の演技を見る在校生の目はあこがれに満ちていました。感心する声あり、笑いあり、一緒になって手を打つ場面あり、お互いを尊重し合う雰囲気は、最高のチームワークを感じることができた時間でした。

 人は、仲間と協力し目標に挑む中で、達成感や充実感、感動、共感、他者のよい点に目を向けること、仲間のためにも頑張ろうとする態度等、様々なことを学び、経験します。そして、その学びや経験は、これからの自分に関わってくる新たな役割や責任に向かう意欲となり、障害を乗り越える解決の糸口を導きだしていきます。この1年間の子ども達の成長を頼もしく思うとともに、今まで以上に、仲間と力を合わせて目標達成に挑む経験を意図的に用意する中(協働する場面を準備する中)で、子ども達の可能性を引き出していきたいと考えます。保護者・地域の皆様におかれましても、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

 追伸

今年度の6年生は、鳳至小学校単独で行う全ての行事が、予定通り実施できています。10月の宿泊体験学習では秋晴れの上に波も静かで、過去2年間、乗ることが出来なかった大型カヌーで、一番長いコースを体験できました。この「6年生を送る会」に関して言えば、輪島市でも感染者が増加している中で、予定通り実施できたことが奇跡的といえます。本当に“持っている”子ども達です。来る第51回卒業証書授与式も無事挙行できますように、保護者や地域の皆様におかれましても、引き続き、感染症予防対策の継続をお願いします。

 学校長   山 岸  茂 樹

 

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“とことん学ぶ”ことを体験させる

1月11日(火)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあうこともなく、183名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。しかし、オミクロン株の発生により、(1月19日現在)、日本全体でコロナウイルス感染者が4万人を超え、さらに拡大する傾向にあります。オミクロン株は、従来のウイルスに比べ、その症状に喉の痛みや鼻水を訴える割合が多くなっています。また、空気感染の傾向が強いこと、若者に感染者が多いことも言われています。学校としては、これまでの手洗い・消毒・マスクの着用はもちろんのこと、更には、換気から“通気”に意識を変えて対応していきます。また、今年は1月20日が「大寒(1年の中で最も寒さが厳しい時期)」ですが、その前後は、寒波が日本列島を覆い、気温も冷え込み雪の降る日が続きました。そんな中、子ども達の登下校を助けて頂いている見守り隊の方々や歩道の除雪をして頂いた地域の皆様に心より感謝申し上げます。

 さて、3学期が始まり、2年生は、今後、あらゆる場面で活用される『九九』の暗唱に一生懸命取り組んでいます。他の学年も同じように、次の学年・次のステージに向けた勉強に力を入れています。ところで、『勉強する意味』とは何でしょうか。子どもからは「頭が良くなりたいから」とか「いい点数をとりたいから」といった答えが返ってきそうです。しかし、子どもをサポートする私たち大人は、それだけではないと、子ども達に気づかせていかなくてはなりません。ICT(情報通信産業)やAI(人口知能)の発達が加速化する現代、「今の子ども達が大人になる頃には、予測できないほど激しく時代は変化しているだろう。そしてその変化の中で、現在、人間が行っている職業の半分以上は機械化されてしまう。」とよく言われます。そして、この言葉に対し、先の見えない不安を感じている方も多いかもしれません。しかし、先が見えないからこそ、時代の流れを見極め、自分のアイディアで新しい仕事を開発しようとする意思を備える人間、より良い人生を切り拓いていく醍醐味や楽しさを味わえる人間を育てなければならないと考えます。一方、地元に住んでも、「自分が目指しているような仕事、本人の良さをいかす仕事を見つけられないのでは」とか、「仕事がない」と感じている中高生も多いのではないでしょうか。では、どうして地元には自分をいかす仕事がないと考えてしまうのでしょう。その原因として、自分をいかす職業を、「今、在る職業」の中から見つけようとしているためとは考えられないでしょうか。しかし、前述した通り、今ある職業の半分以上が無くなると予想されているのです。とすれば、自分の可能性をいかすべく、新しい仕事を開拓しようとする意欲や展望を育てる必要(=将来を展望する力を育むキャリア教育の必要)があります。また、発達途上の子ども達にとっては、自分のアイディアを実現させるための工夫や粘り強さ等、知恵と態度の両面からの基盤づくりも欠かせません。失敗しても、また、学習して新たな方法を生み出すたくましさも必要です。つまり、より良い人生を切り拓くため、とことん“学ぶ体験”を重ね、学び続ける意欲を身につけることが必要ということです。そして、その経験こそが自身の生き方を築く原動力となります。是非、ご家庭でも展望が開けるよう、将来について、親子で話し合う機会を増やすことをお願いします。

 2022年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。今年度も、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

 学校長 山 岸  茂 樹

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自分の得意を誰かのために役立てられる人、仲間を支えられる人に

2021年もあと数日で終わろうとしています。緊急事態宣言が延長されたり市内に感染者が見られたりした中で、鳳至小学校としての教育活動のほとんどを実施することが出来たのは児童一人一人の頑張りと、地域や各家庭での皆様のご努力のおかげです。一方、12月を迎えようとするころから発熱や喉の痛み、腹痛により欠席する児童の数が増えています。決めつけることは出来ませんが、その原因として、手洗い・消毒の緩みが考えられます。実際、昨年の同時期と比べ、消毒液の残量も増えています。これからの季節は、従来、インフルエンザの流行が心配されてきた時期です。因みに、インフルエンザには、エタノール消毒液の効果が高いと言われています。昨年末から今年初めのコロナに怯えたころは、手洗いも消毒も十分で、さらに、マスク着用も一般化されていたため、全国的にもインフルエンザの発症は極わずかであったことは記憶に新しいところです。一方、現在は、オミクロン株が発生したとはいえ、感染の広がりそのものは小康状態であり、危機感が薄れています。そのせいか、大人にも子どもにも、以前ほど手洗いや消毒に対する緊張感がありません。どちらかというと、寒いから(手洗いや消毒が)面倒くさいという感じです。学校でも、気を引き締め、子ども達に働きかけていきます。ご家庭でも手洗い・消毒・マスクの必要性についてご指導いただけたら幸いです。

     知者不惑     知者は惑わず

  仁者不憂  ⇒  仁者は憂えず

  勇者不懼     勇者は懼れず

さて、前号の学校便りでもお伝えしたように、2学期の終わりから3学期にかけて、学校は、子ども達に次の学年に向けた準備を強く意識させています。そんな中、12月15日には金管鼓隊の引き継ぎ式が行われました。6年生から楽器を引き継がれた5年生を中心とする新チームのパートリーダーがそれぞれ決意を述べる様子や、その様子を見守る各パートメンバー一人一人の表情を見ながら、私は新チームの成長に思いを馳せていました。そして、『論語』についてわかりやすく訳した「ひらたせつこ」さんの本の一部を思い出しました。それは次のような内容になります。

注)頭のいい人は迷わないが、その一方で、人の気持ちがわからないことがある。心のしっかりしている人はくよくよしないが、危険に気づくのが遅れることがある。勇気ある人は恐れず闘うが、間違った方向にすすむことがある。「自分一人で全ての力を備えようとしなくて良い。人には得手・不得手があることを理解し、自分の得意分野を伸ばしながら、自分とは違う力を持つ人と協働することで、困難を乗り越えていくことはできる。」というのがひらたさんの訳だったと思います。

金管鼓隊は音楽の得意な子も不得意な子も取り組みます。金管鼓隊だけでなく、子どもによって、取り組みやすい学習や行事、苦手意識が働く学習や行事は違います。一方、学校は、子ども達が協力して共通の目標を達成するという経験を積ませたいと考えます。なぜなら、やり遂げた後で味わう達成感や充実感は、子ども一人一人の自信となって蓄積され、更に自分を成長させようとする意欲・次にすすむ力となるからです。社会に目を向けてみても、協働して共通の目標を達成しようとする活動は、いろいろな場面で見られます。そこでは、自分が得意とする役割を求められることもあれば、苦手とする役割を求められることもあるでしょう。自分が得意な分野であれば自分の強みをいかしながら、苦手に感じている人を支えればよい。自分が苦手な分野なら、得意な人に教えを請いながらやってみれば良い。とにかく、みんなが、相手を思いやって共通の目標に向かって力を合わせていく。そのためにも、子ども達には、自分の得意を磨きそれを誰かの為に役立てようとする態度、頑張る仲間を支えようとする態度を培っていってほしいと願います。

 2021年の本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。来たる2022年も、職員一同、全力で子ども達をサポートしていきます。新しき年を迎えるにあたり、地域、保護者の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

                          学校長 山 岸  茂 樹

   注)引用部分は

       『超訳 論語 自分の「器」を磨く』

         監修:野村茂夫  文:ひらたせつこ リベラル文庫

 

 

 

 

 

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保護者・地域の皆様のご厚情に感謝申し上げます

 10月27日にはマラソン大会、11月に入っての教育ウィーク期間(1日~7日)には金管鼓隊発表会(2日)、いしかわっ子駅伝交流大会(3日)、授業参観・学年懇談会・資源物回収(5日)、更にはタウンミーティング(7日)と10月の下旬から11月初旬にかけて、行事が続きました。マラソン大会では、どの子どもも自己ベストの更新を目指して粘り強く走りきることができました。金管鼓隊の発表ではマリンタウン陸上競技場での河井小学校との合同発表の後、海士町自治会館→いろは橋→住吉神社→上町通り→鳳至小学校のコースをパレードしましたが、たくさんの方々にマリンタウンまで足を運んでいただいたり、沿道に立って声を掛けていただいたりと本当に勇気をもらえました。お陰で、子ども達は力を出し切った最高の演奏をしてくれました。また、西部緑地公園陸上競技場で行われた駅伝交流大会では、競技場の大型スクリーンに力走する鳳至の子どもの姿が何度も映し出され、胸が熱くなりました。授業参観では、全ての子ども達が学習に使うことになったchromebook(クロ-ムブック=学習用ICT端末)を、保護者の皆様にも実際に操作してもらい、具体的にどんな場面で活用するのか、発達段階の子ども達にとって難しいことはどんなことか、保護者として気をつけなくてはいけないことは何かを感じて頂きました。

そして、これらの行事を通して、学校が保護者や地域の皆様のご協力とご支援に支えられていることを再認識できました。マラソン大会や金管鼓隊のパレードでは本番当日だけでなく練習期間も含めて“鳳至っ子見守り隊“の皆様に街頭での交通整理をしていただきました。漁協の皆さんには、演奏場所の確保や駐車場・トイレの手配をしていただきました。地域の皆様にもパレードコースでの駐車にご配慮いただくとともに、練習の度に声を掛けていただきました。また、資源物回収でも昨年を大幅に上回る収益を上げることができました。(この収益については、子ども達の教育活動や安全を守る手立てに利用させていただきます。)

学校の活動は保護者、地域の皆様のご理解とご協力があってこそと、心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございます。

 

子ども達を伸ばすために(人権教育の視点から)

話しは変わりますが、先日、門前東小学校の人権教育研究発表会に参加したおり、東大阪市で人権教育プログラムをすすめてきた、神野ちどり(元東大阪市立枚岡小学校校長)さんの講演を聴きました。その中で、現代の子ども達の実態として

 ・自尊感情が高まりにくい

 ・相手の気持ちを大切にすることを(わかってはいるが)行動に出せない

の、2つの問題点があることが挙げられました。実は、この2つの問題点は、鳳至小学校の子ども達を見ていても感じることです。では、これを解決するにはどうすれば良いのか、どの場面でどのように育てていけばいいのか?講師の神野さんからは、日常的に教師や周りの大人が気をつけること、教師の指導例について示していただきました。以下に気をつける点について、その要点を示します。

【子ども自身】

・(発達段階では)周りからしてもらうこと(かかわり)がたくさんあると

 自尊感情が育つ

  = 認めてもらう、良い評価をしてもらう、居場所が準備される  …

・達成感がある ( 自分で決めた目標をやりきる )と自尊感情が高まり、

 さらに頑張ろうとする

【子どもの周りの大人】

 ・人権感覚( = 相手の気持ちを想像して大切にすること )を高める

 ・「自分がここまでやっているのに、(子どもが)言うことを聞かないのは

  おかしい」というスタンスや態度をとらない

【子ども・大人とも】

 ・先入観や形式にとらわれず、事象の本質を考える

 ・コミュニケーションでは、まず、『聴くこと』を優先する

今後、ますます複雑化する社会を逞しく生き抜いていくため、子ども達には自信を持って生活できる力、相手の良さを認め協力し合う態度と行動力を身につけてもらいたいと考えます。学校としては、子どもたちが主体的に活動できるよう学習計画をすすめるとともに、先述した要点を職員一人一人が日常的に意識し、子ども達が自尊感情を高めたり人権感覚を磨いたりすることを図っていかなくてはなりません。保護者や地域の皆様におかれましても、重ねて、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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子どもたちの自信を深め、可能性を広げるために

10月も残り一週間。2021年度の教育課程も残り5ヶ月(6年生にとっては実質4ヶ月)となりました。学校では日々の学習活動に加え、次の学年への進級・進学を意識した“準備”の取組が増えていきます。例えば金管鼓隊は11月2日の発表会が終わると、それまでチームを引っ張ってきた6年生が引退し、5年生をリーダーとする新しいチームに編成し直されます。12月に5年生が行う県評価問題や全学年が行う市学力調査は、現学年での学習が一人ひとりの子どもに身についているかを確認するとともに、十分 身に着いたと言えない学習内容については、3学期を利用して学習し直し、次の学年での学習に備えます。5・6年生が取り組む委員会活動では、6年生の委員長を5年生の副委員長がサポートするという形態を取りながら、実は6年生の卒業後に5年生が委員会運営をスムーズにすすめられるような仕組みをとっています。

閑話休題。2002年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの心理学者であるダニエルカーネマン博士が提唱した『ピーク・エンドの法則』を紹介します。

【ピーク・エンドの法則】

最も感情が動いた時(=ピーク)一連の出来事が終わった時(=エンド)の記憶で、ある経験についての全体的な印象が左右されるという法則。

ピークやエンド時での経験が充実したものであると、活動全体は良いイメージとして記憶に残り、次の活動でも自信となって取り組める。

これを学校生活にあてはめて考えて見ましょう。

 

子どもたちには年度末(=エンド)に向かう4~5ヶ月の間に、マラソン大会や金管鼓隊発表会、学力調査、6年生を送る会、卒業証書授与式といった自分や他者のために全力を挙げて取り組まなくてはならない“学び”(=ピークを経験する学習)が予定されています。これらの“学び”から子どもたちが経験する苦労や頑張り、達成感は、それぞれの子どもたちが次のステップに挑むために欠かせない大きな自信となります。また、子どもたちには、本人も周囲の大人にもまだ認識されていない能力が秘められています。発達段階であり、当然、完成にはほど遠い、しかし、ワクワクするような可能性を隠し持っています。その可能性を広げる扉を開くためにも、これから予定されている“学び”にベストを尽くし、自信を深めてもらわなくてはなりません。そして、学校便り発行の度に触れていますが、子どもたちが自信を引き出すような充実感を得るためには周囲の大人の温かな評価の持つ役割は大きいと考えます。保護者や地域の皆様におかれましては、今しばらくは窮屈な思いをさせてしまいますが、是非とも学校に足をお運び頂き、子どもたちの姿を見て頂きたいと考えます。本校の境域活動に、ご理解とご協力をよろしくお願いします。    

      学校長 山 岸  茂 樹

 

 

 

 

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運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

11日(土)、“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。7月中から、運動会を目指し計画を練り上げたきた子どもたちを見てきた私とすれば、ある程度の子どもたちの活躍は予想できていました。しかし、運動会当日の子どもたちの奮闘ぶりは、私の期待をはるかに超えたものでした。緊張しながらもハツラツさを見せてくれた「入場行進」、動作のつなぎを意識して取り組めた「準備体操」、全員が走りきることが出来た「徒競走」、例年以上に盛り上がりと力強さを見せてくれた「応援合戦」、赤白に分かれた低・中・高各学年がプライドをぶつけたそれぞれの「団体競技」、かわいさの上をゆく“かっこよさ”を追求した低学年の「君の心にクリティカルヒット」、小学生の演技とは思えないレベルにまで完成された中学年の「鳳至ソーラン」、オリンピック・パラリンピック東京大会の熱い思いを引き継いだかのような感動を味わうことが出来た高学年の「CANDO~感動~」、最後まで勝負にこだわってバトンをつないだ「選抜紅白対抗リレー」、そして、まさかまさかの赤・白同点に湧いた閉会式。どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組を通して、それぞれの子どもが自分や学年の役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもちろんのこと、クラスも鳳至小学校全体も大きく成長させることができたと感じています。成績発表で得点係の金岡先生が伝えた「みんなが優勝です」の言葉は、まさに、子どもたち全員の頑張りを讃えるにふさわしい言葉だったと思います。そして、運動会を成功させるには自分たちが下級生を引っ張るしかないという強い覚悟で準備や練習をすすめてきた6年生、その6年生のサポートに徹した5年生、両学年のチームワークの良さに導かれた「みんなの優勝」だったと思います。

 閑話休題。運動会開催に関わる私自身の心の内をもう少し述べさせてください。先述した通り、子どもたちは7月中から運動会の成功をイメージして準備を進めてきました。先生方も子どもたちが完全燃焼できるよう一生懸命、知恵を出し続けてくれました。その頃の自分には、運動会が実施できないのではないかという不安はとても小さなものでした。しかし、8月の前半からコロナウイルスの感染が広がり、8月末に輪島市にも感染が伝えられた時には、開催も難しいのではという不安が大きくなり、運動会の実施は“運”次第だなと考えるようになっていました。しかし、運動会当日、保護者や地域の皆様を迎える最終準備を進める中で、こうして運動会が出来るのも子どもたちの努力だけでなく、やはり、保護者や地域の皆様の努力の積み重ねがあってのことという思いが強まりました。日常的な皆様の努力の積み重ねが、“必然”として運動会の開催を実現してくれたのだと思います。保護者や地域の皆様といった大人の努力があるからこそ、子どもの学びを止めずに済んだと考えます。

 “実りの秋”という言葉もありますが、学校では10月以降も宿泊体験学習(6年)や学年集会、マラソン大会、金管鼓隊発表会など、子どもの学習の成果を発表する行事がいくつも予定されています。子どもたちの学びを止めないためにも、これまで通り、保護者や地域の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。

           学校長 山 岸  茂 樹

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日本人の中に生きる『名こそ惜しけれ』 、 『三方良し』の道徳観

夏休みが終わりました。この夏休み期間中の7月23日~8月8日にはオリンピックが開催され、8月24日からはパラリンピックが始まりました(パラリンピックの閉会式は9月5日です)。オリンピック・パラリンピックの開催については、地球規模のコロナ禍であり、いまだに開催の是非が国内外で議論されてはいます。しかし、競技にひたむきに取り組む選手の姿には心を打たれます。毎日のようにテレビに向い、声援を送っていた人も多いことでしょう。また、今大会では、サポートボランティアにも注目が集まりました。ジャマイカ代表で110mハードルの金メダリストであるハンスル・パーチメント選手を助けたストイコビッチ河島ティヤナさんが一番の例ですが、それ以外でも大会を支えるボランティアの働きぶりの素晴らしさが数多く報道されています。

蘊蓄(うんちく)を傾ければ、オリンピック運営におけるボランティアの参加は1948年のロンドン大会(イギリス)からです。当時は軍人やボーイスカウトが動員されていたようです。そして、「オリンピックボランティア」が定義され、広く一般民衆から募集されるようになったのが1992年のバルセロナ大会(スペイン)からであり、以後、“ボランティアの活躍こそが大会を成功に導く”とまで言われるほど、オリンピック・パラリンピックにはボランティアが欠かせない存在となりました。

2020東京オリンピックが成功だったかと問われれば、コロナ禍の中での開催ということで、その返答は、立場や考え方によって、違ってくるでしょう。しかし、選手にとってはかけがえのない大会であり、結果はともあれ国の代表として競技することが出来たという誇りは一生モノです。そして、自分たちを歓迎し、「おもてなし」の精神で大会を運営してくれた日本及び支えてくれたボランティアスタッフに感謝の気持ちをもってもらえたなら、選手たちにとって、このオリンピックは成功といえるのではないでしょうか。

(日本贔屓の見方も多分に含まれますが、)今回の2020東京オリンピックだけだはなく、2019年のラグビーワールドカップ日本大会、古くは2002年サッカーワールドカップ日韓大会…、その他、様々な国際的イベントが日本で行われてきましたが、その都度、日本の運営スタッフやボランティアは世界各国の人々から称賛されてきました。日本で開催されるなら安心だと思われてきました。それはなぜなのでしょうか?日本人という民族を研究する国内・海外の学者は、日本人が秘める特異な精神性について指摘します。そして、日本人の精神の中には、平安時代中期以降に現れた武士が農民やその他の身分の者から信頼を得るために築いていった“精神的美学”が現代にも残っていると言います。中でも、鎌倉時代の板東武者から起こり、武士の世界で引き継がれ現在に至る『名こそ惜しけれ』の精神や、明治から昭和期に活躍した歴史学者であり法学者でもある廣池千九郎(ひろいけちくろう)の『三方良し(さんぼうよし)』の考え方が日本人の持つ道徳性に根強く残っていることに言及します。

『名こそ惜しけれ(なこそおしけれ)』

 「名」は自分自身の存在や生き様を意味する

 鎌倉武士(板東武者)を象徴する言葉

人、ご先祖様、自分に対して「恥ずかしいことをするな」という意味。江戸時代までは武士の美学であったが、明治に入り武士階級が消滅すると、国民全体に武士社会の精神が広まる。

 ・勤勉で礼儀を重んじる

 ・公のために自分を律する

 ・恥ずかしい仕事は出来ない → 職人気質

 ・お天道様が見ている(悪いことは出来ない)

『三方よし(さんぼうよし)』

 廣池千九郎の道徳経済一体思想の中心的考え

「自分よし」「相手よし」「第三者よし」

自分・相手・第三者の三方にとっての利益を考えて行動することが大切という意味。 後に近江商人の経営理念にも引用されるようになる。

 廣池千九郎(ひろいけちくろう)

   1866年 現在の大分県中津市で出生

   小学校教員から歴史学者、法学者、宗教家としても活動

先述した、ティヤナさんもパーチメント選手の状況に立って何をしてほしいかを考え、サポートスタッフとしての役割に徹したことが、金メダルという、パーチメント選手にとってもジャマイカという国にとっても最高の結果をもたらしたことになります。これからの社会を生きる子どもたちには、2020東京大会を支えたボランティアスタッフの方々のように、「自分自身がよく考えた上での行動」を誠実に追求することができる資質を備える必要があります。鳳至小学校としては、2学期も、子ども自身が「考える」ということを重視して教育活動を組み立てていきます。そして、ここで肝要なことが、子ども達に「考える」ことが楽しいと思わせること、粘り強く考えること、考えることで困難を克服出来たという経験や積ませることです。そして、その学習や活動のようすを保護者や地域の皆さんに評価してもらうことで、子どもたちは自信を深めたり、反省してより良い学びに改善したりすることができます。

 コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用することと消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

        学校長   山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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夏休みを使って、『時間を管理する』練習を!!

7月14日、北陸地方にも梅雨明けが宣言されました。いよいよ本格的な夏の到来です。そして、2年ぶりに子どもたちが楽しみにしている40日あまりの長い夏休みに入ります。昨年は休校期間があったため、10日間しか休みがなく、夏休み帳も図工や習字の宿題もありませんでした。今年は休みが長い分、夏休み帳もあれば、読書感想文、バリ勉ノート、図工や習字といった応募作品の宿題もあります。また、学校としてはたくさん本を読むことも奨励します。 しかし、子どもにとってみれば、せっかくの休みなのだし、プールや海に行ったり、友だちと遊んだりしたい、自分のやりたいことに時間を使いたいというのが偽らざる気持ちです。

そこで問題になってくるのが、“時間の使い方(時間を管理する力)”です。学校の日常ならば8:30から16:00までの間に読書(朝読書)の時間や5~6コマの授業、休み時間、給食、掃除の時間が設定されます。そして、先生という名の大人の主導の下、子どもの好き嫌いにかかわらず、やるべき勉強や活動を行います。しかし、休みの日は、子どもが行動内容を決める割合が増えます。そうすると、自分の好きなことを優先させたい、面倒くさいと思うことは後回しにしたいという思いが先に立つのが人情です。やらなくてはならないと意識している勉強も、後回しの対象になります。実際、夏休みも残り数日というころになって慌てて宿題をするのは、まさに、休みの間に自分のやりたいことを優先させ、面倒くさいことを後回しにした結果です。

この夏休み、子どもたち自身が主体となって活動する時間が増えます。しかし、その時間を、その時さえ楽しければよいこと、やりたいことばかりに費やしてしまえば、自分をバランス良く鍛えることはできません。そこで、子どもたちには、長期の休み中に、自分自身で『時間を管理する』練習に取り組んでほしいと思います。1日の中で、「好きなこと・やりたいことに使う時間」と「やらなくてはならないことに使う時間」をやりくりする力、40日間を見通し、「やらなくてはならないことを無理なく終わらせる」ために計画的に実行にうつす力、「やらなくてはならないこと」をやりきろうとする態度が身につくようチャレンジしてほしいと願います。

“時間を管理する”ことは、意識したからすぐに出来るというものではありません。小学生、特に低学年の子どもたちには、大変、難しいことだと思います。しかし、心がけたり実際にやってみたりして得た成功体験・失敗経験とも、必ず、子どもたちの将来にプラスに作用していきます。子どもたちがくじけそうな時はご家庭で声を掛けていただければ幸いです。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

【追記】

6月の段階では未確定であった、金管鼓隊発表会は11月2日に河井小と合同で行うことになりました。時間や場所等、詳細については、2学期に入ってお知らせいたします。

                                        学校長   山 岸  茂 樹

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「読める子」・「読むことを嫌がらない子」を育てるため、ご協力をお願いします!!

県の非常事態宣言が解除され、6月19日(土)にはマリンタウン陸上競技場で、輪島市ちびっ子オリンピック陸上競技大会が行われました。鳳至小学校からは41名の児童(内、ジュニアアスリートクラブに所属する選手は12名)が参加しました。コロナ禍で練習できる日も少なく、また、当日は雨交じりで風も強く、競技会を行うことそのものが厳しい状態でしたが、子どもたちが懸命に走る姿に、清々しさと勇気をもらうことが出来ました。一方、輪島市民祭り、輪島市小学校陸上競技大会、輪島子ども議会、小学校水泳記録会、三夜踊りと次々に子どもたちが楽しみにしている行事の中止が決まりました。2学期以降の行事については、変異株の流行の度合いや、ワクチン接種の進み具合など様々な動向を見守りながら、開催規模や内容を吟味した上で、できるだけ実施する方向で進めたいと考えています。尚、市民祭りの際に行う予定であった金管鼓隊のドリルやパレードは、11月の初めに開催することを目指して案を練っている最中です。

 さて、5月26日には県基礎学力調査(4年生:国語・算数、6年生:社会・理科)が、27日には6年生を対象とする全国学力学習状況調査(国語・算数)が行われました。鳳至小学校としての結果を見ると、一昨年、昨年と比べ、問題全体の正答率は上がってきています(因みに、昨年は、コロナによる休校期間があったため、1学期の終わりがずれ込んだ8月初めに学校ごとに実施しました。)。しかし、「読む(読み取る)」分野を苦手とする児童が多いことも結果として表れています。昨今、よく用いられる言い方をすれば『読解力』が弱いということになります。特に今回のようなテストでは、授業で勉強したことに沿って問題が出される単元テストとは違い、「見る文章は初めて」、「問われている内容も自分で判断する」ということで、何をどのように答えれば良いか自信が持てないという児童が増えます。そして、この自信のなさは、「文章が示す内容」、「問題文が何を求めているか」のどちらかまたは両方の読み取りの不正確さを引き起こし、「決められた時間内に問題を解くことが出来ない」「文章問題に解答しない」といった結果に表れます。これに対し、本校では、国語科を中心に語彙力、想像力を含めた読解力の向上を目指し、言葉の意味を問い返しや話し合いを通じた子ども同士の関わり合い、図や表を読み取る活動、児童が考えたくなる“問い”(=課題・発問)を意識した授業づくり等に取り組んでいます。また、朝読書や家庭学習、リテラシータイム(学習を振り返る時間)等を活用して「文章に慣れること」「自分の思いを書く・話す」「友だちの言わんとしていることを正しく聴きとる」などの取組もすすめているところです。勉強というのは今日の頑張りが明日すぐに成果となって表れるというものではありません。しかし、地道に努力を積み重ねることで、半年先、一年後には必ず力となって自分を助けてくれます。教職員も一丸となって日々の授業や取組をすすめていきます。そして、ここで、一つお願いがあります。

 『読解力』をつけるためには、「読むことを面倒くさいと思わない」ことが大切な条件です。読むことを嫌がらない。読むことは当たり前。さらに、読むことが習慣化しているとなれば最高です。鳳至小学校では、毎月、10日・20日・30日を“読書の日”並びに“ノーゲームディ”に設定しています。また、夏休みや冬休みなどの長期休業期間も読書を推奨しています。これについてご家庭でもご協力を仰ぎたいと思います。さしあたって、学校が設定している“読書の日”に子どもたちに読書を促すことをお願いします。読解力がつくことで自主学習力も自然と高まります。自主学習力が高いということは、職業についても、自分で工夫できる人材として大事にされます。子どもたちの将来を見すえても、まず、「読める子」・「読むことを嫌がらない子」を育てることが急務と考えます。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

学校長 山 岸  茂 樹

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終わりの見えないコロナ禍ではありますが…

保護者・地域のみなさまへ

全国的なコロナウイルス感染症拡大の勢いは衰えを知らず、ご存知の通り、石川県でも5月9日に緊急事態宣言が出され、金沢市については国から蔓延防止等重点措置を講じる区域に指定されました。輪島市でも、5月30日から6月6日の間に企画されていた市民祭りの各種イベントの一部中止・変更や延期が発表され、6月1日に予定されていた公道を使った聖火リレーも中止となりました。また、6月15日に予定されている輪島市小学校陸上競技大会(鳳至小は6年生が出場)も種目数の削減など運営の変更を余儀なくされています。それ以降の行事も感染問題の推移次第で、やはり変更や縮小、中止を考えなくてはならなくなるでしょう。しかし、子どもたちの成長には「やりきったという満足感」や「集中して頑張ることが出来たという達成感」が絶対必要です。『コロナのせいで何も出来なかったという一年にしない』を子どもと教職員の共通の合い言葉として、子どもの思いを訊きながら、知恵を出し合い、「頑張って良かった」と思える教育活動を実施していく所存です。また、そのためには、保護者をはじめ地域の皆様に助けて頂かなければ、実現できないことも多々あります。活動や企画の詳細が決定しましたら、お知らせします。いつもお願いばかりですが、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします。

□ “鳳至っ子”のみんなへ

 2021年度が始まっても、毎日の検温に始まり、マスクの着用や手洗い、換気、そしてソーシャルディスタンスなど気を付けていかなくてはならないことがたくさんあります。また、楽しみにしていた行事や活動ができなかったりもしています。昨年の長い休校期間に似た息苦しさを感じているかもしれません。せめて、学校生活では、皆さんに元気に過ごしてほしいと考えます。そこで、昨年の今ごろ、学校便りで、みなさんにお知らせしたことをもう一度、書いてみました。

①    「いさつ」 と 「さごはん」

・「おはようございます」、「こんにちは」などのあいさつと「ありがとうございます」が言える。

 → 自分も周りの人も気持ちがさわやかになります。

・「あさごはん」を食べる。

 → 1日の元気と授業の集中力につながります。

②    「い返事」

 → 自分の中にも相手にも、頑張ろうという気持ちがわいてきます。

③    「運動(んどう)」

 → 健康な体と心をつくるには絶対、必要です。気持ちもすっきりします。

④    「笑顔(がお)」

 → 自分も周りの人も、楽しく、幸せな気分になります。

⑤    「もいやり」

 → 困っている人の気持ちを少しでも温かくしてあげることが出来ます。

ちょっとした“心がけ”でみんなが、穏やかになったり、お互いをわかり合える素敵な関係になったりすることが出来ます。皆さんの学校生活が少しでも明るく元気なものになることを願います。覚える方法は、それぞれの最初の文字を順に覚えて下さい。生活を良くする「」です。このことに気をつけて、学校生活をよりよいものにしていきましょう!!

 学校長 山 岸  茂 樹

 

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GIGAスクール構想(学習場面での情報端末の活用)について

校庭や夕陽ヶ丘の桜も満開の中で行われた入学式及び始業式から約3週間が過ぎました。学校の中には、新しい学年を頑張ろうとする子どもたちのやる気がみなぎっています。そして、この子どもたちの新鮮なやる気を大切にして教育活動をすすめていこうと、私たち教職員も緊張の毎日です。

さて、令和3年1月、文部科学大臣が有識者に対し「新しい時代における幼稚園から高等学校までの各段階での教育をどのようにすすめればよいか」を諮問した(意見を求めた)ことについての答申(回答)が発表されました。この答申では、急激に変化する時代の中で子どもたちに

一人一人の児童生徒が、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の作り手となる

ことができるよう、その資質・能力を育成するとした上で、2020年代を通じ、「令和の日本型学校教育」として、「全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」を実現することを目指すことが提言されました。そして、個別最適な学びをすすめるためには、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整えなくてはならないということで、現在、日本全部の学校ですすめられている取組が『GIGAスクール構想』になります。

ご存知の通り、私たちの身の回りにはパソコンをはじめ、スマートフォンやタブレットなど情報端末と呼ばれるものが珍しくない時代に入っています。しかし、これが学習面に活用されている割合は、実際にはそれほど高くはありません。日本の場合、むしろ、低いというのが現実です。

[PISA調査2018]

 ・学校外(家庭)で、一人用ゲームで遊ぶ割合

               … 日本の子どもは世界一多い

 ・学校外(家庭)で、学習のためにインターネットを使う割合

               … 日本の子どもは世界一少ない

PC、スマホ、タブレットなどのディバイス(装置)が普及し、今後もさらに発展していく時代であるにもかかわらず、子どもの家庭における学習場面ではその良さを活かしきれていないということになります。今回のGIGAスクール構想では、子ども一人に一台のタブレットを準備し、鉛筆や消しゴムといった文房具と同じように、学習場面で当たり前に使うことで、子どもそれぞれの学習に役立てたり自校だけではなく他の学校とも一緒に学んだりすることが出来るようになることを目指しています。鳳至小学校でも2021年に入り、1月にWifi環境を整備する工事が行われ、2月にはタブレット収納庫の設置、そして、3月末に児童と教師分のタブレットが入りました。現在は、子どもたちがタブレットを使えるように準備(個々への割り振り、アカウント設定、バージョンアップ等)をすすめており、ゴールデンウィークあけから子どもたちが利用できればと思っています。授業でどのように使っていくかについては、職員研修もしていますが、手探りの状態であることは否めません。また、子どもたちの発達段階によって、できることとできないことはありますので、1・2年生(低学年)では撮影や記録、ローマ字を学ぶ3・4年生(中学年)でキーボード入力、そして5・6年生ではプレゼンテーションに利用したり、表やグラフを作成したりする力を養うことを基本に、授業を重ねる中で、子どもたちと一緒に成長していきたいと考えます。今後、授業等を見られて、ご意見やご感想がいただけたら幸いです。

学校長 山 岸 茂 樹

 

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鳳至小学校がめざす子どもの姿

2019年度末からつづくコロナウイルス感染症問題は、未だ終息せず、ワクチン接種も予定通りには進まない中で、2021年度の鳳至小学校の教育課程がスタートしました。問題の長期化は、「一律の自粛・縮小・削減」という考え方から、「新しい生活様式を意識してコロナとつきあいながら、何が出来るかを模索する」方向へと変わってきています。学校としても、感染防止対策の徹底の下、学習と体験活動を両輪に、子ども達が将来を生き抜くために必要な資質や能力の礎を築く教育活動をすすめていきます。今年度も、保護者や地域の皆様のご理解とご支援をよろしくお願いします。

 さて、今年の2月に、輪島市の教育大綱が改訂されました。教育大綱(きょういくたいこう)とは地方公共団体(今の場合、輪島市)が目指す「人づくり」(教育)のための根本的考え方を意味し、5年ごとに見直しがかけられます。今回の輪島市の改訂では

【基本理念】 人生100年時代を幸せに生き抜くための教育

 と定められ、これを、実現すべく、各教育段階で努力するということになりました。

一方、本校では、IT(情報技術)やAI(人工知能)の急速な進歩とともに、人間の生活も著しく変化する中、子どもたちが社会を生き抜くために必要な力として、次の5つの力について職員で共通理解を図ってきました。

①    一生学び続ける力(課題を見つけ、その解決に向けてやりがいを持って探求していく力)

②    社会人基礎力(建設的に取り組む力、考え抜く力、チームで働く力)

③    自己存在感並びに他者を支えて行こうとする心・態度・実践力

④    コミュニケーション能力

⑤ 自己管理能力

そして、子どもの発達段階を考え、上記の5つの力を付ける土台を築くため、「主体性」や「協働性」、「達成感」、「自己肯定感」をキーワードに、学習・生活の両面から教育活動をすすめてきました。今年度は大綱の改定もあり、①の「一生学び続ける力」を支える力として、特に学習面のかかわりから、子どもたちの「読解力」を鍛え、それを基に、将来的には「自主学習力」の涵養につなげることを目指したいと考えます。そのため、本校教育目標、

 「創造性豊かで頼もしい人づくり」 の下、次のように重点事項を設定しました。

【令和3年度 重点事項】

 ①自分から学ぶとともに、友達と学び合う子どもたちに

 ②友だちのよさを見つけ合い、協力し合える子どもたちに

 ③大きな声であいさつし、自分を表現できる子どもたちに

 ④自分を知り、よりよい自分に挑戦する子どもたちに

 以上の重点事項に基づく教育活動につきましては、学校・学年だよりの発行、授業参観等の授業、運動会等の学校行事はもちろんのこと、機会を捉えて学校に足を運んでいただき、お子様の姿をご覧になってご確認いただければ幸いです。また、子どもたちの社会性を育てる為に、より一層、保護者の皆様・地域の皆様にご協力が必要になるとも考えております。重ねてご協力のほど、よろしくお願いします。

     学校長 山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

 

 

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この1年を振り返る

コロナウイルス感染症問題とつきあいながらの令和2年度でしたが、3月19日(金)には2年ぶりに、全学年が揃って、第50回の卒業証書授与式を行うことが出来ました。卒業生に餞(はなむけ)の言葉を伝えながら、改めて、「コロナ禍であっても、やれること、学べることはたくさんある」を実証してくれた卒業生を中心とする“鳳至っ子”の頼もしさを振り返ることができました。

【主体的で対話的な深い学び】

「相手の話をしっかり聴いて、自分の考えを再構築する」ことをゴール目標に、語彙力・想像力・読解力の向上を目指しました。そのため、分からない言葉をすぐに辞書で調べたり自分の言葉で説明し直したりする活動、モデル(見本)を参考に話し合ったり教師が多様な考えを引き出す問いかけをしたりすることで、解決の手立てを見つける活動、アドバイスをもとに自分の書いた文章を推敲する活動に取り組みました。その結果、学期がすすむごとに、自分の考えを適切に表現することが出来る子や相手意識をもって話したり聞いたりできる子、根拠となる文章や図を正しく読み取ることが出来る子が増えてきました。

【活動の見える化(発信力)】 

 年度当初のアンケートでは、自己肯定感が低いために自分に自信が持てない児童が多くみられました。そこで今年度も学級便りの発行やHPの更新を中心に、活動の「見える化」を意識しました。また、コロナ禍であっても、できるだけ多くの方々に子どもたちの頑張る姿を見ていただけるよう、日常の感染対策を徹底しながら、極力、行事を実施しました。何度も練習し磨き抜いた技を披露する活動の中で、発表を成功させることが出来た経験や、他学年や保護者・地域の皆様から称賛の言葉をいただいた経験は、子ども一人一人の達成感や充実感を高めるとともに、学ぼうとする態度や、もっと上手に表現したいという前向きな気持につながっていきました。

【自己肯定感から「さらなる意欲へ」】

上記の活動の見える化に加え、キャリアパスポートを活用して、学校行事や体験活動の度に、子ども自身が自分や仲間、活動全体を振り返る活動を設定することや、子どもの頑張ったこと、成長が見られたことについて、保護者の皆様に感想や意見、評価を書いていただく取組をすすめました。このことは、子ども同士が友だちの良いところを認め合うとともに、刺激を受け合い、さらに活動を向上させようとする意欲を高めることにつながりました。また、苦労したり失敗したりすることもありましたが、「仲間との協力・協働」や「誰かのために」を、再度、意識することで、粘り強さが見られるようになり、最終的には、期待以上の成果をあげてくれました。「やればできた」という成功体験は自信となり、もっとやってみたいという“更なる意欲”にも発展しています。特に、6年生からリーダーとしてのバトンを受け継いだ5年生からは、「今度は自分たちが、素晴らしい鳳至小を創っていくために頑張らねばならない」という使命感を感じることが出来ます。

【社会人基礎力】

今の子ども達が、今後、著しく変わることが確実視される社会の中で、自己の幸せをつかみ、社会に貢献できる人材となるためには、社会変化に対応できるよう『常に学び続け、仲間と協力し、身につけた知識を生かすことができる力』が必要となります。また、立ちはだかる壁を乗り越える、『しなやかなたくましさ(七転び八起きの力)』も必要となるでしょう。その基盤となる力は、この素晴らしい鳳至という地で養われた感性や様々な人々との出会いから培われます。学校や地域が連携できる恵まれた環境で子どもを育て、いずれ、明るい未来を照らす人となってくれるよう、今後もこの教育活動にさらに磨きをかけていきたいと思います。そして、来年の卒業式でも、子どもたちの清々しい笑顔を見たいと思います。今年度もたくさんの方々に、ご支援とご協力を頂いた事に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

令和3年度も子ども達が活躍する姿にご期待下さい。 

 

 学校長  山 岸  茂 樹

 

 

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卒業式祝辞

四月十六日から約一月半の臨時休校、わずか十日間の夏休み、そして、お盆が明けてすぐの二学期開始…。本当に今まで経験したことのないことばかりでした。そして、新しい生活様式のために」という言葉に、正直、何度も息苦しさを覚えました。それでも、ワクチンの接種開始ニュースは、私たちに希望を与えてくれます。また、何より、今年度は、鳳至小学校の児童全員で、今日の良き日を向かえることも出来ました。トンネルを抜けた先では、たくさんの光を纏うことができます。

六年間の教育課程を修了された、四十一名の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

また、本日、第五十回の卒業証書授与式を挙行するにあたり、輪島市教育委員 左古 隆 様にご臨席を賜りましたこと、並びに、PTA会長 山田 忠和 様をはじめ、多数の皆様に温かいメーセージをいただきましたことに心よりお礼申し上げます。

さて、卒業生の皆さん。皆さんが最上級生となった令和二年度は、冒頭でも述べた通り、まさに、「コロナウイルス感染症」との戦いでした。皆さんが楽しみにしていたさまざまな行事や大会も大きく変更されました。しかし、皆さんは、慌てず、ひたむきに準備をすすめ、本番では、最大限のパフォーマンスを見せてくれました。

例えば、運動会。コロナの問題に加えて、熱中症の危険もあるため、プログラムの内容だけでなく練習時間にも制限がかけられました。また、せっかく練習しても、感染者が出てしまえば、運動会そのものが中止になる恐れもありました。運営や応援指導、他学年のサポートを任されていた六年生は不安も大きかったことでしょう。しかし、当日は、内容の濃い充実した運動会となりました。どの学年もやりきったという満足感に溢れていました。そして、それを支えたのは、六年生全員の意識の高さとチームワークの良さでした。

次に、金管鼓隊。輪島市祭が中止となり、発表の場を失ったダメージは計りしれないものでした。しかし、市民の皆様の努力もあり、感染者が増えず、十月にはマリンタウン陸上競技場を会場に、河井小学校と合同で発表会を開くことができました。6年生の「なんとしても発表を成功させたい」という熱意が、5年生を突き動かし、“美爆音”を合い言葉に、一日ごとに演奏が仕上がっていく様は感動的でした。当日の発表も最高のものでした。たくさんの地域の方々から、演奏も振りつけもここ数年で、一番とのお褒め言葉をいただきました。

各委員会の活動では、6年生の「良き伝統を築きたい」という気概が随所に見られました。

「コロナのせいで何も出来ない」ではなく、「コロナ禍であっても、工夫すれば、やれること・学べることがたくさんある」ということを、皆さんは行事や委員会の取組で、証明してくれました。

ここで、改めて、皆さんの活躍を引き出してきたものは何なのかを考えてみると、“誠実さ”“思いやり”“向上心”といったキーワードに辿り着きます。皆さんからは「現状に満足するのではなく、自分たちの最高の表現をしよう。」「仲間と協力して、悔いのない取り組みにしよう。」「下級生に伝えなくてはならないことは、技術だけではなく、心構えまでしっかり伝えよう。」という思いや態度を感じることができました。私だけではありません。六年生を送る会で、送る側の下級生が目に涙を浮かべる姿や、六年生のためにと団結して頑張る姿は、6年生の思いや態度を、毎日のかかわりの中で感じとり、憧れと感謝をいだいていたからこその姿です。これらの卒業生の皆さんの思いや態度は、下級生に引き継がれていくものと確信しています。

また、これからの世の中は人工知能や情報産業が発展し、便利な生活となる一方で、新しい考え方や技術に対応する力を自分自身で身につけていかなくてはなりません。そのため、自分で目的意識を持って学びをすすめる「自主学習力」と、一人で解決できないなら仲間と力を合わせて解決を図る「協働できる力」を高めることが求められます。何だか、難しく聞こえますね。しかし、心配することはありません。皆さんに備わっている「誠実さ」「思いやり」「向上心」をフル活用して下さい。そうすれば、自ずと、「自主学習力」は高まります。「仲間と協働できる力」は強くなります。自信を持って、前に進んで下さい。

保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。凛凛しく健やかに成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。ただ、まだまだ、子どもたちには、皆様のお力添えが必要なことは言うまでもありません。特に中学生では、家庭の監督力や教育力の有る無しが、子どもの将来を左右することにつながる場合もあることを覚えておいて下さい。

結びに、『夢』を実現させようと努力を繰り返す中で、『自由』という言葉の本当の意味を知ることになります。そして、『夢』に向かって進もうとすればするほど、「感謝」・「挨拶」・「笑顔」の大切さを学びます。出来ない言い訳ばかりでは、解決も成長もありません。卒業生の皆さん、一人一人が、自分自身と社会を真摯に見つめ、解決のための一歩を踏み出せる大人へと成長されることを祈念しまして、式辞と致します。

令和三年 三月十九日  

輪島市立鳳至小学校 校長 山岸茂樹

 

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卒業生の姿を見て在校生は育つ -『6年生を送る会』を振り返って-

2020年度も残り約1ヶ月、学校の最大行事である卒業証書授与式も約3週間後(3月19日挙行予定)に迫っています。2月19日(金)には、卒業式の前哨戦となる『6年生を送る会』が開催されました。名前の通り、この会は卒業を控えた6年生のために開かれる行事ですが、在校生(1~5年生)のどの学年の発表も卒業生(6年生)に対するこれまでの感謝と、これからの中学校生活へのエール(激励)が込められていました。6年生との関わりの中で「小学校に親しみを持ち学ぶ楽しさを知ることができた喜び」を精一杯伝えようとする1・2年生、6年生が守ってきた伝統の鼓隊を来年は自分たちも引き継ぐ準備ができていることをアピールしたい3年生、指導してくれた6年生に少しでも良い校歌を届けたいと緊張しながらも真摯に演奏した4年生。そして、今まで6年生が果たしてきた「学校を支える役割」を全て引き継ぎ、送る会の成功のために一致団結した5年生…。率直に「子どもたちの成長はすごい」と感じました。そして、在校生一人一人が「卒業生を喜ばせたい」とういう思いを持ち、素直に頑張ることが出来ることを誇らしく思いました。一方、在校生の演技を見る卒業生の目は優しく、中には、今まで自分たちが背負ってきた重たい荷物をやっと下ろすことが出来たといった穏やかなものもありました。 小学生という発達段階の集団においても、学年が一つ上がるごとに、要求される役割や責任の程度はレベルアップしていきます。6年生ともなれば学校の内外にかかわらず、リーダー性や指導力、責任ある言動が求められます。今年度はコロナ禍で発生した“新しい生活様式”に基づく「いつもとは違った学校生活」、「いつもとは違った学校行事」が強いられたことから、6年生には、例年以上に、我慢すること、工夫すること、気を配ることを求められました。息苦しかったことでしょう。苦労することも多かったと思います。それでも、6年生は学校のリーダーとしての役割と責任を自覚し、学校生活の模範となるとともに、新しいルールの中で行う鳳至オリンピックや鳳至小大運動会、金管鼓隊発表会等の行事を成功させてくれました。下級生は難しい状況の中で学校や自分たちのために奮闘する6年生の姿を見ているからこそ、6年生への感謝の気持ちが大きくなるのだと思います。そして6年生に憧れを抱き、「6年生のようになろう」「今度は、自分たちが6年生のために」と頑張ることができたのだと考えます。しみじみ、卒業生(6年生)の存在の大きさを感じています。

 子どもたちは仲間と協力し目標に挑む中で、達成感や充実感、感動、共感、他者のよい点に目が向くこと、誰かのためにも頑張ろうという気持ちを持つこと等、たくさんのことを学び、経験しています。そして、その学びや経験は、新たな役割や責任に向かう意欲となり、更に子どもたちを成長させる場面へとつながっています。この1年間の子ども達の成長を頼もしく思うとともに、今後も、仲間と力を合わせて目標達成に挑む経験を意図的に仕組んでいく中(協働する場面を準備する中)で、子ども達の可能性を引き出していきたいと考えます。保護者・地域の皆様におかれましてもご理解いただくとともに、今後ともご協力をよろしくお願いします。                        学校長 山 岸  茂 樹

 

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『意志あるところに道は開ける』 Where there is a will, there is a way.

   タイトルの言葉はアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉です。

1月8日(金)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあったりコロナウイルスに感染したりすることもなく、202名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。しかし昨年暮れからの大寒波は、7日からは「数年に一度レベル」となって、日本列島を襲いました。特に、9日・10日の積雪は輪島市内の平地でも60センチを超えたことは、記憶にも新しいことと思います。降雪のおさまった11日(月)には鳳至地区の各地で、地域の皆さんが協力して除雪作業を行うようすが見られました。学校も11日の午後、職員総出で、校門から児童玄関、職員の駐車スペース、児童クラブまでの動線を除雪しました。(小磯組 協建設、地域の皆様のご協力、ありがとうございました。)しかし、学校の敷地内の除雪が精一杯で、学校周辺の歩道の除雪までは手が回りませんでした。道幅も狭く、ましてや歩道も通ることの出来ない状態であることから、12日(火)は普段通りの登校ができないのではと心配しましたが、それでも子どもたちがそろって登校できたことは、地域や保護者の方々の頑張りのお陰と感謝しています。

 さて、通常、鳳至小学校の子どもたちは旧山口医院のあたりからグラウンドに入り、そのままグラウンドを横切って児童玄関へ進んできます。12日の朝も、20人~30人ほどの子どもたちが、雪が60センチほど積もるグラウンドを一歩一歩踏みしめながら、校舎を目指していました。その跡は、朝の登校が終わる頃には、70センチほどの幅の細い道となりました。2限後の長休みになると、子どもたちは一斉に外に出て、それぞれが雪遊びを楽しんでいましたが、この長休みが終わるころには、グラウンドの校舎に向かう道は2メートルほどに広がっていました。午後になって気温が上がり雪も溶け出しましたが、子どもたちが下校した跡のグラウンドを見ると、踏みしめられた部分だけ湿り気が強調され、白いグラウンドの中に灰色の“道”がくっきりと浮かび上がっていました。それを見て、私の頭の中に浮かんだ言葉が表題の『意志あるところに道は開ける』です。大人なら、60センチも雪が積もっていたら、それを突っ切って校舎を目指そうとは、よほどのことがない限り考えないと思います。しかし、子どもは意に介さず、がむしゃらに校舎を目指します。自分の膝の高さよりも深い雪を前にしてもひるむことなく、むしろ面白みを感じながら進んでいきます。困難を困難と思わず、「それをやり遂げようと強い意志を持てば必ず道は開ける」というこの言葉が表す意味を子どもたちが体現してくれているようで(そんなに大げさなことではないかもしれませんが)、妙に感心してしまいました。そして、「惑うことなく、意志を持って、前に進める」子どもたちの素直さや純粋さ、たくましさと可能性を生かした教育活動を進めていきたいという思いを強くしました。

 2021年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。今年度も、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

                                                   学校長 山 岸  茂 樹

 

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子ども達の未来のため、『読解力』の向上をすすめます!

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)問題で幕を開けた2020年もあと数日で終わろうとしています。コロナ問題はCOVID-19とあるように、2019年末からの流行ですから、はや、1年が経過したことになります。そんな中で、休校を挟みながらも、感染者を出すことなく学校の教育活動をすすめることが出来たのは児童一人一人の頑張りと、地域や各家庭での皆様のご努力のおかげです。また、子どもの自己肯定感を高めるためには、子ども達を見守る大人の声かけが必要と、行事があるごとに学校等に足をお運び頂きましたが、その際には、検温やマスクの着用はもちろんのこと、参観マナーにつきましても、ご理解とご協力を賜りましたことに、心よりお礼申し上げます。

さて、前号の学校便りでもお伝えしたように、2学期の終わりから3学期にかけて、学校は、子ども達に次の学年に向けた準備を強く意識させていますが、学習面では、新学年の学びがスムーズにすすめられるように現学年での学習を確実に自分の力として定着させる(身につける)取組をすすめています。学習事項の定着度を計る手段としてよく用いられるのがテストですが、このテストにおいて、問題が解けなかった子の半数以上が“問題文を読んでも、何を聞いているかわからない”ことを訴えてきます。実はこの訴えのような「文章の意味が読み取れない」=「読解力(どっかいりょく)の不足」に関わる事例は、教育現場のみならず様々な生活場面で問題視されているところです。もう少し『読解力』について考えてみましょう。字面でみれば「読んで(その意味を)理解する力」ということですが、文部科学省から出されている読解力向上プログラムには次のように定義されています。

【読解力】

   自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に

 社会に参加する ために、  書かれたテキストを理解し、利用し、

 熟考する能力

 この定義に当てはめて考えると、読解力が不足するということは、単純に目の前の問題が解けないということだけでなく、社会に参加することまでを難しくするということになります。そう言えば、昨今、AI(=人工知能)技術が飛躍的に向上していますが、「AIが、人間が行ってきた仕事を代行する(=「AIが人間から仕事を奪ってしまった」)事例がよく見られます。AIはそもそも、人間がつくりだしたものですから、人間の命令で動くと考えれば、一問一答のような「こうならばこう」といった単純な動作が強いということになります。一方、定義によると、読解力には「熟考する力」も含まれますが、この部分はどうでしょう。いろいろな条件や好みを考え併せながら、総合的に判断力することは、実は、AIにとっては苦手な仕事です。逆に人間ならではの技や勘、経験が活かされる分野になります。推理や想像(イメージ)しなくてはいけない部分はすぐれたAIといえど、人間を超えることは出来ないと言えます。

話を整理しましょう。読解力を高めると言うことは、単純に目の前の問題がわかるだけではなく、近い将来、AI(人工知能)が蔓延する世の中となっても、仕事を奪われず、社会に参加できるということになります。とすれば、子ども達が未来を生き抜く力を培う場である学校で、『読解力』を高める活動に取り組むことは必須のことです。現在、授業等で行っている「声に出して読む」、「線を引きながら読む」、「言葉の意味を問い返す」、「図・表・グラフの等の資料を関連づけて自分の考えを作る」、「朝読書」、「短作文」等の活動を注意深く継続しながら①文章や図・表・グラフの意味を正しく理解する力、②作者の意図を読み取ったり要約したりする力、③読みとったこと・考えたことを表現する力を伸ばしていきたいと考えます。また、読解力を高めることにより、今後、子ども達が中学校、高校、大学、就職…と、ステージアップすればするほど必要となる自主学習力(=自分で学ぼうとする力)も高めていくことができればと考えます。

2020年の本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。来る2021年も、職員一同、全力で子ども達を支援していきます。

新しき年を迎えるにあたり、地域、保護者の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

            学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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ケジメを持つ・時間の使い方の工夫・自主的な学習への取り組み、そして折れない心の涵養

コロナウイルス感染症予防のための休校もありましたが、4月の入学式以来、2020年度も3分の2が過ぎようとしています。子ども達にとって、これからの3分の1の学校生活は、「2021年度への準備期間」となります。特に、今まで学校の“顔”として頑張ってきた6年生は、中学校へ進学するための準備を強く意識しなくてはなりません。なぜなら、中学校における学習、部活動、学校行事その他学校生活は、小学校以上に自主性と自律性が求められるからです。一方、これまで6年生の後ろを追ってきた5年生は、学校のリーダーとしての役職や立場を次々と経験していきます。苦労や試行錯誤とつきあいながらの活動となります。4年生は金管鼓隊のような学校の代表としての活動が増えます。その中で、今まで以上に、「自分一人の我が儘が通らないこと」を気づかされます。そして、自分のためだけではなく、誰かのためにも頑張らなくてはならないことを学んでいきます。同じように、3年生、2年生、1年生も一つ学年が上がることで、役割や責任が増えていきます。『立場が人を育てる』と言われるように、それぞれの児童が、初めてその立場に置かれ、成長につながる役割や責任を経験していくことになります。ですから、鳳至小学校としては、子どもたちが次のステップに対応できるように、その発達段階に応じて、

 ① ケジメを持つこと

 ② 時間の使い方を考える習慣を持つこと

 ③ 自主的な学習(=家庭学習)に取り組むことができること

の3点を意識して、準備をすすめるよう指導していきたいと考えます。この3点に共通することは自分自身を管理する力を意識させるということです。そして、並行して、“折れない心”(=逆境力=七転び八起きの精神=レジリエンス)を養っていかなくてはならないと考えます。

 閑話休題。末尾に添えたグラフは今年の10月に厚生労働省が公表したもので、2017年3月に学校を卒業し就職した人が3年以内にその離職割合を示しています。グラフからは高卒就職者の約4割、大卒就職者の約3割が3年以内に離職(=仕事を辞める)ことが読み取れますが、実は、この割合はここ数年、変わっていません。下の表は、内閣府がまとめた『平成30年度版 子供・若者白書』から、初めて仕事に就いた人が辞める理由を聞いたものです。辞める理由の2番目に「人間関係」が挙げられていますが、実は、このとらえ方については意見が分かれるところです。なぜなら、この結果は、あくまでも、離職した人の言い分だということです。昨今は、モラハラ、パワハラと言う言葉もよく耳にしますが、雇用者の言い分を聞けば、その辞めていく人の“人間性”について言及してくるかもしれません。ケジメをもった言動がとれていたのか。社会人としてふさわしい振る舞いが欠けていることはなかったか。もっと言えば、学校でも家庭でも、強く叱られる経験をせずに社会にでた者が、注意されて当然のことを、たまたま、厳しい口調で指摘されたり理不尽な言われ方をされたりしたことがショックで、逃げ出してしまったようなことはないか。本当に、我慢の限界だったのか。

 輪島市の教育目標には、『チャレンジ&レスポンス』と言う言葉が示されています。チャレンジは挑戦するという意味ですが、それに対して、レスポンスとは応戦する力、困難に向かって行く力を表します。「学校は、子どもたちに、学びを通して社会を生き抜いていく資質・能力を身につけさせる場」という前提を忘れないでいるなら、自主的に学ぶことも含めて自分自身を管理する力や少々のことではへこたれない気持ち、なにくそと歯を食いしばり、前に進もうとする芯の強さを持った人材となるよう指導していかなくてはなりません。そのためには、時に、厳しさは必要です。そして、その厳しさの中で、子どもをきちんと観て、子どもの良いところをタイムリーに褒めることが肝要と考えます。今の『学び』は必ず、子ども達の将来にいきてきます。学校としては、「今できる経験」、「今できる学習」をしっかりサポートしていきたいと考えます。特に、12月には、それぞれの学年で学んだことがどれくらい身についているかを調べる輪島市統一の学力テストも予定されていることから、学力の定着を中心に据え、自分自身を管理する力と折れない心を意識して指導していきます。ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。                               

 出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」

    

 出典:内閣府 「平成30年度版子供若者白書  特集 就学等に関する若者の意識」

                        学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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子どもたちをよりよく育てていくため、改めて、皆様のご協力をお願いします!

10日(土)にマリンタウン陸上競技場で行われた金管鼓隊の発表会には、1000名を超える保護者、地域の皆様に足を運んでいただきました。本当にありがとうございました。

鳳至小・河井小両校の子どもたちの演奏とも素晴らしいものでした。子どもたちの表情には、本番で力を出し切ることができたという達成感や自分たちの頑張りを多くの皆様に見ていただくことができた満足感、充実感が表れていました。発表の後は、多くの方々から子どもたちの発表を讃える声をかけていただきました。この経験は子どもたちの次への意欲につながるものと確信しています。

一方、10月に入って、学校外の子どもたちの様子について注意しなくてはならない事案が3件続きました。

一つ目はマリンタウン公園での中学年児童数名が遊んでいて、他校の児童とのトラブルをおこした件、二つ目は他校の通学路上で、高学年の女子児童10名で待ち合わせをしていたところ、「(低学年の)子どもが側を通るのが怖かったと訴えている」と子どもの保護者から学校に連絡が入った件、そして、最後の一つは、マリンタウン公園に面する道路で高学年男子児童の数名がボールを蹴って遊んでいて、他の歩行者や車と接触しそうで危ないから止めさせようと注意するが聞いれてくれないと住民から学校に連絡が入った件です。また、3つ目の事案が起こった日は、鳳至小、河井小、大屋小、輪島中とたくさんの児童生徒がマリンタウンで遊んでいました。後日、孫を連れてその場にいたお年寄りからは、「どこの学校の児童が当事者かはわからないけれど」との前おきの後、順番に遊具を使おうと並んでいる低学年の児童の列に高学年児童が割り込んでトラブルとなったことも教えてもらいました。子どもたちは成長の中で、良いこともすれば良くないこともしでかします。ですから、乱暴な言い方をすれば、先に述べた事案は、どれも、「起こりがちなこと」です。しかし、子どもたちには、社会生活のルールやマナーを守ることができる人、周りに迷惑をかけない人に成長していってもらわなければなりません。一つ目の事案で、ケンカをした片方は相手の話し方がおかしいと言い、もう片方はおかしいと言われたことが許せないので暴力に訴えたことから双方の殴り合いに発展したという顛末、2つ目の事案では「それほど広くない歩道に人が10人も集まればどうなるか」、「小さい子どもの目には、知らない大きな“お姉さん”の軍団はどのように映るのか」ということについて想像力が欠けていたこと、3つ目は自分も他者も身の安全が脅かされるということが想像できていないことが原因でした。しかし、これらの事案について、普段の生活の中で当該児童の一人一人にどう思うかと尋ねれば、全員が迷わず「良くない」と判断した上で、その理由も答えます。では、良くないと判断できる行動をとってしまうのはなぜなのでしょう。

答えは「一人ではない(=集団でいる)から自制するのが恰好悪い」、「みんなでやっているし、“まぁいいか”」という子ども特有の集団心理が働いてしまうからです。とすれば、雰囲気に流されず、当たり前の事を当たり前に判断し言動できる態度を育てていかなくてはなりません。また、自分がまわりの人にどのような印象を与えているのかを察知できる力をつけなくてはなりません。

学校では道徳の勉強はもちろんのこと、学校生活の中で、こんな場合、自分はどんな態度でなければいけないのか、どう振る舞うべきなのかについて子どもたちに考えさせ、指導しています。「間違いを起こすこともある。大切なのは、何が良くないのかに気づき、自分自身がそれを解決(改善)しようとする力を育てること」というスタンスで働きかけています。ただ、子どもの生活場面は学校内だけではなく、家庭や地域、さらには思い思いに活動するスポーツ少年団や太鼓などの文化活動を行う団体等、様々です。ですから、子どもたちをマナーやルールを考えられる良き大人へと導いていくには、家庭や地域、児童の健全育成にかかわる団体が、子どもをよりよく育てていくという目標を共有していかなくてはなりません。この学校便りでは、子どもたちの良い姿だけでなく、改善していかなくてはならない姿もお知らせしていきます。そして、校歌の歌詞にあるよに『かがやく輪島の未来の子』が、より良き社会を築く主体へと成長するよう、保護者、地域の皆様と一緒になってサポートしていかなくてはならないと考えます。

今後とも、本校の教育活動に、ご理解とご支援をよろしくお願いします。    

                                                                     学校長 山 岸  茂 樹

 

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運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

12日(土)、“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。今年の運動会は昨年度末から続くコロナ対応や8月以降の熱中症対応により、時間や種目内容、開催方法等にたくさんの制約を設けなければならず、子どもたちが集中かつ完全燃焼できる運動会になるのかという不安を抱えながらの準備でした。しかし、本番当日、子どもたちの姿には、それまでの心配や息苦しさを吹き飛ばしてもらったような思いを受けました。特に、6年生のリーダーシップは見事なものでした。種目の運営に下学年のお世話、そして応援等、あらゆる場面で率先して取り組んでくれました。また、全校児童が真剣に競技に取り組む姿が見られました。どの学年もゴールまで粘り強く走りきった徒競走、それぞれが鬼滅の刃(=きめつのやいば)のキャラクターになりきって踊った低学年の「紅蓮華(ぐれんげ)」、ハツラツとした動きの中に意気込みと力強さを込めて舞った中学年の「鳳至ソーラン」、仲間との絆を意識してフラッグアクションとダンスを組み合わせた高学年の「繋ぐ(つなぐ)」、団のプライドをかけてバトンをつないだ「団対抗リレー」…。どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組の中で、子どもたちそれぞれが自分自身の果たすべき役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもとより、クラスも鳳至小学校という集団も大きく成長させることができたと感じています。

保護者や地域の皆様におかれましては、大変、窮屈な思いをさせたにもかかわらず、たくさんのご来校を賜り、子どもたちを見守っていただいたことに心より感謝申し上げます。さらには、片付けにも多数の保護者の皆様にご協力いただきましたことにも重ねてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 “実りの秋”という言葉もありますが、10月からも金管鼓笛の発表会や児童集会など、子どもの学習の成果を発表する場を予定しております。運動会同様、検温カードの記入・提出や消毒、マスクの着用など、煩わしいと感じることも少々ございますが、学校に足をお運びいただき、子どもたちの頑張る姿を見ていただければ幸いです。本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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鳳至っ子のために、2学期も頑張ります!!

  朝顔、さつまいも、ミニトマト、小玉スイカ、トウモロコシ、ピーマン、きゅうり、いちご、えだまめ、にんじん、ホウセンカ、サルビア、いんげんまめ、綿花、マリーゴールド、ジャガイモ、へちま…。

コロナ禍で、学校を休校する期間もありましたが、この夏も中庭を中心に、学校の至る所に花が咲き、野菜が実をつけました。そのほとんどが、生活科や理科の授業で子ども達が植えたものです。子どもたちは、花が咲くことや実のなることを願って、毎朝、水やりを続けました。そして、毎日、観察することで、子どもたちはいろいろな発見をすることができました。同じ種類でも周りの花より速く育つもの、大きな花を咲かせるもの、小さな花をつけるもの、色の濃い花をつけるもの、その逆に薄い色をつけるもの、いち早く実をならすもの、周りが収穫を終えようとするころに実をつけだすもの…。同じ植物を同じ時期に植えたはずなのに、その生長の速さや花の大きさや色合い、実のなり方等、それぞれが微妙に違うことを子どもたちは発見します。また、自分たちが世話をしているそれぞれの草花は、どれも、芽を出し、葉が大きくなり、茎の丈も伸び、どれも美しい花を咲かせることができたことにも気がつきます。生長の速さや花や実の大きさ、色や実のなり方は違っても、それぞれの花が美しい花を咲かせ、実をつけることができました。そして、それを支えたのは、毎日欠かすことのなかった子どもたちの水やりです。

この様子を見ていて、オーバーラップしてくることが、人間の成長です。特に、中学校を過ぎる頃までは、同学年であっても、子どもの成長の様子は十人十色、本当に様々です。そして、場面場面での教職員や保護者、家族等、周りの大人のサポートがあってこその成長であることは言うまでもありません。いや、子どもたちが大人へと成長する過程で見せる様々な表情や成果は、その時々の子どもの頑張りや有り様だけでなく、周囲の大人からの適切な働きかけが大きくかかわっていると言っても過言ではないでしょう。

 さて、8月7日(金)をもって、1学期が終了します。そして、9日間の休みを経て、8月17日(月)より2学期の学習に入ります。休みの間に、子どもたち、先生方ともしっかりリフレッシュしてほしいと思います。そして、2学期のスタートと同時に、また、『創造性豊で、頼もしい人づくり』を目指して、“鳳至っ子”のために、日々、最善のサポートができるよう尽力していきます。保護者や地域の皆様、どうぞ、お力添えをよろしくお願いします。

   令和2年8月6日(木)

                           学校長 山 岸  茂 樹

 

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自律型人材の育成のため、ご協力をお願いします。

 学校再開から約2ヶ月が経ちました。コロナ休校の影響で登校を嫌がる児童が全国各地で出てきている中、鳳至小学校では、病気等で通院・休養する以外は欠席がないことを頼もしく思います。現在、子ども達は本当に意欲的に、そして、元気に活動しています。中でも、市祭が中止となったため中断していた金管鼓笛は、マリンタウン陸上競技場で10月10日(雨天の場合は11日)に河井小と合同で発表することが決まり、6年生をリーダーに熱心に練習に取り組む姿が見られます。7月からは体育で水泳の授業も始まりましたが、雨が降っていても、「校長先生、今日はプールに入れるよね」と確認してくる児童がいるのは悩ましい限りです。

  さて、このコロナ禍の中で、在宅勤務やリモートワークと言う言葉をよく耳にしました。また「新しい生活様式」に自分たちの生活を見直すことも求められています。平成の後半から、科学技術の進歩は社会を大きく変え、その変化に対応できるよう子どもたちを育てていかなくてはならないと言われるようになりました。そして、教育界では、子どもたちを「自立」させる(=自分の力で独立させる)ことに加え、子どもたちそれぞれを、「自律」できる(=自分で自分を管理できる)大人へと育てていくことが求められるようになりました。この「自律」面を育てていくという考えは年々強まり、現在では「自立型人材」より「自律型人材」が求められているといった傾向が顕著です。では、子どもたちを「自律」した大人へと育てていくことができるのでしょう。「自律」のための条件を考えてみると、「能動的であること」「主体的であること」があげられます。

    能動的 : 周囲からの働きかけ等に関係なく、自分自身で考えて物事を行ったり、 他に働きかけたりする。

        → 受け身、指示待ちの反応する(受動的)の反対。

    主体的 : 自分の意志に基づいて行動する。自らの考えに基づいた意志・判断に よって行動を起こす。

        → 刺激に対して考えずに反応する(反応的)の反対。

  つまり、これからの社会を生きる子どもたちには「自分自身がよく考えた上での行動が求められる」ということになります。鳳至小学校では昨年度より、授業でも、子ども自身が「考える」ということを重視して教育活動を組み立ててきました。ここで、肝要なことが、子ども達に「考える」ということを楽しいと思わせること、粘り強く考えること、考えることで困難を克服出来たという経験や積ませることです。そして、その学習や活動のようすを保護者や地域の皆さんに評価してもらうことで、子どもたちは自信を深めたり、反省してより良い学びに改善したりすることができます。 コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用することと消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。7月末・8月初めには「1年生とふれあいの会」、9月には運動会、10月には金管鼓笛発表会と各種行事を予定しております。皆様のご来校とご感想をお待ちしております。

                       学校長   山 岸  茂 樹

 

 

 
 

 

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学校再開について、寄せられたご意見と学校の基本的な考え方

学校再開が再開し、4週間ほどが過ぎました。子ども達は、日に日にパワーアップしています。

さて、先だって、保護者の皆様にご協力頂いたアンケートの様子と現在の、学校の取組や今後の予定についてお知らせします。尚、予定について、今後のコロナウイルス感染の動向や、PTA役員の皆様や関係機関等との調整を行わなければならないものについては、それが済み次第、順次、お知らせしていきます。

(1)「学校再開に際しての保護者アンケート」回答 (抜粋)

 【家庭での様子】

  ◎よくお手伝いをしてくれた。兄弟姉妹の面倒を見てくれた。

  ◎学校再開を子ども達が喜んでいる。

  ▲SNSの時間が長い。ゲーム、タブレット、YouTube三昧の生活だった。

  ▲起床時刻や就寝時間が遅くなるなど、生活が乱れてしまっていた。

【保護者として心配なこと】

  ・授業の遅れが回復できるのか。

  ・授業の内容を理解できないまま、授業が早くすすんでしまわないか心配である。

  ・コロナ第2波・第3波による再休校ならびにそれによる学習の遅れ。

  ・通常の学校生活に戻れるのかどうか。

  ・子ども、保護者ともに楽しみにしている行事が中止になってしまうこと。

  ・感染予防に対する子どもの意識が低いこと。

  ・学校や勉強を嫌がる態度(=低学年)。

【その他】

  □学校としてのコロナ対応策をお願いする。

  □行事予定は出来るだけ早く知りたい。

  □行事を減らさないでほしい。

(2)学校再開に際する、学校の基本的な考え方や取組

  ①学校生活を整える

   ・7月初旬(10日くらいまで)を目途に、子どもの勉強に向かうスタミナと生活習慣を

    回復させる。学習においては 進度は焦らない!!! 

   ・「体を向けて聴く姿勢をつくる」ことの徹底。 同時に、教師からのの指示は最低限に

    する。 

   ・ベル着選手権の実施。 … 学習の準備と、気持ちの切り替えを習慣づける。

   ・生活習慣の見直し。  … 「ぐっすりナイト」による調査とその結果を基にした

                 委員会活動の実施。

   ・下駄箱の整頓。

   ・【新しい生活様式】についての理解と徹底。 

               … 『手洗い』 『マスク着用』 『換気』の徹底。

                  学校でできる対応策についての理解も進める。

  ②児童の心を支える

   ・SCによる教育相談         

   ・担任による教育相談(8日より開始)  子どもの思いにアンテナを張り巡らす。

  ③保護者・地域に学校の様子を知らせる。

   ・学級便りの発行 … 子どもの日常的な様子について知ってもらう。

   ・学校公開 (6月22日~26日)

     23日 : 鳳至オリンピック … 子ども達の元気な姿と6年生の頑張りを

                      見てほしい。

   ・HPの更新

   ・メール配信 … 学校の予定をタイムリーに確認してもらう!!

 

 ④行事は、感染症対策に留意しながら出来るだけ実施する。 

   ・徒歩遠足 … 6月17日(水) = 実施済み

   ・運動会  … 9月12日(土) 於:鳳至小学校グラウンド(晴天)

                      サン・アリーナ(雨天)

   ・宿泊体験学習(6年) … 10月 1日(木)・2日(金) 於:能登少年自然の家

   ・金管鼓笛隊発表(5・6年) … 10月10日(予備日11日) 

                    於:マリンタウン陸上競技場

   ・合唱の集い(5年) … 10月16日(金) 於:文化会館

      ※コロナウイルス感染が輪島市で発症した場合、延期・中止等もあります。

 

(3)その他

   ・熱中症対策   … 状況に応じたマスクの脱着と水分補給の指導

   ・プールでの学習 … 感染予防対策に留意しながら実施

 


 

 

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学校再開に向けたお願い

□ 保護者・地域のみなさまへ

輪島市内の小中学校では、先週の18日から分散登校が再開されました。今週からは分散登校のままではありますが、給食も再開しています。鳳至小学校でも、登校日初日より、朝早くから児童玄関に集まり、7:30の開門を待つ子ども達や、友だちと一緒になってグラウンドや中庭を駆けまわる低学年の集団、校内のあちらこちらで楽しそうに話し込む上級生グループ等が見られました。そして、子ども達の笑顔や明るい声を聞く度に、学校が子ども達にとってかけがえのない場所であることが実感できました。同時に、昨年度からの“コロナ騒動”が、子ども達にたくさんの我慢を強い、ストレスを与えていたこと、子ども達にとって貴重な経験となる儀式や楽しみにしていたイベント、大切な行事の開催を無くしてしまったことを悔しく思いました。子ども達の成長のためには、一生懸命になれることをやりきったという満足感や集中して頑張ることが出来たという達成感が絶対必要です。子ども達が学校に登校できない間、教職員で、通常登校が実現した後は、「子ども達が仲間と力を合わせて目標を達成する活動を削らないこと」、「コロナのせいで何も出来なかったという一年にしないこと」について何度も意思統一しました。現在、学校としては、子ども達への負担を考慮した上でのイベントの準備や、今年度、県の指定を受けたオリンピック・パラリンピック推進事業とタイアップした企画の実施について案を練っています。子どもの思いを訊きながら、知恵を出し合い、子どもが「頑張って良かった」と思える環境を整えることは、学校の役目です。また、その環境を整えるためには、保護者をはじめ地域の皆様に助けて頂かなければ、実現できないことも多々あります。活動や企画の詳細が決定しましたら、お知らせします。いつもお願いばかりですが、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします。

 

□ “鳳至っ子”のみんなへ

6月1日からは通常通りの学校生活にもどります。4月16日から臨時休校が始まったので、新年度に入り学校で活動したのは、登校日を含めても10日足らず。6月からの再開は、まさに、“仕切り直し”となります。そこで、学校生活を再スタートさせるにあたり、みなさんに心がけてほしいことを記します。

①「あいさつ」 と 「あさごはん」

・「おはようございます」、「こんにちは」などのあいさつと「ありがとうございます」が言える。 

 → 自分も周りの人も気持ちがさわやかになります。

・「あさごはん」を食べる。

 → 1日の元気と授業の集中力につながります。
②「いい返事」

 → 自分の中にも相手にも、頑張ろうという気持ちがわいてきます。
③「運動(うんどう)」

 → 健康な体と心をつくるには絶対、必要です。気持ちもすっきりします。
④「笑顔(えがお)」

 → 自分も周りの人も、楽しく、幸せな気分になります。
⑤「おもいやり」

 → 困っている人の気持ちを少しでも温かくしてあげることが出来ます。

  ちょっとした“心がけ”でみんなが、穏やかになったり、お互いをわかり合える素敵な関係になったりすることが出来ます。覚える方法は、それぞれの最初の文字を順に覚えて下さい。生活を良くする「あ・い・う・え・お」です。このことに気をつけて、また、頑張りましょう!!

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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「わたしにできること」

ハチドリのひとしずく

           辻 信一

森が燃えていました

森の 生きものたちは、われ先にとにげて いきました。

でもクリキンディという名の

ハチドリだけは、行ったり来たり。

口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは、

火の上に落していきます。

動物たちがそれを見て、

「そんなことをして、いったい何になるんだ」

と言って笑います。

クリキンディはこう、答えました

「わたしは、わたしにできることをしているだけ。」

          出典・「ハチドリのひとしずく」 光文社刊

 

これは南アメリカの先住民(=インディオ)に伝わるお話です。環境問題を考える際によく使われたお話です。また、2011年3月11日に東北地方の太平洋側を中心に東日本大震災が起こった後は、道徳の授業でもよく使われました。ハチドリというのはその種類によって差はありますが、体長5~10cm、体重2g~20gという非常に小さい鳥です。ハチはその名の通り“蜂(はち)”を表し、花の蜜を主食とします。話しを戻しましょう。クリキンディという名の小さなハチドリは、大きな森が燃え広がろうとする中で、他の生き物たちに笑われても、大切な森を守ろうと、自分が出来る「一滴ずつ水を運ぶ」ことを繰り返します。

さて、今、世界中が、新型コロナウイルス感染症が広がることを防ぐために、様々な我慢をしています。「早く何とかしなければならない」と感じながら、でも「自分一人では何も出来ない」と自信をなくしてしまっている人も少なくないでしょう。そんな時だからこそ、このお話しのクリキンディの姿や言葉に込められた思いを考えてみて欲しいと思います。「自分の力は小さいかもしれないけど、まずは自分が出来ることをしよう」という前向きな気持ちや勇気を持って欲しいと思います。

 ・手洗いやうがい、部屋の空気の入れ換えをこまめにすること。

 ・家族のために、自分が出来るお手伝いを見つけてやること。

 ・学校が休みでも規則正しい生活をして、自分の健康を守ること。

 ・時間をかけてじっくりと本を読んでみること。

 ・兄弟姉妹の手助けをすること。

 ・ニュースや新聞を見て、世の中で何が起こっているのかを知ること。

考えてみれば、その人によって、「自分が出来ること」はいろいろとあるのではないでしょうか?そして、そのことが、自分の不安をなくしたり、休校が終わって、また学校に登校できるようになった時、友だちと協力して生活できる力を強くしてくれたりします。『STAY HOME = スティホーム』が求められますが、家の中でも、自分に出来ることはたくさんあります。今こそ、『鳳至っ子』の頼もしさを見せるときです。

            学校長 山 岸 茂 樹


 

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2020年度の幕開け

 

 新型コロナウイルス騒動で休校が続き、まるで、火が消えたかのようだった鳳至小学校にも、明るい子ども達の

笑い声が聞こえます。そして、朝一番からグラウンドを走り回るたくましい“鳳至っ子”の姿を目にすることもでき

ます。本当に『春が来た』と感じます。4月7日には27名の新入生を迎え、児童202名、教職員28名の総勢

230名による2020年度がスタートしました。

学校には新入生の初々しさとともに、昨年度より一つお兄さん・お姉さんになった在校生のたくましさを感じます。

特に6年生からは学校のリーダーとしての自覚が感じられ、これからの活躍が楽しみになりました。

 

 昨年度、鳳至の子ども達は、「誰かのために協力して頑張る」ことで、結果的に大きな成果を生みだすことが

できたという経験を数多く積みました。2月に行われた「6年生を送る会」はまさにその象徴のような行事でした。

学校生活全般にわたり、自分たちが主体となって活動をすすめなくてはならないという児童の意識は高まっている

と言えます。そこで今年度は、学習面や生活面でさらに「ひとつ前へ」すすむため、児童が協働しながら「考えを

深める・磨き上げる・練り上げる」ことを狙った活動を展開していきます。

 「学習面」

    ・道徳の授業を中心に、答えが一つとは限らない課題について話し合うことで、相手の言うことを

  しっかり聴いたり、自分の考えを恥ずかしがらずに発表したりする態度や姿勢を養います。

    ・コツコツと家庭学習に取り組むことが「わかった」「できた」と感じることにつながる場面を

  増やすことで、学ぶ意欲を育てます。また、高学年を中心に「予習レシピ」に基づき、授業に必要な

  内容について準備する宿題に取り組むことで、学びを深めるとともに、中学校以降の学習に対応

  できる力を育てます。

    ・将来への希望が持てるよう、地域活躍する人たちから学ぶことで、日常の学習意欲を高めること

  ができるよう、キャリア教育の充実を図ります。


    「生活面」

    ・行事や委員会活動では新しい工夫を考えたり、表現力を高めたりすることにより、たくさんの

  方々に感動を与えることをめざします。

    ・メンタルトレーニングを継続し、自分の目標を達成させるためのプラス思考を高めます。

    ・学校行事の中でそれぞれの学年に応じた役割や立場を経験させることで、一人一人の子どもの

  社会性、集団としての協働性を高めていきます。

 ・昨年同様、自分のためだけではなく、誰かのために頑張ることを意識させ、チーム(=団体)と

  して目標を達成しようとする態度を養います。

 

     このような活動を通して、最終的には「創造性豊かで、たくましい人づくり」を目指したいと考えます。

 今の子どもたちが社会人になる頃には、想像がつかないほど社会情勢は変化すると言われていますが、そのような

変化にも対応していくための“学び続ける力”や、“社会に貢献できる人間力”を身につけることが、『自分だけでなく

周りの人たちの幸せ』につながると思われます。このことを念頭に置き、教職員も常に勉強しながら

「ひとつ前へ」進めていきたいと思いますので、地域、保護者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。

                                                         学校長 山 岸  茂 樹

 

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「伝統」と「誇り」

「伝統」と「誇り」

 先日、金管鼓笛隊の引き継ぎ式が行われました。毎年行われるこの式は、鳳至小学校では当たり前のように行われています。しかしながらこの式に臨む殆どの子どもたちや先生方の目は、すごく真剣でした。自然に真剣になることが当たり前になっているのです。
 この当たり前が、鳳至小学校の良き伝統だと思います。
 私が赴任してからの2年間、日々の練習はもちろん、市祭パレードでの子どもたちの姿は、自信に満ちあふれ堂々としたものです。伝統とともに誇りさえ感じます。きっと子どもたちも、保護者の方々も地域の方々も同じように感じていることでしょう。

 創立百年を迎えたある学校から出版された児童の文集から、このような詩と出会いました。

          百周年
 ぼくの学校は、大きな宝物を持っている。
 それは、ほこりと歴史だ。
 ぼくの学校は、明治の初めから、名前も校舎も何回となく変わっている。
 先生も友だちもかわり
 いろいろな道を歩いている。
 百周年と一口にいうとはやい。
 しかし、その中には、いろいろな苦労があったに違いない。
 先生方の苦労、学校を建てたり壊したりする苦労
 いい伝統を残すための先輩の努力
 これらの苦労や努力が集まって一つとなり十となり
 百となって、今の学校を残してくれたと思う。

 この学校のほこりは、ただ古いなどということではない。
 それは、みんなが協力し、努力してきた何かだと思う。

 古いことだけが、誇りではありません。この学校をより良いものにするために、みんなで考えて努力してきたことが伝統となり、そして誇りとなっていくことをこの児童は言いたかったのではないでしょうか。
 鳳至小学校は現在進行形で伝統を築いています。
 その代表的な取り組みは、『3あ運動』です。
 ①あいさつ・・・・・元気の良いあいさつや返事等ができる学校
 ②あきらめない・・・何事にも挑戦し最後まであきらめない学校
 ③あとかたずけ・・・整理整頓はもちろん、自己を振り返り次へとつなげ新しいものを創り出す学校
 日々の授業や行事等教育活動全ての中に、この『3あ運動』を絶えず意識し、鳳至小学校の新しい伝統を築いていきたいと思います。そして子どもたちに鳳至小学校に通って良かったと思えるような誇りを身につけさせていきたいと思います。

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「感動」と「喜び」がいっぱいの二学期に!

「感動」と「喜び」がいっぱいの二学期に! 

 鳳至小学校に、303名の大切な子どもたちが帰ってきました。昨年度同様、大きな事故もなく42日間の夏休みを終え、元気に子どもたちが登校してくれたことを心より喜びたいと思っています。
 猛暑日が続く暑い夏でしたが、三夜踊り、プール開放などたくさんの子どもたちが参加してくれました。中でも、7月27日に行われた、「日中友好交流の集い」では、5.6年生が金管鼓笛を披露してくれました。堂々としたとても凜々しい姿で、パレード本番にも負けないぐらいの演奏は、中国の人たちを感動させるとともに、輪島市に鳳至小ありと思わせるぐらい素敵なものでした。
 今年の夏の話題は、やはりリオオリンピックです。日本選手の姿から多くのことを学び、多くの感動をもらいました。メダルが決まったときの選手の姿を見て涙を流し、負けてしまい悔し涙を流す選手の姿を見てまた涙を流しと、感動の連続でした。
 特に私が印象に残ったのが、「チーム日本」としての意識を持ち、その意識が響き合ってメダル獲得をつなげていったことです。
 柔道男子の全階級メダル獲得。男子体操団体での逆転金メダル。女子レスリングでの残り数秒での大逆転勝利の連続。バトミントン女子ダブルスでの最終セット16対19からの逆転。そして、男子400Mリレーでの快挙。などなど。
 ある選手のインタビューで、「他の選手、他の競技での同じ日本人の最後まであきらめない姿がピンチの時に励みになった。」と話した言葉が代表されるように、「チーム日本」のまとまりの良さが、このように多くの感動を与えてくれたのです。きっと、見ていた私たち以上に、選手たちの方が最高の感動と喜びを味わっていたことでしょう。
 このような感動を、鳳至小学校の子どもたちにも味わってほしいと思っています。感動を味わえば、一まわりも、二まわりも成長できます。また、自分の一生懸命さが周りの人たちに勇気と元気を与え、仲間意識を更に醸成させます。そして仲間の中で感動が共感を呼び、その思いの輪が広がっていくことで、また大きく成長していきます。

 今日から長い2学期が始まります。2学期は、勉強、運動など、たくさんの経験ができる学期です。運動会、宿泊体験学習、マラソン大会など子どもたちを大きく成長させる場がたくさんあります。子どもたちが「目的意識」を持ち、仲間と共に助け合い、支え合い、競い合うことで、リオオリンピックでの日本人選手たちのようにお互いに響き合い「チーム鳳至」の団結力が強まります。そして子どもたちが多くの「感動」を共に味わい、多くの「喜び」を味わうでしょう。その喜びが自信につながりより良い成長へと導いてくれるでしょう。
 
 そのためにも私たちは、一学期以上に「わくわく」「どきどき」する場面を工夫し、子どもたちの意欲をかき立て、多くの「感動」と「喜び」を味わうようにしていきたいと思っています。保護者の皆様も子どもたちの頑張っている姿に対して、成長を促す「誉め言葉(金メダル)」をたくさん与えて下さい。ご協力お願いします。
 一学期同様子どもたちの大きな可能性を信じ、以下の3点をキーワードにし教育活動を見直しながら取り組んでいきたいと思います。 
   ◎ 大きな声で表現し、あいさつできる子どもたちへ!(自信と礼儀)
  ◎  子どもたちに自信を持たせてあげられる場は「授業」!(達成感、満足感)
  ◎ 自分を知り、より良い自分に挑戦する子どもたちへ!(目標、自主性)

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一人一人の成長に拍手とエールを!

                一人一人の成長に拍手とエールを!
                                                                校 長 滝井 陽一
 新しい学年、新しい学級、新しい友だち、新しい担任など、子どもたちにとっては期待と不安が入り交じった4月5日から約3ヶ月半が経ちました。この間、鳳至っ子は確実に一歩一歩成長した姿を見せてくれました。
 市祭での金管鼓隊に臨む姿。鳳至オリンピックでの目標に向かって頑張った姿。今年度は、Aランク達成者が47名と昨年度の32名を大幅に上回りました。昨年度課題であった家庭学習時間も、全学級で目標時間を達成です。バリ勉(自学ノート)提出率も大幅に増え、それ以上に内容が充実してきました。
 保護者の皆様から見た子どもたちの姿はいかがでしたか。もしかしたら学習面や生活面で、なかなか目に見える結果がでなかったと思われるご家庭もあるかもしれません。しかし、子どもたちの成長には、身体の成長や漢字・計算等のように目に見える成長と、目には見えにくい内面的な成長があるのです。この内面的な成長を私たち大人が気づき、認め、誉めてあげることで、次への意欲につながり目に見える成長へと更につながります。
 先日お渡ししました通知表をもとに、お子さんの成長を感じ取り、頑張ったことに関して、大いに認め、誉めてあげてほしいと思います。

 さあ、明日から夏休みのスタートです。普段の学校生活とは違った42日間(登校日等含む)が始まります。
 この夏休みの過ごし方が、夏休み後の成長に大きく影響します。一学期の成長を更にプラスに転じることができるか。また、マイナスの成長を増長してしまうのか。このマイナスの成長を増長させてしまうと、2学期以降の学校生活がつまらないものになってしまう可能性が高まります。そのようにならないためにも、生活のリズムを崩すことなく、計画的に夏休みを過ごせるよう、ご家庭での励ましや声かけをお願いします。

 私たちは、全ての子どもたちが、健康で安全な楽しい夏休みになって欲しいと願っています。そこで、特に次の3つのことを夏休みにできるよう、子どもたちと話し合い頑張れるようエールをお願いします。できれば「こうしなさい。」というだけではなく、「どうすればいいのか。」「何をすべきなのか。」を考えさせ、子どもたちの話に耳を傾けてあげましょう。そして「こうしていきたい。」と自己決定させてあげることが効果的です。

①自分の「いのち」は自分で守る。(交通事故・水難事故・犯罪などには絶対に合わない)
②規則正しい生活をする。(早寝・早起き・朝ご飯の習慣化、決まった時間での学習、SNS機器のルールなど)
③一日一善(お手伝い・地域のルールを守る・元気のよいあいさつ・物を大切にするなど)

 学校の職員は、夏休み中も勤務が割り振られています。夏休み中に2学期の教材準備や研究、運動会などの行事の準備などを行います。また、指導力向上を目的に研修にも取り組みます。さらに全職員で協力し、子どもたちが気持ちよく学校生活が送れるよう、学校の環境美化作業なども行います。きっと始業式には、新しい環境、パワーアップした職員で、大きく成長した303名の素敵な子どもたちを迎えられると思います。
 ぜひ、健康・安全で有意義な夏休みにして下さい。

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「時間」を意識することの大切さ!

                          「時間」を意識することの大切さ!
                                                            校 長  滝井 陽一
 6月10日は「時の記念日」でした。この日は西暦671年 天智天皇の頃、日本で初めて時計(水時計)が作られた日だそうです。「時の記念日」は、「時間を大切にする意識を広める」ために、大正9年に制定されました。
 ある雑誌に、会社の経営者が次のようなことを言っていました。今の世の中、最も貴重な資源は「時間」です。
お金は失っても、また稼ぐことができますが、時間は失ってしまったらそれで最後です。
絶対に同じ時間は取り戻せません。この瞬間も、最初で最後なのです。
 学校は、まさしく時間と向き合う大切な場です。子どもたちは、毎日、時間を知らせる「チャイム」とともに活動します。その「チャイム」は、規則正しい学校生活を送るために必要なものです。しかし、それ以上に子どもたちの成長にとって大切な学びの場、体験の場を確保するための大切なものなのです。子どもたちにとっては、貴重な資源になります。

 本校では、「ベル着」を確実に行うことを大切にしています。つまり「ベル(=チャイム)」とともに授業や活動を開始することを目標にしているのです。そのためには、「チャイム」がなる前に、自分の席で授業等の準備をして静かに待っていなければなりません。そのための「ベル着」なのです。
 なぜ、「チャイム」とともに授業や活動を開始することを大切にしているのでしょう。
 授業は、1限「45分間」で行われます。
 例えば、6年生の国語は、国の定めた1年間の授業時数が175時間(45分間の授業をを175回行う)とされています。もし、「ベル着」ができていなく、いつも5分遅れで授業が開始されたら、いったいどれくらいの時間が無駄になってしまうのでしょう。
 5分間×175=875  
  なんと、875分間(約14.5時間)の時間が無駄になってしまうのです。この無駄は、時間を守れない子だけの問題ではありません。実は、「ベル着」がしっかりできている子がほとんどなのです。つまり、数人が授業に遅れてくることで、待っている子たちの時間までも無駄になってしまうのです。
 これだけの時間でいったいどれだけの学習や経験ができるでしょう。子どもたちの将来を考えますと、貴重な資源が失われ、とてももったいないですね。

 現在鳳至小学校では、ほとんどの学年、学級で「ベル着」が守られています。とても喜ばしいことです。今後も私たちが何気なく考えがちな時間を、子どもたちの成長を支える大切な資源であると捉え、指導・助言を続けていきたいと思います。

 さて、鳳至小学校では、その他時間に関わるきまりやルールがあります。夏休みまでもう1
ヶ月を切りました。貴重な資源を失わないためにも、夏休みまでに今一度お子さんと時間について確認していただければ幸いです。
【鳳至っ子のきまり】
 ①家庭学習の時間 1~2年生20分、3~4年生40分、5~6年生60分 以上
 ②1日に2時間以上テレビを見たり、ゲームをしてはいけません。
 ③LINE等SNSができる携帯機器ゲーム等は、夜9時以降親に預けます。
 ④夜は1~2年生は9時30分、3~4年生は10時、5~6年生は10時30分までに寝ます。

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今一度、子どもたちの生活習慣を見直してみませんか!

今一度、子どもたちの生活習慣を見直してみませんか!
                                                              校 長 滝井 陽一
 文部科学省は、毎年国内の小学校6年生および中学校3年生の全児童・生徒を対象とした「全国学力・学習状況調査」を行っています。学力テストと同時に実施した学習状況調査アンケートの結果から、学習習慣・生活習慣やメディア接触状況と学力との相関関係を明らかにしています。
例えば、ゲームやテレビの視聴時間、携帯電話・スマートフォンの利用時間が短い児童・生徒
ど学力テストの平均正答率が高い傾向が見られるということです。(因果関係は)
 鳳至小学校の子どもたち(6年生)の状況はどうだったのでしょうか。

※H28全国結果は、8月末に公開予定。H28本校結果は、自校集計。
 本校の状況は、昨年度に比べ改善は見られるものの、依然全国平均に比べゲームやテレビの視聴時間、携帯電話・スマートフォンの利用時間が大幅に多いのが現状です。
 その反面、鳳至小学校の子どもたちは、以下の結果からも分かるように「家庭学習時間」が全国平均に比べ増えつつあります。

※H28全国結果は、8月末に公開予定。H28本校結果は、自校集計。
 学習時間の増加はとても嬉しい結果ですが、心配なことがあります。
 テレビ視聴等やゲーム等との関わりの時間が多く、家庭学習の時間も多いことです。もしかしたら、その分睡眠時間が少なくなってきているのか? また、子どもたちの2極化が進んできているのか?今後、分析及び実態調査を進めていく必要があると考えています。
 テレビ視聴やゲームで遊ぶ状態が長く続けば、その他の行動をする時間は少なくなります。それが睡眠の時間か、勉強の時間かまでは個々の事情にもよりますが、いずれにせよ勉強にとってマイナスとなることは間違いありません。また、睡眠時間が減っても生活リズムは乱れ、寝不足で集中力も減退し、学力にはマイナスに作用します。実際、ゲームやインターネットのアクセスの時間を、勉強や睡眠時間など他の時間を削って確保しているとの実態は、多数の他の調査結果からも報告されています。
 ここで言えるのは、以上の調査結果をきっかけに、鳳至小学校の子どもたちの生活習慣を改めて見直してみることではないでしょうか。
 【鳳至っ子のきまり】
 ①1日に2時間以上テレビを見たり、ゲームをしてはいけません。
 ②LINE等SNSができる携帯機器等は、夜9時以降親に預けます。
 ③夜は、1~2年生は9時30分、3~4年生は10時、5~6年生は10時30分までに寝ます。
 ④10日、20日、30日は、ノーゲームデー、読書の日。
 学校全体を通しては、宿題の提出率、バリ勉の内容の充実、予習意識などの向上により、家庭学習の充実度が増してきています。このことをチャンスと捉え、今一度、「鳳至っ子のきまり」を子どもたちと確認し、家庭における時間を上手に使えるようになれないいですね。学校や習い事から帰った後の家庭生活のルーティン化が図られれば、子どもたちの心に余裕が生まれ、豊かな心、確かな学力、健やかな身体につながっていくと思います。ご協力お願いします!
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『家庭学習の充実』は、「学習力」「問題解決能力」を高める!

          『家庭学習の充実』は、「学習力」「問題解決能力」を高める!
                                                         
 「どうして家庭学習は大切なのでしょか?」


 毎年行われている全国学力・学習状況調査において、
 「家庭学習をしている児童は国語、算数ともに正答率が高い。」という結果が出ています。
 つまり家庭で、しっかり宿題や、学校の授業の復習、予習をしている児童は、学校の授業のみで終わっている児童より学習内容が定着していると、この学習状況調査から判断できます。
 このことは、スポーツでも同じことではないでしょうか。本来の部活動等の練習はもちろん、部活動等以外で隙間の時間を作って、自ら進んで地道な練習、努力をしている人は、本来の才能を開花させ県レベル、全国レベルへと成長していきます。
 家庭学習における努力は、地道な反復学習の一つであり、学習に関する子どもたちの才能を開花させるとても大切で必要なことと思います。


 子どもたちは、学校での勉強がよくわかると、勉強好きになります。ところが、学校では、学習内容が多く、授業時間数も限られており、くり返し学習の時間をとりにくいのが現状です。そのため、子どもたちは授業で学習したこともやがて忘れてしまいます。1度や2度学んだだけで、完全に理解することはなかなか難しいのです。
 授業中には「わかったつもり」だったのに、テストになるとできないことが多々あります。つまり、「わかったつもり」と「本当にわかった」ということとは違うのです。


 「聞いたことは忘れ、見たことは覚え、おこなったことは理解する」


 「本当にわかった」というレベルにまで高めるには、学習後すぐに復習し、自分の力でくり返しやってみることが必要です。だから、家庭学習が大切なのです。


 しかし、家庭学習の意義は、これだけではありません。
 子どもたちにとって家庭学習が当たり前になると、学習意欲が増し、「やらされる学習」から「自ら進んでする学習」に変容していきます。そのようになることで、子どもたちに計画性が身に付き、どんなに忙しくても隙間の時間を上手く作り出し学習するようになります。それと同時に集中力も身に付いていきます。つまり「学習力」が高まってくるのです。
 また、解き方の分からない問題にぶつかったとき、この問題に対して、理解できるまで、とことん向き合うようにもなってきます。この「とことん難問に向き合う姿勢」はとても大切で、子どもたちの「問題解決能力」を養うことになります。

 この「学習力」と「問題解決能力」は、子どもたちが大人(社会人)になったときに非常に役に立ちます。
 私たち大人(社会人)は、仕事でも、日々の生活でも、何か問題に直面したときは、自ら考え、ベストな方法見つけ、諸問題に立ち向かって、解決していかざるえないからです。
 だからこそ小学校の学習、特に自ら学ぶ「家庭学習の充実」こそが、「学習力」「問題解決能力」を高めることにつながるのです。そして生涯学び続けるエネルギーにもなっていくのです。
 このことが「どうして家庭学習は大切なのでしょか?」の本当の答えになります。
 
 輪島市では、『輪島市教育大綱』を作成し、この4月より施行されました。今後5年間の輪島市の教育の在り方が書かれています。その中で基本理念が以下のように示されています。

「チャレンジ&レスポンス」の精神に富み、
いかなる困難にもくじけることのない頼もしい人づくり


  「チャレンジ&レスポンス」の精神とは、社会におけるあらゆる困難を「社会からの挑戦」と捉え、その「挑戦」に対し「応戦」していく精神のことです。
 鳳至小学校では、今年度この基本理念に基づくいろいろな取組をしていきますが、まずは「家庭学習の充実」を図ることで、子どもたちが本来もっている才能を開花させ、本校の教育目標である「心身ともに、たのもしい子の育成」を目指していきたいと思います。
 保護者の皆様には、ご理解とご協力をお願いします。


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新年度にあたり!

平成28年度は
    「達成感・満足感」「自信」「目標」「自主性」をキーワードに!
                           校 長 滝井 陽一
  春の爽やかな風とともに、平成28年度がスタートしました。
  本日38名の新1年生を迎え、全校児童302名、全職員31名で本年度の教 育活動を進めてまいります。学年末・春季休業中は本校児童に係る大きな事故も
 なく、ご家庭の安全へのご配慮に感謝申し上げますとともに、お子様が元気にご入学・ご進級を迎えられたことを心よりお喜び申し上げます。
  入学式、始業式での子どもたちの様子は、緊張の中にも目が輝き、希望に満ちあふれ、たくさんの「わくわく」「どきどき」感が伝わってきました。職員一同、
 子どもたちのこの素直な気持ちや思いを一年間大切にしていきたいと強く受け止 めているところです。
  今年度も、昨年同様、学校の教育目標を『心身ともに、たのもしい子の育成』と し、『今日が楽しく明日が待ちどおしい学校 ~「わくわく」「どきどき」「感動」を根
 底に子どもの心に火をつける!~』 を合言葉にして、充実した日々の教育活動が 展開できるように努めていきたいと思います。
  本校の子どもたちは、もっとよくなりたい、もっと高まりたいという向上心を もっています。また、親や先生、友達に認められたいという願いをもっています。
 その思いや願いに応えるためにも、以下のように「達成感」「満足感」の得られる 場面を多く設定し、「目標」をもち、「自信」をもって「自主的」に取り組む子ど
 もたちの育成を重点事項として、学校の教育目標達成を目指していきます。
 
   【平成28年度重点事項】
     ・意欲的に授業・行事等に取り組む子どもたちに(達成感、満足感)
      ・大きな声であいさつし、自分を表現できる子どもたちに(自信) 
         ・自分を知り、より良い自分に挑戦する子どもたちに(目標、自主性)

     
  以上の重点事項に基づく教育活動につきましては、学校・学年だよりの発行、 授業参観・学校公開等の授業、運動会等の学校行事などで積極的に公開してまい
 りますので、お子様の頑張っている様子をぜひご覧ください。また、学級懇談等では、重点事項を基に、担任と保護者が情報交換及び実り多い意見交流を図って
 いただければ幸いです。
   本年度も、大切な302名の子どもたちが「自信と誇りに満ちあふれた鳳至っ子」になるようご協力・ご支援をお願いいたします。私たち自身も、鳳至小学校 は何事も「輪島で一番の小学校」と言われるよう精一杯頑張ります。
 
   [追記]  4月27日(金)に授業参観や学級懇談、PTA総会があります。保護者の皆様方には、改めてご挨拶申し上げたいと思いますので、公私ともお忙し
 い折ではございましょうが、万障繰り合わせの上ご参加くださるようお願いいた します。
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卒業にあたって!

卒業にあたって
                                                      校長 滝井 陽一
 49名の卒業生のみなさん ご卒業おめでとうございます。
 鳳至小学校の中心になり、たくさんの「感動」を与えてくれたみなさんに、心よりお祝い申し上げます。

 さて、4月から輪島中学校の生徒になります。中学生は、もう子どもではありません。でも、大人でもありません。自立した大人になるための準備の時期と思って下さい。小学校と違い、誰かが何かをすべてしてくれるのではありません。自分で考え、行動することで自分を一人前の大人にしていく、そのような輪島中学校での3年間となるのです。

 自分を自立した大人にしていくために、二つのことをお話しします。
 一つ目は「人間としての基本を忘れない」ということです。
 「人間としての基本」とは、社会生活をおくる人間であれば必ず身につけなければならない最低限のことです。
 古い中国の本には、「人間としての基本」の一番目は、「掃除や後片付けがきちんとできること」。そして二番目は、「あいさつや返事などを通して、いろいろな人と上手につきあいができること」、三番目は、「親孝行をすること」、続いて「お年寄りを大事にすること」、「関わってくれた人たちに感謝すること」、そして「友だちと仲良くすること」、と書かれています。
 どうですか。小学校生活の中でも実践してきたことばかりではないですか。是非、中学校三年間でさらに磨きをかけ、自立した大人になるための本物の基本として下さい。

 二つ目は、「夢や目標を持ち、それを実現するための基礎・基本を身に付ける」ということです。
 夢や目標を実現するためには、それらに関係する「基礎・基本」をしっかりと身に付けなければなりません。しかし、これがなかなか難しいのです。「基礎・基本」を身に付けるためには、地味で時にはおもしろ味のないことを、繰り返し繰り返し行わなければならないからです。
 基礎・基本が身につくと、ここぞというときに力を発揮することができます。そして、自分の目指してきた夢や目標が実現できる可能性が高まります。
 「努力する」という言葉がありますが、私は「基礎・基本」の練習から逃げないという意味と解釈しています。この「基礎・基本」を身に付ける大切さを理解し中学校生活を充実したものにして下さい。
 将来みなさんが、立派に自立し、この輪島市の発展に尽くす、素敵な大人になっていることを期待します。

 最後になりましたが、保護者の皆様にお慶びを申し上げます。お子さんは人生において最も多感な時期に入ります。楽しみの多い反面、保護者として悩むことも多いかと存じます。
 しかし、皆様の前向きに生きる姿が、必ずお子さんを勇気づけ、良い方向に向けていきます。お子さんが夢に向かう姿を、どうぞ温かく見守り導き、家庭でも笑顔と感動の花をたくさん咲かせてください。
 これまでいただきましたご厚情に深く感謝いたしますと共に、今後ともよろしくお願い申し上げます。

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継続は力なり!

 三寒四温の合間をぬい、春はもうそこまできています。
 3月5日は、『啓蟄(けいちつ)』でした。啓は「ひらく」、蟄は「土中で冬ごもりしている虫」の意味です。大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃とされています。一雨ごとに気温が上がり、日差しも徐々に暖かくなってくる時季です。
 太平洋側では、早咲きの「河津桜」が暖冬の影響で昨年に比べ1週間ほど早くほぼ満開となったそうです。
 鳳至小学校の校庭の桜は、まだまだつぼみが堅いです。
 桜は春に花が散った後、夏から秋にかけて気温の高いうちに、生長すると花になる芽(花芽)をつくるそうです。その後、冬が始まると休眠し、生長は一旦止まります。さらに気温が下がり真冬になると、厳しい寒さが目覚ましとなり、そこから気温が上がるにつれて一気に生長していきます。そしてつぼみがふくらみ開花するのです。
 桜には、一定期間低温にさらされた後に暖かくならないと、花が咲かない性質があるわけです。つまり、暑い夏を越し、秋を経て厳しい寒さを経験しなければ開花しないのです。厳しさを経験し乗り越えたからこそ、美しい花を咲かせ、私たちに多くの感動を与えてくれるのです。 

 さて鳳至小学校の子どもたちを桜に例えるとどうでしょう?
 今年度は、子どもたちの苦手な部分に光を与えてきました。「宿題」と「作文力」です。
家庭学習の充実を図るために、自主学習ノート(バリ勉ノート)を宿題化しました。また、毎週100文字短作文に条件付きの作文を書いてきました。子どもたちにとっては、「光」ではなく「厳しさ」ですね。
 「宿題」に関しては、スタート時は、なかなか適応できなく各担任から厳しく指導を受けていた子どもたちがいましたが、諦めずに進めていったところ、一冊、二冊、三冊と自学ノートの提出者が増え、各学年とも昨年度の3倍の冊数となりました。また他の宿題提出率も上昇し、家庭学習時間が大幅に向上してきました。 
 「作文力」に関しては、毎週コツコツと取り組み、年間一人50枚以上にもなっています。「作文を書くのがいやだ。」「何を書いていいのか分からない。」など取り組みにマイナスの意識を持っていた子どもたちが、今では短時間で条件を上手く適応させながら短作文を仕上げられるようになってきました。輪島市の学力調査でも記述式の問題の無解答率が大幅に減ってきました。
 これらの厳しさを経験し、諦めずに頑張ってきたことで、「自信」という成長すると花になる芽がたくさん育ちつつあります。(桜では「花芽」)
 まだまだ子どもたちの「開花」にまで至っていませんが、私たち大人の温かい励ましと認め(春の暖かさ)が「本当の自分」(桜)という花をたくさん咲かせることにつながると信じています。
 「継続は力なり」という言葉がありますが、来年度も粘り強く諦めないで取り組んできた
いと思います。
 卒業式まで残り一週間となりました。また、今年度も残りわずかとなりました。進学・進級に向けて一人一人の子どもたちが、成長した自分を感じ取り、さらに自分を支えてくれた
多くの方々への感謝の気持ちを忘れないよう充実した日々にしていきたいと思っています。

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