日誌

2014年2月の記事一覧

木から降りるとき(2月)

 中学生だった頃、国語の古典で勉強した教材でずっと心に残っている話があります。
「高名の木登り」という話ですが、簡単にまとめると次のような感じになります。
 木登り名人と評判だった男が、弟子に木の枝を切らせました。高い危険な所では何も注意せず、あと少しという所まで降りてきた時に初めて、「気をつけなさい。」と声をかけます。弟子は「このぐらいの高さであれば飛び降りることもできるでしょうに、どうしてそのようなことを言ったのですか?」と尋ねました。名人は、「目もくらむような高い所では、誰でも最大限の注意をする。しかし、危険なのは一見簡単に見える所で、失敗は必ずそういう所で起きる。」というような話をしたそうです。
 年度末になるとこの話を勝手に解釈して、「仕事は仕上げやまとめが大切だから気を抜くな」と言い聞かせています。
 学校は、毎年4月から3月までの1年勝負です。去年の4月から始まったいろいろな学習活動や学級での生活もいよいよまとめの時期となりました。残された1ヶ月は短いけれども次の学年に進むた
めの大事な時期です。この時期を有効に過ごしてこそ、次によいスタートができます。
 そのために、学校では次年度に向け、鳳至小の学力調査結果を分析し指導法を考えたり、本年度の教育課程の確認や改善点がないか検証を行っています。
 各学級でも3月末まで油断することなく、緊張感を持って、学習面と生活面でベストの状態で次の学年に子ども達を送り出せるよう努力をしています。

 このような大切な時期だけに、保護者の皆様にお願いしたいことが2点あります。この2点はずっと大切なことなのですが、特にこの時期に緩みが見られる傾向があります。
  ①時間を大切にしてほしいこと。
   ・低学年(9時30分) 中学年(10時) 高学年(10時30分)までに必ず寝させてく    ださい。
   ・一日のテレビとゲーム時間はあわせて最大2時間までです。(パソコンも含む)
  ②忘れ物をさせない。
   ・授業で必要な道具はもちろんですが、宿題や提出物も同じです。
 
 学校では繰り返し指導していることです。各ご家庭でも一緒になって出来るまでやりませんか。
これが徹底できれば学校での学習や生活で大きな成果がでます。どうか家庭での指導をお願いします。

                                                                校 長   高 野  勝

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「蟻の一穴」にこだわる(1月)

 先日、蒔絵組合の方々のご指導により、5年生が親子で輪島塗のパネルを製作いたしました。
とても素晴らしい仕上がりで、一生の宝物として飾っておけるような作品でした。
 校長室で蒔絵組合の方々から子ども達の学習態度がよかったという話を聞いている時、いつものように「校長先生、さようなら」と子ども達が校長室のドアを開けました。それは校長室にだけではなく、職員室や事務室にも同じです。
 蒔絵組合の方々は、その子ども達に感心しながら「おはようございますとありがとうが言えればいつ社会に入っても通用するわ」と話をされました。まさにその通りだと思うのです。
 学校や組織は、勉強や仕事ができる(スキル)ことを求めますが、実はそれより人格(徳)やコミュニケーションの部分がはるかに重要であり求められているのです。「To do goodよりもTo be goodのほうがより大事である」というのは経済学者のケインズの言葉です。
 うれしい話だけではなく、昨日(23日)の昼休みに緊急の全校集会がありました。
緊急の内容は、体育館の床に食べたガムが捨ててあったからです。たった一つ落ちていたガムのために遊んでいた子ども達を緊急放送で体育館に集めました。帰りの会での学級指導ではなく、緊急全校集会にしたのは以下の点からです。
  ・たった一つのガムでも危機感を持って対応しなければ少しずつ崩れていく。
  ・ダメなことは、教職員全員が同じスタンスで厳しく指導をしていく。
 ガムくらいとかうちの子は関係ないと思うかもしれませんが、学校全体の規律や雰囲気は「蟻の一穴」から壊れるのです。(大きな堤でも蟻の小さな一穴で崩壊してしまう)
 これくらいはいいとハードルを下げ始めると、限りなくハードルを下げざる得なくなります。そうなった時、生徒指導と学習は両輪ですから、勉強もわからなくなります。各教室を回ってみると、どの子も一生懸命にわかろうと努力しています。それは学習規律と生徒指導の上に成り立っています。
 3学期は仕上げの学期であり、基本的なこと(ベル着 忘れ物 学習規律 言葉遣い)などを再確認しながら、4月からの成長を感じて次の学年へ送りたいと職員一同取り組んでいます。
 各ご家庭でも基本的なこと(寝る時間 ゲームやテレビの時間)などを一緒に取り組んでくださるようお願いします。 
                                                                  校長 高野 勝
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夢、そして可能性を求める!(12月)

 言い古された言葉ですが、子どもの可能性は無限にあると言われています。
しかし、実際に子どもが持っている無限大の可能性について考えたり、または夢を持たせたり実現させるために育てているでしょうか。子どもは子どもだけの力ではその可能性に気がつかないし、育っていかないのです。
 東京の子も輪島の子も金沢の子も同じ可能性を持っています。勉強、スポーツ、そして将来への夢、その一つ一つが誰に対しても同じように与えられているのです。

 24日に、第42回県ミニバスケットボール大会の準決勝と決勝があり、輪島レッドイーグルスが優勝しました。決勝では辰口と対戦して、前半の9点差をキープして32対23で勝利しました。輪島のミニバスは勝つのが当たり前で、むしろ負けたらどうしたんだと言われそうな感じがあります。果たして、そうでしょうか?
 どんなスポーツでも強豪校だと部員数が100人以上いるとつい思いがちですが、現在のレッドイーグルスの部員数は小学校1年生から6年生まで全員で約25名しかいません。(そのうち、鳳至小学校の児童は14名)
 決勝の相手チーム(辰口)の部員数はわかりませんが、学校規模は700人近い大規模校です。また単独チームではなく近辺の学校からも部員を集めていると聞いています。
 それだけに、わずか25名のチームが石川県で一番になるということは、並大抵はことではないと思います。しかし、この優勝は都会であろうと田舎であろうと人数がどうであろうとやればできるということを証明しているのです。

  ミニバスも設立時は、石川県で優勝したいという夢から始まったはずです。もし、その夢がなかったとしたら、決して今のように強くはならなかったはずです。
 子どもの可能性を伸ばすためには、まず将来に向けての夢を持たなければなりません。
その夢が、大人から見て小さな夢だとしても荒唐無稽な大きな夢であってもかまわないのです。子どもなので、その時々変わるかもしれませんが、それでいいと思うのです。
 単に勉強しろとか真面目に生活しなさいでは共感も説得力もありません。子どもの将来にむけて、共通の話題を持ちながらコミュニケーションしたり、夢の実現に向かってどうすればよいか考えれば、自ずと大切なものが見えてくるはずです。子どもが将来への夢と親の子どもへの希望があってはじめて、どのように学んでいくかわかるのではないでしょうか。勉強でもスポーツでもいいのです。
 江戸時代の終わり頃の教育者(思想家)で、吉田松陰という人物がいます。幕府に反対したことで30歳で刑死しましたが、その教えは伊藤博文や高杉晋作などに大きな影響を与えました。
 その吉田松陰がこのような言葉を残しています。
 「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし。」

 鳳至小学校で学んでいることに誇りと自信を持ち、そして、輪島という地域を愛しながら、夢の実現を目指して努力して欲しいと願っています。

                                  校長 高野 勝

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黄色信号の言葉?(11月)

 子どもと何かを話している時または子どもに何かを注意した時、子どもの口から「でも」の一言がありませんか?  例えばこんな会話です。
  「夜遅くまで、ゲームをやってたらダメじゃない!」
  「でも、ぼくだけじゃないもん。みんなやっているから」
 この「でも」という言葉がいろんな場面で子どもの口から聞こえるようになると黄色信号です。なぜならば、親や教員などの注意やアドバイス受け入れず、自分のことを正当化するときに使いがちな言葉だからです。
 「でも」と言った瞬間に、それまでの話はすべて無になったと思って下さい。その言葉を言った時の心は、自分の行動を反省しないで言い訳をして逃げてしまっているのです。

 それでは、「でも」を言いながら育つとどうなるでしょうか。
他人からの話に耳を貸さない子になっているだけではなく、自分の正当性ばかりを主張する人間になっているはずです。そして、「でも」の次に出てくる言葉は「どうせ」です。
  「ゲームばかりしないで勉強をしたらどうなの。勉強がわからなくなるわよ。」
  「どうせ、もう勉強わからないしやる気がないし、それでいいもん。」
 「どうせ」が出てくると人の話を聞かないだけでなく、自分自身を否定して心を閉ざそうとしています。
言い訳もしないけれども他人の話に耳も傾けないのです。そう言いながらも子どもは不安になり迷っている状態なのです。

 「でも」とか「どうせ」をよく耳にするようになったらどうしたらよいでしょうか。
はっきり言えることは一方的に叱ってはならないのです。子どもが自己否定をしている状態にさらに追い打ちをかけるのと同じです。子どもの心を無視して叱っても効きません。
 「でも」と言う言葉を耳にした時は叱らないで、子どもが自分自身を振り返れるような会話をして下さい。
先月、グリップ力という言葉を学校便りに書きましたが、ただ叱るだけでは子どもの心は離れていくだけなのです。子どもを認めながら褒めながら、しっかりと話を聞くことで子どもとのグリップ力が強くなります。
 「でも」とか「どうせ」という言葉を使わせないためには、子どもの何かを認めたり、よい点や得意なことを見つけて褒めることを繰り返すことが大切です。それを続けることで子どもに自信がついて、「でも」とか「どうせ」という否定的な言葉を言わなくなります。

 お子さんとの会話に気をつけながら、どうか下記のことを各家庭でお願いいたします。
○宿題だけでなく、家庭で自由勉強と読書をさせてください。低20分以上 中40分以上 高60分以上
 ○テレビやゲームの時間を決めて下さい。 どんなに遅くても夜10時までには布団の中へ
 
                                      鳳至小学校長  高野 勝
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グリップ力?!(10月)

 グリップ(Grip)とは「握る、つかむ」を意味する言葉です。
自動車のタイヤのグリップ力がなくなるとなかなか車は止まってくれません。また、アクセルを踏んでも空回りをするだけです。エンジンもブレーキはもちろん大切ですが、その性能を生かすためのタイヤのグリップ力を忘れてはなりません。

 このようにグリップと聞くとすぐに自動車を思い出しますが、実は学校でも家庭でも目には見えませんがグリップ力があり、大きな影響を与えてるのです。
 子どもを怒ったり注意することは車でいえばブレーキですし、ほめることはアクセルにあたります。もし、子どもとの関係においてグリップ力がなかったら、どれだけ大声で注意してもほめても効果はあらわれないのです。
 グリップ力とは子どもの心をどれだけつかんでいるかです。グリップ力があると一言の注意ですぐに聞きますし、グリップ力がなかったらどれだけ大声で怒鳴っても顔を横に向けているだけかもしれません。子どもに対してどれだけのグリップ力があるかによって、教育や子育ての影響力が決まると思うのです。

 どうしたらグリップ力がつくかは、一人一人の個性も影響しますから一概には言えませんが、少なくとも怒るだけであったり、甘やかすだけであってはどちらもマイナスにしかなりません。
 怒るだけや甘やかしすぎは負の連鎖にしか過ぎないからです。そこには教育はありませんし、いつかグリップ力がゼロになる瞬間がやってきます。
 学校でも家庭でも子どもを育てることは、グリップ力であることを意識し普段からグリップ力をつけるようにしながら、子どもと接したり見ていくことが重要なのです。

 4月からスタートして、もう6ヶ月がたちました。そこで、学校と家庭で同じ方向を向きながら協力していくこともグリップ力になると考え、各家庭での子育てに関して三つのことをお願いします。
 もちろん、学校でも同じように指導し重要視しているものです。
                   
〈学習に関して〉○宿題の他に家庭学習や読書をたくさんさせる。
                                  
〈生活に関して〉○決められた時間以降はテレビやゲームをやめてしっかり寝る。
〈友達関係に関して〉○夜LINEやスマホ等はしない。(夜は取り上げるなど)
                            
                   
 この3つの取り組みは、学校と家庭が歩調を合わせれば決して難しいことではありません。来年の3月までに右肩上がりに教育を向上させていくためには大切な取り組みです。よろしくお願いします。

                                                                校 長  高野 勝

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学校を支えているのは?!(9月)

 夏休み中に、耐震工事にかかる教室移転作業、親子三夜踊り、資源物回収、AED講習会、毎日のプール当番等々、保護者の方々にお願いすることが多々ありました。
 いくら学校のためとはいえ、休みの日の作業や平日の当番等は大変だったかと思います。職員一同、心からありがたく思っています。また、保護者の方々の期待に応えたいという気持ちで一杯です。
 学校が活力を持ったり、勉強でも生徒指導でもより効果をあげるためには、保護者や地域との協力(信頼)関係が最も大切です。学校と家庭との連携が大事だとよく言われてますが、文書による一方通行だけでは、本当の情報共有も連携もありません。
 最も大切なことは、お互いの顔を見て何かを話し合うことだと思います。何かあったときではなく、日常から顔を見て挨拶ができる関係だと思うのです。そうした意味で、鳳至の保護者のみなさんは学校との連携(交流)がよくできていると感じています。保護者の皆さんに何かをお願いしたら、快く引き受けてくれるのはもちろんですが、学校の廊下や運動場、奉仕作業や授業の間などに、教職員と情報交換をしている姿もよく見かけます。
 これからも、保護者の方々にいろんなお願いをしたり、情報をお知らせしますので、学校に顔を出したり、学校に対してもいろんな意見をお聞かせください。学校と保護者が車の両輪となることが、よい教育を行う条件だと思います。保護者のみなさん、学校に顔を出して、職員に対して思っていることを気軽に話してください。校長室にも遠慮なく顔を出してください。お待ちしています。

 いよいよ2学期が始まります。
1学期は学習を支える基礎的な部分(学習規律や学習習慣)について重点的に取り組み、その形はできたと見ています。9月からは、その基礎の部分を土台として、さらに向上させるための大切な時期ととらえています。現状維持を思ったときから後退が始まっているのです。
 さらに向上するために、今の状況に甘んずることなく、守りに入ることなく、子どもたちがよりよくなるためには、何が必要でどんな取り組みをしなければならないか、教職員全体で確認しながら取り組みたいと考えています。現在、学校ではそのことについて検討と協議を行っています。

   職員一同、二学期が始まった! さぁやるぞと言う気持ちで行きます!
                                                       校 長   高野 勝

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