日誌

2022年1月の記事一覧

“とことん学ぶ”ことを体験させる

1月11日(火)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあうこともなく、183名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。しかし、オミクロン株の発生により、(1月19日現在)、日本全体でコロナウイルス感染者が4万人を超え、さらに拡大する傾向にあります。オミクロン株は、従来のウイルスに比べ、その症状に喉の痛みや鼻水を訴える割合が多くなっています。また、空気感染の傾向が強いこと、若者に感染者が多いことも言われています。学校としては、これまでの手洗い・消毒・マスクの着用はもちろんのこと、更には、換気から“通気”に意識を変えて対応していきます。また、今年は1月20日が「大寒(1年の中で最も寒さが厳しい時期)」ですが、その前後は、寒波が日本列島を覆い、気温も冷え込み雪の降る日が続きました。そんな中、子ども達の登下校を助けて頂いている見守り隊の方々や歩道の除雪をして頂いた地域の皆様に心より感謝申し上げます。

 さて、3学期が始まり、2年生は、今後、あらゆる場面で活用される『九九』の暗唱に一生懸命取り組んでいます。他の学年も同じように、次の学年・次のステージに向けた勉強に力を入れています。ところで、『勉強する意味』とは何でしょうか。子どもからは「頭が良くなりたいから」とか「いい点数をとりたいから」といった答えが返ってきそうです。しかし、子どもをサポートする私たち大人は、それだけではないと、子ども達に気づかせていかなくてはなりません。ICT(情報通信産業)やAI(人口知能)の発達が加速化する現代、「今の子ども達が大人になる頃には、予測できないほど激しく時代は変化しているだろう。そしてその変化の中で、現在、人間が行っている職業の半分以上は機械化されてしまう。」とよく言われます。そして、この言葉に対し、先の見えない不安を感じている方も多いかもしれません。しかし、先が見えないからこそ、時代の流れを見極め、自分のアイディアで新しい仕事を開発しようとする意思を備える人間、より良い人生を切り拓いていく醍醐味や楽しさを味わえる人間を育てなければならないと考えます。一方、地元に住んでも、「自分が目指しているような仕事、本人の良さをいかす仕事を見つけられないのでは」とか、「仕事がない」と感じている中高生も多いのではないでしょうか。では、どうして地元には自分をいかす仕事がないと考えてしまうのでしょう。その原因として、自分をいかす職業を、「今、在る職業」の中から見つけようとしているためとは考えられないでしょうか。しかし、前述した通り、今ある職業の半分以上が無くなると予想されているのです。とすれば、自分の可能性をいかすべく、新しい仕事を開拓しようとする意欲や展望を育てる必要(=将来を展望する力を育むキャリア教育の必要)があります。また、発達途上の子ども達にとっては、自分のアイディアを実現させるための工夫や粘り強さ等、知恵と態度の両面からの基盤づくりも欠かせません。失敗しても、また、学習して新たな方法を生み出すたくましさも必要です。つまり、より良い人生を切り拓くため、とことん“学ぶ体験”を重ね、学び続ける意欲を身につけることが必要ということです。そして、その経験こそが自身の生き方を築く原動力となります。是非、ご家庭でも展望が開けるよう、将来について、親子で話し合う機会を増やすことをお願いします。

 2022年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。今年度も、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

 学校長 山 岸  茂 樹

0