日誌

校長室便り

6年生のみなさん ご卒業おめでとうございます(卒業式式辞)

平成二十九年四月五日に、この体育館で入学の呼名を受けてから卒業証書を手にした今日まで、数えること、実に二千百七十三日。一日一日を確実に積み上げ、無事、小学校の教育課程を修了された三十四名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

卒業生のみなさん、私がこの鳳至小学校に赴任したのは、皆さんが三生の学習を始めるころでした。今となってしまえば、『黒歴史』と言えますが、わずかの間とはいえ、学ぶルールがおろそかになってしまった時期がありました。教室を落ち着かせるため、保護者のみなさんに授業入っていただきもしました。それでも、自分たちのあるべき姿を見つめ直し、それを一つ一つ行動に表していくようになると、2学期には集団のルールを意識した生活を取り戻すことができました。四年生の運動会のころには、下の学年の手本となれるよう努力を惜しまない集団になりました。五年生になり、学校の代表としての活動が増えると、アイディアの豊富さや気配りの良さといった皆さんの長所が様々な場面で発揮されるようになりました。中でも、それぞれの学年が戸惑うことなく感謝の気持ちを伝えることができた「六年生を送る会」の運営は見事なものでした。

そして、最上級生となった今年度。四月六日の入学式準備以降、どの場面を切り取ってみても、頼もしく、そして甲斐甲斐しく、学校のために力を尽くすみなさんの姿を思い出すことができます。

三年ぶりに行われた輪島市民祭りでは、マリンタウンでの発表の前に学校から漁協までパレードをし、マリンタウンでの発表が終わったら、今度は新橋通から学校までをパレードしました。途中、休憩や待ち時間を挟みはしますが、この行程は昨年の倍の六時間に及ぶものであり、体力的にもメンタルの面でも、キツくなることが予想されました。しかし、当日は、終始、ハツラツとしたパフォーマンスを見せてくれる皆さんの姿がありました。演奏はもちろんのこと、手足の上げ下げや位置にまで気を配ったドリルや行進は、見る者を感動させてくれました。休み時間や放課後も使って自主練するなど、ひたむきに金管鼓隊に取り組む六年生の意識の高さ、よりよい発表にするためのアイディアを出し合い、質を高めていこうとする六年生の粘り強さがあったからこその感動でした。

運動会では、EXダンスと応援合戦の見直しを手がけてもらいました。元気さや躍動感を引き出すために採用したEXダンスでは、六年生が率先して声出すことで、運動会のスタートから活気に満ちた雰囲気をつくることができました。応援合戦では、しばらく途絶えていた、六年生応援団のメンバーが、演じるパフォーマンスの内容を考え下級生に指導するという、良き伝統を復活させてくれました。それぞれの団が一体となり、意気込みや相手との違いをアピールしようと工夫を凝らす様子は、観る者の心を楽しく、そして、熱くしてくれました。運動会全体で見ても児童全員が楽しむことができる一日にしたいという六年生の想いの強さに引っ張られ、どの学年もその良さを表現した競技や演技ばかりでした。六年生ってすごいなと心の底から思いました。

活躍は行事ばかりではありません。今年度は石川県道徳教育推進事業の研究発表会が本校で開かれ、輪島市内を中心に多くの先生方が皆さんの授業の様子を見ていかれました。その先生方が共通して話されたのが、皆さんの話し合う雰囲気の良さと、内容の深さです。コミュニケーション力という言葉がよく使われます。これは単に自分の思いを述べることだけではありません。言葉だけでなくその様子にも注意を払い、相手の思いを読み取ろうとすることまでをも求めています。皆さんが授業中に見せるコミュニケーション力の高さは特筆すべき素晴らしさです。学校でも、皆さんの発言の仕方やグループでの話し合いの姿を、下級生の学びの中にも取り入れようと学習参観を行いました。参観後の下級生からは、自分たちの授業に取り入れたいポイントがたくさん挙げられています。

 私が知る4年間だけでも、ものすごく成長しているのがわかります。そして、この1年、素晴らしい活躍だったと振り返ることができます。では、皆さんが成長し活躍できたその要因はどこにあったのでしょうか?

私は皆さんの成長と活躍の背景に、皆さんの持つ“素直さ”と“進取の精神”があると思っています。自分を向上させるためには、自分自身を客観的に捉え、改善のためのアドバイスには素直に耳を傾けようとする態度が必要です。また、自分をレベルアップさせるためには、難しいと思えることでも取り入れ 自分の力に変えようとする“進取の精神”、言い換えれば、チャレンジ精神も必要となります。

卒業生の皆さんは、幾度となく、困難を自分たちの手で乗り切ってきました。そして、そこには、状況を素直に見つめ直し、解決の手がかりがひらめくと、少々ハードルが高くても協力してやりきる姿がありました。皆さんには素直さと強いチャレンジ精神が宿っています。だから、中学校以降の学びでも、勇気をもって前に進んでください。

一方、卒業生のみなさんがその素直さと進取の精神を身につける環境を作ってくれたのは、皆さんのご家族であり、地域の皆様、鳳至の風土、今までに出会った先生方であることも振り返ることができると思います。だからこそ、皆さんを育ててくれたあらゆる人や機会に、感謝を忘れないでください。そして、今度は、皆さん自身の力で、新しくできる友人や家族、仲間が、皆さんとともに成長できる環境を整えていってください

 保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。凛凛しく健やかに成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。ただ、まだまだ、子どもたちには、皆様のお力添えが必要なことは言うまでもありません。子どもたちが良き社会人となるまで、今後も、見守っていただくことを重ねてお願い申し上げます。

結びに、

人は、『夢』を実現させようと努力を繰り返す中で、『自由』という言葉の本当の意味を知ることになります。そして、『夢』に向かって進もうとすればするほど、「感謝」・「挨拶」・「笑顔」の大切さを学びます。誰かのせいにしたり、出来ない言い訳ばかりならべたところで、「良くなること」は一つもありません。卒業生の皆さん一人一人が、自分自身と社会を誠実に見つめ、解決のための一歩を踏み出せる大人へと成長されることを願いまして、式辞と致します。

  令和五年 三月十七日  輪島市立鳳至小学校  校長 山岸茂樹

 

 

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菜虫化蝶(なむしちょうとなる)

2月もあと2日となりました。今は二十四節季でいうと「雨水」のころとなります。空から降るものが雪から雨に変わり、雪が溶け始めるころ、やさしく照らす春の陽光に薄緑に色づく草木が見られるころ、土の中や木々の枝から新しい命が芽生えるころとされます。実際、まだ、凍るような朝はありますが、長くは続かず、時折、やわらかな陽がさすことも増えてきました。子どもたちのようすを見ていても、今までの物足りなさをとりもどすかのように、雨の合間を探っては運動場でボールを追う姿、ブランコで風をきる姿が増えています。

 冒頭に触れた二十四節季では、この後、「啓蟄(けいちつ)」、「春分(しゅんぶん)」と続きます。「啓蟄」は土の中で冬ごもりをしていた虫たちが目覚めるころ、「春分」は自然をたたえ、生物を慈しむ日であり、また、昔から、多くの出会いや別れがあり、新生活の始まりなど変化がおこるころとされています。

 3月に入ると第一週から公立高校、中旬以降は中学校・小学校と本格的な卒業式シーズンとなります。さて、この「卒業」ですが、学生にとって卒業は一つの節目(区切り)ではありますが、終わり(ゴール)ではありません。それまでの学びや生活に一区切りをつけて、今度は別の学びや生活がはじまる、その節目です。今までの学びをより確実なものとし、これからの学びに向かおうとする意識が強まる時期となります。実際、鳳至小においても、どの教科でもこの1年の学習が次の学年の学びに少しでもつながるよう、弱点の補強に努めています。また、「六年生を送る会」や「卒業式」等の準備を利用して、今年一年で培った、目標を共有しそれに向けて力を合わせる力や想いを行動に表す力を、再確認しようとしています。このことは、先人が「雨水」のころになると、雨の降る様子からその年の農業の準備をしたとういうことに似ているような気がします。

 第五十二回の卒業証書授与式が挙行される3月17日(金)は「啓蟄の末候:菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」にあたります。厳しい冬を越したさなぎが蝶へと生まれ変わるころという意味ですが、春となり命あるもの全てが、いきいきと光り輝くことをも表しています。一人一人の児童が、時間をかけ、次につなげるべく積み上げてきた学びにより、光を放つことができるよう、職員一同、気を引き締めて子どもたちをサポートしていきます。

保護者、地域の皆様におかれましては、本校の教育活動に、変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いします。

 

二十四節季(にじゅうしせっき)

  夏至と冬至、春分と秋分を基点として、太陽の動きをもと1年間を24等分し

  たもので、それぞれが約15日間。

七十二候(しちじゅうにこう)

  二十四節季をさらに「初候」「次候」「末候」に3等分した5日間を表した

  暦。農業や漁業、日々の生活の目安とされる。

               学校長 山岸茂樹

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夢や目標を現実にかえるために

1月10日(火)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあうこともなく、164名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。ここ数年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大が取りざたされてきましたが、昨年末からは各地でインフルエンザの発症も報告されています。今年に入って、1月17日には石川県でも3年ぶりにインフルエンザ(集団風邪)で金沢市と白山市の小学校で学級閉鎖の措置がとられたことがニュースで伝えられました。本校でも1年生の3割の児童がインフルエンザに罹患し、19日の午後と20日全日を学級閉鎖としました。新型コロナウイルス感染症との同時流行も懸念され、学校としては、これまでの手洗い・消毒・マスクの着用はもちろんのこと、“通気”にも注意を払い対応していきますので、ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。

 さて、「一年の計は元旦にあり」という諺(ことわざ)があるように、「その年のことは、年の初めの元旦に計画を立てて行うべきである(=物事は初めが大事、しかもしっかりした計画のもと、着実に行えということ) … コトバンクより引用」といわれます。しかし、この諺は、どちらかというと、「年頭に今年は何をするか、目標を定め決意を新たにすること」ばかりが意識され、着実に行っていく(実際に行動を積み重ねていく)ことは忘れられているような気がします。論語にも似たような一文がでてきます。以下にその一文とそれについて岐阜県にある医療法人かがやき総合在宅医療クリニックでプロデュサーとして在宅医療の普及啓発活動を行う ひらたせつこ さんの書いたエッセイ的な解釈を紹介します。

君子欲訥於言 而敏於行

【読み方】

 君子は言(げん)に訥(とつ)にして、行いに敏(びん)ならんことを欲す

【意味】

 優れた人は思いを口にすることが苦手でも、迅速に行動したいと望むものだ。

夢を実現する人

 

 大きな夢を語るリーダーが注目を浴びるけれど語るだけでは何も変わらない。

 変えることができる人は、動く人。

 

 立派な目標をつくっても実際に誰かが動き出さなければそれは幻に過ぎない。

 

 幻を実現するためには最初に動き出す人が必要だ。

 すぐに試してみる。

 すぐに行ってみる。

 すぐに頼んで見る。

 すぐに片付ける。

 すぐにお礼を言う。

 

 ひとつひとつは小さな行動かもしれない。

 けれどもそうして具体的に動き出す人こそが

 幻のようだった夢を現実に変える力を持つ。

  引用文献 『超訳 論語 自分の「器」を磨く』 監修 野村茂夫   

       文 ひらたせつこ  リベラル文庫

 

子ども達には、夢や目標を抱き、その実現に向け、行動を起こすことができる人となることを願います。行動も起こさず「自分にはできない」と簡単に諦めてしまうのではなく、真剣に夢や目標と向き合い、努力を続ける人になってほしいと願います。

2023年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。                        学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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『認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していく』態度の育成

2022年もあと数日で終わろうとしています。今年はコロナ問題を引きずりながらも、北京冬季オリンピック・パラリンピックで活躍する日本選手団の奮闘に一喜一憂したスタートでした。しかし、その感動も冷め切らない2月24日、ロシア軍がウクライナ侵攻を始めたときは、第3次世界大戦に拡大しないかと不安になりました。ロシア軍による侵攻は、かろうじて拡大こそしていませんが、未だに解決の兆しが見えないため不安は消えません。また、ウクライナもロシアも食料やエネルギー資源の輸出国であり、その価格の高騰が世界の経済や金融を混乱させていることも心配です。一方、11月に入ってカタールで開催されたFIFAワールドカップでは日本、韓国、オーストラリアのアジア勢3国の決勝トーナメントベスト16に進出や、モロッコやチュニジア、カメルーンのアフリカ勢によるジャイアントキリングなど、おおいに盛り上がりました。特に日本はワールドカップで優勝も経験しているドイツやスペインといった強国に勝っての進出であることに加え、試合後の選手・森保監督をはじめとするスタッフやサポーターのマナーの良さが世界各国のメディアから称賛されたことで、清々しい気持ちになりました。ただ、ドイツに勝った時には、“ドーハの歓喜”とはやし立てて選手や監督を褒め讃え、コスタリカ戦で敗れたときには聴くに堪えないような言葉も用いて酷評し、スペインに勝った時にはまた、選手や監督を持ち上げる。その様子を揶揄する『掌返し(てのひらがえし)』という言葉もはやりましたが、コスタリカに負けたときには、“批判”というレベルではなく、“誹謗中傷”としかとれないコメントが数多く拡散され、一生懸命にプレーしている選手や監督が気の毒で、残念な気持ちになりました。

 閑話休題。12月10日は「世界人権デー(Human Rights Day)」に定められています。日本でも、その日を最終日とする1週間を人権週間と定め、全国的に人権啓発活動を強化する取組がすすめられています。近代的な人権の考え方が芽生えたのは17世紀後半のイギリスであり、1789年のフランス人権宣言を経て、19世紀から20世紀前半にかけて欧米で人権宣言を含む憲法をつくる国がでてきました。しかし、実際は、それらの憲法でも、人権はその国の一部の人々の権利を保障するものでしかありませんでした。それを証明するかのように、自国民の生き残りのために他国に戦争をしかけたり宗教的解釈のズレから国内の少数民族を虐殺したりと、20世紀半ばになっても人権は踏みにじられ、多くの人々の命が奪われました。第二次世界大戦後、国際連合が結成される中、そこに参加した各国の代表が、人権の侵害を放置したことが虐殺や戦争につながったことを認め、世界の平和と安全を守るためにも各国が協力して人権を守る努力をしなければならないとして、1948年12月10日に国際連合の総会で『世界人権宣言』が採択されました。以上が「世界人権デー」の由来です。

先述したロシア軍によるウクライナ侵攻は、ウクライナの人々に対するプーチン政権による重大な人権侵害行為です。また、ロシア兵にしてみても自分の生きる権利を危険にさらして戦っており、人権が侵害されてることは変わりません。サッカーでみられた“誹謗中傷”も選手や監督にとっては謂われのない人権侵害です。

 鳳至小学校では、各クラスで人権について考えてもらう際に、次のような話をしました。

世の中に、自分と全く同じ人はいません。似ているところはあっても、似ているだけで同じではありません。「自分と違う相手のことをまず認める」ことから人とのつきあいは始まります。自分と違うから相手を嫌いになったり攻撃したりするのではなく、その自分とは違う相手と、「どうしたら楽しく遊ぶことができるか」「どうしたら力を合わせることができるか」「どうしたら、協力して解決することができるか」を考えることが大切です。これは人類が一生、取り組んでいかなくてはならない課題(=テーマ)です。鳳至小学校の生活目標は、『自分がされて嫌なことは、人にしない。言わない』ですね。実はこの生活目標を守ることが人権を守る第一歩です。友達に意地悪をして困らせたり、自分より小さかったり弱かったりする人をいじめたり、相手がどう思うかも考えずに、大したことではないと勝手に判断して友達の遊びを邪魔したりすることは人権を守らない行動です。自分が困った・いじめられたという立場になったら、どんな気持ちになるのか。そこを考えて行動しましょう。人間(私たち)は、認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していくのです。

子ども達は、これから変化の激しい社会を生き抜いていかなくてはなりません。変化の中では、様々な人々との共生やチームワークが求められます。そのためには『認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していく』態度は不可欠です。子ども達には、“人生100年時代”をたくましく、しなやかに生き抜いていくことができるよう、今後も学校生活の中で『認め合い、尊敬し合い、協力し合って生活していく』ことについて考える場面や機会を増やしていきます。

 さて、4月からの毎日の学習や委員会活動、運動会等の行事を振り返ると、児童それぞれが成長に欠かせない経験を積む中で、達成感や充実感を深めることができた9ヶ月間でした。そして、その成就感は、子ども達の努力はもちろんのこと、実は、地域や保護者の方々のお力添えがあったからこそ、作り上げることができたものです。改めて皆様のご協力とご支援に感謝申し上げます。ありがとうございました。

来る2023年も、この良き地に育つ鳳至小の子ども達が、さらにその可能性を拡げられるよう、職員が一丸となってサポートすることをお誓いして、年末のご挨拶とさせていただきます。

         学校長 山 岸  茂 樹

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2023年度に向けて、準備が始まります!

4月の入学・始業式以来、2022年度も3分の2が過ぎようとしています。鳳至小では11月14日に金管鼓隊の引継式が行われ、来年度の市祭パレードをゴールとした、5年生と4年生による新しい“チーム鳳至”の活動が始まりました。前号の学校便りにも触れましたが、子ども達にとって、今年度の残り3分の1の学校生活は、「2023年度への準備」が始まる期間となります。例えば、今まで学校の“顔”として頑張ってきた6年生は、残り数ヶ月の小学校生活で、さらに自主性に磨きをかけることを重視した活動が増えます。なぜなら、中学校における学校生活は、学習にしても行事や部活動にしても、どれだけ自分自身が意欲を持って行動を起こすかで、達成感や充実感はもちろんのこと、その後の進路まで違ってくるからです。これまで6年生の後ろを追ってきた5年生は、学校のリーダーとしてやらなくてはならない役職や立場を次々と経験することになります。その中では、下級生を良き方向に導くために、時には献身的な努力が求められること、自分のことと学校全体のことを並行してすすめる難しさなど、真のリーダーとなるためには避けて通れない“学び”に取り組みます。4年生は金管鼓隊のような学校の代表としての活動が増えます。その中で、今まで以上に、「自分一人の我が儘が通らないこと」を気づかされます。そして、自分のためだけではなく、誰かのためにも頑張らなくてはならないことを学んでいきます。同じように、3年生、2年生、1年生も一つ学年が上がることで、役割や責任が増えていきます。『立場が人を育てる』と言われるようにそれぞれの児童が、初めてその立場に置かれ、成長につながる役割や責任を経験していくことになります。

一方、学年が一つ上がると、それだけ、授業で学ぶ内容も難しくなります。上の学年で勉強する内容は、それまでに蓄えてきた知識や考え方を少しずつ発展させたものです。だから、これまでの学習の定着度が、新しい学習を理解できるかどうかを左右することになります。新しい学習を確実に理解し、更に、次につなげていくためには、今やっている勉強が身についているか、再度、確かめる必要があります。

ある大学の研究室と出版社が行った調査では、一般誌から工業系などの専門書まで300冊の書籍の中で使われていた漢字を分類すると8474字、その8474字の中で使われる割合が高い漢字が、2474字ありました。また、この2474字の漢字を理解していれば、ほぼ99%の本が読めることがわかりました。さらに、この2474字について調べたところ、小学校6年間で学ぶ1026字と中学校で学ぶ1110字の2136字がすべて含まれていました。残りの338字は高校までに学ぶこことも確認されました。小中学校、そして高校での学びが、その後の読書や学びを支えているのです。

これは、ここ数年、次の4月から鳳至小学校に入学するお子さんを持つ保護者の方にお話ししているものです。経験にしても学習にしても、今の『学び』は必ず、子ども達の将来にいきてきます。学校としては、「今できる経験」、「今できる学習」をしっかりサポートしていきたいと考えます。特に、12月には、それぞれの学年で学んだことがどれくらい身についているかを調べる輪島市統一の学力テストも予定されていることから、学力の定着に力を入れていきます。ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。

          学校長 山 岸  茂 樹

 

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求められる『読解力』とその向上を目指すために

10月17日(月)、児童による自治活動のリーダーとなる各委員長の任命式並びに学級委員の後期任命式がありました。また、21日(金)に行われた全校集会では、それぞれの学年が後期の学級目標を発表しました。“後期”という言葉が記されることでもわかるように、2022年度の教育活動も後半を迎えたことになります。それと同時に、子どもたちには、次の学年への進級・進学を意識した“準備”の取組が増えてきました。次のステージへの準備として、どうしても欠かすことが出来ないのが『学力』面での準備です。現学年で勉強してきた教科の学習は理解できているのか。学年が上がり内容が難しくなっても、対応できるか…。

鳳至小学校では学校として教師側がよりよい授業づくりについて研究を重ねるとともに、確かな学力を身につけるための基盤として、子どもたちの『聴く』姿勢づくりと『読解力』を養う取組をすすめてきました。

『読解力』。字面で見れば「読んで(その意味を)理解す力」となりますが、では、どこまでの理解が要求されるのでしょう。文部科学省から出されている読解力向上プログラムには次のように定義されています。

読解力 : 自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に

      社会に参加するために、書かれているテキスト(=文章)を理解

      し、利用し、熟考する力。

ならば、この「理解し、利用し、熟考する力」というのはどの程度のことを示すのでしょう。先日、4年生が算数科で以下のような「がい数(概数)=おおよその数、だいたいの数」を用いた見積もり方の違いを考える問題に取り組みました。これを例に、具体的に求められる「読解力」について考えて見ます。

①  【お兄さん】

ノート、コンパス、マーカーペンを買いたい。お金は1000円しか持っていない。

 ノート   : 値段は145円 → 200円(がい数)として計算

 コンパス  : 値段は290円 → 300円(がい数)として計算

 マーカーペン: 値段は428円 → 500円(がい数)として計算

             ↓

※実際の値段を切り上げした「がい数」にして、見積もりをした。

②  【お母さん】

歯みがき、せんざい、リンスを買いたい。1000円以上買えば駐車料金が無料になる。

 歯みがき  : 値段は246円 → 200円(がい数)として計算

 せんざい  : 値段は375円 → 300円(がい数)として計算

 リンス   : 値段は518円 → 500円(がい数)として計算

             ↓

※実際の値段を切り下げした「がい数」にして、見積もりをした。

①お兄さんは1000円しかもっていないから合計金額が1000円を超えては困る。だから、切り上げをした『がい数』(=実際より高い値段)を用いて見積もりをすることで、合計金額が1000円を超えないことを確かめた。

②お母さんは買い物の合計金額が1000円以上になれば駐車料金が無料になるので、切り下げをした『がい数』(=実際より低い値段)を用いて見積もりをすることで、合計金額が1000円以上になることを確かめた。

①②より、目的に合わせて見積もりをだすために「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」を使い分けているということに気づき、それを説明(表現)することができるということが、この授業のねらい(到達目標)でした。言い換えると、合計代金が「1000円を超えていない」・「1000円以上になる」ことを確かめるために「四捨五入」「切り上げ」「切り捨て」を使い分けたことを読み取り、それを適切に表現することまでを求めています。この問題で子どもたちは、①ではお兄さんが切り上げによる「がい数」を用いて見積もりをしたこと、②のお母さんが切り下げによる「がい数」を用いて見積もりをしたことまではほぼ全員が理解していました。しかし、「1000円を超えない・超えるを確かめるために切り上げ・切り捨てを使い分けている」ことを明確に表現できている子どもは多くはありませんでした。ここまで読んで、算数というより、国語の問題のようだとは感じませんか。そうなんです。算数といっても、国語的な要素は大きいのです。なぜ、お兄さんは切り上げた「がい数」で見積もりをしたのか?なぜ、お母さんは切り下げた「がい数」で見積もりをしたのか?「1000円を超えないこと」「1000円以上になること」を確かめるためにという理由の部分が抜けてしまうのです。お兄さんが切り上げをした「がい数」を用いた意図、お母さんが切り下げをした「がい数」を用いた意図までを読み取っていない(気付かない)ので到達してほしい目標に達しないという状況です。論理的に考えるという点で見れば算数かもしれませんが、国語力が問われる課題です。国語的な文章を読み取る力がないと正答には辿り着かないのです。学校では『読解力』の向上を図るため、授業等で行っている「声に出して読む」、「線を引きながら読む」、「言葉の意味を問い返す」、「図・表・グラフの等の資料を関連づけて自分の考えを作る」、「朝読書」、「短作文」等の活動を注意深く継続しながら①文章や図・表・グラフの意味を正しく理解する力、②作者の意図を読み取ったり要約したりする力、③読みとったこと・考えたことを表現する力を伸ばしていきたいと考えます。また、読解力を高めることにより、今後、子ども達が中学校、高校、大学、実社会…と、ステージアップすればするほど必要となる自主学習力(=自分で学ぼうとする力)も高めていくことができればと考えます。一方、『読解力』の向上には、日々の『読書』の積み重ねの効果が大きいことは言うまでもありません。時節柄、“読書の秋”という言葉も言われます。ご家庭でも読書についてご指導いただけたら幸いです。ご理解とご協力をお願いします。             学校長  山 岸  茂 樹

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運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

はじめに、新聞報道でもありましたように、複数名の教職員が新型コロナウイルスに感染してしまい臨時休校の措置をとらざるを得ない状況をつくってしまったことに、心よりお詫び申し上げます。日頃より、地域や保護者の皆様に感染予防のお願いをしてきた立場であるにもかかわらず、子どもたちの貴重な学びの時間を奪うことになってしまったことに深く反省いたしております。今回の事態を真摯に受け止め、教職員の生活様式を見つめ直しながら、改めて、感染予防対策を徹底し、子どもたちの安全・安心を守ることを最優先に考え、教育活動を進めていくことをお約束申し上げます。

 

10日(土)は“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。私も鳳至小に赴任して4年目になりますが、子どもたちは卒業していった先輩方の姿を目標にしながら、年々レベルアップしています。今年も6年生のリーダーシップ、それをサポートする5年生のひたむきさ、そして、それぞれの学年の特徴がいかされ、達成感や充実感にあふれた運動会となりました。

 

○従来の「ラジオ体操」以上に、弾むようにそして楽しみながらウォームアップできた「EXダンス」。

○途中であきらめることなく、全員がゴールテープを切るまで粘り強く全走りきることが出来た「徒競走」。

○それぞれの団ごとに児童が演じる内容を決めることで、演じる子ども・観客ともワクワクした「応援合戦」。

○赤白に分かれた低・中・高各学年がプライドをぶつけたそれぞれの「団体競技」。

○全身を使うメリハリのある振り付けのままに、2曲を踊りきるというスタミナ面の強さにも驚かされた低学年の「FUGESHI SOUL BROTHERS(ふげし ソウル ブラザーズ)」。

○踊りだけでなく、入退場やかけ声にもとことんこだわった中学年の「鳳至ソーラン」。

○“笑顔”をテーマに、フラッグを使ったり思い思いのシャツに着替えたりしながら優雅に、繊細に、そしてリズミカルに踊りきった高学年「WARAWARA~笑笑V(^o^)V」。

○最後まで勝負にこだわってバトンをつないだ「選抜紅白対抗リレー」。

 どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組を通して、それぞれの子どもが自分や学年の役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもちろんのこと、クラスも鳳至小学校全体も大きく成長させることができたと感じています。そして、鳳至っ子のよき伝統である「本番の強さ」「いざというときに、頑張りきることのできる頼もしさ」がしっかり受け継がれていることを嬉しく思いました。「仲間と力を合わせ、素直に頑張ることのできる誠実さ」は素晴らしい財産だと感じました。

先月の学校便りでも書きましたが、学校では10月以降も宿泊体験(6年)や学年集会、マラソン大会、道徳教育発表会など、子どもの学習の成果を発表する行事がいくつも予定されています。子どもたちの“実りの秋”を充実したものとするべく、鳳至小学校職員一同、全力で子どもたちをサポートしていきます。保護者や地域の皆様におかれましては、これまで通り、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

学校長 山 岸  茂 樹

 

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実りの秋を迎えるにあたって …まずは、手洗い・消毒・マスクの徹底から

 40日間にわたる夏休みが終わりました。振り返って見ると、今年の夏休みは例年以上に『安心』・『安全』について考えさせられる機会が多くありました。コロナについての行動制限がない夏ということで、折に触れ、観光や帰省にかかわる報道もされていましたが、学校には7月20日の1学期終業式が終わった翌日から、コロナ感染にかかわる連絡が入るようになりました。お盆を挟んだ学校閉庁期間の8月10日~17日の8日間では、鳳至小学校に子どもが通う22世帯でコロナ罹患がみられました(児童本人が発症していなくても、家族の誰かが発症していれば、数に含めてあります)。鳳至小学校に子どもが通う世帯数が126世帯ですから、実に、17%の家庭でコロナ感染がみられたことになります(自宅療養や行動制限には気苦労も多かったことでしょう)。 また、7月25日からの平日10日間、プール開放を行いましたが、10日間のうち7日、熱中症アラートが発令されました。そのため、本来なら2時間、プール遊びが楽しめるところが、アラートが出された7日間は30分削られて1時間半のプール遊びになってしまいました(危険な日射しの中、プール当番としてお世話いただいた保護者の皆様、ありがとうございました)。更に8月17日・20日の大雨では、河川の氾濫や土砂災害の恐れから、避難勧告がだされた地域がみられたことも記憶に新しいところです。

 従来、夏休み中の子どもたちへの安全指導としては、海での遭難や事故について気をつけたり、観光客も増えることから交通事故やトラブルに巻き込まれたりしないことに気をつけさせることが定番でした。現在は、いわゆる“定番”の注意事項以上に、コロナ予防や熱中症予防に気を配らなければならなくなっています。また、2014年の広島豪雨以来注目を集めるようになった“線状降水帯”がもたらす大雨についても注意しなくてはなりません。今までとは質の違う“脅威”から自分たちの生活を守るためにはどのような備えが必要か、安心できる生活を送るため日常的に何をしていくか、不慮の出来事に見舞われたときにどのように行動すべきか…。より、身近に考えさせられた夏休みでした。

  今日(8月30日)から2学期が始まりました。『実りの秋』という言葉がありますが、2学期は子どもたちが学習してきたことを生かして活躍する経験をいくつも積むことができる機会が準備されている学期です。そしてその活躍を友達と評価し合ったり、第三者に評価してもらったりすることで自信や意欲を深め、更に次の目標を定め邁進しようとする時期です。学校としては子どもたちの学びを職員全員でサポートしていきたいと考えます。そして、そのためには、子どもの学びを止めないことが重要ポイントとなります。ですから、2学期についても1学期同様、手洗い・消毒・マスク着用の徹底を重要視していきます(マスクについては、熱中症のことも考慮しながら、適宜、子どもたちには指示をだしていきます)。また、子どもたちが自信をつけるためには、地域や保護者の皆様からのお声かけが不可欠です。コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用すること消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。2学期もまた、学校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。 

               学校長   山 岸  茂 樹

 

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「読書」と「時間を管理する力」

・今の小学生は100歳以上生きる可能性が高い

・AI(=人工知能)やICT(=情報通信技術)のめざましい進展は、

 世の中の仕組みを大きく変える

おおよそ、人は生きている間は何らか学び続けているわけですが、上記のように、人間の寿命が延び、その間の変化が激しくなるということは、今まで以上に学び続ける必要性が強まるということになります。では、これからの社会を生きる子どもたちにはどんな力が必要か。小学生は今のうちから、どんな力を身につけなくてはならないのか。

文部科学省は、学校で、子どもたちの『生きる力(生き抜く力)』を育むことを基本理念に学習指導要領(=学校で、先生は、いつ、どんなことを教えるかを定めた計画書)を定めています。『生きる力』とは、おおまかにいうと、知・徳・体のバランスのとれた力のことを表します。因みに、知・徳・体を解説すると以下のようになります。

 知 … 基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、

     表現することにより、様々な問題に積極的に対応し、解決する力

 徳 … 自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や 感動する

     心などの豊かな人間性

 体 … たくましく生きるための健康や体力など

 

確かに、これらの力を、一人一人の子どもに身につけさせていかなくてはならないことは間違いありません。

しかし、ここで気をつけるべきことがあります。それは、『生きる力』を育むためには、「集中力」「持続力」「判断力」によって裏打ちされる、勤勉さや粘り強さ、我慢する態度が不可欠であるということです。

もっと言えば、小学生という発達段階における「勉強」の意義は、知識を身につけることと同等かそれ以上に、「集中力」「持続力」「判断力」を培うことにあると考えられます。なぜなら、小学生のころ得た知識は忘れてしまうこともありますが、集中力・持続力・判断力は、「粘り強さ」や「最後までやり遂げようとする態度」、「場面に応じて適切な行動を選ぶ力」など、その人の長所(良い面)として残っていくからです。昔から大人が子どもに「勉強しろ」と言い続けてきたのは、知識の獲得もさることながら、この「集中力」「持続力」「判断力」を身につけさせることで、勤勉さや粘り強さ、我慢する態度といった、人としての特性が磨かれるのを願ってのことと言えます。

 では、“学ぶ”ためにはどうするか。学ぼうとする時には、「読む」「覚える」「書く」「話す・聞く・伝える」といった行動が必要になります。学校の授業はこれらの行動を組み合わせて計画されています。ただ、「覚える」、「書く」、「話す」・「聞く」・「伝える」ことは、「読む」ことができないと始めることができません。そう考えると、「読む力」が学びに占めるウェートは大きく、且つ、学びの第一歩とも言えます。

一方、“学び”には時間も必要です。だから、1日の中に、“学び”に必要な時間を設定しなくてはなりません。自分自身で生活全般を見通し、ある時間帯に学ぶ時間を設定するとともに学びを実行する力=「時間を管理する力」を身につける必要もでてきます。

 これから、子ども達は40日余りの夏休みに入ります。お盆があったりお祭りがあったりと、何かと子ども達が楽しみにしている行事も多い長期の休みです。学校としては、楽しむべきことは大いに楽しみ、そして、“学ぶ”ことも忘れないで欲しいと考えています。特に、“学ぶ”ために必要な「読むこと」=読書に力を入れて欲しいと願います。また、「学ぶ」時間を生み出すために「時間を管理する力」が身につくよう訓練して欲しいと願います。

鳳至の子ども達には、元気さや人なつっこさ、行事を成功させようとする一生懸命さ、スポーツや習い事に打ち込もうとする強い気持ちなど良い姿が沢山あります。同時に、2行までの文章は読んでも、2行半になると、読むことを面倒くさがる姿、取りかかりが遅く、いたずらに時間を浪費してしまう等の場面も少なからず見られました。この現状を併せてみても、夏休みに子ども達が学びに向かうための姿勢づくりをすることは意義があります。学校でも、夏休みは「読書」に力を入れ、学びに必要な「時間を管理する力」を身につける訓練をすることを終業式や学級活動の中で話をしました。ご家庭でもご指導とご協力をよろしくお願いします。

         学校長  山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

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“金管鼓隊”の取組を通して、子どもたちが学んだこと

5月29日(日)に文化会館で行われた能登麦屋節全国大会を皮切り、8日間にわたる『輪島市民まつり2022』が開催され、鳳至小学校としても、3年ぶりに、5・6年生63名による金管鼓隊が、マリンタウンを会場とする「倭の島交流大パレード」と「マーチングドリル演奏」に参加しました。また、マリンタウンでの演目に参加する前には、鳳至小学校→上町通り→住吉神社→いろは橋→輪島漁協前のコースを、そして、演目の後には、新橋まちなか通り→杉平菓子店前→上町通り→鳳至小学校のコースをパレードさせて頂きました。

 この金管鼓隊は、昨年の12月に新チームとして結成され、まず、“校歌”と“ファンファーレ”、そしてその2つをつなぐ“間奏”の練習に取り組むことからスタートしました。そして、2月には「6年生を送る会」で初めて発表演奏を経験しました。今年度に入ってからは、4月に「1年生を迎える会」で発表しました。そして、ゴールデンウィーク明けから、新曲“やってみよう”の練習が加わり、5月後半になると、市民まつり本番を意識した、全曲を通した練習や運動場でのドリル練習、道路を使ったパレード練習に取り組むようになりました。私は、新チーム結成当初は校長室に聞こえてくる演奏の音で進捗状況を計っていましたが、2月頃からは、時には練習現場に足を運こび、時には校長室の窓越しから、その時々の仕上がり具合を窺っていました。そして、発表やドリル・行進練習を重ねる度に、子どもたちが、演奏が上達してきたという手応えを感じている様子と同時に、自分達の演奏を聞いて下さる保護者や地域の皆様の思いの深さを感じる様子を目にするようになりました。初めは、「コロナ禍で窮屈な思いをしている、輪島市の皆さんを笑顔にしたい」という思いからのスタートであったことは間違いありません。私は、これだけでも誇るべき子どもたちだと自慢できます。しかし、子どもたちそれぞれが、拍手してくださる方々のようすや涙を流してよろこんでくださる地域の方々に気がつく中で、自分たちで長い時間練習して(子どもたちの5月以降の練習時間だけでも、延べ1575分=26時間25分)作り上げた演奏や真剣に頑張る姿が、人とのつながりを広め、人の心を動かし、明日への元気につなげる活動となったいく…ことを直接的にも間接的にも感じているようでした。漠然としていた価値観が実感を帯びたイメージとなり、自分たちの新たな可能性に気づきはじめているように思います。

 現在すすめられている教育改革の中では、地域との関わりを直接体験することで、優しさや思いやり、人間性を高めることが重視されています。また、そこで学んだことを活用し、自身がリーダーシップを発揮し、人を育てる原動力となることも期待されます。金管鼓隊での経験を通して、子どもたちは、改めて、この“鳳至地区のあたたかさ”、“地域の良さ”に触れています。そして、今、感じ・理解している地域の良さが、子どもたち自身の地域創生や新たなライフワークの在り方を築いていくことにもつながっていくのだと思います。

 終わりになりますが、金管鼓隊の活動を通して、学校が保護者や地域の皆様のご協力とご支援に支えられていることを再認識しています。パレード練習では“鳳至っ子見守り隊“の皆様に街頭での交通整理をしていただきました。漁協の皆さんには、演奏場所の確保や駐車場・トイレの手配をしていただきました。地域の皆様にもパレードコースでの駐車にご配慮いただくとともに、練習の度に応援していただきました。輪島市民まつり実行委員会の皆様や輪島市企画進行課の皆様、輪島警察署の皆様にも大変お世話になりました。学校の活動は保護者、地域の皆様のご理解とご協力があってこそと、心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございました。

                    学校長 山岸茂樹

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続・子ども達の未来のために:「聴く力」の養成

ゴールデンウィーク明けの5月6日、子ども達には、久しぶりに友だちと顔を合わせることができた喜びの笑顔がありました。連休に入る前には、制限解除がもたらすコロナウイルス感染症の拡大も心配されていましたが、今のところ、日常の活動を止めることなく学習をすすめることができています。連休明けの学校の様子を見てみると、1年生はアサガオの栽培(生活科)、2年生は水彩絵の具の使用開始(図工科)、3年生は町探検(社会科)、4年生はセブンボールリレー(体育科)、5年生は初めての裁縫セット(家庭科)、6年生はツバメ調査(総合的な学習)と、それぞれの学年が新しい学習に取り組んでいました。また、交通安全教室や輪島市民祭りに向けた5・6年生による金管鼓隊の練習など、過去3年間は、時期変更や規模の縮小を余儀なくされた行事や活動にも取り組めています。これも、保護者や地域の皆様が、手洗いや消毒、マスクの着用など感染予防対策を徹底して頂いているお陰と、心より感謝いたしております。

 閑話休題。学校でも社会でも、子どもたちは様々な“学び”を積み重ねていきます。では、子どもたちが“学び”をすすめる中で何を大切にしていかなくてはならないのか。学校は、文部科学省が定める『学習指導要領(=各学校が、子どもの発達段階に応じて指導する内容を定めたもの)』という計画書をもとに学習をすすめます。この『学習指導要領』を見ると、子どもたち一人一人に「考える力」を身につけさせることを重要視していることがわかります。実際、鳳至小学校でも、「考えること」に焦点をあてた教育活動に取り組んでいます。そして、子どもたち一人一人に「考える力」を身につけてもらうためには、前号での学校便りでも書いたように「読解力」を育てていくことが重要と考えていますが、そのためにも、まず、子ども一人一人に「注意深く、最後までしっかり聴く」という態度を育てて行く必要があると教職員全体で共通理解を図っています。そして、仲間や大人の話をしっかり聴き、理解した上で自分の考えと比較してみる、自分の考えと相手の考えの優れている点を見つけ出せる、いくつかの考えをまとめてよりよい意見を作り出す…。そんな力につなげていきたいと考えます。そこで、まず、ご家庭でも「子どもの目を見てじっくり話しをする」ことを心掛けていただけないでしょうか。そのことから、子ども達に「聴く」態度を育てていきたいと考えます。また、「聴く」から「訊く(きく)=感じたことを尋ねながら聴く」ことができるようになれば、子ども達はさらに思考を深めることができるようになります。学校と家庭・地域が同じ目標で子どもたちを育てていくことは子どもたちに、より大きな効果をもたらします。子ども達の将来のため、ご家庭でもご協力をお願いします。

               学校長  山 岸  茂 樹

 

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子ども達の未来のため、『読解力』の向上をすすめます!

元気いっぱいの1年生22名を迎えたから約3週間が過ぎました。学校の中には、新しい学年を頑張ろうとする子どもたちのやる気がみなぎっています。そして、この子どもたちの新鮮なやる気を大切にして教育活動をすすめていこうと、私たち教職員も緊張の毎日です

さて、4月18日には県基礎学力調査(4年生:国語・算数、6年生:社会)が、19日には6年生を対象とする全国学力学習状況調査(国語・算数・理科)が行われました。この2つのテストは

【県基礎学力調査】

 児童生徒の基礎的・基本的な知識・技能や活用力の定着状況、及び学習・生活状況について把握・分析し、学校における児童生徒への教科指導の改善を図る。併せて、教員の指導状況等を把握し、指導改善に役立てる。

【全国学力・学習状況調査】

 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。さらに、そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証サイクルを確立する。

ために実施されています。つまり、子どもが今まで学んできたことについて、①何が身についていて、何が不十分なのか?②その理由は何か?③今後、教師は何に気をつけ、どんな手立てで子ども達を指導していくか?を各学校が確認し、日常的な教師の指導に反映させるためのテストということになります。自校採点の結果を見ると、問題全体の正答率は上がっています。しかし、どの教科も初めて見る文章を限られた時間内に正確に読み取ることができず、「決められた時間内に問題を解くことが苦手」「指定された文字数で説明したり自分の考えを順序立てて文章や式で表したりする問題の正答率が下がる」という傾向も見られました。実はこのような「文章の意味が読み取れない」=「読解力(どっかいりょく)の不足」に関わる事例は、教育現場のみならず様々な生活場面で問題視されているところです。以前にも紹介しましたが『読解力』について、文部科学省から出されている読解力向上プログラムには次のように定義されています。

読解力 

: 自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力

この定義に当てはめて考えると、読解力が不足するということは、単純に目の前の問題が解けないということ

だけでなく、社会に参加することまでを難しくするということになります。とすれば、子ども達が未来を生き抜く力を培う場である学校で、『読解力』を高める活動に取り組むことは必須のことです。そこで本校では、授業等で行っている「声に出して読む」、「線を引きながら読む」、「言葉の意味を問い返す」、「図・表・グラフの等の資料を関連づけて自分の考えを作る」、「朝読書」、「短作文」等の活動を注意深く継続しながら①文章や図・表・グラフの意味を正しく理解する力、②作者の意図を読み取ったり要約したりする力、③読みとったこと・考えたことを表現する力を伸ばしていきたいと考えます。そして、ここで、一つお願いがあります。

 『読解力』をつけるためには、「読むことを面倒くさいと思わない」ことも大切な条件です。読むことを嫌がらない。読むことは当たり前。さらに、読むことが習慣化しているとなれば最高です。鳳至小学校では、毎月、10日・20日・30日を“読書の日”並びに“ノーゲームディ”に設定しています。また、夏休みや冬休みなどの長期休業期間も読書を推奨しています。これについてご家庭でもご協力を仰ぎたいと思います。さしあたって、学校が設定している“読書の日”に子どもたちに読書を促すことをお願いします。読解力がつくことで自主学習力も自然と高まります。自主学習力が高いということは、職業についても、自分で工夫できる人材として大事にされます。ご理解とご協力をよろしくお願いします。 

 学校長 山 岸 茂 樹

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2022年度 鳳至小学校がめざす子どもの姿

教育界に於いて2021年度はGIGAスクール構想の取組が全国的に進められた年でした。この取組は、子ども一人一人が情報端末(=chromebook)を持ち、効率的かつ実用的に学習することで、よりその子に適した学びとなることや学びの深まりを目指したものです。しかし、その先には、現代社会が抱える人手不足や食糧不足、温室効果ガス(CO2)の排出、高齢化、地域間格差等の諸問題を乗り越え、いきいきと快適に暮らすことが出来る社会(=Society5.0)の主体となる人材の育成があります。そんな中、子ども達には、次の5つの力を伸ばしていくことが求められると考えます。

○一生学び続ける力(課題を見つけ、その解決に向けてやりがいを持って探求していく力)

○社会人基礎力(建設的に取り組む力、考え抜く力、チームで働く力)

○自己存在感並びに他者を支えて行こうとする心・態度・実践力

○コミュニケーション能力

○自己管理能力

この5つの力は義務教育の9年間をかけて基盤を作り、その後の生活でさらに発展させていくべき力です。鳳至小学校としては、子どもの発達段階を考え、上記の5つの力を付ける土台を築くため、今年度も、「主体性」や「協働性」、「達成感」、「自己肯定感」をキーワードに教育活動をすすめていきます。

そこで、2022年度は、本校教育目標、「創造性豊かで頼もしい人づくり」 の下、以下のように重点事項を設定致しました。

【令和4年度 重点事項】

①学ぶ楽しさを理解するとともに、友達と学び合う子どもたちに

②お互いのよさを認め、協力し合える子どもたちに

③大きな声であいさつし、自分を表現できる子どもたちに

④自分自身を見つめ、よりよい自分へと挑戦する子どもたちに

この重点事項に基づいた教育活動につきましては、学校・学年だよりの発行はもちろんのこと、コロナ禍ではあっても感染予防に十分配慮しながら、授業参観や行事等、機会を捉えて学校に足を運んでいただき、お子様の姿でご確認下さい。また、子ども達の社会性を育てるためには、保護者の皆様・地域の皆様にお力添えが、より一層、必要になるとも考えております。重ねてご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。

学校長 山 岸  茂 樹

 

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この1年を振り返る

3月18日(金)、春の花の咲き出しを促す催花雨(さいかう)の中、第51回の卒業証書授与式が行われました。コロナウイルスの影響もあり、一昨年度・昨年度とご来賓や保護者の参加が制限された卒業式でしたが、今年度は4年ぶりに制限のないフルバージョンの卒業式ができました。今年度は鳳至小学校単独で行う行事は全て予定通り行うことができた一年であり、式中、卒業生・在校生それぞれが、この一年を振り返る場面では、「当たり前と思えることが当たり前にできることの喜び」を強く感じさせられました。

 

【主体的で対話的な深い学び】

 「人生100年時代」を意識し、自主学習力を高める」ために「文章を正確に読み取ったり相手の話をしっかり聴いたりしながら、自分の考えを再構築出来るようになる」ことを目指しました。そのため、読解力の向上につながる授業づくりを意識し、特に、教師から子ども達に投げかける“問い”を工夫することやクラス全員の子どもが授業に巻き込まれていく(=学習課題の解決のため、一人一人の子どもが学習活動に主体的に取り組む)よう教師がファシリテートすることを考えました。学期がすすむごとに、自分の考えをより具体的に表現できる子や、初めは答えられなかったが活動や友だちの考えを聴くうちに答を導き出すことができる子が増えてきました。また、自主的に学習に向かう子どもも増えています。

【活動の見える化(発信力)】 

   自分で気がついていない良さや秘めた能力を意識できることで、より意欲的に活動する子どもを更に増やして行くため、引き続き、学級便りの発行やHPの更新を中心に、活動の「見える化」を意識しました。また、コロナ禍であっても、できるだけ多くの方々に子どもたちの頑張る姿を見ていただけるよう、日常の感染対策を徹底しながら、行事の実施を目指しました。何度も練習し磨き抜いた技を披露する活動の中で、発表を成功させることが出来た経験や、他学年や保護者・地域の皆様から称賛された経験は、子ども一人一人の達成感や充実感を高めるとともに、学ぼうとする態度や、もっと上手くなりたいという前向きな気持につながっていきました。

【自己肯定感から「さらなる意欲へ」】

 昨年同様、「キャリアパスポート」として、学校行事や体験活動の度に、子ども自身が自分や仲間、活動全体を振り返る活動や、子どもの頑張ったこと、成長が見られたことについて、保護者の皆様に感想や意見、評価を書いていただく取組をすすめました。このことは、子ども同士の認め合いや自分も頑張ろうという意欲につながり、活動の質を向上させることになりました。苦労したり失敗したりすることもありましたが、「仲間との協力・協働」や「誰かのために」を、再度、意識することで、粘り強さが見られるようになり、結果的には、期待以上の成果をあげてくれました。「やればできた」という成功体験は自信となり、“更なる意欲”にも発展しています。特に、この一年間の6年生の頑張る姿は、下級生の「今度は自分達が頑張る」という覚悟につながっています。

【社会人基礎力】

  今の子ども達が、今後、著しく変わることが確実視される社会の中で、自己の幸せをつかみ、社会に貢献できる人材となるためには、社会変化に対応できるよう『常に学び続け、仲間と協力し、身につけた知識を生かすことができる力』が必要となります。また、立ちはだかる壁を乗り越える、『しなやかなたくましさ(七転び八起きの力)』も必要となるでしょう。その基盤となる力は、この素晴らしい鳳至という地で養われた感性や様々な人々との出会いから培われます。学校や地域が連携できる恵まれた環境で子どもを育て、いずれ、明るい未来を照らす人となってくれるよう、今後もこの教育活動にさらに磨きをかけていきたいと思います。そして、来年の卒業式でも、子どもたちの清々しい笑顔を見たいと思います。今年度もたくさんの方々に、ご支援とご協力を頂いた事に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

令和4年度も子ども達が活躍する姿にご期待下さい。 

 学校長  山 岸  茂 樹

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6年生のみなさん ご卒業おめでとうございます(卒業式式辞)

 深い鉄紺色に染まっていた海も次第に明るさを取り戻し、柔らかな風が吹く度に、桜のつぼみも色づく季節となりました。春の花々が咲き出すことを促す催花雨の降る今日大安吉日に、小学校六年間の教育課程を修了された、三十八名の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

また、本日、第五十一回の卒業証書授与式を挙行するにあたり、輪島市総務部参事 出坂 正明 様、輪島市教育委員 左古 隆 様 、PTA会長 山田 忠和 様にご臨席を賜りましたこと、並びに、多数の皆様に温かいメーセージを頂戴しましたことに心よりお礼申し上げます。

  さて、卒業生の皆さん。私は皆さんの4年生・5年生・6年生と三年間の様子を見てきたわけですが、率直に、「よくぞ、ここまで、頼もしく成長してくれた」と感心しています。個人の都合や感情によって起こるトラブルが先に立ち、落ち着いて学ぶことが難しかった集団が、中学年のリーダー、そして高学年と、役割や責任の重みが増すにつれ、自分だけに都合がよい「マイルール」は影を潜め、懸命に上級生としての責任を果たそうと努力する集団に変わっていきました。特に、最上級生となった6年生での活躍は目を見張るばかりでした。入学式の準備、委員会の運営、鳳至オリンピックでの下級生のお世話、運動会、マラソン大会、・・・。この一年のどの場面を切り取ってみても、皆さんの頑張る姿を思い出すことができます。

そして、みんなが頑張るからこそ、ドラマもうまれました。赤・白、二つの団に分かれて競技した運動会で、初め白団リードから徐々に赤団が追い上げ、終盤は一進一退、最後の成績発表で、まさかの両団同点。勝敗が決しないという結末は、鳳至小学校の歴史では初めてのことです。運動会を成功させよう、全員が楽しむことができる運動会にしよう、保護者や地域のみなさんに自分たちのハツラツとした姿を見てもらおう。6年生一人ひとりの想いが学校全体に勢いをつけ、全校が一体となって、準備し練習した結果の、赤白両団が優勝というドラマは、学校を鼓舞し続けた六年生全員の頑張りを讃えるご褒美だったと思います。

金管鼓隊は、昨年よりも長い距離を、隊列を崩すこともなく、最後まで、しっかりとした演奏でパレードすることができました。そして、その影には、各パートの6年生が5年生を熱心に教える姿や行進やドリルの正確な位置取りに粘り強く取り組む姿がありました。金管鼓隊の成功は、6年生のリーダーシップと責任感によるものです。また、鳳至の街並みを行進する金管鼓隊の姿で、たくさんの地域の方々を勇気づけることもできたと思います。

その他にも、校則の見直しや、いしかわっ子駅伝交流大会での入賞など、今まで学校の歴史に記されたことのなかった出来事を、いくつも成し遂げることができました。

  皆さんの成長を振り返ると、「誰かの為に頑張ることでより多くの成果をあげる」、「違いを認められるようになってきた」、「やると決めた時の結束力の強さとノリの良さ」、といった表現が浮かんできます。4年生のころの皆さんからは、「仲間のため、学校のため、6年生のため…」、誰かのために頑張らなければならない時に、練習以上の力を発揮する場面を、何度も見せてもらいました。5年生の後半からは、何事もみんなで取り組み、失敗もみんなでカバーしようとする『団体戦』の意識を高める中で、「仲間の良さ」や「自分とは違う価値観」を認める合うことができるようになりました。6年生になると、何が何でもみんなの成功を目指したい、信頼される学年になりたい、どうせやるのだから、今までの先輩方にも他の学校には負けたくないという想いを全員で共有し、一致団結して学校をリードする頼もしい学年へと進化しました。『6年生を送る会』で、1年生から5年生のどの学年の発表からも、6年生を慕う気持ちが溢れていたのは、6年生が学校を引っ張る姿に、憧れと感謝を抱いていたからこそです。皆さんが学校のために頑張ってきた想いや態度は、必ず、下級生に引き継がれていくものと確信しています。

 一方、卒業生のみなさんが成長する環境を整えてくれたのは、皆さんのご家族であり、地域の皆様、今までに出会った先生方であることも、皆さんは気がついています。だからこそ、皆さんと関わってくださったあらゆる方々に、感謝することを忘れないでください。そして、これからは、みなさん自身の力で、新しくできる友人や仲間が、ともに成長できる環境を作っていってください

  保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。凛凛しく健やかに成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。ただ、まだまだ、子どもたちには、皆様のお力添えが必要なことは言うまでもありません。子どもたちが良き社会人となるまで、今後も、見守っていただくことを重ねてお願い申し上げます。

 結びに、

 人は、『夢』を実現させようと努力を繰り返す中で、『自由』という言葉の本当の意味を知ることになります。そして、『夢』に向かって進もうとすればするほど、「感謝」・「挨拶」・「笑顔」の大切さを学びます。出来ない言い訳ばかりで「良くなること」は一つもありません。卒業生の皆さん、一人一人が、自分自身と社会を真摯に見つめ、解決のための一歩を踏み出せる大人へと成長されることを祈念しまして、式辞と致します。

      令和四年 三月十八日  輪島市立鳳至小学校

                 校長 山岸茂樹

 

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仲間と力を合わせて目標達成に挑む  -『6年生を送る会』から -

学校の最大行事である令和3年度の卒業証書授与式が間近に迫っています(=3月18日挙行予定)。

しかし、大切な門出を祝う時期であるにもかかわらず、現在もコロナウイルス(COVID-19)問題は、全国各地でイベントの中止や縮小を余儀なくさせています。

 さて、2月18日(金)、本校では『6年生を送る会』が開催されました。どの学年の発表も見応えがあり、また、この1年の成長を感じることができたものでした。どの学年も『チームワーク』が育ってきていることを、一番、嬉しく思いました。器材の配置や準備にお互いが声をかけ合う場面、台詞を忘れてしまう子がいてもみんなでカバーする場面をいくつも見ることができました。声を合わせるため、踊りを合わせるため、種目や演奏を成功させるために、何度も何度も繰り返し練習してきたことがわかる発表ばかりでした。在校生(=1~5年生)の「6年生に感謝の気持ちを伝えよう」という想い、そして、卒業生(=6年生)の下級生の気持ちに応えたい、今の自分たちがあるのは、保護者や地域の皆さん、先生方など、今まで自分たちに関わってくれた全ての方々のお陰という熱い想いを感じとることができました。また、在校生の演技を見る6年生の目は温かく、6年生の演技を見る在校生の目はあこがれに満ちていました。感心する声あり、笑いあり、一緒になって手を打つ場面あり、お互いを尊重し合う雰囲気は、最高のチームワークを感じることができた時間でした。

 人は、仲間と協力し目標に挑む中で、達成感や充実感、感動、共感、他者のよい点に目を向けること、仲間のためにも頑張ろうとする態度等、様々なことを学び、経験します。そして、その学びや経験は、これからの自分に関わってくる新たな役割や責任に向かう意欲となり、障害を乗り越える解決の糸口を導きだしていきます。この1年間の子ども達の成長を頼もしく思うとともに、今まで以上に、仲間と力を合わせて目標達成に挑む経験を意図的に用意する中(協働する場面を準備する中)で、子ども達の可能性を引き出していきたいと考えます。保護者・地域の皆様におかれましても、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

 追伸

今年度の6年生は、鳳至小学校単独で行う全ての行事が、予定通り実施できています。10月の宿泊体験学習では秋晴れの上に波も静かで、過去2年間、乗ることが出来なかった大型カヌーで、一番長いコースを体験できました。この「6年生を送る会」に関して言えば、輪島市でも感染者が増加している中で、予定通り実施できたことが奇跡的といえます。本当に“持っている”子ども達です。来る第51回卒業証書授与式も無事挙行できますように、保護者や地域の皆様におかれましても、引き続き、感染症予防対策の継続をお願いします。

 学校長   山 岸  茂 樹

 

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“とことん学ぶ”ことを体験させる

1月11日(火)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあうこともなく、183名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。しかし、オミクロン株の発生により、(1月19日現在)、日本全体でコロナウイルス感染者が4万人を超え、さらに拡大する傾向にあります。オミクロン株は、従来のウイルスに比べ、その症状に喉の痛みや鼻水を訴える割合が多くなっています。また、空気感染の傾向が強いこと、若者に感染者が多いことも言われています。学校としては、これまでの手洗い・消毒・マスクの着用はもちろんのこと、更には、換気から“通気”に意識を変えて対応していきます。また、今年は1月20日が「大寒(1年の中で最も寒さが厳しい時期)」ですが、その前後は、寒波が日本列島を覆い、気温も冷え込み雪の降る日が続きました。そんな中、子ども達の登下校を助けて頂いている見守り隊の方々や歩道の除雪をして頂いた地域の皆様に心より感謝申し上げます。

 さて、3学期が始まり、2年生は、今後、あらゆる場面で活用される『九九』の暗唱に一生懸命取り組んでいます。他の学年も同じように、次の学年・次のステージに向けた勉強に力を入れています。ところで、『勉強する意味』とは何でしょうか。子どもからは「頭が良くなりたいから」とか「いい点数をとりたいから」といった答えが返ってきそうです。しかし、子どもをサポートする私たち大人は、それだけではないと、子ども達に気づかせていかなくてはなりません。ICT(情報通信産業)やAI(人口知能)の発達が加速化する現代、「今の子ども達が大人になる頃には、予測できないほど激しく時代は変化しているだろう。そしてその変化の中で、現在、人間が行っている職業の半分以上は機械化されてしまう。」とよく言われます。そして、この言葉に対し、先の見えない不安を感じている方も多いかもしれません。しかし、先が見えないからこそ、時代の流れを見極め、自分のアイディアで新しい仕事を開発しようとする意思を備える人間、より良い人生を切り拓いていく醍醐味や楽しさを味わえる人間を育てなければならないと考えます。一方、地元に住んでも、「自分が目指しているような仕事、本人の良さをいかす仕事を見つけられないのでは」とか、「仕事がない」と感じている中高生も多いのではないでしょうか。では、どうして地元には自分をいかす仕事がないと考えてしまうのでしょう。その原因として、自分をいかす職業を、「今、在る職業」の中から見つけようとしているためとは考えられないでしょうか。しかし、前述した通り、今ある職業の半分以上が無くなると予想されているのです。とすれば、自分の可能性をいかすべく、新しい仕事を開拓しようとする意欲や展望を育てる必要(=将来を展望する力を育むキャリア教育の必要)があります。また、発達途上の子ども達にとっては、自分のアイディアを実現させるための工夫や粘り強さ等、知恵と態度の両面からの基盤づくりも欠かせません。失敗しても、また、学習して新たな方法を生み出すたくましさも必要です。つまり、より良い人生を切り拓くため、とことん“学ぶ体験”を重ね、学び続ける意欲を身につけることが必要ということです。そして、その経験こそが自身の生き方を築く原動力となります。是非、ご家庭でも展望が開けるよう、将来について、親子で話し合う機会を増やすことをお願いします。

 2022年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。今年度も、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

 学校長 山 岸  茂 樹

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自分の得意を誰かのために役立てられる人、仲間を支えられる人に

2021年もあと数日で終わろうとしています。緊急事態宣言が延長されたり市内に感染者が見られたりした中で、鳳至小学校としての教育活動のほとんどを実施することが出来たのは児童一人一人の頑張りと、地域や各家庭での皆様のご努力のおかげです。一方、12月を迎えようとするころから発熱や喉の痛み、腹痛により欠席する児童の数が増えています。決めつけることは出来ませんが、その原因として、手洗い・消毒の緩みが考えられます。実際、昨年の同時期と比べ、消毒液の残量も増えています。これからの季節は、従来、インフルエンザの流行が心配されてきた時期です。因みに、インフルエンザには、エタノール消毒液の効果が高いと言われています。昨年末から今年初めのコロナに怯えたころは、手洗いも消毒も十分で、さらに、マスク着用も一般化されていたため、全国的にもインフルエンザの発症は極わずかであったことは記憶に新しいところです。一方、現在は、オミクロン株が発生したとはいえ、感染の広がりそのものは小康状態であり、危機感が薄れています。そのせいか、大人にも子どもにも、以前ほど手洗いや消毒に対する緊張感がありません。どちらかというと、寒いから(手洗いや消毒が)面倒くさいという感じです。学校でも、気を引き締め、子ども達に働きかけていきます。ご家庭でも手洗い・消毒・マスクの必要性についてご指導いただけたら幸いです。

     知者不惑     知者は惑わず

  仁者不憂  ⇒  仁者は憂えず

  勇者不懼     勇者は懼れず

さて、前号の学校便りでもお伝えしたように、2学期の終わりから3学期にかけて、学校は、子ども達に次の学年に向けた準備を強く意識させています。そんな中、12月15日には金管鼓隊の引き継ぎ式が行われました。6年生から楽器を引き継がれた5年生を中心とする新チームのパートリーダーがそれぞれ決意を述べる様子や、その様子を見守る各パートメンバー一人一人の表情を見ながら、私は新チームの成長に思いを馳せていました。そして、『論語』についてわかりやすく訳した「ひらたせつこ」さんの本の一部を思い出しました。それは次のような内容になります。

注)頭のいい人は迷わないが、その一方で、人の気持ちがわからないことがある。心のしっかりしている人はくよくよしないが、危険に気づくのが遅れることがある。勇気ある人は恐れず闘うが、間違った方向にすすむことがある。「自分一人で全ての力を備えようとしなくて良い。人には得手・不得手があることを理解し、自分の得意分野を伸ばしながら、自分とは違う力を持つ人と協働することで、困難を乗り越えていくことはできる。」というのがひらたさんの訳だったと思います。

金管鼓隊は音楽の得意な子も不得意な子も取り組みます。金管鼓隊だけでなく、子どもによって、取り組みやすい学習や行事、苦手意識が働く学習や行事は違います。一方、学校は、子ども達が協力して共通の目標を達成するという経験を積ませたいと考えます。なぜなら、やり遂げた後で味わう達成感や充実感は、子ども一人一人の自信となって蓄積され、更に自分を成長させようとする意欲・次にすすむ力となるからです。社会に目を向けてみても、協働して共通の目標を達成しようとする活動は、いろいろな場面で見られます。そこでは、自分が得意とする役割を求められることもあれば、苦手とする役割を求められることもあるでしょう。自分が得意な分野であれば自分の強みをいかしながら、苦手に感じている人を支えればよい。自分が苦手な分野なら、得意な人に教えを請いながらやってみれば良い。とにかく、みんなが、相手を思いやって共通の目標に向かって力を合わせていく。そのためにも、子ども達には、自分の得意を磨きそれを誰かの為に役立てようとする態度、頑張る仲間を支えようとする態度を培っていってほしいと願います。

 2021年の本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。来たる2022年も、職員一同、全力で子ども達をサポートしていきます。新しき年を迎えるにあたり、地域、保護者の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

                          学校長 山 岸  茂 樹

   注)引用部分は

       『超訳 論語 自分の「器」を磨く』

         監修:野村茂夫  文:ひらたせつこ リベラル文庫

 

 

 

 

 

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保護者・地域の皆様のご厚情に感謝申し上げます

 10月27日にはマラソン大会、11月に入っての教育ウィーク期間(1日~7日)には金管鼓隊発表会(2日)、いしかわっ子駅伝交流大会(3日)、授業参観・学年懇談会・資源物回収(5日)、更にはタウンミーティング(7日)と10月の下旬から11月初旬にかけて、行事が続きました。マラソン大会では、どの子どもも自己ベストの更新を目指して粘り強く走りきることができました。金管鼓隊の発表ではマリンタウン陸上競技場での河井小学校との合同発表の後、海士町自治会館→いろは橋→住吉神社→上町通り→鳳至小学校のコースをパレードしましたが、たくさんの方々にマリンタウンまで足を運んでいただいたり、沿道に立って声を掛けていただいたりと本当に勇気をもらえました。お陰で、子ども達は力を出し切った最高の演奏をしてくれました。また、西部緑地公園陸上競技場で行われた駅伝交流大会では、競技場の大型スクリーンに力走する鳳至の子どもの姿が何度も映し出され、胸が熱くなりました。授業参観では、全ての子ども達が学習に使うことになったchromebook(クロ-ムブック=学習用ICT端末)を、保護者の皆様にも実際に操作してもらい、具体的にどんな場面で活用するのか、発達段階の子ども達にとって難しいことはどんなことか、保護者として気をつけなくてはいけないことは何かを感じて頂きました。

そして、これらの行事を通して、学校が保護者や地域の皆様のご協力とご支援に支えられていることを再認識できました。マラソン大会や金管鼓隊のパレードでは本番当日だけでなく練習期間も含めて“鳳至っ子見守り隊“の皆様に街頭での交通整理をしていただきました。漁協の皆さんには、演奏場所の確保や駐車場・トイレの手配をしていただきました。地域の皆様にもパレードコースでの駐車にご配慮いただくとともに、練習の度に声を掛けていただきました。また、資源物回収でも昨年を大幅に上回る収益を上げることができました。(この収益については、子ども達の教育活動や安全を守る手立てに利用させていただきます。)

学校の活動は保護者、地域の皆様のご理解とご協力があってこそと、心より感謝申し上げます。本当に、ありがとうございます。

 

子ども達を伸ばすために(人権教育の視点から)

話しは変わりますが、先日、門前東小学校の人権教育研究発表会に参加したおり、東大阪市で人権教育プログラムをすすめてきた、神野ちどり(元東大阪市立枚岡小学校校長)さんの講演を聴きました。その中で、現代の子ども達の実態として

 ・自尊感情が高まりにくい

 ・相手の気持ちを大切にすることを(わかってはいるが)行動に出せない

の、2つの問題点があることが挙げられました。実は、この2つの問題点は、鳳至小学校の子ども達を見ていても感じることです。では、これを解決するにはどうすれば良いのか、どの場面でどのように育てていけばいいのか?講師の神野さんからは、日常的に教師や周りの大人が気をつけること、教師の指導例について示していただきました。以下に気をつける点について、その要点を示します。

【子ども自身】

・(発達段階では)周りからしてもらうこと(かかわり)がたくさんあると

 自尊感情が育つ

  = 認めてもらう、良い評価をしてもらう、居場所が準備される  …

・達成感がある ( 自分で決めた目標をやりきる )と自尊感情が高まり、

 さらに頑張ろうとする

【子どもの周りの大人】

 ・人権感覚( = 相手の気持ちを想像して大切にすること )を高める

 ・「自分がここまでやっているのに、(子どもが)言うことを聞かないのは

  おかしい」というスタンスや態度をとらない

【子ども・大人とも】

 ・先入観や形式にとらわれず、事象の本質を考える

 ・コミュニケーションでは、まず、『聴くこと』を優先する

今後、ますます複雑化する社会を逞しく生き抜いていくため、子ども達には自信を持って生活できる力、相手の良さを認め協力し合う態度と行動力を身につけてもらいたいと考えます。学校としては、子どもたちが主体的に活動できるよう学習計画をすすめるとともに、先述した要点を職員一人一人が日常的に意識し、子ども達が自尊感情を高めたり人権感覚を磨いたりすることを図っていかなくてはなりません。保護者や地域の皆様におかれましても、重ねて、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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子どもたちの自信を深め、可能性を広げるために

10月も残り一週間。2021年度の教育課程も残り5ヶ月(6年生にとっては実質4ヶ月)となりました。学校では日々の学習活動に加え、次の学年への進級・進学を意識した“準備”の取組が増えていきます。例えば金管鼓隊は11月2日の発表会が終わると、それまでチームを引っ張ってきた6年生が引退し、5年生をリーダーとする新しいチームに編成し直されます。12月に5年生が行う県評価問題や全学年が行う市学力調査は、現学年での学習が一人ひとりの子どもに身についているかを確認するとともに、十分 身に着いたと言えない学習内容については、3学期を利用して学習し直し、次の学年での学習に備えます。5・6年生が取り組む委員会活動では、6年生の委員長を5年生の副委員長がサポートするという形態を取りながら、実は6年生の卒業後に5年生が委員会運営をスムーズにすすめられるような仕組みをとっています。

閑話休題。2002年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの心理学者であるダニエルカーネマン博士が提唱した『ピーク・エンドの法則』を紹介します。

【ピーク・エンドの法則】

最も感情が動いた時(=ピーク)一連の出来事が終わった時(=エンド)の記憶で、ある経験についての全体的な印象が左右されるという法則。

ピークやエンド時での経験が充実したものであると、活動全体は良いイメージとして記憶に残り、次の活動でも自信となって取り組める。

これを学校生活にあてはめて考えて見ましょう。

 

子どもたちには年度末(=エンド)に向かう4~5ヶ月の間に、マラソン大会や金管鼓隊発表会、学力調査、6年生を送る会、卒業証書授与式といった自分や他者のために全力を挙げて取り組まなくてはならない“学び”(=ピークを経験する学習)が予定されています。これらの“学び”から子どもたちが経験する苦労や頑張り、達成感は、それぞれの子どもたちが次のステップに挑むために欠かせない大きな自信となります。また、子どもたちには、本人も周囲の大人にもまだ認識されていない能力が秘められています。発達段階であり、当然、完成にはほど遠い、しかし、ワクワクするような可能性を隠し持っています。その可能性を広げる扉を開くためにも、これから予定されている“学び”にベストを尽くし、自信を深めてもらわなくてはなりません。そして、学校便り発行の度に触れていますが、子どもたちが自信を引き出すような充実感を得るためには周囲の大人の温かな評価の持つ役割は大きいと考えます。保護者や地域の皆様におかれましては、今しばらくは窮屈な思いをさせてしまいますが、是非とも学校に足をお運び頂き、子どもたちの姿を見て頂きたいと考えます。本校の境域活動に、ご理解とご協力をよろしくお願いします。    

      学校長 山 岸  茂 樹

 

 

 

 

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