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2021年12月の記事一覧

自分の得意を誰かのために役立てられる人、仲間を支えられる人に

2021年もあと数日で終わろうとしています。緊急事態宣言が延長されたり市内に感染者が見られたりした中で、鳳至小学校としての教育活動のほとんどを実施することが出来たのは児童一人一人の頑張りと、地域や各家庭での皆様のご努力のおかげです。一方、12月を迎えようとするころから発熱や喉の痛み、腹痛により欠席する児童の数が増えています。決めつけることは出来ませんが、その原因として、手洗い・消毒の緩みが考えられます。実際、昨年の同時期と比べ、消毒液の残量も増えています。これからの季節は、従来、インフルエンザの流行が心配されてきた時期です。因みに、インフルエンザには、エタノール消毒液の効果が高いと言われています。昨年末から今年初めのコロナに怯えたころは、手洗いも消毒も十分で、さらに、マスク着用も一般化されていたため、全国的にもインフルエンザの発症は極わずかであったことは記憶に新しいところです。一方、現在は、オミクロン株が発生したとはいえ、感染の広がりそのものは小康状態であり、危機感が薄れています。そのせいか、大人にも子どもにも、以前ほど手洗いや消毒に対する緊張感がありません。どちらかというと、寒いから(手洗いや消毒が)面倒くさいという感じです。学校でも、気を引き締め、子ども達に働きかけていきます。ご家庭でも手洗い・消毒・マスクの必要性についてご指導いただけたら幸いです。

     知者不惑     知者は惑わず

  仁者不憂  ⇒  仁者は憂えず

  勇者不懼     勇者は懼れず

さて、前号の学校便りでもお伝えしたように、2学期の終わりから3学期にかけて、学校は、子ども達に次の学年に向けた準備を強く意識させています。そんな中、12月15日には金管鼓隊の引き継ぎ式が行われました。6年生から楽器を引き継がれた5年生を中心とする新チームのパートリーダーがそれぞれ決意を述べる様子や、その様子を見守る各パートメンバー一人一人の表情を見ながら、私は新チームの成長に思いを馳せていました。そして、『論語』についてわかりやすく訳した「ひらたせつこ」さんの本の一部を思い出しました。それは次のような内容になります。

注)頭のいい人は迷わないが、その一方で、人の気持ちがわからないことがある。心のしっかりしている人はくよくよしないが、危険に気づくのが遅れることがある。勇気ある人は恐れず闘うが、間違った方向にすすむことがある。「自分一人で全ての力を備えようとしなくて良い。人には得手・不得手があることを理解し、自分の得意分野を伸ばしながら、自分とは違う力を持つ人と協働することで、困難を乗り越えていくことはできる。」というのがひらたさんの訳だったと思います。

金管鼓隊は音楽の得意な子も不得意な子も取り組みます。金管鼓隊だけでなく、子どもによって、取り組みやすい学習や行事、苦手意識が働く学習や行事は違います。一方、学校は、子ども達が協力して共通の目標を達成するという経験を積ませたいと考えます。なぜなら、やり遂げた後で味わう達成感や充実感は、子ども一人一人の自信となって蓄積され、更に自分を成長させようとする意欲・次にすすむ力となるからです。社会に目を向けてみても、協働して共通の目標を達成しようとする活動は、いろいろな場面で見られます。そこでは、自分が得意とする役割を求められることもあれば、苦手とする役割を求められることもあるでしょう。自分が得意な分野であれば自分の強みをいかしながら、苦手に感じている人を支えればよい。自分が苦手な分野なら、得意な人に教えを請いながらやってみれば良い。とにかく、みんなが、相手を思いやって共通の目標に向かって力を合わせていく。そのためにも、子ども達には、自分の得意を磨きそれを誰かの為に役立てようとする態度、頑張る仲間を支えようとする態度を培っていってほしいと願います。

 2021年の本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。来たる2022年も、職員一同、全力で子ども達をサポートしていきます。新しき年を迎えるにあたり、地域、保護者の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

                          学校長 山 岸  茂 樹

   注)引用部分は

       『超訳 論語 自分の「器」を磨く』

         監修:野村茂夫  文:ひらたせつこ リベラル文庫

 

 

 

 

 

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