日誌

2020年11月の記事一覧

ケジメを持つ・時間の使い方の工夫・自主的な学習への取り組み、そして折れない心の涵養

コロナウイルス感染症予防のための休校もありましたが、4月の入学式以来、2020年度も3分の2が過ぎようとしています。子ども達にとって、これからの3分の1の学校生活は、「2021年度への準備期間」となります。特に、今まで学校の“顔”として頑張ってきた6年生は、中学校へ進学するための準備を強く意識しなくてはなりません。なぜなら、中学校における学習、部活動、学校行事その他学校生活は、小学校以上に自主性と自律性が求められるからです。一方、これまで6年生の後ろを追ってきた5年生は、学校のリーダーとしての役職や立場を次々と経験していきます。苦労や試行錯誤とつきあいながらの活動となります。4年生は金管鼓隊のような学校の代表としての活動が増えます。その中で、今まで以上に、「自分一人の我が儘が通らないこと」を気づかされます。そして、自分のためだけではなく、誰かのためにも頑張らなくてはならないことを学んでいきます。同じように、3年生、2年生、1年生も一つ学年が上がることで、役割や責任が増えていきます。『立場が人を育てる』と言われるように、それぞれの児童が、初めてその立場に置かれ、成長につながる役割や責任を経験していくことになります。ですから、鳳至小学校としては、子どもたちが次のステップに対応できるように、その発達段階に応じて、

 ① ケジメを持つこと

 ② 時間の使い方を考える習慣を持つこと

 ③ 自主的な学習(=家庭学習)に取り組むことができること

の3点を意識して、準備をすすめるよう指導していきたいと考えます。この3点に共通することは自分自身を管理する力を意識させるということです。そして、並行して、“折れない心”(=逆境力=七転び八起きの精神=レジリエンス)を養っていかなくてはならないと考えます。

 閑話休題。末尾に添えたグラフは今年の10月に厚生労働省が公表したもので、2017年3月に学校を卒業し就職した人が3年以内にその離職割合を示しています。グラフからは高卒就職者の約4割、大卒就職者の約3割が3年以内に離職(=仕事を辞める)ことが読み取れますが、実は、この割合はここ数年、変わっていません。下の表は、内閣府がまとめた『平成30年度版 子供・若者白書』から、初めて仕事に就いた人が辞める理由を聞いたものです。辞める理由の2番目に「人間関係」が挙げられていますが、実は、このとらえ方については意見が分かれるところです。なぜなら、この結果は、あくまでも、離職した人の言い分だということです。昨今は、モラハラ、パワハラと言う言葉もよく耳にしますが、雇用者の言い分を聞けば、その辞めていく人の“人間性”について言及してくるかもしれません。ケジメをもった言動がとれていたのか。社会人としてふさわしい振る舞いが欠けていることはなかったか。もっと言えば、学校でも家庭でも、強く叱られる経験をせずに社会にでた者が、注意されて当然のことを、たまたま、厳しい口調で指摘されたり理不尽な言われ方をされたりしたことがショックで、逃げ出してしまったようなことはないか。本当に、我慢の限界だったのか。

 輪島市の教育目標には、『チャレンジ&レスポンス』と言う言葉が示されています。チャレンジは挑戦するという意味ですが、それに対して、レスポンスとは応戦する力、困難に向かって行く力を表します。「学校は、子どもたちに、学びを通して社会を生き抜いていく資質・能力を身につけさせる場」という前提を忘れないでいるなら、自主的に学ぶことも含めて自分自身を管理する力や少々のことではへこたれない気持ち、なにくそと歯を食いしばり、前に進もうとする芯の強さを持った人材となるよう指導していかなくてはなりません。そのためには、時に、厳しさは必要です。そして、その厳しさの中で、子どもをきちんと観て、子どもの良いところをタイムリーに褒めることが肝要と考えます。今の『学び』は必ず、子ども達の将来にいきてきます。学校としては、「今できる経験」、「今できる学習」をしっかりサポートしていきたいと考えます。特に、12月には、それぞれの学年で学んだことがどれくらい身についているかを調べる輪島市統一の学力テストも予定されていることから、学力の定着を中心に据え、自分自身を管理する力と折れない心を意識して指導していきます。ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。                               

 出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」

    

 出典:内閣府 「平成30年度版子供若者白書  特集 就学等に関する若者の意識」

                        学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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