日誌

校長室便り

運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

11日(土)、“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。7月中から、運動会を目指し計画を練り上げたきた子どもたちを見てきた私とすれば、ある程度の子どもたちの活躍は予想できていました。しかし、運動会当日の子どもたちの奮闘ぶりは、私の期待をはるかに超えたものでした。緊張しながらもハツラツさを見せてくれた「入場行進」、動作のつなぎを意識して取り組めた「準備体操」、全員が走りきることが出来た「徒競走」、例年以上に盛り上がりと力強さを見せてくれた「応援合戦」、赤白に分かれた低・中・高各学年がプライドをぶつけたそれぞれの「団体競技」、かわいさの上をゆく“かっこよさ”を追求した低学年の「君の心にクリティカルヒット」、小学生の演技とは思えないレベルにまで完成された中学年の「鳳至ソーラン」、オリンピック・パラリンピック東京大会の熱い思いを引き継いだかのような感動を味わうことが出来た高学年の「CANDO~感動~」、最後まで勝負にこだわってバトンをつないだ「選抜紅白対抗リレー」、そして、まさかまさかの赤・白同点に湧いた閉会式。どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組を通して、それぞれの子どもが自分や学年の役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもちろんのこと、クラスも鳳至小学校全体も大きく成長させることができたと感じています。成績発表で得点係の金岡先生が伝えた「みんなが優勝です」の言葉は、まさに、子どもたち全員の頑張りを讃えるにふさわしい言葉だったと思います。そして、運動会を成功させるには自分たちが下級生を引っ張るしかないという強い覚悟で準備や練習をすすめてきた6年生、その6年生のサポートに徹した5年生、両学年のチームワークの良さに導かれた「みんなの優勝」だったと思います。

 閑話休題。運動会開催に関わる私自身の心の内をもう少し述べさせてください。先述した通り、子どもたちは7月中から運動会の成功をイメージして準備を進めてきました。先生方も子どもたちが完全燃焼できるよう一生懸命、知恵を出し続けてくれました。その頃の自分には、運動会が実施できないのではないかという不安はとても小さなものでした。しかし、8月の前半からコロナウイルスの感染が広がり、8月末に輪島市にも感染が伝えられた時には、開催も難しいのではという不安が大きくなり、運動会の実施は“運”次第だなと考えるようになっていました。しかし、運動会当日、保護者や地域の皆様を迎える最終準備を進める中で、こうして運動会が出来るのも子どもたちの努力だけでなく、やはり、保護者や地域の皆様の努力の積み重ねがあってのことという思いが強まりました。日常的な皆様の努力の積み重ねが、“必然”として運動会の開催を実現してくれたのだと思います。保護者や地域の皆様といった大人の努力があるからこそ、子どもの学びを止めずに済んだと考えます。

 “実りの秋”という言葉もありますが、学校では10月以降も宿泊体験学習(6年)や学年集会、マラソン大会、金管鼓隊発表会など、子どもの学習の成果を発表する行事がいくつも予定されています。子どもたちの学びを止めないためにも、これまで通り、保護者や地域の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。

           学校長 山 岸  茂 樹

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日本人の中に生きる『名こそ惜しけれ』 、 『三方良し』の道徳観

夏休みが終わりました。この夏休み期間中の7月23日~8月8日にはオリンピックが開催され、8月24日からはパラリンピックが始まりました(パラリンピックの閉会式は9月5日です)。オリンピック・パラリンピックの開催については、地球規模のコロナ禍であり、いまだに開催の是非が国内外で議論されてはいます。しかし、競技にひたむきに取り組む選手の姿には心を打たれます。毎日のようにテレビに向い、声援を送っていた人も多いことでしょう。また、今大会では、サポートボランティアにも注目が集まりました。ジャマイカ代表で110mハードルの金メダリストであるハンスル・パーチメント選手を助けたストイコビッチ河島ティヤナさんが一番の例ですが、それ以外でも大会を支えるボランティアの働きぶりの素晴らしさが数多く報道されています。

蘊蓄(うんちく)を傾ければ、オリンピック運営におけるボランティアの参加は1948年のロンドン大会(イギリス)からです。当時は軍人やボーイスカウトが動員されていたようです。そして、「オリンピックボランティア」が定義され、広く一般民衆から募集されるようになったのが1992年のバルセロナ大会(スペイン)からであり、以後、“ボランティアの活躍こそが大会を成功に導く”とまで言われるほど、オリンピック・パラリンピックにはボランティアが欠かせない存在となりました。

2020東京オリンピックが成功だったかと問われれば、コロナ禍の中での開催ということで、その返答は、立場や考え方によって、違ってくるでしょう。しかし、選手にとってはかけがえのない大会であり、結果はともあれ国の代表として競技することが出来たという誇りは一生モノです。そして、自分たちを歓迎し、「おもてなし」の精神で大会を運営してくれた日本及び支えてくれたボランティアスタッフに感謝の気持ちをもってもらえたなら、選手たちにとって、このオリンピックは成功といえるのではないでしょうか。

(日本贔屓の見方も多分に含まれますが、)今回の2020東京オリンピックだけだはなく、2019年のラグビーワールドカップ日本大会、古くは2002年サッカーワールドカップ日韓大会…、その他、様々な国際的イベントが日本で行われてきましたが、その都度、日本の運営スタッフやボランティアは世界各国の人々から称賛されてきました。日本で開催されるなら安心だと思われてきました。それはなぜなのでしょうか?日本人という民族を研究する国内・海外の学者は、日本人が秘める特異な精神性について指摘します。そして、日本人の精神の中には、平安時代中期以降に現れた武士が農民やその他の身分の者から信頼を得るために築いていった“精神的美学”が現代にも残っていると言います。中でも、鎌倉時代の板東武者から起こり、武士の世界で引き継がれ現在に至る『名こそ惜しけれ』の精神や、明治から昭和期に活躍した歴史学者であり法学者でもある廣池千九郎(ひろいけちくろう)の『三方良し(さんぼうよし)』の考え方が日本人の持つ道徳性に根強く残っていることに言及します。

『名こそ惜しけれ(なこそおしけれ)』

 「名」は自分自身の存在や生き様を意味する

 鎌倉武士(板東武者)を象徴する言葉

人、ご先祖様、自分に対して「恥ずかしいことをするな」という意味。江戸時代までは武士の美学であったが、明治に入り武士階級が消滅すると、国民全体に武士社会の精神が広まる。

 ・勤勉で礼儀を重んじる

 ・公のために自分を律する

 ・恥ずかしい仕事は出来ない → 職人気質

 ・お天道様が見ている(悪いことは出来ない)

『三方よし(さんぼうよし)』

 廣池千九郎の道徳経済一体思想の中心的考え

「自分よし」「相手よし」「第三者よし」

自分・相手・第三者の三方にとっての利益を考えて行動することが大切という意味。 後に近江商人の経営理念にも引用されるようになる。

 廣池千九郎(ひろいけちくろう)

   1866年 現在の大分県中津市で出生

   小学校教員から歴史学者、法学者、宗教家としても活動

先述した、ティヤナさんもパーチメント選手の状況に立って何をしてほしいかを考え、サポートスタッフとしての役割に徹したことが、金メダルという、パーチメント選手にとってもジャマイカという国にとっても最高の結果をもたらしたことになります。これからの社会を生きる子どもたちには、2020東京大会を支えたボランティアスタッフの方々のように、「自分自身がよく考えた上での行動」を誠実に追求することができる資質を備える必要があります。鳳至小学校としては、2学期も、子ども自身が「考える」ということを重視して教育活動を組み立てていきます。そして、ここで肝要なことが、子ども達に「考える」ことが楽しいと思わせること、粘り強く考えること、考えることで困難を克服出来たという経験や積ませることです。そして、その学習や活動のようすを保護者や地域の皆さんに評価してもらうことで、子どもたちは自信を深めたり、反省してより良い学びに改善したりすることができます。

 コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用することと消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

        学校長   山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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夏休みを使って、『時間を管理する』練習を!!

7月14日、北陸地方にも梅雨明けが宣言されました。いよいよ本格的な夏の到来です。そして、2年ぶりに子どもたちが楽しみにしている40日あまりの長い夏休みに入ります。昨年は休校期間があったため、10日間しか休みがなく、夏休み帳も図工や習字の宿題もありませんでした。今年は休みが長い分、夏休み帳もあれば、読書感想文、バリ勉ノート、図工や習字といった応募作品の宿題もあります。また、学校としてはたくさん本を読むことも奨励します。 しかし、子どもにとってみれば、せっかくの休みなのだし、プールや海に行ったり、友だちと遊んだりしたい、自分のやりたいことに時間を使いたいというのが偽らざる気持ちです。

そこで問題になってくるのが、“時間の使い方(時間を管理する力)”です。学校の日常ならば8:30から16:00までの間に読書(朝読書)の時間や5~6コマの授業、休み時間、給食、掃除の時間が設定されます。そして、先生という名の大人の主導の下、子どもの好き嫌いにかかわらず、やるべき勉強や活動を行います。しかし、休みの日は、子どもが行動内容を決める割合が増えます。そうすると、自分の好きなことを優先させたい、面倒くさいと思うことは後回しにしたいという思いが先に立つのが人情です。やらなくてはならないと意識している勉強も、後回しの対象になります。実際、夏休みも残り数日というころになって慌てて宿題をするのは、まさに、休みの間に自分のやりたいことを優先させ、面倒くさいことを後回しにした結果です。

この夏休み、子どもたち自身が主体となって活動する時間が増えます。しかし、その時間を、その時さえ楽しければよいこと、やりたいことばかりに費やしてしまえば、自分をバランス良く鍛えることはできません。そこで、子どもたちには、長期の休み中に、自分自身で『時間を管理する』練習に取り組んでほしいと思います。1日の中で、「好きなこと・やりたいことに使う時間」と「やらなくてはならないことに使う時間」をやりくりする力、40日間を見通し、「やらなくてはならないことを無理なく終わらせる」ために計画的に実行にうつす力、「やらなくてはならないこと」をやりきろうとする態度が身につくようチャレンジしてほしいと願います。

“時間を管理する”ことは、意識したからすぐに出来るというものではありません。小学生、特に低学年の子どもたちには、大変、難しいことだと思います。しかし、心がけたり実際にやってみたりして得た成功体験・失敗経験とも、必ず、子どもたちの将来にプラスに作用していきます。子どもたちがくじけそうな時はご家庭で声を掛けていただければ幸いです。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

【追記】

6月の段階では未確定であった、金管鼓隊発表会は11月2日に河井小と合同で行うことになりました。時間や場所等、詳細については、2学期に入ってお知らせいたします。

                                        学校長   山 岸  茂 樹

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「読める子」・「読むことを嫌がらない子」を育てるため、ご協力をお願いします!!

県の非常事態宣言が解除され、6月19日(土)にはマリンタウン陸上競技場で、輪島市ちびっ子オリンピック陸上競技大会が行われました。鳳至小学校からは41名の児童(内、ジュニアアスリートクラブに所属する選手は12名)が参加しました。コロナ禍で練習できる日も少なく、また、当日は雨交じりで風も強く、競技会を行うことそのものが厳しい状態でしたが、子どもたちが懸命に走る姿に、清々しさと勇気をもらうことが出来ました。一方、輪島市民祭り、輪島市小学校陸上競技大会、輪島子ども議会、小学校水泳記録会、三夜踊りと次々に子どもたちが楽しみにしている行事の中止が決まりました。2学期以降の行事については、変異株の流行の度合いや、ワクチン接種の進み具合など様々な動向を見守りながら、開催規模や内容を吟味した上で、できるだけ実施する方向で進めたいと考えています。尚、市民祭りの際に行う予定であった金管鼓隊のドリルやパレードは、11月の初めに開催することを目指して案を練っている最中です。

 さて、5月26日には県基礎学力調査(4年生:国語・算数、6年生:社会・理科)が、27日には6年生を対象とする全国学力学習状況調査(国語・算数)が行われました。鳳至小学校としての結果を見ると、一昨年、昨年と比べ、問題全体の正答率は上がってきています(因みに、昨年は、コロナによる休校期間があったため、1学期の終わりがずれ込んだ8月初めに学校ごとに実施しました。)。しかし、「読む(読み取る)」分野を苦手とする児童が多いことも結果として表れています。昨今、よく用いられる言い方をすれば『読解力』が弱いということになります。特に今回のようなテストでは、授業で勉強したことに沿って問題が出される単元テストとは違い、「見る文章は初めて」、「問われている内容も自分で判断する」ということで、何をどのように答えれば良いか自信が持てないという児童が増えます。そして、この自信のなさは、「文章が示す内容」、「問題文が何を求めているか」のどちらかまたは両方の読み取りの不正確さを引き起こし、「決められた時間内に問題を解くことが出来ない」「文章問題に解答しない」といった結果に表れます。これに対し、本校では、国語科を中心に語彙力、想像力を含めた読解力の向上を目指し、言葉の意味を問い返しや話し合いを通じた子ども同士の関わり合い、図や表を読み取る活動、児童が考えたくなる“問い”(=課題・発問)を意識した授業づくり等に取り組んでいます。また、朝読書や家庭学習、リテラシータイム(学習を振り返る時間)等を活用して「文章に慣れること」「自分の思いを書く・話す」「友だちの言わんとしていることを正しく聴きとる」などの取組もすすめているところです。勉強というのは今日の頑張りが明日すぐに成果となって表れるというものではありません。しかし、地道に努力を積み重ねることで、半年先、一年後には必ず力となって自分を助けてくれます。教職員も一丸となって日々の授業や取組をすすめていきます。そして、ここで、一つお願いがあります。

 『読解力』をつけるためには、「読むことを面倒くさいと思わない」ことが大切な条件です。読むことを嫌がらない。読むことは当たり前。さらに、読むことが習慣化しているとなれば最高です。鳳至小学校では、毎月、10日・20日・30日を“読書の日”並びに“ノーゲームディ”に設定しています。また、夏休みや冬休みなどの長期休業期間も読書を推奨しています。これについてご家庭でもご協力を仰ぎたいと思います。さしあたって、学校が設定している“読書の日”に子どもたちに読書を促すことをお願いします。読解力がつくことで自主学習力も自然と高まります。自主学習力が高いということは、職業についても、自分で工夫できる人材として大事にされます。子どもたちの将来を見すえても、まず、「読める子」・「読むことを嫌がらない子」を育てることが急務と考えます。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

学校長 山 岸  茂 樹

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終わりの見えないコロナ禍ではありますが…

保護者・地域のみなさまへ

全国的なコロナウイルス感染症拡大の勢いは衰えを知らず、ご存知の通り、石川県でも5月9日に緊急事態宣言が出され、金沢市については国から蔓延防止等重点措置を講じる区域に指定されました。輪島市でも、5月30日から6月6日の間に企画されていた市民祭りの各種イベントの一部中止・変更や延期が発表され、6月1日に予定されていた公道を使った聖火リレーも中止となりました。また、6月15日に予定されている輪島市小学校陸上競技大会(鳳至小は6年生が出場)も種目数の削減など運営の変更を余儀なくされています。それ以降の行事も感染問題の推移次第で、やはり変更や縮小、中止を考えなくてはならなくなるでしょう。しかし、子どもたちの成長には「やりきったという満足感」や「集中して頑張ることが出来たという達成感」が絶対必要です。『コロナのせいで何も出来なかったという一年にしない』を子どもと教職員の共通の合い言葉として、子どもの思いを訊きながら、知恵を出し合い、「頑張って良かった」と思える教育活動を実施していく所存です。また、そのためには、保護者をはじめ地域の皆様に助けて頂かなければ、実現できないことも多々あります。活動や企画の詳細が決定しましたら、お知らせします。いつもお願いばかりですが、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします。

□ “鳳至っ子”のみんなへ

 2021年度が始まっても、毎日の検温に始まり、マスクの着用や手洗い、換気、そしてソーシャルディスタンスなど気を付けていかなくてはならないことがたくさんあります。また、楽しみにしていた行事や活動ができなかったりもしています。昨年の長い休校期間に似た息苦しさを感じているかもしれません。せめて、学校生活では、皆さんに元気に過ごしてほしいと考えます。そこで、昨年の今ごろ、学校便りで、みなさんにお知らせしたことをもう一度、書いてみました。

①    「いさつ」 と 「さごはん」

・「おはようございます」、「こんにちは」などのあいさつと「ありがとうございます」が言える。

 → 自分も周りの人も気持ちがさわやかになります。

・「あさごはん」を食べる。

 → 1日の元気と授業の集中力につながります。

②    「い返事」

 → 自分の中にも相手にも、頑張ろうという気持ちがわいてきます。

③    「運動(んどう)」

 → 健康な体と心をつくるには絶対、必要です。気持ちもすっきりします。

④    「笑顔(がお)」

 → 自分も周りの人も、楽しく、幸せな気分になります。

⑤    「もいやり」

 → 困っている人の気持ちを少しでも温かくしてあげることが出来ます。

ちょっとした“心がけ”でみんなが、穏やかになったり、お互いをわかり合える素敵な関係になったりすることが出来ます。皆さんの学校生活が少しでも明るく元気なものになることを願います。覚える方法は、それぞれの最初の文字を順に覚えて下さい。生活を良くする「」です。このことに気をつけて、学校生活をよりよいものにしていきましょう!!

 学校長 山 岸  茂 樹

 

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GIGAスクール構想(学習場面での情報端末の活用)について

校庭や夕陽ヶ丘の桜も満開の中で行われた入学式及び始業式から約3週間が過ぎました。学校の中には、新しい学年を頑張ろうとする子どもたちのやる気がみなぎっています。そして、この子どもたちの新鮮なやる気を大切にして教育活動をすすめていこうと、私たち教職員も緊張の毎日です。

さて、令和3年1月、文部科学大臣が有識者に対し「新しい時代における幼稚園から高等学校までの各段階での教育をどのようにすすめればよいか」を諮問した(意見を求めた)ことについての答申(回答)が発表されました。この答申では、急激に変化する時代の中で子どもたちに

一人一人の児童生徒が、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の作り手となる

ことができるよう、その資質・能力を育成するとした上で、2020年代を通じ、「令和の日本型学校教育」として、「全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」を実現することを目指すことが提言されました。そして、個別最適な学びをすすめるためには、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整えなくてはならないということで、現在、日本全部の学校ですすめられている取組が『GIGAスクール構想』になります。

ご存知の通り、私たちの身の回りにはパソコンをはじめ、スマートフォンやタブレットなど情報端末と呼ばれるものが珍しくない時代に入っています。しかし、これが学習面に活用されている割合は、実際にはそれほど高くはありません。日本の場合、むしろ、低いというのが現実です。

[PISA調査2018]

 ・学校外(家庭)で、一人用ゲームで遊ぶ割合

               … 日本の子どもは世界一多い

 ・学校外(家庭)で、学習のためにインターネットを使う割合

               … 日本の子どもは世界一少ない

PC、スマホ、タブレットなどのディバイス(装置)が普及し、今後もさらに発展していく時代であるにもかかわらず、子どもの家庭における学習場面ではその良さを活かしきれていないということになります。今回のGIGAスクール構想では、子ども一人に一台のタブレットを準備し、鉛筆や消しゴムといった文房具と同じように、学習場面で当たり前に使うことで、子どもそれぞれの学習に役立てたり自校だけではなく他の学校とも一緒に学んだりすることが出来るようになることを目指しています。鳳至小学校でも2021年に入り、1月にWifi環境を整備する工事が行われ、2月にはタブレット収納庫の設置、そして、3月末に児童と教師分のタブレットが入りました。現在は、子どもたちがタブレットを使えるように準備(個々への割り振り、アカウント設定、バージョンアップ等)をすすめており、ゴールデンウィークあけから子どもたちが利用できればと思っています。授業でどのように使っていくかについては、職員研修もしていますが、手探りの状態であることは否めません。また、子どもたちの発達段階によって、できることとできないことはありますので、1・2年生(低学年)では撮影や記録、ローマ字を学ぶ3・4年生(中学年)でキーボード入力、そして5・6年生ではプレゼンテーションに利用したり、表やグラフを作成したりする力を養うことを基本に、授業を重ねる中で、子どもたちと一緒に成長していきたいと考えます。今後、授業等を見られて、ご意見やご感想がいただけたら幸いです。

学校長 山 岸 茂 樹

 

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鳳至小学校がめざす子どもの姿

2019年度末からつづくコロナウイルス感染症問題は、未だ終息せず、ワクチン接種も予定通りには進まない中で、2021年度の鳳至小学校の教育課程がスタートしました。問題の長期化は、「一律の自粛・縮小・削減」という考え方から、「新しい生活様式を意識してコロナとつきあいながら、何が出来るかを模索する」方向へと変わってきています。学校としても、感染防止対策の徹底の下、学習と体験活動を両輪に、子ども達が将来を生き抜くために必要な資質や能力の礎を築く教育活動をすすめていきます。今年度も、保護者や地域の皆様のご理解とご支援をよろしくお願いします。

 さて、今年の2月に、輪島市の教育大綱が改訂されました。教育大綱(きょういくたいこう)とは地方公共団体(今の場合、輪島市)が目指す「人づくり」(教育)のための根本的考え方を意味し、5年ごとに見直しがかけられます。今回の輪島市の改訂では

【基本理念】 人生100年時代を幸せに生き抜くための教育

 と定められ、これを、実現すべく、各教育段階で努力するということになりました。

一方、本校では、IT(情報技術)やAI(人工知能)の急速な進歩とともに、人間の生活も著しく変化する中、子どもたちが社会を生き抜くために必要な力として、次の5つの力について職員で共通理解を図ってきました。

①    一生学び続ける力(課題を見つけ、その解決に向けてやりがいを持って探求していく力)

②    社会人基礎力(建設的に取り組む力、考え抜く力、チームで働く力)

③    自己存在感並びに他者を支えて行こうとする心・態度・実践力

④    コミュニケーション能力

⑤ 自己管理能力

そして、子どもの発達段階を考え、上記の5つの力を付ける土台を築くため、「主体性」や「協働性」、「達成感」、「自己肯定感」をキーワードに、学習・生活の両面から教育活動をすすめてきました。今年度は大綱の改定もあり、①の「一生学び続ける力」を支える力として、特に学習面のかかわりから、子どもたちの「読解力」を鍛え、それを基に、将来的には「自主学習力」の涵養につなげることを目指したいと考えます。そのため、本校教育目標、

 「創造性豊かで頼もしい人づくり」 の下、次のように重点事項を設定しました。

【令和3年度 重点事項】

 ①自分から学ぶとともに、友達と学び合う子どもたちに

 ②友だちのよさを見つけ合い、協力し合える子どもたちに

 ③大きな声であいさつし、自分を表現できる子どもたちに

 ④自分を知り、よりよい自分に挑戦する子どもたちに

 以上の重点事項に基づく教育活動につきましては、学校・学年だよりの発行、授業参観等の授業、運動会等の学校行事はもちろんのこと、機会を捉えて学校に足を運んでいただき、お子様の姿をご覧になってご確認いただければ幸いです。また、子どもたちの社会性を育てる為に、より一層、保護者の皆様・地域の皆様にご協力が必要になるとも考えております。重ねてご協力のほど、よろしくお願いします。

     学校長 山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

 

 

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この1年を振り返る

コロナウイルス感染症問題とつきあいながらの令和2年度でしたが、3月19日(金)には2年ぶりに、全学年が揃って、第50回の卒業証書授与式を行うことが出来ました。卒業生に餞(はなむけ)の言葉を伝えながら、改めて、「コロナ禍であっても、やれること、学べることはたくさんある」を実証してくれた卒業生を中心とする“鳳至っ子”の頼もしさを振り返ることができました。

【主体的で対話的な深い学び】

「相手の話をしっかり聴いて、自分の考えを再構築する」ことをゴール目標に、語彙力・想像力・読解力の向上を目指しました。そのため、分からない言葉をすぐに辞書で調べたり自分の言葉で説明し直したりする活動、モデル(見本)を参考に話し合ったり教師が多様な考えを引き出す問いかけをしたりすることで、解決の手立てを見つける活動、アドバイスをもとに自分の書いた文章を推敲する活動に取り組みました。その結果、学期がすすむごとに、自分の考えを適切に表現することが出来る子や相手意識をもって話したり聞いたりできる子、根拠となる文章や図を正しく読み取ることが出来る子が増えてきました。

【活動の見える化(発信力)】 

 年度当初のアンケートでは、自己肯定感が低いために自分に自信が持てない児童が多くみられました。そこで今年度も学級便りの発行やHPの更新を中心に、活動の「見える化」を意識しました。また、コロナ禍であっても、できるだけ多くの方々に子どもたちの頑張る姿を見ていただけるよう、日常の感染対策を徹底しながら、極力、行事を実施しました。何度も練習し磨き抜いた技を披露する活動の中で、発表を成功させることが出来た経験や、他学年や保護者・地域の皆様から称賛の言葉をいただいた経験は、子ども一人一人の達成感や充実感を高めるとともに、学ぼうとする態度や、もっと上手に表現したいという前向きな気持につながっていきました。

【自己肯定感から「さらなる意欲へ」】

上記の活動の見える化に加え、キャリアパスポートを活用して、学校行事や体験活動の度に、子ども自身が自分や仲間、活動全体を振り返る活動を設定することや、子どもの頑張ったこと、成長が見られたことについて、保護者の皆様に感想や意見、評価を書いていただく取組をすすめました。このことは、子ども同士が友だちの良いところを認め合うとともに、刺激を受け合い、さらに活動を向上させようとする意欲を高めることにつながりました。また、苦労したり失敗したりすることもありましたが、「仲間との協力・協働」や「誰かのために」を、再度、意識することで、粘り強さが見られるようになり、最終的には、期待以上の成果をあげてくれました。「やればできた」という成功体験は自信となり、もっとやってみたいという“更なる意欲”にも発展しています。特に、6年生からリーダーとしてのバトンを受け継いだ5年生からは、「今度は自分たちが、素晴らしい鳳至小を創っていくために頑張らねばならない」という使命感を感じることが出来ます。

【社会人基礎力】

今の子ども達が、今後、著しく変わることが確実視される社会の中で、自己の幸せをつかみ、社会に貢献できる人材となるためには、社会変化に対応できるよう『常に学び続け、仲間と協力し、身につけた知識を生かすことができる力』が必要となります。また、立ちはだかる壁を乗り越える、『しなやかなたくましさ(七転び八起きの力)』も必要となるでしょう。その基盤となる力は、この素晴らしい鳳至という地で養われた感性や様々な人々との出会いから培われます。学校や地域が連携できる恵まれた環境で子どもを育て、いずれ、明るい未来を照らす人となってくれるよう、今後もこの教育活動にさらに磨きをかけていきたいと思います。そして、来年の卒業式でも、子どもたちの清々しい笑顔を見たいと思います。今年度もたくさんの方々に、ご支援とご協力を頂いた事に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

令和3年度も子ども達が活躍する姿にご期待下さい。 

 

 学校長  山 岸  茂 樹

 

 

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卒業式祝辞

四月十六日から約一月半の臨時休校、わずか十日間の夏休み、そして、お盆が明けてすぐの二学期開始…。本当に今まで経験したことのないことばかりでした。そして、新しい生活様式のために」という言葉に、正直、何度も息苦しさを覚えました。それでも、ワクチンの接種開始ニュースは、私たちに希望を与えてくれます。また、何より、今年度は、鳳至小学校の児童全員で、今日の良き日を向かえることも出来ました。トンネルを抜けた先では、たくさんの光を纏うことができます。

六年間の教育課程を修了された、四十一名の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

また、本日、第五十回の卒業証書授与式を挙行するにあたり、輪島市教育委員 左古 隆 様にご臨席を賜りましたこと、並びに、PTA会長 山田 忠和 様をはじめ、多数の皆様に温かいメーセージをいただきましたことに心よりお礼申し上げます。

さて、卒業生の皆さん。皆さんが最上級生となった令和二年度は、冒頭でも述べた通り、まさに、「コロナウイルス感染症」との戦いでした。皆さんが楽しみにしていたさまざまな行事や大会も大きく変更されました。しかし、皆さんは、慌てず、ひたむきに準備をすすめ、本番では、最大限のパフォーマンスを見せてくれました。

例えば、運動会。コロナの問題に加えて、熱中症の危険もあるため、プログラムの内容だけでなく練習時間にも制限がかけられました。また、せっかく練習しても、感染者が出てしまえば、運動会そのものが中止になる恐れもありました。運営や応援指導、他学年のサポートを任されていた六年生は不安も大きかったことでしょう。しかし、当日は、内容の濃い充実した運動会となりました。どの学年もやりきったという満足感に溢れていました。そして、それを支えたのは、六年生全員の意識の高さとチームワークの良さでした。

次に、金管鼓隊。輪島市祭が中止となり、発表の場を失ったダメージは計りしれないものでした。しかし、市民の皆様の努力もあり、感染者が増えず、十月にはマリンタウン陸上競技場を会場に、河井小学校と合同で発表会を開くことができました。6年生の「なんとしても発表を成功させたい」という熱意が、5年生を突き動かし、“美爆音”を合い言葉に、一日ごとに演奏が仕上がっていく様は感動的でした。当日の発表も最高のものでした。たくさんの地域の方々から、演奏も振りつけもここ数年で、一番とのお褒め言葉をいただきました。

各委員会の活動では、6年生の「良き伝統を築きたい」という気概が随所に見られました。

「コロナのせいで何も出来ない」ではなく、「コロナ禍であっても、工夫すれば、やれること・学べることがたくさんある」ということを、皆さんは行事や委員会の取組で、証明してくれました。

ここで、改めて、皆さんの活躍を引き出してきたものは何なのかを考えてみると、“誠実さ”“思いやり”“向上心”といったキーワードに辿り着きます。皆さんからは「現状に満足するのではなく、自分たちの最高の表現をしよう。」「仲間と協力して、悔いのない取り組みにしよう。」「下級生に伝えなくてはならないことは、技術だけではなく、心構えまでしっかり伝えよう。」という思いや態度を感じることができました。私だけではありません。六年生を送る会で、送る側の下級生が目に涙を浮かべる姿や、六年生のためにと団結して頑張る姿は、6年生の思いや態度を、毎日のかかわりの中で感じとり、憧れと感謝をいだいていたからこその姿です。これらの卒業生の皆さんの思いや態度は、下級生に引き継がれていくものと確信しています。

また、これからの世の中は人工知能や情報産業が発展し、便利な生活となる一方で、新しい考え方や技術に対応する力を自分自身で身につけていかなくてはなりません。そのため、自分で目的意識を持って学びをすすめる「自主学習力」と、一人で解決できないなら仲間と力を合わせて解決を図る「協働できる力」を高めることが求められます。何だか、難しく聞こえますね。しかし、心配することはありません。皆さんに備わっている「誠実さ」「思いやり」「向上心」をフル活用して下さい。そうすれば、自ずと、「自主学習力」は高まります。「仲間と協働できる力」は強くなります。自信を持って、前に進んで下さい。

保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。凛凛しく健やかに成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。ただ、まだまだ、子どもたちには、皆様のお力添えが必要なことは言うまでもありません。特に中学生では、家庭の監督力や教育力の有る無しが、子どもの将来を左右することにつながる場合もあることを覚えておいて下さい。

結びに、『夢』を実現させようと努力を繰り返す中で、『自由』という言葉の本当の意味を知ることになります。そして、『夢』に向かって進もうとすればするほど、「感謝」・「挨拶」・「笑顔」の大切さを学びます。出来ない言い訳ばかりでは、解決も成長もありません。卒業生の皆さん、一人一人が、自分自身と社会を真摯に見つめ、解決のための一歩を踏み出せる大人へと成長されることを祈念しまして、式辞と致します。

令和三年 三月十九日  

輪島市立鳳至小学校 校長 山岸茂樹

 

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卒業生の姿を見て在校生は育つ -『6年生を送る会』を振り返って-

2020年度も残り約1ヶ月、学校の最大行事である卒業証書授与式も約3週間後(3月19日挙行予定)に迫っています。2月19日(金)には、卒業式の前哨戦となる『6年生を送る会』が開催されました。名前の通り、この会は卒業を控えた6年生のために開かれる行事ですが、在校生(1~5年生)のどの学年の発表も卒業生(6年生)に対するこれまでの感謝と、これからの中学校生活へのエール(激励)が込められていました。6年生との関わりの中で「小学校に親しみを持ち学ぶ楽しさを知ることができた喜び」を精一杯伝えようとする1・2年生、6年生が守ってきた伝統の鼓隊を来年は自分たちも引き継ぐ準備ができていることをアピールしたい3年生、指導してくれた6年生に少しでも良い校歌を届けたいと緊張しながらも真摯に演奏した4年生。そして、今まで6年生が果たしてきた「学校を支える役割」を全て引き継ぎ、送る会の成功のために一致団結した5年生…。率直に「子どもたちの成長はすごい」と感じました。そして、在校生一人一人が「卒業生を喜ばせたい」とういう思いを持ち、素直に頑張ることが出来ることを誇らしく思いました。一方、在校生の演技を見る卒業生の目は優しく、中には、今まで自分たちが背負ってきた重たい荷物をやっと下ろすことが出来たといった穏やかなものもありました。 小学生という発達段階の集団においても、学年が一つ上がるごとに、要求される役割や責任の程度はレベルアップしていきます。6年生ともなれば学校の内外にかかわらず、リーダー性や指導力、責任ある言動が求められます。今年度はコロナ禍で発生した“新しい生活様式”に基づく「いつもとは違った学校生活」、「いつもとは違った学校行事」が強いられたことから、6年生には、例年以上に、我慢すること、工夫すること、気を配ることを求められました。息苦しかったことでしょう。苦労することも多かったと思います。それでも、6年生は学校のリーダーとしての役割と責任を自覚し、学校生活の模範となるとともに、新しいルールの中で行う鳳至オリンピックや鳳至小大運動会、金管鼓隊発表会等の行事を成功させてくれました。下級生は難しい状況の中で学校や自分たちのために奮闘する6年生の姿を見ているからこそ、6年生への感謝の気持ちが大きくなるのだと思います。そして6年生に憧れを抱き、「6年生のようになろう」「今度は、自分たちが6年生のために」と頑張ることができたのだと考えます。しみじみ、卒業生(6年生)の存在の大きさを感じています。

 子どもたちは仲間と協力し目標に挑む中で、達成感や充実感、感動、共感、他者のよい点に目が向くこと、誰かのためにも頑張ろうという気持ちを持つこと等、たくさんのことを学び、経験しています。そして、その学びや経験は、新たな役割や責任に向かう意欲となり、更に子どもたちを成長させる場面へとつながっています。この1年間の子ども達の成長を頼もしく思うとともに、今後も、仲間と力を合わせて目標達成に挑む経験を意図的に仕組んでいく中(協働する場面を準備する中)で、子ども達の可能性を引き出していきたいと考えます。保護者・地域の皆様におかれましてもご理解いただくとともに、今後ともご協力をよろしくお願いします。                        学校長 山 岸  茂 樹

 

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