日誌

校長室便り

『意志あるところに道は開ける』 Where there is a will, there is a way.

   タイトルの言葉はアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉です。

1月8日(金)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあったりコロナウイルスに感染したりすることもなく、202名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。しかし昨年暮れからの大寒波は、7日からは「数年に一度レベル」となって、日本列島を襲いました。特に、9日・10日の積雪は輪島市内の平地でも60センチを超えたことは、記憶にも新しいことと思います。降雪のおさまった11日(月)には鳳至地区の各地で、地域の皆さんが協力して除雪作業を行うようすが見られました。学校も11日の午後、職員総出で、校門から児童玄関、職員の駐車スペース、児童クラブまでの動線を除雪しました。(小磯組 協建設、地域の皆様のご協力、ありがとうございました。)しかし、学校の敷地内の除雪が精一杯で、学校周辺の歩道の除雪までは手が回りませんでした。道幅も狭く、ましてや歩道も通ることの出来ない状態であることから、12日(火)は普段通りの登校ができないのではと心配しましたが、それでも子どもたちがそろって登校できたことは、地域や保護者の方々の頑張りのお陰と感謝しています。

 さて、通常、鳳至小学校の子どもたちは旧山口医院のあたりからグラウンドに入り、そのままグラウンドを横切って児童玄関へ進んできます。12日の朝も、20人~30人ほどの子どもたちが、雪が60センチほど積もるグラウンドを一歩一歩踏みしめながら、校舎を目指していました。その跡は、朝の登校が終わる頃には、70センチほどの幅の細い道となりました。2限後の長休みになると、子どもたちは一斉に外に出て、それぞれが雪遊びを楽しんでいましたが、この長休みが終わるころには、グラウンドの校舎に向かう道は2メートルほどに広がっていました。午後になって気温が上がり雪も溶け出しましたが、子どもたちが下校した跡のグラウンドを見ると、踏みしめられた部分だけ湿り気が強調され、白いグラウンドの中に灰色の“道”がくっきりと浮かび上がっていました。それを見て、私の頭の中に浮かんだ言葉が表題の『意志あるところに道は開ける』です。大人なら、60センチも雪が積もっていたら、それを突っ切って校舎を目指そうとは、よほどのことがない限り考えないと思います。しかし、子どもは意に介さず、がむしゃらに校舎を目指します。自分の膝の高さよりも深い雪を前にしてもひるむことなく、むしろ面白みを感じながら進んでいきます。困難を困難と思わず、「それをやり遂げようと強い意志を持てば必ず道は開ける」というこの言葉が表す意味を子どもたちが体現してくれているようで(そんなに大げさなことではないかもしれませんが)、妙に感心してしまいました。そして、「惑うことなく、意志を持って、前に進める」子どもたちの素直さや純粋さ、たくましさと可能性を生かした教育活動を進めていきたいという思いを強くしました。

 2021年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。今年度も、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

                                                   学校長 山 岸  茂 樹

 

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子ども達の未来のため、『読解力』の向上をすすめます!

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)問題で幕を開けた2020年もあと数日で終わろうとしています。コロナ問題はCOVID-19とあるように、2019年末からの流行ですから、はや、1年が経過したことになります。そんな中で、休校を挟みながらも、感染者を出すことなく学校の教育活動をすすめることが出来たのは児童一人一人の頑張りと、地域や各家庭での皆様のご努力のおかげです。また、子どもの自己肯定感を高めるためには、子ども達を見守る大人の声かけが必要と、行事があるごとに学校等に足をお運び頂きましたが、その際には、検温やマスクの着用はもちろんのこと、参観マナーにつきましても、ご理解とご協力を賜りましたことに、心よりお礼申し上げます。

さて、前号の学校便りでもお伝えしたように、2学期の終わりから3学期にかけて、学校は、子ども達に次の学年に向けた準備を強く意識させていますが、学習面では、新学年の学びがスムーズにすすめられるように現学年での学習を確実に自分の力として定着させる(身につける)取組をすすめています。学習事項の定着度を計る手段としてよく用いられるのがテストですが、このテストにおいて、問題が解けなかった子の半数以上が“問題文を読んでも、何を聞いているかわからない”ことを訴えてきます。実はこの訴えのような「文章の意味が読み取れない」=「読解力(どっかいりょく)の不足」に関わる事例は、教育現場のみならず様々な生活場面で問題視されているところです。もう少し『読解力』について考えてみましょう。字面でみれば「読んで(その意味を)理解する力」ということですが、文部科学省から出されている読解力向上プログラムには次のように定義されています。

【読解力】

   自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に

 社会に参加する ために、  書かれたテキストを理解し、利用し、

 熟考する能力

 この定義に当てはめて考えると、読解力が不足するということは、単純に目の前の問題が解けないということだけでなく、社会に参加することまでを難しくするということになります。そう言えば、昨今、AI(=人工知能)技術が飛躍的に向上していますが、「AIが、人間が行ってきた仕事を代行する(=「AIが人間から仕事を奪ってしまった」)事例がよく見られます。AIはそもそも、人間がつくりだしたものですから、人間の命令で動くと考えれば、一問一答のような「こうならばこう」といった単純な動作が強いということになります。一方、定義によると、読解力には「熟考する力」も含まれますが、この部分はどうでしょう。いろいろな条件や好みを考え併せながら、総合的に判断力することは、実は、AIにとっては苦手な仕事です。逆に人間ならではの技や勘、経験が活かされる分野になります。推理や想像(イメージ)しなくてはいけない部分はすぐれたAIといえど、人間を超えることは出来ないと言えます。

話を整理しましょう。読解力を高めると言うことは、単純に目の前の問題がわかるだけではなく、近い将来、AI(人工知能)が蔓延する世の中となっても、仕事を奪われず、社会に参加できるということになります。とすれば、子ども達が未来を生き抜く力を培う場である学校で、『読解力』を高める活動に取り組むことは必須のことです。現在、授業等で行っている「声に出して読む」、「線を引きながら読む」、「言葉の意味を問い返す」、「図・表・グラフの等の資料を関連づけて自分の考えを作る」、「朝読書」、「短作文」等の活動を注意深く継続しながら①文章や図・表・グラフの意味を正しく理解する力、②作者の意図を読み取ったり要約したりする力、③読みとったこと・考えたことを表現する力を伸ばしていきたいと考えます。また、読解力を高めることにより、今後、子ども達が中学校、高校、大学、就職…と、ステージアップすればするほど必要となる自主学習力(=自分で学ぼうとする力)も高めていくことができればと考えます。

2020年の本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。来る2021年も、職員一同、全力で子ども達を支援していきます。

新しき年を迎えるにあたり、地域、保護者の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

            学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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ケジメを持つ・時間の使い方の工夫・自主的な学習への取り組み、そして折れない心の涵養

コロナウイルス感染症予防のための休校もありましたが、4月の入学式以来、2020年度も3分の2が過ぎようとしています。子ども達にとって、これからの3分の1の学校生活は、「2021年度への準備期間」となります。特に、今まで学校の“顔”として頑張ってきた6年生は、中学校へ進学するための準備を強く意識しなくてはなりません。なぜなら、中学校における学習、部活動、学校行事その他学校生活は、小学校以上に自主性と自律性が求められるからです。一方、これまで6年生の後ろを追ってきた5年生は、学校のリーダーとしての役職や立場を次々と経験していきます。苦労や試行錯誤とつきあいながらの活動となります。4年生は金管鼓隊のような学校の代表としての活動が増えます。その中で、今まで以上に、「自分一人の我が儘が通らないこと」を気づかされます。そして、自分のためだけではなく、誰かのためにも頑張らなくてはならないことを学んでいきます。同じように、3年生、2年生、1年生も一つ学年が上がることで、役割や責任が増えていきます。『立場が人を育てる』と言われるように、それぞれの児童が、初めてその立場に置かれ、成長につながる役割や責任を経験していくことになります。ですから、鳳至小学校としては、子どもたちが次のステップに対応できるように、その発達段階に応じて、

 ① ケジメを持つこと

 ② 時間の使い方を考える習慣を持つこと

 ③ 自主的な学習(=家庭学習)に取り組むことができること

の3点を意識して、準備をすすめるよう指導していきたいと考えます。この3点に共通することは自分自身を管理する力を意識させるということです。そして、並行して、“折れない心”(=逆境力=七転び八起きの精神=レジリエンス)を養っていかなくてはならないと考えます。

 閑話休題。末尾に添えたグラフは今年の10月に厚生労働省が公表したもので、2017年3月に学校を卒業し就職した人が3年以内にその離職割合を示しています。グラフからは高卒就職者の約4割、大卒就職者の約3割が3年以内に離職(=仕事を辞める)ことが読み取れますが、実は、この割合はここ数年、変わっていません。下の表は、内閣府がまとめた『平成30年度版 子供・若者白書』から、初めて仕事に就いた人が辞める理由を聞いたものです。辞める理由の2番目に「人間関係」が挙げられていますが、実は、このとらえ方については意見が分かれるところです。なぜなら、この結果は、あくまでも、離職した人の言い分だということです。昨今は、モラハラ、パワハラと言う言葉もよく耳にしますが、雇用者の言い分を聞けば、その辞めていく人の“人間性”について言及してくるかもしれません。ケジメをもった言動がとれていたのか。社会人としてふさわしい振る舞いが欠けていることはなかったか。もっと言えば、学校でも家庭でも、強く叱られる経験をせずに社会にでた者が、注意されて当然のことを、たまたま、厳しい口調で指摘されたり理不尽な言われ方をされたりしたことがショックで、逃げ出してしまったようなことはないか。本当に、我慢の限界だったのか。

 輪島市の教育目標には、『チャレンジ&レスポンス』と言う言葉が示されています。チャレンジは挑戦するという意味ですが、それに対して、レスポンスとは応戦する力、困難に向かって行く力を表します。「学校は、子どもたちに、学びを通して社会を生き抜いていく資質・能力を身につけさせる場」という前提を忘れないでいるなら、自主的に学ぶことも含めて自分自身を管理する力や少々のことではへこたれない気持ち、なにくそと歯を食いしばり、前に進もうとする芯の強さを持った人材となるよう指導していかなくてはなりません。そのためには、時に、厳しさは必要です。そして、その厳しさの中で、子どもをきちんと観て、子どもの良いところをタイムリーに褒めることが肝要と考えます。今の『学び』は必ず、子ども達の将来にいきてきます。学校としては、「今できる経験」、「今できる学習」をしっかりサポートしていきたいと考えます。特に、12月には、それぞれの学年で学んだことがどれくらい身についているかを調べる輪島市統一の学力テストも予定されていることから、学力の定着を中心に据え、自分自身を管理する力と折れない心を意識して指導していきます。ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。                               

 出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」

    

 出典:内閣府 「平成30年度版子供若者白書  特集 就学等に関する若者の意識」

                        学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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子どもたちをよりよく育てていくため、改めて、皆様のご協力をお願いします!

10日(土)にマリンタウン陸上競技場で行われた金管鼓隊の発表会には、1000名を超える保護者、地域の皆様に足を運んでいただきました。本当にありがとうございました。

鳳至小・河井小両校の子どもたちの演奏とも素晴らしいものでした。子どもたちの表情には、本番で力を出し切ることができたという達成感や自分たちの頑張りを多くの皆様に見ていただくことができた満足感、充実感が表れていました。発表の後は、多くの方々から子どもたちの発表を讃える声をかけていただきました。この経験は子どもたちの次への意欲につながるものと確信しています。

一方、10月に入って、学校外の子どもたちの様子について注意しなくてはならない事案が3件続きました。

一つ目はマリンタウン公園での中学年児童数名が遊んでいて、他校の児童とのトラブルをおこした件、二つ目は他校の通学路上で、高学年の女子児童10名で待ち合わせをしていたところ、「(低学年の)子どもが側を通るのが怖かったと訴えている」と子どもの保護者から学校に連絡が入った件、そして、最後の一つは、マリンタウン公園に面する道路で高学年男子児童の数名がボールを蹴って遊んでいて、他の歩行者や車と接触しそうで危ないから止めさせようと注意するが聞いれてくれないと住民から学校に連絡が入った件です。また、3つ目の事案が起こった日は、鳳至小、河井小、大屋小、輪島中とたくさんの児童生徒がマリンタウンで遊んでいました。後日、孫を連れてその場にいたお年寄りからは、「どこの学校の児童が当事者かはわからないけれど」との前おきの後、順番に遊具を使おうと並んでいる低学年の児童の列に高学年児童が割り込んでトラブルとなったことも教えてもらいました。子どもたちは成長の中で、良いこともすれば良くないこともしでかします。ですから、乱暴な言い方をすれば、先に述べた事案は、どれも、「起こりがちなこと」です。しかし、子どもたちには、社会生活のルールやマナーを守ることができる人、周りに迷惑をかけない人に成長していってもらわなければなりません。一つ目の事案で、ケンカをした片方は相手の話し方がおかしいと言い、もう片方はおかしいと言われたことが許せないので暴力に訴えたことから双方の殴り合いに発展したという顛末、2つ目の事案では「それほど広くない歩道に人が10人も集まればどうなるか」、「小さい子どもの目には、知らない大きな“お姉さん”の軍団はどのように映るのか」ということについて想像力が欠けていたこと、3つ目は自分も他者も身の安全が脅かされるということが想像できていないことが原因でした。しかし、これらの事案について、普段の生活の中で当該児童の一人一人にどう思うかと尋ねれば、全員が迷わず「良くない」と判断した上で、その理由も答えます。では、良くないと判断できる行動をとってしまうのはなぜなのでしょう。

答えは「一人ではない(=集団でいる)から自制するのが恰好悪い」、「みんなでやっているし、“まぁいいか”」という子ども特有の集団心理が働いてしまうからです。とすれば、雰囲気に流されず、当たり前の事を当たり前に判断し言動できる態度を育てていかなくてはなりません。また、自分がまわりの人にどのような印象を与えているのかを察知できる力をつけなくてはなりません。

学校では道徳の勉強はもちろんのこと、学校生活の中で、こんな場合、自分はどんな態度でなければいけないのか、どう振る舞うべきなのかについて子どもたちに考えさせ、指導しています。「間違いを起こすこともある。大切なのは、何が良くないのかに気づき、自分自身がそれを解決(改善)しようとする力を育てること」というスタンスで働きかけています。ただ、子どもの生活場面は学校内だけではなく、家庭や地域、さらには思い思いに活動するスポーツ少年団や太鼓などの文化活動を行う団体等、様々です。ですから、子どもたちをマナーやルールを考えられる良き大人へと導いていくには、家庭や地域、児童の健全育成にかかわる団体が、子どもをよりよく育てていくという目標を共有していかなくてはなりません。この学校便りでは、子どもたちの良い姿だけでなく、改善していかなくてはならない姿もお知らせしていきます。そして、校歌の歌詞にあるよに『かがやく輪島の未来の子』が、より良き社会を築く主体へと成長するよう、保護者、地域の皆様と一緒になってサポートしていかなくてはならないと考えます。

今後とも、本校の教育活動に、ご理解とご支援をよろしくお願いします。    

                                                                     学校長 山 岸  茂 樹

 

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運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

12日(土)、“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。今年の運動会は昨年度末から続くコロナ対応や8月以降の熱中症対応により、時間や種目内容、開催方法等にたくさんの制約を設けなければならず、子どもたちが集中かつ完全燃焼できる運動会になるのかという不安を抱えながらの準備でした。しかし、本番当日、子どもたちの姿には、それまでの心配や息苦しさを吹き飛ばしてもらったような思いを受けました。特に、6年生のリーダーシップは見事なものでした。種目の運営に下学年のお世話、そして応援等、あらゆる場面で率先して取り組んでくれました。また、全校児童が真剣に競技に取り組む姿が見られました。どの学年もゴールまで粘り強く走りきった徒競走、それぞれが鬼滅の刃(=きめつのやいば)のキャラクターになりきって踊った低学年の「紅蓮華(ぐれんげ)」、ハツラツとした動きの中に意気込みと力強さを込めて舞った中学年の「鳳至ソーラン」、仲間との絆を意識してフラッグアクションとダンスを組み合わせた高学年の「繋ぐ(つなぐ)」、団のプライドをかけてバトンをつないだ「団対抗リレー」…。どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組の中で、子どもたちそれぞれが自分自身の果たすべき役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもとより、クラスも鳳至小学校という集団も大きく成長させることができたと感じています。

保護者や地域の皆様におかれましては、大変、窮屈な思いをさせたにもかかわらず、たくさんのご来校を賜り、子どもたちを見守っていただいたことに心より感謝申し上げます。さらには、片付けにも多数の保護者の皆様にご協力いただきましたことにも重ねてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 “実りの秋”という言葉もありますが、10月からも金管鼓笛の発表会や児童集会など、子どもの学習の成果を発表する場を予定しております。運動会同様、検温カードの記入・提出や消毒、マスクの着用など、煩わしいと感じることも少々ございますが、学校に足をお運びいただき、子どもたちの頑張る姿を見ていただければ幸いです。本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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鳳至っ子のために、2学期も頑張ります!!

  朝顔、さつまいも、ミニトマト、小玉スイカ、トウモロコシ、ピーマン、きゅうり、いちご、えだまめ、にんじん、ホウセンカ、サルビア、いんげんまめ、綿花、マリーゴールド、ジャガイモ、へちま…。

コロナ禍で、学校を休校する期間もありましたが、この夏も中庭を中心に、学校の至る所に花が咲き、野菜が実をつけました。そのほとんどが、生活科や理科の授業で子ども達が植えたものです。子どもたちは、花が咲くことや実のなることを願って、毎朝、水やりを続けました。そして、毎日、観察することで、子どもたちはいろいろな発見をすることができました。同じ種類でも周りの花より速く育つもの、大きな花を咲かせるもの、小さな花をつけるもの、色の濃い花をつけるもの、その逆に薄い色をつけるもの、いち早く実をならすもの、周りが収穫を終えようとするころに実をつけだすもの…。同じ植物を同じ時期に植えたはずなのに、その生長の速さや花の大きさや色合い、実のなり方等、それぞれが微妙に違うことを子どもたちは発見します。また、自分たちが世話をしているそれぞれの草花は、どれも、芽を出し、葉が大きくなり、茎の丈も伸び、どれも美しい花を咲かせることができたことにも気がつきます。生長の速さや花や実の大きさ、色や実のなり方は違っても、それぞれの花が美しい花を咲かせ、実をつけることができました。そして、それを支えたのは、毎日欠かすことのなかった子どもたちの水やりです。

この様子を見ていて、オーバーラップしてくることが、人間の成長です。特に、中学校を過ぎる頃までは、同学年であっても、子どもの成長の様子は十人十色、本当に様々です。そして、場面場面での教職員や保護者、家族等、周りの大人のサポートがあってこその成長であることは言うまでもありません。いや、子どもたちが大人へと成長する過程で見せる様々な表情や成果は、その時々の子どもの頑張りや有り様だけでなく、周囲の大人からの適切な働きかけが大きくかかわっていると言っても過言ではないでしょう。

 さて、8月7日(金)をもって、1学期が終了します。そして、9日間の休みを経て、8月17日(月)より2学期の学習に入ります。休みの間に、子どもたち、先生方ともしっかりリフレッシュしてほしいと思います。そして、2学期のスタートと同時に、また、『創造性豊で、頼もしい人づくり』を目指して、“鳳至っ子”のために、日々、最善のサポートができるよう尽力していきます。保護者や地域の皆様、どうぞ、お力添えをよろしくお願いします。

   令和2年8月6日(木)

                           学校長 山 岸  茂 樹

 

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自律型人材の育成のため、ご協力をお願いします。

 学校再開から約2ヶ月が経ちました。コロナ休校の影響で登校を嫌がる児童が全国各地で出てきている中、鳳至小学校では、病気等で通院・休養する以外は欠席がないことを頼もしく思います。現在、子ども達は本当に意欲的に、そして、元気に活動しています。中でも、市祭が中止となったため中断していた金管鼓笛は、マリンタウン陸上競技場で10月10日(雨天の場合は11日)に河井小と合同で発表することが決まり、6年生をリーダーに熱心に練習に取り組む姿が見られます。7月からは体育で水泳の授業も始まりましたが、雨が降っていても、「校長先生、今日はプールに入れるよね」と確認してくる児童がいるのは悩ましい限りです。

  さて、このコロナ禍の中で、在宅勤務やリモートワークと言う言葉をよく耳にしました。また「新しい生活様式」に自分たちの生活を見直すことも求められています。平成の後半から、科学技術の進歩は社会を大きく変え、その変化に対応できるよう子どもたちを育てていかなくてはならないと言われるようになりました。そして、教育界では、子どもたちを「自立」させる(=自分の力で独立させる)ことに加え、子どもたちそれぞれを、「自律」できる(=自分で自分を管理できる)大人へと育てていくことが求められるようになりました。この「自律」面を育てていくという考えは年々強まり、現在では「自立型人材」より「自律型人材」が求められているといった傾向が顕著です。では、子どもたちを「自律」した大人へと育てていくことができるのでしょう。「自律」のための条件を考えてみると、「能動的であること」「主体的であること」があげられます。

    能動的 : 周囲からの働きかけ等に関係なく、自分自身で考えて物事を行ったり、 他に働きかけたりする。

        → 受け身、指示待ちの反応する(受動的)の反対。

    主体的 : 自分の意志に基づいて行動する。自らの考えに基づいた意志・判断に よって行動を起こす。

        → 刺激に対して考えずに反応する(反応的)の反対。

  つまり、これからの社会を生きる子どもたちには「自分自身がよく考えた上での行動が求められる」ということになります。鳳至小学校では昨年度より、授業でも、子ども自身が「考える」ということを重視して教育活動を組み立ててきました。ここで、肝要なことが、子ども達に「考える」ということを楽しいと思わせること、粘り強く考えること、考えることで困難を克服出来たという経験や積ませることです。そして、その学習や活動のようすを保護者や地域の皆さんに評価してもらうことで、子どもたちは自信を深めたり、反省してより良い学びに改善したりすることができます。 コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用することと消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。7月末・8月初めには「1年生とふれあいの会」、9月には運動会、10月には金管鼓笛発表会と各種行事を予定しております。皆様のご来校とご感想をお待ちしております。

                       学校長   山 岸  茂 樹

 

 

 
 

 

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学校再開について、寄せられたご意見と学校の基本的な考え方

学校再開が再開し、4週間ほどが過ぎました。子ども達は、日に日にパワーアップしています。

さて、先だって、保護者の皆様にご協力頂いたアンケートの様子と現在の、学校の取組や今後の予定についてお知らせします。尚、予定について、今後のコロナウイルス感染の動向や、PTA役員の皆様や関係機関等との調整を行わなければならないものについては、それが済み次第、順次、お知らせしていきます。

(1)「学校再開に際しての保護者アンケート」回答 (抜粋)

 【家庭での様子】

  ◎よくお手伝いをしてくれた。兄弟姉妹の面倒を見てくれた。

  ◎学校再開を子ども達が喜んでいる。

  ▲SNSの時間が長い。ゲーム、タブレット、YouTube三昧の生活だった。

  ▲起床時刻や就寝時間が遅くなるなど、生活が乱れてしまっていた。

【保護者として心配なこと】

  ・授業の遅れが回復できるのか。

  ・授業の内容を理解できないまま、授業が早くすすんでしまわないか心配である。

  ・コロナ第2波・第3波による再休校ならびにそれによる学習の遅れ。

  ・通常の学校生活に戻れるのかどうか。

  ・子ども、保護者ともに楽しみにしている行事が中止になってしまうこと。

  ・感染予防に対する子どもの意識が低いこと。

  ・学校や勉強を嫌がる態度(=低学年)。

【その他】

  □学校としてのコロナ対応策をお願いする。

  □行事予定は出来るだけ早く知りたい。

  □行事を減らさないでほしい。

(2)学校再開に際する、学校の基本的な考え方や取組

  ①学校生活を整える

   ・7月初旬(10日くらいまで)を目途に、子どもの勉強に向かうスタミナと生活習慣を

    回復させる。学習においては 進度は焦らない!!! 

   ・「体を向けて聴く姿勢をつくる」ことの徹底。 同時に、教師からのの指示は最低限に

    する。 

   ・ベル着選手権の実施。 … 学習の準備と、気持ちの切り替えを習慣づける。

   ・生活習慣の見直し。  … 「ぐっすりナイト」による調査とその結果を基にした

                 委員会活動の実施。

   ・下駄箱の整頓。

   ・【新しい生活様式】についての理解と徹底。 

               … 『手洗い』 『マスク着用』 『換気』の徹底。

                  学校でできる対応策についての理解も進める。

  ②児童の心を支える

   ・SCによる教育相談         

   ・担任による教育相談(8日より開始)  子どもの思いにアンテナを張り巡らす。

  ③保護者・地域に学校の様子を知らせる。

   ・学級便りの発行 … 子どもの日常的な様子について知ってもらう。

   ・学校公開 (6月22日~26日)

     23日 : 鳳至オリンピック … 子ども達の元気な姿と6年生の頑張りを

                      見てほしい。

   ・HPの更新

   ・メール配信 … 学校の予定をタイムリーに確認してもらう!!

 

 ④行事は、感染症対策に留意しながら出来るだけ実施する。 

   ・徒歩遠足 … 6月17日(水) = 実施済み

   ・運動会  … 9月12日(土) 於:鳳至小学校グラウンド(晴天)

                      サン・アリーナ(雨天)

   ・宿泊体験学習(6年) … 10月 1日(木)・2日(金) 於:能登少年自然の家

   ・金管鼓笛隊発表(5・6年) … 10月10日(予備日11日) 

                    於:マリンタウン陸上競技場

   ・合唱の集い(5年) … 10月16日(金) 於:文化会館

      ※コロナウイルス感染が輪島市で発症した場合、延期・中止等もあります。

 

(3)その他

   ・熱中症対策   … 状況に応じたマスクの脱着と水分補給の指導

   ・プールでの学習 … 感染予防対策に留意しながら実施

 


 

 

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学校再開に向けたお願い

□ 保護者・地域のみなさまへ

輪島市内の小中学校では、先週の18日から分散登校が再開されました。今週からは分散登校のままではありますが、給食も再開しています。鳳至小学校でも、登校日初日より、朝早くから児童玄関に集まり、7:30の開門を待つ子ども達や、友だちと一緒になってグラウンドや中庭を駆けまわる低学年の集団、校内のあちらこちらで楽しそうに話し込む上級生グループ等が見られました。そして、子ども達の笑顔や明るい声を聞く度に、学校が子ども達にとってかけがえのない場所であることが実感できました。同時に、昨年度からの“コロナ騒動”が、子ども達にたくさんの我慢を強い、ストレスを与えていたこと、子ども達にとって貴重な経験となる儀式や楽しみにしていたイベント、大切な行事の開催を無くしてしまったことを悔しく思いました。子ども達の成長のためには、一生懸命になれることをやりきったという満足感や集中して頑張ることが出来たという達成感が絶対必要です。子ども達が学校に登校できない間、教職員で、通常登校が実現した後は、「子ども達が仲間と力を合わせて目標を達成する活動を削らないこと」、「コロナのせいで何も出来なかったという一年にしないこと」について何度も意思統一しました。現在、学校としては、子ども達への負担を考慮した上でのイベントの準備や、今年度、県の指定を受けたオリンピック・パラリンピック推進事業とタイアップした企画の実施について案を練っています。子どもの思いを訊きながら、知恵を出し合い、子どもが「頑張って良かった」と思える環境を整えることは、学校の役目です。また、その環境を整えるためには、保護者をはじめ地域の皆様に助けて頂かなければ、実現できないことも多々あります。活動や企画の詳細が決定しましたら、お知らせします。いつもお願いばかりですが、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします。

 

□ “鳳至っ子”のみんなへ

6月1日からは通常通りの学校生活にもどります。4月16日から臨時休校が始まったので、新年度に入り学校で活動したのは、登校日を含めても10日足らず。6月からの再開は、まさに、“仕切り直し”となります。そこで、学校生活を再スタートさせるにあたり、みなさんに心がけてほしいことを記します。

①「あいさつ」 と 「あさごはん」

・「おはようございます」、「こんにちは」などのあいさつと「ありがとうございます」が言える。 

 → 自分も周りの人も気持ちがさわやかになります。

・「あさごはん」を食べる。

 → 1日の元気と授業の集中力につながります。
②「いい返事」

 → 自分の中にも相手にも、頑張ろうという気持ちがわいてきます。
③「運動(うんどう)」

 → 健康な体と心をつくるには絶対、必要です。気持ちもすっきりします。
④「笑顔(えがお)」

 → 自分も周りの人も、楽しく、幸せな気分になります。
⑤「おもいやり」

 → 困っている人の気持ちを少しでも温かくしてあげることが出来ます。

  ちょっとした“心がけ”でみんなが、穏やかになったり、お互いをわかり合える素敵な関係になったりすることが出来ます。覚える方法は、それぞれの最初の文字を順に覚えて下さい。生活を良くする「あ・い・う・え・お」です。このことに気をつけて、また、頑張りましょう!!

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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「わたしにできること」

ハチドリのひとしずく

           辻 信一

森が燃えていました

森の 生きものたちは、われ先にとにげて いきました。

でもクリキンディという名の

ハチドリだけは、行ったり来たり。

口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは、

火の上に落していきます。

動物たちがそれを見て、

「そんなことをして、いったい何になるんだ」

と言って笑います。

クリキンディはこう、答えました

「わたしは、わたしにできることをしているだけ。」

          出典・「ハチドリのひとしずく」 光文社刊

 

これは南アメリカの先住民(=インディオ)に伝わるお話です。環境問題を考える際によく使われたお話です。また、2011年3月11日に東北地方の太平洋側を中心に東日本大震災が起こった後は、道徳の授業でもよく使われました。ハチドリというのはその種類によって差はありますが、体長5~10cm、体重2g~20gという非常に小さい鳥です。ハチはその名の通り“蜂(はち)”を表し、花の蜜を主食とします。話しを戻しましょう。クリキンディという名の小さなハチドリは、大きな森が燃え広がろうとする中で、他の生き物たちに笑われても、大切な森を守ろうと、自分が出来る「一滴ずつ水を運ぶ」ことを繰り返します。

さて、今、世界中が、新型コロナウイルス感染症が広がることを防ぐために、様々な我慢をしています。「早く何とかしなければならない」と感じながら、でも「自分一人では何も出来ない」と自信をなくしてしまっている人も少なくないでしょう。そんな時だからこそ、このお話しのクリキンディの姿や言葉に込められた思いを考えてみて欲しいと思います。「自分の力は小さいかもしれないけど、まずは自分が出来ることをしよう」という前向きな気持ちや勇気を持って欲しいと思います。

 ・手洗いやうがい、部屋の空気の入れ換えをこまめにすること。

 ・家族のために、自分が出来るお手伝いを見つけてやること。

 ・学校が休みでも規則正しい生活をして、自分の健康を守ること。

 ・時間をかけてじっくりと本を読んでみること。

 ・兄弟姉妹の手助けをすること。

 ・ニュースや新聞を見て、世の中で何が起こっているのかを知ること。

考えてみれば、その人によって、「自分が出来ること」はいろいろとあるのではないでしょうか?そして、そのことが、自分の不安をなくしたり、休校が終わって、また学校に登校できるようになった時、友だちと協力して生活できる力を強くしてくれたりします。『STAY HOME = スティホーム』が求められますが、家の中でも、自分に出来ることはたくさんあります。今こそ、『鳳至っ子』の頼もしさを見せるときです。

            学校長 山 岸 茂 樹


 

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