日誌

校長室便り

運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

11日(土)、“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。7月中から、運動会を目指し計画を練り上げたきた子どもたちを見てきた私とすれば、ある程度の子どもたちの活躍は予想できていました。しかし、運動会当日の子どもたちの奮闘ぶりは、私の期待をはるかに超えたものでした。緊張しながらもハツラツさを見せてくれた「入場行進」、動作のつなぎを意識して取り組めた「準備体操」、全員が走りきることが出来た「徒競走」、例年以上に盛り上がりと力強さを見せてくれた「応援合戦」、赤白に分かれた低・中・高各学年がプライドをぶつけたそれぞれの「団体競技」、かわいさの上をゆく“かっこよさ”を追求した低学年の「君の心にクリティカルヒット」、小学生の演技とは思えないレベルにまで完成された中学年の「鳳至ソーラン」、オリンピック・パラリンピック東京大会の熱い思いを引き継いだかのような感動を味わうことが出来た高学年の「CANDO~感動~」、最後まで勝負にこだわってバトンをつないだ「選抜紅白対抗リレー」、そして、まさかまさかの赤・白同点に湧いた閉会式。どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組を通して、それぞれの子どもが自分や学年の役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもちろんのこと、クラスも鳳至小学校全体も大きく成長させることができたと感じています。成績発表で得点係の金岡先生が伝えた「みんなが優勝です」の言葉は、まさに、子どもたち全員の頑張りを讃えるにふさわしい言葉だったと思います。そして、運動会を成功させるには自分たちが下級生を引っ張るしかないという強い覚悟で準備や練習をすすめてきた6年生、その6年生のサポートに徹した5年生、両学年のチームワークの良さに導かれた「みんなの優勝」だったと思います。

 閑話休題。運動会開催に関わる私自身の心の内をもう少し述べさせてください。先述した通り、子どもたちは7月中から運動会の成功をイメージして準備を進めてきました。先生方も子どもたちが完全燃焼できるよう一生懸命、知恵を出し続けてくれました。その頃の自分には、運動会が実施できないのではないかという不安はとても小さなものでした。しかし、8月の前半からコロナウイルスの感染が広がり、8月末に輪島市にも感染が伝えられた時には、開催も難しいのではという不安が大きくなり、運動会の実施は“運”次第だなと考えるようになっていました。しかし、運動会当日、保護者や地域の皆様を迎える最終準備を進める中で、こうして運動会が出来るのも子どもたちの努力だけでなく、やはり、保護者や地域の皆様の努力の積み重ねがあってのことという思いが強まりました。日常的な皆様の努力の積み重ねが、“必然”として運動会の開催を実現してくれたのだと思います。保護者や地域の皆様といった大人の努力があるからこそ、子どもの学びを止めずに済んだと考えます。

 “実りの秋”という言葉もありますが、学校では10月以降も宿泊体験学習(6年)や学年集会、マラソン大会、金管鼓隊発表会など、子どもの学習の成果を発表する行事がいくつも予定されています。子どもたちの学びを止めないためにも、これまで通り、保護者や地域の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。

           学校長 山 岸  茂 樹

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日本人の中に生きる『名こそ惜しけれ』 、 『三方良し』の道徳観

夏休みが終わりました。この夏休み期間中の7月23日~8月8日にはオリンピックが開催され、8月24日からはパラリンピックが始まりました(パラリンピックの閉会式は9月5日です)。オリンピック・パラリンピックの開催については、地球規模のコロナ禍であり、いまだに開催の是非が国内外で議論されてはいます。しかし、競技にひたむきに取り組む選手の姿には心を打たれます。毎日のようにテレビに向い、声援を送っていた人も多いことでしょう。また、今大会では、サポートボランティアにも注目が集まりました。ジャマイカ代表で110mハードルの金メダリストであるハンスル・パーチメント選手を助けたストイコビッチ河島ティヤナさんが一番の例ですが、それ以外でも大会を支えるボランティアの働きぶりの素晴らしさが数多く報道されています。

蘊蓄(うんちく)を傾ければ、オリンピック運営におけるボランティアの参加は1948年のロンドン大会(イギリス)からです。当時は軍人やボーイスカウトが動員されていたようです。そして、「オリンピックボランティア」が定義され、広く一般民衆から募集されるようになったのが1992年のバルセロナ大会(スペイン)からであり、以後、“ボランティアの活躍こそが大会を成功に導く”とまで言われるほど、オリンピック・パラリンピックにはボランティアが欠かせない存在となりました。

2020東京オリンピックが成功だったかと問われれば、コロナ禍の中での開催ということで、その返答は、立場や考え方によって、違ってくるでしょう。しかし、選手にとってはかけがえのない大会であり、結果はともあれ国の代表として競技することが出来たという誇りは一生モノです。そして、自分たちを歓迎し、「おもてなし」の精神で大会を運営してくれた日本及び支えてくれたボランティアスタッフに感謝の気持ちをもってもらえたなら、選手たちにとって、このオリンピックは成功といえるのではないでしょうか。

(日本贔屓の見方も多分に含まれますが、)今回の2020東京オリンピックだけだはなく、2019年のラグビーワールドカップ日本大会、古くは2002年サッカーワールドカップ日韓大会…、その他、様々な国際的イベントが日本で行われてきましたが、その都度、日本の運営スタッフやボランティアは世界各国の人々から称賛されてきました。日本で開催されるなら安心だと思われてきました。それはなぜなのでしょうか?日本人という民族を研究する国内・海外の学者は、日本人が秘める特異な精神性について指摘します。そして、日本人の精神の中には、平安時代中期以降に現れた武士が農民やその他の身分の者から信頼を得るために築いていった“精神的美学”が現代にも残っていると言います。中でも、鎌倉時代の板東武者から起こり、武士の世界で引き継がれ現在に至る『名こそ惜しけれ』の精神や、明治から昭和期に活躍した歴史学者であり法学者でもある廣池千九郎(ひろいけちくろう)の『三方良し(さんぼうよし)』の考え方が日本人の持つ道徳性に根強く残っていることに言及します。

『名こそ惜しけれ(なこそおしけれ)』

 「名」は自分自身の存在や生き様を意味する

 鎌倉武士(板東武者)を象徴する言葉

人、ご先祖様、自分に対して「恥ずかしいことをするな」という意味。江戸時代までは武士の美学であったが、明治に入り武士階級が消滅すると、国民全体に武士社会の精神が広まる。

 ・勤勉で礼儀を重んじる

 ・公のために自分を律する

 ・恥ずかしい仕事は出来ない → 職人気質

 ・お天道様が見ている(悪いことは出来ない)

『三方よし(さんぼうよし)』

 廣池千九郎の道徳経済一体思想の中心的考え

「自分よし」「相手よし」「第三者よし」

自分・相手・第三者の三方にとっての利益を考えて行動することが大切という意味。 後に近江商人の経営理念にも引用されるようになる。

 廣池千九郎(ひろいけちくろう)

   1866年 現在の大分県中津市で出生

   小学校教員から歴史学者、法学者、宗教家としても活動

先述した、ティヤナさんもパーチメント選手の状況に立って何をしてほしいかを考え、サポートスタッフとしての役割に徹したことが、金メダルという、パーチメント選手にとってもジャマイカという国にとっても最高の結果をもたらしたことになります。これからの社会を生きる子どもたちには、2020東京大会を支えたボランティアスタッフの方々のように、「自分自身がよく考えた上での行動」を誠実に追求することができる資質を備える必要があります。鳳至小学校としては、2学期も、子ども自身が「考える」ということを重視して教育活動を組み立てていきます。そして、ここで肝要なことが、子ども達に「考える」ことが楽しいと思わせること、粘り強く考えること、考えることで困難を克服出来たという経験や積ませることです。そして、その学習や活動のようすを保護者や地域の皆さんに評価してもらうことで、子どもたちは自信を深めたり、反省してより良い学びに改善したりすることができます。

 コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用することと消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

        学校長   山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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夏休みを使って、『時間を管理する』練習を!!

7月14日、北陸地方にも梅雨明けが宣言されました。いよいよ本格的な夏の到来です。そして、2年ぶりに子どもたちが楽しみにしている40日あまりの長い夏休みに入ります。昨年は休校期間があったため、10日間しか休みがなく、夏休み帳も図工や習字の宿題もありませんでした。今年は休みが長い分、夏休み帳もあれば、読書感想文、バリ勉ノート、図工や習字といった応募作品の宿題もあります。また、学校としてはたくさん本を読むことも奨励します。 しかし、子どもにとってみれば、せっかくの休みなのだし、プールや海に行ったり、友だちと遊んだりしたい、自分のやりたいことに時間を使いたいというのが偽らざる気持ちです。

そこで問題になってくるのが、“時間の使い方(時間を管理する力)”です。学校の日常ならば8:30から16:00までの間に読書(朝読書)の時間や5~6コマの授業、休み時間、給食、掃除の時間が設定されます。そして、先生という名の大人の主導の下、子どもの好き嫌いにかかわらず、やるべき勉強や活動を行います。しかし、休みの日は、子どもが行動内容を決める割合が増えます。そうすると、自分の好きなことを優先させたい、面倒くさいと思うことは後回しにしたいという思いが先に立つのが人情です。やらなくてはならないと意識している勉強も、後回しの対象になります。実際、夏休みも残り数日というころになって慌てて宿題をするのは、まさに、休みの間に自分のやりたいことを優先させ、面倒くさいことを後回しにした結果です。

この夏休み、子どもたち自身が主体となって活動する時間が増えます。しかし、その時間を、その時さえ楽しければよいこと、やりたいことばかりに費やしてしまえば、自分をバランス良く鍛えることはできません。そこで、子どもたちには、長期の休み中に、自分自身で『時間を管理する』練習に取り組んでほしいと思います。1日の中で、「好きなこと・やりたいことに使う時間」と「やらなくてはならないことに使う時間」をやりくりする力、40日間を見通し、「やらなくてはならないことを無理なく終わらせる」ために計画的に実行にうつす力、「やらなくてはならないこと」をやりきろうとする態度が身につくようチャレンジしてほしいと願います。

“時間を管理する”ことは、意識したからすぐに出来るというものではありません。小学生、特に低学年の子どもたちには、大変、難しいことだと思います。しかし、心がけたり実際にやってみたりして得た成功体験・失敗経験とも、必ず、子どもたちの将来にプラスに作用していきます。子どもたちがくじけそうな時はご家庭で声を掛けていただければ幸いです。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

【追記】

6月の段階では未確定であった、金管鼓隊発表会は11月2日に河井小と合同で行うことになりました。時間や場所等、詳細については、2学期に入ってお知らせいたします。

                                        学校長   山 岸  茂 樹

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「読める子」・「読むことを嫌がらない子」を育てるため、ご協力をお願いします!!

県の非常事態宣言が解除され、6月19日(土)にはマリンタウン陸上競技場で、輪島市ちびっ子オリンピック陸上競技大会が行われました。鳳至小学校からは41名の児童(内、ジュニアアスリートクラブに所属する選手は12名)が参加しました。コロナ禍で練習できる日も少なく、また、当日は雨交じりで風も強く、競技会を行うことそのものが厳しい状態でしたが、子どもたちが懸命に走る姿に、清々しさと勇気をもらうことが出来ました。一方、輪島市民祭り、輪島市小学校陸上競技大会、輪島子ども議会、小学校水泳記録会、三夜踊りと次々に子どもたちが楽しみにしている行事の中止が決まりました。2学期以降の行事については、変異株の流行の度合いや、ワクチン接種の進み具合など様々な動向を見守りながら、開催規模や内容を吟味した上で、できるだけ実施する方向で進めたいと考えています。尚、市民祭りの際に行う予定であった金管鼓隊のドリルやパレードは、11月の初めに開催することを目指して案を練っている最中です。

 さて、5月26日には県基礎学力調査(4年生:国語・算数、6年生:社会・理科)が、27日には6年生を対象とする全国学力学習状況調査(国語・算数)が行われました。鳳至小学校としての結果を見ると、一昨年、昨年と比べ、問題全体の正答率は上がってきています(因みに、昨年は、コロナによる休校期間があったため、1学期の終わりがずれ込んだ8月初めに学校ごとに実施しました。)。しかし、「読む(読み取る)」分野を苦手とする児童が多いことも結果として表れています。昨今、よく用いられる言い方をすれば『読解力』が弱いということになります。特に今回のようなテストでは、授業で勉強したことに沿って問題が出される単元テストとは違い、「見る文章は初めて」、「問われている内容も自分で判断する」ということで、何をどのように答えれば良いか自信が持てないという児童が増えます。そして、この自信のなさは、「文章が示す内容」、「問題文が何を求めているか」のどちらかまたは両方の読み取りの不正確さを引き起こし、「決められた時間内に問題を解くことが出来ない」「文章問題に解答しない」といった結果に表れます。これに対し、本校では、国語科を中心に語彙力、想像力を含めた読解力の向上を目指し、言葉の意味を問い返しや話し合いを通じた子ども同士の関わり合い、図や表を読み取る活動、児童が考えたくなる“問い”(=課題・発問)を意識した授業づくり等に取り組んでいます。また、朝読書や家庭学習、リテラシータイム(学習を振り返る時間)等を活用して「文章に慣れること」「自分の思いを書く・話す」「友だちの言わんとしていることを正しく聴きとる」などの取組もすすめているところです。勉強というのは今日の頑張りが明日すぐに成果となって表れるというものではありません。しかし、地道に努力を積み重ねることで、半年先、一年後には必ず力となって自分を助けてくれます。教職員も一丸となって日々の授業や取組をすすめていきます。そして、ここで、一つお願いがあります。

 『読解力』をつけるためには、「読むことを面倒くさいと思わない」ことが大切な条件です。読むことを嫌がらない。読むことは当たり前。さらに、読むことが習慣化しているとなれば最高です。鳳至小学校では、毎月、10日・20日・30日を“読書の日”並びに“ノーゲームディ”に設定しています。また、夏休みや冬休みなどの長期休業期間も読書を推奨しています。これについてご家庭でもご協力を仰ぎたいと思います。さしあたって、学校が設定している“読書の日”に子どもたちに読書を促すことをお願いします。読解力がつくことで自主学習力も自然と高まります。自主学習力が高いということは、職業についても、自分で工夫できる人材として大事にされます。子どもたちの将来を見すえても、まず、「読める子」・「読むことを嫌がらない子」を育てることが急務と考えます。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

学校長 山 岸  茂 樹

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終わりの見えないコロナ禍ではありますが…

保護者・地域のみなさまへ

全国的なコロナウイルス感染症拡大の勢いは衰えを知らず、ご存知の通り、石川県でも5月9日に緊急事態宣言が出され、金沢市については国から蔓延防止等重点措置を講じる区域に指定されました。輪島市でも、5月30日から6月6日の間に企画されていた市民祭りの各種イベントの一部中止・変更や延期が発表され、6月1日に予定されていた公道を使った聖火リレーも中止となりました。また、6月15日に予定されている輪島市小学校陸上競技大会(鳳至小は6年生が出場)も種目数の削減など運営の変更を余儀なくされています。それ以降の行事も感染問題の推移次第で、やはり変更や縮小、中止を考えなくてはならなくなるでしょう。しかし、子どもたちの成長には「やりきったという満足感」や「集中して頑張ることが出来たという達成感」が絶対必要です。『コロナのせいで何も出来なかったという一年にしない』を子どもと教職員の共通の合い言葉として、子どもの思いを訊きながら、知恵を出し合い、「頑張って良かった」と思える教育活動を実施していく所存です。また、そのためには、保護者をはじめ地域の皆様に助けて頂かなければ、実現できないことも多々あります。活動や企画の詳細が決定しましたら、お知らせします。いつもお願いばかりですが、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします。

□ “鳳至っ子”のみんなへ

 2021年度が始まっても、毎日の検温に始まり、マスクの着用や手洗い、換気、そしてソーシャルディスタンスなど気を付けていかなくてはならないことがたくさんあります。また、楽しみにしていた行事や活動ができなかったりもしています。昨年の長い休校期間に似た息苦しさを感じているかもしれません。せめて、学校生活では、皆さんに元気に過ごしてほしいと考えます。そこで、昨年の今ごろ、学校便りで、みなさんにお知らせしたことをもう一度、書いてみました。

①    「いさつ」 と 「さごはん」

・「おはようございます」、「こんにちは」などのあいさつと「ありがとうございます」が言える。

 → 自分も周りの人も気持ちがさわやかになります。

・「あさごはん」を食べる。

 → 1日の元気と授業の集中力につながります。

②    「い返事」

 → 自分の中にも相手にも、頑張ろうという気持ちがわいてきます。

③    「運動(んどう)」

 → 健康な体と心をつくるには絶対、必要です。気持ちもすっきりします。

④    「笑顔(がお)」

 → 自分も周りの人も、楽しく、幸せな気分になります。

⑤    「もいやり」

 → 困っている人の気持ちを少しでも温かくしてあげることが出来ます。

ちょっとした“心がけ”でみんなが、穏やかになったり、お互いをわかり合える素敵な関係になったりすることが出来ます。皆さんの学校生活が少しでも明るく元気なものになることを願います。覚える方法は、それぞれの最初の文字を順に覚えて下さい。生活を良くする「」です。このことに気をつけて、学校生活をよりよいものにしていきましょう!!

 学校長 山 岸  茂 樹

 

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GIGAスクール構想(学習場面での情報端末の活用)について

校庭や夕陽ヶ丘の桜も満開の中で行われた入学式及び始業式から約3週間が過ぎました。学校の中には、新しい学年を頑張ろうとする子どもたちのやる気がみなぎっています。そして、この子どもたちの新鮮なやる気を大切にして教育活動をすすめていこうと、私たち教職員も緊張の毎日です。

さて、令和3年1月、文部科学大臣が有識者に対し「新しい時代における幼稚園から高等学校までの各段階での教育をどのようにすすめればよいか」を諮問した(意見を求めた)ことについての答申(回答)が発表されました。この答申では、急激に変化する時代の中で子どもたちに

一人一人の児童生徒が、自分の良さや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値ある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の作り手となる

ことができるよう、その資質・能力を育成するとした上で、2020年代を通じ、「令和の日本型学校教育」として、「全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」を実現することを目指すことが提言されました。そして、個別最適な学びをすすめるためには、コンピュータや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整えなくてはならないということで、現在、日本全部の学校ですすめられている取組が『GIGAスクール構想』になります。

ご存知の通り、私たちの身の回りにはパソコンをはじめ、スマートフォンやタブレットなど情報端末と呼ばれるものが珍しくない時代に入っています。しかし、これが学習面に活用されている割合は、実際にはそれほど高くはありません。日本の場合、むしろ、低いというのが現実です。

[PISA調査2018]

 ・学校外(家庭)で、一人用ゲームで遊ぶ割合

               … 日本の子どもは世界一多い

 ・学校外(家庭)で、学習のためにインターネットを使う割合

               … 日本の子どもは世界一少ない

PC、スマホ、タブレットなどのディバイス(装置)が普及し、今後もさらに発展していく時代であるにもかかわらず、子どもの家庭における学習場面ではその良さを活かしきれていないということになります。今回のGIGAスクール構想では、子ども一人に一台のタブレットを準備し、鉛筆や消しゴムといった文房具と同じように、学習場面で当たり前に使うことで、子どもそれぞれの学習に役立てたり自校だけではなく他の学校とも一緒に学んだりすることが出来るようになることを目指しています。鳳至小学校でも2021年に入り、1月にWifi環境を整備する工事が行われ、2月にはタブレット収納庫の設置、そして、3月末に児童と教師分のタブレットが入りました。現在は、子どもたちがタブレットを使えるように準備(個々への割り振り、アカウント設定、バージョンアップ等)をすすめており、ゴールデンウィークあけから子どもたちが利用できればと思っています。授業でどのように使っていくかについては、職員研修もしていますが、手探りの状態であることは否めません。また、子どもたちの発達段階によって、できることとできないことはありますので、1・2年生(低学年)では撮影や記録、ローマ字を学ぶ3・4年生(中学年)でキーボード入力、そして5・6年生ではプレゼンテーションに利用したり、表やグラフを作成したりする力を養うことを基本に、授業を重ねる中で、子どもたちと一緒に成長していきたいと考えます。今後、授業等を見られて、ご意見やご感想がいただけたら幸いです。

学校長 山 岸 茂 樹

 

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鳳至小学校がめざす子どもの姿

2019年度末からつづくコロナウイルス感染症問題は、未だ終息せず、ワクチン接種も予定通りには進まない中で、2021年度の鳳至小学校の教育課程がスタートしました。問題の長期化は、「一律の自粛・縮小・削減」という考え方から、「新しい生活様式を意識してコロナとつきあいながら、何が出来るかを模索する」方向へと変わってきています。学校としても、感染防止対策の徹底の下、学習と体験活動を両輪に、子ども達が将来を生き抜くために必要な資質や能力の礎を築く教育活動をすすめていきます。今年度も、保護者や地域の皆様のご理解とご支援をよろしくお願いします。

 さて、今年の2月に、輪島市の教育大綱が改訂されました。教育大綱(きょういくたいこう)とは地方公共団体(今の場合、輪島市)が目指す「人づくり」(教育)のための根本的考え方を意味し、5年ごとに見直しがかけられます。今回の輪島市の改訂では

【基本理念】 人生100年時代を幸せに生き抜くための教育

 と定められ、これを、実現すべく、各教育段階で努力するということになりました。

一方、本校では、IT(情報技術)やAI(人工知能)の急速な進歩とともに、人間の生活も著しく変化する中、子どもたちが社会を生き抜くために必要な力として、次の5つの力について職員で共通理解を図ってきました。

①    一生学び続ける力(課題を見つけ、その解決に向けてやりがいを持って探求していく力)

②    社会人基礎力(建設的に取り組む力、考え抜く力、チームで働く力)

③    自己存在感並びに他者を支えて行こうとする心・態度・実践力

④    コミュニケーション能力

⑤ 自己管理能力

そして、子どもの発達段階を考え、上記の5つの力を付ける土台を築くため、「主体性」や「協働性」、「達成感」、「自己肯定感」をキーワードに、学習・生活の両面から教育活動をすすめてきました。今年度は大綱の改定もあり、①の「一生学び続ける力」を支える力として、特に学習面のかかわりから、子どもたちの「読解力」を鍛え、それを基に、将来的には「自主学習力」の涵養につなげることを目指したいと考えます。そのため、本校教育目標、

 「創造性豊かで頼もしい人づくり」 の下、次のように重点事項を設定しました。

【令和3年度 重点事項】

 ①自分から学ぶとともに、友達と学び合う子どもたちに

 ②友だちのよさを見つけ合い、協力し合える子どもたちに

 ③大きな声であいさつし、自分を表現できる子どもたちに

 ④自分を知り、よりよい自分に挑戦する子どもたちに

 以上の重点事項に基づく教育活動につきましては、学校・学年だよりの発行、授業参観等の授業、運動会等の学校行事はもちろんのこと、機会を捉えて学校に足を運んでいただき、お子様の姿をご覧になってご確認いただければ幸いです。また、子どもたちの社会性を育てる為に、より一層、保護者の皆様・地域の皆様にご協力が必要になるとも考えております。重ねてご協力のほど、よろしくお願いします。

     学校長 山 岸  茂 樹

 

 

 

 

 

 

 

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この1年を振り返る

コロナウイルス感染症問題とつきあいながらの令和2年度でしたが、3月19日(金)には2年ぶりに、全学年が揃って、第50回の卒業証書授与式を行うことが出来ました。卒業生に餞(はなむけ)の言葉を伝えながら、改めて、「コロナ禍であっても、やれること、学べることはたくさんある」を実証してくれた卒業生を中心とする“鳳至っ子”の頼もしさを振り返ることができました。

【主体的で対話的な深い学び】

「相手の話をしっかり聴いて、自分の考えを再構築する」ことをゴール目標に、語彙力・想像力・読解力の向上を目指しました。そのため、分からない言葉をすぐに辞書で調べたり自分の言葉で説明し直したりする活動、モデル(見本)を参考に話し合ったり教師が多様な考えを引き出す問いかけをしたりすることで、解決の手立てを見つける活動、アドバイスをもとに自分の書いた文章を推敲する活動に取り組みました。その結果、学期がすすむごとに、自分の考えを適切に表現することが出来る子や相手意識をもって話したり聞いたりできる子、根拠となる文章や図を正しく読み取ることが出来る子が増えてきました。

【活動の見える化(発信力)】 

 年度当初のアンケートでは、自己肯定感が低いために自分に自信が持てない児童が多くみられました。そこで今年度も学級便りの発行やHPの更新を中心に、活動の「見える化」を意識しました。また、コロナ禍であっても、できるだけ多くの方々に子どもたちの頑張る姿を見ていただけるよう、日常の感染対策を徹底しながら、極力、行事を実施しました。何度も練習し磨き抜いた技を披露する活動の中で、発表を成功させることが出来た経験や、他学年や保護者・地域の皆様から称賛の言葉をいただいた経験は、子ども一人一人の達成感や充実感を高めるとともに、学ぼうとする態度や、もっと上手に表現したいという前向きな気持につながっていきました。

【自己肯定感から「さらなる意欲へ」】

上記の活動の見える化に加え、キャリアパスポートを活用して、学校行事や体験活動の度に、子ども自身が自分や仲間、活動全体を振り返る活動を設定することや、子どもの頑張ったこと、成長が見られたことについて、保護者の皆様に感想や意見、評価を書いていただく取組をすすめました。このことは、子ども同士が友だちの良いところを認め合うとともに、刺激を受け合い、さらに活動を向上させようとする意欲を高めることにつながりました。また、苦労したり失敗したりすることもありましたが、「仲間との協力・協働」や「誰かのために」を、再度、意識することで、粘り強さが見られるようになり、最終的には、期待以上の成果をあげてくれました。「やればできた」という成功体験は自信となり、もっとやってみたいという“更なる意欲”にも発展しています。特に、6年生からリーダーとしてのバトンを受け継いだ5年生からは、「今度は自分たちが、素晴らしい鳳至小を創っていくために頑張らねばならない」という使命感を感じることが出来ます。

【社会人基礎力】

今の子ども達が、今後、著しく変わることが確実視される社会の中で、自己の幸せをつかみ、社会に貢献できる人材となるためには、社会変化に対応できるよう『常に学び続け、仲間と協力し、身につけた知識を生かすことができる力』が必要となります。また、立ちはだかる壁を乗り越える、『しなやかなたくましさ(七転び八起きの力)』も必要となるでしょう。その基盤となる力は、この素晴らしい鳳至という地で養われた感性や様々な人々との出会いから培われます。学校や地域が連携できる恵まれた環境で子どもを育て、いずれ、明るい未来を照らす人となってくれるよう、今後もこの教育活動にさらに磨きをかけていきたいと思います。そして、来年の卒業式でも、子どもたちの清々しい笑顔を見たいと思います。今年度もたくさんの方々に、ご支援とご協力を頂いた事に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。

令和3年度も子ども達が活躍する姿にご期待下さい。 

 

 学校長  山 岸  茂 樹

 

 

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卒業式祝辞

四月十六日から約一月半の臨時休校、わずか十日間の夏休み、そして、お盆が明けてすぐの二学期開始…。本当に今まで経験したことのないことばかりでした。そして、新しい生活様式のために」という言葉に、正直、何度も息苦しさを覚えました。それでも、ワクチンの接種開始ニュースは、私たちに希望を与えてくれます。また、何より、今年度は、鳳至小学校の児童全員で、今日の良き日を向かえることも出来ました。トンネルを抜けた先では、たくさんの光を纏うことができます。

六年間の教育課程を修了された、四十一名の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

また、本日、第五十回の卒業証書授与式を挙行するにあたり、輪島市教育委員 左古 隆 様にご臨席を賜りましたこと、並びに、PTA会長 山田 忠和 様をはじめ、多数の皆様に温かいメーセージをいただきましたことに心よりお礼申し上げます。

さて、卒業生の皆さん。皆さんが最上級生となった令和二年度は、冒頭でも述べた通り、まさに、「コロナウイルス感染症」との戦いでした。皆さんが楽しみにしていたさまざまな行事や大会も大きく変更されました。しかし、皆さんは、慌てず、ひたむきに準備をすすめ、本番では、最大限のパフォーマンスを見せてくれました。

例えば、運動会。コロナの問題に加えて、熱中症の危険もあるため、プログラムの内容だけでなく練習時間にも制限がかけられました。また、せっかく練習しても、感染者が出てしまえば、運動会そのものが中止になる恐れもありました。運営や応援指導、他学年のサポートを任されていた六年生は不安も大きかったことでしょう。しかし、当日は、内容の濃い充実した運動会となりました。どの学年もやりきったという満足感に溢れていました。そして、それを支えたのは、六年生全員の意識の高さとチームワークの良さでした。

次に、金管鼓隊。輪島市祭が中止となり、発表の場を失ったダメージは計りしれないものでした。しかし、市民の皆様の努力もあり、感染者が増えず、十月にはマリンタウン陸上競技場を会場に、河井小学校と合同で発表会を開くことができました。6年生の「なんとしても発表を成功させたい」という熱意が、5年生を突き動かし、“美爆音”を合い言葉に、一日ごとに演奏が仕上がっていく様は感動的でした。当日の発表も最高のものでした。たくさんの地域の方々から、演奏も振りつけもここ数年で、一番とのお褒め言葉をいただきました。

各委員会の活動では、6年生の「良き伝統を築きたい」という気概が随所に見られました。

「コロナのせいで何も出来ない」ではなく、「コロナ禍であっても、工夫すれば、やれること・学べることがたくさんある」ということを、皆さんは行事や委員会の取組で、証明してくれました。

ここで、改めて、皆さんの活躍を引き出してきたものは何なのかを考えてみると、“誠実さ”“思いやり”“向上心”といったキーワードに辿り着きます。皆さんからは「現状に満足するのではなく、自分たちの最高の表現をしよう。」「仲間と協力して、悔いのない取り組みにしよう。」「下級生に伝えなくてはならないことは、技術だけではなく、心構えまでしっかり伝えよう。」という思いや態度を感じることができました。私だけではありません。六年生を送る会で、送る側の下級生が目に涙を浮かべる姿や、六年生のためにと団結して頑張る姿は、6年生の思いや態度を、毎日のかかわりの中で感じとり、憧れと感謝をいだいていたからこその姿です。これらの卒業生の皆さんの思いや態度は、下級生に引き継がれていくものと確信しています。

また、これからの世の中は人工知能や情報産業が発展し、便利な生活となる一方で、新しい考え方や技術に対応する力を自分自身で身につけていかなくてはなりません。そのため、自分で目的意識を持って学びをすすめる「自主学習力」と、一人で解決できないなら仲間と力を合わせて解決を図る「協働できる力」を高めることが求められます。何だか、難しく聞こえますね。しかし、心配することはありません。皆さんに備わっている「誠実さ」「思いやり」「向上心」をフル活用して下さい。そうすれば、自ずと、「自主学習力」は高まります。「仲間と協働できる力」は強くなります。自信を持って、前に進んで下さい。

保護者の皆様、お子様のご卒業、おめでとうございます。凛凛しく健やかに成長されたお子様の姿に、感慨もひとしおのことと存じます。ただ、まだまだ、子どもたちには、皆様のお力添えが必要なことは言うまでもありません。特に中学生では、家庭の監督力や教育力の有る無しが、子どもの将来を左右することにつながる場合もあることを覚えておいて下さい。

結びに、『夢』を実現させようと努力を繰り返す中で、『自由』という言葉の本当の意味を知ることになります。そして、『夢』に向かって進もうとすればするほど、「感謝」・「挨拶」・「笑顔」の大切さを学びます。出来ない言い訳ばかりでは、解決も成長もありません。卒業生の皆さん、一人一人が、自分自身と社会を真摯に見つめ、解決のための一歩を踏み出せる大人へと成長されることを祈念しまして、式辞と致します。

令和三年 三月十九日  

輪島市立鳳至小学校 校長 山岸茂樹

 

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卒業生の姿を見て在校生は育つ -『6年生を送る会』を振り返って-

2020年度も残り約1ヶ月、学校の最大行事である卒業証書授与式も約3週間後(3月19日挙行予定)に迫っています。2月19日(金)には、卒業式の前哨戦となる『6年生を送る会』が開催されました。名前の通り、この会は卒業を控えた6年生のために開かれる行事ですが、在校生(1~5年生)のどの学年の発表も卒業生(6年生)に対するこれまでの感謝と、これからの中学校生活へのエール(激励)が込められていました。6年生との関わりの中で「小学校に親しみを持ち学ぶ楽しさを知ることができた喜び」を精一杯伝えようとする1・2年生、6年生が守ってきた伝統の鼓隊を来年は自分たちも引き継ぐ準備ができていることをアピールしたい3年生、指導してくれた6年生に少しでも良い校歌を届けたいと緊張しながらも真摯に演奏した4年生。そして、今まで6年生が果たしてきた「学校を支える役割」を全て引き継ぎ、送る会の成功のために一致団結した5年生…。率直に「子どもたちの成長はすごい」と感じました。そして、在校生一人一人が「卒業生を喜ばせたい」とういう思いを持ち、素直に頑張ることが出来ることを誇らしく思いました。一方、在校生の演技を見る卒業生の目は優しく、中には、今まで自分たちが背負ってきた重たい荷物をやっと下ろすことが出来たといった穏やかなものもありました。 小学生という発達段階の集団においても、学年が一つ上がるごとに、要求される役割や責任の程度はレベルアップしていきます。6年生ともなれば学校の内外にかかわらず、リーダー性や指導力、責任ある言動が求められます。今年度はコロナ禍で発生した“新しい生活様式”に基づく「いつもとは違った学校生活」、「いつもとは違った学校行事」が強いられたことから、6年生には、例年以上に、我慢すること、工夫すること、気を配ることを求められました。息苦しかったことでしょう。苦労することも多かったと思います。それでも、6年生は学校のリーダーとしての役割と責任を自覚し、学校生活の模範となるとともに、新しいルールの中で行う鳳至オリンピックや鳳至小大運動会、金管鼓隊発表会等の行事を成功させてくれました。下級生は難しい状況の中で学校や自分たちのために奮闘する6年生の姿を見ているからこそ、6年生への感謝の気持ちが大きくなるのだと思います。そして6年生に憧れを抱き、「6年生のようになろう」「今度は、自分たちが6年生のために」と頑張ることができたのだと考えます。しみじみ、卒業生(6年生)の存在の大きさを感じています。

 子どもたちは仲間と協力し目標に挑む中で、達成感や充実感、感動、共感、他者のよい点に目が向くこと、誰かのためにも頑張ろうという気持ちを持つこと等、たくさんのことを学び、経験しています。そして、その学びや経験は、新たな役割や責任に向かう意欲となり、更に子どもたちを成長させる場面へとつながっています。この1年間の子ども達の成長を頼もしく思うとともに、今後も、仲間と力を合わせて目標達成に挑む経験を意図的に仕組んでいく中(協働する場面を準備する中)で、子ども達の可能性を引き出していきたいと考えます。保護者・地域の皆様におかれましてもご理解いただくとともに、今後ともご協力をよろしくお願いします。                        学校長 山 岸  茂 樹

 

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『意志あるところに道は開ける』 Where there is a will, there is a way.

   タイトルの言葉はアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの言葉です。

1月8日(金)から、“締めくくりの3学期”がスタートしました。休み中に大きな事故にあったりコロナウイルスに感染したりすることもなく、202名全員の児童で無事に3学期を迎えられたことを嬉しく思います。しかし昨年暮れからの大寒波は、7日からは「数年に一度レベル」となって、日本列島を襲いました。特に、9日・10日の積雪は輪島市内の平地でも60センチを超えたことは、記憶にも新しいことと思います。降雪のおさまった11日(月)には鳳至地区の各地で、地域の皆さんが協力して除雪作業を行うようすが見られました。学校も11日の午後、職員総出で、校門から児童玄関、職員の駐車スペース、児童クラブまでの動線を除雪しました。(小磯組 協建設、地域の皆様のご協力、ありがとうございました。)しかし、学校の敷地内の除雪が精一杯で、学校周辺の歩道の除雪までは手が回りませんでした。道幅も狭く、ましてや歩道も通ることの出来ない状態であることから、12日(火)は普段通りの登校ができないのではと心配しましたが、それでも子どもたちがそろって登校できたことは、地域や保護者の方々の頑張りのお陰と感謝しています。

 さて、通常、鳳至小学校の子どもたちは旧山口医院のあたりからグラウンドに入り、そのままグラウンドを横切って児童玄関へ進んできます。12日の朝も、20人~30人ほどの子どもたちが、雪が60センチほど積もるグラウンドを一歩一歩踏みしめながら、校舎を目指していました。その跡は、朝の登校が終わる頃には、70センチほどの幅の細い道となりました。2限後の長休みになると、子どもたちは一斉に外に出て、それぞれが雪遊びを楽しんでいましたが、この長休みが終わるころには、グラウンドの校舎に向かう道は2メートルほどに広がっていました。午後になって気温が上がり雪も溶け出しましたが、子どもたちが下校した跡のグラウンドを見ると、踏みしめられた部分だけ湿り気が強調され、白いグラウンドの中に灰色の“道”がくっきりと浮かび上がっていました。それを見て、私の頭の中に浮かんだ言葉が表題の『意志あるところに道は開ける』です。大人なら、60センチも雪が積もっていたら、それを突っ切って校舎を目指そうとは、よほどのことがない限り考えないと思います。しかし、子どもは意に介さず、がむしゃらに校舎を目指します。自分の膝の高さよりも深い雪を前にしてもひるむことなく、むしろ面白みを感じながら進んでいきます。困難を困難と思わず、「それをやり遂げようと強い意志を持てば必ず道は開ける」というこの言葉が表す意味を子どもたちが体現してくれているようで(そんなに大げさなことではないかもしれませんが)、妙に感心してしまいました。そして、「惑うことなく、意志を持って、前に進める」子どもたちの素直さや純粋さ、たくましさと可能性を生かした教育活動を進めていきたいという思いを強くしました。

 2021年の始まりにあたり、子どもたちが備える、“希望”や“勇気”を引き出し、これからの社会を生き抜くことができる鳳至っ子の育成に力を尽くしていくことをお約束し、年頭の挨拶とさせていただきます。今年度も、本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

                                                   学校長 山 岸  茂 樹

 

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子ども達の未来のため、『読解力』の向上をすすめます!

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)問題で幕を開けた2020年もあと数日で終わろうとしています。コロナ問題はCOVID-19とあるように、2019年末からの流行ですから、はや、1年が経過したことになります。そんな中で、休校を挟みながらも、感染者を出すことなく学校の教育活動をすすめることが出来たのは児童一人一人の頑張りと、地域や各家庭での皆様のご努力のおかげです。また、子どもの自己肯定感を高めるためには、子ども達を見守る大人の声かけが必要と、行事があるごとに学校等に足をお運び頂きましたが、その際には、検温やマスクの着用はもちろんのこと、参観マナーにつきましても、ご理解とご協力を賜りましたことに、心よりお礼申し上げます。

さて、前号の学校便りでもお伝えしたように、2学期の終わりから3学期にかけて、学校は、子ども達に次の学年に向けた準備を強く意識させていますが、学習面では、新学年の学びがスムーズにすすめられるように現学年での学習を確実に自分の力として定着させる(身につける)取組をすすめています。学習事項の定着度を計る手段としてよく用いられるのがテストですが、このテストにおいて、問題が解けなかった子の半数以上が“問題文を読んでも、何を聞いているかわからない”ことを訴えてきます。実はこの訴えのような「文章の意味が読み取れない」=「読解力(どっかいりょく)の不足」に関わる事例は、教育現場のみならず様々な生活場面で問題視されているところです。もう少し『読解力』について考えてみましょう。字面でみれば「読んで(その意味を)理解する力」ということですが、文部科学省から出されている読解力向上プログラムには次のように定義されています。

【読解力】

   自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に

 社会に参加する ために、  書かれたテキストを理解し、利用し、

 熟考する能力

 この定義に当てはめて考えると、読解力が不足するということは、単純に目の前の問題が解けないということだけでなく、社会に参加することまでを難しくするということになります。そう言えば、昨今、AI(=人工知能)技術が飛躍的に向上していますが、「AIが、人間が行ってきた仕事を代行する(=「AIが人間から仕事を奪ってしまった」)事例がよく見られます。AIはそもそも、人間がつくりだしたものですから、人間の命令で動くと考えれば、一問一答のような「こうならばこう」といった単純な動作が強いということになります。一方、定義によると、読解力には「熟考する力」も含まれますが、この部分はどうでしょう。いろいろな条件や好みを考え併せながら、総合的に判断力することは、実は、AIにとっては苦手な仕事です。逆に人間ならではの技や勘、経験が活かされる分野になります。推理や想像(イメージ)しなくてはいけない部分はすぐれたAIといえど、人間を超えることは出来ないと言えます。

話を整理しましょう。読解力を高めると言うことは、単純に目の前の問題がわかるだけではなく、近い将来、AI(人工知能)が蔓延する世の中となっても、仕事を奪われず、社会に参加できるということになります。とすれば、子ども達が未来を生き抜く力を培う場である学校で、『読解力』を高める活動に取り組むことは必須のことです。現在、授業等で行っている「声に出して読む」、「線を引きながら読む」、「言葉の意味を問い返す」、「図・表・グラフの等の資料を関連づけて自分の考えを作る」、「朝読書」、「短作文」等の活動を注意深く継続しながら①文章や図・表・グラフの意味を正しく理解する力、②作者の意図を読み取ったり要約したりする力、③読みとったこと・考えたことを表現する力を伸ばしていきたいと考えます。また、読解力を高めることにより、今後、子ども達が中学校、高校、大学、就職…と、ステージアップすればするほど必要となる自主学習力(=自分で学ぼうとする力)も高めていくことができればと考えます。

2020年の本校の教育活動にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。来る2021年も、職員一同、全力で子ども達を支援していきます。

新しき年を迎えるにあたり、地域、保護者の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

            学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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ケジメを持つ・時間の使い方の工夫・自主的な学習への取り組み、そして折れない心の涵養

コロナウイルス感染症予防のための休校もありましたが、4月の入学式以来、2020年度も3分の2が過ぎようとしています。子ども達にとって、これからの3分の1の学校生活は、「2021年度への準備期間」となります。特に、今まで学校の“顔”として頑張ってきた6年生は、中学校へ進学するための準備を強く意識しなくてはなりません。なぜなら、中学校における学習、部活動、学校行事その他学校生活は、小学校以上に自主性と自律性が求められるからです。一方、これまで6年生の後ろを追ってきた5年生は、学校のリーダーとしての役職や立場を次々と経験していきます。苦労や試行錯誤とつきあいながらの活動となります。4年生は金管鼓隊のような学校の代表としての活動が増えます。その中で、今まで以上に、「自分一人の我が儘が通らないこと」を気づかされます。そして、自分のためだけではなく、誰かのためにも頑張らなくてはならないことを学んでいきます。同じように、3年生、2年生、1年生も一つ学年が上がることで、役割や責任が増えていきます。『立場が人を育てる』と言われるように、それぞれの児童が、初めてその立場に置かれ、成長につながる役割や責任を経験していくことになります。ですから、鳳至小学校としては、子どもたちが次のステップに対応できるように、その発達段階に応じて、

 ① ケジメを持つこと

 ② 時間の使い方を考える習慣を持つこと

 ③ 自主的な学習(=家庭学習)に取り組むことができること

の3点を意識して、準備をすすめるよう指導していきたいと考えます。この3点に共通することは自分自身を管理する力を意識させるということです。そして、並行して、“折れない心”(=逆境力=七転び八起きの精神=レジリエンス)を養っていかなくてはならないと考えます。

 閑話休題。末尾に添えたグラフは今年の10月に厚生労働省が公表したもので、2017年3月に学校を卒業し就職した人が3年以内にその離職割合を示しています。グラフからは高卒就職者の約4割、大卒就職者の約3割が3年以内に離職(=仕事を辞める)ことが読み取れますが、実は、この割合はここ数年、変わっていません。下の表は、内閣府がまとめた『平成30年度版 子供・若者白書』から、初めて仕事に就いた人が辞める理由を聞いたものです。辞める理由の2番目に「人間関係」が挙げられていますが、実は、このとらえ方については意見が分かれるところです。なぜなら、この結果は、あくまでも、離職した人の言い分だということです。昨今は、モラハラ、パワハラと言う言葉もよく耳にしますが、雇用者の言い分を聞けば、その辞めていく人の“人間性”について言及してくるかもしれません。ケジメをもった言動がとれていたのか。社会人としてふさわしい振る舞いが欠けていることはなかったか。もっと言えば、学校でも家庭でも、強く叱られる経験をせずに社会にでた者が、注意されて当然のことを、たまたま、厳しい口調で指摘されたり理不尽な言われ方をされたりしたことがショックで、逃げ出してしまったようなことはないか。本当に、我慢の限界だったのか。

 輪島市の教育目標には、『チャレンジ&レスポンス』と言う言葉が示されています。チャレンジは挑戦するという意味ですが、それに対して、レスポンスとは応戦する力、困難に向かって行く力を表します。「学校は、子どもたちに、学びを通して社会を生き抜いていく資質・能力を身につけさせる場」という前提を忘れないでいるなら、自主的に学ぶことも含めて自分自身を管理する力や少々のことではへこたれない気持ち、なにくそと歯を食いしばり、前に進もうとする芯の強さを持った人材となるよう指導していかなくてはなりません。そのためには、時に、厳しさは必要です。そして、その厳しさの中で、子どもをきちんと観て、子どもの良いところをタイムリーに褒めることが肝要と考えます。今の『学び』は必ず、子ども達の将来にいきてきます。学校としては、「今できる経験」、「今できる学習」をしっかりサポートしていきたいと考えます。特に、12月には、それぞれの学年で学んだことがどれくらい身についているかを調べる輪島市統一の学力テストも予定されていることから、学力の定着を中心に据え、自分自身を管理する力と折れない心を意識して指導していきます。ご家庭でもご協力をよろしくお願いします。                               

 出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」

    

 出典:内閣府 「平成30年度版子供若者白書  特集 就学等に関する若者の意識」

                        学校長 山 岸  茂 樹

 

 

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子どもたちをよりよく育てていくため、改めて、皆様のご協力をお願いします!

10日(土)にマリンタウン陸上競技場で行われた金管鼓隊の発表会には、1000名を超える保護者、地域の皆様に足を運んでいただきました。本当にありがとうございました。

鳳至小・河井小両校の子どもたちの演奏とも素晴らしいものでした。子どもたちの表情には、本番で力を出し切ることができたという達成感や自分たちの頑張りを多くの皆様に見ていただくことができた満足感、充実感が表れていました。発表の後は、多くの方々から子どもたちの発表を讃える声をかけていただきました。この経験は子どもたちの次への意欲につながるものと確信しています。

一方、10月に入って、学校外の子どもたちの様子について注意しなくてはならない事案が3件続きました。

一つ目はマリンタウン公園での中学年児童数名が遊んでいて、他校の児童とのトラブルをおこした件、二つ目は他校の通学路上で、高学年の女子児童10名で待ち合わせをしていたところ、「(低学年の)子どもが側を通るのが怖かったと訴えている」と子どもの保護者から学校に連絡が入った件、そして、最後の一つは、マリンタウン公園に面する道路で高学年男子児童の数名がボールを蹴って遊んでいて、他の歩行者や車と接触しそうで危ないから止めさせようと注意するが聞いれてくれないと住民から学校に連絡が入った件です。また、3つ目の事案が起こった日は、鳳至小、河井小、大屋小、輪島中とたくさんの児童生徒がマリンタウンで遊んでいました。後日、孫を連れてその場にいたお年寄りからは、「どこの学校の児童が当事者かはわからないけれど」との前おきの後、順番に遊具を使おうと並んでいる低学年の児童の列に高学年児童が割り込んでトラブルとなったことも教えてもらいました。子どもたちは成長の中で、良いこともすれば良くないこともしでかします。ですから、乱暴な言い方をすれば、先に述べた事案は、どれも、「起こりがちなこと」です。しかし、子どもたちには、社会生活のルールやマナーを守ることができる人、周りに迷惑をかけない人に成長していってもらわなければなりません。一つ目の事案で、ケンカをした片方は相手の話し方がおかしいと言い、もう片方はおかしいと言われたことが許せないので暴力に訴えたことから双方の殴り合いに発展したという顛末、2つ目の事案では「それほど広くない歩道に人が10人も集まればどうなるか」、「小さい子どもの目には、知らない大きな“お姉さん”の軍団はどのように映るのか」ということについて想像力が欠けていたこと、3つ目は自分も他者も身の安全が脅かされるということが想像できていないことが原因でした。しかし、これらの事案について、普段の生活の中で当該児童の一人一人にどう思うかと尋ねれば、全員が迷わず「良くない」と判断した上で、その理由も答えます。では、良くないと判断できる行動をとってしまうのはなぜなのでしょう。

答えは「一人ではない(=集団でいる)から自制するのが恰好悪い」、「みんなでやっているし、“まぁいいか”」という子ども特有の集団心理が働いてしまうからです。とすれば、雰囲気に流されず、当たり前の事を当たり前に判断し言動できる態度を育てていかなくてはなりません。また、自分がまわりの人にどのような印象を与えているのかを察知できる力をつけなくてはなりません。

学校では道徳の勉強はもちろんのこと、学校生活の中で、こんな場合、自分はどんな態度でなければいけないのか、どう振る舞うべきなのかについて子どもたちに考えさせ、指導しています。「間違いを起こすこともある。大切なのは、何が良くないのかに気づき、自分自身がそれを解決(改善)しようとする力を育てること」というスタンスで働きかけています。ただ、子どもの生活場面は学校内だけではなく、家庭や地域、さらには思い思いに活動するスポーツ少年団や太鼓などの文化活動を行う団体等、様々です。ですから、子どもたちをマナーやルールを考えられる良き大人へと導いていくには、家庭や地域、児童の健全育成にかかわる団体が、子どもをよりよく育てていくという目標を共有していかなくてはなりません。この学校便りでは、子どもたちの良い姿だけでなく、改善していかなくてはならない姿もお知らせしていきます。そして、校歌の歌詞にあるよに『かがやく輪島の未来の子』が、より良き社会を築く主体へと成長するよう、保護者、地域の皆様と一緒になってサポートしていかなくてはならないと考えます。

今後とも、本校の教育活動に、ご理解とご支援をよろしくお願いします。    

                                                                     学校長 山 岸  茂 樹

 

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運動会、子どもたちはまた一つ成長することができました!!

12日(土)、“絶好の晴天”に恵まれ『鳳至小学校 秋の大運動会』を開催することができました。今年の運動会は昨年度末から続くコロナ対応や8月以降の熱中症対応により、時間や種目内容、開催方法等にたくさんの制約を設けなければならず、子どもたちが集中かつ完全燃焼できる運動会になるのかという不安を抱えながらの準備でした。しかし、本番当日、子どもたちの姿には、それまでの心配や息苦しさを吹き飛ばしてもらったような思いを受けました。特に、6年生のリーダーシップは見事なものでした。種目の運営に下学年のお世話、そして応援等、あらゆる場面で率先して取り組んでくれました。また、全校児童が真剣に競技に取り組む姿が見られました。どの学年もゴールまで粘り強く走りきった徒競走、それぞれが鬼滅の刃(=きめつのやいば)のキャラクターになりきって踊った低学年の「紅蓮華(ぐれんげ)」、ハツラツとした動きの中に意気込みと力強さを込めて舞った中学年の「鳳至ソーラン」、仲間との絆を意識してフラッグアクションとダンスを組み合わせた高学年の「繋ぐ(つなぐ)」、団のプライドをかけてバトンをつないだ「団対抗リレー」…。どの場面も子どもたちの頑張ろうとする姿、団やクラスの仲間と力を合わせ最高の演技にしようとする姿がありました。この運動会の取組の中で、子どもたちそれぞれが自分自身の果たすべき役割を意識し、素直に努力を重ねることで、自分自身はもとより、クラスも鳳至小学校という集団も大きく成長させることができたと感じています。

保護者や地域の皆様におかれましては、大変、窮屈な思いをさせたにもかかわらず、たくさんのご来校を賜り、子どもたちを見守っていただいたことに心より感謝申し上げます。さらには、片付けにも多数の保護者の皆様にご協力いただきましたことにも重ねてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 “実りの秋”という言葉もありますが、10月からも金管鼓笛の発表会や児童集会など、子どもの学習の成果を発表する場を予定しております。運動会同様、検温カードの記入・提出や消毒、マスクの着用など、煩わしいと感じることも少々ございますが、学校に足をお運びいただき、子どもたちの頑張る姿を見ていただければ幸いです。本校の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願いします。

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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鳳至っ子のために、2学期も頑張ります!!

  朝顔、さつまいも、ミニトマト、小玉スイカ、トウモロコシ、ピーマン、きゅうり、いちご、えだまめ、にんじん、ホウセンカ、サルビア、いんげんまめ、綿花、マリーゴールド、ジャガイモ、へちま…。

コロナ禍で、学校を休校する期間もありましたが、この夏も中庭を中心に、学校の至る所に花が咲き、野菜が実をつけました。そのほとんどが、生活科や理科の授業で子ども達が植えたものです。子どもたちは、花が咲くことや実のなることを願って、毎朝、水やりを続けました。そして、毎日、観察することで、子どもたちはいろいろな発見をすることができました。同じ種類でも周りの花より速く育つもの、大きな花を咲かせるもの、小さな花をつけるもの、色の濃い花をつけるもの、その逆に薄い色をつけるもの、いち早く実をならすもの、周りが収穫を終えようとするころに実をつけだすもの…。同じ植物を同じ時期に植えたはずなのに、その生長の速さや花の大きさや色合い、実のなり方等、それぞれが微妙に違うことを子どもたちは発見します。また、自分たちが世話をしているそれぞれの草花は、どれも、芽を出し、葉が大きくなり、茎の丈も伸び、どれも美しい花を咲かせることができたことにも気がつきます。生長の速さや花や実の大きさ、色や実のなり方は違っても、それぞれの花が美しい花を咲かせ、実をつけることができました。そして、それを支えたのは、毎日欠かすことのなかった子どもたちの水やりです。

この様子を見ていて、オーバーラップしてくることが、人間の成長です。特に、中学校を過ぎる頃までは、同学年であっても、子どもの成長の様子は十人十色、本当に様々です。そして、場面場面での教職員や保護者、家族等、周りの大人のサポートがあってこその成長であることは言うまでもありません。いや、子どもたちが大人へと成長する過程で見せる様々な表情や成果は、その時々の子どもの頑張りや有り様だけでなく、周囲の大人からの適切な働きかけが大きくかかわっていると言っても過言ではないでしょう。

 さて、8月7日(金)をもって、1学期が終了します。そして、9日間の休みを経て、8月17日(月)より2学期の学習に入ります。休みの間に、子どもたち、先生方ともしっかりリフレッシュしてほしいと思います。そして、2学期のスタートと同時に、また、『創造性豊で、頼もしい人づくり』を目指して、“鳳至っ子”のために、日々、最善のサポートができるよう尽力していきます。保護者や地域の皆様、どうぞ、お力添えをよろしくお願いします。

   令和2年8月6日(木)

                           学校長 山 岸  茂 樹

 

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自律型人材の育成のため、ご協力をお願いします。

 学校再開から約2ヶ月が経ちました。コロナ休校の影響で登校を嫌がる児童が全国各地で出てきている中、鳳至小学校では、病気等で通院・休養する以外は欠席がないことを頼もしく思います。現在、子ども達は本当に意欲的に、そして、元気に活動しています。中でも、市祭が中止となったため中断していた金管鼓笛は、マリンタウン陸上競技場で10月10日(雨天の場合は11日)に河井小と合同で発表することが決まり、6年生をリーダーに熱心に練習に取り組む姿が見られます。7月からは体育で水泳の授業も始まりましたが、雨が降っていても、「校長先生、今日はプールに入れるよね」と確認してくる児童がいるのは悩ましい限りです。

  さて、このコロナ禍の中で、在宅勤務やリモートワークと言う言葉をよく耳にしました。また「新しい生活様式」に自分たちの生活を見直すことも求められています。平成の後半から、科学技術の進歩は社会を大きく変え、その変化に対応できるよう子どもたちを育てていかなくてはならないと言われるようになりました。そして、教育界では、子どもたちを「自立」させる(=自分の力で独立させる)ことに加え、子どもたちそれぞれを、「自律」できる(=自分で自分を管理できる)大人へと育てていくことが求められるようになりました。この「自律」面を育てていくという考えは年々強まり、現在では「自立型人材」より「自律型人材」が求められているといった傾向が顕著です。では、子どもたちを「自律」した大人へと育てていくことができるのでしょう。「自律」のための条件を考えてみると、「能動的であること」「主体的であること」があげられます。

    能動的 : 周囲からの働きかけ等に関係なく、自分自身で考えて物事を行ったり、 他に働きかけたりする。

        → 受け身、指示待ちの反応する(受動的)の反対。

    主体的 : 自分の意志に基づいて行動する。自らの考えに基づいた意志・判断に よって行動を起こす。

        → 刺激に対して考えずに反応する(反応的)の反対。

  つまり、これからの社会を生きる子どもたちには「自分自身がよく考えた上での行動が求められる」ということになります。鳳至小学校では昨年度より、授業でも、子ども自身が「考える」ということを重視して教育活動を組み立ててきました。ここで、肝要なことが、子ども達に「考える」ということを楽しいと思わせること、粘り強く考えること、考えることで困難を克服出来たという経験や積ませることです。そして、その学習や活動のようすを保護者や地域の皆さんに評価してもらうことで、子どもたちは自信を深めたり、反省してより良い学びに改善したりすることができます。 コロナの影響で学校に足を運ぶことをためらわれている方も多いことと思いますが、マスクを着用することと消毒することをお守りいただき、子どもたちの活動の様子をご覧になっていただければと思います。7月末・8月初めには「1年生とふれあいの会」、9月には運動会、10月には金管鼓笛発表会と各種行事を予定しております。皆様のご来校とご感想をお待ちしております。

                       学校長   山 岸  茂 樹

 

 

 
 

 

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学校再開について、寄せられたご意見と学校の基本的な考え方

学校再開が再開し、4週間ほどが過ぎました。子ども達は、日に日にパワーアップしています。

さて、先だって、保護者の皆様にご協力頂いたアンケートの様子と現在の、学校の取組や今後の予定についてお知らせします。尚、予定について、今後のコロナウイルス感染の動向や、PTA役員の皆様や関係機関等との調整を行わなければならないものについては、それが済み次第、順次、お知らせしていきます。

(1)「学校再開に際しての保護者アンケート」回答 (抜粋)

 【家庭での様子】

  ◎よくお手伝いをしてくれた。兄弟姉妹の面倒を見てくれた。

  ◎学校再開を子ども達が喜んでいる。

  ▲SNSの時間が長い。ゲーム、タブレット、YouTube三昧の生活だった。

  ▲起床時刻や就寝時間が遅くなるなど、生活が乱れてしまっていた。

【保護者として心配なこと】

  ・授業の遅れが回復できるのか。

  ・授業の内容を理解できないまま、授業が早くすすんでしまわないか心配である。

  ・コロナ第2波・第3波による再休校ならびにそれによる学習の遅れ。

  ・通常の学校生活に戻れるのかどうか。

  ・子ども、保護者ともに楽しみにしている行事が中止になってしまうこと。

  ・感染予防に対する子どもの意識が低いこと。

  ・学校や勉強を嫌がる態度(=低学年)。

【その他】

  □学校としてのコロナ対応策をお願いする。

  □行事予定は出来るだけ早く知りたい。

  □行事を減らさないでほしい。

(2)学校再開に際する、学校の基本的な考え方や取組

  ①学校生活を整える

   ・7月初旬(10日くらいまで)を目途に、子どもの勉強に向かうスタミナと生活習慣を

    回復させる。学習においては 進度は焦らない!!! 

   ・「体を向けて聴く姿勢をつくる」ことの徹底。 同時に、教師からのの指示は最低限に

    する。 

   ・ベル着選手権の実施。 … 学習の準備と、気持ちの切り替えを習慣づける。

   ・生活習慣の見直し。  … 「ぐっすりナイト」による調査とその結果を基にした

                 委員会活動の実施。

   ・下駄箱の整頓。

   ・【新しい生活様式】についての理解と徹底。 

               … 『手洗い』 『マスク着用』 『換気』の徹底。

                  学校でできる対応策についての理解も進める。

  ②児童の心を支える

   ・SCによる教育相談         

   ・担任による教育相談(8日より開始)  子どもの思いにアンテナを張り巡らす。

  ③保護者・地域に学校の様子を知らせる。

   ・学級便りの発行 … 子どもの日常的な様子について知ってもらう。

   ・学校公開 (6月22日~26日)

     23日 : 鳳至オリンピック … 子ども達の元気な姿と6年生の頑張りを

                      見てほしい。

   ・HPの更新

   ・メール配信 … 学校の予定をタイムリーに確認してもらう!!

 

 ④行事は、感染症対策に留意しながら出来るだけ実施する。 

   ・徒歩遠足 … 6月17日(水) = 実施済み

   ・運動会  … 9月12日(土) 於:鳳至小学校グラウンド(晴天)

                      サン・アリーナ(雨天)

   ・宿泊体験学習(6年) … 10月 1日(木)・2日(金) 於:能登少年自然の家

   ・金管鼓笛隊発表(5・6年) … 10月10日(予備日11日) 

                    於:マリンタウン陸上競技場

   ・合唱の集い(5年) … 10月16日(金) 於:文化会館

      ※コロナウイルス感染が輪島市で発症した場合、延期・中止等もあります。

 

(3)その他

   ・熱中症対策   … 状況に応じたマスクの脱着と水分補給の指導

   ・プールでの学習 … 感染予防対策に留意しながら実施

 


 

 

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学校再開に向けたお願い

□ 保護者・地域のみなさまへ

輪島市内の小中学校では、先週の18日から分散登校が再開されました。今週からは分散登校のままではありますが、給食も再開しています。鳳至小学校でも、登校日初日より、朝早くから児童玄関に集まり、7:30の開門を待つ子ども達や、友だちと一緒になってグラウンドや中庭を駆けまわる低学年の集団、校内のあちらこちらで楽しそうに話し込む上級生グループ等が見られました。そして、子ども達の笑顔や明るい声を聞く度に、学校が子ども達にとってかけがえのない場所であることが実感できました。同時に、昨年度からの“コロナ騒動”が、子ども達にたくさんの我慢を強い、ストレスを与えていたこと、子ども達にとって貴重な経験となる儀式や楽しみにしていたイベント、大切な行事の開催を無くしてしまったことを悔しく思いました。子ども達の成長のためには、一生懸命になれることをやりきったという満足感や集中して頑張ることが出来たという達成感が絶対必要です。子ども達が学校に登校できない間、教職員で、通常登校が実現した後は、「子ども達が仲間と力を合わせて目標を達成する活動を削らないこと」、「コロナのせいで何も出来なかったという一年にしないこと」について何度も意思統一しました。現在、学校としては、子ども達への負担を考慮した上でのイベントの準備や、今年度、県の指定を受けたオリンピック・パラリンピック推進事業とタイアップした企画の実施について案を練っています。子どもの思いを訊きながら、知恵を出し合い、子どもが「頑張って良かった」と思える環境を整えることは、学校の役目です。また、その環境を整えるためには、保護者をはじめ地域の皆様に助けて頂かなければ、実現できないことも多々あります。活動や企画の詳細が決定しましたら、お知らせします。いつもお願いばかりですが、皆様のご理解とご協力を、よろしくお願いします。

 

□ “鳳至っ子”のみんなへ

6月1日からは通常通りの学校生活にもどります。4月16日から臨時休校が始まったので、新年度に入り学校で活動したのは、登校日を含めても10日足らず。6月からの再開は、まさに、“仕切り直し”となります。そこで、学校生活を再スタートさせるにあたり、みなさんに心がけてほしいことを記します。

①「あいさつ」 と 「あさごはん」

・「おはようございます」、「こんにちは」などのあいさつと「ありがとうございます」が言える。 

 → 自分も周りの人も気持ちがさわやかになります。

・「あさごはん」を食べる。

 → 1日の元気と授業の集中力につながります。
②「いい返事」

 → 自分の中にも相手にも、頑張ろうという気持ちがわいてきます。
③「運動(うんどう)」

 → 健康な体と心をつくるには絶対、必要です。気持ちもすっきりします。
④「笑顔(えがお)」

 → 自分も周りの人も、楽しく、幸せな気分になります。
⑤「おもいやり」

 → 困っている人の気持ちを少しでも温かくしてあげることが出来ます。

  ちょっとした“心がけ”でみんなが、穏やかになったり、お互いをわかり合える素敵な関係になったりすることが出来ます。覚える方法は、それぞれの最初の文字を順に覚えて下さい。生活を良くする「あ・い・う・え・お」です。このことに気をつけて、また、頑張りましょう!!

                      学校長 山 岸  茂 樹

 

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「わたしにできること」

ハチドリのひとしずく

           辻 信一

森が燃えていました

森の 生きものたちは、われ先にとにげて いきました。

でもクリキンディという名の

ハチドリだけは、行ったり来たり。

口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは、

火の上に落していきます。

動物たちがそれを見て、

「そんなことをして、いったい何になるんだ」

と言って笑います。

クリキンディはこう、答えました

「わたしは、わたしにできることをしているだけ。」

          出典・「ハチドリのひとしずく」 光文社刊

 

これは南アメリカの先住民(=インディオ)に伝わるお話です。環境問題を考える際によく使われたお話です。また、2011年3月11日に東北地方の太平洋側を中心に東日本大震災が起こった後は、道徳の授業でもよく使われました。ハチドリというのはその種類によって差はありますが、体長5~10cm、体重2g~20gという非常に小さい鳥です。ハチはその名の通り“蜂(はち)”を表し、花の蜜を主食とします。話しを戻しましょう。クリキンディという名の小さなハチドリは、大きな森が燃え広がろうとする中で、他の生き物たちに笑われても、大切な森を守ろうと、自分が出来る「一滴ずつ水を運ぶ」ことを繰り返します。

さて、今、世界中が、新型コロナウイルス感染症が広がることを防ぐために、様々な我慢をしています。「早く何とかしなければならない」と感じながら、でも「自分一人では何も出来ない」と自信をなくしてしまっている人も少なくないでしょう。そんな時だからこそ、このお話しのクリキンディの姿や言葉に込められた思いを考えてみて欲しいと思います。「自分の力は小さいかもしれないけど、まずは自分が出来ることをしよう」という前向きな気持ちや勇気を持って欲しいと思います。

 ・手洗いやうがい、部屋の空気の入れ換えをこまめにすること。

 ・家族のために、自分が出来るお手伝いを見つけてやること。

 ・学校が休みでも規則正しい生活をして、自分の健康を守ること。

 ・時間をかけてじっくりと本を読んでみること。

 ・兄弟姉妹の手助けをすること。

 ・ニュースや新聞を見て、世の中で何が起こっているのかを知ること。

考えてみれば、その人によって、「自分が出来ること」はいろいろとあるのではないでしょうか?そして、そのことが、自分の不安をなくしたり、休校が終わって、また学校に登校できるようになった時、友だちと協力して生活できる力を強くしてくれたりします。『STAY HOME = スティホーム』が求められますが、家の中でも、自分に出来ることはたくさんあります。今こそ、『鳳至っ子』の頼もしさを見せるときです。

            学校長 山 岸 茂 樹


 

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