校長室より「おこらいえ」
マイナス×マイナス=?
80日目
主に野球部が使用する本校のグラウンドは
発災時より自衛隊の基地として運用され
多くの車両が駐屯しています
当初は液状化を起こしてしまい
自衛隊車両であってもスタックして
身動きがとれない状態となりましたので
バラスを敷いたり改良剤を撒いたりと
全くグラウンドとしては
使い物にならなくなってしまいました
土の入れ替えを待つしかないのですが
いつになるか目処が立ちません
サッカー部はマリンタウンにある
学校から離れたコートで練習していたのですが
こちらは人工芝が剥がれてしまい
全て張り替える必要があります
剥がしてしまった人工芝の
処分にも困っています
マイナス×マイナス=プラス
野球部の冨水監督が知恵を絞り
とっておきのアイデアを
出してくださいました
剥がした人工芝を
輪島高校のグラウンドに敷き詰め
人工芝グラウンドにするのです
土はそのまま使え
人工芝の処分が要らず
体育にも使える
一石三鳥です
そうと決まれば善は急げ
さっそく人工芝の運び出しです
できない言い訳を考える暇があったら
どうやったらできるか考えろ
自分が日頃言っていることを
身をもって後輩に見せてくれる監督は
本当に頼りになります
野球部は23日(土)
同じ被災した能登から選抜に出場している
日本航空石川の応援に行きます
資金を保護者会の方が集めてくださっています
ご賛同される方はぜひご支援をお願いします
https://www.makuake.com/project/ishikawa-baseball/
Astro Science Cosmo Tour 2日目
ご飯を食べて出発です
まず訪れたのは地質標本館
今回の地震と大きく関わっていると考えられる
謎の水「深部流体」の特別展が
4月より始まるそうで
残念ながら見ることができませんでした
続いてはJAXAのガイドツアー
このツアーは3か月前の1日から
ネット予約が始まります
即埋まってしまうので
昨年12月1日の午前0時に
インターネットに接続して予約しました
その日の夜明けにはもう定員オーバー
去年1番の大仕事でした
新入生のみなさん
輪島高校ではこのような
学びの心に火をつける
さまざまなしかけを用意して
待っていますよ
こんなときだからこそ学んで来い!
79日目
今朝 科学研修ツアー
Astro Science Cosmo Tour(ASCoT )に
11名の生徒が旅立ちました
学びを止めるなの言葉を胸に
科学の最先端を学ぶツアーです
2泊3日でさまざまな施設を巡ります
明日は9:00からつくばの地質標本館で
地震のメカニズム等について学び
10:40からJAXAのガイドツアーに参加です
明後日は9:00から東京大学キャンパス
11:30より日本科学未来館を見学し
21:00には帰ってくるという日程です
震度7の激震にも耐えた
100周年記念モニュメントの前から
100周年記念ワゴン車で出発です
無事金沢駅に到着しました
このあと新幹線で東京へ向かいます
東京国立博物館に行きました
現在
建立900年「中尊寺金色堂」
特別展を開催中です
本当はサイエンスツアーということで
国立科学博物館を訪れる予定だったのですが
私のミスで国立博物館に行っているようです
でもまあ歴史も科学ということで…
そもそも文系理系って分けているのは
日本だけなんだそうです
女子は文系科目が得意で
男子は理系科目が得意という概念も
そう刷り込まれているだけの
単なる思い込みのようです
実際 国際学力テストの結果を見ても
女子の方が理科数学の成績の良い国も
フィンランド
スイス
カナダ
デンマークなどです
これ何かとピタリ一致しているのですが
わかりますか?
女子カーリングの世界ランキングです
氷上のチェスと言われるカーリングには
理系の頭脳が求められます
ということは
カーリングの強い日本の女子は
本当は男子に負けない
素晴らしい理系の頭脳を
持っているはずだと思います
男女のステレオタイプにとらわれない
全ての生徒が自分の得意を伸ばせる
教育をしたいと考えています
ちなみにデンマークには
「カーリングペアレント」
という言葉があるそうです
とにかく学校にクレームを言ってくる
「モンスターペアレント」や
子どもの上をぐるぐる旋回しながら監視して
我が子に危機が及ぶと急降下してくる
「ヘリコプターペアレント」の類で
本来子供が自分で解決すべき障害を
先回りして掃き取ってしまう親のことです
教育の問題は世界共通のようです
掃き取るといえば昨日
男子バレー部が練習と床掃除していたところ
長野県から派遣されている
諏訪市の山岡さんと
茅野市の牛山さんのお二人が
一緒に床をブラシとモップで
掃除してくださいました
最後には生徒たちに
「大変な環境だけど頑張って」
と言っていただきました。
日々感謝です。
ご寄付もいただいています
河田 哲也 校長先生はじめ
神戸市立長尾小学校のみなさん
先日練習試合に訪れた高岡商業高校の
野球部保護者会とネット会のみなさま
富山県は高校野球の盛んな地域で
毎週の練習試合にも地元ファンの皆さんが
ネット裏で観戦されています
これがいわゆるネット会だそうです
「最近スライダーのキレがな…」
「リリースポイントがちょっとな…」
監督より詳しかったりします
本当にありがとうございます
「JINー仁ー」
78日目
ABCラジオの
「おはようパーソナリティ小縣裕介です」
に出演させていただきました
「おこらいえ」を読まれた
香川県の方がご紹介くださったそうです
ありがとうございます
放送を聞いた原田 幸子さまから
素敵な写真をいただきました
春はすぐそこに
火災のあった朝市地区のはずれ
水浸しになりながらも
ポツンと焼け残った我が家
電気も通っていないので
日中入っても真っ暗です
ただそんな中
夜明け後1時間ほど朝日が差し込むので
その合間に忍び込んで
部屋の片付けをしています
ほとんど使い物になるものはなく
家の取り壊しと一緒に
処分してしまえばそれだけなのですが
最後に綺麗にして捨ててあげたくて
無駄な努力をしています
時折まだ使えるものが見つかったり
毎朝の宝探しです
先日こんなものが本棚の下から
いつも夏休みや冬休み
時間の取れる時に
これまでに買ったはいいけど
目を通せていない書籍
昔揃えたコミックなどを
まとめ読みしています
今回の冬休み
つまり被災直前に読んでいたのが
この「JIN ー仁ー」でした
大沢たかおさん主演でドラマ化もされ
ヒロインの綾瀬はるかさんの
「ペニシリン!」の台詞で有名です
江戸時代にタイムスリップした
脳外科医 南方仁 が
満足な医療器具もない中で
幕末の人々の命を救い
自らも歴史の渦にまきこまれていく
というストーリーです
今回自分がこの悲惨な環境の中
なんとか踏ん張っていられるのは
直前にこの物語を読んでいたから
かもしれません
もとの世界に帰れるという保証のない
絶望の中でも
「仁」は立ち向かっていきます
それに比べると
現在の自分の置かれた環境など
本当に恵まれたもので
できることが山ほどあります
ひとつひとつのシーンを思い出しながら
自分自身を奮い立たせています
のと里山海道の下りが全線開通し
あの時8時間以上かかった道が
今は3時間かからず来れるようになりました
一歩ずつ一歩ずつ着実に
前へ進んでいます
自分の記憶の中にある
あのときの風景はなぜかモノクロです
でも今は色がついて見えています
フェニックス通りの祈り
77日目
金沢方面に2次避難している
生徒の学習場所として
石川県文教会館を使わせていただいています
これは
金沢大学と石川県教育委員会が
協働で準備くださったものです
大学生ボランティアが
質問対応をしてくださいます
交通費も負担していただき
本当に感謝しています
4月になっても仮設住宅はおろか
水道すら復旧していない家庭も多く
帰ってくる目処が立たない状況です
そんな中
4月以降の金沢での学習場所の確保を
進めています
引き続き対面とオンラインの
ハイブリッド授業となりそうです
生徒から金沢大学の皆さんに
お礼のお手紙をお渡ししました
写真左手前に写っているのは
今回教委と大学を繋ぐのに
ご尽力してくださっている
轟 亮(とどろき まこと)教授
轟教授は以前石川県立高等学校の
教諭としての経験をお持ちで
私と同じ高校で勤めていました
そんな縁もあって
今回、内灘にお持ちのお父様名義の一軒家を
住む家を無くした私の両親のために
使わせてくださっています
おかげさまで
自分は安心して学校で寝泊まりができ
なすべきことに集中して
取り組むことができています
お父様は
福井空襲そして3年後の福井地震と
立て続けに被災された経験をお持ちで
今回私の境遇を深くご理解くださり
このようなありがたい手を
差し伸べてくださっているということです
二度の地獄から不死鳥のごとく
蘇った福井市の真ん中には
フェニックス通りという
メインストリートが南北に走っています
ここにも災害を乗り越えて復興を果たした
先輩の後ろ姿が …
負けてたまるかと
勇気が湧いてきます
能登を野球でひとつに
76日目
3月18日(月)
高校野球春の選抜大会が開幕します
石川県から2校選ばれています
星稜高校ともうひとつは
日本航空石川
輪島市にある日本航空石川の校舎は
今回の地震で甚大な被害を被り
現在は山梨県にある本校で
学習や部活動に励んでいます
大会6日目 23日(土)の第一試合
初戦を迎えます
石川県高野連が
能登地方の高校の野球部員を
甲子園に招待してくださいました
災害を乗り越えて闘う仲間たちを
能登地区の高校球児が心をひとつにして
応援するためです
この活動をを支援するため
能登地方の野球部保護者会長ら有志が
クラウドファンディングで
資金を募ってくださっています
https://www.makuake.com/project/ishikawa-baseball/
星稜高校は一回戦を突破すれば
二回戦
日本航空石川の次の試合に登場します
ぜひ2試合続けて
石川の球児を応援できたら
北信越の枠は元々2校で
準決勝で敗れた日本航空石川が
選ばれることはほぼないと
思われたのですが
星稜高校が
明治神宮大会で優勝し
北信越の枠がひとつ増えたおかげで
今回の出場が叶いました
そう考えると
星稜高校が
我々を元気づけるためにくださった
贈り物のような気がします
本校は昨秋の石川県大会で
日本航空石川に敗れて
ベスト4を逃しました
甲子園は
本校野球部にとっても目標の場所
今回の経験を通して
夏の大会では
能登地区の公立高校初の
甲子園出場を果たしてほしい
このような機会を与えてくださり
本当にありがとございます
自分で創ろう自分の住む街
75日目
「輪島に残るみんな
一緒に新しい街創ろう
一旦輪島を出て行くみんな
いつの日か必ず
戻ってこい
みんな驚くような
街を創って待っている」
卒業式で3年生に約束しました
大法螺ふきにならないよう
1、2年生を集めてお願いをしました
輪島高校では
輪島の魅力を再発見し高めることを目指し
「WAJI 活」という
探究活動を展開してきました
これまでも
新しい交通システムの提案や
業者とタイアップしての商品開発
さまざまな活動を行なってきました
焼き尽くされた街を目の前にして
新しい街づくりに
高校生の力を発揮できる
逆にチャンスであると
考えるようになってきました
新しい街ができるまで
自分がこの世にいる保証はありません
であるなら
高校生たちが
自分たちが将来住む街を
自分たちで創りあげる
こんな夢のある取り組みを
体験させることが
今の自分にできること
そう考えるようになってきました
今日はそのキックオフです
輪島市高校魅力化プロジェクトさんと
「じっくらーと」さんに企画していただき
「未来に向けての輪島を創造しよう
輪高生による街づくりプロジェクト」
をスタートアップさせました
グループごとに
どんな街にしたいか
どんな街なら戻って来ようと思うか
どんな街なら行ってみたいと思うか
話し合い 提案し合いました
放課後にはオンラインで
OECD Future of Edication and Skills 2030
に参加しました
30を超える国からの参加者で
「2030年に望まれる社会のビジョン」
「それを実現する生徒像と資質能力」
を創造するプロジェクトです
今日はウクライナやトルコ
日本からは大阪 大分 そして能登から
高校生が参加して活発な議論を交わしました
本校からは久保穂乃佳さんが参加しました
取材に来てくださった方のおなまえが
「こころ」さんだったので
それで思い出したいい話をひとつ
桑田佳祐さんは
「コロ」という犬を飼っていました
ある日コロが子供を産みました
「コロ」の子なので
「ココロ」と名づけました
さらにそのあと「ココロ」が子供を産みました
「コロ」から見たら孫なのでその名は?
いい話でしょ
どうして今日はホワイトデー?
74日目
3月14日
Why today is Whiteday?
(1)気づく
どうしてバレンタインデーは
女性から男性へチョコを贈るんだろう?
(2)考える
男性から女性へ贈ってもいいんじゃ?
→ホワイトデーが作られる
(3)比べる
バレンタインデーが先なのは不公平では?
→隔年交代にしては?
→1月にも何か作れば?
そもそも男女の区別いる?
→友チョコが生まれる
こうやってビジネスチャンスが
どんどん広がっていきます
きづく→かんがえる→くらべる
頭文字をとって「きかく」
新しいものを企画するときには
この流れを意識するといいよ
これはおちまさとさんのコラムからの引用ですが
毎年探究学習のスタートアップの時に
生徒に話しています
新しい街づくりに活かそう!
今日は石川県立高校の合格発表がありました
本校でも正午に掲示がありました
こんな状況でも
輪島高校で学ぼうって
選んできてくれたみんな
ありがとう
つらくさみしい集団避難所で
一生懸命勉強してきた人もいます
君たちの期待に応えれるように
精一杯のことをしますね
先日、京都府久御山町立東角小学校
のみなさんからご支援をいただきました
子どもたちが作ってくれた
メッセージボード
本校の校舎に通ってくる
輪島市6校の小学校のみんなから
よく見えるところに張りました
みんな元気が出ます
本当にありがとう
先日紹介した
熊本県立御船高等学校のみなさんから
ビデオレターも届きました
被災から立ち直られて立派になっている様子
頼もしいですね
励みになります
体育館では部活動再開の準備をすすめています
拭いても拭いても埃で真っ白です
床がハーフパイプのように窪んだ
第一体育館に比べ
第二体育館は比較的傾きが少なかったため
新年度からなんとか体育でも使えそうです
今日は男子バレー部の生徒が
活動しています
学校は石垣型組織
73日目
卒業式に
サプライズでお越しくださった
Smile Up さんからお便りが届きました
以下に掲載します
「2024年3月1日(金)
昨年、創立100周年を迎えられた
石川県立輪島高等学校の卒業式に伺いました。
ある生徒の方は
「誰もが遭わない不幸に遭ったけど
代わりに誰でもが会えない幸せにも会えた」
と話してくださりました。
皆様に幸せを感じていただくことは
わたしたちの活動の目的であり
喜びでございます。
すてきなお言葉を頂戴し
感謝申し上げます。
SMILE-UP.グループ」
卒業式の日に
都合により出席できなかったふたりに
校長室で小さな卒業式です
熊本県立御船高校の生徒会の皆さんが
集めてくださった募金を送ってくださいました
添えられている手紙には
心に沁みる流れるような美しい文字で
「熊本地震から八年が経つ今
熊本は皆様のお力添えにより
確実に復興し
私達も元気に
学校に通うことができています」
文脈からすると
生徒さんが書かれたものでしょうか?
こんな素晴らしい書をしたためられるなんて
驚きです
ありがたく大切に使わせていただきます
熊本城は石垣の立派なお城です
私はいつも教員の仕事を
石垣に例えています
一般の会社はブロック塀のように
隙間なくびっちりと
役割が決められています
経理なら経理
人事なら人事
ところが学校の仕事は石垣のように
隙間がたくさんあるのです
隙間とは
誰の仕事かわからない
役割分担のできない仕事
これが多すぎるんです
この隙間仕事をどうするか?
気づいた教員でフォローしあうのです
教員という仕事は
隙間に気づかない教員にとっては
実はとっても楽な仕事だったりします
みんながみんな
自分の役割だけこなして
隙間仕事に気づかずにいると
こうなります
一部の教員の献身的な支えにより
なんとか倒れはしません
でもこれでいいのか?
しわ寄せは
歩いてこない
一気に襲って
くるんだネ
こうならないために
普段から
コミニュケーションを
しっかり取って
全員で隙間を埋めに
いかないと
東日本大震災13年に思う
72日目
11日付の朝日新聞「天声人語」です
「女川町を見下ろす丘の上で、
これを書いています。
いかがお過ごしですか?
あの日と同じように、
さっきまで小雪が風に舞っていました。
あなたたちを忘れぬようにという
空からのメッセージでしょう。」
昨日3月11日は忘れてはならない日
学校でも14時46分に黙祷を捧げました
あの時亡くなった方が
命と引き換えに残してくださった
教訓のおかげで
あの時生き残った方が
差し伸べてくださる
温かい手のおかげで
今私たちはこうして生きています
今回最も大きな被害のあった場所のひとつ
珠洲市の高屋という地区に
かつて原発を建設する計画がありました
私が教員になりたての頃
40年ほど昔の話です
賛成派と反対派が
珠洲市を二分して争いました
立場が異なれば
親子や兄弟であっても
口すらきかないという
殺伐とした空気が
街中を覆っていました
選挙が近くなると
ほとんど車の通らない山奥の道沿いに
真夜中に点々と車が停まっているのです
夜中にこっそり往来する車を見張って
寝返るものがいないか
お互いに見張っているのです
不気味な光景でした
教員になりたての頃は
「珠州の子はなんて物言わぬ子だろう」
と正直感じていたのですが
おそらく大人たちのそういった雰囲気を
感じ取っていたのだと思います
珠州に限らず
石川県の人は総じて自己表現が苦手
よく言われます
百万石の領地を抱える前田の殿様は
徳川家に目をつけられぬよう
鼻毛を伸ばすなど
わざと馬鹿なフリをして
領民をお守りになったとも言われます
目立つことが嫌いで控えめな
石川県民の気質はそういったところから
脈々と引き継がれてきたものかもしれません
今回も
支援に来てくださっている
大阪府の方に言われました
「よう黙ってんな
大阪やったら
みんな暴れてるで」
言うべきことを言う
ということをやっていかなければ
今回の被災を次に活かすことはできません
結局
珠洲の原発は反対派が勝利しました
もしあの時原発が建っていたら・・・
考えるだけで恐ろしくなります
物言わぬ当時の珠州の人々が
心の声をあげて
今の我々を
放射能から守ってくださいました
「天声人語」は続けます
「なぜでしょう。
あなたたちの命の代わりに学んだはずのことが
なぜこんなふうになってしまうのでしょう。
女川原発は秋にも再稼働するそうです。」
どんなときも学びを止めるな
71日目
どんなときでも学びを止めるな
発災以来一貫して言い続けています
学校としてさまざまな学びの場面を整えています
(1)科学旅行 Astro Science COsmo Tour(ASCOT)
3月19日(火)~21日(水)
JAXA 国立科学博物館 日本科学未来館
などを訪れ最先端の科学を学びます
希望者9人が参加する予定です
地震のメカニズムや
地球のダイナミクスなども学べます
(2)日本OECD協働研究ワークショップ
3月15日(金)ハイブリッド形式で行います
今だ戦禍にさらされているウクライナ
昨年大地震に見舞われたトルコ
そして輪島から高校生が参加します
通訳もつくので日本語でOK
こちらは参加者募集中です
(3)全国高校生マイプロジェクト
「わたし」からはじめる未来
日本最大級の「学びの祭典」
東京で開催される全国サミットを
見学し次年度の探究活動へ繋げましょう
3月22日(金)~24日(日)
交通費宿泊費無料です
こちらも参加者募集中です
(4)食で復活へ向けて歩きだそう
日本司厨士協会北陸地方本部理事で
VICTORIA GROVEの料理長を務める
宮野裕次郎さんが学校を訪れ
生徒全員にフレンチコースを
ごちそうする約束をしてくださいました
こちらは4月22日(月)に実施します
そのほか、まだ詳細は言えませんが
ワクワクする企画次々としかけますね
お楽しみに
学ぶ環境を整えることも
少しずつですが着実に進んでいます
(5)OECD教育スキル局訪問
アンドレア・シュライヒャー局長
田熊 美保シニア政策アナリストをはじめ
多くの方がお見えになりました
高校生が自ら住む街をデザインする
今後取り組む企画について理解を求め
未来を向いて歩き出す高校生への
絶大なる支援をお願いしました
お土産にフランスの塗り絵をいただきました
被災された方への心の慰めにということです
(6)県教委保健体育課の方が視察に入られました
床が陥没した体育館
逆に隆起したトレーニング場
液状化したグラウンドなど
全く体育ができない現状を見ていただき
新たな体育施設の建設が急務であることを
説明しました
現在、第2体育館の床は比較的傾いていません
蛍光灯が落ちかかっていますが
3月28日(木)に修繕が入る予定です
それ以降、部活動を再開します
階下にはまだ避難民の方が
いらっしゃいます
大きな声と足音が予測されますが
どうかご容赦願います
今日の「PLAY FOR JAPAN」
メキシコより
日本の皆さん、
私たちはいつでも一緒にいます。
戦後の復興を遂げたのと同じように、
この困難を乗り越え、
立ち上がっていけると信じています。
そして粘り強く戦い続けるということを、
いままた皆さんは、
世界に偉大なる手本を示してくれているのです。
日本の皆さん、頑張れ!
絶対に、前に進んでいける!
心からの愛と深い敬意を
週の始まりは土曜日から
70日目
世の中には
誰かがやらなくてはならないけど
誰もやりたくはないこと
でも誰かがやらなければ
誰もが困ること
そんな仕事があります
学校の生徒会の仕事も
そんな仕事です
「自分がやらないと…」
そう考えてくれる生徒の力で
成り立っています
小松高校の生徒会の呼びかけにより
南加賀地区の高校の生徒会のみなさんが
3月2日に小松駅で
能登地区の被災した高校のために
募金活動を行なってくださいました
今日はその贈呈式がありました
「多くの同世代の高校生が
みんなのことを想っているということを
知ってもらいたくて」
小松高校生徒会長の
橋紀仁さんがご挨拶をしてくださいました
贈呈式の進行も全て生徒だけで執り行い
きっと将来の日本を背負って立つ
未来の担い手になるんだろうな
とても頼もしく感じました
募金活動にご協力してくださったみなさん
ほんとうにありがとうございます
夜、燃え尽きた街に立つと
街灯も店もなく
ひたすら真っ暗闇で
本当に星が綺麗です
夜中なんにもすることない昔の人は
こうやって星空を見上げて
星座を考えたりしたんだろうな
時を超えたような錯覚に陥ります
星座の中を5つの星だけが
他の星を追い越したり
途中で引き返したり
不思議な動きをしているのも
はっきりとわかります
惑う星「惑星」です
古代のひとびとは
この5つの惑星に月と太陽を加えた7つの星が
時間を支配していると考えました
七つの星を地球から遠い順(当時の知識)に並べて
土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月
この順に1時間ずつ時間を割り当てました
0時から1時までは「土星の時間」
次の1時から2時までは「木星の時間」
という具合です
そうすると
その日の最後の時間
つまり23時から24時は「火星の時間」となり
次の日は「太陽の時間」から始まります
同じようにたどっていくと
その次の日の始まりは「月の時間」
そして「火星」「水星」『木星」「金星」
と続きます
これが
土日月火水木金と並ぶ1週間の始まりです
週に1日または2日休みのあるこの制度は
なんてよくできた制度なんだろう思います
7日に1日くらい
ゆったりする時間がないと
いい考えなんて浮かびません
被災生活を送っている中
週に一度だけ風呂に入っている瞬間に
そんなこと考えています
明日からまたがんばろう
今日の「PRAY FOR JAPAN」
週末、小2の娘が
どこで覚えてきたのか
「上を向いて歩こう」を
熱唱しながら歩いていた。
「どうした?」と尋ねたら、
「地震で大変な人に
聞こえるように」との事。
届きましたか?
豊かな日本語の使い手に
69日目
春はあけぼの
昨日までの寒さとはうって代わり
今朝は青空が
これからあたたかくなりそうな予感
三寒四温という言葉があります
三日寒い日が続いた後に
四日暖かい日が続くという
この時期の季節の移り変わりを
表す言葉です
こうやって
一歩一歩春が近づいてきます
クイズ第1問
四字熟語を完成させてください
一( )二( )
二( )三( )
三( 寒 )四( 温 )
四( )五( )
五( )六( )
六( )七( )
七( )八( )
八( )九( )
九( )一( )
私は昔から国語が大の苦手で
特に
「筆者の言いたいことを選べ」
という問いに対しては
「十中八九」はずしていました
あるとき
大学入試共通テスト
(当時は共通一次と呼んでいた)
の問題文として採用された
文学者の話を聞く機会が得られました
その方はこう言いました
「私がこの文章で言いたかったことは
正解以外が全て正解だった」
後日このことについて
本校で校長先生を務められたこともある
国語科の表純一先生に
議論をふっかけたことがあります
「人の気持ちなんて
その人にしかわからない
そんなことを問うて
正解不正解を決めつける
国語という教科は
ナンセンスだ」
表先生はこう答えてくださいました
「国語という教科はね
実は作者が言いたいことを
考えさせる教科ではなくて
その文章を読んだ
大多数の人がどう捉えるかを
考えさせる教科なんだ」
目から鱗が落ちた瞬間でした
「そうか
自分は世間大多数から
ずれていたんだ」
以来この言葉は
自分の心の中にずっと響いており
このブログを書くときも
読んで傷つく人はいないか
何度も何度も読み返しては
書いています
このことを
国語でしっかり学んでこなかった人が
失言で世間を騒がせる政治家や
SNSで炎上する人になるのでは
↑ これも失言かな?
クイズ第2問
SNSとかけまして
江戸の街とときます
その心は?
答えは最後に
この年になってようやく
国語の楽しさに目覚めています
昨日の読売新聞に
「おしごと小町短歌大賞」の
受賞作の発表がありました
クスリとしたり
ホロリとしたり
どれも素晴らしい作品でした
「なんてことぼくのメダカを
じゃこごはんみて涙する息子4歳」
岐阜県 佐藤さん
「豊かな日本語の使い手をめざしましょう」
本校の松本昭子先生がおっしゃっています
クイズの答えは
第1問
一石二鳥
二人三脚
四捨五入
五臓六腑
七転八起 七転八倒
八索九丘
九死一生
六七の四字熟語
どなたか知りませんか?
第2問
火事とケンカが華です
金沢大学、大阪大学
合格のしらせが
入りました
未来を創れ!輪高生
68日目
3月1日に行われた卒業式の
校長式辞の中で
こう言いました
「輪島に残るみんな
一緒に新しい街つくろう
一旦輪島をはなれるみんな
驚くような街を作って待っている」
高校には
「総合的な探究の時間」
という授業があります
実社会や実生活と自分との関わりの中から
自ら問いを見つけ出し
他の人との協働をとおして
新たな価値を創造し
よりよい社会の実現を目指す教科です
輪島高校のテーマは「WAJI活」
自分たちの住むWAJIMAの魅力を再発見し
未来を創造するための活動を
これまで行ってきました
新しい交通システムの提案や
スイーツフェスなどの企画実践
地元の企業とコラボしての商品開発
さまざまな工夫を凝らした取組を
これまで行ってきました
なんのためにやってきたのか
今このときのためである
そんな気がしてなりません
焼け野原から新しい街を創り出す
その大切なミッションを
これからここに住む世代の意見を抜きにしては
語ってはいけないと思うのです
自分たちの住む街を
自分たちの力で創り上げていってほしい
希望に溢れる未来の街を
「WAJI活」実践編のキックオフです
生徒のみんな
新しい街のコンセプト
それぞれ考えておいてください
自分がワクワクするようなプランをぜひ
いろんな街を調べてみるといいね
あらゆるところにヒントがあるよ
たとえばディズニーランドにある
7つのテーマランド
西から東へ向けて過去から未来が
北から南にかけて夢から現実が
それぞれ配置されてるんだそうですね
ATMは南にあるのだとか
ファンタジーランドやトゥモローランド
輪島だとどんなテーマランドが考えられますか
次に挙げる都市の共通項は何かわかりますか?
オランダのアムステルダム
https://worldheritage-mania.com/heritage-canal-amsterdam/
デンマークのコペンハーゲン
https://www.styleofnorth.com/archives/8430
アメリカのポートランド
https://hotels.his-j.com/ct/tripiteasy/post-3020/
フランスのストラスブール
https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/1005462/
オーストラリアのメルボルン
https://www.tripadvisor.jp/
これらはコンパクトシティといって
街の大切な機能が小さくまとまっている
住みやすい街です
住民が積極的に街作りに関わった結果
みんなが住みやすい街に仕上がっています
いろんなところに
アイデアの種がころがっているよ
高校入試最終日
67日目
高校入試の全ての日程が終了しました
今日も夕方に
中ぐらいの余震がありましたが
試験中でなくてホッとしてます
悲しいお知らせとうれしいお知らせがあります
悲しいお知らせから
神戸大学の名誉教授で
阪神淡路大震災からの復興への提言を続け
東日本大震災の復興構想会議の議長を務められた
政治学者の五百旗頭真(いおきべまこと)さんが
亡くなりました
能登半島地震の復興計画にも
お力を貸していただけるのでは
と期待していたのですが…
ご冥福をお祈りいたします
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6493921
先生の残されたご提言を
次世代に繋いでいくのが
我々の役目であると思います
https://mainichi.jp/articles/20240301/k00/00m/040/350000c
決して自衛隊の初動が遅いなどと
責めるつもりは毛頭ありません
むしろ苛酷な現場で
命がけで闘ってくださっている姿を
目の前で見ているだけに
感謝の気持ちでいっぱいです
日本の自衛隊は
世界に誇るべき
唯一無二の組織であると思います
しかしながら
今回得られた教訓は
必ず次に活かさなければ
なりません
千葉県の方でも地震が続いています
最低でも自力で最初の3日間を生き延びる
準備はしておいてください
必ず起こるものとして
最善の準備をしておいてください
初詣のおみくじで
「大凶」あと数時間で今住んでいる街が消えてなくなる!
と書かれていたとしたら
誰がそんなこと信じますか?
でも本当に起こったのです
次にうれしいお知らせ
国公立大学前期日程の合格発表が始まりました
ぞくぞく合格の知らせが入ってきています
おそらくダメだろうなと思っていた生徒も
逆転合格を勝ち取っています
本人が「震災枠かな?」とうそぶくくらい・・・
そんなことないよ
一生懸命頑張った結果だよ
それもこれも
金沢での学習環境を提供してくださった
公立高校の関係者
およびハイアットセントリックのみなさま
2次避難先として落ち着いた生活環境を
保証してくださった金沢彩の庭ホテルのみなさま
最後まで学校を信じてくださった
保護者のみなさまのおかげです
もちろん3年生の担任
進路指導担当の教員も
自身も被災している中
最後まで粘り強く指導しました
このあとも合格発表は数日間続きます
今日の「PRAY FOR JAPAN」
病院のレストランで働いている
母から聞いた話。
節電かな?
暗いレストランで食事中の老夫婦。
ただでさえよく目が見えない老婦人
『じーさんの顔が見えないから
昔のじーさんの顔を思い出しながら
食べることにしましょ』だって。
なんかいいよね~。
高校入試1日目
66日目
高校入試の1日目です
8:30頃余震が観測されました
受験生は落ち着いています
予定通り実施します
検査中の余震も考えられます
何かありましたら
このブログで速報します
隣の文化会館で復旧工事の音がします
英語の「聞くことの検査」の時間帯のみ
工事を中断してもらうことにしました
本当は検査時間中
ずっと止めてもらいたいのですが
復興の歩みを止めるわけにもいきません
つらい環境の中
耐え抜いて勉強してきている子たちだから
少しの騒音があっても
集中して力を発揮できる
そう信じています
高校に入学しても
できない言い訳を他に探すことのない
たくましい生徒を育てたいと考えています
今朝の朝日新聞で
鳥屋小学校の中谷萌瑛先生の記事を
拝見しました
能登の子は13年前の私だ
先生は
小学校4年生の時
福島県で被災し
おかあさまの実家の石川県に
引っ越してきたそうです
クラスのみんなとのお別れの時
日が暮れるまで外を走り回り
「もう一生会えないのかもしれない」
とめどなく涙が
今、その時と同じ
4年生を受け持っておられます
輪島からの転校生もいるそうです
気持ちをわかってくれる
先生に出会えてよかったね
つらいときに
頑張る姿を見せるだけじゃなく
一緒に「しんどいね」って言える
大人でいよう
だそうです
こんな素敵な記事を書かれる
朝日新聞の記者の
力丸祥子さんにも
ありがとうございます
真実を伝えることが報道の使命
それは理解できるつもりですが
真実が不安を煽るだけ
そんな記事を目にすることもあります
例えば
ウミガメのお母さんは卵を産むとき
涙を流します
それは涙ではなく浸透圧の関係で
体液が滲み出ているだけだよと
真実を伝えることに
どれだけの意味があるのか
「どうして泣いているのかな?
生まれてくる子たちに
しあわせになってねって
祈って泣いているのかな?」
嘘でもいいから
そう伝えるほうが
はるかに意味のあることだと
自分は思うのですが
教育と報道は違うって言われると
それまでですけど
ふたりの素敵な女性から
65日目
先日、山椒魚のピアノを運び出す際に
情報を拡散してくださった
カウンセラーカレッジ石川の森辰美さんより
生徒のみなさんにメッセージがあります
「困ったらまず人に相談する
という経験が大事
相談すること
助けを求めることは
恥ずかしいことでも
みっともないことでも
何でもない
この経験が
青年になって
もしもしんどくなった時でも
誰かに相談することができる
礎になるの
たった一人で抱えて
崖っぷちにいる大人が
本当に多いんだわ」
このことは
自分も身をもって経験しています
捜し物をするときは
「あれ、どこいった~?」
って大騒ぎしながら探すんです
そうするとたいがい誰かがどこかで目にしていて
「あそこにあったよ」
ってあっけなく見つかります
日本では
「人様に迷惑をかけないように」
って育てられるけど
ある国では
「あなたも人に迷惑をかけるんだから
あなたも人からの迷惑を許しなさい」
って育てられるんだそうです
「こどものすること怒るでない
かつておまえが通った道
年寄りのすること笑うでない
いつかおまえが通る道」
って言葉もありますしね
先日ラジオに出演させていただいた際に
インタビューをしてくださった
MROの原田 幸子アナからも
力強いメッセージが届きましたので
ご紹介します
「みなさんの目の前に
立ちはだかっているのは
壁ではなく
きっと扉で
その扉には鍵がかかっていたり
とても重かったりするかもしれないけど
きっと開く
開けることができる
自信を持って扉を開けて
前に進んで欲しいです」
そのうちなんとかなるだろう
64日目
今日もいろんな方からの支援が
山田長満奨学金より
本校から4名の生徒が採択されました
この奨学会は
世界の平和及び経済成長
並びに人々の幸福に
寄与することを目的に
日本や国際社会に貢献する人材を
育成する会です
今回の被災を受け
急きょ10名の増員をしてくださり
奥能登5高校の生徒に
支援していただけることに
なったものです
お世話をしてくださった
サンテック株式会社の
岩和志会長様にも
厚く御礼申し上げます
山椒魚のピアノの脱出にも
本日成功しました
運び出してくださったのは
大浦運輸株式会社
石川ピアノ配送センターのみなさん
絶対無理だと思っていたのですが
さすが専門家です
傷ひとつつけずに
あっという間に運び出してくださいました
設置したのは
輪島高校の吹き抜け階段
誰でも弾ける屋内ストリートピアノとして
第二の人生のスタートです
大浦運輸さんを紹介してくださったのは
白山市の楽器店ポンポロプーの島崎克宏店長
石川のマイスターにも選ばれている
名ギタリスト
ポンは太鼓
ポロはギター
プーはラッパ
なんでも揃う楽器の総合店です
山中温泉の近くのお寺に
こんなお触れ書きが
「大変」とは大きく変わるチャンスのこと
輪島高校卒業式校長の言葉
として紹介してくださっています
ただこの言葉は
36日目のブログでご紹介したように
インターネットで見つけた
島本麻衣子さんの言葉であって
私のオリジナルではありません
そもそもこのブログ自身に登場する名言は
ほとんどどなたかの言葉のつなぎあわせであって
オリジナルは1割程度しかありません
島本さんの言葉を私が始業式挨拶で使い
それを聞いた生徒が卒業式答辞で使い
それを報道したものをご住職が書いてくださり
素晴らしい言葉というのは
このようにして伝わって行くものなのですね
お寺に書かれている言葉というのは
ほんとうに奥深いです
私がある日見かけてずっと心に残っているのは
「いのち◯わたし◯生きている」です
◯には助詞が入ります
どんな助詞が入っていたか忘れましたが
入る助詞によって
幾通りにも解釈できる言葉だなと…
「いのちでわたしは生きている」
「いのちのわたしが生きている」
「いのちもわたしも生きている」
「いのちがわたしを生きている」
名言と言えば
私のお気に入りの一休さんの逸話です
亡くなる前に弟子達に
「どうにもならないほど困った時があったら
この遺言を開きなさい」
その後実際どうにもならないほど困った弟子達が
遺言を開けると
「大丈夫 心配するな なんとかなる!」
植木等さんの名曲
「金のない奴ァ俺んとこへ来い!
俺もないけど心配するな」
と同じくらい大好きです
「見ろよ青い空白い雲
そのうちなんとかなるだろう」
でも勘違いしてはいけないのは
何にもしなくて
なんとかなっている訳じゃなくて
なんとかしようと思って
一生懸命頑張っている人がいるからなんですよね
だから大事なのは
なんとかなるだろうと
楽観的に構えながら
今できることを
精一杯やることだと思うのです
「誰かがなんとかするだろう」では
いけません
「すみれ」の花言葉
63日目
輪島高校のすぐそばに
そのピアノ教室はありました
「すみれグループ」かわいい名前の教室の
先生のなまえは高出紘子先生
今はもう通う子はいませんが
自分の3人娘もそこで習っていました
今 かつての教え子さんが
いろいろな場所でご活躍されています
今回の地震の知らせを受けて
イタリアで音楽活動をされている
羽根由紀美さんが
急きょ帰国し先生のお世話をなさっています
輪島高校の避難所の方へも
シャワーをしに来られていました
今回卒業式の場所探しの件で紘子先生にご相談したら
大海文さんが音楽堂の手配をしてくださいました
文さんはオーケストラアンサンブル金沢(OEK)で
現在お仕事をされており
「とっても信頼できる人」と
紘子先生一押しのお弟子さんのひとりです
卒業式は
OEKで歌を歌っていらっしゃる
仲谷響子さんの「君が代」で始まり
パイプオルガンの演奏に合わせた
「聖母への祈り」の独唱で
多くのみなさんが魅了されました
「聖母への祈り」は
輪島の一本松公園の丘の上に立つ
「海の星幼稚園」のイタリア人神父さまが
作詞作曲なさった曲です
すみれの花言葉は「誠実」「小さな幸せ」
とっても誠実な「すみれグループ」の
みなさんのお力で
小さな幸せをかみしめるような
素敵な式になりました
ほんとうにありがとうございました
みなさんのおかげです
62日目
昨日 無事卒業式を行うことができました
ほんとうにいろんな方々にお世話になりました
石川県立音楽堂の山本美智子さん
「思い出に残る卒業式にしたい」と
会場の設営や式の進行に
いろいろと素敵なご提案をくださり
プロデュースをしてくださいました
舞台 音響は金沢舞台さん
当日 直前の変更にも
嫌な顔ひとつなさらず
思うがままのリクエストに
応えてくださいした
会場をお花で彩ってくださったのは
フラワースクールミュゲ代表の水上詩子さん
多くの農家が被災されている中
石川県の花エアリーフローラを集めてくださいました
卒業生一人ひとりにコサージュも
みなさんをお迎えするBGMは
パイプオルガンの荘厳な調べ
演奏してくださったのは
オルガン奏者の黒瀬 恵さん
圧倒される演奏に胸が高鳴ります
卒業証書は一人ひとりに手渡しました
バックに流れるは
リトアニアからの
ジドレ・オヴシュカイテさんの
ヴァイオリンソロ
輪島吹奏楽団のみなさんが
式歌「ふるさと」の演奏をしてくださいました
卒業生田中琉惟さんのお母さんが
メンバーに声をかけてくださり実現しました
卒業生退場のBGM「輪高讃歌」も奏でてくださいました
卒業式の後には
サプライズです
つつがなく式を終え
卒業生が退場したあと
もう一度式場に戻し
プレゼントです
プレゼンターとして登場したのは
スマイルアップのみなさん
東山紀之社長をはじめ
元V6の長野 博さん
SexyZoneを卒業する中島健人さん
関西ジュニア Lilかんさいの
大西風雅さんと嶋崎斗亜さん
見たいなと思いながらまた見れていない映画に
斗亜くん出演の
「あの花の咲く丘で、君とまた出会えたら。」
があります
今度絶対見に行こうと思っています
5人の登場に会場のボルテージは最高潮
生徒よりもお母さん方の目が
ハートになっていました
5人はまず立ち振る舞いから違います
立っているだけでオーラが違います
若いタレントの活躍する場を守るため
自ら矢面に立つ東山紀之社長の姿は
困難の中 立ちあがろうとしている我々にとって
心の励みです
ホンモノの持つ力は素晴らしいですね
同じ場所にいるだけで
笑顔になれる
たくさんの元気をありがとうございました
卒業おめでとう
61日目
卒業おめでとうございます
大切な人を亡くされた人もいます
家が壊れたり燃えたり
大切な思い出をなくした人も
たくさんいます
私も
洋服が全て瓦礫の下で
1月1日からずっと
同じ服で過ごしています
でもね
今日のこのモーニング
去年の入学式以来
ずっと校長室に
おきっぱにしておいたんですよ
なので今日はちゃんとした格好で
みんなの卒業を
お祝いすることができます
コロナの中
中学時代を過ごしてきた
みんなが入学してきて
コロナが収まって
さあこれからというとき
こんな話をしました
「みんなは決して
可愛そうな世代なんかじゃない
これまでの辛い日々は
これから生きていくための
きっと大きな力になるよ」
そして今回
もうみんなには
これ以上がんばれなんて
そんな簡単には言えない
でもね
前を向くしかないんです
今はこんなに悲しくて
涙も涸れ果てて
もう二度と笑顔には
なれそうもないけど
そんな時代もあったねと
いつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう
輪島に残るみんな
一緒に
新しい街作ろう
一旦輪島を離れるみんな
きっと
いつか
帰っておいで
みんなが驚く街
作って待っとるし
令和6年1月1日
そのちょうど2ヶ月後
みんなは
輪島高校を巣立っていきます
年齢を3で割ると
60日目
自分の年齢を3で割った数が
人生を一日に例えたとき
いったい何時頃を生きているのかを
表しているのだそうです
たとえば私は
来年度退職を迎えるので60歳
60を3で割ると20
つまり私は今、20時、午後8時を生きています
仕事を終えて家に帰って
のんびりしようかなと考えている時間なので
なるほどぴったり当てはまります
でもまさか帰宅直前に
こんな大きな残業を命じられるなんて・・・
とんでもないブラック企業ですね
この震災ってやつは
ご卒業されるみなさんはどうでしょう
18歳を3で割って 今午前6時
さわやかな朝の光を迎えている時間です
みなさんは午前5時頃に
一度目覚めを妨げられました
覚えていますか
コロナです
早起きして
がんばろうって思っているその時に
「学校に出てきてはいけません
学校行事も一切やりません。」
その後五類に移行して
日常の学校生活が戻ってきたときに
私は生徒のみなさんにこんな話をしました
「みんなのことを、
修学旅行も文化祭もできなかった
かわいそうな世代
という人がいます
でも私はそうは思いません
コロナのまっただ中に中高生時代を過ごし
さまざまな制限の中でも工夫を凝らし
努力を重ねることの大切さを
身をもって経験することのできた
貴重な世代です
乗り越えてきた
かつてないその試練は
これから生きていくための
きっと大きな力になるはずです。」と・・・
そして今回・・・
これ以上頑張れなんて軽々しく口にできない
同じ言葉を繰り返しても心には響かない
そんな無力感に苛まれています
無力な校長は
しっかり前を向いて歩もうとしている
みんなの姿に逆に元気づけられています
朝の5時から6時の間は
一日のうちで最も気温の低い時間帯です
これからお日様がでてきます
少しずつ少しずつ温かくなってきます
いつまでも布団の中で
スマホをいじっていたんじゃ
これから始まる一日がもったいない
思い切って飛び起きよう
そして今日一日何をしようか
これからの一生どう行きようか
楽しいことをいっぱい想像しよう
みんなの一日が
一生が
輝かしいものになりますように
今年は素数ゼミ大発生の年
59日目
59は素数です
素数とは
1と自分自身の他に約数を持たない数
つまり1と自分自身以外の数では
割りきれない数のことです
たとえば2、3,5、7、11・・・
こうやって数えていくと
59は小さい方から17番目の素数
この17も素数です
素数ゼミってご存じですか?
たとえば17年ゼミというのがいて
17年間土の下で暮らし
17年目に外にでて飛び回り
子作りをして一生を終えます
17年に一度大発生をします
前回アメリカ東海岸北部で
2007年に大発生をしました
13年ゼミというのもいて
こちらは前回アメリカ東海岸南部で
2011年に大発生をしました
ということは2024年つまり今年
アメリカ東海岸の北部と南部が交わるあたりには
その両方が同時に大発生して
とんでもないことになると予測されています
17と13は互いに素
つまり1以外に共通の約数を持たないので
最小公倍数は17×13=221
前回の同時大発生が起こったのは221年前
つまり1803年のことです
このときの記録によると
ゼミの抜け殻で地面が覆い尽くされたそうです
地震もこれぐらい
正確に予知できるようになるといいですね
ちなみに歯車を組み立てるときは
必ず歯の数が互いに素になるもの同士を
かみ合わせるのだそうです
そうでないと公約数の歯の部分に負担がかかり
欠けやすくなるのだとか
「俺は社会の歯車になんかなりたくない!
素数なんか勉強して何の役に立つんだ!」
と息巻いているきみ
素数すら知らないきみは
社会の歯車にすらなれないよ
なんて昔よく言ったなあ
そんな全然言うこと聞かなかった教え子が今
被災地の中で一生懸命走り回っている姿を見ていると
なんだかうれしかったりします
今日は小学校に
マジシャンルパンさんが来てくださって
マジックショーをしてくださいました
こどもたち大喜びでした
ありがとうございます
自分も見たかったのですが
今日は
鼻からスイカがでるくらい
忙しかったので
残念ながら写真はなしです
今日の「PRAY FOR JAPAN」
誰かに頑張って欲しいと願うなら、
100回『頑張れ』と言うよりも、
自分が1回頑張った方が伝わる。
自分たちが、頑張ろう。
2月27日 絆の日
58日目
2月27日は「絆の日」だそうです
2月14日の「バレンタインデー」と
3月14日の「ホワイトデー」の中間であることと
2人のきづ(2)な(7)
【2人の絆】とかけて
恋人同士の絆を深める日として
結婚カウンセラーさんが設定したようです
「冬の恋人の日」ともよばれるのだとか
被災以来、人と人との絆を感じています
先日 山椒魚のピアノを助けてと呼びかけたら
ピアノは運べんけど壁ぶち抜くのはまかしとけという名人と
壁ぶち抜く名人を紹介するよっていってくれた保護者
ピアノを運ぶプロ紹介したげるよっていってくれた楽器屋さんに
楽器屋さんに相談しとくよっていってくれた宴会部長に
宴会部長に助けてあげてっていってくれたカウンセラー
いろんな人に助けられて
山椒魚脱出できそうです
今日はお昼の2時頃に大きな余震が2度
そのとき小学校3年生の授業を
廊下から眺めていました
揺れたとたん
先生の指示よりも早く
全員が机の下へさっと身を隠しました
その間 おそらく
1秒かかってなかったと思います
同じく廊下にいた小学校の先生といっしょに
思わず拍手をしてしまいました
そのくらい見事な避難行動でした
ただ小学校の先生は
こんなことが上手になるなんて
かわいそう・・・
と複雑な面持ちでした
卒業式が近づいてまいりました
金沢市の音楽堂で行います
輪島から送迎バスを運行します
予約した3年生とその保護者のみご利用できます
自家用車でお越しの方は
駐車料金をご負担願います
1,2年生へは動画配信しますが
直接来たい人は入場できます
できる範囲でかまいませんので
制服等、式にふさわしい服装で来て下さい
式には報道各社も入ります
映りたくない卒業生は
あらかじめ学校までお知らせ下さい
式ではひとりひとりに卒業証書を手渡します
当初の予定終了時刻よりも遅くなります
あらかじめご了承ください
輪島行き復路バスの予定出発時刻は16:30となります
今日の「PRAY FOR JAPAN」
じいちゃんが電話で言っていた。
『お国のために電気を消すのも
燃料を節約するのも全く苦ではない。
今回は空から爆弾が降ってくるわけではない。』
日本で2番目に高い山知っとるか?
57日目
「日本で2番目に高い山知っとるか?
俺も知らん!」
これは 自分が昔 練習試合等でお世話になっていた
ある高校野球の監督さんの言葉です
滋賀県から何度か甲子園に導いた実績をお持ちなので
重みのある言葉です
「だから一番を取れ!」という意味です
一番でないとダメなんですか?
というご意見もおありかと思いますが
一番でないと得ることのできないものもある
一番を取ったこともない自分が言うのもなんですが
そう思います
富士山のように
自分だけの力で一番を取れるのは
限られた人でしょう
でも決して一番でなくても
一番に負けないくらい
みんなに認められる存在になることはできます
それが
群馬が誇る名山「赤城山」です
多くの方に知られる「赤城山」
しかし「赤城山」という山は実際には存在しないのだそうです
黒檜山、駒ヶ岳、地蔵岳、長七郎山、小地蔵岳、鍋割山、荒山、鈴ケ岳
などの山々の総称が「赤城山」です
それぞれに特徴を持った山々が集まって
全体で輝いているのです
現在、高校は
一年の中で最も忙しい時期です
大学入試に向けての進路指導
高校入試に向けての準備
学年末の試験と成績処理
そして新年度の準備
今年はそれに加えて
避難所運営や
小中学校への校舎提供
学校行事もこれまでのノウハウが全く使えず
全てをゼロから作り上げています
大学入試への指導を進路指導主事が
卒業式の計画を総務主任が
高校入試の準備を教務主任が
しかも今年は入試会場が輪島と金沢の2ヶ所
授業も対面とオンラインを並行させて
それぞれの専門性や能力を発揮しながら
先生方が全員で輝いています
特に頭が下がるのが
実家が金沢や加賀方面にある若い先生方です
実家にいれば何不自由なく
暮らせているはずなのに
水道が復旧しないのでお風呂に入ることもできず
アパートが傾いているので車中泊している先生も
買い物もかなり制限のある中 炊きだしの食事でしのぎ
それもこれもただ生徒のためだけに
必死に耐えて頑張ってくれています
その責任感とプロ意識
自分はひたすら見守ることしかできません
心の底から感謝です
富士山が堂々とそびえ立つように
強いリーダーシップでぐいぐい引っ張ることはできない校長ではありますが
献身的な先生方が
見事な「赤城山」をつくり出しているのです
今日の「PRAY FOR JAPAN」
母「ホッカイロ逃げたぁ」
妹「逃げてないよ♪」
母「あ、いたいた☆」
停電中、家族で一つのふとんに入り、
あったかい娘の足を探すかわいい母なのでした。
悲しい調べの「まれぞら」
56日目
今日は音楽の話から
ドミソの和音は明るく元気な調べです
起立礼着席 チャーンチャーンチャンの
最初の和音
Cメジャーコードといって
楽しい曲の伴奏や旋律に使われます
ドミソの和音の
ミの音を半音下げてミ(フラット)に
つまりドbミソにすると
Cマイナーコードといって
一転暗く悲しい響きに変わります
簡単にいうと
明るく元気な曲でも
曲中のある音を半音下げるだけで
暗く悲しい曲に変わるというわけです
少しずつではありますが
金沢と能登を繋ぐ大動脈
のと里山海道の復旧も
進んでいます
先週ぐらいに片道復旧した別所岳付近に
おとのみち「希空(まれぞら)」があります
土屋太鳳さんが
輪島高校の高校生という設定であった
NHKテレビ小説「まれ」の
主題歌「希空」のメロディーが
聞こえてくる道です
道に細かく溝が刻まれていて
その上をタイヤが通ると音がします
溝の幅が狭いと高い音
広いと低い音がして
一定の速度で走ると
音楽に聞こえるという仕組みです
車の速度によっても音程が変わり
早く走ると音程が上がります
今回の震災で
ところどころ減速をしなければならない箇所があり
明るく元気な曲であるはずの「希空」が
なんだかもの悲しくなって聞こえることに気づいた方
他にいます?
さて今日は国公立大学の2次試験の日です
1月以来厳しい環境の中
頑張ってきた3年生
どうか落ち着いて
力を発揮してきてください
今日の「PRAY FOR JAPAN」
娘三歳がぬいぐるみ達を
うんしょ、うんしょと、どこかに運んでいた
「じしんがくるから、みんなひなんしたの」と言う
しばらくして、さて寝るかとパパの掛け布団を開いたら
ぬいぐるみが全員寝ていた
思わず吹き出した
そしていつもパパと寝ている娘三歳が「ここが安全」と
思ってくれていて嬉しかった
山椒魚を助けてください
55日目
世間は3連休の真っ只中
被災地への配慮からか
石川県への観光客数が激減していると
報道されています
金沢界隈を歩いてみると
日本人観光客の姿はほとんどなく
インバウンドばかりが目立つと聞きます
東日本大震災で日本中が自粛ムードの時
東北の造り酒屋のご主人が
「日本中のみなさん
こんなときだからこそ
我々の作ったお酒をどうぞ呑んでください」
とおっしゃっていたのを思い出します
日本中のみなさん
一部を除いて石川県は元気です
遠慮なさらずに
どうか観光にお越しください
みなさんが来てくださることが
復興に繋がります
私はといえば
1月4日のブログで紹介した
「奇跡の一軒家」に入り込んで
家財の整理をしています
ほとんど使い物にならないものばかりですが
このまま取り壊される家と一緒に
処分されるのがかわいそうで
せめてきれいにしてあげて
と無駄な努力をしています
このブログを読んでくださる方に
お知恵を借りたいことがあります
グランドピアノを運びだす方法を
ご存知の方いらっしゃいませんか?
「奇跡の一軒家」は
火災地区の東の端にあるのですが
西の端に両親が住んでいた家が
これまたギリギリで燃え残っているのです
家は傾き
取り壊されるのを
待つばかりなのですが
運び出したいピアノはこの中にあります
娘たちが練習していたピアノです
ただピアノを入れてから
家の改修をしたため
部屋の出口がピアノより小さいという
井伏鱒二の「山椒魚」状態なのです
壁をぶちぬけばいけそうですが
そのはずみで家が倒壊しそうだし
このまま家と一緒に取り壊される
その前に運び込むことができれば
奇跡のピアノとして学校において
ストリートピアノにしたいなと
考えてはいるのですが
どなたかぜひお知恵を
瓦礫の中のランドセルとお洋服
54日目
卒業式のシーズンが近づいてきました
東日本大震災の6年後
横浜のある小学校の校長先生が
こんなご挨拶をなさいました
6年前、みなさんと同じように
小学校の入学式を心待ちにしていた子がいました
幸い家族は全員無事でしたが
津波で家は跡形もなく流されてしまいました
お母さんは瓦礫の中から
泥だらけのランドセルを見つけ出し
水で洗いました
もちろん水道が復旧していないときだったので
貴重な溜め水できれいにしました
でも完全にはきれいになりませんでした
そんな子のために新しいランドセルが寄付され
ピカピカのランドセルでその子も入学式に向かいました
話はここからです
実は入学式の翌日から
その子が背負い続けたのは
ピカピカのランドセルではなく
お母さんが必死で洗ってくれた
瓦礫の中のランドセルだったのです
「おかあさん 6年間ありがとう
おかあさんが洗ってくれたランドセルで
学校に通ったから頑張れました」
卒業式でそう言ったそうです
この子
今20代後半ぐらいですかね
今まで何人もの
東北地方からのボランティアの方に
お会いしたので
もしかしてその中にいらっしゃったかも
先日、奇跡の一軒家に忍びこんで
瓦礫の中の
桐のタンスの中から
娘たちが小学校の入学式や卒業式で着ていた服を
引っ張り出してきました
桐ってとてもよく水を吸う木材で
しかも水をかけると隙間なく膨張して
中の衣類をしっかりと守るのだそうです
だから中の衣類をきれいなまま
持ち出すことができました
大事なお洋服燃えてしまった方
いらっしゃいませんか
よろしければ差し上げます
輪島高校校長までお声かけください
今日の「PRAY FOR JAPAN」
2011年3月11日に生まれた子供の名前には
『希』『明』『愛』『心』という文字が
多く付けられているそうです
山中毅選手の栄光のプール
53日目
輪島高校の卒業生には
ふたりのオリンピック選手がいます
最近ではピョンチャンオリンピックに
スケルトン競技で出場した
小口(旧姓大向)貴子選手
古くは昭和31年メルボルンオリンピック
なんと現役3年生の山中毅選手が
銀メダルを獲得したのです
当時の山中選手が練習していたと言われるプールが
鴨が浦という海辺にあります
なんと岩をくり抜いて作ったプールです
中には天然の海水が…
波が荒れれば危険で使えなくなるプールです
岩と岩の間に縄を張ってコースを作り
ストップウォッチがないので
ヒモに石をくくりつけて
タイムを測っていたそうです
自分の物理の記憶が正しければ
40cmの振り子が8回ふれれば
たしかちょうど10秒になったはず
今日はそのプールを
震災後どうなったか訪ねてみました
途中の道は完全にがけ崩れで進めません
岩づたいに歩いて行くことにしました
とはいえ実はここはもともと海の底
今回の地震で海底が4mも隆起して
現れた部分です
幼い頃輪島で過ごしたみなさん
亀岩まで歩いて行けるようになりましたよ
たくさんの干からびた
ヒトデやイソギンチャク
かわいそうに
今回のは
何百年に一度の地震ではなく
何万年に一度の地殻変動なのでは?
地学基礎の問題にあった気がします
ようやく辿り着いた
伝説のプールがこちら
こちらも隆起の影響か
中には水が全くありませんでした
今日の「PRAY FOR JAPAN」
母にTwitterを見せた
「自分たちよりも若い人たちが
こんなにも支えあって日本を守ろうとしているなんて」って
感動して泣いてた
私たちがやっていることは間違いじゃない
意味のあることなんだ
手書きって想いが伝わりますね
52日目
兵庫県たつの市立御津小学校の皆さんから
かわいい寄せ書きをいただきました
小さい子の描くお母さんの前髪って
左上の子の絵みたいに
いつだってぺちゃんこなんですよね
昔なんでかなと思っていたんですけど
ある時ふと気づいたんです
小さい子はいつもお母さんを見上げていて
下から見ると
お母さんの頭って前髪しか見えなくて
ぺちゃんこに見えるんですよね
子供ってほんとうによく見ています
この絵は避難所に飾っておきますね
たくさんの人を元気にしてくれると思います
3月末になると先生方の異動が始まります
生活拠点がないため
輪島を後にしなければならない先生もいて…
かといって代わりに輪島に入る先生もなかなか…
そんな中
現在輪島高校に勤めているある先生から
手紙をいただきました
言葉で言うより想いが伝わる
不思議な力が手書きの手紙にはありますよね
嬉しい内容だったので
手打ちですが紹介します
「…前略…
今回わたしは子どもたちとしばらく
輪島を離れていますが
数年後この子たちが大きくなったとき
『輪島でよかった』と思ってもらえるよう
復興に力を注ぎたいと考えています
友人や知り合いが奥能登を離れていったり
色んな葛藤や不安も感じましたが
自分が輪島にできることを
少しでも返していきたいと思っています
どれだけ輪島高校の力になれるかわかりませんが
精一杯働きたいと思います
わたしは輪島が好きなんです
『輪島高校で働きたい!』
ということが伝われば…」
今日の「PRAY FOR JAPAN」
今、日本には電気が足りない
そればっかりはどうしようもない
それを補うのは、みんなの元気だ!
笑顔だ!にっこり笑って!
そしたら、こんな状況だって余裕だよ
おはようございます!
「PRAY FOR JAPAN」は
東日本大震災発生のわずか12分後から届き始めた
祈りのメッセージを集めたWebサイトを
書籍化したものです
震災当夜
停電中の一時避難所にいた
20歳の大学生によって
立ち上げられたものだそうです
毎日その中からひとつずつ紹介しています
卒業式ここで行います
51日目
3月1日の卒業式
今日は会場の下見と打ち合わせに行って来ました
学校の体育館は未だ自衛隊の駐屯基地
文化会館も資材置き場となっているということを聞き
今年の卒業式は金沢市の音楽堂で
執り行うこととしています
金沢駅東口を出て右側
玄関入って右手コンサートホールへ
エスカレーターで2階へ進みます
お弁当持参の場合は
ロビーでいただくこともできますが
金沢駅周辺には美味しい店がたくさん
発災以来ずっと避難食の方もいらっしゃるでしょう
たまには贅沢なさってください
そして会場がこちら
輪島からの送迎バスも出します
詳しくはこのあとご連絡します
例年通知簿に同封してお送りしていますが
郵便事情のこともあり
このホームページあるいは
一斉メールでお知らせします
今日はひとりぜひお会いしたい方がいて
金沢市内の避難所の方にも足を運びました
以前輪島高校の避難所にいて
その後次の避難先へと変わって行った方から
手紙が届いたので尋ねてみました
手紙の消印は2月8日
10日ほどしてようやく届いた手紙には
輪島高校が学校として運用されることを知り
真っ先に手を挙げて
学校を空けてくださろうとしたこと
その後避難所を変わってほしいとお願いされる度に
他の方が移るのは大変だからと
率先して手を上げてきたことが綴られていました
現在なんと5カ所目の避難先だそうです
その度
食事がもらえないなどの
様々な困難を抱えながら
病院に通うことのできない方への
お薬の世話をしてくださったり
言葉のわからない外国人被災者の
話し相手になってくださったり
していたようです
さぞかし大変だったろうなと思ったら
その度に素敵な出会いがあって
楽しんでいらっしゃるとのこと
素敵な考え方ですね
今日の「PRAY FOR JAPAN」
避難所で、4人家族なのに
「分け合って食べます」と
3つしかおにぎりをもらわない人を見た
凍えるほど寒いのに
毛布を譲り合う人を見た
生きるということ
50日目
これまでさまざまな偶然が積み重なって
今日まで生きています
1月1日
末娘が2日からバイトがあるからと
夕方実家をあとにして
金沢へ送っていくことにしました
あのとき家にとどまったままだったら・・・
発災後、即、裏山へ駆け上がりました
寒さと暗さで不安になる中
たまたま近くに避難所が開設されて
そこに潜り込むことができたけれど・・・
大津波警報が解除され
真夜中車で帰ろうとしたとき
末娘が必死に止めそれに従いましたが
無理に帰ろうとしたら
きっと崖に落ちるか何かに衝突して・・・
なにより震災が
授業中に起こっていたとしたら・・・
考えるだけで恐ろしくなります
「生きる」って不思議です
だからこそ「生」って言う字には
これまで生きてきた人が
いろんな思いを込めて
さまざまな読み方が生まれたのでしょう
「生花を生甲斐にした生え抜きの生娘
生絹を生業に生計立てた
生立は生半可でなかった
生憎、生前は生まれてこの方
生涯通して生粋の生だった」
15回登場する「生」の字は
全て読み方が異なります
今日もさまざまな方から
支援の手を差し伸べていただいています
ライオンズクラブを介して
香川県立多度津高校の
海洋食品科食品科学コースのみなさんから
学校で商品開発された
チーズケーキ缶詰を送っていただきました
以前から非常食としてのご飯の缶詰を備蓄されるなど
防災意識の高い取組をされています
チーズケーキはほっとします
本当にありがとうございました
以前,多額のご寄付をくださいました
横浜の有限会社カイトさんが
今度は直接お越しになり
避難者と、学校に通う子どもたちに
お菓子の詰め合わせと焼き芋のプレゼントです
焼き芋は800食ほど一瞬でなくなったそうです
みんな大喜びでした
支援物資もたくさんいただきました
今日の「PRAY FOR JAPAN」
亡くなった母が言っていた言葉を思い出す
「人は奪い合えば足りないが分け合うと余る」
しめやかに
四十九日
痛かったでしょう
重たかったでしょう
熱かったでしょう
凍えたでしょう
怖かったでしょう
どうか安らかに
心からご冥福をお祈りします
あなたの分まで
力を合わせて
生きていきます
おだやかな休日が来ました
48日目
吹き荒れた春一番も止み
おだやかな春を思わせる長閑な土曜日
内閣府副大臣の古賀篤様はじめ
文部科学省の方々が視察に来られました
避難所も含め
現在小中高で共用している施設を
視察していただきました
ひび割れて傾いた教室棟
液状化を起こして使い物にならないグラウンド
ドアが開かず窓を割って出入りしたボイラー室
中に入ると気分が悪くなるくらい傾いた体育館
あちこちに落とし穴の空いた駐車場
野球のマウンドのように迫り上がった武道場
4月に入ったら
できるところから教育活動が再開できるよう
最大限の支援をお願いしました
石川県教育長はじめ県の方々も同席し
現在の輪島市の教育環境について
また今後求められる支援について説明しました
今後の昼食の提供をどうするか
生活拠点のない中でどう教員を確保するか
避難所提供と学校再開をどう両立させていくか
課題は山積みですが
文科省、教委、学校、連絡を密に取り合って
一刻も早い学校活動の復興に向けて
協力していくことを確認しました
困り事がありましたら
随時上げていきますので
なんでもおっしゃってください
直接中央省庁にあげていくことが大切です
東日本大震災の際に得られた教訓として
何かで目にしました
「災害現場には
現地で指示のできる
優秀なリーダーを派遣する
そして全てを任せる
必要と判断したことは全てやれ
と指示する
それが法に触れるようなことであれば
法改正する
それが一国の首相の責任」
だそうです
頼もしい教訓です
今日の「PRAY FOR JAPAN」
ぜんぜん眠っていないであろう旦那に
「大丈夫?無理しないで」とメールしたら
「自衛隊なめんなよ
今無理しないでいつ無理するんだ?
言葉に気をつけろ」と返事が
臨界状態を迎えて
47日目
全ての物質は原子でできています
原子のひとつぶひとつぶを見ると
中心にある原子核のまわりを電子が廻っています
原子核はプラスの電気を持つ陽子と
電気をもたない中性子からできています
原子核が壊れる
つまり核分裂がおこると
中性子が飛び出して
となりの原子核にぶつかって
新たな核分裂をひきおこします
そうするとまた別の中性子も飛び出して
さらに・・・
そうやってどんどん新しい中性子が飛び出して
核分裂を起こし続ける状態を
「臨界状態」といって
原子力発電が大きなパワーを生み出す源となっています
ただ「臨界状態」が制御不能な状態になってしまうと
「臨界事故」につながり甚大な被害をもたらします
そうならないように「制御棒」を使って
「臨界状態」をコントロールしています
朝、一本の電話がかかってきます
その案件を解決するために別の部屋に向かうと
そこで声をかけられ新たな案件が…
最初の案件が解決しないまま
新たな案件を抱え別の部屋に向かうと
廊下で出逢った人からさらに新たな案件が・・・
まさに「臨界状態」です
誰か「制御棒」を・・・
今日、福井県の 山内 悟 先生より
福井県教育委員会が薦める
~あなたの扉を開ける72冊~
の書籍を贈っていただきました
このような時だからこそ
心にしみる一冊が必ずあると思います
生徒に紹介したいと思います
小松のおばちゃんさんからは
可愛いグッズの贈り物
「可愛いものを見たいしさわりたい」
と生徒がテレビで言っているのを見て
贈ってくださいました
どんなものが喜ばれるかなと
きっと選んでくださったんだろうな
と想像するだけで・・・
松任谷由実さんのダンデライオンが
頭の中には流れています
「 ♪ ふるさとの両親がよこす手紙のような
ぎこちないぬくもりほど泣きたくなる ♪ 」
事故の報告
46日目
先日、校舎内で危ない事故がありました
天井板がはずれ、コンクリート屑が落ちてきたのです
本校は
1・2年生の教室がある1号棟
3年生の教室がある3号棟
そしてそれを繋ぐ2号棟がコの字形に立っています
今回の地震で真ん中の2号棟が傾き
1号棟および3号棟とのつなぎ目が
はずれてしまっています
かなり傾いている様子がわかります
建物検査では
1号棟と3号棟は安全
2号棟は直ちに倒壊の危険はないものの注意
との調査結果をいただいています
それを受けて
それぞれ安全な1号棟で小学生
3号棟で中学生を受け入れ
授業を再開しています
今回の事故は
2号棟と3号棟のつなぎ目の1階でおこりました
この部分は大きくひび割れており
発災直後からコンクリート屑が落ちてきていたので
1階天井部分に下からベニア板で補修を施すと同時に
注意喚起を促していました
さらに、その上を通行すると屑が落ちるので
2階の連結部分は
踏まずにまたいで通るよう指示していました
今回外れたのは補修してあった部分の
横の天井板
おそらく余震で外れたものと思われます
その際ベニア板の上にたまっていた
コンクリート屑が
天井板がはずれてできた穴から
落ちてきたものです
この場所は中学生の動線上にあるのですが
けが人がなく本当によかったです
中学校保護者のみなさま
ご心配をおかけしました
ただちに動線の変更を行い
当分の間該当箇所を通行止めにすると同時に
業者に修繕を依頼しました
一見安全に見えても
実は危険な箇所は
おそらく他にもたくさんあると思われます
危険のないよう,、教育委員会とともに
施設の観察・点検を一層丁寧に行ってまいります
以上のことについて
先日ある新聞社による報道がありました
読者からの苦情等の電話が殺到し
学校運営に支障をきたすということがありました
さまざまなご意見がおありかと思いますが
緊急以外のご意見はどうかメールでお願いします
お返事は本ブログにてお答えします
ひとつひとつのご意見に対して
お返事できないこともあります
どうかご容赦願います
さまざまな方面からの
愛情のあるご意見であることは
充分理解しております
スムーズな復興に向けての歩みのため
ご理解とご協力をお願いします
中三生とその保護者のみなさまへ(輪高生もご覧ください)
大事な高校受検を控えた大切な時期に
このような状況になり
不安な毎日をお過ごしのことと思います
また、先の見通せぬ中
高校選びに関してもどうしていいか
わからない状況なのではとお察しいたします
その一助になればとの思いで
高校選びのポイントに関するチャートを作りました
これは本校独自に、現時点で考えられる選択肢をまとめたもので
県教委から正式に発表されたものではないことをお含みいただいた上で
あくまでも参考ということでご覧いただければと思います
15日より願書受付が始まりますが
この後、志願変更の期間も設けてあります
今一度進路について再考し
適切な進路選択をされますようお願いいたします
本校在校生について
一家転住等による今後の転学を考える際の参考にもなるかと思います
思いやりの心で学習を
45日目
金沢近辺に2時避難している
1、2年生向けの学習施設である
文教会館に行ってきました
オンライン授業の休み時間が各校で異なり
落ち着いて学習できないという
訴えがあったので様子を見てきました
先日、生徒指導の冨水先生から
それぞれお互いの学習環境を思いやり
休み時間であっても
節度のある過ごし方をするようにと
注意を喚起しましたので
今日はしっかりと
お互いを思いやって授業を受けていました
今日の「PRAY FOR JAPAN」
物が散乱しているスーパーで
落ちているものを律儀に拾い
そして列に黙って並んで
お金を払って買い物をする
運転再開した電車で混んでいるのに
妊婦に席を譲るお年寄り
この光景を見て外国人は絶句したようだ
今日からお昼ももらえるよ
44日目
今日から高校は3学期です
学校へは1、2年生60名ほどが登校しました
オンラインとのハイブリッドで
始業式を簡単に行いました
久しぶりにこんなに集まったのを見て
大きな元気をもらいました
今日から小中学校高校それぞれに
お弁当も配られました
先生方が配膳を担当です
みんなそろっていただきます
たくさんのカメラが見守る中
1年生は「こわいよー」
ごめんね
今日だけ日本中のみんなに
元気な姿見せてあげて
あと今日は
メガネのJINSさんが
避難者の方へメガネのプレゼントを
してくださいました
測定から出来上がりまで
わずか10分足らず
今日1日で70本も作ったそうです
みんな大喜びでした
本当にありがとうございます
今日の「PRAY FOR JAPAN」
駅員さんに
「昨日一生懸命電車を走らせてくれてありがとう」って
言ってる小さい子達を見た
駅員さん泣いてた
ならぬものはならぬものです
43日目
いよいよ明日から新学期が始まります
学校への登校
文教会館への登校
オンラインでの参加
いずれの方法でも出席になります
登校する場合は制服でなくてもかまいません
先生方も洗濯がままならないのでスーツは着ません
できることから一歩ずつはじめていきましょう
ひとつ注意したいことは
制服以外は全て従来どおりの校則に従うこと
どうせしばらく登校しないのだからと
ピアスを開けた生徒や
髪を染めた生徒は
まさかいないと思います
「どうしてピアスはいけないのですか?」
震災以前から質問されることはあります
ならぬものはならぬものです
白虎隊で知られる会津藩の
什(じゅう)の掟を締めくくる言葉です
人が答えられないような質問をして
さも論破したように振る舞う人もいますが
校則のひとつひとつに「なぜだめか?」を
問い詰めていくと
むしろ明確な答えのあるものは
なにひとつありません
「なぜ人を殺してはいけないか」
という問いも同じです
答える必要のない問いであるし
答えてはいけない問いであるし
そもそも問いになっていないのです
大切なのは
学校はルールを厳密に守ることの大切さを
学ぶ場であるということ
ならぬものはならぬ
自分で自分の心に歯止めをかける方法を
学ぶ場であるということ
自分の教員生活を振り返ると
ならぬものはならぬもの
を教えきれなかったばっかりに
かわいそうな思いをさせた生徒が何人もいます
あのとききちんと導いてあげれたら
学校は
ルールを厳密に守ることを学ぶ場であると同時に
ルールは変えることができるということを
学ぶ場でもあります
昨年もケータイのルールを
自分たちで変えることができましたよね
納得のいかないルールがあったら
まず自分たちで変える努力をしてみろ
それすらできないものが
自分だけの都合でルールを破るな
「どうして髪を染めてはいけないのですか?」
この問いも同じ
でも
みなさんは今
世界中の方から
多くの支援をいただいていることを
忘れないで下さい
もし自分が支援をする立場だったとしたら
「髪を金髪にするお金があるんだったら
もう食費なんかも必要ないですよね」
と即刻支援を打ち切ります
どうか生徒のみなさん
避難民だから多少のルール破りは許してもらえる
もしそんな甘ったれた心を持っていたなら
新学期開始とともに捨て去りましょう
今週も週に一度のお楽しみ
金沢へ風呂と洗濯に行ってきました
七尾湾から望みます
右手には能登島越しに勇壮な立山連峰
左手には能登半島は飯田方面
この景色の向こうに
ひとの住めないような
地獄絵図があるなんて信じられません
今日の「PRAY FOR JAPAN」
避難所でおじいさんが
「これからどうなるんだろう」
と漏らしたとき
横にいた高校生ぐらいの男の子が
「大丈夫、大人になったら
僕らが絶対元に戻します」
って背中さすって言ってたらしい
大丈夫、未来あるよ
災害と政治
42日目
36日目のブログで
地震はなにかの天罰でおこったのではないことを
子どもに理解させることの大切さを書きました
この「災害は天罰である」という考えは
古くは漢の時代に遡る中国の思想で
「災異説」といいます
国に失政があったときに
意思を持った天が
自然災害や異常現象を起こして
君主に警告を与え
それでも改まらなかった場合には
国を滅ぼすと言った
儒教の教えです
昨日紹介した
「あさきゆめみし(源氏物語)」の作者
紫式部とゆかりのある
藤原道長は
この「災異説」を利用して
権力を得ようとしました
長和3年2月
三条天皇の住まいである内裏が燃えました
わるいことは重なるもので
3月にも失火し
宝物をことごとく消失しました
藤原道長は
これは三条天皇の不徳に対する
天の怒りであると
天皇に退位を迫ります
「天道、主上を責め奉る」
次の天皇は道長の娘彰子の子であり
即位をすれば自分が摂政として
権力を振るうことができる
そう考えたものと思われます
正しく「災異説」に従うと
災害は天の警告だから
君主は反省して
民のための政治を行うべきで
決して退位してすむものではないはずです
我が身に置き換えて
子どもたちのために何をすべきかな
猛省の毎日です
今日の「PRAY FOR JAPAN」
停電すると、それを直す人がいて
断水すると、それを直す人がいる
勝手に復旧してるわけじゃない
俺らが室内でマダカナーとか言っている間
寒い中、死ぬ気で頑張ってくれてる人がいる
ひさかたのしじまの中で
41日目
避難民の方が避難所をあとにし
子どもたちが通い始めて初めての土曜日
誰もいない校舎は静まりかえっています
ゆったりと
「あさきゆめみし」
を読んでいます
昨年
「どうする家康」にはまり
今はもう帰ることのできない
我が家の居間で
大好きな有村架純さん演ずる
「瀬名」の自害に涙していたころのことが
なんだか嘘のようです
今年も「光る君へ」を
楽しみにしていたのですが
それはかなわず
そんなおり
支援いただいた物資の中に
「あさきゆめみし(源氏物語)」全7巻
が入っていました
じっくりと味わうように読んでいます
ありがとうございます
気になる番組がもうひとつ
門脇麦さん演じる
「料理は化学です」が口癖の
天才料理人のドラマ
「厨房のありす」です
こちらは1月21日(日)から
スタートしているそうです
化学の教員として興味津々なのが
尊敬するサイエンスライターの
佐藤健太郎先生が監修をされていること
いつも佐藤先生のブログや著書を
授業のネタにさせていただいているので
楽しみにしていたのですが
テレビがないため見れません
部屋の掲示物など細部に至り
こだわっているそうなので
化学に興味がおありのかたには
ぜひともおすすめです
今日の「PRAY FOR JAPAN」
韓国人の友達からさっき来たメール
「世界唯一の核被爆国。大戦にも負けた。
毎年台風が来る。
地震だって来る。津波も来る。
・・・小さい島国だけど、
それでも立ち上がってきたのが
日本なんじゃないの.頑張れ超頑張れ」
ちなみに僕はいま泣いてる。
ごめんなさい 嘘つきました
40日目
みなさん
大変です
38日目のブログで
とんでもない大嘘つきました
どうも目の調子が悪く
目医者さんに行ってみたら
感染性結膜炎と
アレルギー性結膜炎を併発していて
とんでもない状態になっていると…
訂正します
コンタクトレンズは用法を守って
正しく使いましょう
決して使い捨てレンズを
もったいないからといって
使い続けてはいけません
37日目のブログで
子どもの姿を見るだけで涙が…
というくだりも
単なる結膜炎だったんですね
あとブログを読んだ方から
メガネスーパーさんが
コンタクトの被災者支援やってるよ
との情報もいただきました
2月13日(火)から
県内全ての高校で
学校再開するという県教委からの通達を受けました
正式に3学期の始業式を行います
とはいえ、
対面とオンラインのハイブリッド授業や
小中学校の仮校舎が校内にあることなど
これまでと全くかわらないんですけどね
とはいえ一区切り
授業のコマ数も徐々に増やし
日常に一歩ずつ近づけていきます
13日(火)からは
学校にきた生徒に昼食も準備されます
先日
「PRAY FOR JAPAN]
という本をいただきました
これは東日本大震災のときに
世界中から寄せられた思いをまとめたもので
ひとつひとつのメッセージに込められた思いが
今読んでもひしひしと伝わってきて
とても勇気づけられます
この中から1日ひとつずつご紹介します
「大丈夫」の漢字には
人が3人集まってるから
安心を感じる言葉なんだって
小走りの思いやり
39日目
昔、阿久悠さんのエッセイで
「小走りの思いやり」みたいなのを
読んだ覚えがあります
うろ覚えですが
横断歩道の手前で車が止まってくれる
歩行者優先だから当然である
が、
止まってくれた車に軽く会釈する
そしてほんの2、3歩でいいから小走りして見せる
それが
自分も急いでいるのに止まってくれた
運転者への心遣いであり
それが
日本人の心だ
みたいな内容だったと記憶しています
1ヶ月の避難所運営の中で
たくさんの日本人の心を
見せていただきました
狭い通路で譲り合ったり
誰が始めるともなくトイレ掃除
ゴミの分別や収集など
おかげでみなさん快適に過ごすことができました
近隣の高校では
避難所でもないのにガラスを割って忍び込んだり
自動販売機を壊して中身を奪ったり
勝手に校長室に入り込んで備品を使ったりと
信じられない現状が見られたようですが
おかげさまで輪島高校では
そのようなことは一切見られませんでした
みなさんの日本人の心に感謝です
どうか次の避難所でも健やかにお過ごしください
1日でも早く元の暮らしに近づきますように
今日はまず金沢西高校で勉強している
3年生を訪ねました
受験校も絞り終え
あとは目標に向かって一直線
続いて文教会館で学習している12年生です
落ち着いて学習できる環境を
提供してくださっている関係者の方々に
感謝の気持ちでいっぱいです
これまでありがとう避難所さん
38日目
小中学校の登校2日目です
今日も元気よく登校です
昨日は避難経路を確認したり
初めて見るお友達と
おしゃべりしたりしましたが
少しずつ慣れてきているようで
今日はたくさんの笑顔が
見られるようになりました
災害によって子どもたちは
心と体に大きなストレスを受けます
恐怖や不安 家族に対する心配
怒りやイライラ 突然の騒音への怯え
孤立感 生き残ったことへの罪悪感
不眠 悪夢 物忘れ ケガ 無力感
大人でも同じですね
でもこれはあたりまえな反応なので
そのことを自分の言葉で伝えてあげることが必要です
長野県からいらっしゃっている
ボランティアの田中さんが
コマ回しの名人だということがわかり
急きょ高校生を集めて
コマ回し体験をしました
初めてという生徒ばっかりでしたが
すぐに回せるようになりました
昔の遊びは
電気が来なくてもできていいですね
日本こままわし協会では段位が定められていて
技ができれば
それぞれの級や段が与えられるそうです
最高位の六段は
「夜叉車」「砂時計」「背面鞭」など
10種類ができれば認められます
高校生が技をマスターしたら
今度は小学生に教えてあげようと思います
今日コンタクトレンズが破れました
使い捨てではあったのですが
替えもないため1月1日からつけっぱなしでした
「使い捨てレンズは1ヶ月問題なく使える」
実証されました
レンズ会社からすると
あまり推奨できる使い方ではないかもしれません
だとすれば
今回のような災害時
被災したサブスク契約者に
レンズを無償で届け続けるといった
システムは作れませんかね
きっと多くの人が助かると思います
これまで隔離病棟にいらっしゃった
コロナ陽性の方も元気になられ
本校を後にしました
1ヶ月続いた教室での
避難生活が終わりました
空いた視聴覚室には
卓球台やトレーニング器具を運び
ミニ体育館にします
みんなの学校始まります
37日目
今日から小中学生も通い始め
幼小中高みんなが通う学校の始まりです
多くのカメラが見守る中
ドキドキ初めての登校です
子どもたちが集まって来るのを
見つめるだけで
なんだか涙が溢れてきます
発災以来ずっとこんな調子で
目の周りがただれてきています
カタリバにはちっちゃい子が元気いっぱい
小学校1年生から順番に
6年間でずいぶん成長するんですね
6つの小学校から集まっているので
初めてのお友達もたくさんです
仲良しになれるといいね
特支の子も大好きな先生と
保健室もあるから保護者も安心ですね
続いて中高も中1から順に
今日から小中高同じ学び舎に集うことを知った
長崎県の佐世保中央高校の
中島数美教頭先生からは
文学全集を贈っていただきました
小学校で活用させていただきます
同じく神戸高校の星野智英実先生と
3年7組のみなさんからも
素敵な贈り物をいただきました
体育館が使えないので
狭いところでもできる
ミニピンポン台がナイスアイデアですね
心のこもったメッセージも
一人ひとりからいただきました
本当にありがとう
大変なときは「大」きく「変」わるチャンスなんです
36日目
今日のタイトル
島本麻衣子さんのすてきな言葉に出逢いました
http://eyes-woman.com/
明日から始まる小中学校受け入れに向けて
準備です
一年生の教室には
こんなにちっちゃい机と椅子が
運び込まれました
小学生は2階と3階に
上がってもらいますが
階段が吹き抜けになっていて
とっても危険です
急きょネットを張って
落下防止です
今回大人でさえ怖かった地震
小学生はなおのことだったと思います
子どもたちの苦しみや悲しみは
はかり知れないものがあります
災害を経験した子どもたちが
このつらい時期を乗り越えるためには
我々大人が正しい知識を持ち
子どもたちの傷ついた心を理解して
愛情のこもったケアをしていくことが
大切です
今回の地震と火災は
子どもたちから
大切な人
家と部屋
仲良しのペット
お気に入りのぬいぐるみ
大好きな毛布
いろんなものを奪いました
子供達の小さな胸は
その時の恐ろしさで
今でもいっぱいです
だからこそ
今回高校に小中学校を受け入れることに
踏み切りました
お兄さんやお姉さんと
同じ学校に通えること
少しでも安心できますように
ご家族もきっとその方が安心でしょう
災害の後
子どもたちは
「おとなしくて良い子」
のように見えることがあるそうです
子どもたちの悲しみや苦しみを
見落とすことのないように
しっかりと寄り添って
いきたいと思います
まずは地震と津波のメカニズムを
科学的にそして具体的に
説明する必要があります
何かの罰なんかではないこと
そこを理解させないと
苦しみからは抜け出せません
そして東日本大震災の際に
表現されていない感情を表現させる手助けとして
子どもたちに自分の感情や体験を
話し合わせたり
絵を描かせて表現させる
手法が用いられましたが
現在ではこれは
全くの逆効果であることがわかり
やってはいけないこと
とされているそうです
ですので
輪島市の避難所では
避難されている方が
被災時を思い出し
精神を不安定にさせることのないよう
マスコミによる撮影や
インタビューは全て
お断りするという姿勢を
貫いてきました
岡山学芸館高校のみなさんが
手作りのモリンガ石鹸を
送ってくださいました
モリンガとは二酸化炭素の吸収力が杉の数倍あり
温暖化対策に有効な樹木なんだそうです
農業部のみなさんが
一つひとつ手作りして
温かいメッセージも添えてくださいました
水道が復旧したらぜひ使わせていただきますね
何ヶ月先になるかわかりませんが
その日が来るのを楽しみに待っています
今日避難生活が長くなったおばちゃんが
金沢から来たボランティアの方に
「へー、あんたんとこは水道出るが?
都会やねー」
と感心している様子を見て
思わず噴き出してしまいました
一本のかっぱ巻き
35日目
水道の復旧にはまだまだ時間がかかるので
1週間に一度
洗濯と入浴のため
妻と両親が二次避難している
金沢方面へ向かいます
そのとき、
あちこちに拡がっている
生徒の様子も見に行きます
まずは被災した3年生が
お世話になっている
「彩の庭ホテル」さん
とっても静かに学習できる環境です
こちらの支配人はなんと
輪島高校の卒業生
わたしの後輩の橋上さんでした
シャバは狭いなぁ
次に
土日の学習場所として
活用させていただいている
「ハイアットセントリック金沢」さん
まだ生徒は登校前でした
こちらの料飲部長は
わたしの先輩の九内さんの友達の雲井さんでした
クナイのともだちクモイ♪
ラップで韻を踏んでいるようですが
これまたシャバは狭いなぁ
統計学には「6次の隔たり」
という言葉があります
人の知り合いの数は平均44人
44を6回かけると世界の人口を超えます
つまり
「知り合いの知り合いを6人たどれば
世界中の人と知り合いになれる」
というものです
最後に
金沢に避難している
1、2年生の学習の場である
文教会館
以前、輪島高校の避難所の女子トイレに
サニタリーディスペンサーを
設置してくださった
大阪大学のProject IMPACTさんが
こちらにも取り付けてくださるそうです
男子バレー部は金沢錦丘高校さんと
合同練習です
お昼にはおにぎりと豚汁を
振る舞っていただきました
久しぶりに愛情のこもった
あったかい食事に
いつもの親のご飯を思い出した
と言う生徒も・・・
私もひさしぶりにおいしいもの食べようと
回転寿司に入るまではよかったものの
こんなに高かったっけ?
怖じ気づいて
これから物要りだしなあ
結局カッパ巻き1皿だけ食べて
店を出ました
「一杯のかけそば」ならぬ
「一皿のカッパ巻き」
「美味しんぼ」で
寿司職人の腕を診るには玉子を食べろ
と確か海原雄山が言っていましたが
カッパ巻きだけ食べて職人の腕を見切る
食通と思ってもらえなかったかな?
まさかね
きっと変な客と思われたことでしょうね
今日は節分
34日目
今日は節分です
避難民の方々の二次避難も進み
小中学校仮校舎開設の準備も
順調に行われています
私は今年還暦を迎えます
輪島では還暦の年男と厄年を迎えた男が
神社で豆まきを行います
今回火災で失われた朝市通り近くの重蔵神社では
延焼を逃れたものの
鳥居や狛犬が壊れ
拝殿も崩れるなど
大きな被害を受けました
今年は豆まきの中止も議論されましたが
こんな中だからこそ
市民を元気づけるために
ぜひやろうということで
賑々しく開催されました
授業が本格化してきました
33日目
いよいよ
金沢地区へ2次避難している生徒のための
学習支援が文教会館で始まりました
金沢大学さんが全面的に協力してくださり
場所の確保、必要な物資の調達など
スピーディーに準備してくださいました
昼食も全て準備してくださいます
文教会館への交通費は全て
石川県教育委員会が負担してくださいます
落ち着いて学習できる環境が整いました
この後
大学生の学習支援ボランティアも
加わってくださいます
まだ申し込んでいない人は
今からでもオッケーです
無線ルーターの貸し出しも行っています
午前中は輪島高校からの授業を
オンラインで受け
午後からは文教会館で
授業を行っています
今日は自分も
オンラインで授業に参加してみました
授業は生き物で
同じ空間で空気を感じながらやるもので
オンラインなんかでは
気持ちが通じ合わない
絶対にやってたまるかという
頑ななまでのオンライン反対派だったのですが
やってみると
意外!割といいな!という感じでした
授業感変わりました
部活道でも
(本校では部活動を部活道と書きます)
オンラインと対面を上手に併用しています
男子バレー部です
オンライントレーニングの様子です
輪島市の中学校には男子バレー部がなく
全員が高校でバレーを始めたメンバーです
素人軍団であったにも関わらず
今年の総体では県のベスト8に入り
能登地区大会では優勝しました
ところが
これからという時に
今回の被災で
主力2名が
転校することになりました
今日は転校した生徒も加わり
一緒に自宅でトレーニングです
転校先でもぜひバレーを続けてもらいたいです
来年対戦するのが楽しみです
文教会館近くのお店には
笑わんけ金沢
がんばらんけ石川
信じとるよ能登
みんなが応援してくれてます
嬉しいですね
全てが一歩ずつ前進していることを実感しつつ
輪島に帰ります
のと里山海道はきずだらけです
以前の地震でもこんな感じだったな
それでも立ち上がったんだから
今回だってきっと
新たな、人と人との繋がり
32日目
発災から1ヶ月が過ぎ
周辺の学校の様子はどうなっているのかな?
ちょっと行ってみました
道中無惨な風景を眺めながら
大きな被害を受けた飯田高校に着きました
飯田にはここ数年大きな地震が群発し
図書館の棚を「床」に固定するなど
被害を最小限にする工夫が
なされていました
それでも赤本が散乱するなど
さまざまな被害が見られました
「赤本」とは大学受験勉強に使う
大学別に過去問をまとめた本で
そのうちの一冊が昨日紹介した
「落ちない赤本」です
輪島高校よりも多くの生徒が
通っていました
飯田は道路事情が
輪島に比べて比較的いいので
車で送ってもらえているようです
教室に卓球台を入れて
体育の授業をしていました
早速我が校でも取り入れよう!
いいと思ったことは即マネします
ここは2年前に勤めていた学校で
生徒からは「教頭先生〜!」
覚えていてくれたんだ
「輪島高校のサイトにアップするよ」
「いいよー」とポーズしてくれました
グラウンドにも大きな亀裂が
帰り道
のと里山空港に寄ってみました
現在、週に3往復
東京便が運行されています
ボランティアの方が来られたり
高齢のご両親を迎えに来られたり
さまざまな人生が交錯します
穴水高校の書道ガールの作品が
それを見守っています
ここには
市内各地からの2次避難の方が
一旦集まり
まとまって温泉地などへ向かいます
バスの中には
これまで輪島高校で避難していた方の姿が…
自分に気づき手を振ってくれました
新しい避難先でもどうか健やかに
うちの学校では
学校の「中」のことは
大坪教頭先生が先生方をしっかりまとめ
「現在」なすべきことを
責任もってやってくれています
ですので
校長である私は
学校の「外」に目を向けて
「未来」に想いを巡らせることに
集中することができています
素晴らしい先生方に囲まれていることに
今回の地震を機に気づかされました
輪島の幼小中高を繋ぐプラットホームへ
31日目
本校に小学校と中学校の仮校舎を受け入れることが
正式に決まりました
対象の学校は
輪島中学校
ほとんどの生徒が家族を離れ
市外の施設に集団で移転して
授業を受けていますが
家庭の事情等で輪島に残っている
40名が対象です
小学校は
河井、鳳至、鴻巣、大屋、河原田、三井
の6校から180名
3階には、小さな子どもたちが集うカタリバさんが
トレーニング場や武道場には、避難をされている方が
体育館には、地域を守る自衛隊が
これまでどおりいらっしゃいます
まさに幼稚園からお年寄りまで
全ての方が集まる
生涯学習のプラットホームとしての
役割を担うことになります
体育館が使えないので
広めの部屋に卓球台を置いて
体育ができるようにしようかとか・・・
いろいろ考えています
小学校の移転の知らせを聞いた
長崎県立佐世保中央高等学校の
中島数美教頭先生からは
絵本全集を送っていただけることとなりました
小中高いっしょに体育をしたり
高校生による読み聞かせや
学習支援をしたり
この機会でないとできない
さまざまな教育をしかける
チャンスと考えています
あす
小中の校長先生方と打ち合わせをする予定です
いろんなアイデアを出し合って
新しい輪島を創る
未来の力を育てていきたいと思います
金沢方面へ二次避難をしている
1,2年生に対しては
石川県文教会館を学びの場として
活用できることとなりました
午前中は輪島高校から配信される
オンライン授業を受け
午後は金沢に詰めている
先生による授業を展開します
金沢大学の学生ボランティアによる
学習支援をしていただけるかもしれません
無料の家庭教師ですね!
輪島にいる生徒に対しても
授業のコマ数を増やして
より本格的な授業に近づけていきます
昼食も提供できることになりそうです
帰りにシャワーして帰ることもできます
なんだかわくわくしてきませんか?
先生方も智恵を出し合いながら
小中の先生とも協力しながら
よりよいものを目指して
頑張ります
飯田高校の校長先生から
いいものをいただきました
飯田高校もやっぱり被災して
校舎の中がひどい状態だったそうです
3階の廊下の本棚にあった赤本が崩れ
生じた亀裂からほとんど2階に落ちたんだそう
ところが1冊だけ引っかかって
落ちなかったんです
それがこちら
「落ちない赤本!」
受験生のみんな
縁起がいいから
待ち受けにするんだ!
僕は明日、昨日のきみと・・・
30日目
このコラムの冒頭の「〇日目」というカウント
これ実はある映画のオマージュです
その映画は
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
福士蒼汰さん演ずる美大生、高寿(たかとし)と
小松菜奈さん演ずる秘密を抱えた愛美(えみ)の恋物語
ストーリーが進み愛美の秘密が明らかになると
それまで時折見せていた彼女の涙の意味に気づき
何ともいえない切ない気持ちがこみ上げます
通常、映画の冒頭にあるタイトルバックが
開始1時間後
ちょうど折り返しのあたりにあるのも
とっても意味深
二度観がお薦めです
二度目は愛美に感情移入してみてください
時が遡り
涙腺崩壊必至です
単なる恋愛映画に終わらず
今まで出逢ってきた人たちと過ごしてきた
全ての瞬間が愛おしく感じる
そんな映画です
自分がこの映画を見たのは
一番下の娘が高校を卒業する直前のことでした
大学を出て就職して結婚して
もうこの家で暮らすことはおそらくない
やがて再び妻とふたりだけの生活に戻っていく
巣立って行く娘にこれまで何をしてあげられたのか
そして限られた時間の中で何をしてあげられるのか
残された時間が
なんだかとても大切なものに
感じられたことを思い出します
大切な人と過ごした時間は
いつまでも色褪せることなく
心の中で輝き続けます
卒業生のみなさんは高校生活の中で
いくつの輝きに出会えたのでしょうか
これまで
あなたがそこにいるだけで
ご家族の心の輝きであったことは
まちがいありません
そしてこれから先、
いくつの新しい出会いが待っているのでしょうか
自分自身が誰かの未来になれるよう
目の前の人との一瞬一瞬を大切にして
「今」を感じながら歩んでいってください。
こんなことを
昨年の卒業式で
生徒と保護者に
お伝えしました
今回の震災で
「大切な誰か」を
失ってしまった方も
いらっしゃいます
なんて声をかけていいのかも
わかりません
映画のカウントは
30日目で終わりますが
我々のカウントは
まだまだ続きます
「燃える男」の思い出
29日目
輪島市の「災害ゴミ」の回収が始まります
「災」と貼り紙をして
建物の前にまとめて置いとくのだそうです
「災」といえば
昔、野球部にいた元気な選手のことを思い出します
その選手は帽子のつばの裏に
「災」と大きな字で書いていました
どういう意味か尋ねると
「俺は燃える男なんで、『ほのお』っす!」
野球の練習もいいけど
漢字の勉強もせえと・・・
東京でホストやってるって聞いたけど
今頃どうしてるかな?
避難所では
この後輪島高校を小中学校としても
利用するため
避難民の方に避難所の移動をお願いしています
多い時で500人いた避難民の方が
今では103人に減りました
コロナ等感染者の方も2名となりました
生徒の転学も徐々に進んでいます
ある報道によると
今回の被災によって
現時点で輪島市民の36%が
金沢近辺に変わっていったと
試算されています
現在他校への転学が決まった生徒4名
他校からの返事待ちの生徒13名です
うち他校との条件が合わず
転学先の再考を迫られている生徒が
2名います
高校の転学は
やはりハードルが高いようです
今後の学校行事についても
検討をしなければなりません
直近のことについて言えば
卒業式です
体育館は現在自衛隊の駐屯地となっていて
使用することができません
仮に3月までに自衛隊が出られたとしても
体育館の床が傾いてしまっていて
危険でみなさんを入れるわけにはいきません
輪島市文化会館大ホールは
現在物資置き場となっていて
3月に使用できる保証がありません
そこで
金沢市の音楽堂で行うこととしました
すでに金沢の方へ変わってしまった卒業生が多く
かえってその方が集まりやすいと判断しました
音楽堂なら金沢駅の近くでアクセスもよく
思い出に残るものとなるのではないでしょうか
輪島からはバスを貸し切ります
卒業生は無料
ご家族の方は有料となります
日程は3月1日(金)
13:30開式の予定です
後ほどバス利用の希望をとりますので
ご計画に入れておいてください
避難所の男の連隊勤務、月月火水木金金
28日目
週に一度
二次避難している妻と両親のいる内灘へ
洗濯と風呂のため通っています
日中は車が混むため
夜明け前に出発して学校へ帰ります
朝早いと冷え込みが厳しく
フロントガラスが凍て付いています
お湯をかけてもすぐに凍ってしまうので
北陸ならではの生活の知恵です
ナイロン袋にお湯を入れて
フロントガラスを撫でるのです
そうすると再凍結させずに
しかもわずかなお湯で
氷を融かすことができます
地震の爪痕を眺めながら
慎重に車を走らせます
のと里山海道は
ところどころ崩落していて
残されたガードレールのワイヤーが
なんだか墓標のようです
崩れた山肌を見ると
人間が地球を守ろうだなんて
そもそもとんでもない思い上がりで
偉大な地球の上で
単に生かされているだけの存在なのだと
実感します
立ち昇る霧に吸い込まれそうな
神々しさを感じます
学校に着くと
今日は簿記の検定です
本校にはビジネスコースがあって
実社会に出て即戦力として
活躍できる人材の育成を目指して
さまざまな資格取得に取り組んでいます
今日は4名の生徒が受検しました
おや?きちんと制服を着ている生徒が
なんでもお母さんが
とりあえず制服を持って
逃げてくださったのだとか
お母さんの愛情を感じて
なんともいえないせつなさを感じます
大阪大学から支援の方がみえました
避難所の視察を終え
必要な支援を考えてくださいます
避難所にどんなボランティアが必要か?
この問いには即答はできません
状況は日に日に変化しますし
突然にマンパワーが必要になることが
しょっちゅうです
前もって
「こんなボランティアをする!」
万全の準備をして来てくださっても
案外、的外れであったりもします
何かあった時のために
そこにいてくださるだけの
ボランティアがあります
「待つのも仕事」です
今日はスーパーの移動販売が
来てくださいました
避難民の方が楽しみに
玄関まで来られたのですが
テレビカメラがいるのを見て
「やっぱりやめた」
と帰っていく方がほとんどでした
映さないでくれと
自分がしっかり断るべきでした
ごめんなさい
避難所には
こんなかわいいメッセージボードが
これならつらい避難所生活も
ちょっぴり楽しく過ごせそうですね
最後に防災の知恵です
タンスや棚の上部に
隙間にピッタリ
カラーボックスを置きます
固定しなくてもOKです
今回、グランドピアノが裏返るような
震度7でもびくともしなかったので
実証済み、おすすめです
選抜出場おめでとう
27日目
金沢のホテルで勉強している
3年生を訪ねました
落ち着いた環境で勉強しています
金沢西高校のお昼休みには
あったかいうどんも
提供していただけるのだとか
春の選抜に
輪島市に校舎を構える
日本航空高校石川が選ばれました
おめでとうございます
被災地にとって
大きな希望の光です
日本航空高校石川野球部が
創部されたのは2003年
同年初めて公式戦を戦った相手は
当時私が部長を務めていた
町野高校でした
その年町野高校は閉校が決まっていて
町野高校野球部の最後の年でした
輪島市に新しくできた学校の
最初の相手が
その年に輪島市から消えてなくなる学校
何か因縁めいたものを感じたものです
町野高校は
春の選抜に「21世紀枠」が導入された最初の年に
全国9校の最終候補まで選ばれ
多くの記者に囲まれる中
校長室で選抜報告の電話を
ひたすら待つも
結局かかってこなかったという
さみしい思い出があります
ですので今回出場決定の報告を受けた
日本航空高校石川さんの喜びを
自分のことのように嬉しく思います
甲子園ではみんなを元気づける
はつらつとしたプレイを
見せてくれると思います
石川県からはもう一校
星稜高校も選ばれました
選ばれた瞬間
歓声はあげず
黙祷を捧げてくださったそうです
王貞治選手の現役時代の逸話を
思い出しました
王選手は
ホームランを打っても
決してバンザイやガッツポーズは
なさらなかった
それは打たれた相手投手への
最大限の敬意なんだそうです
唯一バンザイをしたのが
ハンク・アーロン選手の世界記録を超えた
通算756号を放ったときだけ
野球という競技は
日本人にとって単なるスポーツではなく
他の人への礼儀を重んじる
「道」なんだなと思います
そういった意味でも
素晴らしい選手を多く輩出している
星稜高校野球部に
あらためて敬意を表したいと思います
星稜高校といえば
数々の名勝負を残していますが
そのうちのひとつに
2014年夏
決勝戦で9回に8点差をひっくり返して
甲子園出場を決めた
神がかったゲームがあります
大逆転の口火を切った最終回の先頭打者
主将の村中選手は現在
今回同じく被災をした輪島市の門前高校で
野球部を率いています
当時の星稜高校のモットーであった「必笑」で
この苦境の中
生徒に元気を与え続けていることと思います
輪島市からうちも加えて3校
夏の大会で大暴れします
西陵高校さんありがとう
26日目
3日ぶりに授業です
午前中に2時間
対面とオンラインのハイブリッドで
行いました
体育では山下友子先生がヨガを・・・
避難所生活が長引き
腕があがらなくなっていた生徒がいて
50代の先生から
「私とおんなじだね」
とからかわれながら・・・
でも授業の終わりには
ちゃんと上がるようになっていました
嬉しいお知らせもひとつ
名古屋の西陵高校の生徒さんから
励ましの贈り物をいただきました
2年5組の生徒さんが
集めてくださったもののようで
衣料やコスメ、小物などを
送ってくださいました
「マフラーあったかい」
「リップめっちゃ欲しかってん!」
みんな大喜びで持って帰りました
絵本もたくさんいただいて
こちらは学校内に設置されている
子ども向け施設「カタリバ」
の方に置かせていただきました
闇があるから光がある
そして闇から出てきた人こそ
ほんとうに光のありがたさがわかる
つらいことがあっても
私は負けなかった
いつかはこの状況から
抜け出せる日が来ると
信じていたから
一時的に悪そうに見えても
あわてることはない
すこしばかり悪いことが続いても
あきらめてはいけない
夜明け前が一番暗い
そうすこしすれば夜は明ける
もう
幸せの芽が
出はじめている
そんな心強いメッセージも
いただきました
西陵高校のみなさん
本当にありがとう
今日も一歩ずつ
25日目
大雪が予測されたため
昨日に引き続き生徒の登校は取りやめです
できることから一歩ずつ
歩みを止めずに前進しています
避難所のシャワーがいよいよ使えます
発災以来頭を洗っていない方がほとんどです
先日新聞に
受刑者にリンスの差し入れが認められるようになった
という記事が載っていましたが
我々はある意味
受刑者以下の生活を強いられているのだなと
複雑な気持ちに…
25日ぶりに綺麗になった方からは
「本当にありがたい」
小さな幸せを噛み締めていました
輪島高校では現在、
高校の再開を目指すと同時に
校舎を小中学校の仮校舎として
活用する準備も進めています
カタリバさんも含め
幼小中高連携した学びの場を
提供できそうです
小中学生が安全に通れるように
玄関の段差を修繕しました
現在、輪島市では郵便が止まっていて
学校宛の郵便物は届きません
が、郵便物は郵便局で止まっているだけで
取りに行けば受け取ることができる
ということを今日知りました
というわけで早速郵便局へ
すると、とっくに届いているはずだった
うれしいお便りをいくつか見つけました
まずは金沢大学附属高等学校の生徒会長さんより
何か援助をしたいけど…という申し入れ
うちの学校の生徒会長に伝えますね
本当にありがとうございます
続いては東京で教員をされている毛利泉先生より
地震避けステッカーの贈り物
寄席文字橘右之吉師匠の筆によるものです
実はすでにメールでもいただいていて
避難所に貼ってあります
どうもありがとうございます
発災当時から大きな力を発揮している携帯キャリア
被災者の大きな心の支えとなると同時に
DMATや自衛隊と連携して復旧活動に
大きな力を発揮しています
docomo、KDDI、ソフトバンクや楽天モバイル
多くの移動基地局を
集中させてくださっています
今回の能登半島は陸の孤島化しているので
船上基地局も投入されているようです
沿岸から輪島の電波を確保してくれています
本校の中庭にもDMAT専用のアンテナが
現在、金沢大学の一部をお借りして
能登地区の5校から
金沢地区へ二次避難している
高校生が学ぶことのできる
場所を作る準備を進めています
大学生の学習支援ボランティアも
多数参加してくれそうです
また、その際、
金沢大学までの交通費も
支援されることが決まりましrた
転学や他の高校で学ぶという選択肢も
お示しましたが
実際かなりハードルが高く
このシステムを利用するのが
最適であるとお勧めします
現時点で転学が決まった生徒は4名です
一日中何やってんだか?
24日目
昔から
ものをどこかにおき忘れることが得意で
1日の勤務時間のうち2割くらいは
あれどこやった?
これどこに置いた?
などとものを探す時間に充てていました
震災後その時間が肌感覚で4割くらいに
増えている気がします
一日中何やってんだか?
って感じです
普段からの
使ったものは元に戻す
という習慣が大切だなと実感
いろんな取材の方から
「あれはいつでしたか?」
と尋ねられることが多いのですが
確かブログに書いたな…
ってこのコラムを見直すことも
生徒に情報を…という気持ちで
始めたこのブログ
意外なところで役に立ってます
日記って大事だなってこれも実感
今朝は雪が積もりました
大雪が予測されていたので
生徒の登校はなしにしました
教務主任の橋場先生が早々と出勤
七尾からの遠距離通勤です
途中、輪島に入る直前で
10cmほどの積雪があったそうですが
それ以外は除雪されていて
車は比較的順調に流れています
ただしアイスバーンにはお気をつけください
道路情報をお伝えしました
今日は輪島市の教育長さんが
避難民のみなさんへご挨拶に見えました
この後、2月から3月にかけて
輪島高校の教室を市内の小中学校として
活用する計画です
現在市内の小中学校は
避難所になっており
校舎として使用できません
また、中学生は白山ろく少年自然の家に
集団で移動してそこで学校を開いていますが
そこに参加できず
輪島に残っている中学生もいます
その子たちのために
輪島高校を小中学校の仮校舎として活用します
現在輪島高校に避難している方は
最初市役所に避難していたけど
役場としての機能を再開するため
ここに移動をお願いした方々で
再三の移動のお願いになるわけですが
子供達の学ぶ場所の確保のために
ご理解ご協力をお願いします
俄然、盛り上がってきました
23日目
何でもかんでも気の持ちようで
昔から
寒い時には「涼しい!」
暑い時には「あったかい!」
忙しくなってきたら
「盛り上がってきた!」
と言うようにしています
ここ数日、俄然盛り上がってきました
文科省から保護者あてに
「転学に関するリーフレット」が
公開されました
(本校ではメール配信しました)
「転学」
「籍を置いたまま他校で学習」
このことについて柔軟に対応するよう
文科省から全国の学校に
伝えていただきました
ただ、このことについて
小中学校に比べ高校間の転学には
高いハードルがあることを忘れてはいけません
「ハードルは高ければ高いほどくぐりやすい」
と言われますが
今回に限って言えば
くぐると「未履修問題」という罠が待っています
せっかく転校してきたのに…
科目の組み合わせにより
どうがんばっても
卒業に必要な単位が揃わない
という可能性があるということです
つまり
好きな学校に
行けるわけではないということ
また「籍を置いたまま他校で学習」するパターンは
いつでも自分の都合のいい日に
輪島高校に戻ることができるわけではない
ということもぜひ頭の片隅に…
今は午後10時
ついさっきまで事務員の浦美穂さんが
残ってお仕事をされていました
責任感の強い彼女もやっぱり被災者です
住む場所を無くした彼女は
ずっと車中泊をしています
中学生のお子さんは集団で
白山ろく少年自然の家へ
小学生のお子さんは
単身小松市内の小学校へ
心細くて「行きたくない」って
泣いているのだとか
なんか心が張り裂けそうになります
でもきっとだいじょうぶ
お母さん見守ってるよ
強く大きく成長できるできると思います
金沢方面へ二次避難している生徒が学ぶ場所として
金沢大学をお借りすることができそうです
準備ができ次第ご案内します
生徒のみなさんへ大切なお知らせ
22日目
大学入試共通テストを終えた3年生は
個別記述(二次試験)に向けて
金沢市内の高校の一室をお借りして
学習に励んでいます
受け入れてくださった
高校の関係者の皆さん
ほんとうにありがとうございます
また、土日には
金沢市内のホテルの一室を借りて
同様に学習部屋としています
県教育委員会の
全面的なバックアップを受けています
ありがとうございます
学校では少しずつ授業を組んでいます
23日(火)の予定は
1年生…1限 化学基礎、2限 数学
2年生…1限 生物&物理、2限 化学
です
積雪が見込まれるので
始業を遅らせて2時間だけの対応です
気をつけて登校してください
オンラインでの配信も
徐々に増やしていきますので
Chromebookをまだ取りに来ていない人は
学校までとりに来てください
金沢方面に二次避難をしている12年生
学習する場所の確保ができそうです
しばらくお待ちください
羽咋方面に二次避難している人は
羽咋高校の授業に入って
勉強することも可能です
希望する方はご相談ください
一人ひとりが
事情に応じて学ぶことのできる環境を
何とか整えて行きたいと考えます
要望やアイデアがあれば
ぜひおっしゃってください
100%希望に添うことはできませんが
①他の高校へ転学する
②輪島高校に籍を置いたまま他高校で学ぶ
などのシチュエーションが考えられます
準優勝盾が語るもの
21日目
避難所開設の頃の話です
準備に来ていた市の職員のひとりが
玄関を入ったところにあった
中のトロフィーたちが無惨に崩れ落ちた
表彰ケースをじっと見つめていました
ポツリとひとこと「俺たちの盾が…」
彼の名は浅井朱文(旧姓)
古くからの高校野球ファンなら
輪島高校の投手として
聞いたことのある名前かも
棚の中には輪島高校の
輝かしい部活動の歴史が
飾ってありました
その中でひときわ輝く
ふたつの準入賞盾
それは本校の100年の歴史の中で
かつて二度
甲子園へあと一歩と迫った証です
盾に描かれている図柄は
スクイズをウエストするシーン
打者と捕手が必死にボールに
飛びついているシーンです
あれ?
何か違和感持ちませんか?
スクイズ外す時って
捕手は投球と同時に
立ち上がりますよね
なのに打者と一緒に
飛びつくなんて…
これはサインプレーではなくて
三塁走者がスタートを切ったのを見て
投手が咄嗟の判断でウエストした
高度なプレイを描いたものでしょう
江夏の「奇跡の21球」を彷彿とさせます
よほどバッテリー間に信頼がないと
できないプレーです
よく見ると
背景には
でっかいキャッチャーミットが
描かれています
「どんな球でも俺が止めてやる!」
心の叫びが聞こえるようです
浅井投手は
この盾を手にした当時の
中心選手です
その時決勝戦で戦ったのは
箕島高校と延長18回の死闘を繰り広げた
あの星稜高校でした
「全国制覇した箕島が日本一
それに惜しくも敗れた星稜が2番目
俺たちは日本で3番目に強いチームだ」
と何とも都合のいい理屈を展開していました
この根拠のない自信こそ
輪島の人間の強さです!
きっと立ち上がります!
少し落ち着いてきたので
来週棚の中を整理しようと
思います
浅井選手らの思いを繋ぐ
現在のチームも
「できることから練習を開始します!」
先週、冨水諒一監督から
報告を受けました
男子バレーボール部も
できることから活動開始です
体育館は自衛隊の基地となっていて
いや、そもそも床が斜めに傾き
使用することができないので
20日(土)は翠星高校さんで
合同練習をさせていただきました
わざわざ輪島高校の控え室まで
準備してくださり感謝感謝です
感無量だと語る生徒も…
翠星高校の先生方や生徒の
温かさに触れた1日でした
21日(日)は星稜高校さんと
星稜高校の先生は
「今は大変だと思いますが
一人ひとりが自分のできることを考え
一生懸命にやっていきましょう」
とおっしゃってくださいました
また、今日は
金沢方面へ二時避難している生徒たちに
ひとり一台パソコンを配りました
この後オンライン授業の際に使用します
現場からお伝えします
20日目 土曜日
本来ならば学校は休みなので
朝から少し余裕があります
避難所をうろちょろしてみました
朝早くから
トイレ掃除をしてくださっている方が…
お名前をお聞きしたのですが
「みんなやってることなので…」と
ほんとうにあリがとうございます
輪島高校避難所には
ペット同伴の方の部屋を
1室設けています
ペットも大切な家族
気兼ねすることなく
過ごしてもらっています
生徒たちが学校に置いて行って
被災した辞書やひざ掛けなど
まとめて置いてあります
いつでも取りに来てね
持ち主が迎えに来てくれるのを
待っています
こんなにグチャグチャだった図書室も
このとおり
先生方が1週間かけて
もとどおおりにしてくださいました
トレーニング場には
プライバシー保護のための
間仕切りが入りました
まだ入っていない避難場もありますが
市は各避難場の事情に合わせて
順番に進めています
これをご覧になって
「なぜ輪島高校だけ!」
と苦情を言うのはおやめください
例えば他の避難場にあって
輪島高校にないものもあります
それぞれの避難民が
思いやりの心を持って
過ごしていただければと思います
「俺は被災者だぞ!」
と市の職員に食ってかかる人を見ました
市の職員だって被災者です
ゴミの分別も進んでいます
避難民の方々が
みんなで助け合いながら
ルールも自分たちで決めて
綺麗な環境を保っています
大切な連絡は
ホワイトボードで取り合っています
開所当時は2ヶ所しかなく
除染作業に追われていた
仮設トイレも今ではこんなに
子どもたちが集える
ティーンズラボさんも
素敵なスペースになりました
今日は年に3回の特別な日
1月19日
19 × 19 = 361 ≒ 366
つまり1/19(1月19日)今日をもって
1年の1/19(19分の1)が過ぎたことになります
1年のうちこんな日は他にも2つあるそうです
これまでの日々をあと18回繰り返すと
新しい年を迎えるんですね
なんだか短いような長いような
その日その日の暮らしも
それはそれでいいもんです
人の温かい気持ちに触れることが
多くなりました
今日は生徒が登校して2日目
3時間授業を行いました
1時間目は
2年生は松本昭子先生の国語
松本先生は文部科学省から認められた優秀教員で
新しい時代への教育について日頃深く研究されており
本校の探究学習の中心的役割を担っています
今日は語彙力アップのための教材を準備してくれました
1年生は校長自身の化学
大学入学共通テストの問題に挑戦です
宇宙ステーション内の
酸素供給システムに関する問題で
今回避難所に設置された
循環式手洗い機と絡めて説明しました
2時間目は
12年生合同で矢田勇先生の防災教育
矢田先生は
本校のお笑い担当の先生で
学校から帰る時には
「お疲れさま」というと
ホントに疲れた気がしてイヤだということで
「お元気さまー!」と言って帰っていきます
今回いろんな方に助けられたけど
今度助ける側にまわったら
どんなことが喜ばれるか考えよう
というテーマでした
NHKから取材のカメラが入っていましたが
「紅白歌合戦」をイジったりして
取材クルーも苦笑いでした
3時間目は
やはり12年生合同で
奥野拓海先生による「やる気アップ法」
こんなときだからこそ
未来を見据えて歩いていこうというテーマです
生徒からは「なんだかワクワクしてきた!」
奥野先生からは
「学校に出て来れていないみんなも前を向いて行こう!」
との力強いメッセージが
来週からは徐々に時間割も組んで行きますね
オンライン授業も計画していきます
学校にChromebookを置いている人は
取りに来てください
携帯画面ではやりにくいですよ
金沢地区に避難している人には
今度の日曜日に届けます
詳しくはClassroomでお知らせしたので見てね
久しぶり!どうしてた?
18日目
生徒の登校を再開しました
最後に会ったのは12月28日かな
みんなで豚汁食べたよね
ティーンズラボで
クリスマスパーティーもしたっけ
いろんな話が飛び交います
今日登校できたのは26名
およそ1割の生徒たちです
ほとんどの生徒が
すでに市外へ二次避難をしています
久しぶりの再会に
「おまえ老けたなあ」
前回ドラム缶風呂でお世話になった
「にちにち好日」さんが
再会のお祝いのお菓子を
差し入れしてくださいました
避難所にもひとつうれしいお知らせが
岩手県の北良株式会社さんが
循環式のシャワーを設置してくださいました
避難所の衛生環境が気になります
とっても助かります
場所は生徒玄関
昨日先生方が倒れたロッカーを
一気に片付けてくださいました
なんだか教員同士の絆が
一層強くなったような気が
いろんなタイプの先生がいます
0を1にするのが得意な人
1を99にするのが得意な人
99を100にするのが得意な人
100を0にするのが好きな人
鳴かぬななら…
鳴くまで待とうホトトギス
鳴かんでいいよホトトギス
鳴くのと変えようホトトギス
自分で鳴くわホーホケキョ
石橋を叩いて渡る人
石橋を叩いても渡らない人
石橋を叩き過ぎて壊す人
石橋をわざと壊して造る人
そもそも石橋に気づかず泳ぎ出す人
いろんな先生がいて
いろんな意見を出し合いながら
一歩一歩前へ進んでいます
被災した実家で勉強し続けている
ひとりの受験生が
教材をとりに学校へ来ました
受験校も絞れたのか
赤本も持っていきました
まだ電気が復旧していないんだそうです
まさに蛍の光窓の雪
蛍捕まえるだけで大変やろ
そんな暇あったら勉強せえ
といろいろつっこむ人もいますが
実は「蛍雪」の言葉の生まれた
中国のある地方の蛍は
日本の蛍の200倍の明るさがあって
10匹ほどで充分勉強できる明るさが得られるとか
空飛ぶ仙人がいるという地方の話なので
どこまで本当なんだか
ふたつの大切
17日目
避難生活が始まって以来
ずっと心がけていることがふたつあって
ひとつめは挨拶
震災前はずっと毎朝校門で
生徒に挨拶するのが日課でした
素敵な笑顔で返してくれる子
ブスっとニコリともしない子
親とケンカでもしたのかな?
と思いを馳せたり
避難所は最初の頃
みなさんギスギスした雰囲気で
疲れ切っているのもあるのでしょうが…
これではいけないと思い
挨拶をしまくることにしました
じいじ、ばあば、自衛隊、犬
とにかく、おはようございます
今では
声をかけていただくことの方が
多くなりました
そしてふたつめは
「はきものをそろえる」
曹洞宗永平寺の道玄禅師の教えです
はきものをそろえると、心もそろう
心がそろうと、はきものがそろう
ぬぐときにそろえておくと
はくときに心がみだれない
だれかがみだしておいたら
だまってそろえておいてあげよう
そうすればきっと
世の中の人の心もそろうでしょう
今では避難民の方一人ひとりの
心もそろって
こんな感じです
今日の感染状況
コロナ6
インフル4
胃腸炎2
もうすぐ学校に来れるよ!
16日目の朝です
金沢方面へ避難している生徒のため
金沢地区の高校が施設の一部の使用を認め
生徒の学習に活用させてくださっています
本来の生徒さんのご指導がおありなのに
本当にありがとうございます
生徒のみなさんにもご迷惑をおかけします
ごめんなさい
本校教員も何人かそちらの方に勤務しています
今日は、その先生から便りが届きました
平野校長先生へ
生徒らが割り当ての教室に入った折
自分の学校の教員の顔を見て安堵する表情に
涙が出そうになりました
こちらでは他校の先生方も
指導に加わると言ってくれています
スクールカウンセラーの浅井好先生に
ひとりひとりお話を聞いていただきました
【生徒A】
地震が怖かった 今でも怖くて家に入れない
玄関から先へは一歩も動けない
将来は患者の心に寄り添える看護師になりたい
【生徒B】
トンネルの中で揺れ始めた
何とか車で脱出できたが
大きな岩がゴロゴロ落ちてきて怖かった
でも負けない 国語の教師になりたい
【生徒C】
「なんで自分たちだけ?」最初はそう思った
でも今は違う!立ち直った!
高校の教師になりたい
【生徒D】
自分は大丈夫!でも町が心配
もとどおりになるのかな?
【生徒E】
母が「まあいいか」の気持ちを
繰り返し教えてくれた
【生徒F】
せっかく生きているんだから
人の役に立ちたい
大学卒業したら世界中を廻る!
【生徒G】
うちはなくなった
でもその分薬剤師への思いが強くなった
奨学金借りてでも絶対やる!自分で返す!
前向きで力強い言葉が続きます
でも
震災直後はどの子も「いい子」になるのだそうです
でもそれは決して
本当の気持ちではないのかもしれない
地震や火事そのものへの恐怖
家族が離ればなれになることへの不安
大切なものを失ったさみしさ
そのサインを見落とさず
しっかりと寄り添う必要があります
そしてこの前向きな言葉たちが
本当の強さになりますように
今,1月18日(木)から登校できるように
準備を進めています
こんなにぼろぼろだった部屋も
ほらこのとおり
先生方、頑張ったよ
学校の再開ではありませんので
無理に登校する必要はありません
欠席にはなりません
日 時:1月18日(木)9:00~12:00
9時~10時の間に来て下さい
場 所:3年生の棟
避難者と動線を分けています
入 口:ゴミステーション側のドア
内履き※に履き替えます
(※石川県では上履きのことを内履きといいます)
スリッパを用意しますが
内履きを持ってきてもかまいません
服 装:制服でなくてもかまいません
持ち物:初日は筆記用具があれば大丈夫
設 備:エアコン・ストーブがあります
水洗トイレが使用可能です
内 容:初日は友達と話ししたり
授業の準備をしましょう
本日の感染状況
コロナ4
インフル5
腸炎2
今日は炊き出しのパキスタン人に
ウルドゥー語の「おはよう」を習いました
アッサラーモ アレークン
輪島高校と「まれ」
15日目を迎えます
3年生受験組はホテルで自己採点
さて、今日も多くの方々の支援をいただいています
認定NPO法人カタリバさんと
NPO法人じっくらあとさんが
音楽室に「みんなの子ども部屋」を
設置してくださいました
ゲームやピアノ、勉強部屋もあり
自由に過ごせる子どもの居場所です
以前、炊き出しをしてくださった
にちにち好日さんが
今日は入浴支援に来てくださいました
ドラム缶を用いた薪の風呂です
避難されている方は発災以来
お風呂に入っていません
涙を流して喜んでくださる方も
大阪大学のProject INPACT さんは
女性トイレにサニタリーセットを
設置してくださいました
5年前に「5年後の自分に宛てた手紙」
プロジェクトでお世話になった
吉川教授とゆかりのあるみなさんです
実はうちの娘も
そのプロジェクトに参加しており
先日届いた
「5年前の自分からの手紙に」
こんなこと考えてたんだーと
感慨深げでした
昨日紹介したオーストラリア帰りの中村くんが
お前も来いと友人に声をかけて
ボランティアの輪を広げています
来てくれたのは元々同級生の田中琉惟くん
昨年度、本校で企画した海外研修で
フランスへ渡り片言のフランス語を学んだ
自称パリジャンです
なんとも国際的なコンビですが
やっていることはコテコテの日本人です
それから今日はNHKのニュースに
出させていただきました
ディレクターは
輪島高校もその舞台となっていた
土屋太鳳さんの朝ドラ「まれ」の
製作にも携わっていた方でした
今回焼け野原となった朝市通りの中に
かつて「まれ」記念館はありました
今回訪ねてみると
モニュメントだけ焼けずに残っていました
誰かがお供えしたお菓子が
コロナ禍による学校閉鎖が終わり
登校が再開した時の生徒の笑顔が
忘れられません
なんやかんや言っても
やっぱり学校が大好きなんです
だからとにかく学校に来てもらいたい
もうすぐ登校を開始します
何人集まるかわからないし
教科書のない生徒もたくさん
でもその中で何ができるか
先生方は精一杯頑張ります
「丁寧に」
「みんな揃って」
「絶対間違いなく」
がこれまでの教育だとしたら
「ポイントを絞り」
「できることから」
「とにかく走り出す」
がこれからの教育だと思うのです
ニュースではそんなこと話しました
本日の感染状況
コロナ6
インフル4
腸炎1
戦線復帰!
14日目の朝です
一昨日
大学入学共通テスト応援のため
自分も金沢に出向きました
ところが到着した途端に発熱
ここ40年ほど
二日酔い以外の病気をしたことのないくらい
健康には自信があったのですが…
疲れと、風呂に入れたという安堵でしょうか?
明くる朝、検査の結果
コロナとインフルともに陰性
確認してから試験場で激励
今朝早くに学校へ向かいました
水道をひねれば水が出る
風呂も入れて洗濯もできる
緊急車両以外の車でも
ガソリンを入れてもらえる
そんなひとときの夢のような生活を離れ
学校に戻ります
渋滞を避けようと朝4時に出たのですが
七尾〜穴水間は長蛇の列です
車窓には富山湾越しに立山連峰
年に数回だけ限られた時間にしか見られない
神々しい姿に力づけられます
途中の山々には凄まじい傷跡
崩れ落ちた山肌に
うっすら雪化粧です
学校に着くなり
文科省からの建物の安全検査に同席です
一部の建物の安全が確認されました
これから授業再開に向けての
スケジュール調整に入ります
生徒のみなさん
保護者のみなさん
今しばらくお待ちください
生徒の安否は
全員確認されたことになっていましたが
実はもうひとり
確認されていない生徒がいました
彼の名は中村輝人くん
ワーキングホリデーを活用して
オーストラリアに渡っていた生徒です
オーストラリアに行ったっきり
連絡方法がわからなかったのと
まさかオーストラリアまで
地震の影響はないだろうということで
安否確認はしなかったのですが
輪島高校の避難所で支援活動している姿を
ひょっこり見かけました
彼は学ぶことが大好きだったのですが
世の中の動きのスピードに対して
緩やかすぎる日本の教育に疑問を感じ
日本の教育を変えると意気込んで
単身オーストラリアに渡ったのでした
オーストラリアに渡ってからは
いろんな仕事を経験したそうです
周りに韓国の友達がたくさんできたことで
英語よりも韓国語がペラペラになっていました
今回、故郷の震災のことを知り
とりあえず飛行機を乗り継ぎ
自分にもできることがあると
帰って来たそうです
彼も被災地に着いた途端に
疲れと安堵で行き倒れ
救急車で緊急搬送されたそうです
病院で元気を取り戻した後は
とっとと歩いて帰ってくださいと…
なんとも人騒がせな帰国劇でしたが
バイタリティーあふれる行動力
頼もしい限りです
街には学びの種がいっぱい
13日目の朝
いよいよ共通テスト本番です
本来12年生も学校で
模擬試験を受ける予定でしたが
それは叶いません
共通テスト会場で憩いのひととき
2名軽い体調不良を訴えている他は
いたって元気です
支援の文房具も続々
鉛筆、消しゴム、鉛筆削りはもちろん
時計やコンタクト洗浄液まで
昔、能登で勤務されていた
先生方が届けてくださいました
どんな時でも学びを止めるな
このブログの大きなテーマのひとつです
こんな時だからこそ見える
学びの種がたくさんあります
自分も含め被害に遭った者から見ると
この非常事態に何を不謹慎な
と目に映るかもしれません
でも、次に同じようなことが起こった時のために
研究を残すということは重要です
まずは津波
今回の地震で5mの津波が観測されました
ところが到達した津波は1m
予想の外れ?
いえいえ
この差の4mの秘密は地面の隆起にあるのでは?
もしこの隆起がなければ
あるいは津波によって
さらに被害が広がっていたのかも
あくまで自分の仮説です
https://www.itmedia.co.jp/news/spv/2401/12/news121.html
次なる疑問?
街を歩くと道路に
マンホールが 飛び出ているのです
地面が隆起したにしても
なぜマンホールだけ?
地震になっても
飛び出ないマンホールが開発できれば
道路の復興が容易に進み
支援物資も迅速に運べるのに…
調べてみるとすでに先行研究がありました
https://www.gucenter.co.jp/_userdata/guvol5.pdf
疑問の目で
あらゆるものを
見つめてみることが
学びの種です
こんな時だからこそ
視点を広く
明日に備えて
いよいよ明日に迫った共通テスト
現地集合の生徒を除いた12名
朝早くから登校し
みんなで寄り添って直前の勉強会
その後出発式をしました
震災で文房具をなくした生徒らに
瓦礫の下から集めた
なけなしの文房具をプレゼント
歌いたがり校長は
今日も下手な歌で元気づけです
「負けないこと
投げ出さないこと
逃げ出さないこと
信じ抜くこと」
共通テスト前には
毎年決まって同じ話をしています
ソフトボールのナショナルチームの
メンタルトレーニングの話です
北京オリンピックに向かう前々日
宇津木妙子監督が
選手に伝えます
「明日は練習をオフにする
これまでお世話になった人に
挨拶に行きなさい
それが出発前の
最後のメンタルトレーニング」
エースの上野由岐子投手は
絶体絶命のピンチになったとき
このメントレのことを思い出し
自分はひとりじゃない
不思議な力が湧いてきたといいます
そして見事に金メダルを獲得するのです
このことは感謝の心の大切さを伝えています
あなたがお世話になった人は誰ですか?
家族?先生?あるいは?
ちなみに上野投手は
中学校の時にお世話になった
ソフトボールの顧問の先生の
お墓参りに行ったそうです
この話は昔「深イイ話」で聞いたもので
その後何度も話しているうちに勝手に脚色して
実話とは異なるものになっているかもしれません
みんなで試験会場の下見をしました
輪島高校の会場は金沢学院大学
ずっと前から利用させていただいています
快適な控室、わかりやすい会場図や時間割の掲示
丁寧な対応、本当にありがとうございます
夕食はホテルでご馳走です
避難食から急に豪勢な食事
お腹がびっくりしないといいけど
避難している家族に食べさせたいとの声も
今日はもうひとつイイ話
引率の矢知先生の車のバッテリーが
ホテルに着いた途端ダメになってしまいました
JAFに見てもらったら液がなくなっていて
ここまで走ってきたこと自体奇跡だそう
途中何度か停車したのに
その度にちゃんとかかっていたのです
生徒を送り届けるまではと
なんと責任感のあるバッテリー
責任感ある機械といえばこちらも
倒壊したビルの下敷きになっても
住民の安全を
見守り続けています
今日の感染症
コロナ19名
インフル2名
腸炎4名
いよいよ明日出発!
1月13日(土)から
いよいよ大学入試共通テストが始まります
毎年輪島高校では
大型バスで全員一緒に向かうことになっています
会場のある金沢市まで100km以上
車で2時間以上かかるからです
明日の朝出発しホテルに3泊します
ところが明日の朝学校まで来れない生徒が…
道路が分断されて車が通れない生徒です
今日、教員がその生徒を
迂回路を通って学校まで連れてきました
彼は今晩は学校に泊まります
教員も何人か泊まりこんで
寄り添ってくれてます
みんなで食事の一コマです
今日も自衛隊の炊き出しがありました
なんだか少しずつ贅沢になってきます
本当にありがたいです
「Humanity First」の方々も
初日からずっと車中泊で
炊き出しをしてくださっています
この方々はイスラム教信者による支援団体です
阪神淡路大震災や東日本大震災の際も
ずっと炊き出しをされていたそうで
「この顔だからどこでも最初は
日本人は怖がって寄って来ないんですよ」
と初日に笑って話してくださいました
自分もやはりイスラム過激派を想像し
ヒゲを見るだけで身構えてしまうのですが
とんでもない偏見であったと
自分を恥じています
日本人以上に日本を愛してくれて
被災者一人ひとりに優しく声をかけ
自分を犠牲にすることを厭わず
尽くしてくださっています
先生方も一生懸命です
使える部屋に突貫工事で作り上げた
臨時職員室で
生徒への連絡に大わらわ
自分たちも被災しているのに
頼もしい先生方です
陸路が使えないため
輪島市では
金沢まで二次避難をする
船を出す予定でしたが
荒天のため延期となったそうです
花開け!復活の胡蝶蘭!
11日目の朝です
震災後、初めて夜中に目が覚めずに
朝を迎えました
みなさんまだおやすみです
時間ができたので
横倒しになったままだった
胡蝶蘭の植え替えをしました
本校は昨年10月に
創立100周年式典を催し
その際にいただいたものです
傷だらけの葉っぱに砂埃が…
丁寧に拭いてあげると
確かな息吹が感じられます
こんな状況の中でも
しっかりと根を張ろうとしています
マラソンランナーの高橋尚子さんは
「花が咲かない冬の日は
下へ下へと根を伸ばせ」
とおっしゃっています
よく見ると小さな芽吹きが見られます
「新しい芽吹きは幹からではなく
必ず枝の先端から始まるんだよ
だから世界から見ると辺境の地日本
そのさいはての能登半島に住む君たちは
世界の新しい芽吹きになるんだよ
半島の最先端から
目指せ世界の最先端」
コロナ禍の時に
生徒に語りかけた言葉を思い出しました
この胡蝶蘭再び花を咲かせる日が来るのか
101年目の復活のシンボルとして
大切に育てようと思います
今日の感染状況
コロナ20
インフル1
腸炎3
今日もいろんな人にありがとう
10日目が終わろうとしています
さっきから不気味な余震が続いています
今日も、受験生が学校にやって来て
大坪教頭先生の英語リスニング対策講座を
受けました
少しでも力をつけるよう
教員全員でバックアップしていきます
本校だけではなく
石川県の多くの教員のみなさんが
学校の垣根を越えて応援してくださっています
噂では金沢地区の若い先生方が
能登の受験生のために文房具やおやつを
準備してくださっているのだとか
中心となっているのは
金沢泉丘高校の山越康裕先生と塩田高基先生
おふたりとも飯田高校が初任校で
この現状に心を痛めているのだそうです
お昼には自衛隊の方による
温かいご飯と味噌汁の配給です
震災後初めての温かい白米です
これから被災後の報告書やらなんやらで
きっと必要になるんだろうなと
写真の整理を始めました
10日間でかなりの数になりました
すると
被災前にSNSで見つけて思わずスクショした
心に残る言葉があったので紹介します
「流されて辿り着いた先で
めちゃくちゃ頑張ればいいのよ
それが
自分の居場所じゃないかもしれない
と思ったとしても
与えられたことを必死にやるのよ
そうすると知らない扉が開くの
そこに新しい出会いがあって
どんどん違うステージに行く
その繰り返しよ」
自分が尊敬する
マツコ・デラックスさんの言葉です
なんだか今を暗示しているようです
今、いろんなところへ流されて
知らない場所に辿り着いた生徒がおおぜいいます
他地区に移り住んで転校を希望する生徒もいます
反面、道路が寸断されて未だ身動きさえできない生徒もいます
高校受験先を再考し始めた中三生も
それぞれの生徒がそれぞれの場所で
自分の学びたいことを
思う存分学べるようなシステム作りが
今与えられた使命です
受験生の学びはもちろん
1、2年生の今後の学びの保障についても
現在、教育委員会と連携をとりながら
急ピッチで進めています
明日の朝は氷点下になるそうです
どうか暖かくしておやすみください
励ましメール
生徒のみなさん
多くの方がみんなのことを見守ってくださって
応援してくださっています
愛知県でフリーランス・ライターをしていらっしゃる
福永文子さんからメッセージが届きましたので
シェアしますね
3年生の皆さんは週末からの共通テスト、そして大学受験と、未来を決める大事な時期だと思います。
皆さんは目の前やご家族、家の大変さでなかなか受験に集中できるような心境ではないかもしれません。
でも、だからこそ、皆さんの未来に視線をぐっと、広げてください。
受験に真摯に臨むことで、必ず皆さんの未来が切り開かれます。
あの地震を生き残った皆さんならば、やりたいこと、できることを必ず実現できます。
もちろん、もう進路が決まっている皆さんも同じです。
ご自分の命と周りの人たちの命を大切にして、進むべき道をしっかりとかき分けて歩んでください。
奇跡の医療チームDMAT
10日目の朝です
本校には市内の全ての避難所から
体調不良の方を一カ所にまとめ
集中的にケアする棟を設けています
DMATを中心とした
専門医、看護師、保健師など
専門スタッフが協力しあって運営しています
罹患していないの被災者の方や
ボランティアの方々とは
一切接触しない完璧な動線を確保しています
現在の収容者数は
コロナ16名
インフルエンザ1名
胃腸炎(ノロではない)3名
この劣悪な環境の中
これだけの人数で収まっているのは
奇跡といっていいと思います
昨晩も2名の看護師さんが
泊まり込みで看護にあたってくださっています
一睡もできていないみたいで
疲れもピークにきているようですが
「みなさん大変だから・・・」と
笑顔で対応してくださっています
昔の戦友より
このブログ
多くの方が読んでくださっているみたいで
たくさんの激励のお言葉をいただいています
本当に大きな力となります
やすらぎ小松にお勤めの桐生裕三先生が
石川県出身の哲学者である
西田幾多郎先生の言葉を送ってくださいました
「非常時なればなるほど
我々は一面において落ち着いて
深く遠く考えねばならぬと思う」
桐生先生とは昔、甲子園を賭けて戦った仲です
当時、後にドラフト1位でプロに入団する投手を擁するうちのチームを
1回戦で0-1で破った監督です
勝負師、桐生監督らしいお言葉です
生きていてよかった!
今日は本来なら始業式の日
本当は来れる生徒がひとりでもふたりでも
始業式を決行するつもりではいたのですが
校舎の安全が保証できない限り
やはり生徒を集めるのはためらわれます
でも、ひとりで頑張っている受験生に
友達の顔を見て安心してもらいたくて
ひとりじゃないって思ってもらいたくて
顔を合わせる場面を設定しました
本校から今年共通テストを受けるのは38名
このうち、
住むところを失い親戚を頼って輪島を離れた生徒や
今だに道路が分断されていて出てこれない生徒がいたりして
今日集まったのは13名でした
2週間ぶりに逢う生徒を前にして
あれも言おうこれも言おうと
たくさん準備していたのですが
顔を見た瞬間、結局出た言葉は
「よう生きとったな!」
それだけ…
でも生徒の目は輝いていました
きっと大丈夫
確信しました
みんなで「愛は勝つ」を歌いました
昨年暮れ、惜しくも亡くなった
KANさんが遺したこの曲は
東日本大震災の際に
チャリティソングとして
多くの人の心を打ちました
そしてなんと、本校進路指導主事の
矢知先生が受験生の時の曲なのです
これを歌おうと思いたったのは昨夜
今朝早く、件の「奇跡の一軒家」に忍び込んで
タンスの下敷きになっていた
思い出のギターを引っ張り出して来ました
それから共通テストについての話をしました
聞いてみると
文房具もない生徒がほとんどだったので
職員室や進路指導室の瓦礫の下から
ありったけの鉛筆や消しゴムを拾い集めました
輪島高校は
共通テストの会場がある金沢市まで
車で2時間
毎年バスをチャーターし
ホテルもみんなで予約して
団体受験をしています
こんな状況ではありますが
今年も予定通り行きます
道路状況が悪く
普段の2〜3倍の時間がかかりますが
「緊急車両用通行許可証」を
県教育委員会がもらってくれました
これでスムーズに通れます
いろんな方が応援してくださっています
ありがたい限りです
力を発揮することが
全ての人への恩返しです
今日という一日は・・・
8日目も終わろうとしています
バタバタしていた割に
何をしたかと考えると???
調理室に忍び込み
奇跡的に無傷の電子レンジを数台発掘しました
少しでも温かいものを食べていただこうと
さっそく各フロアに設置しました
なんだかとってもいいことをした気分
と、ひとり悦に入っていると突然バチッ
一斉に使用したため
ブレーカーが落ちたようです
泣く泣く引き上げました
みんなを期待させてごめんなさい
ブレーカーを入れ直すため
自衛隊が駐屯している体育館に潜入
目の前に映画のような光景が広がります
グラウンドにも多くの重機が…
自分が高校生時代野球の練習をしていた
グラウンドがこんな姿になるとは…
震災前はこんな感じでした
グラウンド全体にうっすらと
氷が張った早朝のグラウンドです
今日も炊き出しをしていただきました
うっすら雪化粧の中
あったかいご馳走が嬉しいです
昨日お世話になった「Japan 元気塾」さん
今日は帰途についていたのですが
途中積雪のための倒木による通行止めで
ふたたび戻って来て
今日もうどんをご馳走してくださいました
よくよく見ると
味付けがちゃんと関西風
やはり地方によって
変えていらっしゃるのでしょう
細やかな心配りに感心しきりです
同じく昨日からお世話になっている
「Humanity First」さん
パキスタンやモンゴルの連合軍です
今日はキーマカレーをご馳走してくださいました
今日新たに加わったのは
大宮で天ぷら屋を営む「周平」さん
天丼をこしらえてくださいました
初めて炊き出しを行ったそうで
15時間もかけてお越しくださったんだとか
深夜になると
感染症病棟に段ボールベッドが
運び込まれます
市の職員や保健師さんたちで
必死の組み立てです
とにかく今日も一日が終わります
いろいろ走り回ってクタクタです
今日という日は自分にとっては
ただの一日だったけど
瓦礫の下で亡くなった方にとっては
どうしても生きたいと願った
一日だったんだろうなと思うと
この疲れこそが生きている証で
なんだか尊く感じます
明日は久しぶりに生徒に逢えます
「おこらいえ」って何?
8日目の朝です
外はすっぽり雪に覆われています
除雪が必要なほどの積雪はなく
ひとまずほっとしています
生徒を元気づけようと続けているこのコラム
他にも多くの方に見ていただいているようで
温かい励ましのメールなんかもいただいています
本当にありがとうございます
タイトルの「おこらいえ」について
どこかフランス語の響きにも似たこの言葉
これは輪島の「あまさん」の言葉です
意味は第1回のコラムを見てください
輪島の「あま」は
前田のお殿様(利家公?)から
特別に武士の称号を与えられた特権階級です
ですので多くの「あまさん」が住む町は
「海女町」ではなく「海士町」と書きます
現在避難所にも多くの方が身を寄せています
「じょー、おこらいえ」
「なだ、なにか」
など「海士町」の言葉が飛び交っています
輪島の「海士町」はとてもパワフルな町です
「おどらんな、じしんぐれえ、なしたちゃか!」
(てやんでえ、地震ぐらい、くそくらえだ…みたいな意)
とっても元気をもらいます
自分は誰のために何ができるのか
震災から7日目
全国から続々支援の手が
今日、本校に来てくださったのは
宇都宮からの「Japan 元気塾」さん
愛知からの「Humanity First」さんです
「Japan 元気塾」さんは
子どもたちの未来を創るための
社会貢献活動をしていらっしゃる団体で
今回は被災者の皆さんに
温かいうどんとおいしいお漬物を
振る舞ってくださいました
「Humanity First」さんは
英国に本部がある国際NGOで
東日本大震災など多くの支援を続けておられ
今回は温かいチャイ(紅茶)と
スパイシーな豆カレーを
ご馳走してくださいました
本来明後日から学校が始まるはずでしたが
校舎の安全が確保されないので
生徒を登校させる訳には行かず
学校再開の目処が立っていません
本校校舎は
1、2年生が学ぶ1号棟と
3年生が学ぶ3号棟があり
それを職員室のある2号棟が繋いでいます
今回の地震で2号棟が他の2つの棟から断裂し
斜めになり倒壊の恐れがあります
(避難民は1号棟に、感染対策棟は3号等にあり安全です)
生徒には次のようにメールで呼びかけました
避難所の様子をしっかり観察してください
誰がどのように動いているのか?
そしてしっかり考えてください
自分は誰かのために何ができるのか?
机の上で学ぶことだけが勉強ではありません
ボロボロになった自分の生まれた街から
決して目を逸らさないでください
大谷翔平選手が今回の震災に対して
100万ドルの寄付をしてくださいました
大谷選手は16歳の時に
東日本大震災で被災しています
当時一緒にプレイしていたチームメイトの中には
大切な家族を失った方もいるそうです
昨年全国の小学生に配られたグローブ
自分の記憶では
石川県の分は確かまだ各校には配られてないはず
だとすれば県のファインプレイ
これから被災した小学生に配られるグローブは
大きな勇気を与えてくれることでしょう
昨年3月11日に
WBCでチェコ戦に登板した佐々木朗希選手は
小学校3年生の時に同じく東日本日本大震災で
大切なお父さま、おじいさん、おばあさんを亡くしています
「つらさや悲しみは消えないけれど
たくさんの人たちに支えられて野球に打ち込めた」
と語っています
羽生結弦選手も
16歳の時に東日本大震災を経験し
避難所生活を余儀なくされています
自叙伝『蒼い炎』の中で
「今でも目を閉じるとたくさんのことを思い出す」
と語っています
つらい思いをしたからこそ
そしてそれを乗り越えたからこその
世界に羽ばたく強さと
そして優しさを兼ね備えた
素晴らしい3人のトップアスリートです
こんなに素晴らしい先輩たちがいるのだから
君たちにもきっとできる
そう信じています
今日
これまで連絡の取れなかった
最後の一人の女生徒が
学校に顔を見せてくれました
お正月を祖父母の家で過ごし
そのまま被災、道路の分断により
電波の届かない場所に
取り残されていたのだそうです
今日は5キロ以上の道を
瓦礫の山を越えて
歩いて脱出してきました
残してきた祖父母に
ヘリコプターで物資を届けて欲しいと
語っていました
これを書いている今、夜中の10時
不気味な余震が何度となく襲ってきます
自宅にいるのが怖くなって
新たに避難所に来るお年寄りを迎えます
遠くで叫び声が聞こえます
幻聴か?でも確かに…
亡くなった方の心の叫びか?
怖くなります
おそらくこの時間になっても
捜索を続けている方の声なのでしょう
今朝、124時間ぶりに救出された方の
新聞記事がありました
普通72時間が限界と言われているのに
一人でも多くの方の命を助け出そうと
諦めずに頑張っている捜索隊の方々に
感謝の思いでいっぱいです
被災地が必要とするもの
地震から6日目
まだまだ震度5クラスの余震が襲ってきます
地震の前には不気味な地鳴りも
一睡もできなかった今朝も
トイレの水漏れ騒動から始まりました
懸命に雑巾で拭いていると
一緒に拭いてくださる方が…
見ると昔の教え子や
今の生徒のおかあさん
人の緣を感じます
人の緣といえば
支援の輪もどんどん大きくなってきています
直接持って来られる方や
メールで何が欲しいか聞いてくださる方
その方々には
ブログでおねだりしますと答えたので
震災後に欲しくなるものリストです
第1〜2日目
「水と毛布と懐中電灯、あればモバイルバッテリー」
空腹は感じません とにかく水
あと寒さがこたえました
夜の暗闇は異常に怖いです
配給が届くまでの2日間
最低これがあれば生き延びれる
これらは自分で準備すべきものですね
あとコンタクトの洗浄液がなくて
困っている人に貸してあげたら
ほとんどなくなってしまいました
第3〜4日目
「パンとラジオとゴミ袋、簡易トイレと甘い飲み物」
ようやくお腹が空きはじめます
何かを口に入れるとその結果として…
あと嬉しかったのが
NHKさんがくださったラジオでした
生活によるゴミが溜まり始めるのがこの頃
第5〜6日目
「パンツ靴下おせんべい、水の要らないシャンプー」
着の身着のまま逃げ出して
ずっと同じ服と下着
特に靴下を変えたいです
衣料が欲しくなるこの時期
せめて衣類の消臭剤があれば…
自分の身の回りでは
おせんべいがあっという間に
なくなりました
塩分を欲する頃なのでしょうか
今回うちの避難所に限っていえば
食料が圧倒的に不足しています
以上、あくまで個人的なランキングです
日によって必要なものは変わってきます
今でも瓦礫の下敷きになっている方も
いらっしゃる中贅沢は言えません
夕方から慌ただしい動きが
感染症対策室が設置されました
そういえば感染症が広がるのが
この時期なんですね
マスクも必要になってきます
電気が戻りました
地震から5日目
ついに電気が灯りました
本当は3日に点くはずだったのですが
北陸電力さん
電気保安協会さん
電気商会さん
それぞれの持ち場全てで
不具合があったそうです
順番に直してようやく本日復旧
本当にたくさんの人のおかげで
普通の生活が守られているんだなと
改めて感激です
電気ってこんなに明るかったんだ
まったりしていると
突然生物実験室からガス検知器の音が…
駆けつけてみると
異臭とともに目に飛び込んできたのは
倒壊した棚と散乱した生物標本
保存びんが割れてホルマリンが床一面に
復旧した検知器が一斉に反応したのでしょう
ホルマリンとはホルムアルデヒドの水溶液で
シックハウス症候群の原因となる
発がん性のある危険物質
ホルムアルデヒドは
メチルアルコールから水素が奪われてできます
アルコールから
水素(ヒドロゲン)が出ていくからアルデヒド
(ちょっと違うけど…)
輪高受験生のみんな
読んでるか?共通テストに出るかも
(私は化学の教員です)
ともあれ
これから入って来る避難民を
シックハウス症候群にする訳にはいきません
さっそく除染作業の開始です
水で薄めながら雑巾に吸い取らせます
手につくと手がホルマリン標本になるので
慎重に慎重に
ガラス瓶の破片を除けると
大の苦手のヒキガエル!
突然蘇ったらどうしようと
恐る恐るつまみ出します
次亜塩素酸で消毒して完了
検知器の警報音も鳴り止み一安心
午後3時過ぎから
避難民の受け入れが始まります
避難先は1、2年生教室と格技場
避難生活の疲れからかかなりイライラした方も
受付係はお医者さんと看護師さん
本来業務外に駆り出されているのに
クレーム対応までしなければならないなんて
なんだか教員の働き方みたい
協力してなんとかイライラをおさめます
中には「ご苦労様」と
優しい言葉をかけてくださる方も
なんやかんやで受け入れ完了が午前0時
長い一日だったな
毛布にくるまりこのコラムを書きながら
ウトウト…
「火事です!」突然火災報知器が…
数日前の恐怖が頭をよぎります
慌てて飛び起きて確認すると
火元は格技場
駆けつけてみると
みなさん何事もなかったかのようにスヤスヤ???
それでも報知器が鳴り止みません
消防署に通報して来て見てもらいました
原因は
ジェットヒーターによる格技場の温まりすぎ
外気温との差によって作動する報知器が
どうやら誤作動したようです
どうりで小さいお子さんが
毛布を蹴散らして寝ている訳です
一酸化炭素中毒も心配です
換気もすませて午前3時
キャー
今度は仮設トイレで悲鳴が…
駆けつけてみると
便器の外にでっかい「う◯こ」
ホルマリンの次は「う◯こ」の除染です
除染完了午前4時
少しでも休もうと横になっても眠れません
コラムでも書いていれば
そのうち眠くなるかなと思い
このコラムを書いていると
空が明るくなってきました
おはようございます
避難生活6日目の朝です
避難所開設に向けて
輪島高校を避難所として開設するため
教頭先生と2日から泊まり込みで
準備を進めています
昼間には何人もの先生やOB、OGが
手伝いをしてくれています
いろんな方に助けていただいています
各地の自衛隊の方々が
続々グラウンドに集まって来ます
頼もしい限りです
背景の傾いたビルが
震災の激しさを物語っています
なんでも終戦の翌日には
もう郵便が届いていたそうで
日本って国は本当に素晴らしい
街を歩いてみると
トルコから炊き出しのボランティアが
日本だけじゃなく
世界から支援の手が差し伸べられています
オンラインで生徒の安否を確認していますが
電波事情が悪いようで
3分の1しか回答が得られません
そこで教頭先生に避難所を回ってもらいました
すると前期の生徒会会長が
ほとんどの生徒の安否を把握していて
その実行力と生きる力に感心しました
彼は昨年、本校の100周年記念式典で
生徒代表挨拶を務めた生徒です
あまりに堂々とした挨拶に感動した校長は
「虎の涙」という限定販売の焼酎を
「二十歳になったら呑めよ」と
阪神ファンの彼に送ったのでした
その焼酎、震災で割れていないといいけど
昼になると「先生食べてー」と
生徒が食パンを持って来てくれました
スーパーで配ってくれるものを集めて
いろんな人に
配って歩いているんだそうです
本当は自分たちだって
お腹すいてるんだろうけど
ありがたくいただきました
ほとんど飲まず食わずだったので
心にしみました
ハクにもらったおむすびを頬張る
千尋の気持ちがわかるような
陽が沈むとあたりは真っ暗です
余震が起こるたびに怖くなるけど
その代わり星がとても綺麗です
「星が綺麗ですね」と語りかけたときの
最も悲しくなる返事は「星は綺麗ですね」
最もときめくのは「今なら手が届くかもしれませんよ」
これって何のオマージュかわかりますか?
国語が好きな人ならわかりますね
大好きな国語の授業を受けれる日が
一日でも早く訪れますように
令和6年度 志願者心得
輪島高校への進学を希望している
中学生のみなさん
大変な今だからこそ
未来をしっかりと見据えて
希望を失わずできることから
一歩ずつ着実にやっていきましょう
本日は高校入試の志願者心得を
お届けする日だったのですが
学校にはまだ電気が届いていないので
どうすることもできません
そこでとりあえず写真で見ていただきます
見にくくてごめんなさい
電気が復旧次第正式なもの
および定時制のものをアップしますね
4月にみなさんをお迎えできるよう
全力で準備していきますね
みなさんも負けずに頑張りましょう
奇跡の一軒家
焼け野原となった街を見に行きました
あちこちでまだ煙がくすぶっています
一面燃え尽くされた隅っこに
我が家だけポツンと残っていました
東日本大震災の時の
「奇跡の一本松」を思い出します
新聞等で報道されている写真には
写ることのない本当の端っこです
でも焼け残ったのは
実は奇跡でもなんでもないのです
こんな大火災になった時は
街区の端っこの家に
とにかく水をかけて
なんとかそこで延焼を
食い止めるのだそうです
確かに道を隔てた先には
炎が燃え広がった跡が
見られませんでした
街の全滅から守ってくださった
消防の方々のお力に
心から感謝申し上げます
我が家は
水浸しになりながら
なんとかここで炎を食い止めようと
必死で持ちこたえていました
そう思うと
自分もしっかりしないと
生徒のために何ができるか考えないと
力が湧いてきます
家の中に入ってみました
水をたっぷり吸った床を踏むと
ふにゃふにゃでした
到底住むことはできないので
いずれ取り壊されます
「本当によくやった」
褒めてやりたいです
新婚旅行の思い出の
コアラのぬいぐるみだけ
持ち出して来ました
始業式で話そうと思っていたこと
1月9日に始業式を行うことができるのか
できたとしても全員揃うのは
難しいだろうから
始業式で話そうと思っていたこと
ここに記します
今日はたしか箱根駅伝の復路の日
それどころではない輪島市では
どこの第六走がトップで箱根の山を下るのか
確認しようもありませんが…
箱根駅伝は1920年に始まって
今年で第100回
1923年に創立した本校も
今年創立100周年
あれあれ?
3年のずれが?
そう
箱根駅伝には
途中3回の中止の歴史があるのです
日本が中国に戦争を仕掛けた昭和14年
東京師範学校(現在の筑波大学)の選手のもとに
召集令状いわゆる赤紙が届きます
召集令状とは
戦士として戦場に赴けという命令であり
受け取った方の中には
君たちとそう年の変わらない方も…
多くの若者が特攻隊として
「靖国で逢おう」を合言葉に
敵艦に体当たりして
若い命を散らしました
靖国神社とは
坂本龍馬や西郷隆盛
この国を作るために
命を落とした方々を祀った神社で
戦争で亡くなったら英霊として
その神に招かれると
信じられていたのです
山下りを得意としていた彼は
第六走つまり2日目の第一走を
走ることになっていました
ところが召集令状の命令は
まさにその2日目までに
熊本まで来いというもの
自分の夢であった箱根は走りたい
でも軍の命令は絶対
箱根を走るのは不可能に思えますが
ある工夫によって
夢であった箱根を走り切ります
その工夫とは…
どうしても箱根を走りたかった彼は
急きょ第一走と交代し
襷を渡したあとそのまま
熊本行きの列車に飛び乗り
戦地へと赴いていったのだそうです
その出来事の翌昭和15年
箱根駅伝の中止が軍部から申し渡されます
ここは戦争に必要な物資を運ぶ重要な道である
兵隊さんがお国のために戦っているときに
そこを走るとは何事か
結局昭和17年までの3年間
箱根駅伝は開催されませんでした
ところが箱根を走りたいという選手の熱意が
昭和18 年ついに軍部を動かします
戦禍が激しくなって来ている中
そんなことは不可能に思えますが
大会の運営方法に工夫を加えることで
箱根駅伝が復活します
その工夫とは
スタート地点とゴール地点を
靖国神社に変更したのです
我々はお国のために走るのです
靖国を飛び立ち
そして靖国へと帰って行くのです
そう軍部を説き伏せたそうです
どんなに困難な場面であっても
工夫次第で道は拓ける
箱根駅伝にまつわるふたつの話は
このことを教えてくれています
今輪島市は復興に向けて歩き始めました
道のりは遥か遠いけれど
工夫を重ね歩んでいきましょう
立ち上がれ!輪高
今、石川県は大変な状況になっています
とりわけ輪島市は地震による倒壊に加え
大火災によって
住む場所を失った生徒がほとんどです
1月2日(火)震災後初めて学校に入りました
あまりの酷さに絶句
私は教師として真の教育とは何か
常に問い続けて来ました
ある時ある先生の教育実践に出会い
その時から
これが真の教育であり
教育の原点だと思うようになりました
それ以来そうありたいと思い
これまでの教員生活を送って来ました
これは心の中に思い続けるものであり
決して退職するまで
他人に話すことはないだろうと
思っていたものなのですが
その先生の教育実践とは
お名前までは覚えていませんが
戦後の焼け野原で子供達を集め
何にもない広場で
教科書もノートも使わずに
どんな時も学ぶことを止めてはならない
そう語りかけ
子供たちに希望を与え続けた先生の
エピソードです
教師がチョーク一本で
語りながら板書し続けて
生徒はひたすらそれを書き写す
そんな授業スタイルを
「チョーク&トーク」といって
昭和を代表する時代遅れな教育と
最近では揶揄されることも多いのですが
ICT機器など最新の教育機器が
使えないような状況になったとしても
チョーク一本で
どれだけ子供達を惹きつけ
希望を持たせる授業ができるのか
これこそが
「チョーク&トーク」の真髄だと思います
このことを常に考えて
自分の授業を磨き続けてきたつもりです
輪島市は今
ウクライナの戦場の様相を呈しています
でもそんな中でも
決して学ぶことを止めてはならない
それを生徒たちに伝えたい
強く強く心の底からそう思います
一日も早い学校の再開を目指します
どんな状況からでも
輪高は立ち上がります
生徒のみなさんは
学校再開のその日まで
自分で学び続けていてください
「WAJI活」発表会です
2年生が取り組んできた探究活動
「WAJI活」の発表会です
予選を経て選ばれた5組が発表です
寺下さんは
「輪島の防犯対策」
防犯に関するWEBサイトを
作成中だそうです
村田さんは
「冬にアイスが食べたくなる理由」
日本が世界に誇る
バラエティー豊かなアイスを紹介しました
簏さん、坂下さん、升井さん、干場さんは
「輪島でイベントしよう」
場所探しのため実際に交渉した様子や
イベントのアイデアを紹介してくれました
新本さん、浅見さん、石山さんは
「輪島で昆虫食」
コオロギ食のメリットデメリット
コオロギ食を実際に作って試食するそうです
橋本さんは
「味の感じ方の違い」
苦手な食べ物を克服する方法を
科学的に考察しました
輪島市高校魅力化スタッフの皆さんにも
お越しいただき質問や助言をいただきました
それぞれに工夫を凝らした研究と
堂々とした発表でした
2学期成績赤点続出のわけ
2学期の保護者懇談が始まります
その際、成績表をお渡しします
今回、2年生の「公共」で赤点続出です
そこに込められた学校の意図を説明します
「公共」とは
現代の諸課題を
追及したり解決したりする活動を通して
平和で民主的な社会の形成者としての資質を
育成することを目指す科目です
いわば、未来を生きる若者にとって
今回の教育改革の内容を
最も踏まえるべき科目なのです
① 最初のメッセージ
「定期テストだけで成績は決まらない」
今年度より中間テストをなくしました
1学期の期末テストで得点できなくても
普段の提出物や小テストなどを加味し
ほとんど赤点をつけませんでした
ただ、提出物の内容を見ると
他者の考えをコピーしただけのものが多く
課題を残しました
② 続くメッセージ
「授業で学んだことをもとに考察する力」
2学期の期末テストでは
パソコンと授業プリント持ち込み可とし
紛争やコロナ対策など
現実に起こっている問題に対して
解決に向けた取り組みを考察させました
ただそれでは
生成型AIに回答させる恐れもあるため
授業で学んだことを踏まえないと
AIに質問できない工夫をしました
普段の授業に対する取り組みも
同時に評価できるテストにしたため
2学期はテストの比重を高く評価しました
その結果、赤点の生徒が多くなっています
今回のテストの前後で
生徒の授業に対する取り組みに
変化が見られるようになりました
これまでノートをとらなかった生徒が
ノートをとるようになりました
ノートをとっていた生徒も
ただ書くだけでなく
重要な視点や考え方のポイントなど
自らの考えを記述するようになりました
輪島高校では
成績表を
生徒に優劣をつけるツールではなく
生徒が自らの立ち位置を確認し
次の成長に向けた指針となるもの
と捉えています
今回赤点がつかなかった生徒は
新しい時代に求められる学力が
身についてきていると
ぜひ自信を持ってください
今回の赤点は
あくまでプロセスを評価したものです
評価の観点が変わったことも
改めて生徒に説明し指導してまいります
保護者のみなさまには
以上の点をご理解いただき
見守りくださいますよう
お願いいたします
将来に備えるお金の話
12月21日(木)
1年生の家庭科の授業で
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社より
岡元慶介氏をお招きし
「投資」に関する特別授業を実施しました
株式体験ゲームでは
ひとり10万円を元手に
ゲーム会社の株式を売買しました
株価の上下に生徒は一喜一憂し
歓声を上げる生徒もいました
中には4年後に20万円以上に
資産を増やした生徒もいました
投資は決してギャンブルではなく
情報と予測でリスクを下げることができること
そのためには社会の動きに
目を配ることが必要であることを学びました
女子高校生の可能性を開く
女子高校生と理系女性企業人が
オンラインで進路について語り合う
「理系ブロッサム」が
三菱みらい育成財団主催で
12月16日(土)に行われ
本校から1年生女子3名が参加しました
全国から200人近くが参加したこのセミナーでは
理系女性企業人の実際の仕事や働き方について話を聴き
理系の価値や魅力を再発見し
進路選択や将来に役立つ情報を得ることができました
女子は文系、男子は理系というイメージを持ちがちで
実際に理系科目の成績を比較すると
確かに日本では男子の方が高いです
ただしこれは男女の脳の性差によるものではないことが
最近の研究でわかってきています
実際に女子の方が理科数学の成績が良い国があります
フィンランド、スイス、デンマーク、スウェーデンなど
これらの国にある特徴があるのに気づきますか?
女子カーリングのランキングとほぼ一致するのです
カーリングといえば氷上のチェスと呼ばれるように
理系の頭脳が求められる競技です
とすれば
国際ランキング上位の日本女性は
充分に優秀な理系センスを持ち合わせているはずです
世界に羽ばたく女性研究者が育ってくれることを願います
学びウィーク便り vol.4
学びウィークの3日目
学びの心に火をつけるさまざまな取り組みを実施しています
1年生全員を対象に
がん教育に関する授業です
実際に早期発見により白血病を克服された
和田真由美さんを能美市からお招きし
その体験と
がん検診受診の大切さをお話していただきました
輪島市のがん罹患率の高さと
がん検診受診率の低さを学びました
その上で
大切な人にガン検診を知ってもらうには
どうすればいいか
グループ内でアイデアの交換を行いました
ぜひご家庭でもがん検診の重要性について
話し合ってみてください
学びウィーク便り vol.3
学びウィークの3日目
学びの心に火をつけるさまざまな取り組みを実施しています
大学入試共通テストにおける教科「情報」対策です
現在の高校2年生より
共通テストに教科「情報」が課せられます
初めての経験で全てが手探りの中
講師としてMAZDA Incredible Laboの
松田孝氏をお招きし特別講座を実施しました
講座では特に差がつくと予想される
プログラミングの領域について
実際の問題に挑戦してみました
学びウィーク便り vol.2
学びウィークの1日目
学びの心に火をつけるさまざまな取り組みを実施しています
司書の山下先生による読み聞かせと
読書の大切さを伝える講座です
ビジネスコースの1年生が対象です
進路ガイダンスです
大学、短大、専門学校29校を招きました
普通コースの1、2年生は
希望する学校3校のブースを周って
説明を受けました
ビジネスコースの1、2年生は
働き方に関するワークショップです
大学教授を招いてのハイレベル数学講座です
微分積分がどのように実社会に結びついているのか
発電との関係を中心に学びました
1、2年生の希望者を対象に行いました
予想を上回る29人の生徒が参加しました
外部からの一般参加者も4名加わりました
学びウィーク便り vol.1
明日より今年度3回目の「学びウィーク」が始まります
これは今年度より実施している学び方を学ぶための取り組みで
学びの心に火をつけるようなさまざまなしかけをしています
これまでに実施した2回では
「学びウィーク」後の家庭学習時間が伸びている
という結果が出ています
今回の初日である12日(火)は
3~4限に、1・2年生全員を対象に進路ガイダンスを行います
北陸地方の大学、短大、専門学校29校を招き
学校説明と質疑応答を行います
保護者のみなさまも参加できますのでぜひお越しください
詳しくはこちらをごらん下さい
午後には
ビジネスコース1、2年生には検定合格に向けた特別講座を
普通コース1年生には、英語のパフォーマンステストを
また、普通コース1、2年生の希望者を対象に
大学教授を招いて微分積分特別講義を行います
3年生は
大学入学共通テストを受験する生徒へはマーク演習
その他の生徒は放課となりますので
自動車学校へ行くこともできます
全国の、世界の高校生とともに Vol.3
輪島市高校魅力化プロジェクトでは
地域課題探究×国際交流プログラム
に取り組んでいます
オンラインを利用し
問題を発見する力
問題を解決する力
を高める取り組みです
3回目の今日は
地域の課題を解決するアイディア出し
3人の1年生が参加しました
「四則演算アイディア発送法」
を学びました
機能を追加すると?(足し算)
機能を減らすと?(引き算)
別の何かと掛け合わせると?(掛け算)
何かの機能を取り除くと?(割り算)
高校生が使えるワーキングスペースが欲しい!
という地域課題について
3人でアイデアを出し合いました
1年生の学年集会
1年生普通コース集会で
次の話をしました
模擬試験の結果が返ってきました
上位層の生徒が頑張ってさらに上がりました
ただ中位層の生徒が下がっています
国数英の基礎学力が必要です
冬休みから1ヶ月間
学年を上げて学力強化月間とします
課題をしっかりこなしましょう
数学では二次関数と三角比を
英語では長文読解を強化します
来週から今年3回目の学びウイークが始まります
個人の頑張りが学年の雰囲気を作ります
高校生になれているかチェックをしました
⬜︎Chromebookでは隙あらばゲームをする
⬜︎考査の復習はしない
⬜︎歯磨きは集団で10分以上かけて行う
など7項目
1つでも当てはまれば
まだ高校生にはなれていません
高校卒業後の進路は一人ひとりです
今大学進学を考えていない人もいるでしょう
でも3年生で突然進学したくなる人
今まで何人もいました
あなたは行きたくないかもしれないけれど
行きたい人も確実にいるのです
その人たちに気を配った
生活態度が求められます
昭和の大学入試と
令和の大学入試は大きく違います
キーワードは
探究力
読解力
文章力
これらを身につけるのは
3年生になってからでは遅いです
多くの大学入試では小論文が課されます
理由は簡単
これからの時代に求められる力だから
自分の言葉で考えを伝えるを
身につけましょう
輪島高校へいらっしゃい
今日は輪島中学校で
3年生とその保護者の皆さんを対象に
高校説明会をしてきました
高校を卒業した後に必要となる力をテーマに
輪島高校がどのようにその力をつけているのか
1年生の泉豪さんによる発表をメインに
聞いていただきました
泉さんが今年取り組んだテーマは
名探偵コナンくんの映画のシーンを題材に
そのパワーを科学的に考察するものでした
授業で得た知識をもとにして
探究し思考を深めていく過程を見てもらいました
生徒も学ぶ、教員も学ぶ
若手の教員が自主的に研修です
生徒が期末テストで頑張っているこの時期
先生も積極的に学びます
石川県の公立学校では
若手教員養成プロジェクト
通称「若プロ」を各校で行っています
今日は養護教諭の栃木先生から
カウンセリングの基本について学んでいます
生徒に話しやすさを感じてもらう受容
生徒に理解してもらえてると感じさせる共感
生徒一人ひとりに寄り添える教員目指して
真剣に学びました
新しい時代の期末テスト
今日から期末テストが始まりました
2年生の公共の授業では
思考力を評価するため
ひとり1台パソコンを用いてのテストです
授業で身につけた知識に加え
検索能力も含め
実際の判例をもとに
自らの考えをまとめるなど
様々な応用力を測るテストです
基本的な知識については
普段の授業で行っている単元テストで
評価しています