校長室便り
黄色信号の言葉?(11月)
子どもと何かを話している時または子どもに何かを注意した時、子どもの口から「でも」の一言がありませんか? 例えばこんな会話です。
「夜遅くまで、ゲームをやってたらダメじゃない!」
「でも、ぼくだけじゃないもん。みんなやっているから」
この「でも」という言葉がいろんな場面で子どもの口から聞こえるようになると黄色信号です。なぜならば、親や教員などの注意やアドバイス受け入れず、自分のことを正当化するときに使いがちな言葉だからです。
「でも」と言った瞬間に、それまでの話はすべて無になったと思って下さい。その言葉を言った時の心は、自分の行動を反省しないで言い訳をして逃げてしまっているのです。
それでは、「でも」を言いながら育つとどうなるでしょうか。
他人からの話に耳を貸さない子になっているだけではなく、自分の正当性ばかりを主張する人間になっているはずです。そして、「でも」の次に出てくる言葉は「どうせ」です。
「ゲームばかりしないで勉強をしたらどうなの。勉強がわからなくなるわよ。」
「どうせ、もう勉強わからないしやる気がないし、それでいいもん。」
「どうせ」が出てくると人の話を聞かないだけでなく、自分自身を否定して心を閉ざそうとしています。
言い訳もしないけれども他人の話に耳も傾けないのです。そう言いながらも子どもは不安になり迷っている状態なのです。
「でも」とか「どうせ」をよく耳にするようになったらどうしたらよいでしょうか。
はっきり言えることは一方的に叱ってはならないのです。子どもが自己否定をしている状態にさらに追い打ちをかけるのと同じです。子どもの心を無視して叱っても効きません。
「でも」と言う言葉を耳にした時は叱らないで、子どもが自分自身を振り返れるような会話をして下さい。
先月、グリップ力という言葉を学校便りに書きましたが、ただ叱るだけでは子どもの心は離れていくだけなのです。子どもを認めながら褒めながら、しっかりと話を聞くことで子どもとのグリップ力が強くなります。
「でも」とか「どうせ」という言葉を使わせないためには、子どもの何かを認めたり、よい点や得意なことを見つけて褒めることを繰り返すことが大切です。それを続けることで子どもに自信がついて、「でも」とか「どうせ」という否定的な言葉を言わなくなります。
○テレビやゲームの時間を決めて下さい。 どんなに遅くても夜10時までには布団の中へ
グリップ力?!(10月)
グリップ(Grip)とは「握る、つかむ」を意味する言葉です。
自動車のタイヤのグリップ力がなくなるとなかなか車は止まってくれません。また、アクセルを踏んでも空回りをするだけです。エンジンもブレーキはもちろん大切ですが、その性能を生かすためのタイヤのグリップ力を忘れてはなりません。
このようにグリップと聞くとすぐに自動車を思い出しますが、実は学校でも家庭でも目には見えませんがグリップ力があり、大きな影響を与えてるのです。
子どもを怒ったり注意することは車でいえばブレーキですし、ほめることはアクセルにあたります。もし、子どもとの関係においてグリップ力がなかったら、どれだけ大声で注意してもほめても効果はあらわれないのです。
グリップ力とは子どもの心をどれだけつかんでいるかです。グリップ力があると一言の注意ですぐに聞きますし、グリップ力がなかったらどれだけ大声で怒鳴っても顔を横に向けているだけかもしれません。子どもに対してどれだけのグリップ力があるかによって、教育や子育ての影響力が決まると思うのです。
どうしたらグリップ力がつくかは、一人一人の個性も影響しますから一概には言えませんが、少なくとも怒るだけであったり、甘やかすだけであってはどちらもマイナスにしかなりません。
怒るだけや甘やかしすぎは負の連鎖にしか過ぎないからです。そこには教育はありませんし、いつかグリップ力がゼロになる瞬間がやってきます。
学校でも家庭でも子どもを育てることは、グリップ力であることを意識し普段からグリップ力をつけるようにしながら、子どもと接したり見ていくことが重要なのです。
もちろん、学校でも同じように指導し重要視しているものです。
〈学習に関して〉○宿題の他に家庭学習や読書をたくさんさせる。
〈生活に関して〉○決められた時間以降はテレビやゲームをやめてしっかり寝る。
この3つの取り組みは、学校と家庭が歩調を合わせれば決して難しいことではありません。来年の3月までに右肩上がりに教育を向上させていくためには大切な取り組みです。よろしくお願いします。
校 長 高野 勝
学校を支えているのは?!(9月)
夏休み中に、耐震工事にかかる教室移転作業、親子三夜踊り、資源物回収、AED講習会、毎日のプール当番等々、保護者の方々にお願いすることが多々ありました。
いくら学校のためとはいえ、休みの日の作業や平日の当番等は大変だったかと思います。職員一同、心からありがたく思っています。また、保護者の方々の期待に応えたいという気持ちで一杯です。
学校が活力を持ったり、勉強でも生徒指導でもより効果をあげるためには、保護者や地域との協力(信頼)関係が最も大切です。学校と家庭との連携が大事だとよく言われてますが、文書による一方通行だけでは、本当の情報共有も連携もありません。
最も大切なことは、お互いの顔を見て何かを話し合うことだと思います。何かあったときではなく、日常から顔を見て挨拶ができる関係だと思うのです。そうした意味で、鳳至の保護者のみなさんは学校との連携(交流)がよくできていると感じています。保護者の皆さんに何かをお願いしたら、快く引き受けてくれるのはもちろんですが、学校の廊下や運動場、奉仕作業や授業の間などに、教職員と情報交換をしている姿もよく見かけます。
これからも、保護者の方々にいろんなお願いをしたり、情報をお知らせしますので、学校に顔を出したり、学校に対してもいろんな意見をお聞かせください。学校と保護者が車の両輪となることが、よい教育を行う条件だと思います。保護者のみなさん、学校に顔を出して、職員に対して思っていることを気軽に話してください。校長室にも遠慮なく顔を出してください。お待ちしています。
いよいよ2学期が始まります。
1学期は学習を支える基礎的な部分(学習規律や学習習慣)について重点的に取り組み、その形はできたと見ています。9月からは、その基礎の部分を土台として、さらに向上させるための大切な時期ととらえています。現状維持を思ったときから後退が始まっているのです。
さらに向上するために、今の状況に甘んずることなく、守りに入ることなく、子どもたちがよりよくなるためには、何が必要でどんな取り組みをしなければならないか、教職員全体で確認しながら取り組みたいと考えています。現在、学校ではそのことについて検討と協議を行っています。
職員一同、二学期が始まった! さぁやるぞと言う気持ちで行きます!
校 長 高野 勝
頑張った子どもたち
ここ数日、どんよりとした雲に覆われ蒸し暑い日が続いていますが、子どもたちは、そんな天候を気にもせず運動場や体育館で元気にたくましく遊んでいます。来客された方々は一様に運動場に遊ぶ子どもたちの数の多さにまず驚かれます。その次に、あいさつの声で感心しています。
349名の子どもたちを見ていて、一人一人、どの子も頑張った1学期だと思っています。そうした子どもたちの頑張りを心からほめたいと思っています。
その頑張りを一言で表すとすれば、一体感です。一体感は、子ども同士、子どもと教師、教師同士、そして鳳至小学校全体の一体感です。
一体感とは、何か一つの目標に向かってみんなが力を合わせるということです。一体感の中では、子どもも大人も居心地よくパワーが出ます。
授業中の子どもたちの様子(学習規律)は、どの学年も素晴らしいものでした。これは、子どもも教師も学習に向かう一体感があったからだと考えます。子どもたちは勉強をわかるようになろうと一生懸命に授業を受けていたし、教員は理解させたい一心でがんばっていました。
また、金管鼓笛隊はどうだったでしょうか? 素晴らしい演奏をしたいという一体感があるから、辛い練習を続けられたし、当日の暑い天気の中でも最後まで頑張れたと思うのです。
一体感は学習面だけでなく、生徒指導にも関わります。まずバラバラになったら指導も指示も聞かなくなります。また、学校全体も方向性を見失うに違いありません。
そういう意味で、一体感(心と心が繋がっているという気持ち)が学校でも教室でも大きな安心となり、いろいろな点で成果を出してくれたのだと見ています。
明日から、夏休みです。休み中は、計画的に勉強をして、そして事故に気をつけながら思いっきり遊んで、たくさん読書や手伝いをしてほしいと思います。
「現状維持は後退と同じ」という言葉があります。1学期の成果に満足することなく、夏休み明けはさらに充実した学校生活が送れるよう教職員一同、今後も一体感を持って取り組みます。
鳳至小学校 校長 高野 勝 (8月)
すべては「あいさつ」から
朝、駐車場で車から降りて職員室に入るまでに、子どもたちからの「校長先生、おはようございます」の一声が本当に心に元気を与えてくれます。それも一人ではなく何人もの子どもたちからです。
校長だけにするのではなく、教職員全員に子どもたちから「おはようございます」のあいさつをしています。
初めの頃は、こちらから声かけをしてもなかなか返してくれなかったような気がします。
4月から各教室での先生方の取り組みや児童委員会等からの徹底した取り組みや呼びかけにより、少しずついい結果が現れてきたと見ています。鳳至の子はしっかりと自分からあいさつが出来るのです。
先日、休み時間に、後ろから「校長先生、オハ!」と声をかけた高学年の子がいました。「ありがとうな。でも次からはございますもつけてくれよ。」 そう言うと、その子は笑顔を見せながら階段を上がっていきました。
帰りは、校長室の窓越しに「校長先生、さようなら」と声をかけていく子どもが何人もいます。そんな時は、ついうれしくなって窓越しに「気をつけて帰れよ。また明日な!」と声が出ます。
あいさつをするのは礼儀正しさという部分も確かにあるかもしれませんが、それよりもあいさつがすべてのコミュニケーションの始まりだからしてほしいと考えています。
「おはようございます」の一声から、次の言葉が続くのです。何もなかったとしたら、朝や夕方、どこかで会ったとしても言葉だけでなく心も通じないのです。人と人が通り過ぎたに過ぎません。おはようございますの一言が、その人の存在を知らしめるのです。
また、もしも会ったときの最初のコミュニケーションが「廊下、走るな!」とか注意から始まっていたらどうでしょうか? まず、楽しくなるはずがありません。
「おはよう」「さようなら」のあいさつにより、相手から認められているという気分になって元気をもらったり、一言のあいさつから次の会話が始まるのです。それは大人でも子どもでも同じです。
昨今、いじめ等の生徒指導上の問題が新聞紙上に取り上げられています。いじめの早期発見や未然防止に加えて、相手を思いやる心や心のつながりを学校生活の中で育む指導がもっともっと必要です。教育用語で言えば、積極的生徒指導と言います。
明るい声が響き合う学校になるよう教職員一同、頑張って取り組みます。また、同様に家庭や地域でもあいさつという言葉かけをお願いできないでしょうか。
(校長 高野 勝)
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☆輪島市6校合同小学校
学校だより第9号を掲載しました。
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