やすらぎ加賀教室の日誌

2019年7月の記事一覧

令和元年最初の事例検討会を行いました

 6月28日(金)15:30~1:0 講師に原田克巳金大准教授、高野真一県教員総合研修センター指導主事のお二人を迎え、加賀市教育総合支援センター(のぞみ教室)F研修室を会場に開催されました。小中学校、高校、関係諸機関から19名の参加を頂き、最初に室長西田浩康加賀聖城高校長から挨拶があり、出席者の自己紹介と簡単な情報交換のあと、PCAGIP法による事例検討を行いました。

今回は、通信制高校に在籍する生徒の事例でした。家庭での育ちや現在の状況がかなり複雑であること、小中学校時に始まる不登校のきっかけなどの詳細が不明なことなど全体が分かりにくい事例でしたが、参加者の皆さんからは状況把握や整理に参考になる発言が多く出されました。支援については、まず「立場の違う関係する支援者が集まり、情報の整理をすること。」「本人の願いを確認して方策を考えること」、そして「変化の芽を見つけてあげて本人の努力を労い、次のチャレンジにつなげること。」などのアドバイスが出されました。講師のお二人から講評などを頂き、その後副室長竹中隆司加賀聖城高校教頭からの閉会の挨拶で終了しました。参加された皆さん、ありがとうございました。
        


 ***ところで、PCAGIP法とは?***

事例検討会というと、事例提供者にとっては「資料作成に時間がかかる」「厳しく批判される」というイメージがありませんか?このPCAGIP法は、「提供者を批判しない」「メモを取らず全員が参加する」ことがルールで、安全な空間の中でグループメンバーの相互作用から問題解決に役立つヒントを生み出し、事例提供者自身の持つ力を引き出していく場を目指す、新しい事例検討法です。情報は記録者が黒板にまとめてゆき、参加者は黒板が見えるように円陣を作ります。

まず提供者が口頭で簡単な説明を行い、次に参加者が順番に質問をして提供者がそれに答えていく中で事例をめぐる状況の全体像が整理され、事例理解の多様な視点が生み出されます。その中では提供者にとって予想外の新しい展開となることもあり、更に支援へのアドバイスなども発言され、提供者が取り組んでゆくヒントや力が生まれることを目指します。

PCAGIP法(パーソン・センタード・アプローチ・グループ・インシデント・プロセスの略、通称「ピカジップ」法)